JP4613808B2 - 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

微細メタクリル樹脂粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4613808B2
JP4613808B2 JP2005351619A JP2005351619A JP4613808B2 JP 4613808 B2 JP4613808 B2 JP 4613808B2 JP 2005351619 A JP2005351619 A JP 2005351619A JP 2005351619 A JP2005351619 A JP 2005351619A JP 4613808 B2 JP4613808 B2 JP 4613808B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
resin particles
methacrylic resin
monomer
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005351619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007154051A (ja
Inventor
将一 隅田
和広 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2005351619A priority Critical patent/JP4613808B2/ja
Priority to KR1020060121183A priority patent/KR101334065B1/ko
Publication of JP2007154051A publication Critical patent/JP2007154051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4613808B2 publication Critical patent/JP4613808B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、微細メタクリル樹脂粒子の製造方法に関する。
例えば図1に示すような撹拌翼(1)を備えた重合容器(2)を用い、この重合容器(2)内で、メチルメタクリレートを主成分とする単量体を、水性媒体と共に撹拌することにより、この水性媒体中に懸濁させながら、重合開始剤により重合を開始し、重合させる、いわゆる懸濁重合法は、メタクリル樹脂粒子の製造方法として広く用いられている。かかる懸濁重合法では、撹拌動力を高くすると、得られるメタクリル樹脂粒子の粒子径が小さくなることが知られている。
しかし、例えば平均粒子径50μm以下という微細なメタクリル樹脂粒子を得ようとして、高い撹拌動力で撹拌しながら重合させると、生成した樹脂粒子が互いに激しく凝集してしまい、微細メタクリル樹脂粒子の製造が困難になるという問題があった。
激しい凝集を招くことなく微細な重合体粒子を製造する方法として、非特許文献1〔「乳化・分散プロセスの機能と応用技術」、(株)サイエンスフォーラム発行、1995年、第38頁〕には、ホモジナイザー、コロイドミルなどの乳化器により単量体を水性媒体中で1μm程度の微細な液滴として懸濁させたのち重合容器に移送し、重合開始剤を添加して重合させる方法が開示されているが、単量体および水性媒体の混合物は、懸濁したのちに重合容器に移送する必要があり、必ずしも効率的な製造方法ではない。
「乳化・分散プロセスの機能と応用技術」、(株)サイエンスフォーラム発行、1995年、第38頁 Mixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; KODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)
そこで本発明者は、凝集を招くことなく、攪拌翼を備えた重合容器を用いて効率的に微細メタクリル樹脂粒子を製造し得る方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、メチルメタクリレートを主成分とする単量体を水性媒体と共に撹拌することにより該水性媒体中に懸濁させながら、重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細メタクリル樹脂粒子を製造する方法であり、
前記重合開始剤の95質量%以上が式(I)
Figure 0004613808
〔式中、mおよびnはそれぞれ6〜12の整数を示す。〕
で示される化合物であり、
重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/10倍以下の範囲とすることを特徴とする微細メタクリル樹脂粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、激しい凝集を招くことなく効率的に、例えば平均粒子径で50μm以下、好ましくは20μm以下、通常は1μm以上の微細メタクリル樹脂粒子を容易に製造することができる。
本発明の製造方法で用いられる単量体は、メチルメタクリレートを主成分とするものであり、例えば単量体の全量、即ち100質量%がメチルメタクリレートであってもよいし、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上がメチルメタクリレートであり、50質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下がメチルメタクリレートと共重合しうる単量体であってもよい。共重合しうる単量体は、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する単官能単量体であってもよいし、2個以上有する多官能単量体であってもよい。
メチルメタクリレートと共重合しうる単官能単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル、
アクリルアミド、アクリロニトリルなどの窒素含有アクリル系単量体、
メタクリルアミド、メタクリロにトリルなどの窒素含有メタクリル系単量体、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有単量体、
スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。
メチルメタクリレートと共重合しうる多官能単量体としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどの多価アルコールのアクリル酸エステル、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレートなどの多価アルコールのメタクリル酸エステル、
アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
これらの単官能単量体および多官能単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
水性媒体として通常は水が用いられるが、単量体を懸濁した状態で重合できるのであれば、有機溶媒を含んでいてもよい。水性溶媒の使用量は、撹拌により単量体を懸濁しうる量であり、単量体に対して通常1質量倍以上であり、容積効率の点で通常は10質量倍以下、好ましくは5質量倍以下である。
水性溶媒に懸濁安定剤を含有させてもよい。懸濁安定剤としては、例えばポリメタクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの高分子分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルなどのノニオン性界面活性剤、炭酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩などが挙げられる。かかる懸濁安定剤の使用量は、水100質量部あたり、単量体が水性媒体中で安定して液滴となって懸濁させ易い点で通常は0.005質量部以上であり、使用量に見合った効果が得られる点で通常は10質量部の範囲である。懸濁安定剤は、重合開始前に加えてもよいし、重合開始後に加えてもよい。
上記の単量体を水性媒体と共に撹拌するには、通常、図1および図2に示すような撹拌翼(1)を備えた重合容器(2)が用いられる。
撹拌翼(1)としては、撹拌軸(11)に取り付けられたものが使用される。攪拌翼(1)は撹拌軸(11)を回転軸として回転することで、重合容器(2)内の重合混合物(3)を撹拌する。撹拌翼(1)の形状は、重合中の重合混合物(3)を十分に撹拌できるものであればよく、タービン翼、ファウドラー翼、プロペラ翼などのような、通常の懸濁重合法に用いられる撹拌翼を用いることができる。かかる撹拌翼(1)は、撹拌軸(11)を電動モーター(図示せず)などによって回転させることで回転し、重合混合物(3)を撹拌する。攪拌翼(1)の直径(d)は通常、0.04m〜4mの範囲である。
重合容器(2)としては、例えば内面(2a)が円筒形状をしている円筒状重合容器を用いることができる。重合容器の内径(D)は通常0.1m〜5m程度であり、通常は、攪拌翼の径(d)が重合容器の内径(D)に対して0.4倍〜0.8倍程度となる範囲である。かかる重合容器(2)には、重合中の重合混合物(3)が十分に混合されるように、バッフル(4)が備えられていてもよい。バッフル(4)の形状は、板状、棒状のものを用いることができる。バッフルを備える場合、その数は重合容器の容積に応じて適宜選択され、1個であってもよいが、十分な混合のために通常は2個以上が備えられ、また8個以下であることが好ましい。図1および図2に示す重合容器では、板状のバッフル(4)が6個、重合容器の内面に沿って設けられている。
かかる重合容器(2)に単量体および水性媒体を投入し、撹拌翼(1)を回転させることにより撹拌し、これにより単量体を水性媒体中に懸濁させながら、重合を開始する。重合を開始する際には、通常0.05kW/m3以上、好ましくは0.1kW/m3以上、通常は3kW/m3以下の初期撹拌動力(P0)で撹拌する。
重合は、例えば通常の懸濁重合と同様に、単量体および水性媒体に、あらかじめ重合開始剤を添加しておき、撹拌しながら重合温度に加熱することにより開始することができる。
本発明の製造方法で用いる重合開始剤は、その95質量%以上が、上記式(I)で示される化合物である。上記式(I)で示される化合物としては、例えばジラウロイルパーオキサイド〔式(I)におけるnおよびmが共に10に相当する化合物。〕、ジデカノイルパーオキサイド〔式(I)におけるnおよびmが共に8に相当する化合物。〕などが挙げられ、好ましくはジラウロイルパーオキサイドである。
重合開始剤は、そのうちの95質量%以上が上記式(I)で示される化合物であればよく、その全量、即ち100質量%が、上記式(I)で示される化合物であってもよいし、5質量%以下で他の重合開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどのアゾ系重合開始剤、
ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物系重合開始剤などを含んでいてもよい。
重合開始剤の使用量は、単量体100質量部あたり通常0.01質量部〜5質量部、好ましくは1質量部以下である。
重合温度は、重合開始剤の熱分解開始温度以上の温度であって、通常は60℃〜120℃である。
重合を開始したのちも攪拌を続けることにより単量体を水性媒体中に懸濁させることにより、単量体が懸濁状態のまま重合するが、本発明の製造方法では、重合途中で撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/10倍以下、通常は1/400以上とする。なお、撹拌動力は、例えば非特許文献2〔Mixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; KODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)〕などに記載された方法で求めることができる。
撹拌動力(P)を上記範囲とするには、例えば撹拌翼(1)の回転を減速して回転速度(n)を低くすればよい。減速後の撹拌翼(1)のチップ速度(V)は、式(1)
V=π×d×n・・・(1)
〔式中、πは円周率を、dは攪拌翼の直径(単位はm)を、nは減速後の攪拌翼の回転速度(単位は秒-1)をそれぞれ示す。〕
で示される。チップ速度(V)は、式(2)
V ≦ V0×2.3×D/10d・・・(2)
〔式中、Vは減速後の撹拌翼のチップ速度(単位はm/秒)を、V0は重合を開始させたときの撹拌翼のチップ速度(単位はm/秒)を、Dは重合容器の内径(単位はm)を、dおよびnはそれぞれ上記と同じ意味を示す。〕
を満足していてもよいが、本発明の製造方法は、減速後の撹拌翼のチップ速度(V)が、式(2)を満足せず、式(3)
V > V0×2.3×D/10d・・・(3)
〔式中、V、V0、Dおよびdはそれぞれ上記と同じ意味を示す。〕
を満足する場合であっても、目的の微細メタクリル樹脂粒子を得ることができる。
本発明の製造方法では、重合途中、好ましくは単量体の重合率が25%以下、さらには20%以下の間に、撹拌動力(P)を上記範囲とする。撹拌動力(P)を上記範囲とする際の重合率は0%を超えていればよく、重合開始直後であってもよい。なお、単量体の重合率とは、使用した単量体のうち重合した単量体の割合である。
撹拌動力(P)を上記範囲とした後、通常は、この範囲の攪拌動力で攪拌しながら、重合を完結させる。重合を完結させるには、そのまま重合温度を保って、攪拌下に重合を進行させればよい。また、重合温度によっては、未重合の単量体が残留する場合もあるが、この場合には、上記した重合温度の範囲で昇温することにより、重合を完結させてもよい。
重合を完結させた後の重合混合物を通常と同様に固液分離することで、目的の微細メタクリル樹脂粒子を取り出すことができる。固液分離する方法としては、通常と同様の方法、例えば自然濾過、遠心濾過、加圧濾過などの濾過による方法、デカンター、サイクロンなどを用いて遠心沈降させる方法などが挙げられる。取り出された微細メタクリル樹脂粒子は、水などで洗浄してもよい。得られた微細メタクリル樹脂粒子は、完全に乾燥させてもよいが、静電気の帯電を防止するために、メタクリル樹脂粒子100質量部あたり5質量部以上の水分を含んだ状態で保管することが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、重合中の重合率は、重合中の重合混合物から採取した試料を110℃で2時間乾燥させたときの質量の変化量から求めた。
初期撹拌動力(P0)および撹拌動力(P)は、非特許文献2〔Mixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; KODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)〕に従い、重合混合物(懸濁液)の密度(ρ)を983Kg/m3、粘度(μ)を3.97mPa・sとして求めた。
得られた微細メタクリル樹脂粒子の中心粒子径(D50)は、微細メタクリル樹脂粒子を純水に分散させて、超音波を照射した後、光散乱粒径測定装置〔Micro Track社製「FRA」〕を用いて測定した。
凝集の有無は、重合後のスラリー状重合混合物をスライドガラス上に採取し、倍率100倍の光学顕微鏡で観察して、判定した。
実施例1
図1および図2に示すように、重合容器(2)として、内容積2dm3(2L)、内径(D)0.13mで円筒形状をした冷却器(図示せず)付きの容器を用いた。内部には、幅7mmで容器の内面(2a)に沿って底部(2b)から上方に至る板状のバッフル(4)を6個均等間隔で設けた。この重合容器(2)には、撹拌軸(11)に取り付けた撹拌翼(1)が備えられている。撹拌翼(1)としては、幅14mmの矩形状の平板を用い、図3に示すように撹拌軸(11)に対して45°の取付角度(θ)で取り付けたものを用いた。撹拌翼(1)の枚数は8枚とし、4枚ずつ2段で取り付けた。攪拌翼(1)の直径(d)は0.06mであった。
室温〔約20℃〕で、この重合容器(2)にイオン交換水1013gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.368g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.21gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。更にメチルメタクリレート398.7g、メチルアクリレート〔単官能単量体〕16.8g、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕2.52g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063gおよびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕2.52gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。その後、窒素ガス(5)の流通下に、撹拌翼(1)を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3である。また、このときの撹拌翼(1)のチップ速度(V0)は2.36m/秒である。また重合開始剤は全量(100質量%)がジラウロイルパーオキサイドであり、重合開始剤のうちのジラウロイルパーオキサイドの割合(LPO比)は100質量%である。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼(1)を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点でポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.41gをイオン交換水25.24gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として15分が経過した時点で、撹拌翼(1)の回転を減速して回転速度(n)を110rpm(1.83秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.00092kW/m3であり、チップ速度(V)は0.345m/秒である。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、15.7%であったので、撹拌翼(1)の回転速度を減速した時点における重合率は、16%未満である。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で発熱による内温の急激な上昇が見られ、約70℃まで内温が上昇した。発熱の終了後、放冷により内温65℃まで冷却された時点で、さらに昇温し、内温を85℃として重合を完結させ、中心粒子径(D50)9.7μmの微細メタクリル樹脂粒子を得た。なお、重合後のスラリー状の重合混合物において微細メタクリル樹脂粒子に凝集は見られなかった。結果を第1表に示す。
実施例2
撹拌翼の減速後の回転速度(n)を250rpm(4.17秒-1、チップ速度(V)は0.785m/秒)とした以外は実施例1と同様に操作してメタクリル樹脂粒子を得た。結果を第1表に示す。
実施例3
撹拌翼の減速後の回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1、チップ速度1.07m/秒)とした以外は実施例1と同様に操作してメタクリル樹脂粒子を得た。結果を第1表に示す。
比較例1
撹拌翼の回転を減速させず、そのまま750rpmで撹拌しながら重合させた以外は実施例1と同様に操作したところ、重合途中で激しい凝集が起こり、微細メタクリル樹脂粒子を得ることができなかった。結果を第1表に示す。
比較例2
メチルメタクリレートの使用量を398.2gとし、重合開始剤としてジラウロイルパーオキシド2.52gおよびベンゾイルパーオキシド0.32gを用い、撹拌翼の減速後の回転速度(n)を250rpm(4.17秒-1、チップ速度(V)は0.786m/秒)した以外は実施例1と同様に操作して微細メタクリル樹脂粒子を得たが、重合後の重合混合物には、激しい凝集が見られた。なお、用いた重合開始剤のうちジラウロイルパーオキサイドの割合(LPO比)は89質量%であり、残り11質量%がベンゾイルパーオキサイドである。結果を第1表に示す。
比較例3
撹拌翼の減速後の回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1、チップ速度1.07m/秒)とした以外は比較例2と同様に操作したところ、重合途中で激しい凝集が起こり、微細メタクリル樹脂粒子を得ることができなかった。結果を第1表に示す。

第 1 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
LPO比 P0 P 重合率 凝集の D50
(質量%) (kW/m3) (kW/m3) (%) 有無 (μm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 100 0.293 0.00092 <16 無 9.7
実施例2 100 0.293 0.0109 <16 無 10.0
実施例3 100 0.293 0.0273 <18 無 12.6
比較例1 100 0.293 0.293 <17 有 −
比較例2 89 0.293 0.0109 <20 有 15.0
比較例3 89 0.293 0.0273 <20 有 −
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例4
メチルメタクリレートの使用量を400.3gとし、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕の使用量を2.53gとし、ジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕の使用量を1.26gとして昇温を開始し、内温が60℃に達した時間を基準として3分が経過した時点で、実施例1で用いた溶液に代えてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル8.42gをイオン交換水25.26gに溶解させたものを加えた以外は実施例1と同様に操作して、微細メタクリル樹脂粒子を得た。結果を第2表に示す。
実施例5
撹拌翼の減速後の回転速度(n)を250rpm(4.17秒-1、チップ速度(V)は0.786m/秒)とした以外は実施例4と同様に操作して微細メタクリル樹脂粒子を得た。結果を第2表に示す。
比較例4
イオン交換水の使用量を1014gとし、メチルメタクリレートの使用量を399.7gとし、重合開始剤としてジラウロイルパーオキシド1.26gおよびベンゾイルパーオキシド0.42gを用いて昇温を開始し、内温が60℃に達した時間を基準として3分が経過した時点で、実施例で用いた溶液に代えてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル8.42gをイオン交換水25.25gに溶解させたものを加えた以外は実施例と同様に操作して、微細メタクリル樹脂粒子を得た。結果を第2表に示す。
比較例5
メチルメタクリレートの使用量を399.7gとし、重合開始剤としてジラウロイルパーオキシド1.26gおよびtert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.46gを用いて昇温を開始し、内温が60℃に達した時間を基準として3分が経過した時点で、実施例で用いた溶液に代えてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル8.42gをイオン交換水25.25gに溶解させたものを加えた以外は実施例と同様に操作したが、重合途中で激しい凝集が起こり、微細メタクリル樹脂粒子を得ることができなかった。結果を第2表に示す。
第 2 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
LPO比 P0 P 重合率 凝集の D50
(質量%) (kW/m3) (kW/m3) (%) 有無 (μm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例4 100 0.293 0.00092 <11 無 9.3
実施例5 100 0.293 0.0109 <11 無 10.1
比較例4 75 0.293 0.0109 − 有 −
比較例5 73 0.293 0.0109 <12 有 −
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本発明の製造方法によるメタクリル樹脂粒子の製造に用いられる重合装置の一例の縦断面図である。 図1のA−A’断面における横断面図である。 攪拌軸に対する攪拌翼の取り付け角度を示す模式図である。
符号の説明
1:撹拌翼 11:撹拌軸 d:撹拌翼の直径 θ:取付角度
2:重合容器
2a:内面 2b:底面 D:内径
3:重合混合物 4:バッフル 5:窒素ガス

Claims (1)

  1. 50質量%以上がメチルメタクリレートである単量体を水性媒体と共に撹拌することにより該水性媒体中に懸濁させながら、重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細メタクリル樹脂粒子を製造する方法であり、
    前記重合開始剤の95質量%以上が式(I)
    Figure 0004613808
    〔式中、mおよびnはそれぞれ6〜12の整数を示す。〕
    で示される化合物であり、
    前記単量体の重合率が25%以下の間に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/10倍以下の範囲とすることを特徴とする微細メタクリル樹脂粒子の製造方法。
JP2005351619A 2005-12-06 2005-12-06 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP4613808B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005351619A JP4613808B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法
KR1020060121183A KR101334065B1 (ko) 2005-12-06 2006-12-04 미세 메타크릴 수지 입자의 제조 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005351619A JP4613808B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007154051A JP2007154051A (ja) 2007-06-21
JP4613808B2 true JP4613808B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=38238824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005351619A Expired - Fee Related JP4613808B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4613808B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214532A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 微細樹脂粒子の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56152812A (en) * 1980-04-28 1981-11-26 Kyowa Gas Chem Ind Co Ltd Production of fine polymer particle
JPH05155907A (ja) * 1991-12-10 1993-06-22 Sumitomo Chem Co Ltd メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JPH10279629A (ja) * 1997-04-10 1998-10-20 Mitsubishi Chem Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2005179427A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル樹脂粒子の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56152812A (en) * 1980-04-28 1981-11-26 Kyowa Gas Chem Ind Co Ltd Production of fine polymer particle
JPH05155907A (ja) * 1991-12-10 1993-06-22 Sumitomo Chem Co Ltd メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JPH10279629A (ja) * 1997-04-10 1998-10-20 Mitsubishi Chem Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2005179427A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル樹脂粒子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214532A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 微細樹脂粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007154051A (ja) 2007-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3095304B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
CN100336834C (zh) 油溶性引发剂引发活性细乳液聚合法制备微胶囊的方法
JP2006257139A (ja) コア−シェル型高分子微粒子及びその製造方法
JP3897020B2 (ja) メタクリル樹脂粒子の製造方法
JP4613808B2 (ja) 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法
JPS61215602A (ja) 重合体粒子の製造方法
JP4407694B2 (ja) 微細メタクリル樹脂粒子の製造方法
JP5016955B2 (ja) 単孔中空粒子及びその製造方法
JP2007154052A (ja) 微細メタクリル樹脂粒子の製造法
CN115232234B (zh) 一种用于荧光陶瓷的球型造孔剂的制备方法及所得球型造孔剂
KR101334065B1 (ko) 미세 메타크릴 수지 입자의 제조 방법
JP2008214532A (ja) 微細樹脂粒子の製造方法
JP5586885B2 (ja) ビニル系重合体微粒子の製造方法およびこの製造方法により得られたビニル系重合体微粒子
JPH05155907A (ja) メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JP2000281716A (ja) 重合体ラテックスの濃縮方法
JP7435710B2 (ja) 水溶性ポリマーの製造方法
JP2007321063A (ja) 樹脂粒子の分離方法
JP3369339B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP6991473B2 (ja) ピッカリング粒子及びその製造方法、並びに気体内包粒子
JP2005220165A (ja) ポリマー粒子の製造方法
JP4817358B2 (ja) ビニル系樹脂微粒子の製造方法
JP2005220166A (ja) ポリマー粒子の製造方法
JPH05140205A (ja) 塩化ビニル樹脂の製造方法
JP2004091517A (ja) 多孔質ポリマーの製造方法
JP3848955B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080131

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101004

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees