JP4612972B2 - Hstの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量ポンプおよび可変容量モータを動力伝達系に備えたHST(Hydro Static Transmission)の制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりHSTはフォークリフトやホイールローダ等の作業車等に搭載されている。この種のHSTは、油圧ポンプと油圧モータとを流体閉回路で連結し、油圧ポンプをエンジンで回転し、油圧ポンプの吐出流体で油圧モータを回転させ、油圧モータに連結した駆動輪を駆動するようにしている。
【0003】
車両速度を増減させるため、油圧ポンプは、その斜板傾転角度に応じて吐出量および吐出方向が可変とされ、斜板傾転角度が零となる中立位置で吐出量が零とされる。また、油圧モータは、速度調節および出力トルク調節のためにポンプと同様の、例えば、斜板式油圧モータとされる。
【0004】
そして、油圧ポンプと油圧モータの押しのけ容積は、エンジン回転速度に応じた信号圧力により、油圧ポンプの押しのけ容積を大きくするとともに、油圧モータの押しのけ容積を小さくし、エンジン回転速度が高まるのに伴ってHSTの変速比を大きくなるよう構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のHSTの制御装置にあっては、エンジンの回転速度に対応して一義的に油圧ポンプおよび油圧モータの押しのけ容積が定まるものであり、例えば、その伝達効率が運転条件、例えば、出力トルク、有効圧力等によって一義的に定まってしまい、その時の運転条件によっては、最適な伝達効率から外れ、HST車両の燃費向上に限界があった。
【0006】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、伝達効率を最適とできるHSTの制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出する作動油によって駆動される油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの容積を変化させて変速比を可変とするHSTの制御装置において、前記油圧モータの容積とHST有効圧力と油圧モータ回転数からHST出力トルクを演算する出力トルク演算手段と、前記出力トルク演算手段よりのHST出力トルクに対して油圧モータの取り得る容積範囲に亙って逐次容積を更新して油圧モータのモータ全効率を演算するモータ効率演算手段と、前記油圧モータの容積更新に対応して目標変速比を得るよう容積が変更される油圧ポンプのポンプ全効率を演算するポンプ効率演算手段と、前記モータ効率演算手段およびポンプ効率演算手段よりの出力によりHST伝達効率を演算し、演算結果を初期値若しくは前回以前の演算結果と比較し、これより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶し出力する効率演算手段と、前記出力結果により油圧ポンプおよび油圧モータの容積を制御する出力手段とから構成したことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、エンジンによって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出する作動油によって駆動される可変容積型の油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの容積を変化させて変速比を可変とするHSTの制御装置において、油圧モータの容積およびHST有効圧力から得られる出力トルクと目標変速比と目標油圧モータ回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数とに対して油圧モータの取り得る容積範囲に亙って逐次容積を更新して油圧モータのモータ全効率が演算され、前記油圧モータの容積更新に対応して目標変速比を得るよう容積が変更される油圧ポンプのポンプ全効率が演算され、モータ全効率とポンプ全効率によりHST伝達効率が演算され、演算結果を初期値若しくは前回以前の演算結果と比較してこれより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶した記憶装置と、稼動中のHSTの油圧モータの容積とHSTの有効圧力と目標変速比と油圧モータの目標回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数とから稼動中の運転条件において最適な伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を前記記憶装置から読み出し、油圧ポンプおよび油圧モータの容積を変更する出力手段とから構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
したがって、第1の発明では、モータ効率演算手段によりHST出力トルクに対して油圧モータの取り得る容積範囲に亙って逐次容積を変更して油圧モータのモータ全効率を演算し、ポンプ効率演算手段により油圧モータの容積変更に対応して容積が変更される油圧ポンプのポンプ全効率を演算し、これらの結果に基づいて効率評価手段によりHST伝達効率を演算し、演算結果を初期値若しくは前回以前の演算結果と比較し、これより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を出力し、これにより油圧ポンプおよび油圧モータの容積を変更するため、HSTをその使用作動条件下で要求されるHST変速比を満足しつつ最適な伝達効率状態で作動させることができ、搭載機械の燃費向上等の省エネルギ化を促進することができる。
【0010】
第2の発明では、記憶装置に油圧モータの容積およびHST有効圧力から得られる出力トルクと目標変速比と目標油圧モータ回転数と実際の油圧ポンプ回転数、実際の油圧モータ回転数とに対応した最適なHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶させ、稼動中のHSTの油圧モータの容積とHSTの有効圧力と目標変速比と油圧モータの目標回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数から稼動中の運転条件において最適な伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を前記記憶装置から読み出し、油圧ポンプおよび油圧モータの容積を変更するため、HST伝達効率の計算処理に処理時間を割かれることなく、稼動条件に最適な伝達効率でHSTを運転することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をフォークリフトやホイールローダ等の作業車等に搭載されるHSTを適用した実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、HST6は、エンジン1によって回転駆動される可変容積型の油圧ポンプ2と、出力軸を回転駆動する可変容積型の油圧モータ4と、両者を結ぶ閉回路を備え、油圧ポンプ2から吐出される作動油が油圧モータ4に送られることにより油圧モータ4が回転する。HST6の変速手段として、油圧ポンプ2、油圧モータ4の容積は、例えば、斜板式油圧ポンプ、油圧モータにおいては、斜板傾転角度をそれぞれサーボ機構13、サーボ機構15を介してコントローラ10によって制御される。
【0013】
エンジン1の出力は図示しないスロットルバルブを介して調節され、スロットルバルブを開閉駆動するアクチュエータはコントローラ10によって制御される。
【0014】
コントローラ10は、アクセル操作量、スロットルバルブの開度、回転速度センサ11によって検出される油圧ポンプ2の回転速度、油圧回路の圧力センサ16,17によって検出されるHST圧力信号、回転速度センサ18によって検出される油圧モータ4の回転速度、ポンプ斜板角度信号、モータ斜板角度信号等を入力し、これらの検出信号を処理し、スロットル開度指令信号を生成するエンジン制御手段10Aと、ポンプ斜板角度指令信号、および、モータ斜板指令角度を出力するHST制御手段10Bとを備えている。
【0015】
図2のブロック図に示すように、コントローラ10のHST制御手段10Bは、運転条件によりHST6の出力トルクを演算する出力トルク演算手段20と、効率演算条件を入力する条件入力手段21と、条件入力手段21へ入力された条件および出力トルクから油圧モータ4の押しのけ容積の演算範囲設定手段22と、条件入力手段21および出力トルクとから油圧ポンプ2、油圧モータ4の効率を演算範囲に亙り順次演算し最適伝達効率に達した時の伝達効率、および、油圧ポンプモータの押しのけ容積を出力する効率演算手段23と、ポンプモータ斜板傾角出力手段24と、ポンプモータ斜板傾角指令演算手段25とから構成されている。
【0016】
前記出力トルク演算手段20は、HST6の出力トルクTmを演算するものであり、モータ押しのけ容積(モータ斜板傾角θmから変換する)Dm、有効圧力(HST圧力p1とHST圧力p2の差)P、および、モータ機械効率ηmmとからモータ出力トルクTmを下記のごとく求め、演算範囲設定手段22、および、効率演算手段23に出力する。
【0017】
前記条件入力手段21は、演算条件を入力するものであり、最大HST有効圧力Px、最大ポンプ押しのけ容積Dpx、最大モータ押しのけ容積Dmx、最小モータ押しのけ容積Dmn、目標HST変速比et、目標モータ回転速度Nmt、ポンプ回転速度Np、最適HST伝達効率パラメータXηoの初期値等が入力される。
【0018】
演算範囲設定手段22は、前記出力トルク演算手段20からの出力トルクTmと前記条件入力手段21からの最大HST有効圧力Px、最大ポンプ押しのけ容積Dpx、最大モータ押しのけ容積Dmx、最小モータ押しのけ容積Dmn、目標HST変速比etに基づいて、効率演算手段23の繰り返し演算のためのモータ押しのけ容積の下限値Dmlおよび上限値Dmuを設定する。
【0019】
前記効率演算手段23は、先ず、油圧モータ4の出力トルクTmと押しのけ容積パラメータXDm(下限値Dmlが設定される)とから油圧モータ4の有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmmが演算され、次いで、油圧モータ4の有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmm、油圧モータ4の押しのけ容積パラメータXDm、および、目標モータ回転速度Nmtから有効圧力パラメータXPが演算され、さらに、有効圧力パラメータXP、油圧モータ4の押しのけ容積パラメータXDm、および、目標モータ回転速度Nmtからモータ全効率パラメータXηmが演算される(ここまで、モータ効率の演算)。
【0020】
次に、油圧モータ4の押しのけ容積パラメータXDmと目標HST変速比etとよりポンプ押しのけ容積パラメータXDpが演算され、引き続き、有効圧力パラメータXP、油圧ポンプ2のポンプ押しのけ容積パラメータXDp、および、ポンプ回転速度Npとからポンプ全効率パラメータXηpが演算される(ここまで、ポンプ効率の演算)。
【0021】
これらモータ全効率パラメータXηmとポンプ全効率パラメータXηpとは掛け合わされてHST伝達効率パラメータXηが求められ、最適HST伝達効率パラメータXηoと比較され、これを超える場合には、HST伝達効率パラメータXηが最適HST伝達効率パラメータXηoに代入され、目標ポンプ押しのけ容積Dpt、および、目標モータ押しのけ容積Dmtに、ポンプ容積パラメータXDp、および、モータ押しのけ容積パラメータXDmが入力される(効率評価)。
【0022】
前記最適HST伝達効率パラメータXηoを超えない場合も含めて、次に、押しのけ容積パラメータXDmをΔXDmだけ増分し、再び、上記の再演算が繰返し行われ、押しのけ容積パラメータXDmが演算範囲設定手段で設定した上限値Dmuを超えるとき演算動作が終了される(全範囲繰り返し演算)。
【0023】
ポンプモータ斜板傾角出力手段24は、効率演算手段23により設定された目標ポンプ押しのけ容積Dpt、および、目標モータ押しのけ容積Dmtをポンプモータ斜板傾角指令演算手段25に出力し、図1の油圧ポンプ2、および、油圧モータ4のサーボ機構23、15を制御する。
【0024】
図3のフローチャートはHST制御手段10Bの目標ポンプ押しのけ容積Dpt、および、目標モータ押しのけ容積Dmtの演算ルーチンを示しており、コントローラ10において一定周期毎に実行される。以下、これについて説明する。
【0025】
先ず、ステップ1で各種検出信号を入力する。このステップ1で入力される信号は下記のとおりである。
Dm:モータ押しのけ容積(モータ斜板傾角θmから変換する)、P:有効圧力(HST圧力信号1(p1)とHST圧力信号2(p2)の差)、Nm:モータ回転速度、Np:ポンプ回転速度、Px:最大HST有効圧力、Dpx:最大ポンプ押しのけ容積、Dmx:最大モータ押しのけ容積、Dmn:最小モータ押しのけ容積、および、et:目標HST変速比、Xηo:最適HST伝達効率パラメータ。
【0026】
ステップ2において、HST出力トルクTmが演算される。この出力トルクTmは、下記の演算式で求められる。
Tm=(1/2π)Dm・P・ηmm ・・・・(1)
上記式(1)において、ηmmはモータ機械効率を示し、例えば、有効圧力P、モータ押しのけ容積Dm、モータ回転速度Nmをパラメータとしたマップ(図4参照)により求められる。
【0027】
ステップ3においては、以下のステップS5からステップS14の繰り返し演算の実行するために、モータ押しのけ容積の下限値Dml、および、上限値Dmuを設定する。この下限値Dmlおよび上限値Dmuは、前記式(1)で求めた出力トルクTm、最大HST有効圧力Px、最大ポンプ押しのけ容積Dpx、最大モータ押しのけ容積Dmx、最小モータ押しのけ容積Dmn、および、目標HST変速比etから求められる。
【0028】
ステップ4では、モータ押しのけ容積パラメータXDmと、最適HST伝達効率パラメータXηoの初期値を設定する。モータ押しのけ容積パラメータXDmの初期値はステップ3で設定したモータ押しのけ容積の下限値Dmlとなる(ここまでが、前記条件入力手段21、前記出力トルク演算手段20、演算範囲設定手段22に相当する)。
【0029】
ステップ5では、前記モータ出力トルクTmとモータ容積パラメータXDmとから、下記式にて、有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmmを求める。
XPηmm=2π(Tm/XDm) ・・・(2)
これは、モータ出力トルクTmをモータ容積パラメータXDmで出力する際に、油圧モータの有効圧力と機械効率の積を演算するものである。
【0030】
ステップ6では、前記式(2)で求めた有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmm、モータ容積パラメータXDm、および、目標モータ回転速度Nmtから、次式により有効圧力パラメータXPを求める。
XP=map(XPηm,XDm,Nmt) ・・・(3)
具体的には、目標モータ回転速度Nmtに(複数の回転域に区分された回転域毎に)対応した有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmm、モータ容積パラメータXDm、および、有効圧力パラメータXPを夫々パラメータとしたマップの図5により求める。
【0031】
ステップ7では、前記式(3)で求めた有効圧力パラメータXP、モータ容積パラメータXDm、および、目標モータ回転速度Nmtから、次式によりモ一タ全効率パラメータXηmを求める。
Xηm=map(XP,XDm,Nmt) ・・・(4)
具体的には、目標モータ回転速度Nmtに(複数の回転域に区分された回転域毎に)対応した有効圧力パラメータXP、モータ容積パラメータXDm、および、モ一タ全効率パラメータXηmを夫々パラメータとしたマップの図6により求める(ここまでは、モータ全効率の演算)。
【0032】
ステップ8では、モータ容積パラメータXDmと目標HST変速比etとから次式により、
XDp=et・XDm ・・・(5)
ポンプ押しのけ容積パラメータXDpを求める。
【0033】
ステップ9では、前記式(3)で求めた有効圧力パラメータXP、前記式(5)で求めたポンプ容積パラメータXDp、および、ポンプ回転速度Npから、次式によりポンプ全効率パラメータXηpを求める。
Xηp=map(XP,XDp,Np) ・・・(6)
具体的には、ポンプ回転速度Npに(複数の回転域に区分された回転域毎に)対応した有効圧力パラメータXP、ポンプ容積パラメータXDp、および、ポンプ全効率パラメータXηpを夫々パラメータとしたマップの図7により求める(ここまでは、ポンプ全効率の演算)。
【0034】
ステップ10では、モータ全効率Xηm、および、ポンプ全効率Xηpから、次式にて、
Xη=Xηp・Xηm ・・・(7)
HST伝達効率パラメータXηを求める。
【0035】
ステップ11では、HST伝達効率パラメータXηと最適HST伝達効率パラメータXηoを比較し、もし、Xη>Xηoならば、ステップ12を実行してステップ13に進み、それ以外なら直接ステップ13を実行する。
【0036】
ステップ12では、下記式にて、各パラメータを更新する。
Xηo=Xη ・・・(8)
Dpt=XDp ・・・(9)
Dmt=XDm ・・・(10)
ここで、Dpt:目標ポンプ押しのけ容積
Dmt:目標モータ押しのけ容積
この更新は、ステップ11において、初期値、若しくは、前回以前に演算した最適HST伝達効率パラメータXηoよりも効率の高い値のHST伝達効率パラメータXηを得るための、目標ポンプ押しのけ容積Dpt、目標モータ押しのけ容積Dmtにするものである。
【0037】
ステップ13では、次式にて、
XDm=XDm+△XDm ・・・(11)
モータ押しのけ容積パラメータXDmを更新する。
ここで、△XDm:モータ押しのけ容積パラメータ更新刻み。
【0038】
ステップ14では、モータ押しのけ容積パラメータXDmとモータ押しのけ容積パラメータ上限値Dmuを比較し、もしXDm>Dmuならば、ステップ15に進み、それ以外ならステップ5に戻り、更新されたモータ押しのけ容積パラメータXDmに基づき、ステップ5〜14が繰り返し演算される。
【0039】
ステップ15では、ステップ12で更新された目標ポンプ押しのけ容積Dpt、および、目標モータ押しのけ容積Dmtを出力し、ポンプモータ斜板傾角指令演算手段により目標ポンプ斜板傾角θptおよび目標モータ斜板傾角θmtに変換し、図1に示されたポンプおよびモータのサーボ機構にて、ポンプおよびモータの斜板制御を実行する。
【0040】
以上の演算を実行することにより、ポンプ押しのけ容積およびおよびモータ押しのけ容積を、要求されるHST変速比が満たされる範囲内で種々変化させ、その時のHST伝達効率が逐次演算され、その中でHST伝達効率が最大となるポンプ押しのけ容積、および、モータ押しのけ容積で制御されるため、要求されるHST変速比を満足しつつ最適なHST伝達効率点で作動することになる。
【0041】
図8は上記効率演算手段23の結果出力経過であり、図中の●印を繋げた線がHST伝達効率の推移を示し、図示のように凸形の線になった場合のその線の頂点が最適効率点となる。
【0042】
以上説明した実施の態様においては、モータ効率演算手段としてのステップ5〜7によりHST出力トルクに対して油圧モータ4の取り得る容積範囲に亙って逐次容積を更新して油圧モータ4のモータ全効率を演算し、ポンプ効率演算手段としてのステップ8、9により油圧モータ4の容積変更に対応して容積が変更される油圧ポンプ2のポンプ全効率を演算し、これらの結果に基づいて効率評価手段としてのステップ10、11によりHST伝達効率を演算し、演算結果を最適HST伝達効率の初期値(若しくは前回以前の演算結果により設定された)と比較し、これより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率ηを得る油圧ポンプ2および油圧モータ4の各容積を記憶し出力し、これにより油圧ポンプ2および油圧モータ4の容積を変更するため、HST6をその使用作動条件下で要求されるHST変速比を満足しつつ最適な伝達効率状態で作動させることができ、搭載機械の燃費向上等の省エネルギ化を促進することができる。
【0043】
以下に、図2に記憶手段26を付加した他の実施の態様について説明する。前実施の態様では、効率演算手段23はパラメータを更新しての繰り返し演算が含まれているため演算時間を必要とし、CPUの演算能力に対して重荷となる場合がある。
【0044】
前記記憶手段26を加えた図2の他の実施の態様では、ポンプモータ斜板傾角出力手段24から出力された目標ポンプ押しのけ容積Dpt、および、目標モータ押しのけ容積Dmtを使用条件(Dm、P、et、Nmt、Np、Nm)とともに記憶する記憶手段であり、既に記憶されているマップ内に同一の使用条件(Dm、P、et、Nmt、Np、Nm)に該当するデータがある場合には、効率演算手段23で再度演算することなく、記憶手段26のデータを出力する。
【0045】
この記憶手段26内のデータを逐次用いることで効率演算の計算処理の負荷を減ずることができ、また、これは、HSTを搭載するあらゆる車両に適用可能である。
【0046】
具体的には、オフライン処理により予め演算し、その演算結果を使用条件−効率マップを作成しておき、この使用条件−効率マップを車両の記憶手段26に記憶させておき、走行時等の実行時に参照して目標ポンプ押しのけ容積Dpt、目標モータ押しのけ容積Dmtを呼び出し、ポンプモータ斜板傾角演算手段25に出力してHST制御を実行する。
【0047】
このような場合には、前記した実施の態様を説明する図3に示すステップS2〜ステップS14の処理を、次式にて、
Dpt=map(Dm、P、et、Nmt、Np、Nm) ・・・(12)
Dmt=Dpt/et ・・・(13)
若しくは、
Dmt=map(Dm,P,et,Nmt,Np,Nm) ・・・(14)
Dpt=et・Dmt ・・・(15)
により置き換える。
【0048】
この実施の態様においては、記憶装置26に油圧モータの容積およびHST有効圧力から得られる出力トルクと目標変速比と目標油圧モータ回転数と実際の油圧ポンプ回転数、実際の油圧モータ回転数とに対応した最適なHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶させ、稼動中のHSTの油圧モータ4の容積とHSTの有効圧力と目標変速比と油圧モータ4の目標回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数から稼動中の運転条件において最適な伝達効率を得る油圧ポンプ2および油圧モータ4の各容積を前記記憶装置26から読み出し、油圧ポンプ2および油圧モータ4の容積を変更するため、HST伝達効率の計算処理に処理時間を割かれることなく、稼動条件に最適な伝達効率でHSTを運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すHSTの制御装置の概略構成図。
【図2】同じくコントローラの概略構成図。
【図3】作動を示す制御フローチャート。
【図4】有効圧力P、モータ押しのけ容積Dm、モータ機械効率ηmm、および、モータ回転速度Nmを夫々パラメータとしたマップ。
【図5】有効圧力モータ機械効率パラメータXPηmm、モータ容積パラメータXDm、および、有効圧力パラメータXPを夫々パラメータとしたマップ。
【図6】有効圧力パラメータXP、モータ容積パラメータXDm、および、モ一タ全効率パラメータXηmを夫々パラメータとしたマップ。
【図7】有効圧力パラメータXP、ポンプ容積パラメータXDp、および、ポンプ全効率パラメータXηpを夫々パラメータとしたマップ。
【図8】効率演算手段の結果出力経過を示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジン
2 油圧ポンプ
4 油圧モータ
6 HST
10 コントローラ
13 サーボ機構
15 サーボ機構
20 出力トルク演算手段
21 条件入力手段
22 演算範囲設定手段
23 効率演算手段
24 ポンプモータ斜板傾角出力手段
25 ポンプモータ斜板傾角指令演算手段
26 記憶手段

Claims (2)

  1. エンジンによって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出する作動油によって駆動される可変容積型の油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの容積を変化させて変速比を可変とするHSTの制御装置において、
    前記油圧モータの容積とHST有効圧力と油圧モータ回転数からHST出力トルクを演算する出力トルク演算手段と、
    前記出力トルク演算手段よりのHST出力トルクに対して油圧モータの取り得る容積範囲に亙って逐次容積を更新して油圧モータのモータ全効率を演算するモータ効率演算手段と、
    前記油圧モータの容積更新に対応して目標変速比を得るよう容積が変更される油圧ポンプのポンプ全効率を演算するポンプ効率演算手段と、
    前記モータ効率演算手段およびポンプ効率演算手段よりの出力によりHST伝達効率を演算し、演算結果を初期値若しくは前回以前の演算結果と比較し、これより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶し出力する効率演算手段と、
    前記出力結果により油圧ポンプおよび油圧モータの容積を制御する出力手段とから構成したことを特徴とするHSTの制御装置。
  2. エンジンによって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出する作動油によって駆動される可変容積型の油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの容積を変化させて変速比を可変とするHSTの制御装置において、
    油圧モータの容積およびHST有効圧力から得られる出力トルクと目標変速比と目標油圧モータ回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数とに対して油圧モータの取り得る容積範囲に亙って逐次容積を更新して油圧モータのモータ全効率が演算され、前記油圧モータの容積更新に対応して目標変速比を得るよう容積が変更される油圧ポンプのポンプ全効率が演算され、モータ全効率とポンプ全効率によりHST伝達効率が演算され、演算結果を初期値若しくは前回以前の演算結果と比較してこれより上回るHST伝達効率とこのHST伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を記憶した記憶装置と、
    稼動中のHSTの油圧モータの容積とHSTの有効圧力と目標変速比と油圧モータの目標回転数と実際の油圧ポンプ回転数と実際の油圧モータ回転数とから稼動中の運転条件において最適な伝達効率を得る油圧ポンプおよび油圧モータの各容積を前記記憶装置から読み出し、油圧ポンプおよび油圧モータの容積を変更する出力手段とから構成したことを特徴とするHSTの制御装置。
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