JP4611872B2 - チップ状広帯域アンテナ、及び、その製作方法 - Google Patents

チップ状広帯域アンテナ、及び、その製作方法 Download PDF

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Description

本発明は、GHz帯域の電波を送受信するためのアンテナ装置に係り、特に広帯域特性を有し、かつ、実用性が高くて使い勝手が良いように改良したものである。
ただし本発明においてGHz帯とは、0.1〜80GHzの周波数帯域をいう。
GHz帯の電波に共振するアンテナを構成する技術の基本は、線条アンテナに定在波を乗せることである。
アンテナを小形ならしめるため、上記の線条アンテナを波長λの1/4に共振させるように構成する技術が広く知られている。この場合、線条アンテナの機械的長さは約λ/4となる。
電波に限らず、弦でも棒でも気体でも、基本的にはλ/4の整数倍で共振(共鳴)し、特殊な構造を設けなければλ/4未満で共振しない。
λ/4のアンテナを更に短くするため、線条アンテナを湾曲せしめてコイル状に形成したり、繰り返し折り曲げてメアンダー形に形成したりする技術が公知であるが、どのように曲げてもλ/4に共振させるという基本的原理は同じであって、アンテナ素子の電気的長さや機械的長さ寸法をλ/4未満ならしめるという技術的思想は未だ無かった。
先行技術として、特許文献4及び同5に挙げたように機械的寸法がλ/4未満のアンテナが研究されているが未公知である(内容の概要は、発明が解決しようとする課題の欄で説明する)。
特開平6−140820号公報 特開2004−7460号公報 特開2003−304114号公報 特願2005−090843(未公知) 特願2005−269521(未公知) 株式会社オーム社発行 アンテナ工学ハンドブック 電子情報通信学会編
未公知の先願特開2005−090843号においては、図4(A)のようなアンテナが提案されている。本図の例においては、基板1の上に立体アンテナ素子2が搭載されている。この立体アンテナ素子は直方体状をなし、最大辺の寸法がλ/8未満である。
このような立体アンテナ素子でも、相当のアンテナ性能を発揮する。
しかし、該立体アンテナ素子2に隣接せしめて立体無給電素子3を配置し、両者の間に静電容量を形成して容量結合すると、広帯域特性が得られる。
この発明は、十分なグランドの存在を前提として成立し得る。符号5は高周波電源である。
前掲の図4(A)に示した先行技術について、アンテナ装置の体積を縮小させるため、図4(B)のように素子の背を低くして平板状化することが考えられる。しかし、(B)の実施形態のアンテナは(A)の実施形態のアンテナに比してアンテナ性能がやや劣る。
そこで図4(C)のように、無給電素子の本体部8aから延長部8bを延出させ、かつ平板アンテナ素子6の辺の長さ寸法をλ/4未満とすることによって優れたアンテナ特性が得られる(未公知の先願特開2005−269521号)。
図4を参照して以上に説明した先行技術に係るアンテナ装置は、非常に小形であり、それぞれ優れたアンテナ性能を有しているが、これらの発明装置は、強いて言えば未だ試験研究室的な成功の段階から大きくは進んでいない。すなわち工業的製品として、さらには市場に流通せしむべき商品として、加工性,生産性,使い勝手、意匠的価値などについて工夫改良の余地が有る。
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、小形で、しかも優れたアンテナ性能を有するという未公知の先願発明の長所を損なうことなく改良し、工業的製品としての観点および商品としての観点から、加工性,生産性,使い勝手、および意匠的価値を向上せしめるにある。
上記の目的を達成するために創作した本発明の請求項1に係るチップ状広帯域アンテナ製作方法の構成は、
(図1参照)GHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、電波の波長をλとし、
最大辺の長さ寸法がλ/8未満である直方体状の直方体アンテナ素子10と、
上記直方体アンテナ素子の「6面中の、相互に隣接する2面」に対向する2面を有するL形立体無給電素子9とを配列し、
上記直方体アンテナ素子とL形立体無給電素子とのそれぞれに、あらかじめ導通ライン14a,14bを接続しておき、
電気絶縁性の材料によって、前記直方体アンテナ素子10およびL形立体無給電素子9を包囲し、かつ前記導通ラインの少なくとも一部分を露出させてインサート成形することを特徴とする。
請求項2の発明に係るチップ状広帯域アンテナの製作方法の構成は、
GHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、電波の波長をλとし、
最大辺の長さ寸法がλ/8未満である直方体状の直方体アンテナ素子10と、
上記直方体アンテナ素子の「6面中の、相互に隣接する2面」に対向する2面を有するL形立体無給電素子9とを配列し、
電気絶縁性の材料によって、前記直方体アンテナ素子10およびL形立体無給電素子9を包囲し、かつ、上記直方体アンテナ素子およびL形立体無給電素子それぞれの底面の少なくとも一部分を露出させてインサート成形することを特徴とする。
請求項3の発明に係るチップ状広帯域アンテナの製作方法の構成は、
(図2参照)GHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、
電波の波長をλとし、 各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素子6と、
上記平板アンテナ素子の「4辺中の、相互に隣接する2辺」に対向する2辺を有するL形無給電素子8とを、基板チップ12上に配列することを特徴とする。
請求項4の発明に係るチップ状広帯域アンテナの製作方法の構成は、
(図3参照)GHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、
電波の波長をλとし、
各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素子6の2枚と、
上記平板アンテナ素子の「4辺中の、相互に隣接する2辺」に対向する2辺を有するL形無給電素子8の2枚とを構成し、
基板チップ12の表面に、上記平板アンテナ素子とL形無給電素子8とを配列するとともに、
該基板チップの裏面にも平板アンテナ素子とL形無給電素子8とを配列して、
表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子とを、基板チップを介して正対せしめ、かつ、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子とを、基板チップを介して正対せしめ、
表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子、及び、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子を、それぞれ相互にスルーホール13a,13bを介して接続導通せしめることを特徴とする。
請求項5の発明に係るチップ状広帯域アンテナの構成は、
(図2参照)GHz帯の電波を送受信するアンテナにおいて、電波の波長をλとし、
各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素子6と、
上記平板アンテナ素子の「4辺中の、相互に隣接する2辺」に対向する2辺を有するL形無給電素子8とが、基板チップ12上に配列されて1個のアッセンブリ部品が形成され、前記双方のアンテナ素子の間が容量結合されていることを特徴とする。
請求項6の発明に係るチップ状広帯域アンテナの構成は、
(図3参照)GHz帯の電波を送受信するアンテナにおいて、電波の波長をλとし、
各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素子(6)の2枚と、
上記平板アンテナ素子の「4辺中の、相互に隣接する2辺」に対向する2辺を有するL形無給電素子8の2枚とを有し、
基板チップ12の表面に、上記平板アンテナ素子とL形無給電素子8とを配列されるとともに、
前記基板チップの裏面にも、平板アンテナ素子とL形無給電素子8とが配列されていて、
表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子とが、基板チップを介して正対しており、かつ、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子とが、基板チップを介して正対しており、
表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子、及び、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子が、それぞれ相互にスルーホール13a,13bを介して接続導通されていることを特徴とする。
請求項1に係るチップ状広帯域アンテナ製作方法を適用して製作したアンテナ装置は、
直方体アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/8未満であるから、これをパッケージした電気絶縁体チップは超小型(例えば最大辺の長さ寸法10mm)であり、しかも広帯域の同調特性を有し、
小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備し、市場流通性を有している。
しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
その上、導通ラインを備えていてその一部分が露出しているので、無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路に接続する作業を迅速容易に遂行することができて好都合である。
このように実用的価値の高いアンテナ装置が、アンテナ専門工場で生産されて市場に供給されることはアンテナ産業の独立性を確実ならしめ、専門技術の分業化を通じて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。
請求項2に係るチップ状広帯域アンテナ製作方法を適用して製作したアンテナ装置は、請求項1におけると同様に直方体アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/8未満であるから、これをパッケージした電気絶縁体チップは超小型(例えば最大辺の長さ寸法10mm)であり、しかも広帯域の同調特性を有し、小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備していて、市場流通性を有している。
しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
その上、2個のアンテナ素子それぞれの一部分がインサート成形チップから露出しているので、無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路基板に搭載するだけで迅速容易に電気的に接続することができて好都合である。
このように実用的価値の高いアンテナ装置が、アンテナ専門工場で生産されて市場に供給されることはアンテナ産業の独立性を確実ならしめ、専門技術の分業化を通じて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。
請求項3に係るチップ状広帯域アンテナ製作方法を適用して製作したアンテナ装置は、
平板アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/4未満であるから、これをL形無給電素子と共に基板チップに搭載したアンテナ装置は超小型(例えば最大辺の長さ寸法11mm)であり、しかも広帯域の同調特性を有し、小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備し、市場流通性を有している。
しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路に接続する作業を迅速容易に遂行することができて好都合である。
このように実用的価値の高いアンテナ装置が、アンテナ専門工場で生産されて市場に供給されることはアンテナ産業の独立性を確実ならしめ、専門技術の分業化を通じて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。
請求項4に係るチップ状広帯域アンテナ製作方法を適用して構成したアンテナ装置は、請求項3におけると同様に平板アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/4未満であるから、これをL形無給電素子と共に基板チップに搭載したアンテナ装置は超小型(例えば最大辺の長さ寸法11mm)である。しかも、請求項3のアンテナに比して単純な平板状(1層,単板)でなく厚さ方向成分を有しているので、より広範囲の同調周波数帯域が得られる。
このように、小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備し、市場流通性を有している。
しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路に接続する作業を迅速容易に遂行することができて好都合である。
このように実用的価値の高いアンテナ装置が、アンテナ専門工場で生産されて市場に供給されることはアンテナ産業の独立性を確実ならしめ、専門技術の分業化を通じて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。
請求項5に係るチップ状広帯域アンテナを適用すると、直方体アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/8未満であるから、これをL形立体無給電素子と共にパッケージした電気絶縁体チップは超小型(例えば最大辺の長さ寸法10mm)であり、しかも広帯域の同調特性を有し、小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備し、市場流通性を有している。
しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
その上、導通ラインを備えていてその一部分が露出しているので、無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路に接続する作業を迅速容易に遂行することができて好都合である。
このように実用的価値の高いアンテナ装置が、アンテナ専門工場で生産されて市場に供給されることはアンテナ産業の独立性を確実ならしめ、専門技術の分業化を通じて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。
請求項6に係るチップ状広帯域アンテナを適用すると、請求項5におけると同様に
直方体アンテナ素子の最大辺の長さ寸法がλ/8未満であるから、これをL形立体無給電素子と共にパッケージした電気絶縁体チップは超小型(例えば最大辺の長さ寸法10mm)であり、しかも広帯域の同調特性を有し、
小さいながらアンテナ装置アッセンブリとしての機能を具備し、市場流通性を有している。しかも簡素な外観を呈し、意匠的にも優れていて商品価値が高い。
その上、2個のアンテナ素子のそれぞれが、その一部分が露出しているので、無線機メーカーは当該アンテナアッセンブリを購入して高周波回路に接続する作業を迅速容易に遂行することができて好都合である。
図1(A)は本発明装置に1実施形態を模式的に描いた斜視図である。ただし構成機能を理解し易いように模式化してあるので、写実的な投影図ではない。
直方体アンテナ素子10とL形立体無給電素子9とが対向離間して配置されている。
その平面図を本図1(B)に示す。
寸法設定の基本は、直方体アンテナ素子10の1辺Lである。この寸法は、送受信する電波の波長をλとしてλ/8よりも短い。
該直方体アンテナ素子10の他辺の長さ寸法Lは、上記Lよりも長くない。
直方体アンテナ素子10とL形立体無給電素子9との間隔寸法L,Lは、前記の寸法Lに比して著しく小さい。この間隔寸法は、寸法Lに対する割合で定められるのではなく、双方の素子(10,9)の間の静電容量が適正となるように設定されるが、結果においては寸法Lに比して格段に小さい。
図示の寸法Lは寸法Lに比してほぼ等しく、寸法L4は寸法Lよりも大きくない(寸法Lよりも大きくすることは可能であるが、大きくすると、アンテナ装置全体が大形・大重量・高コストになることに見合うメリットが無い)。
(図1(A)参照)直方体アンテナ素子10及びL形立体無給電素子9の高さ寸法Hは前記の寸法Lよりも小さめに設定することが望ましい(寸法Lと等しくし、又は寸法Lよりも大きくすることも可能であるが、大きくすると、アンテナ装置全体が大形・大重量・高コストになることに見合うメリットが無い)。
説明の便宜上、本図1(A)におけるL形立体無給電素子9および直方体アンテナ素子10の上面を底面と呼ぶ。この実施形態のアンテナ装置を無線機の基板に装着するときは底面を基板に当接させて固定,接続するのが基本である(変形した応用を妨げない)。
図1(A)において、直方体アンテナ素子10とL形立体無給電素子9とは、底面を同一平面に揃えて配置され、電気絶縁性の材料でインサート成形して電気絶縁体チップ11が形成されている。
上記直方体アンテナ素子10およびL形立体無給電素子9のそれぞれの底面に、L字状の導通ライン14a,14bが接続導通されていて、その一部分(本例においては斑点を付して示した部分)が電気絶縁体チップ11の表面に露出している。
本実施形態のアンテナ装置を使用する際は、無線機の高周波回路基板に形成された電極に上記の導通ラインを当接せしめるだけで電気的に接続される。この際、当接部が必ずしも直流的に完全接触導通しなくても、高周波的には完全に接続される。
図1を参照して以上に述べた構成を第1の実施形態と呼ぶ、この構成は請求項1および請求項5に対応している。
つぎに、この図1を援用して請求項2および請求項6対応する第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係るアンテナ装置の平面図は図1(B)と同様である。
図1(A)について、第2の実施形態に係るアンテナ装置は、導通ライン14a、及び導通ライン14bを備えていない。
その代り、第2の実施形態においては、直方体アンテナ素子10およびL形立体無給電素子9それぞれの底面が、電気絶縁体チップ11の表面に露出している。この第2の実施形態において、上記直方体アンテナ素子10およびL形立体無給電素子9の底面は、少なくともその一部分が露出していれば足りる。
図2は本発明の第3の実施形態を示し、(A)は模式的な外観斜視図であり、(B)は模式的な分解斜視図である。ただし、読図が容易なように、平板状部材の厚さ寸法を拡大してあり、写実的な投影図ではない。この図3の実施形態は請求項3および請求項7に対応している。
第3の実施形態における平板アンテナ素子6およびL形無給電素子8の平面図は前掲の図1(B)とほぼ相似である。ただし、寸法設定の基準となる平板アンテナ素子6の辺長寸法Lは送受信電波の波長λの1/4未満である。
基板チップ12は、平板アンテナ素子6およびL形無給電素子8を搭載し得る最小限の形状寸法に設定されている(該平板アンテナ素子6およびL形無給電素子8は、先に述べたように図1(B)と相似である)。ただし、本実施形態に係るアンテナ装置を製作する場合、要すれば電気絶縁体チップ11の形状寸法を上記「最小限」よりも適宜に大きくすることを妨げない。
分解斜視図である図2(B)には、平板アンテナ素子6およびL形無給電素子8と基板チップ12との対応関係を点線矢印a,b,cで表してある。
本例においては、プリント基板上に導通パターンによって平板アンテナ素子6およびL形無給電素子8を構成してある。本実施形態に係るアンテナ装置を製作する場合、必ずしも導通パターンによって構成しなくてもよく、例えば印刷技術を適用しても、蒸着技術を適用しても良い。
この第3の実施形態に係るアンテナ装置は、前記第1,第2の実施形態に比して、平面的寸法は若干大きくなる(第1,第2の実施形態は辺長λ/8未満、第3,第4の実施形態は辺長λ/4未満)。しかし、高さ(厚さ)寸法は格段に短縮できる。
図3は第4の実施形態に係るアンテナ装置を示し、請求項4および請求項8に対応している。(A)は模式的な外観斜視図、(B)は模式的な分解斜視図であり、前掲の図2におけると同様に厚さ寸法を拡大して描いてある。
本図3に描かれている基板チップ12は、前掲の図2における基板チップ12と類似の構成部材である。この基板チップには本来、表裏の区別が無い。しかし、説明の便宜上、図の上側を表、下側を裏と仮称する。
基板チップ12の表側に平板アンテナ素子6とL形無給電素子8とが配置されていることは、前記第3の実施形態(図2)と同様である。しかし本第4の実施形態(図3)
においては、基板チップ12の裏側にも平板アンテナ素子6とL形無給電素子8とが配置されている。
表側の平板アンテナ素子6と裏側の平板アンテナ素子6とは同じ姿勢で図の上下に対向しており、表側のL形無給電素子8と裏側のL形無給電素子8とも同じ姿勢で図の上下に対向している。
基板チップ12に垂直な補助軸z,z′を想定し(図3(B)参照)、この補助軸に沿って、スルーホール13a,スルーホール13bを穿つ。図3(A)の組立図において、メッキを施して表裏のアンテナ素子を電気的に接続導通させる。これにより、平板アンテナ素子およびL形無給電素子のそれぞれが厚さを持ち、その結果同調周波数帯が広くなる。次に、その理由について考察する。
図1(A)の第1、第2の実施形態と、図2(A)の第3の実施形態とを比較対照すると、第1、第2の実施形態は素子が高さ寸法Hを有し、第3の実施形態はほとんど高さ寸法(厚さ寸法)を有しない。
素子の高さだけに着目すると、第4の実施形態(図3(A))は、上記両者の中間的な構造である。その結果、電気的性能も両者の中間的になることは推察するに難くない。
同調周波数帯について見れば、図1(A)の第1、第2の実施形態においては、図2(A)の第3の実施形態におけるよりも広い。
こうした背景において、図2の第3の実施形態に構成部材を追加して図3(A)の第4の実施形態にすると、周波数帯域幅が広くなる(第1,第2の実施形態に近づく)。
以上を要約すると、第4の実施形態(図3)は、第3の実施形態(図2)を改良して、アンテナ装置の重量や製作コストの増加を低く押さえて、同調周波数帯域幅を拡大したものと言うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置を示し、(A)は模式的な斜視図、(B)は平面図 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置を示し、(A)は模式的な外観斜視図、(B)は分解斜視図 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置を示し、(A)は模式的な外観斜視図、(B)は分解斜視図 GHz帯の電波を送受信するに適したアンテナ装置の先行技術の3例を描いた斜視図
符号の説明
1…基板
2…立体アンテナ素子
3…立体無給電素子
4…グランド板
5…高周波電源
6…平板アンテナ素子
7…平板無給電素子
8…L形無給電素子
8a…本体部
8b…延長部
9…L形立体無給電素子
10…直方体アンテナ素子
11…電気絶縁体チップ
12…基板チップ
13a…平板アンテナ素子に穿たれたスルーホール
13…延長部に穿たれたスルーホール
14a…L形立体無給電素子に設けられた導通ライン
15b…直方体アンテナ素子に設けられた導通ライン
a…本体部と基板チップとの対応を表す矢印
b…延長部と基板チップとの対応を表す矢印
c…平板アンテナ素子と基板チップとの対応を表す矢印
H…直方体アンテナ素子の高さ寸法
…直方体アンテナ素子の一辺の長さ寸法
…直方体アンテナ素子の他辺の長さ寸法
…L形立体無給電素子本体部の一辺の長さ寸法
…L形立体無給電素子本体部の他辺の長さ寸法
…L形立体無給電素子と直方体アンテナ素子との間隔寸法
…L形立体無給電素子と直方体アンテナ素子との間隔寸法
z…補助軸
z′…補助軸

Claims (4)

  1. 波長λのGHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、最大辺の長さ寸法がλ/8未満である直方体状の直方体アンテナ素子と
    上記直方体アンテナ素子の6面中の相互に隣接する2面に対向する2面を有するL形立体無給電素子とを配列し、
    上記直方体アンテナ素子とL形立体無給電素子とのそれぞれに、あらかじめ導通ラインを接続しておき、
    電気絶縁性の材料によって、前記直方体アンテナ素子およびL形立体無給電素子を包囲し、かつ前記導通ラインの少なくとも一部分を露出させてインサート成形することを特徴とする、チップ状広帯域アンテナの製作方法。
  2. 波長λのGHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、最大辺の長さ寸法がλ/8未満である直方体状の直方体アンテナ素子と
    上記直方体アンテナ素子の6面中の相互に隣接する2面に対向する2面を有するL形立体無給電素子とを配列し、
    電気絶縁性の材料によって、前記直方体アンテナ素子およびL形立体無給電素子を包囲し、かつ、上記直方体アンテナ素子およびL形立体無給電素子それぞれの底面の少なくとも一部分を露出させてインサート成形することを特徴とする、チップ状広帯域アンテナの製作方法。
  3. 波長λのGHz帯の電波を送受信するアンテナを製作する方法において、各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素子の2枚と、
    上記平板アンテナ素子の4辺中の相互に隣接する2辺に対向する2辺を有するL形無給電素子の2枚とを構成し、
    基板チップの表面に、上記平板アンテナ素子とL形無給電素子とを配列するとともに、
    該基板チップの裏面にも平板アンテナ素子とL形無給電素子とを配列して、
    表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子とを、基板チップを介して正対せしめ、かつ、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子とを、基板チップを介して正対せしめ、
    表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子、及び、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子を、それぞれ相互にスルーホールを介して接続導通せしめることを特徴とする、チップ状広帯域アンテナの製作方法。
  4. 波長λのGHz帯の電波を送受信するアンテナにおいて、各辺の長さ寸法がλ/8未満である長方形状の平板アンテナ素の2枚と、
    上記平板アンテナ素子の4辺中の相互に隣接する2辺に対向する2辺を有するL形無給電素子の2枚とを有し、
    基板チップの表面に、上記平板アンテナ素子とL形無給電素子とを配列されるとともに、
    前記基板チップの裏面にも、平板アンテナ素子とL形無給電素子とが配列されていて、
    表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子とが、基板チップを介して正対しており、かつ、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子とが、基板チップを介して正対しており、
    表面の平板アンテナ素子と裏面の平板アンテナ素子、及び、表面のL形無給電素子と裏面のL形無給電素子が、それぞれ相互にスルーホールを介して接続導通されていることを特徴とする、チップ状広帯域アンテナ。
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