JP4613524B2 - 鋼管の局部座屈性能評価方法、鋼管の設計方法、鋼管の製造方法、鋼管 - Google Patents

鋼管の局部座屈性能評価方法、鋼管の設計方法、鋼管の製造方法、鋼管 Download PDF

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Description

本発明は、ガス・石油パイプライン等に用いる鋼管の局部座屈性能評価方法、鋼管の設計方法、鋼管の製造方法、鋼管に関する。
ガスパイプライン、石油パイプラインはエネルギー供給の根幹として建設が進められてきている。近年では、特に天然ガス需要の増大を背景とし、消費地から遠く離れた地にガス田が開発されることが多い。このため、近年の新しいパイプラインは長距離化の傾向を呈し、大量輸送のために大径化、高圧化の傾向が強まってきている。
このような新しいパイプラインでは、高強度鋼管を適用して大口径でも薄い管厚で高い内圧に耐えられることが要求されるようになってきている。管厚を薄くすることによって、現地における溶接費やパイプの輸送費が低減されパイプラインの建設および操業のトータルコストの低減が図られるからである。
ところで、鋼管は引張荷重に対しては材料の延性を十分に活かせるが、圧縮負荷に対しては断面形状が薄肉円筒であるため座屈が発生する。そして、引張破断歪が10%前後であるのに対し、圧縮負荷による座屈歪は1〜2%程度であり、パイプラインの塑性設計では、局部座屈歪が支配因子となる可能性が高い。特に管厚の薄い鋼管では局部座屈歪が小さくなる傾向があり、局部座屈歪を大きくすることが重要となる。
そこで、局部座屈歪を大きくして座屈性能を高めるために以下のような提案がなされている。
すなわち、試験片長手方向を鋼管の軸方向に一致させて採取した引張試験片を用いて引張試験を行い、得られた公称応力−公称歪曲線において、降伏点からオンロード歪量が5%までのいずれの歪量においても、公称応力/公称歪の勾配が正となる鋼管は、勾配が0または負となる鋼管に比較して局部座屈を起こす限界の外径/管厚比が著しく大きく、座屈歪を起こしにくいとの知見から、軸方向の引張試験により得られる公称応力−公称歪曲線において、降伏点からオンロード歪が5%までのいずれの歪においても公称応力/公称歪の勾配が正となるような鋼管とする(特許文献1参照)。
特開平9−196243号公報
上記特許文献1に示されるように、従来、鋼管の局部座屈歪を大きくするには、降伏点以降においても公称応力/公称歪の勾配が正となる鋼材を用いるのがよいとされていた。公称応力/公称歪の勾配が正となるとは、鋼材の応力歪曲線がいわゆる連続硬化型(詳細は後述)であることを意味する。
近年においては、このような考え方がパイプライン業界では一般的であり、逆に連続硬化型でない降伏棚のあるものでは大きな局部座屈歪が得られないとして、そのような材料はパイプライン用の鋼管には不向きであると認識されていた。
ここで、連続硬化型応力歪曲線とは、材料の応力歪曲線において弾性域を超えた後に降伏棚が生じることなく、歪の増加に伴って応力が増加して滑らかな曲線となるものである(図12参照)。
また、降伏棚型応力歪曲線とは、線形域の後に降伏棚を生ずるものをいう(図12参照)。なお、降伏棚型応力歪曲線における直線で示される弾性域を線形域、応力が増加することなく歪が増加する領域を降伏棚域、降伏棚終点後の滑らかな曲線領域を歪硬化域、歪硬化域が開始する歪を歪硬化開始歪という(図13参照)。
上記のように降伏棚型の応力歪曲線を有する鋼管(降伏棚モデルの鋼管)の局部座屈歪は、連続硬化型の応力歪曲線を有する鋼管(連続硬化モデルの鋼管)よりも小さいことが一般的に知られている。このため、パイプラインの建設のように座屈性能が高い鋼管を得ようとする場合、降伏棚モデルの鋼管は、工学的な判断に基づいて自動的に排除されているのが現状である。
連続硬化モデルの鋼管は、鋼管の化学成分や造管前の鋼板の圧延条件を制御し、あるいは造管中や造管後の鋼管に熱処理や加工処理を施すことによって得られる。
しかしながら、鋼管の製造途中においては、連続硬化型を維持していたとしても、例えば塗装工程のように熱処理を加えることによって、材質が変化してしまい連続硬化型を維持できなくなってしまう場合もある。
このような場合には、降伏棚モデルとなってしまい、従来の考えであれば、このような鋼管は局部座屈性能が低いとして例えばパイプライン用の鋼管としては不向きであるとされることになる。
しかしながら、このようなものを一律排除するのは現実的でない。かといって、従来では降伏棚モデルを一律に排除する考え方しかなかったために、どのようなものであればパイプライン用に使用できるかを判定することができなかったのである。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、降伏棚モデルのものを例えばパイプラインのような局部座屈性能に優れることが要求される用途に適用できるかどうかを判定する鋼管の局部座屈性能評価方法を提供することを目的としている。
また、上記鋼管の局部座屈性能評価方法に用いた技術思想を用いた鋼管の設計方法、また、該鋼管の設計方法により鋼管を製造する方法、さらに、前記鋼管の局部座屈性能評価方法によって得られる鋼管を提供することを目的としている。
前述のように、降伏棚モデルの鋼管の場合、鋼管の座屈性能は低く、該鋼管は大きな変形性能が要求されるパイプラインへの適用は不適当であると考えられてきた。
つまり、従来の鋼管の評価方法を図示すると、図14(a)に示すように、連続硬化モデルかどうかのみを判定基準として、連続硬化モデルの場合にはパイプライン等への適用の可能性ありと評価し、連続硬化モデルでない、すなわち降伏棚モデルの場合にはパイプライン等への適用の可能性なしと評価していたのである。
しかしながら、このような考えに固執すると、本来的には連続硬化モデルモデルであったものが塗装のための熱処理などにより、降伏棚モデルへと変わったような場合には、もはやパイプラインには使用できないことになってしまう。
そこで、発明者は従来の連続硬化モデルか降伏棚モデルかという2者択一で鋼管の局部座屈性能を峻別することに疑問を感じ、図14(b)に示すように、降伏棚モデルであっても所定の判定基準を満たす場合には連続硬化モデルと同様の局部座屈性能を発揮し、パイプライン等への適用の可能性があるものがあるのではないかとの着想のもとに、降伏棚モデルのうちどのような基準を満たすものであれば連続硬化モデルと同等の局部座屈性能を発揮できる可能性があるのかの検討を重ね、その判定方法を見出し本発明を完成したものである。
発明者はまず、降伏棚モデルの場合には何ゆえに局部座屈性能が低いのかを検討した。
降伏棚モデルの鋼管が降伏棚の領域で座屈する場合、降伏棚領域では、応力が増加しない状態で変形が進行するため、降伏棚領域で座屈する鋼管は降伏歪の直後に座屈波形が成長する。したがって、降伏棚領域で座屈する鋼管の局部座屈歪は近似的には降伏歪となってしまう。
このように、降伏棚領域で座屈する場合にはその座屈歪は降伏歪と考えられ、その値は小さく(約1%)なってしまうのである。そうだとすれば、降伏棚を有する材料であってもパイプライン等に使用できるような座屈性能に優れるものとなるには、応力歪曲線上における座屈点が降伏棚領域の終点(歪硬化領域の始点)以降にあればよいのではないか、換言すれば、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きければよいのではないかとの知見を得た。
そこで、ある鋼管の局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかを知ることができれば、当該鋼管が座屈性能に優れる可能性があるかどうかを判断できると考え、本発明を完成したものである。
(1)本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法は、応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、該第1ステップで取得された応力歪特性における歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係を判定する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定された場合には当該材料を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、第2ステップにおいて局部座屈歪が歪硬化開始歪以下と判定された場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたものである。
第1ステップは降伏棚を有する鋼材の応力歪特性を取得するステップである。ここで応力歪特性とは、例えば当該鋼材を引張試験した場合の応力と歪の関係を示す点列のデータ、あるいはこれに基づく応力歪曲線等であり、ここで取得した応力歪曲線の一例を図15に示す。
第2ステップは、第1ステップで取得された応力歪特性における歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係を判定するステップである。ここでは、鋼管の局部座屈歪を求める必要はなく、歪硬化開始歪と局部座屈歪との大小関係が分かればよい。したがって、例えば鋼管を試作して歪硬化開始歪に相当する歪を生じさせるような荷重を与えたときに試作の鋼管が座屈するかどうかを試験して、座屈した場合には歪硬化開始歪が大きいと判断できる。
第3ステップは、第2ステップにおいて局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定された場合には当該材料を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、第2ステップにおいて歪硬化開始歪が局部座屈歪以上と判定された場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する。
塑性設計を前提とされる構造物とは、換言すれば高い座屈強度が要求される構造物であり、その具体例としては、例えばパイプラインなどがある。
上記のように、(1)の方法によれば、歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係を判定するだけで、鋼管の用途を判定できるので非常に便利である。
(1)の方法では歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係を判定するための方法は特に限定するものではないが、(1)の説明で示したように試作品を使うのでは時間とコストがかかる。そこで、
(2)本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法は、(1)の方法の第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定を、下式に第1ステップで取得された応力歪特性を入力した結果、局部座屈歪を算出可能であったときには、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定し、局部座屈歪を算出不能であったときには、局部座屈歪が歪硬化開始歪以下であると判定するようにしたものである。
Figure 0004613524
まず、上記(1.1)式について説明する。
圧縮力を受ける鋼管の局部座屈歪を表す基礎式として、下記(1.2)式がある。
Figure 0004613524
(1.2)式において、εcrは圧縮局部座屈歪、νはポアソン比、tは管厚、Dは管径をそれぞれ示している。また、Escrは、降伏棚モデルの応力歪曲線を示した図15において、原点と座屈点とを結ぶ線の傾き(以下、「割線係数」という)を示し、ETcrは座屈点における応力歪曲線の傾き(以下、「接線係数」という)を示している。また、図中εは歪硬化開始点における歪を表す。但し、図15において、歪硬化域における応力歪曲線は、任意の関係を表現するために曲線で描いている。
(1.2)式において、塑性変形する場合のポアソン比νとして0.5を代入して整理すると前記(1.1)式となる。
次に、(1.1)式を用いて、ある鋼管の局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかを判定する方法を説明する。
(1.1)式から分かるように、局部座屈歪は応力歪曲線の形状及び(t/D)の関数として表される。また、(1.1)式は、左辺と右辺の等式が成り立つときの左辺の値が局部座屈歪であることを意味している。したがって、ある歪に対する応力歪曲線上の点における割線係数(E)と接線係数(E)を基礎式に代入したときに等式が成立すれば、その歪が局部座屈歪である。そして、降伏棚の領域においては、接線係数がゼロとなるので、(1.1)式の右辺は算出不可能である。このことから、局部座屈歪が算出可能ということは少なくともその局部座屈歪は歪硬化開始歪よりも大きいと言える。
なお、算出可能かどうかは、第1ステップで取得した応力歪特性から得られる歪硬化開始歪以上の歪を代入して試行錯誤の演算により(1.1)式の等式が成立するかどうかによって判定できる。
もっとも、(1.1)式に歪値を代入して試行錯誤の演算を繰り返すのは煩雑である。そこで、試行錯誤の演算を繰り返すことなく局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかを判定する方法を以下に示す。
(3)本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、(1)の方法の第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定を、下式及び第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて行うこととし、
歪硬化開始歪に対応する下式の右辺を演算し、その演算値が歪硬化開始歪よりも大きい場合には局部座屈歪は歪硬化開始歪よりも大きいと判定し、演算値が歪硬化開始歪以下の場合には局部座屈歪は歪硬化開始歪以下であると判定するようにしたものである。
Figure 0004613524
以下、上記(3)の方法を説明する。
図15に示される横軸の歪(想定歪)に対応する応力歪曲線上の点についての割線係数(E)と接線係数(E)を求めこれらを(1.1)式に代入して右辺の値を演算し、この演算値を縦軸、前記想定歪を横軸としてグラフにしたものを図1に示す。
図1に示されるように、降伏歪に至るまでは、応力歪曲線が原点を通るほぼ線形であるため演算値は一定となる。また、降伏棚領域においては、接線係数が0であるため計算歪がすべて0となる。さらに、歪硬化領域に入ると、計算歪は単調減少する。
(1.1)式は、左辺と右辺の等式が成り立つときの左辺の値が局部座屈歪であることを意味しているが、左辺と右辺の等式が成り立つのは、図1で考えると1:1線上である。
したがって、図1における1:1線との交点に対応する歪が局部座屈歪である。
よって、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかの判定は、この歪と歪硬化開始歪とを比較すればよい。
もっとも、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかを判定するためには、必ずしも局部座屈歪を求める必要はない。
局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きい場合というのは、図1について言えば、減少曲線が1:1線と交わる場合である。そして、減少曲線が1:1線と交わるためには、歪硬化開始歪に対応する演算値が歪硬化開始歪よりも大きいことが必要である(図1の丸数字2参照)。
逆に、局部座屈歪が歪硬化開始歪以下の場合というのは、減少曲線と1:1曲線とは交点を有しない場合であり(図1の丸数字1参照)、この場合には歪硬化開始歪に対応する演算値が歪硬化開始歪以下となる。
したがって、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうかを判定するためには歪硬化開始歪に対応する演算値と歪硬化開始歪とを比較すればよいことになる。
そこで、本発明においては、歪硬化開始歪に対応する応力歪曲線上の点において(1.1)式の右辺を演算し、この演算値と歪硬化開始歪とを比較して、演算値が大きければ局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定するようにしたのである。
上記の方法による場合でも(1.1)式の右辺を演算するためには歪硬化開始歪に対応する応力歪特性上の点における割線係数(E)と接線係数(E)を求める必要があり、そのためには複雑な演算が必要である。そこで、さらに簡易な演算にてできるようにするために、
(4)本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、上記(3)の第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定を、式(1.1)に代えて下記(2.1)式に基づいて行うようにしたものである。
Figure 0004613524
以下、(2.1)式を説明する。図15に示す応力歪曲線の歪硬化域における応力と歪の関係を、傾きがmEの直線で表すと図2のようになり、歪硬化域における応力と歪の関係、接線係数Eおよび割線係数Eは次式のように表される。
Figure 0004613524
(2.5)式の歪を局部座屈歪で表して(1.1)式に代入すると次式が得られる。
Figure 0004613524
(2.6)式を局部座屈歪について解くと、歪硬化領域における鋼管の圧縮局部座屈歪は(2.7)式のように表される。
Figure 0004613524
Figure 0004613524
(5)また、本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、上記(3)の第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定は、式(1.1)に代えて下記(3.1)式に基づいて行うものである。
Figure 0004613524
ここで、上記(3.1)式について説明する。
図15に示す応力歪曲線の歪硬化域における応力と歪の関係を、累乗関数で近似すると図3に示すようになり、歪硬化域における応力と歪の関係、接線係数ETおよび割線係数Esは次式のように表される。
Figure 0004613524
(3.5)式の歪を局部座屈歪で表して(1.1)式に代入すると次式が得られる。
Figure 0004613524
ただし、(3.7)式の右辺には局部座屈応力が含まれているので、このままでは圧縮局部座屈歪を求めることができない。
そこで、(3.7)式を解くため、下記の(3.8)式に示すように、局部座屈応力と降伏応力が近い値である性質を利用すると、鋼管の圧縮局部座屈歪は(3.9)式のようになり、これが前記(3.1)式である。
Figure 0004613524
(6)本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、局部座屈歪を求める第4ステップを有し、上記(1)〜(5)における第3のステップにおいて適用可能性ありと評価された場合において、第4ステップで求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し、当該用途への適用可否を判定する第5ステップを有するものである。
第4ステップにおける局部座屈歪を求める方法としては、上記(2)に示した(1.1)式を用いる方法、また上記(4)に示した式(2.1)を用いる方法、また上記(5)に示した式(3.1)を用いる方法のいずれでもよい。
なお、要求座屈歪とは、当該鋼管の用途において当該鋼管が局部座屈するときに要求される歪をいう。
(7)本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法は、応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、下式に該第1ステップで取得された応力歪特性を入力して、局部座屈歪を求めるように演算処理する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が求められた場合には当該鋼管を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、第2ステップにおいて局部座屈歪が算出不能である場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたものである。
Figure 0004613524
(8)本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法は、応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、下式に該第1ステップで取得された応力歪特性を入力して、局部座屈歪を求めるように演算処理する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が算出不能である場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価するとともに、第2ステップにおいて局部座屈歪が求められた場合には、求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し当該用途への適用可否を判定する第3ステップを備えたものである。
Figure 0004613524
上記(1)〜(8)の発明においては、鋼管の局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいかどうか、あるいは局部座屈歪の算出可能性の有無によって当該鋼管の座屈性能を判定した。
以下においては、鋼管の管径管厚比(D/t)に基づいて当該鋼管の座屈性能を判定する方法を説明する。
鋼管の局部座屈εcrと管径管厚比(D/t)の関係が前述の(1.1)式に示されている。そこで、横軸に管径管厚比(D/t)を取り、縦軸に局部座屈歪εcrを取って(1.1)をグラフ表示すると図4のようになる。
図4から分かるように、鋼管のD/tが小さい(厚肉鋼管)場合には局部座屈歪εcrは大きく、鋼管のD/tの増加、すなわち鋼管を薄肉化と共に局部座屈歪εcrが減少する。そして、局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪と一致したところで局部座屈歪は急激に減少し、以降の局部座屈歪εcrは降伏歪と同じ歪となる。
したがって、局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪と一致するときの管径管厚比(D/t)cr
を求めておけば、この管径管厚比(D/t)crと判定対象の鋼管のD/tを比較することで、当該鋼管が降伏棚の領域で座屈するのか歪硬化領域で座屈するのか、ひいては座屈性能に優れているかどうかを判定できる。そこで、
(9)本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法は、降伏棚を有する鋼材の応力歪特性を取得する第1ステップと、前記応力歪特性を有する鋼管の局部座屈歪が前記応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求める第2ステップと、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)と前記第2ステップで求めた管径管厚比(D/t)crとの大小関係を比較し、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の方が小さい場合には当該材料を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の方が大きい場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたものである。
第2ステップにおける管径管厚比(D/t)crの求め方は特に限定されるものではないが、その一例を挙げれば下記に示す前述の(1.1)式を用いる方法がある。
Figure 0004613524
(1.1)式は、左辺と右辺の等式が成り立つときの左辺の値が局部座屈歪であることを意味している。したがって、第1ステップで求めた応力歪特性の歪硬化開始歪にて鋼管が座屈するめには、(1.1)式の左辺に歪硬化開始歪を代入すると共に、歪硬化開始歪に対応する応力歪特性上の点における割線係数(E)と接線係数(E)を求め、これらを(1.1)式の右辺に代入して等式が成立するときの管径管厚比(D/t)を求めればよい。
上記の方法による場合でも(1.1)式の右辺を演算するためには歪硬化開始歪に対応する応力歪特性上の点における割線係数(E)と接線係数(E)を求める必要があり、そのためには複雑な演算が必要である。そこで、さらに簡易な演算にてできるようにするために、
(10)本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、上記(9)の第2ステップにおける管径管厚比(D/t)crを下記(4.1)式及び上記(9)の第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて求めることを特徴とするものである。
Figure 0004613524
(4.1)式は、局部座屈歪が応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求めるために、前記(2.1)式の局部座屈歪εcrを歪硬化開始歪εで置き換え、管径管厚比(D/t)crについて解いたものである。
(11)また、本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、上記(9)の第2ステップにおける管径管厚比(D/t)crを下記(5.1)式及び上記(9)の第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて求めることを特徴とするものである。
Figure 0004613524
(5.1)式は、局部座屈歪が応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求めるために、前記(3.1)式の局部座屈歪εcrを歪硬化開始歪εで置き換え、管径管厚比(D/t)crについて解いたものである。
(12)また、本発明に係る他の鋼管の局部座屈特性評価方法は、上記(9)〜(11)に記載のものにおいて、局部座屈歪を求める第4ステップを有し、第3ステップにおいて適用可能性ありと評価された場合において、第4ステップで求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し、当該用途への適用可否を判定する第5ステップを有することを特徴とするものである。
第4ステップにおける局部座屈歪を求める方法としては、上記(2)に示した(1.1)式を用いる方法、また上記(4)に示した式(2.1)を用いる方法、また上記(5)に示した式(3.1)を用いる方法のいずれでもよい。
(13)本発明に係る鋼管の設計方法は、降伏棚を有する鋼材の応力歪特性を取得する第1ステップと、前記応力歪特性を有する鋼管の局部座屈歪が前記応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求める第2ステップと、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)が前記第2ステップで求めた管径管厚比(D/t)crよりも小さくなることを維持しつつ、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)を決定する第3ステップとを備えたものである。
(14)本発明に係る鋼管の設計方法は、上記(13)における第3ステップにおいては、
第3ステップにおいては、第1ステップで取得した応力歪特性及び判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)から求まる局部座屈歪が、要求座屈歪よりも大きくなるように、当該設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)を決定するようにしたものである。
(15)本発明に係る鋼管の製造方法は、上記(13)又は(14)に記載の鋼管の設計方法による設計に基づき鋼管を製造するものである。
(16)本発明に係る鋼管は、上記(1)〜(12)に記載の鋼管の局部座屈特性評価方法によって、塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価された鋼管である。
本発明の鋼管の局部座屈特性評価方法によれば、鋼管の座屈性能の優劣を簡易に判定できるので、当該鋼管の用途の判別が簡易にできる。
また、本発明に係る鋼管の設計方法によれば、応力歪特性を有する鋼管の局部座屈歪が応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求め、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)が前記管径管厚比(D/t)crよりも小さくなることを維持しつつ、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)を決定するようにしたので、降伏棚のある材料であっても、あたかも連続硬化型の材料であるかのように取扱って最適な管径管厚比(D/t)を設計することができる。
[実施の形態1]
本実施の形態においては、本発明の判定方法を、管径管厚比(D/t)=50の鋼管が要求座屈歪εreq=1.5%のパイプラインに適用可能かどうかを判定する場合を例に挙げて説明する。
図5は本実施の形態の判定方法の流れを示すフローチャートである。以下、図5に基づいて本実施の形態を説明する。
まず、判定対象の鋼管の応力歪特性を取得する(S1)。応力歪特性の取得方法としては、試験片による引張り試験により取得してもよいし、あるいは予め試験データが存在する場合には当該試験データを格納したデータベースから読み出すようにしてもよい。
取得した応力歪特性からその応力歪曲線において降伏棚を有する降伏棚モデルか、連続硬化モデルかを判定する(S3)。S3の判定において、連続硬化モデルであると判定された場合には、連続硬化モデルの場合には座屈歪性能に優れるのでパイプラインに対して適用の可能性ありと判断する(S7)。
他方、S3の判定において、降伏棚モデルであると判定された場合には、S1において取得された鋼材の応力歪特性から当該鋼材の歪硬化開始歪εを取得し、この歪硬化開始歪εと当該材料の鋼管の局部座屈歪εcrとの大小関係を判定する(S5)。
本実施の形態では(S3)の判定において、降伏棚モデルであると判定されたので、(S5)の判断を行う。また、本実施の形態においては、(S1)で取得した応力歪特性(応力歪曲線)における歪硬化領域の形状が線形硬化則の適用可能なものであったことから、(S5)の判定を、下記に示す前述の(2.1)式に基づいて行う。
Figure 0004613524
すなわち、(2.1)式の右辺の演算値と歪硬化開始歪εを比較して演算値が歪硬化開始歪εよりも大きい場合には局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪εよりも大きいと判断する。
ここで(2.1)式の右辺に代入すべき具体的な数値について検討する。(t/D)は最初に与えられており、(t/D)=1/50である。歪硬化開始歪εは(S1)で取得した応力歪特性から読み取ることができ、この例では1.5%である。また、降伏歪εも同様にS1で取得した応力歪特性から読み取ることができ、この例では0.22%である。歪硬化係数mも同様にS1で取得した応力歪特性から決定することができ、m=0.04であった。
これらの値を(2.1)式の右辺に代入して演算するとその演算値は1.78%となる。この演算値1.78%と歪硬化開始歪ε=1.5%を比較すると、演算値の方が大きい。したがって、局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪εよりも大きいと判断し(S5)、パイプラインへの適用の可能性ありと判断する(S7)。
パイプラインへの適用の可能性ありと判断されると、次に、当該鋼管の局部座屈歪εcrを取得する(S9)。本例では(S5)の演算値が当該鋼管の局部座屈歪εcrであるので、新たに演算等する必要はない。ここで取得された局部座屈歪εcrと要求座屈歪εreq比較して(S11)、局部座屈歪εcrが要求座屈歪εreqよりも大きい場合には、合格と判定する(S13)。この例では局部座屈歪εcr=1.78%、要求座屈歪εreq=1.5%であるので、局部座屈歪εcrが要求座屈歪εreqよりも大きく合格と判定される。
なお、(S5)の判断において局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪ε以下であると判断された場合には、当該鋼管はパイプラインへの適用の可能性はないと判断し(S15)、判定を不合格とする(S17)。また、(S11)において局部座屈歪εcrが要求座屈歪εreq以下の場合にも、不合格と判定される(S17)。
以上のように、本実施の形態によれば、判定対象の鋼管が局部座屈性能に優れるものかどうかを簡易に判定できる。したがって、例えば連続硬化モデルの鋼管をパイプライン用として製造する場合において製造途中の塗装段階での加熱処理によって材質変化が生じ、当該鋼管が降伏棚モデルに変質したような場合においても、当該鋼管の座屈性能を判定することにより、連続硬化モデルと同等に扱ってよいかどうかを簡易に判定できる。
なお、上記の例においては、(S5)における局部座屈歪εcrと歪硬化開始歪εの大小関係の判断を(2.1)式に基づいて行ったが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば判定対象の鋼管と同じ鋼管に歪硬化開始歪に相当する歪を生じさせるような荷重を与えたときに試作の鋼管が座屈するかどうかを試験して、局部座屈した場合には歪硬化開始歪が局部座屈歪εcr以上であると判断し、局部座屈しない場合には局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪より大きいと判断するようにしてもよい。
また、前述の(1.1)式に基づいて判断するようにしてもよい。
また、(S1)において取得した判定対象の鋼管の応力歪特性における歪硬化領域の応力歪曲線が累乗関数で近似できるような場合には(3.1)式に基づいて判断するようにする。
さらなるステップS5の変形例としては、局部座屈歪を(1.1)式、(2.1)式あるいは(3.1)式などによって算出し、算出された局部座屈歪εcrを歪硬化開始歪εと直接比較するようにしてもよい。その場合には、ステップS9は省略されることになる。また、(1.1)式では局部座屈歪が降伏棚領域に位置するときには、局部座屈歪の値自体が算出不能となるので、その現象を利用してステップS5の判定を行う方法もある。すなわち、応力歪特性を(1.1)式に入力し、局部座屈歪が算出不能であったときにはステップS5「NO」とし、局部座屈歪が算出されたときにはステップS5「YES」とする。
[実施の形態2]
本実施の形態においては、実施の形態1に示したものとは別の判定方法を、実施の形態1と同じ鋼管を判定対象として要求座屈歪εreq=1.5%のパイプラインに適用可能かどうかを判定する場合を例に挙げて説明する。
図6は本実施の形態の判定方法の流れを示すフローチャートである。以下、図6に基づいて本実施の形態を説明する。
鋼材の応力歪特性を取得し(S1)、当該鋼材が降伏棚モデルか、連続硬化モデルかを判定する(S3)。この処理は実施の形態1と同様である。
(S3)において降伏棚型モデルであると判定された場合には、当該鋼管の局部座屈歪が(S1)で取得した当該鋼管の応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求める(S4)。そして、ここで求めた管径管厚比(D/t)crと判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の大小を判定する(S5)。
本実施の形態においては、(S1)で取得した応力歪特性における歪硬化領域の形状が線形硬化則の適用可能なものであったことから、(S5)の判定を、下記に示す前述の(4.1)式に基づいて行う。
Figure 0004613524
ここで、ε=1.5%、ε=0.22%、m=0.04を(4.1)式の右辺に代入して演算すると、(D/t)cr=54.4となる。他方、D/t=50であるから、(D/t)<(D/t)crが成立する。よって、局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪εよりも大きいと判断し(S6)、パイプラインへの適用の可能性ありと判断する(S7)。以降は、実施の形態と同様にS9、S11の処理をして、最終的には実施の形態1と同様に合格と判定する(S13)。
なお、(S5)の判定において、(D/t)≧(D/t)crの場合には、局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪ε以下であると判断し(S15)、パイプラインへの適用の可能性はないと判断し(S17)、最終的に不合格と判定する(S19)。
以上のように、本実施の形態によれば、判定対象の鋼管が局部座屈性能に優れるものかどうかを簡易に判定できる点は実施の形態1と同様である。さらに、本実施の形態2においては管径管厚比(D/t)という分かりやすいパラメータを基準にして局部座屈性能を判定するので、判定が容易である。
なお、上記の例においては、(S5)における管径管厚比(D/t)crと判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の大小の判定を(4.1)式に基づいて行ったが、本発明はこれに限られるものではなく、(S1)において取得した判定対象の鋼管の応力歪特性における歪硬化領域の応力歪曲線が累乗関数で近似できるような場合には前述の(5.1)式に基づいて判断するようにする。
本実施の形態においてはすでにある鋼管に対して局部座屈性能の判定をするようにしたが、使用する鋼材が決まっていれば当該鋼材の応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求めておくことで、パイプライン用の鋼管を設計する場合において管径管厚比(D/t)をどこまで大きくできるか、換言すればどこまで薄肉化できるかの設計指針として用いることもできる。このような考えに基づく鋼管の設計方法について以下の実施の形態3で説明する。
[実施の形態3]
図7は本実施の形態に係る鋼管の設計方法の処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7に基づいて本実施の形態を説明する。
降伏棚を有する候補材料の応力歪特性を取得する(S21)。S21の処理は実施の形態1におけるS1と同様である。
S21で取得した応力歪特性に基づいて(D/t)crを取得する(S23)。(D/t)crの取得方法としては、例えば下記に示す前述の(1.1)式に基づく方法がある。
Figure 0004613524
(1.1)式は、左辺と右辺の等式が成り立つときの左辺の値が局部座屈歪であることを意味している。したがって、S21で求めた応力歪特性の歪硬化開始歪にて鋼管が座屈するめには、(1.1)式の左辺に歪硬化開始歪を代入すると共に、歪硬化開始歪に対応する応力歪特性上の点における割線係数(E)と接線係数(E)を求め、これらを(1.1)式の右辺に代入して等式が成立するときの管径管厚比(D/t)を求めればよい。
また、他の方法としては、S21で求めた応力歪特性における歪硬化域が線形近似できる場合には、前述の下記(4.1)式によって取得し、S21で求めた応力歪特性における歪硬化域が累乗近似することができる場合には、前述の下記(5.1)式によって取得することができる。
Figure 0004613524
Figure 0004613524
次に、設計対象の鋼管のD/tを仮設定する(S25)。このときD/tが満たすべき条件はD/t<(D/t)crである。
なお、パイプライン用の鋼管を設計する場合であれば、パイプラインにて輸送する加圧流体の輸送量及び輸送距離を前提として、操業コスト及び建設コストを最低にすべくパイプの直径D、管厚tを仮設定することを要する。したがって、前記D/t<(D/t)crは設計条件のうちの必要条件である。
仮設定したD/tを前提として、当該材料で設計した鋼管の局部座屈歪εcrを取得する(S27)。
ここで局部座屈歪εcrを求める方法としては、前述の(2)に示した(1.1)式を用いる方法、また(4)に示した式(2.1)を用いる方法、あるいは上記(5)に示した式(3.1)を用いる方法のいずれでもよい。
S27で取得したεcrと要求される局部座屈歪である要求座屈歪εreqを比較してεreq<εcrを満たすかどうかを判定する(S29)。
なお、要求座屈歪εreqは、S25で仮設定された直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときにパイプに発生する最大歪を求め、この最大歪に一定の安全率を考慮して設定される。
S29の判定においてYESと判断された場合、すなわちεreq<εcrを満たす場合には、さらなる鋼管の薄肉化のためにD/tの設定を1ランク大きく設定する(S31)。ここでD/tを大きくする割合としてはS27で取得したεcrとεreqとの差の大きさ、あるいは予め設定した一定値等、適宜の条件に基づく所定の値とする。
S31でD/tを再設定した場合には、S25でD/t<(D/t)crを満たすことを確認した上でS27以降の処理を繰り返す。
S29の判断において、NOと判断された場合、すなわちεreq<εcrを満たさない場合には、当該処理がS31を経由しているかどうかを判断し(S33)、YES、すなわちS31を経由している場合には、直前のS31の一つ前の処理において設定したD/tを設計値として決定する(S35)。
D/tの設計値が決定されると、当該設計値に基づいて鋼管の製造を行うことにより、所定の要求座屈歪を満たす鋼管が製造できる。
S33の判断において、NO、すなわちS31を経由していない場合には、S25に戻ってD/tをさらに小さく設定できるかどうかを判断する(S37)。すなわち、S25の仮設定においては、D/tをD/t<(D/t)crを前提条件として、さらにパイプラインにて輸送する加圧流体の輸送量及び輸送距離を前提とした操業コスト及び建設コストを最低にすべきという条件の下でパイプの直径D、管厚tを仮設定しているので、例えば操業コスト及び建設コスト面を緩和してD/tを一つ前の処理で設定した値よりも小さく設定できるかどうかを判断する。
S37の判断においてYES、すなわちD/tの再設定可能な場合には、S25に戻って同様の処理を繰り返す。他方、S37の判断においてNO、すなわちD/tの再設定ができない場合には、当該材料にて当該用途への適用は不可と判断する(S39)。
以上のように、本実施の形態においては、管径管厚比(D/t)crを考慮しつつ図7に示した処理を適宜行えば、すなわち(D/t)<(D/t)crを常に満たすようにしながら管径管厚比(D/t)の値を修正していくようにしたので、降伏棚のある材料であっても、あたかも連続硬化型の材料であるかのように取扱って最適な管径管厚比(D/t)を設計していくことができる。
上記の実施の形態2に示した判定方法によって、実施の形態2と同様にD/t=50のときに要求座屈歪εreq=1.5%として複数の判定対象について判定を行った結果を表1に示す。判定対象の材料は、歪硬化開始歪εがε=1.5、1.0、0.5の3種類であり、各歪硬化開始歪εについて、歪硬化係数m=0.01、0.02、0.03、0.04、0.05のものを対象としている。
Figure 0004613524
表1の第1グループ(ε=1.5%)を見ると、1-1〜1-3はいずれも(D/t)crが50以下であり、D/t=50としたときにはいずれも降伏棚領域で座屈することになる。したがって、1-1〜1-3のものの局部座屈歪は降伏歪(0.22)程度と考えられ、具体的な局部座屈を求めるまでもなく不合格と判定できる。
一方、1-4、1-5のものは、(D/t)crが50以上であり、歪硬化領域で座屈することが分かる。そして、1-4(実施の形態2で示したもの)の局部座屈歪εcrを求めると、1.78であり、要求座屈歪εreq=1.5%より大きいことから、判定は合格となる。同様に1-5についても合格となる。
第2グループ(ε=1.0%)2-1〜2-5、第3グループ(ε=0.5%)3-1〜3-5についても同様にして表1の通り判定ができる。
次に、歪硬化開始歪εと(D/t)crとの関係を求めるために、表1の一部を抜き出して表2に示す。
Figure 0004613524
表2に示した各判定対象について、各グループごとに、縦軸を局部座屈歪εcr、横軸をD/tとして、局部座屈歪εcrとD/tの関係を取ったグラフ表示すると図8〜図10となる。
また、縦軸を(D/t)crとし、横軸を歪硬化開始歪としたグラフを図11に示す。
図8〜図10又は図11から分かるように、歪硬化係数mがいずれの場合であっても、歪硬化開始歪が小さいほど、換言すれば降伏棚が短いほど(D/t)crが大きくなっている。つまり歪硬化開始歪が小さいほど(降伏棚が短いほど)鋼管が薄肉になっても歪硬化領域にて局部座屈する、すなわち座屈性能に優れる傾向にあることを示している。
また、歪硬化領域開始歪(降伏棚の長さ)がいずれの場合であっても、歪硬化係数mが大きいほど(D/t)crが大きくなっている。つまり歪硬化係数mが大きいほど鋼管が薄肉になっても歪硬化領域にて局部座屈する、すなわち座屈性能に優れる傾向にあることを示している。
本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法の説明図である(その1)。 本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法の説明図である(その2)。 本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法の説明図である(その3)。 本発明に係る鋼管の局部座屈特性評価方法の説明図である(その4)。 本発明の実施の形態1のフローチャートである。 本発明の実施の形態2のフローチャートである。 本発明の実施の形態3のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる判定対象について局部座屈歪とD/tの関係を示すグラフである(その1)。 本発明の実施例にかかる判定対象について局部座屈歪とD/tの関係を示すグラフである(その2)。 本発明の実施例にかかる判定対象について局部座屈歪とD/tの関係を示すグラフである(その3)。 本発明の実施例にかかる判定対象について(D/t)crと歪硬化開始歪との関係を示すグラフである。 鋼材の応力歪曲線の説明図である。 降伏棚型の鋼材の応力歪曲線の説明図である。 本発明の考え方を説明する説明図である。 降伏棚型の鋼材により形成された鋼管の応力歪曲線の説明図である。

Claims (16)

  1. 応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、該第1ステップで取得された応力歪特性における歪硬化開始歪と当該鋼管の局部座屈歪との大小関係を判定する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定された場合には当該鋼管を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、第2ステップにおいて局部座屈歪が歪硬化開始歪以下と判定された場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたことを特徴とする鋼管の局部座屈特性評価方法。
  2. 第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定は、下式に第1ステップで取得された応力歪特性を入力した結果、局部座屈歪を算出可能であったときには、局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定し、局部座屈歪を算出不能であったときには、局部座屈歪が歪硬化開始歪以下であると判定することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  3. 第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪と
    の大小関係の判定を、下式及び第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて行うこと
    とし、
    歪硬化開始歪に対応する下式の右辺を演算し、その演算値が歪硬化開始歪よりも大きい場合には局部座屈歪が歪硬化開始歪よりも大きいと判定し、演算値が歪硬化開始歪以下の場合には局部座屈歪が歪硬化開始歪以下であると判定することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  4. 第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定は、式(1.1)に代えて下式に基づいて行うことを特徴とする請求項3記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  5. 第2ステップにおける歪硬化開始歪と当該材料の鋼管の局部座屈歪との大小関係の判定は、式(1.1)に代えて下式に基づいて行うことを特徴とする請求項3記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  6. 局部座屈歪を求める第4ステップを有し、第3ステップにおいて適用可能性ありと評価された場合において、第4ステップで求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し、当該用途への適用可否を判定する第5ステップを有することを特徴とする請求項1乃至5のうち何れかに記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
  7. 応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、下式に該第1ステップで取得された応力歪特性を入力して、局部座屈歪を求めるように演算処理する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が求められた場合には当該鋼管を塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価し、第2ステップにおいて局部座屈歪が算出不能である場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたことを特徴とする鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  8. 応力歪特性上に降伏棚を有する材料の応力歪特性を取得する第1ステップと、下式に該第1ステップで取得された応力歪特性を入力して、局部座屈歪を求めるように演算処理する第2ステップと、第2ステップにおいて局部座屈歪が算出不能である場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価するとともに、第2ステップにおいて局部座屈歪が求められた場合には、求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し当該用途への適用可否を判定する第3ステップを備えたことを特徴とする鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  9. 降伏棚を有する鋼材の応力歪特性を取得する第1ステップと、前記応力歪特性を有する鋼管の局部座屈歪が前記応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求める第2ステップと、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)と前記第2ステップで求めた管径管厚比(D/t)crとの大小を比較し、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の方が小さい場合には当該材料を塑性設計を前提とされる構造に適用可能性ありと評価し、判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)の方が大きい場合には塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性なしと評価する第3ステップを備えたことを特徴とする鋼管の局部座屈特性評価方法。
  10. 第2ステップにおける管径管厚比(D/t)crを下式及び該第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて求めることを特徴とする請求項9記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  11. 第2ステップにおける管径管厚比(D/t)crを下式及び該第1ステップで取得された応力歪特性に基づいて求めることを特徴とする請求項記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
    Figure 0004613524
  12. 局部座屈歪を求める第4ステップを有し、第3ステップにおいて適用可能性ありと評価された場合において、第4ステップで求めた局部座屈歪と当該用途に要求される要求座屈歪とを比較し、当該用途への適用可否を判定する第5ステップを有することを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の鋼管の局部座屈特性評価方法。
  13. 降伏棚を有する鋼材の応力歪特性を取得する第1ステップと、前記応力歪特性を有する鋼管の局部座屈歪が前記応力歪特性における歪硬化開始歪に一致するときの管径管厚比(D/t)crを求める第2ステップと、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)が前記第2ステップで求めた管径管厚比(D/t)crよりも小さくなることを維持しつつ、設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)を決定する第3ステップとを備えたことを特徴とする鋼管の設計方法。
  14. 第3ステップにおいては、第1ステップで取得した応力歪特性及び判定対象の鋼管の管径管厚比(D/t)から求まる局部座屈歪が、要求座屈歪よりも大きくなるように、当該設計対象の鋼管の管径管厚比(D/t)を決定することを特徴とする請求項13に記載の鋼管の設計方法。
  15. 請求項13又は14に記載の鋼管の設計方法による設計に基づき鋼管を製造することを特徴とする鋼管の製造方法。
  16. 請求項1〜12に記載の鋼管の局部座屈特性評価方法によって、塑性設計を前提とされる構造物に適用可能性ありと評価された鋼管。
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