JP4507593B2 - パイプの製造方法、パイプ、パイプライン - Google Patents

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Description

本発明は、ガス・石油パイプライン等に用いるパイプの製造方法、パイプ、パイプラインに関する。
ガスパイプライン、石油パイプラインはエネルギー供給の根幹として建設が進められて来ている。近年では、特に天然ガス需要の増大を背景とし、消費地から遠く離れた地にガス田が開発されることが多い。このため、パイプラインは長距離化の傾向を呈し、大量輸送のために大径化、高圧化の傾向が強まってきている。
かかるパイプラインの設計に焦点を当てたパイプライン建設のフローチャートを図13に示す。
従来のパイプラインの設計は、大きく(1)システム設計と(2)構造設計に分類される。
システム設計では、プロジェクト規模を表す輸送量と輸送距離を前提条件として、パイプラインの操業コストと建設コストが最小になるように、パイプの種類、管径、管厚、操業圧力が仮設定される。
構造設計では、システム設計で仮設定されたパイプの強度、形状および敷設場所の地形等から敷設時に想定されるパイプラインの形状である敷設線形に基づいて、地震時に発生する地盤変位などを考慮して構造解析を実施し、許容応力照査、許容歪照査、局部座屈照査を行う。
システム設計で仮設定されたパイプの諸元がこれらの照査条件を満足しない場合、再びシステム設計に戻ってパイプの諸元を再設定する。そして、上記照査条件を満足したときに当該システム設計で仮設定された諸元でパイプのスペックを確定し、鉄鋼会社にパイプの製造を発注する。受注した鉄鋼会社は、パイプライン会社の発注仕様に従ってラインパイプを製造して納入する。
局部座屈照査とは、システム設計で仮設定された条件によるパイプが、当該パイプラインが敷設される条件下で想定される最大圧縮歪および最大曲げひずみに耐えるのに十分な局部座屈性能を備えているかどうかを照査するものである。具体的には、設計されたパイプの局部座屈歪を求め、この局部座屈歪がパイプラインに発生する最大歪よりも大きいか否かで判断する。
ところで、この設計されたパイプの局部座屈歪の求め方は以下のようにしていた。
パイプの圧縮局部座屈歪は一般的に、圧縮局部座屈歪=係数(管厚/管径)指数、のように表されている。そして、上記関係式における係数及び指数は、実管の圧縮局部座屈実験データを図14に示すようにプロットし、実験データの下限を包絡するように曲線を描き、この下限包絡曲線にフィットするようにして求める。
上述の実管の座屈実験に基づいて取得された局部座屈歪推定式を表1に示す。
Figure 0004507593
なお、表1に示す現行の設計基準で規定されている局部座屈歪推定式は、X65(米国のAPI(American
Petroleum Institute)規格による強度グレード)以下のパイプの実験データに基づいている。図13において適用範囲をX65以下のラインパイプと限定してあるのはこのためである。
なお、表1に示されるものの他、局部座屈歪推定式としては、日本ガス協会の高圧ガス導管耐震設計指針に示される、ε=35(t/D)(%)がある(非特許文献1参照)。
このように実管の座屈実験に基づいて局部座屈歪推定式が取得されていることから、局部座屈照査においては、この推定式に基づいて圧縮局部座屈歪を求め、これが最大歪より大きいか否かを判断するのである。そして、最大歪よりも小さい場合にはシステム設計に戻って条件を再設定する。このときの再設定の方法としては、圧縮局部座屈歪=係数(管厚/管径)指数、の関係があることから管厚を増加することでパイプの局部座屈歪を増加させるようにしている。
上記は、局部座屈歪推定式が取得されているX65以下のラインパイプについてであるが、
局部座屈歪推定式が存在しないX70以上の鋼種をパイプラインに採用する場合には、図15に示すように、サンプル管を試作して局部座屈実験を実施し、当該パイプの局部座屈歪を取得する。そして、取得したパイプの局部座屈歪が、最大歪よりも大きいか否かを判断する。この場合にも、小さい場合には、X65以下の場合と同様に、管厚を増加させたサンプル管を再度製造して照査を行っている。
「高圧ガス導管耐震設計指針(改定版)」、社団法人 日本ガス協会発行、2000年3月、P39
前述のように、従来のパイプラインの製造方法では、局部座屈照査を実験式に基づいて行い、局部座屈照査で不可と判断された場合には、管厚を増すことにより局部座屈歪を増加させている。このため、以下のような問題がある。
(1)局部座屈照査を実験式に基づいて行っていることによる問題
前記のように、現行の設計指針や設計基準等ではX65以下のパイプの座屈歪推定式は座屈歪=係数(管厚/管径)指数 のように表され、「係数」と「指数」は実管の座屈実験で得られる安全側の値である。しかも、表1及び図14からも分かるように、実験結果及びこれに基づく式自体に大きなばらつきがある。
このように実験結果自体に大きなばらつきがあり、しかも安全側の実験値に基づく座屈歪推定式によって圧縮局部座屈歪を求めて局部座屈照査を行ったのでは、場合によっては実際には許容できるものまで、安全側に判断しすぎて適正な判断がなされない可能性が高い。
この場合、本来なら許容できるにも拘らず不可とされ、さらに安全側のスペックが要求されるので、オーバースペックとなり、コスト高となるという問題がある。
(2)管厚を増すことにより局部座屈歪を増加させていることの問題
近年の新しいパイプラインは長距離化の傾向を呈し、大量輸送のために大径化、高圧化の傾向が強まってきている。このような新しいパイプラインでは、高強度鋼管を適用して大口径でも薄い管厚で高い内圧に耐えられることが要求されるようになってきている。管厚を薄くすることによって、現地における溶接費やパイプの輸送費が低減されパイプラインの建設および操業のトータルコストの低減が図られるからである。
このようなことから高強度のパイプが要請されるのであるが、パイプライン用鋼管は、高強度であるほど降伏比(Y/T:引張強度Tと降伏応力Yとの比)が増加する傾向にある。
一方、管径と管厚が同一であることを前提とすれば、降伏比が高いほど局部座屈歪は減少するため、高強度なパイプほど局部座屈歪が減少する傾向にある。
このため、パイプの局部座屈歪を増加させる必要があるが、この必要性を満たすために管厚を増すという手段を講じたのでは、せっかく高強度のパイプを用いて、管厚を薄くしてパイプラインの建設および操業のトータルコストを低減しようとしたことに反することになる。
以上のように、従来のパイプラインの製造方法では、局部座屈照査が適切でなく、また、局部座屈歪を増加させる手段として管厚の増加のみによっていたことから、パイプラインのコスト高を招いていたのである。
このような事情は、パイプラインに限ったことではなく鋼管等を用いる建築資材においても言えることである。
なお、上記は座屈歪推定式のあるX65以下のパイプについてであるが、座屈歪推定式のないX70以上のパイプについては、実管の試作が必要となり手間がかかるし、また、局部座屈歪を増すために管厚を増す点は同様であり、X65以下のパイプの場合と同様の問題がある。
また、パイプラインの構造設計では、パイプの圧縮局部座屈歪の他に曲げ局部座屈歪が必要になる。圧縮局部座屈歪は前記のように基礎式が求められているが、曲げ局部座屈歪は実験式が求められていない。そのため、上記X70以上のパイプと同様に実管による実験値によることになり、上記X70以上のパイプで述べたのと同様の問題がある。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、安全性を確保しつつコスト低減が可能なパイプの製造方法を得ることを目的としている。
また、該パイプの製造方法によって製造されたパイプ及びパイプラインを得ることを目的としている。
従来のパイプラインの製造方法は、システム設計で設定された管径と管厚を基に推定式等で局部座屈歪を推定し、この推定値が要求値より小さい場合は管厚を増すというものである。しかし、この方法では推定式自体が実験式であり、必ずしも経済性と安全性の両方を満たすものとはいえず、この実験値に基づく推定式を使った局部座屈推定値を基準とする限り、必ずしも経済性と安全性の両方を満たすパイプの製造は出来ない。
そこで、発明者は、システム設計等によって求められた管径、管厚に加えて要求される局部座屈歪をも予め与え、これらの条件と過去に製造実績(試作を含む)のあるパイプに使用可能な材料(本明細書において「過去実績材料」という)の応力歪データを用いて過去実績材料が要求される局部座屈歪を満足するかどうかを判定することで、前記のような実験式を用いることなく過去実績材料を用いたパイプの製造が可能となるとの知見を得、かかる知見に基づいて本発明を完成したものである。
(1)本発明に係るパイプの製造方法は、パイプの直径D、管厚t、当該パイプの要求圧縮局部座屈歪εreqを設定するパイプ条件設定工程と、過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするものである。
Figure 0004507593
判定工程における圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを判定する方法としては、後述の(5)〜(11)に記載の他にも種々の方法が考えられる。例えば、有限要素解析方法(その他の事前演算を含む)あるいは実管による座屈試験等によって過去実績材料の圧縮局部座屈歪εcrを求め、求められた値と要求圧縮局部座屈歪εreqを比較するようにしてもよい。この場合には、圧縮局部座屈歪εcrの値(実際にはパイプの直径D及び管厚tの関数群になる場合がある)をデータベースにしておけば瞬時に比較ができるので好ましい。
(2)また、パイプラインにて輸送する加圧流体の少なくとも輸送量及び輸送距離に基づいて、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程と、前記仮決めされた直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに前記輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときに前記パイプに発生する最大圧縮軸歪を求める最大圧縮軸歪算出工程と、前記最大圧縮軸歪に基づいて要求圧縮局部座屈歪εreqを設定する要求圧縮局部座屈歪設定工程と、過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするものである。
Figure 0004507593
パイプラインが曲げ変形を受ける場合には、曲げ局部座屈に対する安全性をパイプラインに付与する必要がある。しかし、パイプの曲げ局部座屈歪を計算する解析解は求められていない。そこで、パイプの圧縮局部座屈歪と曲げ局部座屈歪の関係(比率)を有限要素解析などにより定量的に求めておき、この定量的な比率を使って、要求曲げ局部座屈歪を要求圧縮局部座屈歪に変換し、この要求圧縮局部座屈歪みに基づいて上記の手段を用いることで、以下のようにパイプラインが曲げ変形を受ける場合においてもパイプの製造をすることができる。図6はパイプの圧縮局部座屈歪と曲げ局部座屈歪のそれぞれを有限要素解析によって求め、同一座標上にプロットしたものである。この例では、管径Dと管厚tの比D/tが50、60のそれぞれについて、降伏比(Y/T)(引張強度Tと降伏応力Yとの比)が0.80、0.85、0.90、0.93のものについての解析例である。図7から、圧縮局部座屈歪と曲げ局部座屈歪には安全側に評価して1:2の関係があることが分かる
(3)また、パイプの直径D、管厚t、当該パイプの要求曲げ局部座屈歪を設定するパイプ条件設定工程と、
予め求めておいた曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪の定量的な関係に基づいて、前記要求曲げ局部座屈歪を要求圧縮局部座屈歪εreqに変換する局部座屈歪変換工程と、過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、
該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするものである。
Figure 0004507593
(4)また、パイプラインにて輸送する加圧流体の少なくとも輸送量及び輸送距離に基づいて、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程と、前記仮決めされた直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに前記輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときに前記パイプに発生する最大曲げ歪を求める最大曲げ歪算出工程と、該最大曲げ歪に基づいて要求曲げ局部座屈歪を設定し、さらに予め求めておいた曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪の定量的な関係に基づいて、要求曲げ局部座屈歪を要求圧縮局部座屈歪εreqに変換する局部座屈歪変換工程と、過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするものである。
Figure 0004507593

(5)上記(1)〜(4)のパイプの製造方法において、前記過去実績材料について、前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上になると前記判定工程にて判定されない場合には、当該過去実績材料をもとにしつつ製造条件及び又は化学成分を調整して材料を製造し、新たに製造した材料について前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるか否かを判定することを特徴とするものである。
(6)上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
ここで、上記(6)の(1.1)式について説明する。
圧縮力を受けるパイプの座屈歪を表す基礎式として、下記(1.2)式がある。
Figure 0004507593
(1.2)式において、εcrは圧縮局部座屈歪、νはポアソン比、tはパイプの厚み、Dはパイプの径をそれぞれ示している。また、Escrは、連続硬化型の応力歪曲線を示した図7において、原点と座屈点とを結ぶ線の傾き(以下、「割線係数」という)を示し、ETcrは座屈点における応力歪曲線の傾き(以下、「接線係数」という)を示している。
(1.2)式において、塑性変形する場合のポアソン比νとして0.5を代入して整理すると下式(1.3)式となる。
Figure 0004507593
(1.3)式から、要求圧縮局部座屈歪εreqが与えられたときにそれが圧縮局部座屈歪εcr以下であるかどうかを判定するには(1.3)式の左辺と右辺の関係がどのようになるかを考察すればよい。仮に要求圧縮局部座屈歪εreqが圧縮局部座屈歪εcr以下であると仮定して、要求圧縮局部座屈歪εreqと圧縮局部座屈歪εcrを応力歪座標に示すと図8のようになる。図8から分かるように、要求圧縮局部座屈歪εreqが圧縮局部座屈歪εcrよりも小さいときには、ETreq≧ETcr及びESreq≧Escrとなる。しかし、ETreqとETcrの差はESreqとEscrの差よりも大きいので下式(1.4)が成立する。
Figure 0004507593
他方、εreq≦εcrであるから次の(1.5)式が成り立つ。
Figure 0004507593
次に、(1.5)式の右辺の値の求め方を考察する。
過去実績材料の引張試験で得られた応力歪データを、横軸が歪で縦軸が応力の応力歪座標にプロットすると図9のようになる。
このデータを用いて、当該過去実績材料に対する(1.5)式の右辺の値を求める方法を図10に示す。
過去実績材料の応力歪データからパイプの要求圧縮局部座屈歪εreqを挟む二点を選択し、歪の値がεreqよりも小さい計測点を点1、大きい計測点を点2とする(図10参照)。それぞれの点における歪をε1およびε2とし、それぞれに対応する応力をσ1およびσ2とする。
ここで、過去実績材料の接線係数ETreqを点1と点2の間の平均値で表すと下式となる。
Figure 0004507593
また、過去実績材料の割線係数Esreqの値はσ2/ε2〜σ1/ε1の間にあるが、圧縮局部座屈歪を安全側に小さく計算するために (1.5)式の根号内の分母が最大値となるようにσ1/ε1で表すと下式となる。
Figure 0004507593
上記の(1.6)式、(1.7)式を(1.5)式に代入して整理すると下記のように、前述した式(1.1)が得られる。
Figure 0004507593
この例は、図9に示すように、過去実績材料における応力と歪の関係を計測したデータにばらつきがなく、点列の値が特定の関数で精度良く回帰できる場合に有効であり、計算も簡単であるというメリットがある。
(7)もっとも、図11に示すように、応力と歪の計測結果がばらついている場合、接線係数ETの連続性が保たれないことがある。このとき上記の(1.1)式では圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを適切に判定できないことがある。
そこで、このような場合にも適切な判定ができるようするためには、以下に示すように、過去実績材料のデータの中からεreqを含む複数点のデータを利用して過去実績材料の応力歪曲線を関数近似する方法によることが好ましい(図12参照)。
そこで、本発明におけるパイプの製造方法は、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
以下、(2.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の関数で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(2.3)式及び(2.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(2.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(8)本発明に係る他のパイプの製造方法は、上記(7)における関数として一次多項式によって近似したものであり、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
一次多項式を用いるときには、後述する二次多項式を用いる場合よりも演算が簡単になるというメリットがある。なお、関数近似したときの関数を表す式の係数は、例えば最小二乗法により求める。
以下、(3.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の一次多項式で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(3.3)式及び(3.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(3.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(9)また、本発明に係る他のパイプの製造方法は、上記(7)における関数として二次多項式によって近似したものであり、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
二次多項式を用いるときには、曲線近似となるので一次多項式を用いる場合よりも精度が向上するというメリットがある。
以下、(4.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の二次多項式で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(4.3)式及び(4.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(4.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(10)本発明における他のパイプの製造方法は、上記(7)における関数として指数関数によって近似したものであり、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
指数関数を用いると前述の多項式を用いる場合よりも少ないデータで精度の高い近似ができるというメリットがある。
以下、(5.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の指数関数で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(5.3)式及び(5.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(下記のように(5.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(11)本発明における他のパイプの製造方法は、上記(7)における関数として累乗関数によって近似したものであり、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
累乗関数を用いると指数関数を用いた場合と同様に前述の多項式を用いる場合よりも少ないデータで精度の高い近似ができるというメリットがある。
以下、(6.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の累乗関数で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(6.3)式及び(6.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(6.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(12)本発明における他のパイプの製造方法は、上記(7)における関数として対数関数によって近似したものであり、上記(1)〜(5)の判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とするものである。
Figure 0004507593
対数関数を用いると指数関数を用いた場合と同様に前述の多項式を用いる場合よりも少ないデータで精度の高い近似ができるというメリットがある
以下、(7.1)式を説明する。
要求圧縮局部座屈歪εreqの近傍における応力と歪の関係を下記の対数関数で近似する。
Figure 0004507593
このようにすると、(1.5)式の接線係数ETreqと割線係数ESreqはそれぞれ次式のように計算される。
Figure 0004507593
上記(7.3)式及び(7.4)式を前述の(1.5)式に代入して整理すると下記のように前述の(7.1)式が得られる。
Figure 0004507593
(13)本発明に係る他のパイプの製造方法は、上記(1)〜(12)における過去実績材料の応力歪曲線が連続硬化型であることを特徴とするものである。
(14)また、本発明に係るパイプは、上記(1)〜(13)に記載のパイプの製造方法に従って製造されたことを特徴とするものである。
(15)また、本発明に係るパイプラインは、上記(14)に記載のパイプを接続して構成されたことを特徴とするものである。
本発明においては、管径、管厚に加えて要求される局部座屈歪をも予め与え、これらの条件とパイプに使用可能な材料(過去実績材料という)の応力歪データを用いて過去実績材料を評価し、評価が肯定的な場合にこの過去実績材料によってパイプを製造するようにしたので経済性と安全性の両方を満たすパイプの製造が可能となる。
また、この製造方法によって製造されたパイプ及びこのパイプを接続して構成されるパイプラインは経済性と安全性を満足するものとなる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係るパイプの製造方法を説明するフローチャートである。本実施の形態は、図1に示すように、プロジェクト規模によって決定されるパイプラインにて輸送する加圧流体の少なくとも輸送量及び輸送距離に基づいて(S1)、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程(S3)と、前記仮決めされた直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに前記輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときに前記パイプに発生する最大圧縮軸歪を求める最大圧縮軸歪算出工程(S5)と、前記最大圧縮軸歪に基づいて要求圧縮局部座屈歪εreqを設定する要求圧縮局部座屈歪設定工程(S7)と、応力歪データのある過去実績材料を選択する工程(S9)と、選択された過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程(S11)と、該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程(S13)とを備えている。
以下、各工程について詳細に説明する。
<パイプ条件設定工程>
パイプラインにて輸送する加圧流体の輸送量及び輸送距離を前提として、操業コスト及び建設コストを最低にすべくパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めする。
操業コストは、運転圧力P、管径Dの関数であり、また、運転圧力は、輸送量Q、管径D、輸送距離Lの関数である。また、管径Dは、輸送量Q、運転圧力P、輸送距離Lの関数である。
建設コストは、管径D、管厚t、材料グレードTS(降伏強度)の関数であり、管厚tは、輸送圧力P、材料グレードTSの関数である。
したがって、相互に関連するパラメータを調整して最低コストとなるように、直径D、管厚t及び輸送圧力を決定する必要がある。
この例では、外径D=610.0mm、管厚t=12.2mm、材料グレードTS:API
5L X80とし、設計内圧=10MPaと仮決めした。なお、API 5L X80は、規格最小降伏点(YSmin)551MPa、引張強度の許容幅TSmin=620MPa、TSmax=827MPaである。
<最大圧縮軸歪算出工程>
本例では地盤の側方流動に対し、曲げ局部座屈しないための歪硬化特性を求める場合を例にあげる。
側方流動が発生する際に考慮すべき地盤の変位分布を図2に示す。また、同図には、側方流動によって変形される埋設パイプラインの一般概念を示してある。側方流動による地盤の変位分布は、側方流動の幅Wと最大変位量δmaxで表すことができる。実際の耐震設計において、液状化の幅Wを推定することは困難であるため、ここでは、Wを変数として取り扱い、パイプラインに発生する曲げ歪が最大になるWを計算した上で、最大曲げ歪を求める。この試算例ではδmaxを2.0mとする。
パイプ条件設定工程で仮決めされた管径D、管厚t、材料グレードTS、輸送圧力Pの条件に基づいて図2に示すパイプラインをシェル要素でモデル化し、有限要素解析プログラムによって最大圧縮曲げ歪と最大引張曲げ歪を計算する。なお、地盤のバネ特性は、ガス導管液状化耐震設計指針(2003)に基づいて設定した。また、この段階では、材料の応力歪曲線は、API規格で規定される規格最小降伏応力(SMYS)と規格最小耐力(SMTS)を満足するように仮決めする。
有限要素解析プログラムで計算した結果のうち、パイプラインの最大圧縮曲げ歪(正符号)と最大引張曲げ歪(負符号)を図3に示す。図3に示すように、当該パイプラインに発生する最大曲げ歪は、側方流動幅Wが30mのところで極大値を示している。局部座屈を検討するうえで重要な最大圧縮曲げ歪もWが30mのところで最大になっておりその値は約1.4%である。曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪とは、圧縮曲げ歪の1/2が圧縮局部歪となるという定量的な関係があるので(図6参照)、この場合の最大圧縮軸歪は約0.7%である。
<要求圧縮局部座屈歪設定工程>
最大圧縮軸歪が算出されると、次に、要求圧縮局部座屈歪を決定する。要求圧縮局部座屈歪は最大圧縮軸歪以上で所定の安全率を加味して決定するが、この例では、最大圧縮軸歪とほぼ同一の0.7%としている(S7)。
<過去実績材料選択工程>
応力歪データを有する過去実績材料がある場合に(S8)、その過去実績材料を判定対象として選択する。
この選択された過去実績材料の応力歪のデータを表2に示す。
Figure 0004507593
また、表2に示したデータを、横軸が歪、縦軸が応力の応力歪座標にプロットすると図4のようになる。
<判定工程>
本実施形態のデータは図4から分かるようにデータにばらつきが少ないことから、判定方法として、前述した(1.1)式を用いた。以下に前述の(1.1)式を示す。
Figure 0004507593
パイプの外径D=610mm、管厚t=12.2mm、要求圧縮局部座屈歪εreq=0.7%として、(1.1)式が成立するかどうかを検討する。
ここに、εreq=0.7%であるから、表1から計算に必要なε1、ε2を読み取ると、それぞれ(0.00601,
520.4MPa)、(0.00801, 534.1MPa)となる。これらを基にしてεr、σrを求め、(1.1)式の右辺に代入して計算すると下記のようになる。
Figure 0004507593
算出された(1.1)式の右辺の値が0.745%であり、要求圧縮局部座屈歪εreqが0.7%であるから、(1.1)式が成立する。したがって、圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるという条件を満たしていると判定する。
<決定工程>
上記のように判定工程で圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になると判定された場合、他に検討すべき過去実績材料がなければその材料をパイプの材料として決定する(S13)。
もっとも、上記のように条件を満たした場合であっても、他に検討すべき過去実績材料があるときは再び選定工程に戻って他の過去実績材料について同様の計算を行ってもよい。複数の実績材料について判定が肯定された場合にはより最適の実績材料、例えば製造安定性の高い材料や低コストで製造できる材料、あるいは耐座屈性能の最も高い材料を適宜選択できる。本実施形態では、(1.1)式の両辺の値の差が最も小さいものを実際に使用する材料として決定する。
このとき決定された材料によれば、側方流動に対して要求される要求圧縮局部歪を満足するパイプが得られ、安全性を満たしている。しかも、このときの管厚tはパイプ条件設定工程でコストを考慮して決定されたものであり、経済性にも優れるものである。
判定工程(S11)において、圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になると判定されない場合には、他に検討すべき過去実績材料があるかどうかを判断して(S8)、ある場合には選定工程(S9)に戻って他の実績材料を選択して同様の処理を行う。
既存の実績材料の全てについて、圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になると判定されない場合には、もっとも有力と思われる過去実績材料をもとにして、製造条件(圧延温度、冷却温度)の調整若しくは化学成分の調整等を行って材料を製造し、新たに製造した材料について応力歪データを取得して同様の検討を行うようにしてもよい。
なお、圧縮局部座屈εcrを得るのには応力歪データに基づく演算を行うのではなく、サンプル管を試作して局部座屈実験を実施し、当該パイプの圧縮局部座屈歪εcrを取得するようにしてもよい。また、既存の実績材料の全てについての判定を行うまでもなく、特定の実績材料に基づいて上記新たな材料を製造し検討を行ってもよい。
なお、製造条件の調整方法としては、降伏棚がなく圧縮局部座屈歪の大きい鋼はフェライトと硬質相(ベイナトナイト、マルテンサイトなど)の2相組織からなるところ、熱間圧延終了後の冷却開始温度及び/又は冷却速度、さらには冷却停止温度を変化させることで硬質相の組織や硬質相分率を変化させることで圧縮局部座屈歪を変えることができる。また、化学成分の調整方法の例としては、例えばカーボン(C)やマンガン(Mn)の量を変えることによっても硬質相の組織や硬質相分率を変化させることができる。
既存の実績材料が前記条件を満たさず、かつ、製造条件の調整若しくは化学成分の調整等を行っても前記条件を満たさない場合には、製造不可と判定して、再びパイプ条件設定工程(S3)に戻って、パイプの諸元を再設定して同様の処理を繰り返す。
決定工程(S13)でパイプ材料が決定された場合には、決定された材料等パイプ諸元を発注者に提示して確認を取る(S15)。発注者はパイプ諸元等を確認して了解すれば製造者に対して発注し、発注を受けた製造者は前記確定した材料によってパイプを製造する(S17)。製造されたパイプは発注者に納入されパイプラインが施工され(S19)、施工後に操業が開始される(S21)。
[実施の形態2]
本実施の形態は過去実績材料の応力歪データにばらつきがある場合である。輸送距離に基づいて(S1)、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程(S3)から要求圧縮局部座屈歪設定工程(S7)までは実施の形態1と同様である。
<選択工程>
実施の形態1と同様に判定対象となる過去実績材料を選択する。
この選択された過去実績材料の応力歪のデータを表3に示す。
Figure 0004507593
表3に示した応力歪データを、横軸が歪、縦軸が応力の応力歪座標にプロットすると図5のようになる。
<判定工程>
本実施例のデータは図5に示すようにデータにばらつきがあることから、判定方法に(5.1)式を用いた。以下に前述の(5.1)式を示す。
Figure 0004507593
パイプの外径D=610mm、管厚t=12.2mm、要求圧縮局部座屈歪εreq=0.7%として、(5.1)式が成立するかどうかを検討する。
ここに、εreq=0.7%であるから、関数近似に用いるデータは、表2の0.5%≦ε≦1.2%の区間に含まれるNO.6〜NO.10の5点とする。
Figure 0004507593
算出された(5.1)式の右辺の値が0.757%であり、要求圧縮局部座屈歪εreqが0.7%であるから、(5.1)式が成立する。したがって、圧縮局部座屈εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるという条件を満たしていると判定する。
判定工程以外の工程は実施の形態1と同様である。
なお、ばらつきのある応力歪データを有する過去実績材料についての判定工程においては、前述した(6.1)式を用いることも好ましい。以下に(6.1)式を示すと共に(6.1)式を用いた判定方法を説明する。
Figure 0004507593
εreq=0.7%であるから、関数近似に用いるデータは上記(5.1)式を用いた場合と同様に表2の0.5%≦ε≦1.2%の区間に含まれるNO.6〜NO.10の5点とする。
Figure 0004507593
算出された(5.1)式の右辺の値が0.825%であり、が0.7%であるから、(6.1)式が成立する。したがって、上記(5.1)式の場合と同様に、圧縮局部座屈εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるという条件を満たしていると判定する。
なお、要求圧縮局部座屈歪εreqが1.5%の場合について、(5.1)式及び(6.1)式を用いて判定した場合の判定方法と判定結果を以下に示す。
(1)(5.1)式を用いた場合
εreq=1.5%であるから、関数近似に用いるデータは表2の1.0%≦ε≦2.002%の区間に含まれるNO.9〜NO.14の6点とする。
Figure 0004507593
算出された(5.1)式の右辺の値が0.527%であり、要求圧縮局部座屈歪εreqが1.5%であるから、(5.1)式は成立しない。したがって、圧縮局部座屈εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるという条件を満たしていないと判定する。
(2)(6.1)式を用いた場合
εreq=1.5%であるから、関数近似に用いるデータは上記(5.1)式を用いる場合と同様に表2の1.0%≦ε≦2.002%の区間に含まれるNO.9〜NO.14の6点とする。
Figure 0004507593
算出された(6.1)式の右辺の値が0.504%であり、要求圧縮局部座屈歪εreqが1.5%であるから、(6.1)式は成立しない。したがって、上記(5.1)式を用いた場合と同様に、圧縮局部座屈εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるという条件を満たしていないと判定する。
以上のように、εreq=0.7%とεreq=1.5%の場合について、(5.1)式と(6.1)式を用いて場合で同様の判定結果が得られ、また、判定結果は妥当であることから上記判定方法は有効であることが実証できた。
以上のように、本実施の形態1,2によれば、パイプ条件設定工程でコストを考慮して決定された管厚を可及的に採用可能となり、安全性を満たすと共に経済性にも優れたパイプの製造ができる。
なお、上記実施の形態1,2で例に挙げた連続硬化型の応力歪曲線となる材料の場合には、要求圧縮局部座屈歪を任意に指定できるという効果を奏する。すなわち、降伏棚型の応力歪曲線となる材料の場合には、要求圧縮局部座屈歪を歪硬化領域以降の値で指定しなければならないのに対して、連続硬化型の応力歪曲線となる材料の場合には、このような制約なく任意の値で指定できるので、要求圧縮局部座屈歪が歪硬化領域以降であるかどうかを考慮する必要がなく処理が簡便になる。
また、本実施の形態においては、図1の要求圧縮局部座屈歪設定工程(S7)〜判定工程(S11)に示すような従来パイプライン会社側では知り得なかった過去実績材料の応力歪データを利用することで、パイプライン会社側からも施工コストをより有利にできるパイプを製造メーカーに要求することが可能になる。逆に、製造メーカーとしてもパイプライン会社側の条件を満たす範囲で製造コストを抑えたラインパイプの製造が可能になる。
なお、上記実施の形態1,2においては、パイプ条件設定工程において曲げ局部座屈歪を要求条件として与えて曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪の定量的な関係から曲げ局部座屈歪を圧縮局部座屈歪に変換する場合を例に挙げて説明したが、圧縮局部座屈歪を要求条件として与える場合には、上記変換の工程がなくなるのみで、その他は上記実施の形態1、2と同様の処理が可能である。
また、上記実施の形態1,2においては、判定工程を(1.1)式、(5.1)式、(6.1)式に基づいて行う例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、(2.1)式、(3.1)式、(4.1)式、(7.1)式に基づいて行うこともできる。
さらに、上記実施の形態1,2においては、パイプ条件設定工程においてパイプの満たすべき条件として材料グレード(材料規格)を用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、パイプライン会社等の要求条件(YS、TSの範囲等)をパイプ条件設定工程におけるパイプの満たすべき条件として用いてもよい。
また、上記実施の形態1,2においては、図1のフローチャートに示すように、輸送量及び輸送距離に基づくパイプ条件設定工程(S1、S3)及び最大圧縮軸歪算出工程(S5)をパイプライン会社が行い、要求圧縮局部座屈歪設定工程(S7)〜決定工程(S13)までを鉄鋼会社が行う例を挙げた。しかし、輸送量及び輸送距離に基づくパイプ条件設定工程(S1、S3)及び最大圧縮軸歪算出工程(S5)をパイプライン会社以外、例えば鉄鋼会社あるいはコンサルティング会社が行ってもよい。また、要求圧縮局部座屈歪設定工程(S7)〜決定工程(S13)を鉄鋼会社以外、例えばパイプライン会社あるいはコンサルティング会社が行ってもよい。
このように、図1のフローチャートに示された各工程を誰が行うかはビジネスの状況に応じて全く自由に選択することができる。
本発明の実施の形態1を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態1における地盤の側方流動分布の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る有限要素解析結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における過去実績材料の応力歪データを応力歪座標にプロットした図である。 本発明の実施の形態2における過去実績材料の応力歪データを応力歪座標にプロットした図である。 パイプの圧縮局部座屈歪と曲げ局部座屈歪の関係を説明する説明図である。 連続硬化型の応力歪曲線における局部座屈の概念の説明図である。 本発明における判定方法の説明図である。 ばらつきのない応力歪データを応力歪座標にプロットした状態の説明図である。 本発明における判定方法の説明図である(その1)。 ばらつきのある応力歪データを応力歪座標にプロットした状態の説明図である。 本発明における判定方法の説明図である(その2) 一般的なガスパイプライン建設の処理の流れを説明するフローチャートである(その1)。 局部座屈歪に関する実験データと設計式の関係の説明図である。 一般的なガスパイプライン建設の処理の流れを説明するフローチャートである(その2)。

Claims (15)

  1. パイプの直径D、管厚t、当該パイプの要求圧縮局部座屈歪εreqを設定するパイプ条件設定工程と、
    過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、
    該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  2. パイプラインにて輸送する加圧流体の少なくとも輸送量及び輸送距離に基づいて、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程と、
    前記仮決めされた直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに前記輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときに前記パイプに発生する最大圧縮軸歪を求める最大圧縮軸歪算出工程と、
    前記最大圧縮軸歪に基づいて要求圧縮局部座屈歪εreqを設定する要求圧縮局部座屈歪設定工程と、
    過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、
    該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  3. パイプの直径D、管厚t、当該パイプの要求曲げ局部座屈歪を設定するパイプ条件設定工程と、
    予め求めておいた曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪の定量的な関係に基づいて、前記要求曲げ局部座屈歪を要求圧縮局部座屈歪εreqに変換する局部座屈歪変換工程と、
    過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、
    該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  4. パイプラインにて輸送する加圧流体の少なくとも輸送量及び輸送距離に基づいて、前記パイプラインに用いるパイプの直径D、管厚t及び輸送圧力を仮決めするパイプ条件設定工程と、
    前記仮決めされた直径及び管厚を有するパイプに敷設線形を考慮してパイプラインを構造設計し、構造設計されたパイプラインに前記輸送圧力、地盤変位及び又は外力が作用したときに前記パイプに発生する最大曲げ歪を求める最大曲げ歪算出工程と、
    該最大曲げ歪に基づいて要求曲げ局部座屈歪を設定し、さらに予め求めておいた曲げ局部座屈歪と圧縮局部座屈歪の定量的な関係に基づいて、要求曲げ局部座屈歪を要求圧縮局部座屈歪εreqに変換する局部座屈歪変換工程と、
    過去実績材料を用いて前記直径D、管厚tのパイプを製造したときの圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となるかどうかを、前記圧縮局部座屈歪ε cr を下式によって表わし、前記過去実績材料の応力歪データに基づいて判定する判定工程と、
    該判定工程において前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上となると判定されたときに、該実績材料をパイプの材料として決定する決定工程と、を備えたことを特徴とするパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  5. 前記過去実績材料について、前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上になると前記判定工程にて判定されない場合には、当該過去実績材料をもとにしつつ製造条件及び又は化学成分を調整して材料を製造し、新たに製造した材料について前記圧縮局部座屈歪εcrが前記要求圧縮局部座屈歪εreq以上になるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至4にいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
  6. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  7. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  8. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  9. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  10. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  11. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  12. 判定工程における判定を下式に基づいて行い、下式を満たすときは圧縮局部座屈歪εcrが要求圧縮局部座屈歪εreq以上であると判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパイプの製造方法。
    Figure 0004507593
  13. 過去実績材料はその応力歪曲線が連続硬化型であることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載のパイプの製造方法。
  14. 請求項1乃至請求項13に記載のパイプの製造方法に従って製造されたことを特徴とするパイプ。
  15. 請求項14に記載のパイプを接続して構成されたことを特徴とするパイプライン。
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