JP4611129B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
また、螺旋ピンの油溜め室側の端面と、連通路の開口端(すなわち、第1端板部43の吐出室45の側の面43b)とが、同一平面上に位置するようになっているとともに、螺旋ピンを収容する連通路の上流部が、その長さ方向の略全体にわたって同一内径を有するように構成されている。そのため、油溜め室内に溜まった金属粉や個体潤滑剤等の異物が、螺旋ピンの螺旋溝内に直接浸入し、この螺旋溝が異物により閉塞してしまうといったおそれもあった。
本発明による圧縮機は、内部に空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、前記油分離室により分離された潤滑油を貯溜する油溜め室と、前記油溜め室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、前記連通路が、前記油溜め室の側に配置され、外周面に螺旋状の溝を有する螺旋ピンが収容される上流部と、前記空間の側に配置された下流部とを備え、前記上流部が、前記下流部の側に配置され、前記螺旋ピンの外径と略同じ内径を有する小径部と、前記油溜め室の側に配置され、前記小径部の内径よりも大きい内径を有する大径部とを備えており、かつこれら大径部と小径部との接続部には段部が形成されている。
このような圧縮機によれば、所定(一定)の規格を有する螺旋ピンを使用した場合でも、大径部の深さ(例えば、固定スクロールの一端面(油貯め室側の端面)から段部までの距離)を変更するだけで、油貯め室から密閉空間の吸入側底部に戻る油量の調整を行うことができる。すなわち、所定(一定)の規格を有する螺旋ピンを、例えば一種類だけ用意しておけば、あとは大径部の深さをどれだけ掘るかによって潤滑油の戻り量を適宜必要に応じて調整することができることとなる。
これにより、圧縮機の機種毎(型式毎)に異なる規格を有する螺旋ピンを用意する必要がなく、管理コストおよび製造コストの低減化を図ることができるとともに、組立作業時における誤組を防止することができる。
また、連通路の入口側端部に大径部が設けられ、小径部と大径部との接続部に段部が形成されるようになっているので、仮に螺旋ピンの上流側に設けられたフィルタのメッシュ部を通過して大径部内に流入してしまった金属粉や個体潤滑剤等の異物、あるいはフィルタの外周部と大径部の内周部との間から大径部内に流入してしまった金属粉や個体潤滑剤等の異物が、この段部のところ(すなわち、段部により形成されたよどみ部)で捕捉され、螺旋ピンの螺旋溝までは達しないようになっている。
これにより、金属粉や個体潤滑剤等の異物が螺旋ピンの螺旋溝内に浸入し、螺旋溝が異物により閉塞してしまうことを防止することができて、各摺動部へ潤滑油を確実に供給することができ、圧縮機の長寿命化を図ることができて、信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
このような圧縮機によれば、油溜め室の底(最下点)から小径部の長手方向軸線までの鉛直方向における距離を大きくすることができて、油溜め室の底に溜まった異物が、螺旋ピンの螺旋溝内に流入してしまうことを防止することができる。
このような圧縮機によれば、大径部の開口端の上方および前方が、流入部によって覆われており、潤滑油が油溜め室の底の方から流路に流入するようになっているので、油貯め室に貯溜された潤滑油の油面の荒れ(波立ち)が大径部に流入する潤滑油の流れに影響を及ぼすことを防止することができ、各摺動部へ潤滑油を安定的に供給することができて、圧縮機の長寿命化を図ることができ、信頼性の向上を図ることができる。
このような圧縮機によれば、例えば、連通路を固定スクロールに設けるようにした場合に、固定スクロールの他端面の側からドリルで掘る深さを小さく(短く)することができる。
これにより、固定スクロールの加工が容易なものとなり、当該加工に要する時間を短縮することができるとともに、製造コストの低減化を図ることができる。
リアハウジング15の側部には、冷媒ガスを吸入する吸入ポート(図示せず)が、密閉空間mに連通するように形成されており、リアハウジング15の上部後側には、スクロール圧縮機構12で圧縮され、油分離室17により冷媒ガス中の潤滑油が分離された後の圧縮冷媒ガスを吐出する吐出ポート15aが形成されている。また、リアハウジング15の下部後側に形成された空間は、油分離室17により分離された潤滑油(すなわち、スクロール圧縮機構12の潤滑および圧縮室Cのシールを行った後の潤滑油)LOを貯溜する油貯め室18となっている。
また、油分離室17の一端部(吐出ポート15a側の端部)には、スクロール圧縮機構12により圧縮された冷媒ガス(流体)を内壁面17aの接線方向に導くように穿設された導入孔17bが設けられている。これにより、油分離室17内に導入された冷媒ガスは、油分離室17内で周方向に旋回し、旋回による遠心力の働きにより比重の大きい潤滑油がLOが内壁面17aに接触して冷媒ガスから分離される。そして、分離された潤滑油LOは、内壁面17aに沿って下方に移動し、油貯め室18に貯溜される。
固定スクロール20は、固定端板20aとその内面に立設された渦巻状壁体20bとを備え、固定端板20aの中央部には、吐出ポート22が形成されている。この吐出ポート22は、ボルト23を介して固定端板20aの後側表面(背面)に取り付けられた吐出弁24aにより開閉される。
また、旋回スクロール21とフロントハウジング14との間には、オルダムリング(自転防止機構)31が設けられており、回転軸13を回転させたときに、旋回スクロール21が偏心ブッシュ29回りに自転しないようになっている。したがって、回転軸13を回転させたとき、旋回スクロール21は自転せず公転旋回運動のみを行うようになっている。また、偏心ブッシュ29にはバランスウェイト32が設けられており、旋回スクロール21の公転に伴う遠心力を相殺するようになっている。
また、回転軸13の一端部(図1において左側の端部)には、例えば、電磁クラッチ(図示せず)が配置されており、これにより図示しないエンジンや電動モータ等からの駆動力が、回転軸13へ伝達されたりされなかったりするようになっている。
なお、図中の符号35は、固定スクロール20およびリアハウジング15間の接合部分をシールして、密閉空間mの密閉状態を保つOリングである。
図4に示すように、固定スクロール20の下端部には、前述したように連通路25が設けられている。この連通路25は、油貯め室18の底部と密閉空間mの吸入側底部とを連通するものであり、吐出側の圧力と吸入側の圧力との圧力差を利用して、油溜め室18内に溜まる潤滑油LOを、密閉空間mの吸入側底部へ戻すための流路である。
上流部38は、螺旋ピン27の外径と略同じ内径を有する小径部38aと、この小径部38aの内径よりも大きい内径を有する大径部38bとを備えている。これら小径部38aおよび大径部38bは、それぞれの長手方向軸線が略一致するように(すなわち、小径部38aの中心軸線と大径部38bの中心軸線とが略一致するように)、上流側から大径部38b、小径部38aの順に形成されており、これら小径部38aと大径部38bとの接続部には段部38cが形成されるようになっている。すなわち、図1のII-II矢視断面図である図2に示すように、大径部38bの略中央部に小径部38aが形成されていることになる。そして、小径部38a内には螺旋ピン27が圧入されているとともに、大径部38b内にはフィルタ26が圧入されている。なお、図面を見やすくするため、図2にはボルト23、吐出弁24a、リテーナ24、フィルタ26、および螺旋ピン27を描いていない。
これにより、圧縮機の機種毎(型式毎)に異なる規格を有する螺旋ピンを用意する必要がなく、管理コストおよび製造コストの低減化を図ることができるとともに、組立作業時における誤組を防止することができる。
これにより、金属粉や個体潤滑剤等の異物が螺旋ピン27の螺旋溝27c内に浸入し、螺旋溝27cが異物により閉塞してしまうことを防止することができて、各摺動部へ潤滑油LOを確実に供給することができ、圧縮機の長寿命化を図ることができて、信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
これにより、固定スクロール20の加工が容易なものとなり、当該加工に要する時間を短縮することができるとともに、製造コストの低減化を図ることができる。
本実施形態におけるスクロール圧縮機は、上述した大径部38bの上流側に、流入部39が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
これにより、油溜め室18の底(最下点)から小径部38aの中心軸線までの鉛直方向における距離を大きくすることができて、潤滑油LOが油溜め室18の底に溜まった異物が、螺旋ピン27の螺旋溝27c内に流入してしまうことを防止することができる。
これにより、油溜め室18の底(最下点)から小径部38aの中心軸線までの鉛直方向における距離をより一層大きくすることができて、油溜め室18の底に溜まった異物が、螺旋ピン27の螺旋溝27c内に流入してしまうことをさらに確実に防止することができる。
また、上述したスクロール圧縮機は、上述したような車載用のものだけでなく、定置用のものとすることもできる。
さらに、圧縮機としては上述したようなスクロール圧縮機に限定されるものではなく、斜板式圧縮機や往復動式圧縮機等とすることもできる。
さらにまた、圧縮機としては上述したような横置き型のものに限定されるものではなく、縦置き型のものであっても良い。
11 ハウジング
12 圧縮機構
17 油分離室
18 油溜め室
25 連通路
27 螺旋ピン
27c 螺旋溝
37 下流部
38 上流部
38a 小径部
38b 大径部
38c 段部
39 流入部
39a 流路
LO 潤滑油
m 密閉空間
Claims (4)
- 内部に空間を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、
前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、
前記油分離室により分離された潤滑油を貯溜する油溜め室と、
前記油溜め室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、
前記連通路が、前記油溜め室の側に配置され、外周面に螺旋状の溝を有する螺旋ピンが収容される上流部と、前記空間の側に配置された下流部とを備え、
前記上流部が、前記下流部の側に配置され、前記螺旋ピンの外径と略同じ内径を有する小径部と、前記油溜め室の側に配置され、前記小径部の内径よりも大きい内径を有する大径部とを備えており、かつこれら大径部と小径部との接続部には段部が形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 前記小径部の長手方向軸線が、前記大径部の長手方向軸線よりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
- 前記大径部の開口端の上方および前方が、流入部によって覆われており、前記油溜め室に貯溜された潤滑油が、前記大径部の開口端と前記流入部との間に形成された流路を介して前記大径部に流入するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
- 前記上流部と前記下流部とを接続する接続部と、前記連通路の前記空間の側の端面との間の距離を、前記螺旋ピンの半径で割った値が、6以上12以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機。
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