JP4611722B2 - 抗菌性液体組成物およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性液体組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗菌性液体組成物およびその製造方法に関する。
抗菌を訴求した商品は、世界的規模の感染症の流行等にも伴い、近年、高い関心が向けられている。その中で、抗菌効果を有する化合物は、従来、有機系化合物が使用されてきたが、最近では、この有機系化合物に代わり、銀、銅、亜鉛などの抗菌性を有する金属類を含むもの、光触媒作用を有するもの等の無機系抗菌性化合物が注目されている。
金属類を含む無機系抗菌性化合物のなかで、銀の殺菌作用はよく知られており、硝酸銀水溶液などは消毒剤として広く利用されている。
また、硝酸銀等を担体に担持した銀含有成分については、その担体の選択や処理法に関する開発が広くなされている(例えば、特許文献1〜6参照。)。
特開平11−279453号公報 特開2002−99051号公報 特開2003−52746号公報 特開平6−247817号公報 特開2004−137241号公報 特開平11−107162号公報
しかしながら、担体に担持されていない銀含有成分は、特に光や塩素イオンに対しての反応性が高く、溶液状態では容易に着色し、安定性が悪いものである。
また、担体に担持された銀含有成分は、水溶液系では沈降し易いため、安定配合が困難である。そのため、ゲル状あるいはシート状などの剤型に制約され、製剤化の面で自由度が低いものである。したがって、例えば、多目的かつ広範囲の場所に使用され得る一般住居用の商品などへの展開が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みて、抗菌性無機金属含有成分を配合する系で、着色や沈降を生じにくく、安定に配合できる抗菌性液体組成物、および該抗菌性液体組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、抗菌性無機金属含有成分と特定の高分子とを配合することにより、抗菌性無機金属含有成分を安定配合した抗菌性液体組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の手段を提案する。
本発明の抗菌性液体組成物は、抗菌性無機金属、抗菌性無機金属の酸化物、抗菌性無機金属の塩化物、抗菌性無機金属の硝酸塩、又は抗菌性無機金属の硫酸塩を担体に担持した抗菌性無機金属含有成分(a)と、ポリアミノ酸(b)とを含有することを特徴とする。
さらに、前記ポリアミノ酸(b)の含有量(質量)が、前記抗菌性無機金属含有成分(a)の含有量(質量)以上であることが好ましい。ここで、前記抗菌性無機金属含有成分(a)と前記ポリアミノ酸(b)との混合割合が、(b)/(a)で表される質量比で、(b)/(a)=2〜5であることが好ましい。
さらに、本発明の抗菌性液体組成物においては、pHが3〜7であることが好ましい。
また、本発明の抗菌性液体組成物の製造方法は、前記抗菌性無機金属含有成分(a)と前記ポリアミノ酸(b)とを酸性下で混合することを特徴とする。
本発明により、抗菌性無機金属含有成分を配合する系で、着色や沈降を生じにくく、安定に配合できる抗菌性液体組成物、および該抗菌性液体組成物の製造方法を提供すること
ができる。
≪抗菌性液体組成物≫
本発明の抗菌性液体組成物は、抗菌性無機金属含有成分(a)と、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)とを含有する。以下、詳細に説明する。
<抗菌性無機金属含有成分>
本発明の抗菌性液体組成物は、抗菌性無機金属含有成分(a)を含有する。
抗菌性無機金属含有成分(a)としては、抗菌性を有する無機金属を含有する成分であれば特に限定されないが、好ましくは固体状であり、抗菌性無機金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩あるいは金属そのものを担体に担持した粒子状のもの等が好ましく選ばれる。
ここで、担体の具体例としては、リン酸塩類(リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジリコニウム等)、無機化合物(ゼオライト、粘土鉱物、シリカゲル等)等が挙げられる。これらの担体は、単独または2種以上を用いてもよい。
なかでも、金属酸化物の担体に抗菌性無機金属酸化物を担持したものが、担持強度の点
から、より好ましく選ばれる。
抗菌性無機金属含有成分(a)中の抗菌性無機金属としては、抗菌性を有する金属であ
れば特に限定されないが、銀、亜鉛、銅等が好ましく選ばれる。さらに好ましいものとして、抗菌性の効果の点から、銀が選ばれる。これら抗菌性無機金属は、単独または2種以上を用いてもよい。
また、抗菌性無機金属含有成分(a)の実際の商品としては、商業的に入手可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ATOMYBALL−S、ATOMYBALL−L、ATOMYBALL−UA(触媒化成工業(株))の商品名で販売されているナノ粒子銀系無機抗菌剤などを使用することができる。
抗菌性無機金属含有成分(a)は、一種または2種以上を混合して用いることができる。
抗菌性無機金属含有成分(a)の配合量としては、例えば銀を含む成分の場合、銀元素濃度に換算して、0.0002質量%以上が好ましい。より好ましくは、0.0002〜0.005質量%である。0.0002質量%以上で抗菌能が向上し、また、0.005質量%以下であれば、抗菌能は充分であり、経済的にも許容される上限量である。
抗菌性無機金属含有成分(a)が粒子状である場合の組成物中における分散粒子の平均粒子径は、1〜500nmであることが好ましく、さらには、1〜100nmであることが好ましい。
ここで、平均粒子径とは、数平均粒子径であり、光散乱法により測定されるものである。500nm以下であれば粒子の分散状態は安定になり、100nm以下であれば粒子の分散状態はより安定なものとなる。また、粒子径が小さいほど、菌との接触の観点から有利に作用する。
<カチオン性高分子および/または塩基性高分子>
本発明の抗菌性液体組成物は、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)を含有する。
ここで、カチオン性高分子とは、側鎖あるいは構成モノマー単位中に、4級アンモニウム基等のカチオン性官能基を有するものをいう。
また、塩基性高分子とは、側鎖あるいは構成モノマー単位中に、アミノ基等を有しており、水溶液にしたときに塩基性を示し、酸性下でカチオン性を示すものをいう。
カチオン性高分子としては、特に限定されるものではなく、塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマ、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマ等のカチオン性基含有ビニル系高分子が挙げられる。そして、質量平均分子量(ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィによる測定値)が約3000〜2000000のものが選ばれる。
また、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化キサンタンガム等も挙げられ、質量平均分子量(ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィによる測定値)が約3000〜2000000のものが選ばれる。
塩基性高分子としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリガラクトサミン、キトサン(ポリグルコサミン)、ポリアミノ酸等が挙げられ、質量平均分子量(ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィによる測定値)が約3000〜2000000のものが選ばれる。
以上のカチオン性高分子、塩基性高分子のなかでも、特に、ポリアミノ酸が好ましく選ばれる。ポリアミノ酸を構成するモノマーとしては、リジン、ヒスチジン、アルギニンなどが挙げられるが、さらに好ましいものとして、抗菌性無機金属含有成分(a)の安定配合の点から、ポリリジン(質量平均分子量が約5000)が選ばれる。
カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)は、一種または2種以上を用いることができる。
本発明の抗菌性液体組成物に含有されるカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)は、抗菌性無機金属含有成分(a)を着色や沈降を生じないように安定配合させる目的で配合される。
配合量としては、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)の含有量が、抗菌性無機金属含有成分(a)の含有量以上であることが好ましい。さらに、質量比で、(b)/(a)=2〜5であることが、より好ましい。配合量が、抗菌性無機金属含有成分(a)の含有量以上であれば、凝集沈殿が起きなくなり安定分散が可能となる。(b)/(a)が5以下であれば、安定化は充分であり、経済的にも許容される上限値である。
≪抗菌性液体組成物の製造方法≫
本発明の抗菌性液体組成物の製造方法は、抗菌性無機金属含有成分(a)とカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)とを酸性下で混合することを特徴とするものである。以下、詳細に説明する。
<製造条件>
ここで、酸性下で混合するとは、抗菌性無機金属含有成分(a)とカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)とを製造過程で混合するとき、混合段階における系のpHを酸性に調整して混合することをいう。この段階における好ましいpHの領域としては、pH3〜7であり、より好ましい領域は、pH4〜6である。この領域のpHで混合することにより、抗菌性無機金属含有成分(a)の分散安定性が更に向上し、経日で成分(a)が凝集して沈殿することはなく、分散安定性を良好に保つことができる。また、配合スケールアップ等の際、製造設備に依らず、攪拌のときに機械力が充分に行き渡り、製造直後に沈殿やオリ等が発生することがない。
pHの調整剤としては、無機酸、有機酸等を用いることができる。具体的には、無機酸では、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、トリポリリン酸、スルファミン酸などが挙げられ、有機酸では、グリコール酸、ジグリコール酸、安息香酸、グルコン酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、マロン酸等が挙げられる。なかでも、pH緩衝作用の点から、有機酸が好ましく選ばれ、さらに、有機酸のなかでも安息香酸がより好ましく選ばれる。
<製造方法>
本発明の抗菌性液体組成物の製造方法は、常法に基づいて製造することができる。
例えば、水と、必要に応じてエタノール等の有機溶剤を配合した溶剤に、抗菌性無機金属含有成分(a)、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)を添加し、pHを上述の酸性条件に調整し、酸性下で混合する。このとき、混合段階における系の(a)の濃度は0.0002〜0.2質量%程度、(b)の濃度は0.0002〜2質量%程度とされる。
次いで、下記任意成分、残部量の溶剤を添加し、最終溶液の所定のpHに調整し、組成物を製造する。なお、最終溶液のpHは、特に限定されないが、例えば、pH3〜7とする。
<その他の任意成分>
本発明の抗菌性液体組成物には、通常添加される添加剤等を使用することができ、前記抗菌性無機金属含有成分(a)、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)の他、以下に例示する界面活性剤、溶剤、香料や、その他公知の水溶性高分子、安定化剤、天然抽出物、色素などを任意に配合することができる。
〔界面活性剤〕
洗浄あるいは起泡等の目的により、界面活性剤を適宜配合することができる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等、通常使用されるものを用いることができる。
具体例としては、陰イオン性界面活性剤では、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられ、対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
両性界面活性剤では、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤は、単独または2種以上を用いてもよい。
〔溶剤〕
本発明には、成分の溶解等の目的により、溶剤を適宜配合することができる。
溶剤の具体例としては、水の他、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、アルキルグリセリルエーテル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
なかでも特に、対象場所への抗菌性液体組成物による影響のなさの点から、水以外の溶剤としてはエタノールが好ましく選ばれる。
水以外の溶剤の配合量としては、5〜60質量%が好ましく、さらに、10〜30質量%が好ましい。溶剤は、単独または2種以上を用いてもよい。
〔香料〕
本発明には、賦香等の目的により、香料を適宜配合することができる。
香料成分は、特に限定するものではないが、具体例としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料および植物からの天然香料を挙げることができる。香料成分は、単独または2種以上を用いてもよく、通常複数が用いられる。
<使用方法>
本発明の抗菌性液体組成物の使用方法は、特に限定されるものではなく、抗菌性液体組成物を容器に充填し、対象面に対し、トリガー式スプレーを用いて噴霧する方法、泡状もしくは霧状のエアゾールを用いて噴霧する方法、ボトル口より洗浄剤を吐出する方法、洗浄剤を含浸させた不織布等のシートにより洗浄対象面をふき取る方法等が挙げられる。
なかでも、トリガー式スプレーを用いて噴霧する方法が好ましく、さらに、このとき霧状に噴霧する方法がより好ましく用いられる。
使用場所は、特に限定されるものではなく、軟表面や硬表面などの幅広い範囲に使用できる。例えば、トイレ、浴室、キッチン、洗面所等で使用され、また、紅色および/またはピンク色のヌメリ等の各種汚れを対象とした商品などに用いられる。
本発明により、液体組成物にて抗菌性無機金属含有成分を安定に配合することが可能となる。すなわち、変色せず、固体状であっても分散安定性に優れるものである。例えば、一旦混合することにより、均一な分散状態を維持し、長期保存が可能である。
これにより、従来、ゲル状あるいはシート状などの剤型に制約されていた製剤化の自由度が広がり、多目的かつ広範囲の場所に使用可能な商品の拡大に繋がる。
本発明の抗菌性無機金属含有成分(a)を配合する系で、着色や沈降が生じにくく、安定に配合できる理由は定かではないが、例えば、固体状の抗菌性無機金属含有成分(a)が、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)に被覆されることによるものと推測される。
抗菌性無機金属含有成分(a)はアニオン性であり、酸性下でカチオン性であるカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)により被覆され易く、分散粒子間に保護コロイド様の作用が働くものと推測される。そのため、抗菌性無機金属含有成分(a)中の抗菌性無機金属は、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)中に捕捉されることにより遊離せず、直接的に光の影響を受けにくくなるために着色が生じにくくなると推察される。また、抗菌性無機金属含有成分(a)の分散粒子どうしは、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)による被覆作用で、凝集が抑制され沈降が生じにくくなると推察される。
ゆえに、抗菌性無機金属含有成分を配合する系で、着色や沈降が生じにくく、安定に配合できるものと推測される。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は、特に断りがない限り「質量%」である。
評価を実施するにあたり、試料を以下のように調製した。
<試料調製方法>
(実施例1)
表1に示す組成で実施例1の試料を調製した。すなわち、200mLビーカーに、水50g、エタノール10g、抗菌性無機金属含有成分(a)として銀ナノコロイド1.5%水溶液(触媒化成社製 ATOMYBALL UA)所定量をそれぞれ添加し、マグネチックスターラで5分間撹拌した。次に、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)としてポリリジン25%水溶液(チッソ社製)所定量を添加し、さらに5分間撹拌した。続いて、エタノール10gに安息香酸0.02gを溶解した溶液を用いて、pH5に調整し、酸性下で、銀ナノコロイドとポリリジンを混合した。
次に、エタノール残部量に任意成分(表中に記載、香料組成物は表3に記載)を溶解したものを添加した。次に、pH調整剤として、1%安息香酸エタノール溶液を用いて表1に示すpHに調整した。最後に、バランス量の水を添加して5分間攪拌し、試料とした。
(実施例2〜8、比較例1〜7)
実施例2〜8、比較例1〜7の試料について、pH調整剤として1%安息香酸エタノール溶液または1%NaOH水溶液を用いて、実施例1と同様にして、表1と表2に示す組成を調製した。ただし、実施例4、5は参考例である。
なお、試料調製に使用した原料、保存用ボトルを以下に列挙する。
原料(メーカ、商品名):
試薬エタノール(関東化学)、銀ナノコロイド(触媒化成社製、ATOMYBALL UA)、ポリリジン(チッソ社製)、安息香酸(伏見製薬社製)、水酸化ナトリウム(日本曹達社製)、ポリエチレンイミン(日本触媒社製、エポミンS−1000)、ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、K−30)、カチオン化セルロース(ライオン社製、レオガードGP)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、レオコールSC−120)。
保存用ボトル(メーカ、商品名):
PET材質の無色透明品(ライオン発売品、エフインナチュラルセットウォータ)
<評価方法>
調製した試料に対して、液色安定性評価、分散安定性評価、抗菌試験を以下に示す方法にて実施した。
〔液色安定性〕
保存用ボトルに、調製した各試料を充填し、これらのボトルを屋外で1ヶ月間保存した後、ボトル内の試料溶液を無色透明のガラス瓶に移して、液変色の有無を目視判定した。
評価基準:
○ 全く変色が見られない
△ わずかに液変色がみられる
× 明らかに液変色がみられる
〔分散安定性〕
保存用ボトルに、調製した各試料を充填し、これらのボトルを室温で1ヶ月間静置保存した後、試料中の分散物の分散状態を目視判定した。
評価基準:
○ 沈降物がない
△ 若干の沈降物がみられるが、軽く容器を振ることにより直ちに再分散する
× かなりの沈降物がみられ、再分散が困難である
〔抗菌試験〕
JIS Z 2801に準拠し実施した。
判定基準:
○ 除菌活性値が2以上
△ 除菌活性値が1以上2未満
× 除菌活性値が1未満
以上の方法により得られた各評価結果を表1、表2に示す。表3には、任意成分の一つである香料組成物の組成(質量%)を示す。
Figure 0004611722
Figure 0004611722
Figure 0004611722
表1、2から明らかなように、抗菌性無機金属含有成分(a)とカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)を併用した実施例では、いずれも液色安定性、分散安定性は良好であった。
一方、カチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)を含有しない比較例1、2、3、5、6では、液色安定性に問題があった。
さらに、比較例3、5、6については、分散安定性も悪かった。
以上より、抗菌性無機金属含有成分(a)とカチオン性高分子および/または塩基性高分子(b)とを含有した抗菌性液体組成物は、液色安定性、分散安定性に優れることが確認された。

Claims (5)

  1. 抗菌性無機金属、抗菌性無機金属の酸化物、抗菌性無機金属の塩化物、抗菌性無機金属の硝酸塩、又は抗菌性無機金属の硫酸塩を担体に担持した抗菌性無機金属含有成分(a)と、ポリアミノ酸(b)とを含有することを特徴とする抗菌性液体組成物。
  2. 前記ポリアミノ酸(b)の含有量(質量)が、前記抗菌性無機金属含有成分(a)の含有量(質量)以上であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性液体組成物。
  3. 前記抗菌性無機金属含有成分(a)と前記ポリアミノ酸(b)との混合割合が、(b)/(a)で表される質量比で、(b)/(a)=2〜5であることを特徴とする請求項2に記載の抗菌性液体組成物。
  4. pHが3〜7であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗菌性液体組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌性液体組成物の製造方法であって、
    前記抗菌性無機金属含有成分(a)と前記ポリアミノ酸(b)とを酸性下で混合することを特徴とする抗菌性液体組成物の製造方法。
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