以下、本発明の一実施形態にかかる端子挿入装置1を、図1ないし図40に基づいて説明する。本発明の一実施形態にかかる端子挿入装置1(図1に示す)は、例えば、図10に示すコネクタ2のコネクタハウジング3の各端子収容室4内に、電線5が取り付けられた端子金具6を挿入する装置である。
コネクタハウジング3は、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。コネクタハウジング3は、複数の端子収容室4を備えている。端子収容室4は、直線状に延びかつコネクタハウジング3を貫通した孔(空間)である。端子収容室4は、電線5が取り付けられた端子金具6を収容する。
端子金具6には、電線5が取り付けられる。電線5は、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。
コネクタハウジング3は、所定の端子収容室4に電線5が取り付けられた端子金具6を収容して、コネクタ2を構成する。コネクタ2は、相手側のコネクタなどと嵌合して、自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。また、端子収容室4と、端子金具6とのうち一方は、他方に係止する係止アームなどを備えている。係止アームが他方に係止して、コネクタハウジング3と、電線5が取り付けられた端子金具6とが互いに固定される。また、前述したコネクタ2は、品番が異なるとコネクタハウジング3の外形が異なる。品番の異なるコネクタ2は、例えば、コネクタハウジング3に設けられた端子収容室4の数及び位置などが異なる。
さらに、前述したコネクタ2則ち端子金具6とコネクタハウジング3などの品番が異なると、勿論、前述した係止アームの大きさや形状が異なる。また、前述したコネクタ2は、コネクタハウジング3の端子収容室4内に端子金具6を挿入された後に、前述した係止アームが係止したか否かを確認するために、前述した端子金具6に取り付けられた電線5が挿入された側とは逆向きに引っ張られる。このとき、前述したコネクタ2則ち端子金具6とコネクタハウジング3の品番毎に、端子金具6を引っ張る力が異なる。
端子挿入装置1は、図1に示すように、装置本体10と、治具載置部としての治具載置ユニット90と、治具搬送手段としての治具搬送ユニット91と、電線保持ユニット11と、ハウジング保持ユニット12と、案内手段としてのガイドユニット13(図5に示す)と、挿入ユニット14と、制御手段としての制御装置15とを備えている。
装置本体10は、工場のフロア上などに設置されている。装置本体10は、上面が水平方向に沿って平坦なテーブル16と、立設柱17と、立設板18とを備えている。立設柱17と、立設板18とは、テーブル16の上面から上方に向かって立設している。
治具載置ユニット90は、図1及び図2に示すように、装置本体10に取り付けられた治具載置台92と、ハウジング供給部93(図1に示す)とを備えている。治具載置台92は、図2に示すように、装置本体10に取り付けられる取付部94と、複数の治具置き部95と、を備えている。取付部94は、直線状に延びている。治具置き部95は、取付部94から挿入ユニット14などに向かって突出しており、取付部94の長手方向に沿って間隔をあけて並べられている。治具置き部95には、保持治具27を位置決めするための位置決めピン96が上方に向かって突出している。互いに隣り合う治具置き部95間には、治具持ち上げユニット102の後述する持ち上げ台126が下方から侵入可能である。
ハウジング供給部93は、治具載置台92に載置される各保持治具27に対応して設けられている。ハウジング供給部93は、筒状に形成され、かつ内側に対応する保持治具27が保持するコネクタハウジング3を収容している。
保持治具27は、図4に示すように、方体状の治具本体36と、スライド部材37と、図示しない付勢手段としてのコイルばねとを備えている。治具本体36には、スライド部材37の外形に沿った切欠き38が形成されている。
スライド部材37は、切欠き38内に設けられている。スライド部材37は、電線保持ユニット11に接離する方向に、治具本体36にスライド自在に支持されている。スライド部材37は、図4中の実線で示すように、電線保持ユニット11に近づくと、治具本体36との間にコネクタハウジング3を挟んで、該コネクタハウジング3が治具本体36の上面側からスライド部材37のコネクタハウジング3の外形に沿った切欠き内を抜け出て、該治具本体36から脱落することを規制する。
スライド部材37は、図4中の二点鎖線で示すように、電線保持ユニット11から離れると、コネクタハウジング3がスライド部材37の切欠き内を抜け出て、該治具本体36から脱落することを許容する。なお、本明細書では、図4中の実線で示す状態を離脱規制状態と呼び、図4中の二点鎖線で示す状態を離脱許容状態と呼ぶ。コイルばねは、スライド部材37が切欠き38を開放するように、該スライド部材37を付勢する。
このように、保持治具27は、該保持治具27からコネクタハウジング3が離脱することを許容する離脱許容状態と、保持治具27からコネクタハウジング3が離脱することを規制する離脱規制状態とに亘って、変位自在である。
また、保持治具27には、位置決め用の位置決め孔97,98が複数設けられている。位置決め孔97は、保持治具27の治具本体36の側縁部それぞれに設けられ、該側縁部を貫通している。位置決め孔98は、保持治具27の治具本体36の底面から凹に形成されている。
さらに、前述した構成の保持治具27は、保持するコネクタハウジング3の品番が異なっても、外形が同じであるのが望ましい。また、保持治具27は、保持するコネクタハウジング3の品番が異なると、勿論、前述した切欠き38の形状が異なる。
治具載置台92は、互いに隣り合う治具置き部95に保持治具27が跨った状態で、複数の保持治具27を載置する。このとき、位置決めピン96が、保持治具27の位置決め孔97内に侵入する。また、取付部94が直線状に延びており、治具置き部95が取付部94の長手方向に沿って間隔をあけて配されているため、治具載置ユニット90は、水平方向に沿いかつ直線状の第1の方向としての矢印X(図2などに示す)に沿って、複数の保持治具27を、間隔をあけて並べている。なお、矢印Xは、複数の保持治具27が並べられた方向と、治具載置台92の取付部94の長手方向との双方と平行である。
治具搬送ユニット91は、図2及び図3に示すように、移動テーブル99と、ハウジング移動ユニット100と、スライドユニット101と、引き出し手段としての治具持ち上げユニット102と、第2スライドユニット103と、掴み手段としての治具掴みユニット104と、を備えている。
移動テーブル99は、治具載置ユニット90の治具載置台92の取付部94と、ハウジング保持ユニット12との間に設けられている。移動テーブル99は、装置本体10に取り付けられた図1に示すモータ105と、装置本体10の矢印X方向の両端部に回転自在に設けられた一対のプーリと、これら一対のプーリに掛け渡された無端ベルトとにより、矢印Xに沿って移動自在である。移動テーブル99には、無端ベルトが取り付けられている。移動テーブル99は、モータ105の回転駆動力により、無端ベルトが一対のプーリ間を循環することで、矢印Xに沿って移動する。
ハウジング移動ユニット100は、図1ないし図3に示すように、支持台106と、スライドシリンダ107と、支持部108と、昇降シリンダ109と、昇降板110と、チャックシリンダ111と、一対のハウジングチャック112とを備えている。支持台106は、移動テーブル99上に配され、該移動テーブル99に取り付けられている。
スライドシリンダ107は、シリンダ本体113と、該シリンダ本体113から伸縮自在なロッド114(図12などに示す)と、を備えている。シリンダ本体113は、伸長したロッド114が治具載置ユニット90に近づくように、支持台106に取り付けられている。なお、ロッド114の長手方向と、該ロッド114の伸縮方向とは、前述した矢印Xに対し直交(交差)しかつ水平方向に平行な第2の方向としての矢印Y(図1及び図2などに示す)に沿っている。
支持部108は、平板部115と、立設部116とを備えている。平板部115は、スライドシリンダ107のロッド114に取り付けられている。立設部116は、平板部115から上方に向かって延びている(立設している)。昇降シリンダ109は、シリンダ本体117と、該シリンダ本体117から伸縮自在なロッド118と、を備えている。シリンダ本体117は、伸長したロッド118が上方に向かうように、支持部108の立設部116の上端部に取り付けられている。
昇降板110は、昇降シリンダ109のロッド118に取り付けられている。チャックシリンダ111は、シリンダ本体119と、このシリンダ本体119から突出した接離ロッド120とを備えている。シリンダ本体119は、昇降板110に取り付けられている。接離ロッド120は、シリンダ本体119から矢印Xの両方向に突出している。
一対の接離ロッド120は、図3中の実線で示す位置と、図3中の二点鎖線で示す位置と、に亘って、シリンダ本体119から伸縮して、互いに接離する。ハウジングチャック112は、それぞれ接離ロッド120に取り付けられている。一対のハウジングチャック112は、互いに近づくと、互いの間にハウジング供給部93内のコネクタハウジング3を挟む。
ハウジング移動ユニット100は、昇降シリンダ109のロッド118が伸長しかつスライドシリンダ107のロッド114が伸長して、チャックシリンダ111がハウジング供給部93の上方に位置する。ハウジング移動ユニット100は、チャックシリンダ111の接離ロッド120が互いに離れた状態で、昇降シリンダ109のロッド118が縮小して、チャックシリンダ111がハウジング供給部93に近づく。そして、ハウジング移動ユニット100は、チャックシリンダ111の接離ロッド120が互いに近づいて、ハウジングチャック112間にハウジング供給部93内のコネクタハウジング3を挟む(チャックする)。
ハウジング移動ユニット100は、昇降シリンダ109のロッド118が伸長して、チャックしたコネクタハウジング3をハウジング供給部93から上方に引き出す。ハウジング移動ユニット100は、スライドシリンダ107のロッド114が縮小した後、昇降シリンダ109のロッド118が縮小して、チャックしたコネクタハウジング3を治具載置ユニット90に載置された保持治具27の切欠き38内に挿入する。ハウジング移動ユニット100は、チャックシリンダ111の接離ロッド120を互いに離した後、昇降シリンダ109のロッド118を伸長させて、チャックシリンダ111を保持治具27から離す。こうして、ハウジング移動ユニット100は、ハウジング供給部93から保持治具27にコネクタハウジング3を搬送する。
スライドユニット101は、図2に示すように、矢印Xに沿って、ハウジング移動ユニット100と並べられている。スライドユニット101は、図1に示すように、スライドシリンダ121と、スライド板122とを備えている。スライドシリンダ121は、シリンダ本体123と、該シリンダ本体123から伸縮自在なロッド124(図19などに示
す)と、を備えている。シリンダ本体123は、伸長したロッド124が治具載置ユニット90に近づくように、移動テーブル99に取り付けられている。なお、ロッド124の長手方向と、該ロッド124の伸縮方向とは、前述した矢印Xに対し直交しかつ水平方向に平行な第2の方向としての矢印Yに沿っている。スライド板122は、スライドシリンダ121のロッド124に取り付けられている。このように、スライド板122は、矢印X,Yに沿って移動自在となっている。
治具持ち上げユニット102は、図3に示すように、昇降シリンダ125と、持ち上げ台126とを備えている。昇降シリンダ125は、スライド板122上に配されている。このため、治具持ち上げユニット102は、図2に示すように、矢印Xに沿って、ハウジング移動ユニット100と並べられている。昇降シリンダ125は、シリンダ本体127と、このシリンダ本体127から伸縮自在なロッド128とを備えている。シリンダ本体127は、伸長するロッド128が上方に向かうように、前述したスライド板122に取り付けられている。
持ち上げ台126は、昇降シリンダ125のロッド128に取り付けられている。持ち上げ台126は、上面が水平方向に沿って平坦な台本体129と、該台本体129から凸の位置決めピン130とを備えている。持ち上げ台126は、スライドシリンダ121のロッド124が伸長し、昇降シリンダ125のロッド128が伸長すると、治具載置ユニット90の互いに隣り合う治具置き部95間に侵入して、保持治具27が持ち上げ台126の台本体129上に重なる。
治具持ち上げユニット102は、昇降シリンダ125のロッド128が縮小しかつスライドシリンダ121のロッド124が伸長して、持ち上げ台126が互いに隣り合う治具置き部95間に侵入する。そして、治具持ち上げユニット102は、昇降シリンダ125のロッド128が伸長して、持ち上げ台126の台本体129上に保持治具27が重なるとともに、更に、持ち上げ台126の台本体129が上方に保持治具27を持ち上げる。すると、保持治具27の位置決め孔97から治具載置ユニット90の位置決めピン96が抜け出るとともに、持ち上げ台126の位置決めピン130が、保持治具27の位置決め孔98内に侵入する。
その後、治具持ち上げユニット102は、スライドシリンダ121のロッド124を縮小して、保持治具27を治具載置ユニット90からハウジング保持ユニット12側に引き出す。こうして、治具持ち上げユニット102は、矢印Xと、矢印Yとの双方に沿って移動自在に設けられている。治具持ち上げユニット102は、治具載置ユニット90の治具載置台92の下方に侵入して、該治具載置台92に載置された複数の保持治具27のうちの一つの保持治具27を上方に持ち上げて、該治具載置台92から該一つの保持治具27を取り出す。
第2スライドユニット103は、図1及び図3に示すように、スライドシリンダ131を備えている。スライドシリンダ131は、装置本体10の立設板18の上端部に、矢印Yに沿って、スライド自在に設けられたシリンダ本体132を備えている。
治具掴みユニット104は、図1及び図3に示すように、昇降シリンダ133と、チャックシリンダ134と、一対の治具チャック135と、を備えている。昇降シリンダ133は、シリンダ本体136と、このシリンダ本体136から伸縮自在に設けられたロッド137とを備えている。シリンダ本体136は、伸長するロッド137が上方に向かう状態で配されている。ロッド137は、スライドシリンダ131のシリンダ本体132に取り付けられている。
チャックシリンダ134は、シリンダ本体138と、一対の接離ロッド139とを備えている。シリンダ本体138は、該シリンダ本体138から一対の接離ロッド139が下方に向かって突出し該一対の接離ロッド139が矢印Xに沿って間隔をあけた状態に配されている。シリンダ本体138は、昇降シリンダ133のシリンダ本体136に取り付けられている。接離ロッド139は、互いに接離する。一対の治具チャック135は、それぞれ接離ロッド139に取り付けられている。一対の治具チャック135は、互いに近づくと、互いの間に持ち上げ台126上又はハウジング保持ユニット12に保持された保持治具27を挟む。
前述した構成の治具掴みユニット104は、第2の方向としての矢印Yに沿って移動自在に設けられている。治具掴みユニット104は、後述するように、治具持ち上げユニット102により、持ち上げ台126上に持ち上げられた一つの保持治具27に、上方から近づいて、該一つの保持治具27を治具チャック135などにより掴む。そして、治具掴みユニット104は、掴んだ保持治具27を、ハウジング保持ユニット12まで搬送する。
また、前述した構成の治具掴みユニット104は、後述するように、ハウジング保持ユニット12に保持され、保持したコネクタハウジング3に全ての所望の端子金具6が挿入された保持治具27に、上方から近づいて、該一つの保持治具27を治具チャック135などにより掴む。そして、治具掴みユニット104は、掴んだ保持治具27を、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126まで搬送する。
前述した構成の第2スライドユニット103と治具掴みユニット104は、一対設けられている。これら一対の治具掴みユニット104は、矢印Xに沿って、互いに並べられている。これら一対の治具掴みユニット104のうち図3中右側に位置する一方の治具掴みユニット104は、保持治具27を、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126上からハウジング保持ユニット12まで搬送する。また、他方の治具掴みユニット104は、保持治具27を、ハウジング保持ユニット12から治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126上まで搬送する。
治具掴みユニット104は、保持治具27を、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126上からハウジング保持ユニット12まで搬送する際には、まず、昇降シリンダ133のロッド137を縮小し、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126を前述した一方の治具掴みユニット104の下方に位置付けた状態で、昇降シリンダ133のロッド137を伸長する。なお、このとき、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに離しておく。そして、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに近づけ、一対の治具チャック135間に保持治具27を挟む(チャックする)。
その後、治具掴みユニット104は、昇降シリンダ133のロッド137を縮小した後、スライドシリンダ131のシリンダ本体132を矢印Yに沿って移動して、チャックした保持治具27をハウジング保持ユニット12の上方に位置付ける。そして、昇降シリンダ133のロッド137が伸長して、チャックした保持治具27をハウジング保持ユニット12上に載置し、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに離す。その後、さらに、昇降シリンダ133のロッド139を縮小する。こうして、治具掴みユニット104は、保持治具27を、治具持ち上げユニット102からハウジング保持ユニット12に搬送する。
また、治具掴みユニット104は、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126上からハウジング保持ユニット12まで搬送する際と逆に動作して、保持治具27をハウジング保持ユニット12から治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126上まで搬送す
る。
電線保持ユニット11は、図5及び図6に示すように、ユニット本体19と、このユニット本体19に着脱自在な竿20とを備えている。ユニット本体19は、装置本体10のテーブル16上に取り付けられている。ユニット本体19は、長手方向が水平方向と平行な棒(柱)状に形成されている。なお、ユニット本体19の長手方向は、図5中の奥側から手前側又は手前側から奥側に向かう方向と平行である。
竿20は、図6に示すように、棒状の竿本体21と、この竿本体21から立設した複数対の挟持部材22a,22bとを備えている。竿本体21は、ユニット本体19に着脱自在である。竿本体21は、その長手方向がユニット本体19の長手方向と平行な状態で、前記ユニット本体19に取り付けられる。
挟持部材22a,22bは、互いに接離する方向に移動自在に竿本体21に支持されている。なお、接離とは、互いに近づいたり離れることを示している。挟持部材22a,22bは、互いに近づく方向に付勢されている。挟持部材22a,22bは、竿本体21の長手方向に沿って、互いに隣接して配されている。また、複数対の挟持部材22a,22bは、竿本体21の長手方向に沿って、並べられている。挟持部材22a,22bは、互いの間に電線5を挟む。
前述した構成の電線保持ユニット11は、コネクタハウジング3の端子収容室4に挿入する前の端子金具6が取り付けられた電線5を、挟持部材22a,22b間に挟んで、前記端子金具6に取り付けられた電線5を保持する。また、電線保持ユニット11は、コネクタハウジング3の端子収容室4に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を、挟持部材22a,22b間に挟んで、前記端子金具6に取り付けられた電線5則ちコネクタハウジング3を保持する。
ハウジング保持ユニット12は、図5に示すように、水平移動ユニット23と、昇降支持手段としての昇降ユニット24と、支持テーブル25と、コネクタ固定手段としてのコネクタ固定シリンダ26と、ハウジング保持手段としての保持治具27などを備えている。
水平移動ユニット23は、図示しないモータと、ボールねじ28とを備えている。モータは、装置本体10に取り付けられている。ボールねじ28は、ねじ軸29と、ナット30とを備えている。ねじ軸29は、その長手方向が水平方向と平行な状態で、装置本体10に回転自在に支持されている。ねじ軸29は、モータにより軸芯回りに回転する。
なお、ねじ軸29の長手方向は、図5中の奥側から手前側又は手前側から奥側に向かう方向と平行である。ナット30は、ねじ軸29に螺合している。ナット30には、昇降ユニット24則ち保持治具27が取り付けられている。水平移動ユニット23は、モータの回転駆動力により、ねじ軸29の長手方向に沿って、ナット30則ち保持治具27を移動する。
昇降ユニット24は、図示しないモータと、ボールねじ31とを備えている。モータは、ナット30に取り付けられている。ボールねじ31は、ねじ軸32と、ナット33とを備えている。ねじ軸32は、その長手方向が鉛直方向と平行な状態で、ナット30に回転自在に支持されている。ねじ軸32は、モータにより軸芯回りに回転する。ナット33は、ねじ軸32に螺合している。ナット33には、支持テーブル25則ち該支持テーブル25上に保持された保持治具27が取り付けられている。昇降ユニット24は、モータの回転駆動力により、ねじ軸32の長手方向に沿って、ナット33則ち該支持テーブル25上
に保持された保持治具27を移動する。このように、昇降ユニット24は、支持テーブル25上に保持された保持治具27を昇降自在に支持する。
支持テーブル25は、昇降ユニット24のナット33に取り付けられている。支持テーブル25は、昇降ユニット24のナット33から水平方向に沿って、電線保持ユニット11に向かって延在している。
コネクタ固定シリンダ26は、支持テーブル25に取り付けられたシリンダ本体34と、このシリンダ本体34から伸縮自在に設けられたロッド35とを備えている。シリンダ本体34は、ロッド35の長手方向が水平方向と平行でかつロッド35が伸長すると電線保持ユニット11に近づくように、支持テーブル25に取り付けられている。コネクタ固定シリンダ26は、ロッド35が伸長すると、該ロッド35が保持治具27の後述するスライド部材37をコイルばねの付勢力に抗して押圧する。コネクタ固定シリンダ26は、ロッド35が伸長すると、保持治具27を後述する離脱規制状態に保つ。
また、コネクタ固定シリンダ26は、ロッド35が縮小すると、該ロッド35が保持治具27のスライド部材37を押圧しなくなる。コネクタ固定シリンダ26は、ロッド35が縮小すると、保持治具27を後述する離脱許容状態に保つ。このように、コネクタ固定シリンダ26は、昇降ユニット24により保持治具27とともに昇降自在に支持されているとともに、保持治具27を離脱規制状態と離脱許容状態とに亘って変位させる。
前述したハウジング保持ユニット12は、コネクタハウジング3の端子収容室4内に端子金具6を挿入する際には、昇降ユニット24により支持テーブル25則ち該支持テーブル25上に保持された保持治具27を上方に位置付けておく。また、前述したハウジング保持ユニット12は、コネクタハウジング3の端子収容室4内に端子金具6を挿入する際には、コネクタ固定シリンダ26により保持治具27を離脱規制状態に保ち、保持治具27にコネクタハウジング3を固定しておく。
前述したハウジング保持ユニット12は、コネクタハウジング3の全ての端子収容室4に端子金具6が挿入されると(則ち、最後の端子金具6が挿入されると)、コネクタ固定シリンダ26により保持治具27を離脱許容状態に変位させる。そして、前述したハウジング保持ユニット12は、最後に端子収容室4内に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を電線チャックユニット61が掴んだ状態で、昇降ユニット24が保持治具27を下降させる。前述したハウジング保持ユニット12は、保持治具27からコネクタハウジング3を離脱させる。
ガイドユニット13は、図5に示すように、本体板39と、前後シリンダ40と、支持板41と、昇降シリンダ42と、昇降板43と、固定ガイド板44と、ガイド開閉部45と、移動ガイド板46とを備えている。本体板39は、立設柱17のテーブル16から離れた側の上端部に取り付けられている。本体板39は、立設柱17から電線保持ユニット11に向かって延びている。
前後シリンダ40は、シリンダ本体47と、このシリンダ本体47から伸縮自在に設けられたロッド48とを備えている。シリンダ本体47は、ロッド48の長手方向が水平方向と平行でかつロッド48が伸長すると電線保持ユニット11に近づくように、本体板39に取り付けられている。前後シリンダ40は、ロッド48が伸長すると、支持板41則ちガイド板44,46を保持治具27から離して電線保持ユニット11に近づける。前後シリンダ40は、ロッド48が縮小すると、支持板41則ちガイド板44,46を保持治具27に近づける。
支持板41は、前後シリンダ40のロッド48に取り付けられている。昇降シリンダ42は、シリンダ本体49と、このシリンダ本体49から伸縮自在に設けられたロッド50とを備えている。シリンダ本体49は、ロッド50の長手方向が鉛直方向と平行でかつロッド50が伸長するとハウジング保持ユニット12に近づくように、支持板41に取り付けられている。
昇降シリンダ42は、ロッド50が伸長すると、昇降板43則ちガイド板44,46を保持治具27に近づける。昇降シリンダ42は、ロッド50が縮小すると、昇降板43則ちガイド板44,46を保持治具27から遠ざける。このように、昇降シリンダ42は、昇降板43則ちガイド板44,46を昇降自在に支持している。
昇降板43は、昇降シリンダ42のロッド50に取り付けられている。固定ガイド板44は、昇降板43に取り付けられている。固定ガイド板44は、図7に示すように、鉛直方向に沿って延びた鉛直部51と、この鉛直部51の下端部から水平方向に沿って延びた水平部52とを一体に備えている。
ガイド開閉部45は、シリンダ本体53と、このシリンダ本体53から伸縮自在に設けられたロッドとを備えている。シリンダ本体53は、ロッドの長手方向が鉛直方向と平行でかつロッドが伸長するとハウジング保持ユニット12に近づくように、昇降板43に取り付けられている。ガイド開閉部45は、ロッドが伸長すると、移動ガイド板46を保持治具27に近づける。ガイド開閉部45は、ロッドが縮小すると、移動ガイド板46を保持治具27から遠ざける。このように、ガイド開閉部45は、移動ガイド板46を昇降自在に支持している。こうして、移動ガイド板46は、図7中に実線で示す位置と、図7中に二点鎖線で示す位置とに亘って、移動自在になっている。
移動ガイド板46は、ガイド開閉部45のロッドに取り付けられている。移動ガイド板46は、昇降板43に鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ガイド板46は、長手方向が鉛直方向に沿った帯板状に形成されている。移動ガイド板46の下端部には、ガイド切欠き54が設けられている。ガイド切欠き54は、水平方向(図5中の左右方向)に沿って、保持治具27に近づくのにしたがって、その開口が徐々に狭くなって、端子収容室4の開口と等しくなるように形成されている。
前述したガイドユニット13は、ガイドユニット13の下方にハウジング保持ユニット12の保持治具27が位置した状態で、シリンダ本体53のロッドが縮小し、前後シリンダ40のロッド48が伸長し、昇降シリンダ42のロッド50が伸長すると、ガイド板44,46が、保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4の開口と水平方向に沿って重なる。そして、ガイドユニット13は、シリンダ本体53のロッドが伸長して、固定ガイド板44の水平部52と移動ガイド板46の下端部とを接触させる。
そして、水平部52により、ガイド切欠き54の下方が塞がれ、該ガイド切欠き54の平面形状が、端子収容室4の開口の平面形状と等しくなる。さらに、前後シリンダ40のロッド48が縮小して、ガイド板44,46を保持治具27に保持されたコネクタハウジング3と密着させる。すると、ガイド切欠き54が、端子金具6を挿入する端子収容室4と連通する。こうして、ガイドユニット13は、ガイド切欠き54内を電線5に取り付けられた端子金具6を通すことで、該端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に案内する。
挿入ユニット14は、図5に示すように、水平移動ユニット55と、水平移動板56と、昇降シリンダ57と、昇降板58(図30などに示す)と、挿入シリンダ59と、端子挿入手段としての前チャックユニット60と、ダンパ機構140と、図示しない検出手段としての検出センサと、電線チャックユニット61とを備えている。
水平移動ユニット55は、図示しないモータと、ボールねじ62と、リニアガイド63とを備えている。モータは、装置本体10に取り付けられている。ボールねじ62は、ねじ軸64と、ナット65とを備えている。ねじ軸64は、その長手方向が水平方向と平行な状態で、装置本体10の立設板18の上端部などに回転自在に支持されている。ねじ軸64は、モータにより軸芯回りに回転する。なお、ねじ軸64の長手方向は、図5中の奥側から手前側又は手前側から奥側に向かう方向と平行である。ナット65は、ねじ軸64に螺合している。ナット65には、水平移動板56則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61とが取り付けられている。
リニアガイド63は、レール66とスライダ67とを備えている。レール66は、その長手方向が前述したねじ軸64と平行な状態で、立設板18などに取り付けられている。スライダ67は、レール66の長手方向に沿ってスライド自在に、該レール66に取り付けられている。スライダ67には、前述した水平移動板56則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61とが取り付けられている。
水平移動ユニット55は、モータの回転駆動力により、ねじ軸64の長手方向に沿って、ナット65と水平移動板56則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61とを移動する。
水平移動板56は、前述したナット65とスライダ67との双方に取り付けられている。水平移動板56は、ナット65とスライダ67とから下方に向かって延びている。
昇降シリンダ57は、水平移動板56に取り付けられたシリンダ本体68と、このシリンダ本体68から伸縮自在なロッドなどを備えている。昇降シリンダ57は、ロッドを伸縮することで、昇降板58を昇降させる。
昇降板58は、水平移動板56に昇降自在に支持されているとともに、水平移動板56に水平方向に沿いかつハウジング保持ユニット12に接離する方向に移動自在に支持されている。
挿入シリンダ59は、水平移動板56に取り付けられたシリンダ本体69と、このシリンダ本体69から伸縮自在なロッド70などを備えている。ロッド70には、ダンパ機構140を介して、昇降板58が取り付けられている。挿入シリンダ59は、ロッド70が伸長すると、昇降板58則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61をハウジング保持ユニット12に近づける。挿入シリンダ59は、ロッド70が縮小すると、昇降板58則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61をハウジング保持ユニット12から離す。挿入シリンダ59は、昇降板58則ち前チャックユニット60と電線チャックユニット61をハウジング保持ユニット12に接離させる。
前チャックユニット60は、昇降シリンダ71と、支持板72と、チャックシリンダ73と、一対の前チャック74とを備えている。
昇降シリンダ71は、図30に示すように、シリンダ本体75と、このシリンダ本体75から伸縮自在に設けられたロッド76とを備えている。シリンダ本体75は、昇降板58のハウジング保持ユニット12寄りの端面に取り付けられる。ロッド76は、シリンダ本体75から伸長すると、下方に移動する。
支持板72は、両表面が鉛直方向に沿って配され、昇降シリンダ71のロッド76に取り付けられている。チャックシリンダ73は、図8に示すように、支持板72に取り付け
られたシリンダ本体77と、このシリンダ本体77から突出した一対の接離ロッド78とを備えている。接離ロッド78は、シリンダ本体77から下方に向かって突出し、かつ図5中の手前側から奥側又は奥側から手前側に向かって、互いに間隔をあけて配されている。
一対の接離ロッド78は、図8中の実線で示す位置と、図8中の二点鎖線で示す位置と、に亘って変位して、互いに接離する。前チャック74は、それぞれ接離ロッド78に取り付けられている。一対の前チャック74は、互いに近づくと、互いの間に電線5を挟む。
前述した前チャックユニット60は、前チャック74が昇降シリンダ71に昇降動作されかつチャックシリンダ73によって互いに接離されて、電線保持ユニット11に保持された端子金具6が取り付けられた電線5をチャックする。そして、前チャックユニット60は、前チャック74が昇降シリンダ71に昇降動作されかつ挿入シリンダ59によってコネクタハウジング3に近づけられて、前チャック74がチャックした電線5に取り付けられた端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する。こうして、前チャックユニット60は、電線5が取り付けられた端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する。
ダンパ機構140は、図40などに示すように、ダンパ部材141と、付勢手段としてのコイルばね142とを備えている。ダンパ部材141は、挿入シリンダ59のロッド70が通される筒部143と、該筒部143の一端部から外周に突出したフランジ部144と、を一体に備えている。筒部143は、挿入シリンダ59のロッド70が挿入されているとともに、該挿入シリンダ59のロッド70と軸方向に沿って相対的に移動自在に設けられている。また、筒部143は、挿入シリンダ59のロッド70が抜け出ることを(脱落することを)規制している。フランジ部144は、筒部143の前チャックユニット60寄りの一端部に設けられている。フランジ部144は、前述した昇降板58を取り付けている。
コイルばね142は、挿入シリンダ59のロッド70と、フランジ部144との間に設けられている。コイルばね142は、フランジ部144則ちダンパ部材141を挿入シリンダ59から離れる方向に付勢している。則ち、コイルばね142は、一対の前チャック74をハウジング保持ユニット12に保持されるコネクタハウジング3に向かって付勢している。
前述した構成のダンパ機構140は、前チャックユニット60がチャックした電線5に取り付けられた端子金具6がガイドユニット13の固定ガイド板44や移動ガイド板46に当接した際に、挿入シリンダ59のロッド70がさらに伸長しても、コイルばね142の付勢力に抗して、ダンパ部材141の筒部143の奥に挿入シリンダ59のロッド70を侵入させる。そして、ダンパ機構140は、前述したガイドユニット13の固定ガイド板44や移動ガイド板46に当接した端子金具6がよりコネクタハウジング3に近づくことを規制して、該端子金具6が座屈することを防止する。
また、端子金具6がガイドユニット13の固定ガイド板44や移動ガイド板46に当接することなく、コネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入される際には、前述したコイルばね142が縮小することが(縮むことが)無い。
検出センサは、挿入シリンダ59のロッド70が伸長した際則ち端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する際に、前述した前チャックユニット60などが前記端子金具6を端子収容室4内に挿入した位置に変位したか否かを検出する。則ち、検出センサは、前チャックユニット60がチャックした電線5に取り付けられた端子金具6が、コネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入されたかガイドユニット13の固定ガイド板44や移動ガイド板46に当接したかを検出する。検出センサとして、例えば、従来から周知のLD(レーザダイオード)とPD(ホトダイオード)との組み合わせや、近接センサを用いることができる。検出センサは、検出結果を制御装置15に向かって出力する。
電線チャックユニット61は、図5に示すように、引っ張り手段としての挿入モータ79と、ボールねじ80と、変更手段としてのエアシリンダ81と、チャック支持板82と、チャックシリンダ83と、電線保持手段としての一対の電線チャック84とを備えている。
挿入モータ79は、昇降板58の下端部に取り付けられている。ボールねじ80は、ねじ軸85と、ナット86とを備えている。ねじ軸85は、その長手方向が水平方向に沿いかつ図5中の左右方向に沿っている。ねじ軸85は、昇降板58の下端部に回転自在に支持されている。ねじ軸85は、挿入モータ79によりその軸芯回りに回転される。ナット86は、ねじ軸85に螺合している。ナット86には、エアシリンダ81のシリンダ本体87が取り付けられている。挿入モータ79は、電線チャック84をハウジング保持ユニット12の保持治具27に保持されたコネクタハウジング3に接離させる。則ち、挿入モータ79は、電線チャック84に保持された電線5が取り付けられた端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入するとともに、端子収容室4内に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を引っ張る。則ち、挿入モータ79は、コネクタハウジング3の端子収容室4内に収容された端子金具6を挿入された方向とは逆向きに引っ張る。
エアシリンダ81は、本体部としてのシリンダ本体87と、このシリンダ本体87から伸縮自在に設けられた突没部材としてのロッド88と、調整手段としての一対のレギュレータ145と、を備えている。シリンダ本体87は、ナット86に取り付けられている。シリンダ本体87は、ロッド88の長手方向が水平方向でかつ図5中の左右方向に沿うとともに、ロッド88が伸長するとハウジング保持ユニット12に近づく状態で、ナット86に取り付けられている。
ロッド88は、棒状に形成されたロッド本体と、該ロッド本体の一端部に設けられたピストンとを備えている。ロッド本体は、長手方向の一端部がシリンダ本体87内に挿入されている。ピストンは、外周面がシリンダ本体の内周面と密に接触しているとともに、シリンダ本体87及びロッド本体の長手方向に沿って移動自在に設けられている。また、ピストンは、シリンダ本体87内の空間を、ガイドユニット13寄りの第1室とガイドユニット13から離れた側の第2室とに仕切っている。また、シリンダ本体87内の第1室には、加圧気体供給源147から加圧された流体としての空気が供給される。
エアシリンダ81は、シリンダ本体87の第1室内の空気の圧力が第2室内の空気の圧力を上回ると、ロッド88が縮小する。エアシリンダ81は、シリンダ本体87の第2室内の空気の圧力が第1室内の空気の圧力を上回ると、ロッド88が伸長する。
レギュレータ145は、加圧気体供給源147と前述した第1室との間に設けられている。レギュレータ145は、第1室内の空気の圧力を変更自在である。レギュレータ145は、制御装置15から命令通りに、前述した第1室内の空気の圧力を変更する。
前述したエアシリンダ81は、レギュレータ145が第1室内の空気の圧力を変更することで、ロッド88がシリンダ本体87から伸縮又は伸長する際の引っ張り力及び押し出し力を変更する。則ち、エアシリンダ81は、前述した第1室内の空気の圧力を変更することで、端子金具6則ち電線チャック84をコネクタハウジング3に向かって付勢する力を変更可能となっている。
チャック支持板82は、エアシリンダ81のロッド88に取り付けられている。チャック支持板82は、エアシリンダ81のロッド88がシリンダ本体87から伸縮することで水平方向に沿って移動して、ハウジング保持ユニット12に接離する。
チャックシリンダ83は、チャック支持板82に取り付けられたシリンダ本体89と、このシリンダ本体89から突出した図示しない一対の接離ロッドとを備えている。接離ロッドは、シリンダ本体89からハウジング保持ユニット12に向かって突出し、かつ図5中の手前側から奥側又は奥側から手前側に向かって、互いに間隔をあけて配されている。一対の接離ロッドは、互いに接離する。
電線チャック84は、それぞれ接離ロッドに取り付けられている。このため、電線チャック84は、図9中の実線で示す位置と、図9中の二点鎖線で示す位置と、に亘って変位して、互いに接離する。一対の電線チャック84は、互いに近づくと、互いの間に端子金具6に取り付けられた電線5を挟む(保持する)。電線チャック84は、挿入シリンダ59によって前チャック74則ち前チャックユニット60とともに移動自在となっている。
前述した挿入ユニット14は、昇降シリンダ57により昇降板58が下降されて、昇降シリンダ71のロッド76が伸長することで、前チャックユニット60のチャックシリンダ73の接離ロッド78を互いに接離して、竿20に保持された電線5を一対の前チャック74間に挟む。また、挿入ユニット14は、電線チャックユニット61のチャックシリンダ83の接離ロッドを互いに接離して、竿20に保持された電線5を一対の電線チャック84間に挟む。
そして、挿入ユニット14は、昇降シリンダ57により昇降板58を上昇して、端子金具6及び該端子金具6に取り付けられた電線5を電線保持ユニット11の竿20から引き
抜く。こうして、挿入ユニット14は、電線保持ユニット11から該電線保持ユニット11に保持された電線5を取り外す。
挿入ユニット14は、挿入シリンダ59のロッド70を伸長して、昇降板58を保持治具27に近づける。挿入ユニット14は、ガイドユニット13のガイド切欠き54内に端子金具6を挿入する。すると、挿入ユニット14は、前チャックユニット60の一対の前チャック74を互いに離して、該前チャックユニット60の昇降シリンダ71により前チャック74などを上昇させる(電線5から退避させる)。挿入ユニット14は、挿入モータ79により電線チャックユニット61を保持治具27に近づけて、端子金具6を保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する。
すると、前述した係止アームが係止して、コネクタハウジング3と端子金具6とが互いに固定される。その後、挿入ユニット14は、挿入モータ79により電線5則ち端子金具6を引っ張るとともに、エアシリンダ81のロッド88を、前述した挿入モータ79が引っ張る力より弱くかつ端子金具6などの品番に応じた力でシリンダ本体87から伸長させる。すると、電線5則ち端子金具6は、挿入モータ79が引っ張る力とエアシリンダ81のロッド88が伸長する力との差の力で、コネクタハウジング3の端子収容室4から抜け出る方向に引っ張られる。なお、この端子金具6を引っ張る力、則ちエアシリンダ81のロッド88が伸長する力は、端子金具6の品番毎に予め定められており、該端子金具6の品番に応じて適宜変更される。
そして、挿入ユニット14は、電線チャック84を互いに離して、電線チャックユニット61を電線5から離す。そして、挿入ユニット14は、次の電線5を竿20から取り外して、該電線5に取り付けられた端子金具6を端子収容室4内に挿入する。
最後の端子金具6を端子収容室4内に挿入すると、挿入ユニット14は、電線チャックユニット61が最後に挿入した端子金具6に取り付けられた電線5を掴んだままとなる。すると、ハウジング保持ユニット12の昇降ユニット24が保持治具27などを下降させる。すると、保持治具27からコネクタハウジング3が離脱する。
そして、挿入ユニット14は、電線チャックユニット61が最後に挿入した端子金具6に取り付けられた電線5を掴んだまま、挿入シリンダ59、挿入モータ79、昇降シリンダ57、水平移動ユニット55などの動作により、該電線5を竿20の挟持部材22a,22b間に圧入する。こうして、挿入ユニット14は、最後に端子収容室4に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を、電線保持ユニット11まで搬送して、該電線保持ユニット11に保持させる。このように、ハウジング保持ユニット12と搬送ユニット14とは、協働して、治具載置ユニット90に載置された複数の保持治具27のうち一つの保持治具27を載置し、該保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4に端子金具6を挿入する。ハウジング保持ユニット12と挿入ユニット14とは、本明細書に記した挿入載置部をなしている。
制御装置15は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置15は、前述した治具搬送ユニット91と、ハウジング保持ユニット12と、ガイドユニット13と、挿入ユニット14と接続し、これらの動作を制御することで、端子挿入装置1全体の制御を司る。
また、制御装置15は、コネクタ2の各品番に対応した保持治具27の位置を記憶している。制御装置15は、組み立てるコネクタ2の品番毎のコネクタハウジング3の端子金具6を挿入する端子収容室4の順番、各端子収容室4に挿入する端子金具6の前述した竿20での位置及び各端子収容室4の位置などを記憶している。さらに、制御装置15は、組み立てたコネクタ2の最後に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を圧入する挟持部材22a,22bの位置などを記憶している。さらに、制御装置15には、キーボードなどの周知の情報入力装置、スイッチなどの周知の操作装置や、端子金具6の挿入不良などを示す警報やランプなどの表示手段などが接続している。
さらに、制御装置15は、端子金具6を挿入した後に該端子金具6を引っ張る際に、第1室内に供給する空気の圧力を、端子金具6の品番毎に記憶している。則ち、制御装置15は、端子金具6毎に予め定められたコネクタハウジング3への挿入後に該端子金具6を引っ張る力を記憶している。
さらに、制御装置15は、端子金具6を竿20から取り外してコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入するまでは、レギュレータ145に、エアシリンダ81の第1室内の空気の圧力を第2室内の空気の圧力より高くさせる。則ち、制御装置15は、端子金具6を竿20から取り外してコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入するまでは、エアシリンダ81のロッド88を縮小しておく。
そして、制御装置15は、端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入して挿入モータ79で端子金具6を引っ張る際に、レギュレータ145に、エアシリンダ81の第1室内の空気の圧力を第2室内の空気の圧力より低くさせる。このとき、第1室内に予め端子金具6の品番毎に設定された圧力の空気を供給する。則ち、端子金具6の品番毎に定められる前述したロッド88が電線チャック84をコネクタハウジング3に向かって付勢する力を記憶している。制御装置15は、挿入モータ79が端子収容室4内の端子金具6を引っ張る際に、エアシリンダ81のロッド88を伸長させる。
また、制御装置15は、検出センサからの情報に基づいて、端子金具6をコネクタハウジング3に挿入する際に該端子金具6がガイド板44,46に当接してコイルばね142が縮んだか否かを判定する。制御装置15は、コイルばね142が縮んだと判定すると則ち端子金具6がガイド板44,46に当接したと判定すると、挿入ユニット14の挿入動作を停止するとともに、前述した表示手段に端子金具6の挿入不良などを表示させる。
前述した端子挿入装置1で、コネクタハウジング3の各端子収容室4に端子金具6を挿入する際には、まず、制御装置15に組み立てるコネクタ2の品番を入力する。さらに、複数の保持治具27を、治具載置ユニット90上に載置しておく。前述した品番に応じた竿20を電線保持ユニット11のユニット本体19に取り付ける。
そして、前述した操作装置などにより、作業開始の命令を制御装置15に入力する。すると、制御装置15は、図11に示すように、移動テーブル99を移動して、組み立てるコネクタ2の品番に対応した保持治具27の上方にハウジング移動ユニット100のチャックシリンダ111を位置付ける。なお、このとき、昇降シリンダ109のロッド118が伸長しているとともに、チャックシリンダ111の一対の接離ロッド120が互いに離れている。そして、制御装置15は、図12に示すように、ハウジング移動ユニット100のスライドシリンダ107のロッド114を伸長する。
すると、チャックシリンダ111がハウジング供給部93内のコネクタハウジング3の上方に位置する。その後、制御装置15は、図13に示すように、ハウジング移動ユニット100の昇降シリンダ109のロッド118を縮小するとともに、チャックシリンダ111の接離ロッド120を互いに近づける。こうして、ハウジング移動ユニット100で、ハウジング供給部93内のコネクタハウジング3を掴む(チャックする)。制御装置15は、図14に示すように、ハウジング移動ユニット100の昇降シリンダ109のロッド118を伸長する。制御装置15は、図15に示すように、ハウジング移動ユニット100のスライドシリンダ107のロッド114を縮小する。
その後、制御装置15は、図16に示すように、昇降シリンダ109のロッド118を縮小して、チャックしたコネクタハウジング3を保持治具27の切欠き38内に挿入するとともに、チャックシリンダ111の接離ロッド120を互いに離す。そして、制御装置15は、図17に示すように、ハウジング移動ユニット100の昇降シリンダ109のロッド118を伸長する。こうして、制御装置15は、まず、ハウジング移動ユニット100にコネクタハウジング3を、ハウジング供給部93から保持治具27に搬送させる。
そして、制御装置15は、図18に示すように、移動テーブル99を移動して、ハウジング移動ユニット100によりコネクタハウジング3が搬送された保持治具27と治具持ち上げユニット102とを矢印Yに沿って並べる。なお、このとき、昇降シリンダ125のロッド128が縮小しているとともに、スライドユニット101のスライドシリンダ121のロッド124を縮小している。そして、制御装置15は、図19に示すように、治具搬送ユニット91のスライドユニット101のスライドシリンダ121のロッド124を伸長する。すると、前述した保持治具27の下方に、治具持ち上げユニット102の持ち上げ台126が位置する。
その後、制御装置15は、図20に示すように、治具持ち上げユニット102の昇降シリンダ125のロッド128を伸長して、持ち上げ台126で保持治具27を治具載置ユニット90の治具載置台92から持ち上げる。そして、制御装置15は、図21に示すように、治具搬送ユニット91のスライドユニット101のスライドシリンダ121のロッド124を縮小する。その後、制御装置15は、図22に示すように、治具搬送ユニット91の治具持ち上げユニット102の昇降シリンダ125のロッド128を縮小する。こうして、制御装置15は、治具搬送ユニット91の治具持ち上げユニット102とスライドユニット101とで、保持治具27を治具載置ユニット90の治具載置台92からハウジング保持ユニット12側に引き出す。
そして、制御装置15は、第2スライドユニット103のスライドシリンダ131のシリンダ本体132を矢印Yに沿って移動して、図23に示すように、前述した一方の治具掴みユニット104を持ち上げ台126上の保持治具27の上方に位置付ける。このとき、治具掴みユニット104の昇降シリンダ133のロッド137を縮小しているとともに、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに離しておく。
その後、制御装置15は、図24に示すように、前述した一方の治具掴みユニット104の昇降シリンダ133のロッド137を伸長する。そして、制御装置15は、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに近づけて、一対の治具チャック135間に保持治具27を挟む(チャックする)。そして、制御装置15は、図25に示すように、昇降シリンダ133のロッド137を縮小して、持ち上げ台126から保持治具27を持ち上げる。
その後、制御装置15は、治具搬送ユニット91の第2スライドユニット103と、ハウジング保持ユニット12の水平移動ユニット23との双方を制御して、図26に示すように、一方の治具掴みユニット104により掴まれた(チャックされた)保持治具27をハウジング保持ユニット12の支持テーブル25の上方に位置付ける。
そして、制御装置15は、図27に示すように、一方の治具掴みユニット104の昇降シリンダ133のロッド137を伸長して、該一方の治具掴みユニット104で掴んだ(チャックした)保持治具27をハウジング保持ユニット12の支持テーブル25上に置く。さらに、制御装置15は、チャックシリンダ134の接離ロッド139を互いに離す。制御装置15は、図28に示すように、前述した一方の治具掴みユニット104の昇降シリンダ133のロッド137を縮小する。こうして、複数の保持治具27のうち一つの保持治具27を選択して、該選択した一つの保持治具27を治具載置ユニット90からハウジング保持ユニット12まで搬送する。
そして、制御装置15は、図29に示すように、ハウジング保持ユニット12の昇降ユニット24により保持治具27を上昇させ、コネクタ固定シリンダ26により保持治具27を離脱規制状態に保つ。また、ガイドユニット13の前後シリンダ40のロッド48を伸長させ、昇降シリンダ42とガイド開閉部45のロッド50を縮小しておく。
さらに、挿入ユニット14の昇降シリンダ57と挿入シリンダ59のロッド70を縮小しておく。挿入ユニット14の前チャックユニット60の昇降シリンダ71のロッド76を縮小しておくとともにチャックシリンダ73の接離ロッド78を互いに離しておく。挿入ユニット14の電線チャックユニット61のエアシリンダ81のロッド88を伸長しておくとともにチャックシリンダ83の接離ロッドを互いに離しておく。また、制御装置15は、レギュレータ145にエアシリンダ81のロッド88を縮小させておく。このときの第1及び第2室内の空気の圧力は、互いに異なる品番の端子金具6間で等しい。
そして、制御装置15は、まず、ハウジング保持ユニット12の水平移動ユニット23を制御して、最初に端子金具6が挿入される端子収容室4をガイドユニット13のガイド板44,46の下方に位置付ける。さらに、制御装置15は、挿入ユニット14の水平移動ユニット55を制御して、最初に端子収容室4に挿入される端子金具6の上方に挿入ユニット14の前チャックユニット60を位置付けるとともに、前記端子金具6を取り付けた電線5の上方に挿入ユニット14の電線チャックユニット61を位置付ける。
その後、制御装置15は、図30に示すように、ガイドユニット13の昇降シリンダ42のロッド50を伸長させて、固定ガイド板44を保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4の開口に重ねる。また、制御装置15は、図30に示すように、挿入ユニット14の前チャックユニット60の昇降シリンダ71のロッド76を伸長するとともに、挿入ユニット14の昇降シリンダ57を制御して、前チャックユニット60と電線チャックユニット61を電線保持ユニット11に保持された端子金具6及び電線5に近づける。
このとき、一対の前チャック74間に端子金具6が位置し、一対の電線チャック84間に電線5が位置する。そして、制御装置15は、チャックユニット60,61のチャックシリンダ73,83を制御して、前チャック74間に電線5をチャックし(掴み)、電線
チャック84間に電線5をチャックする(掴む)。
そして、制御装置15は、図31に示すように、ガイドユニット13の前後シリンダ40のロッド48を縮小して、固定ガイド板44を保持治具27に保持されたコネクタハウジング3に密着させる。また、制御装置15は、ガイド開閉部45を制御して、移動ガイド板46の下端と固定ガイド板44の水平部52とを接触させる。
さらに、制御装置15は、図31に示すように、挿入ユニット14の昇降シリンダ57を制御して、チャックユニット60,61を上昇させて、電線保持ユニット11の竿20からチャックした端子金具6付きの電線5を取り外す。すると、保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4と、前チャックユニット60にチャックされた端子金具6付きの電線5とが相対する。
そして、制御装置15は、図32に示すように、挿入ユニット14の挿入シリンダ59のロッド70を伸長して、端子金具6をガイドユニット13の移動ガイド板46のガイド切欠き54内に挿入する。その後、制御装置15は、図33に示すように、挿入ユニット14の前チャックユニット60のチャックシリンダ73を制御して、前チャック74を電線5から離すとともに、前チャックユニット60の昇降シリンダ71を制御して、前チャック74などを上昇させる(端子金具6から退避させる)。さらに、制御装置15は、挿入ユニット14の挿入モータ79を制御して、端子金具6を保持治具27に保持されたコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する。
そして、制御装置15は、挿入モータ79に端子収容室4内に挿入した端子金具6を引っ張らせるとともに、レギュレータ145を制御してエアシリンダ81のロッド88を端子金具6毎に予め定められた力で伸長させる。すると、図34に示すように、エアシリンダ81のシリンダ本体89がコネクタハウジング3から離れるとともに、エアシリンダ81のロッド88が伸長する。こうして、コネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入した端子金具6を引っ張って、前述した係止アームが係止したか否かを確認する。則ち、端子金具6の引っ張り確認を行う。
その後、制御装置15は、図35に示すように、エアシリンダ81のロッド88を縮小させるとともに挿入モータ79でエアシリンダ81のシリンダ本体89をコネクタハウジング3に近づける。さらに、制御装置15は、ガイドユニット13のガイド開閉部45を制御して、移動ガイド板46を上昇させるとともに、前後シリンダ40のロッド48を伸長して、固定ガイド板44をコネクタハウジング3から離す。そして、制御装置15は、ハウジング保持ユニット12の水平移動ユニット23と挿入ユニット14の水平移動ユニット55とを制御して、電線チャック84が電線5をチャックしたまま、挿入ユニット14のチャックユニット60,61と、ハウジング保持ユニット12の保持治具27とを図35中の手前側などに一体に移動する。
すると、電線5は、固定ガイド板44の水平部52と、移動ガイド板46との間から抜け出る。そして、制御装置15は、電線チャックユニット61を制御して、電線チャック84を電線5から離す。そして、制御装置15は、図29に示された工程から図35に示された工程を繰り返して、順次端子金具6をコネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する。
制御装置15は、最後の端子金具6を挿入し終えると、ハウジング保持ユニット12のコネクタ固定シリンダ26のロッド35を縮小して、保持治具27を離脱許容状態に位置付ける。そして、図36に示すように、最後に端子収容室4に挿入された端子金具6に取り付けられた電線5を電線チャックユニット61がチャックしたまま(掴んだまま)、ハウジング保持ユニット12の昇降ユニット24を制御して、保持治具27を下降させる。
すると、電線5が電線チャック84にチャックされているので、コネクタハウジング3は、保持治具27から離脱する。そして、制御装置15は、図37に示すように、挿入ユニット14の水平移動ユニット55を制御して、コネクタハウジング3を取り付けた電線5を挟む挟持部材22a,22bの上方に電線チャック84などを位置付ける。そして、制御装置15は、図38に示すように、挿入ユニット14の昇降シリンダ57などを制御して、電線チャック84などを下降させて、コネクタハウジング3を取り付けかつ電線チャック84にチャックされた電線5を、挟持部材22a,22b間に圧入する。こうして、コネクタハウジング3に取り付けられた電線5を電線保持ユニット11に保持させる。
また、前述した端子挿入装置1は、ハウジング保持ユニット12に取り付けられた保持治具27に保持されたコネクタハウジング3に端子金具6を挿入している間に、次に端子金具6を挿入するコネクタハウジング3を対応した保持治具27を一方の治具掴みユニット104で掴んでいる。そして、制御装置15は、一つのコネクタハウジング3の端子金具6の挿入が収容すると、ハウジング保持ユニット12の支持テーブル25上の保持治具27を、他方の治具掴みユニット104で治具持ち上げ台126まで搬送し、さらに、治具持ち上げユニット102で治具載置ユニット90の所定の位置まで搬送する。このとき、他方の治具掴みユニット104で治具持ち上げ台126まで搬送した後、一方の治具掴みユニット104に掴んだ保持治具27を該一方の治具掴みユニット104でハウジング保持ユニット12の支持テーブル25まで搬送する。
さらに、前述した端子挿入装置1は、図39に示すように、コネクタハウジング3の端子収容室4内に挿入する端子金具6がガイド板44,46に当接すると、ダンパ機構140のダンパ部材141と挿入シリンダ59のロッド70との相対的な位置が、図40中の実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に変位する。則ち、コイルばね142がその弾性復元力に抗して縮む。すると、検出センサが、コイルばね142がその弾性復元力に抗して縮んだことを検出して、制御装置15に向かって出力する。そして、制御装置15が、挿入ユニット14の端子金具6の挿入動作を停止して、表示装置に表示させる。
本実施形態によれば、挿入モータ79が電線5を引っ張る力を変更自在なエアシリンダ81と、該エアシリンダ81を制御する制御装置15を備えているので、端子金具6の挿入後に挿入モータ79が電線5を引っ張る力を該端子金具6の品番毎に変更できる。
また、エアシリンダ81が、挿入モータ79とともにコネクタハウジング3に対して移動するシリンダ本体87から突没自在でかつ電線チャック84をコネクタハウジング3に向かって付勢するロッド88を備えているので、挿入モータ79が引っ張る力とロッド88がコネクタハウジング3に向かって付勢される力との差で、電線5を引っ張ることとなる。このため、エアシリンダ81と挿入モータ79とのうち一方のみ設けて該一方の引っ張る力自体を変更することに比べて、電線5を引っ張る力を細かく変更できるとともに、電線5を引っ張る力を所望の力に正確に近づけることができる。
制御装置15がロッド88の電線チャック84を付勢する力を変更するので、電線5を引っ張る力を確実に変更できる。また、エアシリンダ81がロッド88の電線チャック84を付勢する力を変更するので、簡便で安価な構成で電線5を引っ張る力を変更できるとともに、所望の力で電線5を引っ張ることができる。
さらに、前述した構成のダンパ機構140を備えているので、端子金具6が座屈などの破損することを防止できる。
また、治具搬送ユニット91が、治具載置ユニット90に保持された複数の保持治具27から一つの保持治具27を挿入載置部としてのハウジング保持ユニット12の支持テーブル25に搬送して、該挿入載置部としての挿入ユニット14が、搬送されてきた保持治具27に保持されたコネクタハウジング3に端子金具6を挿入する。このため、保持治具27間の間隔より電線5を長くしなければならないことがない。したがって、端子挿入装置1は、組み立てるワイヤハーネスに制限を付与することがない。
治具搬送ユニット91が治具載置ユニット90から一つの保持治具27を持ち上げる治具持ち上げユニット102を備えている。このため、治具載置ユニット90の上方から保持治具27に近づいて、該保持治具27を掴む場合より、治具載置ユニット90での保持治具27間の間隔を小さくできる。したがって、端子挿入装置1の小型化を図ることができる。
治具搬送ユニット91が、第2の方向としての矢印Yに沿って移動自在でかつ治具持ち上げユニット102が持ち上げた一つの保持治具27を掴む治具掴みユニット104を備えている。このため、保持治具27を、治具載置ユニット90からハウジング保持ユニット12の支持テーブル25まで確実に搬送できる。また、治具掴みユニット104が、第2の方向としての矢印Yに沿って移動自在で、第1の方向としての矢印Xに沿って移動自在でないので、治具掴みユニット104を第1の方向としての矢印Xに沿って移動自在とする場合より、端子挿入装置1の小型化を図ることができる。
治具掴みユニット104を一対備えているので、一つの治具掴みユニット104が、治具持ち上げユニット102からハウジング保持ユニット12の支持テーブル25に保持治具27を搬送でき、他の治具掴みユニット104が、ハウジング保持ユニット12の支持テーブル25から治具持ち上げユニット102に保持治具27を搬送できる。したがって、作業にかかる所要時間を短縮できる。
挿入ユニット14が最後の端子金具6を挿入した後、該最後に挿入した端子金具6に取り付けられた電線5を掴んだまま、該端子金具6に取り付けられた電線5を電線保持ユニット11に保持させるので、端子金具6を挿入したコネクタハウジング3を、作業員が、手で電線保持ユニット11に保時させる必要が生じない。このため、作業の効率が低下することを防止でき、電線保持ユニット11の竿20の正確な位置に端子金具6が取り付けられたコネクタハウジング3を取り付けることができる。
挿入ユニット14が最後の端子金具6を挿入した後、保持治具27が下降するので、保持治具27からコネクタハウジング3を確実に離脱させることができる。これにより、挿入ユニット14は、確実にコネクタハウジング3を電線保持ユニット11に保持させることができる。
挿入ユニット14が最後の端子金具6を挿入した後、コネクタ固定シリンダ26が保持治具27を離脱許容状態に変位させるので、保持治具27からコネクタハウジング3を確実に離脱させることができる。これにより、挿入ユニット14は、確実にコネクタハウジング3を電線保持ユニット11に保持させることができる。
また、挿入ユニット14が端子金具6を挿入する際には、コネクタ固定シリンダ26が保持治具27を離脱規制状態に位置付けるので、保持治具27からコネクタハウジング3が不意に脱落することを防止できる。これにより、コネクタハウジング3の端子収容室4に確実に端子金具6を挿入することができる。
前述した実施形態では、変更手段としてエアシリンダ81を用いている。しかしながら、本発明では、変更手段として加圧された流体としての油で駆動する油圧シリンダや、モータなどの種々の物品を用いても良い。さらに、前述した実施形態では、第1室内の圧力を制御することで、エアシリンダ81を制御している。しかしながら、本発明では、第1室と第2室との双方の圧力を制御しても良く、第2室内の圧力を制御しても良い。
また、前述した実施形態では、挿入モータ79とエアシリンダ81などを用いて、端子金具6を引っ張る力を変更可能にしている。しかしながら、挿入モータ79のトルクなどを制御装置15が制御することで、端子金具6を引っ張る力を変更可能にしても良い。この場合、挿入モータ79は、特許請求の範囲に記載された引っ張り手段と変更手段との双方をなしている。
要するに、本発明の主旨に反しない限り、引っ張り手段と変更手段との構成を種々変更しても良い。
また、前述した実施形態では、端子挿入装置1の治具搬送ユニット91は、治具持ち上げユニット102と治具掴みユニット104との双方を備えている。しかしながら、本発明では、治具搬送ユニット91は、治具持ち上げユニット102と治具掴みユニット104とのうち少なくとも一方を備えていれば良い。
例えば、治具搬送ユニット91は、治具持ち上げユニット102のみを備えている場合には、スライドシリンダ121のロッド124の伸長量とハウジング保持ユニット12の形状などを変更適宜すれば良い。また、治具搬送ユニット91は、治具掴みユニット104のみを備えている場合には、治具掴みユニット104を矢印X,Y双方に移動自在にすれば良い。さらに、本発明では、治具搬送手段としての周知のロボットアームなどを用いても良い。
また、前述した実施形態では、治具持ち上げユニット102の治具掴みユニット104を一対設けている。しかしながら、本発明では、治具持ち上げユニット102の治具掴みユニット104を三つ以上設けても良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。