JP4614206B2 - マスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠 - Google Patents

マスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠 Download PDF

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Description

本発明は、建物や車両などのドアに装備されるシリンダー錠に関し、詳しくは、キーコードを新規キーに合せて簡単に変更できるようにしたシリンダー錠において、管理用のマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠に関するものである。
建物や車両などのドアに装備されているシリンダー錠は、広く知られている通り、ドアに装着されるホルダーと、このホルダー内に回転可能に収容されたシリンダーとを有し、シリンダーにキーを差し入れないかぎり、シリンダーがホルダーに対して回転不能となって施錠となり、一方、キーをシリンダーに差し入れることで、シリンダーがホルダーに対して回転可能となり、キーを差し入れたままシリンダーを回転させることで解錠する構成となっている。
この種のシリンダー錠には、シリンダーにキーを差し込むことに連動させて多数のディスクタンブラー(以下単にタンブラーという)をホルダーの係合溝から脱出させシリンダーを回転可能に移行させるものの他に、シリンダーにキーを差し込むことに連動して多数のタンブラーの切欠凹部が直線上に整列し、この切欠凹部に突入するサイドバーがホルダーの係合溝から脱出してシリンダーを回転可能に移行させる構成のサイドバータイプのものがある。
また、マスターキー機能も周知の如く、例えば集合住宅の場合等で、各戸毎の錠に対応する子キー(ユーザーキー)と、管理用に全戸の各錠に対応する親キー(マスターキー)とで構成したものである。
上記ディスクタンブラーを用いたシリンダ錠のマスターキー機構として、刻みが片側にのみある片側キーを用いるものと、刻みを上下両側に対称状に形成した両側キーを用いるものが一般的である。
このような従来のシリンダー錠は、ユーザーキーを紛失したり、或いは、盗まれたようなときには施解錠することができないため、錠業者に錠の取り付け交換を依頼しなければならない。
しかし、錠の交換は、交換作業に時間がかかる上、錠代と作業代など高額な費用を負担することになる。
また、マンションの居住者が替わったときには、部屋の玄関ドア錠を新たな錠に交換することが多いが、このような場合にも上記同様に錠業者に交換依頼をする必要があった。
さらに、従来のシリンダー錠では、管理者がマスターキーを紛失したり、或いは、盗まれたようなときには、そのマスターキーが対応する全ての錠を交換する必要があり、多大な労力と高額な費用を負担することになっていた。
実公平07−006407号公報
上記の問題を解決するため、シリンダー錠をドアに取付けた状態でキーコードを変更して施解錠できるようにしたキーコード可変型シリンダー錠が既に開発されているが、構造が複雑でコストが高く、信頼性にも問題があった。
また、このような従来のキーコード可変型シリンダー錠にマスターキー機構を備える場合、シリンダー錠の構成がますます複雑になり、シリンダー錠の大型化、組付工数及びコストの増大を招くという問題がある。
さらに、上記したような従来の片側キーを用いたマスターキーの場合、シリンダー錠のキー穴に挿入時にキーの上下を間違うと適正なキーでもキー穴に入らず、そのため暗い場所や急いでいる時に、なかなか施錠・解錠ができないことがあった。
そこで、両側キーを用いるシリンダー錠が増加しているが、両側キーを用いたマスターキーの場合、その構造上から1つのマスターキーに対するユーザーキーの数を余り多く作れないため、刻みが似たマスターキーグループは隣地同士で用いることができず、また何個かのユーザーキーがあると、それから推定してマスターキーを製作可能であり、悪用される危険がある、等の課題があった。
本発明は上記した実情にかんがみ、キーの紛失などによって施解錠できない場合には、特定の新規キーによって施解錠することにより、キーコードを自動的に変更することができ、以降はその新規キーによって施解錠することができるキーコード可変型シリンダー錠において、部品点数を増加することなく、操作性及び防盗性の高いマスターキー機構を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発明として、内周面に係合溝を有するホルダーと、このホルダー内に回転可能に収容し、キーを挿入して回転させるシリンダーとを備え、前記シリンダーには、キーの挿入方向と直交する方向にばね勢力を与えた複数のタンブラーと、キーの挿入前の状態ではタンブラーにより押動され前記ホルダーの係合溝に突入してシリンダーを非回転とし、かつ、キーの挿入によって整列した各タンブラーの切欠凹部にばね勢力で突入移動して前記係合溝から脱出しシリンダーを回転可能とするサイドバーとが設けられ、ユーザーが使用するユーザーキー及び管理者が使用するマスターキーのどちらでも施解錠可能なシリンダー錠において、前記ユーザーキーは、キーコードを変更する前に使用可能なユーザーキーと、キーコード変更後に使用可能な新規ユーザーキーとからなり、前記ユーザーキー、前記新規ユーザーキー及び前記マスターキーには前記タンブラーを駆動する第1、第2キーコード部を形成し、前記タンブラーの少なくとも一つのタンブラーは、相対移動可能に重ね合せた第1タンブラー板と第2タンブラー板とで形成し、前記第1、第2タンブラー板には、コード設定部を設け、このコード設定部は、弾性的に噛合し、新規ユーザーキーによって噛合位置を少なくとも2位置に変えることができる噛合部からなり、この噛合部の噛合位置を変えて第1キーコード係合部と第2キーコード係合部との相対的な位置を可変してキーコード設定する構成としてあり、前記第1タンブラー板には前記ユーザーキー及び前記新規ユーザーキーの第1キーコード部により駆動される第1キーコード係合部を形成し、前記第2タンブラー板には前記サイドバーを突入移動させる切欠凹部を設けると共に、前記マスターキーの第2キーコード部により駆動される第2キーコード係合部を形成し、キーコード設定の際に前記第2キーコード部に対する前記切欠凹部の相対位置は変化しない構成としたことを特徴とするマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠を提案する。
第2の発明としては、上記した第1の発明のシリンダー錠において、前記第1タンブラー板には、前記第2タンブラー板の前記切欠凹部の切欠幅よりも切欠幅を広く形成した切欠凹部を形成し、また、前記第1タンブラー板と前記第2タンブラー板とを相対移動可能に重ね合せた状態において前記2つの切欠凹部によって形成される切欠幅は、前記ユーザーキーの挿入時及び前記新規ユーザーキーの挿入時のいずれの場合でも前記サイドバーが突入することができる幅に形成したことを特徴とするマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠を提案する。
第1の発明のシリンダー錠は、シリンダー錠に新規ユーザーキーを差し入れて施解錠操作することで、シリンダー錠に新たなキーコードが自動的に設定される可変コード式シリンダ錠において、第1タンブラー板に第1キーコード係合部を形成し、第2タンブラー板に第2キーコード係合部を形成し、第1キーコード係合部がユーザーキー及び新規ユーザーキーの第1キーコード部に当接して駆動され、第2キーコード係合部がマスターキーの第2キーコード部に当接して駆動される。この結果、新たに部品を追加することなく、第2タンブラー板の形状を変更するだけで、マスターキー機能を有する可変コード式シリンダ錠となる。
このシリンダー錠は、キーコード変更用タンブラーと通常のタンブラーとを組合せて配設したので、防盗性の高いシリンダー錠を数種類のキーコードに変更することができ、且つ、キーコード変更の前後で管理用のマスターキーを継続して使用することができる。
なお、全てのタンブラーをキーコード変更用タンブラーとして構成することもできる。
この場合には防盗性が低下するが、キーコードの変更可能な回数を増加することができる。
また、内溝キーのように、キーの上下の挿入方向を問わず(リバーシブル)、且つ、少なくとも2つのキーコード部を形成することができるキーを用いれば、操作性が良く、また、鍵違い数が多くなるため、防盗性の高いマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠となる。
さらに、コード設定部である噛合部の噛合位置が新規ユーザーキーの使用によって少なくとも2位置に変わって、第1、第2タンブラー板に形成された第1、第2キーコード係合部の相対位置が変更される。
この結果、ユーザーキーを紛失等により失くした場合でも、シリンダ錠を交換する必要がなく、新規ユーザーキーをシリンダー錠に差し入れて回転操作するだけで新たなユーザーキーに対応するキーコードに変更することができ、且つ、キーコード変更の前後で管理用のマスターキーは継続して使用することができる。
また、キーコード変更用に新たな部材や特別な操作を必要としないため、操作性が良く、安価に製造が可能なマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠となる。
の発明のシリンダー錠は、第1タンブラー板には、第2タンブラー板の切欠凹部の切欠幅よりも切欠幅を広く形成した切欠凹部を形成し、また、第1タンブラー板と第2タンブラー板とを相対移動可能に重ね合せた状態において2つの切欠凹部によって形成される切欠幅は、ユーザーキーの挿入時及び新規ユーザーキーの挿入時のいずれの場合でもサイドバーが突入することができる幅に形成した。
この結果、ユーザーキーを紛失したような場合に、シリンダー錠を交換することなく、キーコードを変更して新規ユーザーキーに施解錠を可能にすることができる。
また、新規ユーザーキーでキーコードを変更した後は、従来のユーザーキー(キーコード変更前に使用していたユーザーキー)は使用することができなくなるキーコード可変型シリンダー錠となる。
次に、本発明の第1の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は本発明の一実施形態として示したキーコード可変型シリンダー錠の正面図、図2は図1上のA−A線拡大断面図、図3は上記シリンダー錠の主要部品を示した分解斜視図である。
図示するように、このシリンダー錠10は、ホルダー11、シリンダー12、カバー13、蓄光環14、プレート15によって構成されている。
このシリンダー錠10は、ドアに形成した取付開口部の周囲部にホルダー11を取付け、シリンダー12のテールピース12aをドア内部に設けた錠装置に連結する。
上記のホルダー11は、円筒状体のもので、その前端側には小径筒部11aと鍔部11bとが設けてあり、また、内周面には2つの係合溝11c、11dを対向面部に形成し、さらに、係合溝11c、11dの中間となる面部には2つの凹形溝11e、11fが対向形成してある。
なお、図1〜図3には凹形溝11fが図示されていない。
上記したシリンダー12は、ホルダー11内に回転可能に収容され、プレート15により抜け止めされた円柱状体のものである。
なお、プレート15はホルダー11に固着してある。
このシリンダー12には、円柱軸心方向に内部形成したキー挿入穴12b、このキー挿入穴12bと直交する方向に形成した多数のタンブラー孔12cと、外周面に形成した略I形のサイドバー用穴12dと、クリック機構用の小穴12eとが設けてある。
図4はシリンダー12に装備するタンブラー16、17とを示す。なお、本実施形態では同形状の7枚の通常タンブラー16と同構成の3枚のキーコード変更用のタンブラー17との10枚のタンブラー構成としてある。
タンブラー16は、短辺側を円弧状とした略矩形板からなる公知構成のもので、一側部にスプリング受部16a、他側部に切欠凹部16cを有し、さらに、板中に形成したキー孔部に第1キーコード係合部16bと第2キーコード係合部16dとを設けた構成となっている。
以下、このタンブラー16を通常タンブラーと称して説明することがある。
タンブラー17は、上記した通常タンブラー16とほぼ同形状の第1タンブラー板18と、ほぼU字形として第1タンブラー板18に移動可能として重ね合せた第2タンブラー板19とで構成したキーコード変更用タンブラーとなっている。
第1タンブラー板18には、スプリング受部18a、第1キーコード係合部18b、切欠凹部18c(図5参照)が設けてあり、第2タンブラー板19には、第2キーコード係合部19b、切欠凹部19cなどが設けてあるが、これら第1、第2タンブラー板18、19については詳細に後述する。
タンブラー16、17の各々は、シリンダー12のタンブラー孔12cに挿入し、各々のタンブラーに付設するスプリング20a、20bによってキー挿入穴12bと直交する方向の押動勢力を与える。
具体的には、スプリング20aによって図4中右方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17と、スプリング20bによって図4中左方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17とが備えてある。
つまり、各々のタンブラー孔12cの一端部に設けたスプリング用穴12fに各スプリング20aを内装した後、タンブラー16、17をタンブラー孔12cに挿入し、それらのスプリング受部16a、18aをスプリング20aに当接させ、そして、シリンダー12に挿入するスプリングリッド21によって各タンブラー16、17のスプリング受部16a、18aを受け止めし、タンブラー16、17の抜け止めを行なう。
左方向に押動勢力を与えるタンブラー16、17は、各々のタンブラー孔12cにタンブラー16、17を内装した後に、スプリング20bをスプリング用穴12fに挿入し、このスプリング20bの一端部を上記のスプリングリッド21に当接させるようにしてタンブラー16、17の抜け止めを行なうようにしてある。
また、上記のシリンダー12には、図2、図3に示すように、サイドバー22が装備してある。
このサイドバー22は、両端部側を低い段面とした細長形体で、その下面が角形断面となっている。
上記のサイドバー22は、シリンダー12のサイドバ一用穴12dに内装させるが、その両端部側の低段面と2つの止金具23との間に設けたスプリング24によってシリンダー12内に没入するように移動勢力を受けている。
なお、止金具23はサイドバー用穴12dの両端部で加締め止めし、シリンダー12に固定してある。
さらに、上記した小孔12eには、ばね26によって突出勢力を与えた小球27を設け、この小球27がホルダー11の凹部11gに突入し、キーの挿抜位置で節度感を与えるクリック機構を構成してある。
上記したカバー13は、ホルダー11の外周を覆うもので、ホルダー11の鍔部11bにねじ止めしてある。
また、カバー13は、前側を円錐形に形成し、その前面端にシリンダー12のキー挿入穴12bを露出させる円形孔13aが設けてある。
上記した蓄光環14は、例えば、蓄光材料を練り込んでポリカーボネイトで形成し、夜間に発光させるもので、これはカバー14aに接着剤で接着してある。
すなわち、カバー14aをホルダー11の小径筒部11aの周面と前面とを覆うように加締め止めすることで、蓄光環14をホルダー11に固着する構成としてある。
上記したシリンダー錠10は、キーをキー挿入穴12bに挿入しない状態では、各タンブラー16、17の切欠凹部16c、18c、19cが非整列となっているため、サイドバー22がその切欠凹部16c、18c、19cに突入することができず、タンブラー16、17の側部に当接して押し戻されている。
つまり、サイドバー22がスプリング24のばね勢力に抗してシリンダー12より突出し、図2に示すように、ホルダー11の係合溝11cに突入している。
したがって、サイドバー22が係合溝11cに係合していることから、シリンダー12の回転が阻止される。
この状態ではテールピース12aに連動する錠装置がドアロック又はドアアンロックの動作となる。
施錠している錠装置を解錠させるためキーをキー挿入穴12bに挿入すると、キーのキーコード部にしたがってタンブラー16、17の第1キーコード係合部16b、18bが駆動されることから、各タンブラー16、17が切欠凹部16c、18c、19c(切換凹部18c、19cは一体的に移動する)を直線上に整列させるように移動する。
このため、サイドバー22がスプリング24のばね勢力で整列した切欠凹部16c、18c、19cに突入移動する。
サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cに突入してシリンダー12に没入すると、サイドバー22がホルダー11の係合溝11cから脱出し、係合溝11cによるサイドバー22の係合が解放されるため、シリンダー12の回転が可能になる。
したがって、キーを挿入したままシリンダー12を左回転させることにより、テールピース12aに連動された錠装置がドアをアンロックさせるように動作する。
なお、キーの左回転は90度の回転位置で錠装置によって規制される。
これより、施錠されていたドアを解錠し、ドアを開くことができる。
また、キーをキー挿入穴12bより抜き取る場合は、キーを回転位置から右回転し、小球27によるクリック機構の節度位置、つまり、図1に示すキーの差し入れ位置まで戻し回転して抜き出す。
ドアを施錠させる場合は、キーをキー挿入穴12bに挿入し、シリンダー12を上記とは反対に右方向に90度回転させる。
このキー操作により錠装置がドアをロックするように動作する。
なお、この場合にもキーの右回転位置が錠装置によって規制される。
そして、キーを左回転して図1に示すキーの差し入れ位置に戻しキー挿入穴12bから抜き取ることで、タンブラー16、17がスプリング20a、20bのばね勢力で戻り移動するため、サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cから脱出し、タンブラー16、17の側部に乗り上がるようになる。
したがって、サイドバー22がシリンダー12から突出してホルダー11の係合溝11cに突入し、図2に示す施錠状態となる。
続いて、タンブラー17について説明する。
このタンブラー17は、キーコード変更用タンブラーであって、シリンダー錠10のキーコードを変更するためのものである。
すなわち、このタンブラー17は、現行ユーザーキーを紛失したような場合に、シリンダー錠10を交換することなく、キーコードを変更して新規ユーザーキーにより施解錠を可能にするためのものであって、本実施形態のタンブラー17は、現行ユーザーキーによって施解錠できるキーコードの他に、2通り(2種類)のキーコードに変更できるものとなっている。
なお、詳細は後述するが、このタンブラー17は、現行マスターキーを紛失したような場合も、上記のユーザーキーと同様に、シリンダー錠10を交換することなく、キーコードを変更して新規マスターキーにより施解錠を可能にするように適用することも可能である。
図5は、タンブラー17を形成する第1タンブラー板18と第2タンブラー板19とを示す斜視図で、図6は第1、第2タンブラー板18、19を重ね合せて形成したタンブラー17の斜視図である。
図示するように、第1タンブラー板18は、短辺側を円弧形状とした略矩形枠板で、通常タンブラー16とほぼ同形の枠板形状となっている。
具体的には、一側部から突出形成したスプリング受部18aと、キー孔部18d内に突出形成した第1キーコード係合部18bと、他側部に台形に切欠き形成した切欠凹部18cとを有している。
さらに、第1タンブラー板18は、第2タンブラー板19を重ね合せるための肉薄面部18eが形成してあり、また、肉厚面部18fには一つの歯形からなる各々の噛合部18g、18hが外向きに対向するように形成してある。
第2タンブラー板19は、図示する如く、円弧形の当接部19aを形成したほぼU字形の板枠で、一方の板脚には第2キーコード係合部19bと、台形に切欠き形成した切欠凹部19cが設けてあり、さらには、両板脚の先端側となる部分には3つの歯底を設けた噛合部19d、19eが形成してある。
このように形成した第1、第2タンブラー板18、19は、第2タンブラー板19を第1タンブラー板18の肉薄面部18eに重ね合せ、その噛合部19d、19eを第2タンブラー板19の弾性を利用して第1タンブラー板18の噛合部18g、18hに噛合させて図6に示すタンブラー17を形成している。
図7、図8、図9は第1タンブラー板18と第2タンブラー板19とによるキーコードの変更動作を示す説明図、図10は噛合部18g、18h及び19d、19eを拡大して示した第1、第2タンブラー板18、19の部分図で、19d1、19e1が第1噛合位置、19d2、19e2が第2噛合位置、19d3、19e3が第3噛合位置となっている。
図7は、第1タンブラー板18に対して第2タンブラー板19が、第1噛合位置19d1、19e1に噛合部18g、18hが噛合した移動位置となっており、現行ユーザーキー若しくは現行マスターキーが使用できるキーコードの状態を示している。
図8は、第2タンブラー板19が、第2噛合位置19d2、19e2に噛合部18g、18hが噛合した移動位置となっており、キーコードが変更された状態を示している。
図9は、第2タンブラー板19が、第3噛合位置19d3、19e3に噛合部18g、18hが噛合する移動位置となっており、他のキーコードに変更されている状態を示して
いる。
第2タンブラー板19を第1タンブラー板18に対して上記のように移動設定すると、第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bと第2タンブラー板19の切欠凹部19cとの位置関係が変わる。
つまり、第2タンブラー板19を上記のように移動設定した場合、第1キーコード係合部18bの位置と第2タンブラー板19の切欠凹部19cの位置とが図7から図8に又は図8から図9に示すように変り、シリンダー錠10のキーコードが変更される。
言換えれば、第2タンブラー板19の移動設定により、図8又は図9に示す第1キーコード係合部18bの変化位置で、この第1キーコード係合部18bを駆動することのできる異なるキーコードをもった各々のユーザーキー若しくはマスターキーを使用しなければ施解錠することができないシリンダー錠10となる。
ここで、第2キーコード係合部19bは第2タンブラー板19に形成されているため、第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bと切欠凹部19cとの位置関係は変化しない。
したがって、第2タンブラー板19を第1タンブラー板18に対して図7から図8に又は図8から図9に示すように移動設定しても、第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bの位置は切欠凹部19cに対して変化しないため、第2タンブラー板19の移動設定の前後において、この第2キーコード係合部19bを駆動するようにキーコードが設定されたキーを用いれば、上記したキーコード変更の前後において共通して施解錠することができるシリンダー錠10となる。
なお、第2タンブラー板19が移動することによって、切欠凹部19cと第1タンブラー板18の切欠凹部18cとの位置が変わるため、切欠凹部19cの切欠幅に対して切欠凹部18cの切欠幅を広く形成し、第2タンブラー板19が上記のように移動した場合でも、サイドバー22がこれら切欠凹部18c、19cに突入可能となるようにしてある。
図11(A)は、現行ユーザーキー(キーコード変更前に使用可能なキー)30の正面図、図11(B)は同キー30の右側面図である。
図示する如くこのキー30には、第1キーコード部30aと、第2キーコード部30bが形成してある。
なお、両面に第1キーコード部30aと第2キーコード部30bを形成することにより、表裏を反転させて挿入しても施解錠できるようになっている。
このユーザーキー30は、第1キーコード部30aによって図4右方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17の第1キーコード係合部16b、18bを駆動し、第2キーコード部30bによって図4左方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17の第1キーコード係合部16b、18bを駆動させる構成としてある。
本実施形態のシリンダー錠10は、図4に示したように7枚の通常タンブラー16と3枚のキーコード変更用のタンブラー17とを備えているから、キーコード変更前は上記ユーザーキー30を挿入することにより、第1キーコード部30a、第2キーコード部30bによって全てのタンブラーが駆動され、各々のタンブラー16、17の切欠凹部16c、18c、19cが直線上に整列し、サイドバー22がその切欠凹部16c、18c、19cに突入移動してシリンダー12の回転が可能になる。
また、図8又は図9のように、キーコード変更用のタンブラー17によってシリンダー錠10のキーコードを変更する場合は、上記した現行ユーザーキー30の第1キーコード部30aのうち、キーコード変更用のタンブラー17の第1キーコード係合部18bを駆動するコード部分を変えた新規ユーザーキーを使用する。
つまり、図7から図8のキーコードに、図8から図9のキーコードに変更するとすれば、各々のキーコードに変更することができる別々の新規ユーザーキーを使用することになる。
次に、図12〜図19を参照しながら上記したキーコード変更用のタンブラー17を備えるシリンダー錠10におけるユーザーキーのキーコード変更操作について説明する。
図12は、キーを挿入前のキーコード変更用のタンブラー17とサイドバー22の動作状態を示す。
なお、この図はスプリング20aによって図4右方向に押動勢力を与えたキーコード変更用のタンブラー17を示している。
図示するように、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19は噛合部18g、18hが第1噛合位置19d1、19e1に噛合している。
そして、これら第1、第2タンブラー板18、19の切欠凹部18c、19cが通常タンブラー16の切欠凹部16cと共にサイドバー22の突入位置からずれた位置となっており、このため、サイドバー22がシリンダー12から突出しホルダー11の係合溝11cに突入している。
この結果、シリンダー12が回転しない動作状態となっている。
図13は、上記した現行ユーザーキー30をキー挿入穴12bに挿入した状態を示す。
現行ユーザーキー30を挿入すると、現行ユーザーキー30の第1キーコード部30aによって第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bが駆動され、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19とが一体的に下降移動する。
これより、第1タンブラー板18の切欠凹部18cと第2タンブラー板19の切欠凹部19cがサイドバー22の突入可能位置に一体的に移る。
なお、通常タンブラー16の第1キーコード係合部16bも現行ユーザーキー30の第1キーコード部30aによって同様に駆動されるため、サイドバー22の突入可能位置に移るから、タンブラー16、17の全ての切欠凹部16c、18c、19cが整列する。
したがって、サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cに突入移動してホルダー11の係合溝11cから脱出し、シリンダー12が回転可能となる。
図14は、図12に示すシリンダー12の状態において、新規ユーザーキー40をキー挿入穴12bに挿入した動作状態を示す。
新規ユーザーキー40は上記した現行ユーザーキー30に比べキーコード変更用のタンブラー17を駆動する第1キーコード部40aが異なるものとなっている。
つまり、キーコード変更用のタンブラー17の第1キーコード係合部18bを駆動する第1キーコード部40aの突出量を大きくした新規ユーザーキー40としてある。
したがって、新規ユーザーキー40を挿入すると、第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bが第1キーコード部40aによって駆動され、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19が新規ユーザーキー40の第1キーコード部40aにしたがって一体的に下降し、第2タンブラー板19の当接部19aがホルダー11の凹形溝11fに入り込む。
また、第1タンブラ一板18の切欠凹部18cと第2タンブラー板19の切欠凹部19cとの相対位置関係は変わらないから、これら切欠凹部18c、19cがサイドバー22の突入可能位置に移る。
なお、現行ユーザーキー30の挿入時及び新規ユーザーキー40の挿入時のどちらかの場合でも、サイドバー22が突入することができるように切欠凹部18c、19cの幅が形成してある。
また、通常タンブラー16も新規ユーザーキー40によって駆動されるため、全てのタンブラー16、17の切欠凹部16c、18c、19cが整列し、サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cに突入移動し、シリンダー12が回転可能となる。
続いて、新規ユーザーキー40によってシリンダー12を回転すると、図15に示す如く、第2タンブラー板19の当接部19aがホルダー11の凹形溝11fの側部に当接し、さらに、シリンダー12を回転すると、当接部19aに作用する押動によって図16に示す如く、第2タンブラー板19が図示するように後退移動する。
この場合、第1タンブラー板18は、その第1キーコード係合部18bが新規ユーザーキー40の第1キーコード部40aに当っているため移動せず、第2タンブラー板19のみが図示矢印方向に移動する。
このため、第1タンブラー板18の噛合部18g、18hが第2タンブラー板19の第1噛合位置19d1、19e1から第2噛合位置19d2、19e2に移り、キーコード変更が行なわれる。
つまり、このとき第1キーコード係合部18bに対する第2タンブラー板19の切欠凹部19cの相対位置が変化する。
なお、このとき第2キーコード係合部19bに対する第2タンブラー板19の切欠凹部19cの相対位置は変化しない。
図17は、上記のようにキーコードを変更した後、新規ユーザーキー40によってシリンダー12を戻り回転させ、続いて、新規ユーザーキー40を抜き取った動作状態を示す。
新規ユーザーキー40を抜き取ると、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19とが一体的に上昇移動するため、これらの切欠凹部18c、19cからサイドバー22が脱出する。
なお、通常タンブラー16も同様の動作となる。
これより、サイドバー22がホルダー11の係合溝11cに突入し、シリンダー12の回転が阻止される。
図18は、新規ユーザーキー40によってキーコードを変更したシリンダー錠10に現行ユーザーキー30を挿入した状態を示す。
この場合は、第1キーコード係合部18bと第2タンブラー板19の切欠凹部19cの相対位置関係が新規ユーザーキー40に対応しており、第2タンブラー板19の切欠凹部19cが上方に移動しているため、現行ユーザーキー30を挿入しても、その切欠凹部19cがサイドバー22の突入可能位置に移動しない。
したがって、現行ユーザーキー30ではシリンダー12が回転しないため、現行ユーザーキー30の使用では施解錠することができない。
つまり、新規ユーザーキーでキーコードを変更した後は、従来のユーザーキー(キーコード変更前に使用していたユーザーキー)は使用することができなくなる。
上記では、噛合部18g、18hを第2噛合位置19d2、19e2に噛合させてキーコードを変更したが、噛合部18g、18hを第3噛合位置19d3、19e3に噛合させてキーコードを変更する場合も他の新規ユーザーキーを使用して同様に行なうことができる。
以上は、スプリング20aによって図4右方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17について説明したが、スプリング20bによって図4左方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17は同様の動作となる。
すなわち、図19に示すように、図4左方向に押動勢力を与えたキーコード変更用のタンブラー17の第1キーコード係合部18bが現行ユーザーキー30の第2キーコード部30bによって駆動される。
なお、同方向に押動勢力を与えたタンブラー16も同様となる。
これより、タンブラー16、17の切欠凹部16c、18cが整列するようになる。
また、キーコード変更用のタンブラー17のキーコード変更動作は上記同様の動作となる。
次に、図20〜図22を参照しながら、ユーザーキーのキーコード変更用のタンブラー17におけるマスターキー機構について説明する。
図20(A)は、マスターキー50(管理用に全戸の各錠に共通して対応する親キー)の正面図、図11(B)は同マスターキー50の右側面図である。
図示する如くこのマスターキー50には、前述のユーザーキー30と同様に、第1キーコード部50aと、第2キーコード部50bが形成してあり、両面に第1キーコード部50aと第2キーコード部50bを形成することにより、表裏を反転させて挿入しても施解錠できるようになっている。
このマスターキー50は、図4左方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17の第2キーコード係合部16d、19bを第1キーコード部50aによって駆動し、図4右方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17の第2キーコード係合部16d、19bを第2キーコード部50bによって駆動させる構成としてある。
前述した通り、本実施形態のシリンダー錠10は、図4に示す7枚の通常タンブラー16と3枚のキーコード変更用のタンブラー17とを備えており、マスターキー50を挿入すると、第1キーコード部50a、第2キーコード部50bによって全てのタンブラーの第2キーコード係合部16d、19bが駆動され、各々のタンブラー16、17の切欠凹部16c、18c、19cが直線上に整列し、サイドバー22がその切欠凹部16c、18c、19cに突入移動してシリンダー12の回転が可能になる。
図21は、ユーザーキーのキーコードを変更する前のシリンダー12(図12参照)に、マスターキー50を挿入したキーコード変更用のタンブラー17の動作状態を示す。
この図で示すキーコード変更用のタンブラー17は、スプリング20aによって図4右方向に押動勢力を与えられている。
図示するように、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19は噛合部18g、18hが第1噛合位置19d1、19e1に噛合している。
マスターキー50を挿入すると、マスターキー50の第2キーコード部50bによって第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bが駆動され、第1タンブラー板18と第2タンブラー板19とが一体的に下降移動する。
これより、第1タンブラー板18の切欠凹部18cと第2タンブラー板19の切欠凹部19cがサイドバー22の突入可能位置に一体的に移る。
なお、通常タンブラー16の第2キーコード係合部16dもマスターキー50の第2キーコード部50bによって同様に駆動されるため、サイドバー22の突入可能位置に移るから、タンブラー16、17の全ての切欠凹部16c、18c、19cが整列する。
このように、マスターキー50の第2キーコード部50bは、第1キーコード部50aと第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bとの係合が優先されないようにキーコード設定されている。
つまり、マスターキー50の第1キーコード部50aが、第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bと係合せず、マスターキー50の第2キーコード部50bが第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bと係合するよう、マスターキー50のキーコードを設定する。
なお、マスターキー50の第2キーコード部50bと第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bが係合する位置であれば、第1キーコード部50aと第1キーコード係合部18bが同時に係合してもよい。
この結果、マスターキー50の第2キーコード部50bが第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bを駆動して、タンブラー16、17の全ての切欠凹部16c、18c、19cが整列する。
したがって、サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cに突入移動してホルダー11の係合溝11cから脱出し、シリンダー12が回転可能となる。
以上は、スプリング20aによって図4右方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17について説明したが、スプリング20bによって図4左方向に押動勢力を与えたタンブラー16、17も同様の動作となる。
図22は、新規ユーザーキー40によりキーコードを変更する前のシリンダー12(図19参照)に、マスターキー50を挿入したキーコード変更用のタンブラー17の動作状態を示す。
この図で示すように、図4左方向に押動勢力を与えたキーコード変更用のタンブラー17の第2キーコード係合部19bがマスターキー50の第1キーコード部50aによって駆動される。
なお、同方向に押動勢力を与えたタンブラー16も同様となる。
これより、タンブラー16、17の切欠凹部16c、18cが整列するようになる。
このように、マスターキー50の第1キーコード部50aは、第2キーコード部50bと第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bとの係合が優先されないようにキーコード設定されている。
つまり、マスターキー50の第2キーコード部50bが、第1タンブラー板18の第1キーコード係合部18bと係合せず、マスターキー50の第1キーコード部50aが第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bと係合するよう、マスターキー50のキーコードを設定する。
なお、マスターキー50の第1キーコード部50aと第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bが係合する位置であれば、第2キーコード部50bと第1キーコード係合部18bが同時に係合してもよい。
この結果、マスターキー50の第1キーコード部50aが第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bを駆動して、タンブラー16、17の全ての切欠凹部16c、18c、19cが整列する。
したがって、サイドバー22が切欠凹部16c、18c、19cに突入移動してホルダー11の係合溝11cから脱出し、シリンダー12が回転可能となる。
ユーザーキーのキーコードを変更する前のシリンダー12におけるマスターキー機構について説明したが、キーコード変更用のタンブラー17の第2キーコード係合部19bは第2タンブラー板19に形成されているため、第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bと切欠凹部19cとの位置関係は、キーコードを変更する前後で変化しない。
つまり、第2タンブラー板19を第1タンブラー板18に対して図7から図8に又は図8から図9に示すように移動設定しても、第2タンブラー板19の第2キーコード係合部19bの位置は切欠凹部19cに対して変化しないため、第2タンブラー板の移動設定の前後において、共通のキーコードを有するキー(例えばマスターキー50)を用いて第2キーコード係合部19bを駆動することができる。
このように、マスターキー50を用いると、キーコード変更用タンブラー17のユーザーキーのキーコード変更の前後に関係なく、タンブラー16、17の第2キーコード係合部16d、19bを駆動できるよう構成されている。
次に、上記した第1の実施形態のシリンダー錠10において、マスターキー50によりタンブラー17のキーコードを変更する構成について、本発明の第2の実施形態として説明する。
この第2の実施形態のシリンダー錠10は、図4に示す3枚のキーコード変更用のタンブラー17のうち、少なくとも1枚をマスターキーのキーコード変更用タンブラー17としている。
図23は、現行マスターキー50をシリンダー12のキー挿入穴12bに挿入した動作状態を表し、図24は、新規マスターキー60をキー挿入穴12bに挿入した動作状態を示す。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態の現行ユーザーキー30を現行マスターキー50に、新規ユーザーキー40を新規マスターキー60に変更したものであり、これ以外の構成、及びキーコード変更操作については上記第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態におけるキーコード変更用のタンブラー17は、マスターキーのキーコードを変更するために用いられ、現行マスターキー50を紛失等により失くした場合に、新規マスターキー60をシリンダー12のキー挿入穴12bに挿入し、新規マスターキー60を回転操作すると、第1の実施形態と同様に、タンブラー17のキーコードが変更されるように構成されている。
新規マスターキー60でキーコードを変更した後は、従来のマスターキー(キーコード変更前に使用していたマスターキー50)は使用することができなくなる。
なお、新規マスターキー60を用いてタンブラー17のキーコードを変更した後も、ユーザーキーは継続して使用することが可能である。
したがって、上記の第1、第2の実施形態を組み合わせることにより、同一のシリンダー錠10において、ユーザーキーのキーコードを変更することが可能で、且つ、マスターキーのキーコードを変更することが可能となる。
以上の実施形態において説明したマスターキー機構を有するシリンダー錠を、マンション等の集合住宅の管理用として、各戸にはユーザーキー30のキーコードが個別に異なるシリンダー錠10を設置し、これら全戸のシリンダー錠10に対応するマスターキー50を設定すれば、管理用としてマスターキー50を利用することができる。
また、ユーザーがユーザーキー30を盗難されたり紛失した場合、ユーザーが新規ユーザーキー40又は他の新規ユーザーキーを用いてキーコードを変更したシリンダー錠10に対しても、マスターキー50を変更する必要がなく同じマスターキー50を使用することができるため、利便性が高くコストを削減することができる。
さらに、管理者がマスターキー50を盗難されたり紛失した場合、管理者が新規マスターキー60又は他の新規マスターキーを用いてキーコードを変更したシリンダー錠10に対しても、各戸のユーザーはユーザーキー30を変更する必要がなく継続してユーザーキー30を使用することができるため、利便性が高く管理コストを削減することができる。
また、本発明の実施形態では、操作性が良く、鍵違い数の多いマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠を提供するため、キーの上下の挿入方向を問わず(リバーシブル)、且つ、少なくとも2つのキーコード部を形成することができるキーとして内溝キーを用いて説明を行ったが、刻みを上下両側に対称状に形成した両側キー等、他のタイプのキーを用いても良い。
本発明のシリンダー錠10は、タンブラー数を任意に定めることができるが、上記した実施形態において説明したように、新規ユーザーキー又は新規マスターキーを挿入することによってキーコードが自動的に変更されるから、キーコード変更用のタンブラー17の枚数を多くするほどセキュリティ面において信頼性が低下する。
したがって、例えば、10枚のタンブラーを備えるシリンダー錠であれば、そのうち2〜3枚のタンブラーをキーコード変更用のタンブラー17とすることが好ましい。
なお、本発明では、鍵違い数を多くするため、図4に示すタンブラー16、17の押動勢力を左右方向へ無作為に与えているが、全てのタンブラー16、17について同方向に押動勢力を与えるシリンダー錠としてもよく、また、第1タンブラー板18の噛合部18g、18hの歯数と第2タンブラー板19の噛合部19d、19eの歯数については任意に定めることができ、また、上記実施形態に示した噛合部18g、18hを第2タンブラー板19に、噛合部19d、19eを第1タンブラー板18に設けてもよい。
また、上記の実施形態では、キーコード変更用のタンブラー17は、ユーザーキーのキーコード変更用、若しくはユーザーキーとマスターキーの両方のキーコード変更用として説明したが、全てのタンブラー17をマスターキーのキーコード変更用としても良い。
建物や車輌のドアなどに備えるシリンダー錠として利用することができる。
本発明に係るキーコード可変型シリンダー錠の一実施形態を示すシリンダー 錠の正面図である。 図1上のA−(A)線拡大断面図である。 上記したシリンダー錠の主要部品を示した分解斜視図である。 上記したシリンダー錠に備えたシリンダーとタンブラーとを示す分解斜視図 である。 上記したシリンダー錠に備えるキーコード変更用タンブラーを示す分解斜視 図である。 上記したキーコード変更用タンブラーの斜視図である。 上記したキーコード変更用タンブラーの正面図である。 キーコードを変更した動作を示す図7同様のタンブラーの正面図である。 他のキーコードに変更した動作を示す図7同様のタンブラーの正面図である。 キーコード変更用タンブラーに設けた噛合部を示す部分拡大図である。 (A)は現行ユーザーキーの正面図であり、(B)は現行ユーザーキーの右側面図である。 ホルダーとシリンダーとを断面してキー挿入前のキーコード変更用タンブ ラーの動作を示した断面図である。 現行ユーザーキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。 新規ユーザーキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。 キーコードの変更動作を示す図12同様の断面図である。 キーコードの変更動作を示す図12同様の断面図である。 キーコード変更後にキーを抜き出した状態を示す図12同様の断面図であ る。 キーコード変更後に現行ユーザーキーを挿入したときの動作を示す図12同様の断面図である。 反対方向の押動勢力を与えたキーコード変更用タンブラーを示す図12同様の断面図である。 (A)はマスターキーの正面図であり、(B)はマスターキーの右側面図である。 マスターキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。 反対方向の押動勢力を与えたキーコード変更用タンブラーにマスターキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。 現行マスターキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。 新規マスターキーを挿入した状態を示す図12同様の断面図である。
符号の説明
10 シリンダー錠
11 ホルダー
11c、11d 係合溝
11e、11f 凹形溝
12 シリンダー
12b キー挿入穴
16 通常タンブラー
17 キーコード変更用のタンブラー
18 第1タンブラー板
18a スプリング受部
18b 第1キーコード係合部
18c 切欠凹部
18d キー孔部
18e 肉薄面部
18f 肉厚面部
18g、18h 噛合部
19 第2タンブラー板
19a 当接部
19b 第2キーコード係合部
19c 切欠凹部
19d、19e 噛合部
22 サイドバー
25 保持板
30 現行ユーザーキー
30a 第1キーコード部
30b 第2キーコード部
40 新規ユーザーキー
40a 第1キーコード部
40b 第2キーコード部
50 マスターキー
50a 第1キーコード部
50b 第2キーコード部
60 新規マスターキー

Claims (2)

  1. 内周面に係合溝を有するホルダーと、このホルダー内に回転可能に収容し、キーを挿入して回転させるシリンダーとを備え、前記シリンダーには、キーの挿入方向と直交する方向にばね勢力を与えた複数のタンブラーと、キーの挿入前の状態ではタンブラーにより押動され前記ホルダーの係合溝に突入してシリンダーを非回転とし、かつ、キーの挿入によって整列した各タンブラーの切欠凹部にばね勢力で突入移動して前記係合溝から脱出しシリンダーを回転可能とするサイドバーとが設けられ、ユーザーが使用するユーザーキー及び管理者が使用するマスターキーのどちらでも施解錠可能なシリンダー錠において、前記ユーザーキーは、キーコードを変更する前に使用可能なユーザーキーと、キーコード変更後に使用可能な新規ユーザーキーとからなり、前記ユーザーキー、前記新規ユーザーキー及び前記マスターキーには前記タンブラーを駆動する第1、第2キーコード部を形成し、前記タンブラーの少なくとも一つのタンブラーは、相対移動可能に重ね合せた第1タンブラー板と第2タンブラー板とで形成し、前記第1、第2タンブラー板には、コード設定部を設け、このコード設定部は、弾性的に噛合し、新規ユーザーキーによって噛合位置を少なくとも2位置に変えることができる噛合部からなり、この噛合部の噛合位置を変えて第1キーコード係合部と第2キーコード係合部との相対的な位置を可変してキーコード設定する構成としてあり、前記第1タンブラー板には前記ユーザーキー及び前記新規ユーザーキーの第1キーコード部により駆動される第1キーコード係合部を形成し、前記第2タンブラー板には前記サイドバーを突入移動させる切欠凹部を設けると共に、前記マスターキーの第2キーコード部により駆動される第2キーコード係合部を形成し、キーコード設定の際に前記第2キーコード部に対する前記切欠凹部の相対位置は変化しない構成としたことを特徴とするマスターキー機構を有するキーコード可変型シリンダー錠。
  2. 請求項1に記載したシリンダー錠において、前記第1タンブラー板には、前記第2タンブラー板の前記切欠凹部の切欠幅よりも切欠幅を広く形成した切欠凹部を形成し、また、前記第1タンブラー板と前記第2タンブラー板とを相対移動可能に重ね合せた状態において前記2つの切欠凹部によって形成される切欠幅は、前記ユーザーキーの挿入時及び前記新規ユーザーキーの挿入時のいずれの場合でも前記サイドバーが突入することができる幅に形成したことを特徴とするマスターキー機構を有するキ ーコード可変型シリンダー錠。
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