JP4611435B1 - 色柄付メッシュ生地、熱転写シート、及び転写方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多数の透かし目11を有するメッシュ生地10の、表面に、色柄が付与されている、色柄付メッシュ生地1であって、表面の、透かし目11以外の部分に、熱転写層2が転写されており、その熱転写層2によって、色柄が表されており、熱転写層2は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、接着剤層は、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲内に位置しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地10の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部をメッシュ生地10に侵入させる。
【選択図】図1
Description
表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層が転写されており、その熱転写層によって、色柄が表されており、
熱転写層は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、
接着剤層は、メッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置しており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入している、
ことを特徴としている。
剥離シート上に熱転写層が形成されており、
熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、
接着剤層は、転写の際にメッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置するように、形成されており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入するように形成されている、
ことを特徴としている。
ベースシート上に、メッシュ生地を載置する、第1工程と、
メッシュ生地上に、熱転写層を有する熱転写シートを、載置する、第2工程と、
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地を得る、第3工程と、
を有しており、
第2工程において、熱転写シートは、剥離シート上に熱転写層が形成されたシートであり、熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、
第2工程においては、熱転写層を下面にした状態で、熱転写シートをメッシュ生地上に載置し、
第3工程においては、接着剤層を、メッシュ生地に侵入させてメッシュ生地の厚さの範囲内に位置させるとともに透かし目を通してベースシートに接着させ、且つ、隠蔽層の厚さ方向の下部をメッシュ生地に侵入させ、その後に、剥離シートを熱転写層から剥がし、また、ベースシートを、透かし目部分に位置し且つベースシートに接着している、熱転写層部分、と共に、メッシュ生地から剥がすようにした、
ことを特徴としている。
(1)熱転写層による色柄が付与された部分においても、透かし目による通気性を維持できる。
(2)メッシュ生地の色に関係なく、着色層による色柄を鮮明に示すことができる。
(3)熱転写層による色柄が付与された部分の耐洗濯性を向上できる。
図1は、本発明の色柄付メッシュ生地の平面略図である。図2は、図1のII−II断面矢視図である。本発明の色柄付メッシュ生地1は、多数の透かし目11を有するメッシュ生地10の、表面に、色柄が付されたものである。この色柄は、メッシュ生地10の表面に転写された熱転写層2によって、表されている。
図3は、本発明の熱転写シート3の断面略図である。この熱転写シート3は、剥離シート31と熱転写層2とからなっている。熱転写層2は、剥離シート31上に形成されている。熱転写層2は、剥離シート31側から、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とが積層された、三層構造を、有している。
剥離シート31は、下層の基層と上層の剥離層とからなる二層構造を、有している。
・合成材料としては、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂;クリスパー(登録商標)、ユポ(登録商標)などの合成紙;を使用できる。
・半合成材料としては、セルロイド、樹脂含浸紙、コート紙などを、使用できる。
・天然材料としては、上質紙などのその他の紙を、使用できる。
着色層23は、各種の高分子樹脂材料に各種の顔料を添加して形成されており、更には、各種の添加剤を含有するのが好ましい。
隠蔽層22は、各種の高分子樹脂材料及び添加剤に、各種の隠蔽材料を、添加して形成されている。
接着剤層21は、接着材料からなっている。接着材料としては、従来から熱転写捺染用の接着材料として利用されている熱可塑性接着材料を使用でき、例えば、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを、使用できる。更に、接着材料に、各種の高分子樹脂材料及び添加剤を、添加してもよい。高分子樹脂材料及び添加剤としては、隠蔽層22又は着色層23において使用できるものと同じものを、使用できる。
熱転写シート3は、剥離シート31上に、各種の、印刷方法、塗布・積層方法によって、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とをこの順に形成することにより、製造できる。印刷方法としては、スクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷などを、使用できる。塗布・積層方法としては、グラビアコーティング、ナイフコーティング、押し出し成形、噴霧塗布などを、使用できる。
本発明の転写方法は、次の工程を経る。
図4に示されるように、ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置する。ベースシート4としては、シート状の、綿ニット生地、テトロン/コットン・ニット生地、紙生地、不織布、ウレタン合成皮革生地などを、使用できる。これらは、単独で、又は、複数種を重ねて、用いてもよい。特に、後述する理由により、クッション性を有するニット生地を用いるのが好ましい。
図4に示されるように、メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を、載置する。熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置する。
図4〜図7に示されるように、熱転写を実施する。
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、次のようにして製造した。
ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置した。
・ベースシート4:厚さ650μmの製品名「テトロン/コットン・ニット生地」(クラレ社製)。
・メッシュ生地10:厚さ280μmの製品名「グレーメッシュ生地」。透かし目11は、直径1mmの円形を有しており、23.9個/cm2の密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を載置した。なお、熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置した。
・熱転写シート3:次のようにして製造した。表1は、熱転写シート3の各層の組成物を示している。表1においては、組成物の、製品名、販売会社、使用量、及び種類を、示している。
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地1を得た。
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、実施例1に対して、次の点のみが異なっている。
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cm2の密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
熱プレスの条件を、150℃、15秒間、2kg/cm2とした。再度の熱プレスは、実施しなかった。
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、実施例1に対して、次の点のみが異なっている。
・ベースシート4:厚さ290μmの製品名「スパンレース不織布ソンタラ(R)」(デュポン社製)に、表2に示される配合物からなる樹脂を含浸させたもの。
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cm2の密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
熱プレスの条件を、150℃、15秒間、2kg/cm2とした。再度の熱プレスは、実施しなかった。
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、次のようにして製造した。
ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置した。
・ベースシート4:厚さ290μmの製品名「スパンレース不織布ソンタラ(R)」(デュポン社製)に、表2に示される配合物からなる樹脂を含浸させたもの。
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cm2の密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を載置した。なお、熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置した。
・熱転写シート3:次のようにして製造した。表3は、熱転写シート3の各層の組成を示している。表3においては、組成物の、製品名、販売会社、使用量、及び種類を、示している。
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地1を得た。
実施例5〜7の色柄付メッシュ生地1は、それぞれ、表4に示されるように、実施例1〜4に対して、部分的に異なる内容を有しているだけであり、全体的には同様にして、製造した。
(1)メッシュ生地10としては、表5に示される(i)〜(xi)の生地を用いてもよい。
本発明の色柄付メッシュ生地1の色柄が、メッシュ生地10の色に関係なく、鮮明であることを、従来技術と比較して、求めた。従来技術としては、カラーコピー方法を採用した。
(1)次のようにして、サンプルを得た。
(1-1)実施例1と同様にしてサンプル1を得た。但し、次の点のみ異なっている。
・メッシュ生地10として、製品名「アクエス(R)#S7500」(ユニチカファイバー社製)の白と黒とを用いた。白の場合をサンプル1Aとし、黒の場合をサンプル1Bとした。
・着色層23の色柄を、橙色及び白色のみとした。
・メッシュ生地10として、製品名「アクエス(R)#S7500」(ユニチカファイバー社製)の白と黒とを用いた。白の場合をサンプル2Aとし、黒の場合をサンプル2Bとした。
・着色層23の色柄を、青色及び白色のみとした。
・測色機:製品名「i1」(X−Rite社製)
・測色ソフト:Measure Tool
・測色対象:L、a、b(2度、D65)
・方法:ユポ紙上に生地を置いて測定した。
実施例のサンプルは、比較例のサンプルに比して、色差ΔEがかなり小さい。したがって、実施例では、メッシュ生地10の色に関係なく、色柄が鮮明であることが、わかる。特に、実施例1のサンプル1では、色差ΔEが小さい。これは、隠蔽層22が銀色層を有しているからである、と考えられる。したがって、本発明の色柄付メッシュ生地1は、鮮明な色柄を示すことができる。
JIS−L−1018の試験方法に基づき、フラジール形試験機を用いて、本発明の色柄付メッシュ生地1の通気性を調べた。
色柄がメッシュ生地の透かし目を全て塞いでいるような、従来の色柄付メッシュ生地の場合には、上記試験方法によって得られる通気性の値は、1〜2となる。これに比して、実施例1、4の色柄付メッシュ生地1の色柄部分の通気性は、かなり高い値を示している。したがって、本発明の色柄付メッシュ生地1は、熱転写層2による色柄を有していても、高い通気性を示すことができる。
本発明の色柄付メッシュ生地1を、JIS−L−0217の103法によって洗濯し、吊干しして、外観判定した。
21 接着剤層 22 隠蔽層 221 下部 23 着色層 3 熱転写シート
31 剥離シート 4 ベースシート
Claims (8)
- 多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面に、色柄が付与されている、色柄付メッシュ生地であって、
表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層が転写されており、その熱転写層によって、色柄が表されており、
熱転写層は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、
接着剤層は、メッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置しており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入している、
ことを特徴とする、色柄付メッシュ生地。 - 着色層が、常温反応型架橋剤によって硬化されている、
請求項1記載の色柄付メッシュ生地。 - 多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写するための、熱転写シートであって、
剥離シート上に熱転写層が形成されており、
熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、
接着剤層は、転写の際にメッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置するように、形成されており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入するように形成されている、
ことを特徴とする熱転写シート。 - 着色層が、常温反応型架橋剤を含有しており、隠蔽層が、常温反応型架橋剤及び加熱反応型架橋剤を含有している、
請求項3記載の熱転写シート。 - 着色層が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されている、
請求項3記載の熱転写シート。 - 多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写して、その熱転写層によって表された色柄が、付与された、色柄付メッシュ生地を、得る、転写方法であって、
ベースシート上に、メッシュ生地を載置する、第1工程と、
メッシュ生地上に、熱転写層を有する熱転写シートを、載置する、第2工程と、
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地を得る、第3工程と、
を有しており、
第2工程において、熱転写シートは、剥離シート上に熱転写層が形成されたシートであり、熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、
第2工程においては、熱転写層を下面にした状態で、熱転写シートをメッシュ生地上に載置し、
第3工程においては、接着剤層を、メッシュ生地に侵入させてメッシュ生地の厚さの範囲内に位置させるとともに透かし目を通してベースシートに接着させ、且つ、隠蔽層の厚さ方向の下部をメッシュ生地に侵入させ、その後に、剥離シートを熱転写層から剥がし、また、ベースシートを、透かし目部分に位置し且つベースシートに接着している、熱転写層部分、と共に、メッシュ生地から剥がすようにした、
ことを特徴とする、転写方法。 - 第2工程において、熱転写シートの熱転写層の着色層が、常温反応型架橋剤を含有しており、隠蔽層が、常温反応型架橋剤及び加熱反応型架橋剤を含有している、
請求項6記載の転写方法。 - 第2工程において、熱転写シートの熱転写層の着色層が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されている、
請求項7記載の転写方法。
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