JP2008115834A - ガス燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス燃料噴射装置について過度なコストアップを伴うことなくエンジン停止中のインジェクタからガス燃料が漏出することを確実に回避可能とする。
【解決手段】ガスエンジン2のガス燃料噴射システムに配設され、燃料タンク1から延設されて先端にインジェクタ7を配設した燃料送出路4a,4bと、べーパライザ3及びその上流側に配設された遮断弁5と、インジェクタ7及び遮断弁5の開閉制御を行う電子制御ユニット10とを備えたガス燃料噴射装置において、遮断弁5上流側とべーパライザ3以降の下流側とを接続するバイパス路4cが途中に燃料リターン用のポンプ14を有して設けられており、エンジン停止時に電子制御ユニット10がポンプ14を駆動させて、べーパライザ3内に残るガス燃料をバイパス路14を介して燃料タンク1側に戻すことにより、インジェクタ7への燃料供給圧力を所定圧力以下に低下させる。
【選択図】図1
【解決手段】ガスエンジン2のガス燃料噴射システムに配設され、燃料タンク1から延設されて先端にインジェクタ7を配設した燃料送出路4a,4bと、べーパライザ3及びその上流側に配設された遮断弁5と、インジェクタ7及び遮断弁5の開閉制御を行う電子制御ユニット10とを備えたガス燃料噴射装置において、遮断弁5上流側とべーパライザ3以降の下流側とを接続するバイパス路4cが途中に燃料リターン用のポンプ14を有して設けられており、エンジン停止時に電子制御ユニット10がポンプ14を駆動させて、べーパライザ3内に残るガス燃料をバイパス路14を介して燃料タンク1側に戻すことにより、インジェクタ7への燃料供給圧力を所定圧力以下に低下させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体の状態で燃料タンクに貯留したガス燃料を、所定圧力に減圧・気化し気体の状態でガスエンジンの吸気通路に噴射するためのガス燃料噴射装置に関し、殊に、エンジン停止時にインジェクタからの燃料漏れを回避する機能を備えたガス燃料噴射装置に関する。
LPGなどの液化したガス燃料を所定圧力の気体の状態にしてガスエンジンの吸気通路に噴射するガス燃料噴射システムでは、図2の配置図に示すように燃料タンク1内に貯留した液体のガス燃料を、液体燃料送出路4aでベーパライザ3に導入して減圧・気化させて気体とし、気体燃料送出路4bを通り電子制御ユニット10で開閉制御されるインジェクタ7から吸気通路6内に噴射してガスエンジン2に供給するようになっている。
このガス燃料用のインジェクタ7は、液体の状態で噴射するガソリン用インジェクタと比べて噴射圧力が低いとともに同一体積当たりの燃焼力が小さいため、大量噴射を可能にする目的でガソリン用インジェクタよりもバルブシートの径を大きくしているのが一般的である。
しかし、バルブシートの大径化は燃料漏れを伴いやすく、エンジン停止中に吸気通路に漏出したガス燃料によりオーバーリッチとなって、エンジンの始動性を悪化させる原因の一つとなっている。そのため、バルブゴムの硬度を下げること等により対応していたが、これではインジェクタの耐久性低下に繋がる結果となってしまう。
このインジェクタからのガス燃料の漏出の問題に対し、特開平10−18915号公報には、フューエルレール内にインジェクタの流入口を開閉する漏出防止バルブを設け、これを開閉制御手段によりイグニッションスイッチONで開作動しOFFで閉作動するようにして、エンジン停止中のガス燃料の漏出を回避する技術が提案されている。
しかしながら、この技術ではフューエルレール内に総てのインジェクタの流入口を開閉する機構を設ける必要があり、フューエルレールの構成が極めて複雑となって過大なコストアップを伴うことになる。また、漏出防止用バルブシート部分でインジェクタのバルブシートと同様の原因で燃料漏れをおこしてインジェクタ内の燃料圧力を上昇させる心配もあるため、ガス燃料の漏出防止対策としては充分なものではない。
特開平10−18915号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、液化ガス燃料を減圧・気化し気体の状態にして噴射し、ガスエンジンに供給するガス燃料噴射装置について、過度なコストアップを伴うことなくエンジン停止中のインジェクタからガス燃料が漏出することを確実に回避できるようにして、エンジンの始動性を良好にすることを課題とする。
そこで、本発明は、ガスエンジンのガス燃料噴射システムに配設され、燃料タンクから延設されて先端にインジェクタを配設した燃料送出路と、該燃料送出路の途中に配設されたべーパライザ及び該べーパライザ上流側の遮断弁と、前記インジェクタ及び前記遮断弁の開閉制御を行う制御手段とを備えたガス燃料噴射装置において、前記燃料送出路の遮断弁上流側と前記べーパライザ以降の下流側とを接続するバイパス路が途中に燃料リターン用のポンプを有して設けられており、エンジン停止時に前記制御手段が前記ポンプを駆動させて、前記べーパライザ内に残るガス燃料を前記バイパス路を介して前記燃料タンク側に戻すことにより、前記インジェクタへの燃料供給圧力を所定圧力以下に低下させることを特徴とする。
このように、エンジン停止時にべーパライザ内のガス燃料の量を減少させてインジェクタへの燃料供給圧力を低下させるようにしたことで、装置における耐久性の低下を伴うことなくしかも過度なコストアップを要さずに、エンジン停止中のインジェクタからの燃料漏れを確実に回避できるようになる。
また、このバイパス路が燃料送出路の遮断弁上流側に接続するのはべーパライザの調圧室であり、ポンプを駆動することにより調圧室内のガス燃料を燃料タンク側に戻すものとすれば、燃料の戻し量を最小限としながらインジェクタへの燃料供給圧力を確実に低下させることができる。
さらに、上述したガス燃料噴射装置において、そのポンプの駆動は、所定の圧力検出手段でインジェクタへの燃料供給圧力を検知している制御手段が、燃料供給圧力が所定圧力以下になるまで行うものとすれば、インジェクタからのガス燃料漏出を回避可能な燃料供給圧力までの必要最低限のポンプ駆動で済むものとなり、無駄な電力消費を回避することができるものとなる。
エンジン停止時にべーパライザ内に残るガス燃料をタンク側に戻すものとした本発明によると、過度なコストアップを伴うことなくエンジン停止中のインジェクタからの燃料漏れを確実に回避できるようものとなり、エンジンの始動性を良好にすることができるものである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。尚、以下の説明において、ガスエンジンは車両用のガスエンジンであり、使用するガス燃料はLPGである場合を説明するものとする。
図1は本実施の形態のガス燃料噴射装置を使用するガス燃料噴射システムの配置図を示している。ガス燃料を液体の状態で貯留する燃料タンク1からは、液体燃料送出路4aが延設されてべーパライザ3に接続されている。べーパライザ3の調圧室3a側からは気体燃料送出路4bが延設され、その先端にインジェクタ7が配設されており、べーパライザ3内で液体燃料を減圧・気化して得た気体の状態の燃料をガスエンジン2の吸気通路6内に噴射するようになっている。
また、電子制御ユニット10はこのインジェクタ7の開閉制御を行って、ガスエンジン2の要求する量のガス燃料を供給するようになっている。また、この電子制御ユニット10は、べーパライザ3上流側の液体燃料送出路4a中に設けた遮断弁5を開閉制御するとともに、エンジン冷却水温を検出する温度センサ11、べーパライザ3の調圧室3a内の燃料圧力を検出する圧力センサ12、等の各種センサ信号を検知してこれらによるデータを制御に利用するようになっている。尚、以上の構成は図2の従来例と共通しており、周知の技術である。
本実施の形態において、液体燃料送出路4aの遮断弁5上流側とべーパライザ3の調圧室3aとをバイパス路4cで接続しているとともに、このバイパス路4cに燃料リターン用のポンプ14が配設されて、エンジン停止中に電子制御ユニット10がインジェクタ7への燃料供給圧力が所定の圧力に低下するまでポンプ14を駆動させるものとした点を特徴としている。
そして、これらのバイパス路4c,ポンプ14を含んで、上述した液体燃料送出路4a、遮断弁5、べーパライザ3、温度センサ11、圧力センサ、電子制御ユニット10、気体燃料送出路4b、インジェクタ7で、本実施の形態におけるガス燃料供給装置を構成している。
上述したように従来例においては、エンジン停止時のイグニッションOFFにより遮断弁5が閉弁した際、べーパライザ3内はガス燃料で満たされており、インジェクタ7のバルブ気密性能を燃料供給圧力が上回る場合、遮断弁5より下流側のガス燃料がガスエンジン2側に漏出することにおり、その始動性を悪化させていた。
これに対し、本実施の形態では、エンジン停止時にイグニッションをOFFにすると、電子制御ユニット10が遮断弁5の閉弁に合わせてポンプ14を作動させて、べーパライザ3の調圧室3a内に残るガス燃料(気体の状態)をバイパス路4c及び燃料送出路4aを介して燃料タンク2側に戻す制御を実行するようになっており、その記憶手段にこのような制御方法を実行するためのプログラムが記憶されている点を特徴としている。
この場合、電子制御ユニット10は、べーパライザ3の調圧室3a内の燃料圧力、即ちインジェクタ7への燃料供給圧力の変動を圧力センサ12の検出信号により連続的に検知しており、この圧力がインジェクタ7のバルブからガス燃料が漏出しない所定の圧力レベルに低下するまで、ポンプ14を連続的に駆動させるものとなっている。尚、ポンプ14停止時には、ポンプ14内部燃料通路の気密構造又は所定の通路閉鎖手段によりガス燃料がポンプ14内を通過できないようになっており、調圧室3aによる気体燃料の調圧性能に影響を与えないようになっている。
電子制御ユニット10がこのような制御を行うものとしたことで、べーパライザ3内に残るガス燃料を充分に減少させ、インジェクタ7への燃料送出圧力を充分に低下させることができるものとなり、インジェクタ7のバルブの気密性能が高くなくても、ガスエンジン2側へのガス燃料の漏れ量は最小限に抑えられるものである。
以上、述べたように、液化したガス燃料を気体の状態にして噴射しガスエンジンに供給するガス燃料噴射装置について、本発明により過度なコストアップを伴うことなくエンジン停止中のインジェクタから燃料が漏出することを確実に回避できるものとして、エンジンの始動性を良好にすることが可能となった。
1 燃料タンク、2 ガスエンジン、3 べーパライザ、3a 調圧室、4a 液体燃料送出路、4b 気体燃料送出路、4c バイパス路、5 遮断弁、6 吸気通路、7 インジェクタ、10 電子制御ユニット、11 温度センサ、12 圧力センサ、14 ポンプ
Claims (3)
- ガスエンジンのガス燃料噴射システムに配設され、燃料タンクから延設されて先端にインジェクタを配設した燃料送出路と、該燃料送出路の途中に配設されたべーパライザ及び該べーパライザ上流側の遮断弁と、前記インジェクタ及び前記遮断弁の開閉制御を行う制御手段とを備えたガス燃料噴射装置において、前記燃料送出路の遮断弁上流側と前記べーパライザ以降の下流側とを接続するバイパス路が途中に燃料リターン用のポンプを有して設けられており、エンジン停止時に前記制御手段が前記ポンプを駆動させて、前記べーパライザ内に残るガス燃料を前記バイパス路を介して前記燃料タンク側に戻すことにより、前記インジェクタへの燃料供給圧力を所定圧力以下に低下させることを特徴とするガス燃料噴射装置。
- 前記バイパス路が前記前記べーパライザの調圧室において燃料送出路の遮断弁上流側に接続し、前記ポンプを駆動することにより前記調圧室内のガス燃料を前記燃料タンク側に戻すことを特徴とする請求項1に記載したガス燃料噴射装置。
- 前記ポンプの駆動は、前記べーパライザの調圧室以降の下流側に配設した圧力検出手段で前記燃料供給圧力を検知している前記制御手段が、前記燃料供給圧力が所定圧力以下になるまで行うことを特徴とする請求項1または2に記載したガス燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014020342A (ja) * | 2012-07-23 | 2014-02-03 | Nippon Soken Inc | 内燃機関の燃料供給装置 |
JP2014020343A (ja) * | 2012-07-23 | 2014-02-03 | Nippon Soken Inc | 内燃機関の燃料供給装置 |
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WO2024202453A1 (ja) * | 2023-03-28 | 2024-10-03 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 制御装置、ガスエンジン、制御方法及びプログラム |
-
2006
- 2006-11-08 JP JP2006302462A patent/JP2008115834A/ja not_active Withdrawn
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