JP4609563B2 - バイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法 - Google Patents

バイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、バイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法に関し、更に詳しくは、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、そのシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができるバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法に関する。
近年、エネルギー対策や環境対策等の観点から、ガソリン等の液体燃料に対する代替燃料として圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)等の気体燃料が注目されており、この液体燃料と気体燃料とを選択的に切り替え可能なバイフューエルエンジンが開発されている。
そして、燃費の向上や出力向上を図るべく、上記気体燃料を筒内に直接噴射する一方、上記液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射し、成層リーン燃焼域を有するバイフューエル筒内直噴エンジンの開発が盛んに行われており、種々の技術が提案されている。
このようなバイフューエル筒内直噴エンジンに適用可能な気体燃料供給装置として、たとえば、気体燃料供給圧力の低圧化による航続距離の延長と、気体燃料圧力の高圧化による応答性の確保とを両立させ、気体燃料を効率的に利用する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、この気体燃料供給装置は、エンジン始動時に気体燃料圧力を高圧化して始動性を向上させ、その後、気体燃料供給圧力を中圧化して燃料供給の応答性を確保し、更にその後気体燃料供給圧力を低圧化して航続距離を確保するものであり、最終的には気体燃料の残量が少ないことを運転者に警告するものである。
特開2001−193569号公報
しかしながら、気体燃料を筒内に噴射する気体燃料噴射弁は、燃料噴射圧(燃圧)と燃焼圧(筒内圧)の差圧が、シール限界圧以下になると、シール性が確保できなくなり、燃焼ガスが気体燃料噴射弁内部に進入(逆流)し易くなる。その結果、気体燃料噴射弁内部へのデポジット(Deposit)堆積等により、燃料流量の低下や気体燃料噴射弁の破壊が起こる可能性がある。
このような不都合が起こらないように、気体燃料噴射弁を最適設計する場合には、気体燃料噴射弁内部のバルブを噴射口側に付勢するためのスプリングの荷重を強くする必要があり、このように設計すると、以下のような問題が生じてしまう。
すなわち、上記スプリング荷重を強化した気体燃料噴射弁を駆動させるためには、大きな駆動力が必要となり、電磁コイルも大きくする必要があるので、必然的に体格が大きくなり、エンジンへの搭載上問題となる。バイフューエルエンジンは、コスト面の制約によりベースとなるガソリンエンジンから大幅な設計変更ができないという実情があるため、気体燃料噴射弁を搭載する上でその体格を大型化できないからである。
また、気体燃料噴射弁のバルブシート部への上記バルブによる衝撃荷重も増えるため、当該バルブシート部が摩耗し易くなる。特に、気体燃料用の噴射弁であるため、液体燃料の場合のようにバルブシート部の潤滑性を確保することが困難となる。更に、上記電磁コイルに大きな駆動力が必要なことから、応答性やダイナミックレンジを確保することが困難となる。
したがって、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、通常の体格の気体燃料噴射弁を用いつつ、バイフューエル筒内直噴エンジンシステムの制御方法を工夫することによって気体燃料噴射弁のシール性を確保し、流量低下や破壊等から気体燃料噴射弁を保護することが要請されていた。
また、上記バイフューエル筒内直噴エンジンでは、気体燃料で運転した後、通常は、気体燃料に含まれるオイル成分による固着防止の観点から、いわゆる圧抜き制御を実施している。このとき、気体燃料を気体燃料噴射弁に分配するためのデリバリパイプ内の圧力(燃圧)はゼロになり、つぎの始動が液体燃料で実施される場合には、このデリバリパイプに気体燃料が供給されることはない。
このように従来技術では、気体燃料での運転停止後に液体燃料で始動する場合を考慮していなかったため、上記差圧と燃焼圧とが等しくなり、上記不具合を招く現象が容易に起こり得るという課題があった。
また、液体燃料での運転時には、気体燃料の供給系に設けられている各種遮断弁は閉弁されており、気体燃料側の制御は実施されていない。また、通常の体格の気体燃料噴射弁を用いる限り、上述した理由によりそのシール漏れを完全になくすことは困難であり、排気エミッションや燃焼上問題ないレベルでの漏れは許容されている。
したがって、液体燃料での運転時間が長時間になり、気体燃料噴射弁への燃料供給が遮断された状態が長時間続くと、上記シール漏れによって気体燃料用デリバリパイプ内の圧力(燃圧)が徐々に低下し、燃焼圧との差圧が小さくなる。その結果、気体燃料噴射弁内部への燃焼ガス逆流等の不具合が起こる可能性が高まるという課題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、そのシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができるバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法は、気体燃料を筒内に直接噴射する気体燃料噴射弁と、液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射する液体燃料噴射弁と、前記気体燃料の噴射圧を検出する気体燃料噴射圧検出手段と、を備え、エンジンの運転モードに応じて前記気体燃料と前記液体燃料のいずれか一方を噴射可能に構成されたバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法であって、エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での前記気体燃料の噴射圧との差圧が、前記気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値よりも低下した場合、前記燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる態様で点火時期を変更することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項2に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法は、気体燃料を筒内に直接噴射する気体燃料噴射弁と、液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射する液体燃料噴射弁と、前記気体燃料の噴射圧を検出する気体燃料噴射圧検出手段と、を備え、エンジンの運転モードに応じて前記気体燃料と前記液体燃料のいずれか一方を噴射可能に構成されたバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法であって、エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での前記気体燃料の噴射圧との差圧が、前記気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値よりも低下した場合、前記燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる態様で空燃比を変更することを特徴とする。
また、この発明の請求項3に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法は、請求項1または2に記載の発明において、気体燃料を貯蔵する気体燃料タンクから前記気体燃料噴射弁に至る気体燃料供給系に設けられ、開閉することにより前記気体燃料噴射弁に燃料を供給または遮断する遮断弁をさらに備え、前記エンジンの始動時には、使用する燃料の種類にかかわらず、前記気体燃料供給系の遮断弁を開弁することを特徴とする。
この発明に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法(請求項1)によれば、点火時期を変更して燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させることにより、エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での気体燃料の噴射圧との差圧を、気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値に引き上げることができるので、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、そのシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができる。
また、この発明に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法(請求項2)によれば、空燃比を変更して燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させることにより、エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での気体燃料の噴射圧との差圧を、気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値に引き上げることができるので、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、そのシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができる。
また、この発明に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法(請求項3)によれば、使用する燃料の種類にかかわらず、エンジンの始動時に気体燃料噴射弁のシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができる。
以下に、この発明に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図2は、バイフューエル筒内直噴エンジンの概略構成を示す断面図であり、多気筒のバイフューエル筒内直噴エンジンの1気筒について表示してある。図2に示すように、バイフューエル筒内直噴エンジン(以下、単にエンジンと称する)10は、CNG噴射用インジェクタ(気体燃料噴射弁)23によって圧縮天然ガスを燃焼室10aに直接噴射するとともに、ガソリン噴射用インジェクタ(液体燃料噴射弁)24によってガソリンを燃焼室10aに直接噴射するように構成され、エンジンの運転モードに応じてガソリンとCNGのいずれか一方を噴射し、運転条件に応じて成層燃焼と均質燃焼とを切り替え可能に構成されている。
すなわち、エンジン10の燃焼室10aは、シリンダボア11とシリンダヘッド13とシリンダボア11内に往復動自在に配設されたピストン12とによって構成されている。また、ピストン12の頂面の吸気側部分には、成層燃焼を成立させるために凹状のキャビティ12aが形成されている。
この燃焼室10aのほぼ中央には、点火プラグ14が配設されている。また、燃焼室10aを臨む吸気ポート15には吸気弁16が配設され、燃焼室10aを臨む排気ポート18には排気弁20が配設されている。
つぎに、エンジン10への燃料供給系について図3に基づいて説明する。ここで、図3は、エンジンへの燃料供給系の構成を示す模式図であり、説明の便宜上、CNG噴射用インジェクタ23とガソリン噴射用インジェクタ24を対向させて表示してある。
図3に示すように、エンジン10の燃料供給系は、CNGを高圧で貯蔵するCNGタンク(気体燃料タンク)32と、ガソリンを貯蔵するガソリンタンク37と、CNG噴射用インジェクタ23にCNGを分配するデリバリパイプ(気体燃料供給系)35と、ガソリン噴射用インジェクタ24にガソリンを分配するデリバリパイプ39とを備えている。
また、CNGタンク32からCNG噴射用インジェクタ23に至る燃料供給経路(気体燃料供給系)33には、CNGタンク32からのCNGの供給を遮断するタンク遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)32cと、CNGの圧力を所定の噴射圧まで減圧するレギュレータ(気体燃料供給系)34と、このレギュレータ34を遮断するレギュレータ遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)34aと、デリバリパイプ35へのCNGの供給を遮断するデリバリ遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)36が設けられている。
また、ガソリンタンク37からガソリン噴射用インジェクタ24に至る燃料供給経路38には、デリバリパイプ39にガソリンを所定圧力で供給するためのポンプ40が設けられている。なお、これらの遮断弁32c,34a,36は電磁遮断弁であり、エンジン10の停止時等には閉じられている。
また、CNGタンク32には、CNGの圧力を検出する圧力センサ(気体燃料タンク圧検出手段)32aと、温度を検出する温度センサ32bが設けられている。また、デリバリパイプ35には、CNGの噴射圧を検出する圧力センサ(気体燃料噴射圧検出手段)35aと、温度を検出する温度センサ35bが設けられている。デリバリパイプ39には、ガソリンの噴射圧を検出する圧力センサ39aが設けられている。
これら圧力センサ35a,39aにより計測される燃料噴射圧および温度センサ35bにより計測される燃料温度は、図示しない電子制御ユニット(以下、ECUと称する)によって記憶される。また、圧力センサ32aにより計測される燃料圧力および温度センサ32bにより計測される燃料温度もECUによって記憶される。
以上のように構成されたエンジン10の基本制御は、エンジン回転数、スロットル開度、エンジン冷却水温、上記デリバリパイプ35,39内やCNGタンク32内の燃料圧力・温度、レギュレータ34の圧力等の各種センサ情報等に基づいてECUによって実行される。
つぎに、本実施例1に係るCNG噴射用インジェクタ23の保護制御方法について図1に基づいて説明する。ここで、図1は、この発明の実施例1に係るCNG噴射用インジェクタの保護制御方法を示すフローチャートである。
先ず、エンジン10の始動指示(イグニションスイッチのON、スタータスイッチのON)が出されたら、始動燃料がガソリンの場合(ガソリンによる運転モードの場合)であっても、CNG燃料供給系の全遮断弁32c,34a,36をON(開弁)にして、CNG噴射用インジェクタ23内部の燃圧を増加させる(ステップS10)。エンジン10の停止時は、CNG燃料の圧抜き制御により燃圧ゼロの場合が多いからである。
つぎに、デリバリパイプ35内のCNGの温度を温度センサ35bにより計測し、CNGの圧力を圧力センサ35aにより計測する(ステップS11)。また、CNGタンク32内のCNGの温度を温度センサ32bにより計測し、CNGの圧力を圧力センサ32aにより計測する(ステップS11)。なお、このCNGタンク32内のCNGの圧力・温度の計測ステップは、後述するステップS16とステップS17の間において実行してもよい。
つぎに、ステップS11で計測したデリバリパイプ35内のCNG圧力(図1のステップS12では、CNGデリバリ圧と略称する)、すなわちCNG噴射用インジェクタ23の燃圧が、最小許容圧(所定値)以上であるか否かを判断する(ステップS12)。
この最小許容圧は、デリバリパイプ35内の圧力とエンジン10始動(アイドル)時の推定筒内圧との差圧が、CNG噴射用インジェクタ23のシール性確保の限界圧(インジェクタ固有の値)と等しくなる時の最小燃圧に、所定の安全係数を乗じて算出したものである。なお、このエンジン10の始動時の推定筒内圧は、公知の手段によって算出される。
デリバリパイプ35内のCNG圧力が最小許容圧以上であるならば(ステップS12肯定)、エンジン10を始動してもCNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保でき、上述した不具合を生じないので、始動モードに移行する。この最小許容圧を超えている場合とは、CNGタンク32内の圧力がレギュレータ34の調整圧力を上回っている場合、すなわち残圧がある場合である。
エンジン10の始動燃料は、運転者の選択により、あるいは自動的に選択される。ガソリンによる始動モードが選択されているならば(ステップS13肯定)、ガソリンで始動し、その燃焼制御を実行する(ステップS14)。一方、CNGによる始動モードが選択されているならば(ステップS13否定)、CNGで始動し、その燃焼制御を実行する(ステップS15)。
なお、エンジン10の始動後の燃焼制御においては、エンジン10の運転条件に基づいて把握される最大燃焼圧と現時点での燃料噴射圧との差圧が所定値以下に低下した場合には、CNG噴射用インジェクタ23を保護するためのインジェクタ保護用燃料噴射制御に切り替える。このインジェクタ保護用燃料噴射制御としては、たとえば、点火時期を変更することにより燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる制御、あるいは空燃比を変更することにより燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる制御等を実施することができる。
デリバリパイプ35内のCNG圧力が最小許容圧を下回っているならば(ステップS12否定)、エンジン10の始動を禁止してCNG噴射用インジェクタ23を保護する(ステップS16)。そして、ステップS11で計測したCNGタンク32の圧力に応じて、以下のようにエンジン10が始動不可である旨を運転者に警告する。
すなわち、CNGタンク32の圧力が上記最小許容圧以上であるならば(ステップS17肯定)、CNG燃料供給系の故障によりエンジン10が始動不可である旨を運転者に警告する(ステップS18)。一方、CNGタンク32の圧力が上記最小許容圧を下回っているならば(ステップS17否定)、CNG燃料残量が少ないことによりエンジン10が始動不可である旨を運転者に警告する(ステップS19)。
以上のように、この実施例1に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法によれば、CNG噴射用インジェクタ23の体格を大型化することなく、エンジン10の始動時にCNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保することができ、当該インジェクタ23内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができる。
また、CNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保し難い場合には、エンジン10の始動を禁止してCNG噴射用インジェクタ23を保護することができるとともに、その始動禁止の原因を運転者に警告することにより速やかな対処を促すことができる。
なお、上記実施例1においては、図2に示したように、CNG噴射用インジェクタ23およびガソリン噴射用インジェクタ24の双方を筒内噴射式とする構成について説明したが、これに限定されず、たとえば図4に示すように、CNG噴射用インジェクタ23を筒内噴射式とし、ガソリン噴射用インジェクタ25をポート噴射式とするエンジン構成としてもよい。ここで、図4は、他のバイフューエル筒内直噴エンジンの概略構成を示す断面図である。
また、上記実施例1においては、液体燃料としてガソリンを使用し、気体燃料としてCNGを使用するバイフューエルエンジンへの本発明の適用例について説明したが、たとえば、液体燃料としてアルコールや、ガソリンにアルコールを混合したものを使用し、気体燃料として液化石油ガス(LPG)や水素、ジメチルエーテル(DME)等を使用するバイフューエルエンジンに適用してもよく、またガソリンやこれらの液体燃料と、上記気体燃料とを任意に組み合わせて使用するバイフューエルエンジンに適用してもよい。
本実施例2は、上記実施例1の図2〜4で示したシステム構成と同一の構成を用いてCNG噴射用インジェクタ23の保護制御を行うものである。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付して重複説明を省略する。
図3に示した構成において、エンジン10のガソリンによる運転時には、CNG燃料供給系の各遮断弁32c,34a,36を閉弁し、デリバリパイプ35内の圧力(レギュレータ34による調整圧力)を一定にしてCNG噴射用インジェクタ23への燃料供給を停止している。
しかし、CNG噴射用インジェクタ23のシール性は完全ではない。このため、ガソリンによる運転時間が長く、CNG噴射用インジェクタ23の停止時間が長いと、上記各遮断弁32c,34a,36が閉弁されているので、デリバリパイプ35内の圧力(燃圧)が低下し、燃焼圧との差圧が小さくなる。その結果、CNG噴射用インジェクタ23内部への燃焼ガス逆流等の不具合が起こる可能性が高まる。
そこで、このような不具合の発生を抑制するため、本実施例2では、CNG噴射用インジェクタ23の非駆動時でも、デリバリパイプ35内の圧力(燃圧)がシール限界圧まで低下しないように常時監視し、当該燃圧が低下したら、上記各遮断弁32c,34a,36を開弁し、燃圧を増加させるように上記ECUによって制御するものである。
以下、この制御について図5に基づいて更に詳しく説明する。ここで、図5は、この発明の実施例2に係るCNG噴射用インジェクタの保護制御方法を示すフローチャートである。
エンジン10がガソリンで運転され、CNGで運転されない時、すなわち、ガソリン噴射用インジェクタ24が駆動され、CNG噴射用インジェクタ23が駆動されない時は、CNG供給系の各遮断弁32c,34a,36は閉弁され、CNG噴射用インジェクタ23の駆動制御は実施されない。
このようなガソリン運転時に、デリバリパイプ35内のCNGの温度(図5では、CNGデリバリ温度と略称する)を温度センサ35bにより計測し、CNGの圧力(図5では、CNGデリバリ圧と略称する)を圧力センサ35aにより計測する(ステップS20)。
そして、この計測したデリバリパイプ35内のCNG圧力、すなわちCNG噴射用インジェクタ23の燃圧が、長時間放置による気密漏れにより所定の限界圧(所定値)を下回った否かを判断する(ステップS21)。この限界圧は、デリバリパイプ35内の圧力と最大燃焼圧(筒内圧)との差圧がシール性を確保できる最小燃圧(インジェクタ固有の値)である。なお、この最大燃焼圧は、公知の手段によって算出される。
デリバリパイプ35内のCNG圧力が所定の限界圧を下回っているならば(ステップS21肯定)、CNG燃料供給系の全遮断弁32c,34a,36を開弁して、デリバリパイプ35内の圧力を増加させ、CNG噴射用インジェクタ23内部の燃圧を増加させる(ステップS22)。
そして、再び、デリバリパイプ35内のCNGの温度を温度センサ35bにより計測するとともに、CNGの圧力を圧力センサ35aにより計測し(ステップS23)、デリバリパイプ35内のCNG圧力がまだ所定の限界圧を下回っているか否かを判断する(ステップS24)。
デリバリパイプ35内のCNG圧力が所定の限界圧を上回ったならば(ステップS24否定)、CNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保でき、上述した不具合を生じないので、ステップS20に戻り、デリバリパイプ35内のCNG圧力の監視を続行する。
一方、ステップS22においてCNG燃料供給系の全遮断弁32c,34a,36を開弁したにもかかわらず、デリバリパイプ35内の圧力がまだ所定の限界圧を下回っているならば(ステップS24肯定)、エンジン10を停止するように運転者に警告する(ステップS25)。
そして、このエンジン10の停止を警告した理由を運転者に提示するために、CNGタンク32内のCNGの温度を温度センサ32bにより計測するとともに、CNGの圧力を圧力センサ32aにより計測し(ステップS26)、CNGタンク32内のCNG圧力が上記所定の限界圧以上である否かを判断する(ステップS27)。
CNGタンク32内のCNG圧力が上記限界圧以上であるならば(ステップS27肯定)、CNG燃料供給系の故障である旨を運転者に提示する(ステップS28)。一方、CNGタンク32内のCNG圧力が上記限界圧を下回っているならば(ステップS27否定)、CNG燃料残量が少ない旨を運転者に提示する(ステップS29)。
以上のように、この実施例2に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法によれば、CNG噴射用インジェクタ23の体格を大型化することなく、エンジン10のガソリン運転時にCNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保することができ、当該インジェクタ23内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができる。
また、ガソリン運転時にCNG噴射用インジェクタ23のシール性を確保し難い場合には、エンジン10を停止するように運転者に警告してCNG噴射用インジェクタ23を保護することができるとともに、その警告理由を運転者に提示することにより速やかな対処を促すことができる。
以上のように、この発明に係るバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法は、気体燃料を筒内に直接噴射する一方、液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射するバイフューエル筒内直噴エンジンに有用であり、特に、気体燃料噴射弁の体格を大型化することなく、そのシール性を確保することができ、当該噴射弁内部へのデポジット堆積等に基づく不具合から保護することができるバイフューエル筒内直噴エンジンに適している。
この発明の実施例1に係るCNG噴射用インジェクタの保護制御方法を示すフローチャートである。 バイフューエル筒内直噴エンジンの概略構成を示す断面図である。 エンジンへの燃料供給系の構成を示す模式図である。 他のバイフューエル筒内直噴エンジンの概略構成を示す断面図である。 この発明の実施例2に係るCNG噴射用インジェクタの保護制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン(バイフューエル筒内直噴エンジン)
10a 燃焼室
15 吸気ポート
23 CNG噴射用インジェクタ(気体燃料噴射弁)
24、25 ガソリン噴射用インジェクタ(液体燃料噴射弁)
32 CNGタンク(気体燃料タンク)
32a 圧力センサ(気体燃料タンク圧検出手段)
32c タンク遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)
33 燃料供給経路(気体燃料供給系)
34 レギュレータ(気体燃料供給系)
34a レギュレータ遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)
35 デリバリパイプ(気体燃料供給系)
35a 圧力センサ(気体燃料噴射圧検出手段)
36 デリバリ遮断弁(気体燃料供給系の遮断弁)

Claims (3)

  1. 気体燃料を筒内に直接噴射する気体燃料噴射弁と、
    液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射する液体燃料噴射弁と、
    前記気体燃料の噴射圧を検出する気体燃料噴射圧検出手段と、
    を備え、
    エンジンの運転モードに応じて前記気体燃料と前記液体燃料のいずれか一方を噴射可能に構成されたバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法であって、
    エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での前記気体燃料の噴射圧との差圧が、前記気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値よりも低下した場合、前記燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる態様で点火時期を変更することを特徴とするバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法。
  2. 気体燃料を筒内に直接噴射する気体燃料噴射弁と、
    液体燃料を筒内または吸気ポートに噴射する液体燃料噴射弁と、
    前記気体燃料の噴射圧を検出する気体燃料噴射圧検出手段と、
    を備え、
    エンジンの運転モードに応じて前記気体燃料と前記液体燃料のいずれか一方を噴射可能に構成されたバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法であって、
    エンジンの運転条件に基づく最大燃焼圧と、現時点での前記気体燃料の噴射圧との差圧が、前記気体燃料噴射弁のシール性確保に必要な所定値よりも低下した場合、前記燃焼圧を所定の目標燃焼圧に低下させる態様で空燃比を変更することを特徴とするバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法。
  3. 気体燃料を貯蔵する気体燃料タンクから前記気体燃料噴射弁に至る気体燃料供給系に設けられ、開閉することにより前記気体燃料噴射弁に燃料を供給または遮断する遮断弁をさらに備え、
    前記エンジンの始動時には、使用する燃料の種類にかかわらず、前記気体燃料供給系の遮断弁を開弁することを特徴とする請求項1または2に記載のバイフューエル筒内直噴エンジンの気体燃料噴射弁の保護制御方法。
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