JP6595314B2 - 押しボタン錠 - Google Patents
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本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、解錠コードの変更を容易に行うことができる押しボタン錠を提供することを目的とする。
また、前記操作部はドアの室内側に設けられているので、ユーザ以外の第三者は、ドアの室外側にいる限り、前記操作部を操作することができない。したがって、第三者によって解錠コードが勝手に変更されるのを防止することができる。
この場合、押しボタンにより解錠用のタンブラのみが押動操作された場合、すなわち解錠コードを知っている場合に限り、ロック部による本体部のロックを解除操作することができる。このため、ユーザ以外の第三者は、ドアの室内側にいても解錠コードを知らない限り、解錠コードの変更を行うことができない。したがって、第三者によって解錠コードが勝手に変更されるのをさらに効果的に防止することができる。
この場合、本体部の突出部は、ベース部の挿入孔に挿入された状態で、ロック部の第1及び第2係合部により挿入孔の径方向両側から挟み込まれた状態で当該挿入孔から離脱不能に保持される。これにより、本体部をベース部にロックした状態で、本体部が前記挿入孔の径方向にがたつくのを防止することができる。
この場合、本体部が前記挿入孔の径方向にがたつくのをさらに効果的に防止することができる。
この場合、本体部をベース部から取り外した状態で、本体部側の押さえ板を当接位置から非当接位置へ移動操作することで、本体部から裏蓋を取り外すことができ、これによって、各挿通孔に挿通されているタンブラを差し替えることができる。したがって、本体部から裏蓋を取り外すときにドライバー等の工具を用いる必要がないので、解錠コードの変更をさらに容易に行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る押しボタン錠の取付状態を示す側面図である。また、図2の(a)及び(b)は、それぞれ上記押しボタン錠を室外側及び室内側から見た外観図である。図1及び図2において、本実施形態の押しボタン錠1は、ラッチD1が出退自在に取り付けられたドアDに設けられている。押しボタン錠1は、ドアDの室外側に取り付けられたベース部2及び本体部3と、ドアDの室内側に取り付けられた基台4および飾り蓋5とを備えている。
図3は、本体部3の内部構成を示す拡大縦断面図である。図2及び図3において、本体部3は、ケーシング3aと、その内部に設けられた施錠ロック機構11とを備えている。ケーシング3aの表面側には、上記複数の押しボタン7がそれぞれ出退自在に設けられており、これらの押しボタン7は、押しボタン錠1を解錠状態とするための解錠コードをデジタル入力できるよう構成されている。すなわち、各押しボタン7近傍のケーシング3aの表面には、例えば、押しボタン7への押動操作に伴って解錠コードとして入力される数字(0〜9)およびアルファベット(A,B)が刻印され表示されている。
図5において、施錠ロック機構11は基板16を備えており、この基板16は、その幅方向中央に形成された案内溝14と、この案内溝14の幅方向両側に形成された複数のタンブラ挿通孔(挿通孔)15とを有する。案内溝14は、ケーシング3aの幅方向中央において長手方向(図4の上下方向)に延設されたクリア作動体13の当該長手方向への摺動を案内するものである。
基板16は、ケーシング3aに対して図示しないボルトにより着脱自在に取り付けられている。尚、これらのボルト及びが当該ボルトが螺合されるボルト穴は、後述するロックボルト44が螺合されるボルト穴3a1とケーシング3aの幅方向で平行な位置に形成されている。
図4において、上記スライダ17は、全てのタンブラ挿通孔15を取り囲めるように構成された板状の枠体にて形成されたものであり、ケーシング3aの上板との間に介装された圧縮バネ21によって遊星ギヤ機構18側に常時付勢された状態で、遊星ギヤ機構18によって上記長手方向に動かされるようになっている。
図5において、上記クリア作動体13は、基板16の案内溝14内で上記スライダ17と同じ方向(すなわち、上記長手方向)に摺動自在に設けられたものであり、タンブラ12をその押動操作位置で保持する保持機能、及び長手方向に移動することにより押動操作位置で保持されたタンブラ12をその非押動操作位置に戻すクリア機能が付与されている。つまり、クリア作動体13の室内側には、位置決め部としての二股状の位置決めバネ24がタンブラ12毎に設けられており、当該位置決めバネ24が押動操作位置に移動されたタンブラ12を保持する(図7も参照)。
図6の(a)及び(b)は、それぞれ非解錠用のタンブラ12b及び解錠用のタンブラ12aの正面図である。図5及び図6に示すように、上記タンブラ12の幅方向一方側には、スライダ17の凹部17a及び凸部17bと係脱する規制部12cと解除溝12dとが凹凸状に形成されている。また、タンブラ12の幅方向他方側には、上記位置決めバネ24の先端掛止部24aに掛止される係止部12eが形成されている。各タンブラ12は、その係止部12eが形成されている側をケーシング3aの中央側に向けるようにして上記タンブラ挿通孔15に差し込まれている。
上記各押しボタン7は、図5に示すように、有底筒状に形成されたケース7aと、このケース7a内に取り付けられた復帰バネ7bとを備えている。この復帰バネ7bの一端部はケース7aの底面に接続され、他端部は上記タンブラ支持台19の室外側に突設した突片29に接続されている。これにより、押しボタン7を押動操作しこの押しボタン7に連結されたタンブラ12を押動操作位置に移動させた後は、当該押しボタン7だけがその復帰バネ7bによってケーシング3aの表面側の元の位置に自動的に復帰する。
図3及び図4において、上記遊星ギヤ機構18は、ケーシング3a内で室外ノブ8の上記駆動ギヤを兼用したサンギヤ31と、このサンギヤ31のケーシング3aの長手方向上側及び下側に配置されて当該サンギヤ31と噛合する遊星ギヤ32a,32bとを備えている。サンギヤ31及び遊星ギヤ32a,32bは、基板16に形成された円溝33内に配置されており、サンギヤ31は円溝33の中心に配置されている。
また、スライダ17の下端部には、同図に示すように、サンギヤ31側に対向配置される半円弧状の逃げ凹部17cが形成されており、これにより、スライダ17の下端部は、サンギヤ31に近接して配置されている。
図8は、回動体28及びカム部材40を室内側から見たときの拡大平面図である。図3及び図8を参照して、回動体28は、回動芯材37と、この回動芯材37が組付けられた筒状の軸受け部38と、この軸受け部38に巻き付けられた巻きバネ39とを備えており、室外ノブ8のつまみ部8aへの操作に応じて回動するようになっている。
回動体28には、その軸受け部38の室内側にカム部材40が同軸心状に設けられている。カム部材40は、そのほぼ中心部分にサンギヤ31の室外側端部を挿通可能な挿通孔40aが形成された板材により構成されている。このカム部材40には、図8に示すように、例えば取付孔40bが周方向に3箇所形成されており、各取付孔40bに軸受け部38の室内側に設けられた突起38aが通された状態で、カム部材40は回動体28に組み付けられている。
図9は、本体部3を室内側から見たときの平面図である。図3及び図9において、基板16の室内側には、複数のタンブラ挿通孔15の室内側の開口を施蓋する上記裏蓋20が着脱自在に取り付けられている。裏蓋20の外面は、施蓋状態において基板16の室内側の外面16bと略面一に配置されている。また、裏蓋20の外面には、ケーシング3aに刻印されている解錠コード(図2(a)参照)に対応する数字(0〜9)およびアルファベット(A,B)が刻印され表示されている。
基板16の外面16bには、裏蓋20を施蓋状態で保持する一対の保持部43が設けられている。本実施形態のこれら保持部43は、裏蓋20の図中上側の右部分および図中下側の左部分をそれぞれ施蓋状態で保持している。保持部43は、基板16の外面16b上に配置された押さえ板43aと、この押さえ板43aを外面16bに沿って回動自在に支持する回動軸部43bとを有している。
図3において、ケーシング3aの室内側における長手方向両端部の端面にはボルト穴3a1が形成されており、これらの各ボルト穴3a1にはロックボルト44(図9も参照)が螺合されている。ロックボルト44は、ネジ部44a、締付部44b、ピン部44cおよびヘッド部44dが、その順に一体に形成されたものである。ネジ部44aは上記ボルト穴3a1に螺合されており、残りの締付部44b、ピン部44cおよびヘッド部44dは、ケーシング3aよりも室内側に突出する突出部45を構成している。この突出部45は、本体部3をベース部2に取り付けることで、ベース部2の後述する挿入孔53(図10参照)に挿入されるようになっている。また、突出部45は、締付部44bの室内側の端面、ピン部44cの外周、およびヘッド部44dの室外側の端面により断面凹状に形成された環状溝45aを有する。
図10は、ベース部2及び基台4の内部構成を示す縦断面図である。図10において、ベース部2は、外側ベース体51と、この外側ベース体51の室内側に取り付けられた内側ベース体52とを備えている。外側ベース体51の室外側には、本体部3が着脱自在に取り付けられる取付溝51aが形成されている(図11も参照)。本体部3は、その裏面側(基板16及び裏蓋20の外面)を取付溝51aの底面に当接させた状態、つまり本体部3の裏面側を覆い隠した状態で当該取付溝51aに取り付けられる。
図11は、ベース部2の外側ベース体51を室外側から見たときの平面図である。図10及び図11において、外側ベース体51の取付溝51aの底部には、上下両端部において厚み方向に貫通する貫通孔51bが形成されている。また、これらの貫通孔51bに対応する内側ベース体52の室外側には凹溝52aが形成されている。なお、図10では、外側ベース体51の長手方向下側の貫通孔51b、及び内側ベース体52の長手方向下側の凹溝52aのみを示しており、長手方向上側の貫通孔51b及び凹溝52aは図示を省略している。
図10において、外側ベース体51と内側ベース体52との間には収容スペース54が形成されており、この収容スペース54には、本体部3がベース部2の取付溝51aに取り付けられた状態で当該本体部3をロックするロック部60が収容されている。ロック部60は、第1及び第2ロックプレート61,62と、外側回動体65とを有している。
図12は、外側ベース体51と第1及び第2ロックプレート61,62とを分解して室内側から見たときの平面図である。図12において、第1及び第2ロックプレート61,62は、外側ベース体51の長手方向に延びる平板部材からなり、プレート本体61a,62aと、そのプレート本体61a,62aの長手方向一端部(図中の上端部)において当該プレート本体61a,62aよりも幅広に形成された幅広部61b,62bとを有している。
上記幅広部61b,62bには、上記外側回動体65の軸部65b(後述)を貫通する長孔70,71と、当該長孔70,71よりも円弧部61b1,62b1側において連結ピン74a,74b(後述)を貫通するガイド孔72,73とが形成されている。
図16は、規制部材63及びコイルバネ64を示す図10の要部拡大断面図である。図16において、規制部材63は、収容スペース54内において外側ベース体51に固定されたガイド部材55により室内外方向へ移動自在に取り付けられた規制基部63aと、この規制基部63aから室外側に突出する連動部63bとを有している。
連動部63bの先端面には、図中の上端部から下端に向かって室外側から室内側に傾斜するテーパ面63b1が形成されている。このテーパ面63b1には、スライダ17の図中上端部が当接している。
図10において、押しボタン錠1は、ドアDの室内側からロック部60による本体部3のロックを解除操作する操作部80をさらに備えている。操作部80は、基台4の図中上端部の室外側に回動自在に設けられた内側回動体81に対して着脱自在に取り付けられている。内側回動体81は、室内側に突出する円柱状の軸部81aと、軸部81aの径外側に形成された一対の係止溝81bと、室外側に突出する筒状の連結部81cとを有している。
次に、ロック部60により本体部3がロックされている状態から、本体部3をベース部2から取り外して解錠コードを変更する場合の操作手順について説明する。
図10において、まず、押しボタン7により予め設定された解錠コードを正確に入力した後、室外ノブ8に解錠方向への操作力を加える。これにより、スライダ17が図中上側へ移動することで、規制部材63は規制位置から規制解除位置(図18参照)へ移動し、第1及び第2ロックプレート61,62のロック位置(図15参照)での保持が解除される。
以上、本実施形態の本実施形態の押しボタン錠1では、通常時は、裏面側からタンブラ12が挿し込まれた本体部3の裏面側を、ドアDの室外側に固定されたベース部2に取り付けた状態で本体部3をロック部60によりロックすることで、本体部3の裏面側はベース部2によって覆い隠される。これにより、通常時は、本体部3の裏面側からタンブラ12を抜き差しすることができない状態、すなわち解錠コードの変更を行うことができない状態に保持することができる。
また、操作部80はドアDの室内側に設けられているので、ユーザ以外の第三者は、ドアDの室外側にいる限り、操作部80を操作することができない。したがって、第三者によって解錠コードが勝手に変更されるのを防止することができる。
例えば、本発明の押しボタン錠1は、玄関ドアに適用する場合について説明したが、屋内に設けられた扉などを施錠する施錠装置として用いてもよい。
2 ベース部
3 本体部
7 押しボタン
12 タンブラ
12a 解錠用のタンブラ
12b 非解錠用のタンブラ
15 タンブラ挿通孔(挿通孔)
20 裏蓋
43 保持部
43a 押さえ板
45 突出部
53 挿入孔
60 ロック部
66a1 円弧壁部(第1係合部)
67a1 円弧壁部(第2係合部)
80 操作部
D ドア
Claims (5)
- ドアの室外側に設けられる本体部と、
前記本体部の表面側に出退自在に設けられた複数の押しボタンと、
前記各押しボタンに対応して、前記本体部の裏面側から当該本体部内に抜き差し自在に差し込まれた解錠用及び非解錠用の複数のタンブラと、を備え、
前記押しボタンにより前記解錠用のタンブラのみが押動操作されると、当該タンブラが前記本体部の表裏方向の裏側へ移動することで解錠可能な状態となる押しボタン錠であって、
前記ドアの室外側に固定され、前記本体部の裏面側が着脱自在に取り付けられるベース部と、
前記本体部の裏面側が前記ベース部に取り付けられた状態で当該本体部をロックするロック部と、
前記ドアの室内側に設けられ、前記ロック部による前記本体部のロックを解除操作する操作部と、
を備えることを特徴とする押しボタン錠。 - 前記ロック部は、前記本体部をロックした状態で、前記押しボタンにより前記解錠用のタンブラのみが押動操作されたときに限り、当該本体部のロックを解除可能な状態となる
請求項1に記載の押しボタン錠。 - 前記本体部は、その裏側へ突出する突出部を有し、
前記ベース部は、当該ベース部に前記本体部が取り付けられた状態で、前記突出部が挿入される挿入孔を有し、
前記ロック部は、前記挿入孔の周壁から径内方向へ出退自在な第1係合部と、前記挿入孔の周壁であって前記第1係合部に対して径方向反対側の位置から径内方向へ出退自在な第2係合部と、を有し、
前記突出部は、前記挿入孔に挿入された状態で、前記第1係合部および第2係合部が前記挿入孔の径内方向に突出して当該突出部を径方向両側から挟み込むように係合することで、前記挿入孔から離脱不能に保持される
請求項1又は2に記載の押しボタン錠。 - 前記本体部は、前記表裏方向と直交する方向に所定間隔をおいて複数の前記突出部を有し、
前記ベース部は、前記複数の突出部がそれぞれ挿入される複数の前記挿入孔を有し、
前記ロック部は、前記複数の挿入孔それぞれにおいてその周壁から径内方向へ出退自在な複数の前記第1及び第2係合部を有する
請求項3に記載の押しボタン錠。 - 前記本体部には、その裏側に開口するとともに前記複数のタンブラそれぞれが差し込まれる複数の挿通孔が形成されており、
前記本体部の裏側に着脱自在に取り付けられ、前記複数の挿通孔の開口を施蓋する裏蓋と、
前記裏蓋を施蓋状態で保持する保持部と、をさらに備え、
前記保持部は、前記本体部の裏側において、施蓋状態の前記裏蓋をその裏面側から押さえる当接位置と押さえない非当接位置との間で移動自在に取り付けられた押さえ板を有する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の押しボタン錠。
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- 2015-11-19 JP JP2015226785A patent/JP6595314B2/ja active Active
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