JP5409037B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
このため、連通路の上流部及び下流部を形成する機械加工を行うためには、油溜め室側及び密閉空間側の両面から加工する必要があり、従って、段取りの変更等により作業工数が増すという問題を有している。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、機械加工の作業工数を低減して低コスト化することができる連通路により、螺旋ピンの共有化を図るとともに、異物の螺旋溝内への浸入を防止した圧縮機を提供することにある。
本発明による圧縮機は、内部に空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、前記油分離室により分離された潤滑油を貯溜する油溜め室と、前記油溜め室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、前記連通路が、前記油溜め室の側に配置され、外周面に螺旋状の溝を有する螺旋ピンが収容される上流部と、前記空間の側に配置された下流部とを備え、前記上流部が、前記油溜め室側から前記空間側に向けて段階的に小径とする大径部、中径部及び小径部を備え、前記中径部が前記螺旋ピンの外径と略同じ内径を有し、かつ、前記中径部の底面を前記大径部より高くして段差を設けるとともに、前記小径部の底面及び前記小径部に連通する前記下流部の底面を同一レベルとし、前記螺旋ピンの挿入量を、前記大径部の深さ及び前記中径部の有効長さを変化させて調整可能としたことを特徴とするものである。
この場合、大径部、中径部及び小径部の長手方向軸線を全て同一にすれば、大径部、中径部及び小径部が全て同芯の穴あけ加工となる。このため、機械加工はより一層容易になり、しかも、中径部の底面を大径部より高くした段差を同時に設けることができる。
これにより、圧縮機の機種毎(型式毎)に異なる規格を有する螺旋ピンを用意する必要がなく、管理コスト及び製造コストの低減化を図ることができるとともに、組立作業時における誤組を防止することができる。
これにより、金属粉や個体潤滑剤等の異物が螺旋ピンの螺旋溝内に浸入し、螺旋溝が異物により閉塞してしまうことを防止することができて、各摺動部へ潤滑油を確実に供給することができ、圧縮機の長寿命化を図ることができて、信頼性及び耐久性の向上を図ることができる。
このような圧縮機によれば、油溜め室の底(最下点)から小径部及び中径部の長手方向軸線までの鉛直方向における距離を大きくすることができて、油溜め室の底に溜まった異物が、螺旋ピンの螺旋溝内に流入してしまうことを防止することができる。
リアハウジング15の側部には、冷媒ガスを吸入する吸入ポート(図示せず)が、密閉空間mに連通するように形成されており、リアハウジング15の上部後側には、スクロール圧縮機構12で圧縮され、油分離室17により冷媒ガス中の潤滑油が分離された後の圧縮冷媒ガスを吐出する吐出ポート15aが形成されている。また、リアハウジング15の下部後側に形成された空間は、油分離室17により分離された潤滑油(すなわち、スクロール圧縮機構12の潤滑及び圧縮室Cのシールを行った後の潤滑油)LOを貯溜する油溜め室18となっている。
また、油分離室17の一端部(吐出ポート15a側の端部)には、スクロール圧縮機構12により圧縮された冷媒ガス(流体)を内壁面17aの接線方向に導くように穿設された導入孔17bが設けられている。この結果、油分離室17内に導入された冷媒ガスは、油分離室17内で周方向に旋回し、旋回による遠心力が作用することにより、比重の大きい潤滑油LOが内壁面17aに接触して冷媒ガスから分離される。こうして分離された潤滑油LOは、内壁面17aに沿って下方へ移動し、油溜め室18に貯溜される。
固定スクロール20は、固定端板20aとその内面に立設された渦巻状壁体20bとを備え、固定端板20aの中央部には、吐出ポート22が形成されている。この吐出ポート22は、ボルト23を介して固定端板20aの後側表面(背面)に取り付けられた吐出弁24aにより開閉される。
そして、固定スクロール20と旋回スクロール21とを相互に所定距離だけ偏心させ、かつ180度だけ角度をずらして噛み合わせることにより、複数の圧縮室Cが形成されるようになっている。
また、回転軸13の一端部(図1において左側の端部)には、たとえば、電磁クラッチ(図示せず)が配置されており、これにより、図示しないエンジンや電動モータ等からの駆動力が、回転軸13へ伝達されたりされなかったりするようになっている。
なお、図中の符号35は、固定スクロール20及びリアハウジング15間の接合部分をシールして、密閉空間mの密閉状態を保つOリングである。
図2に示すように、固定スクロール20の下端部には、前述したように連通路25が設けられている。この連通路25は、油溜め室18の底部と密閉空間mの吸入側底部とを連通するものであり、吐出側の圧力と吸入側の圧力との圧力差を利用して、油溜め室18内に溜まる潤滑油LOを、密閉空間mの吸入側底部へ戻すための流路である。
上流部38は、油溜め室18側から密閉空間m側へ向けて、段階的に小径とする大径部38a、中径部38b及び小径部38cを備えている。これら大径部38a、中径部38b及び小径部38cは、それぞれの長手方向軸線が略一致するように、すなわち、大径部38aの中心軸線、中径部38bの中心軸線及び小径部38cの中心軸線が略一致して同芯となるように、上流側から大径部38a、中径部38b、小径部38cの順に形成されている。
そして、上述した中径部38bは、螺旋ピン27の外径と略同じ内径を有し、螺旋ピン27が大径部38a側から圧入して取り付けられるようになっている。また、小径部38cの内径は、圧入時における螺旋ピン27の圧入限界位置を規定するように設定されている。
このようにして、固定スクロール20の下端部には、油溜め部18に開口する上流部38から密閉空間mに開口する下流部37まで連通させた連通路25が形成され、油溜め室18内に溜められた潤滑油LOを密閉空間mに供給することができる。
図示の中径部38bは、螺旋ピン27が圧入される有効長さL1を有しているので、この有効長さL1をL2まで短縮したい場合には、大径部38aの長さ(深さ)を想像線で示すように中径部38b側へ延長すればよい。このような変更は、機械加工量の変更のみで対応可能であるから、容易に対応できる。
この結果、螺旋ピン27に形成された螺旋溝27cと中径部38bとの間に形成される螺旋状の潤滑油流路長さを変化させ、この潤滑油流路を通って流れる潤滑油LOの圧力損失を調整することにより、スクロール圧縮機10の型式に応じて異なる最適な潤滑油の戻り量に調整することができる。すなわち、所定(一定)の規格を有する螺旋ピン27を、たとえば一種類だけ用意しておけば、あとは大径部38aの深さをどれだけ掘るかによって、潤滑油の戻り量を適宜必要に応じて調整することが可能になる。
なお、上述した螺旋ピン27による潤滑油流路の圧力損失は、螺旋状とした溝27cの断面積や傾斜角度によっても調整可能であるから、これらが異なる複数の螺旋ピン27を用意することで、広範囲にわたってきめ細かい調整が可能になる。
特に、固定スクロール20がワークの場合、油溜め室18側の面から加工可能になることは、固定端版20aの背面側から加工することを意味しているため好都合である。すなわち、固定端版20aの油溜め室18となる背面側には、たとえば図4に示すように、ハウジング固定用穴40や芯出し穴41等のように、連通路25の他にも段取りを変更しないで加工できる穴があるので、作業効率向上の観点からより一層好都合になる。
なお、大径部38aと中径部38b及び小径部38cの長手方向軸線については、同方向からのドリル加工及び段差38dの同時形成が可能であれば、必ずしも同芯とする必要はない。
これにより、金属粉や個体潤滑剤等の異物が螺旋ピン27の螺旋溝27c内に浸入し、螺旋溝27cが異物により閉塞してしまうことを防止することができて、各摺動部へ潤滑油LOを確実に供給することができ、圧縮機の長寿命化を図ることができて、信頼性及び耐久性の向上を図ることができる。
これにより、油溜め室18の底(最下点)から中径部38bの中心軸線までの鉛直方向における距離を大きくすることができて、潤滑油LOが油溜め室18の底に溜まった異物が、螺旋ピン27の螺旋溝27c内に流入してしまうことを防止することができる。
これにより、油溜め室18の底(最下点)から中径部38bの中心軸線までの鉛直方向における距離をより一層大きくすることができて、油溜め室18の底に溜まった異物が、螺旋ピン27の螺旋溝27c内に流入してしまうことをさらに確実に防止することができる。
また、上述したスクロール圧縮機は、上述したような車載用のものだけでなく、定置用のものとすることもできる。
さらに、本発明の圧縮機としては、上述したようなスクロール圧縮機に限定されるものではなく、斜板式圧縮機や往復動式圧縮機等とすることもできる。
さらにまた、本発明の圧縮機としては、上述したような横置き型のものに限定されるものではなく、縦置き型のものであってもよい。
11 ハウジング
12 圧縮機構
17 油分離室
18 油溜め室
25 連通路
27 螺旋ピン
27c 螺旋溝
37 下流部
38 上流部
38a 大径部
38b 中径部
38c 小径部
38d,38e 段部
LO 潤滑油
m 密閉空間
Claims (2)
- 内部に空間を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、
前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、
前記油分離室により分離された潤滑油を貯溜する油溜め室と、
前記油溜め室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、
前記連通路が、前記油溜め室の側に配置され、外周面に螺旋状の溝を有する螺旋ピンが収容される上流部と、前記空間の側に配置された下流部とを備え、
前記上流部が、前記油溜め室側から前記空間側に向けて段階的に小径とする大径部、中径部及び小径部を備え、
前記中径部が前記螺旋ピンの外径と略同じ内径を有し、かつ、前記中径部の底面を前記大径部より高くして段差を設けるとともに、前記小径部の底面及び前記小径部に連通する前記下流部の底面を同一レベルとし、
前記螺旋ピンの挿入量を、前記大径部の深さ及び前記中径部の有効長さを変化させて調整可能としたことを特徴とする圧縮機。 - 前記中径部及び前記小径部の長手方向軸線が、前記大径部の長手方向軸線よりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009033682A JP5409037B2 (ja) | 2009-02-17 | 2009-02-17 | 圧縮機 |
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Family Applications (1)
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JP2009033682A Active JP5409037B2 (ja) | 2009-02-17 | 2009-02-17 | 圧縮機 |
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- 2009-02-17 JP JP2009033682A patent/JP5409037B2/ja active Active
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