JP4608850B2 - 電子素子及びその製造方法 - Google Patents

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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、フラーレン系材料間の接合を有する電子素子、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
異なる電気的特性をもつ2種の材料の接合構造は、様々な機能を示すことが知られている。例えば、p型半導体とn型半導体との接合構造であるpn接合は、現在の半導体素子において最も広く用いられる基本構造になっていて、単独でダイオードとして用いられるとともに、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型等のトランジスタ、制御可能な抵抗や容量、光電変換素子や各種センサ等のより複雑な素子の一部として、多種多様な電子回路中に組み込まれている。
【0003】
その主要な応用分野の一つである論理回路のサイズは、近年における高集積化の進展にともない、年々小さくなっている。図10は、DRAM(ダイナミック・ラム)の集積度及びトランジスタの最小寸法の時間変化を示すグラフである。ムーアの法則としてよく知られているように、デバイスの集積度及びデバイスサイズと時間(年)との間には良い相関が見られ、1970年からの25年間において、DRAMの集積度(チップ当たりのビット数)は3年毎に4倍に増加し続け、逆に、トランジスタの最小寸法は3年毎に0.7倍に縮小し続けてきた(Y. Wada, Microelectronics Journal, 29(1998), 601)。
【0004】
仮にこのような微細化が今後も続くと仮定すると、図10から、デバイスのサイズを代表する長さ、例えばトランジスタのゲート長は、2020年付近で0.1μm以下になると予想される。しかしながら、次に記述する理由で、従来の材料及び製造法による微細化は、ゲート長が0.1μmを切るあたりで限界を迎えると考えられている。
【0005】
従来、長年にわたって、シリコンSiやガリウム砒素GaAsなどの無機半導体材料が、論理回路も含め、様々な半導体デバイス(トランジスタ、ダイオード及び光電変換デバイスなど)の製造に用いられてきた。この製造法の基本は、半導体材料からなる基板の表面上に、写真を現像する要領で電子回路を焼き付け、不要部を化学的に除去し、回路パターンを形成することである。この場合の微細構造の形成方法は、大きなもの(結晶表面)を限界まで小さく精密に削り込んで行く、所謂トップダウン型の方法である。
【0006】
しかしながら、ゲート長が0.1μm以下の領域では、電子回路の焼き付けや回路パターンの形成が作製精度の限界に達し、上記の方法で歩留まり良くデバイスを製造することが困難になる。また、量子的効果がデバイスの動作に支配的な影響を与えるようになり、従来のデバイス設計スキームが成立しなくなることが予想される。
【0007】
上記の問題を解決して、更なる微細化を実現するために、多くの研究がなされ、様々なアイディアが提案されているが、未だに決定的なものは報告されていない。この中で、従来のトップダウン型の方法と異なり、ナノサイズの分子を材料に用いて、小さな部品を組み上げて目的の微細構造を形成して行く、ボトムアップ型の作製方法が注目されている。例えば、ガリウム砒素GaAs結晶の表面に規則的に形成されるインジウム砒素InAsの自己形成量子ドット(メモリ)などもこのタイプである。
【0008】
ボトムアップ型の作製方法に適した材料として、無機系材料ばかりでなく、多種多様な有機系分子も検討されている。特に、ナノサイズ分子材料として近年注目されているものが、フラーレンやカーボンナノチューブといった炭素系ナノ分子である。フラーレンは1985年に発見されたC60に代表される球状又はかご状の分子であり(H. W. Kroto et al., Nature, 318(1985), 162)、ナノチューブは1991年に発見された円筒状(ストロー状)の分子である(S. Iijima, Nature, 354(1991), 56)。
【0009】
これらの分子は、特異な分子構造に起因してsp3−sp2混成軌道を電子状態として有し、それゆえに特異な電気的特性を発現する。即ち、従来知られていた炭素材料では、グラファイトが導電性、ダイアモンドが絶縁性であるのに対し、フラーレンは半導体性、ナノチューブはゼロギャップ半導体性ないし導電性を示す。
【0010】
フラーレンについては、その発見以来、莫大な量の研究がなされてきているが、フラーレン系材料のみを用いて接合構造を形成した例は報告されていない。
【0011】
なお、フラーレン分子とは、分子式Cnで表される球状又はかご状の炭素分子を言い、nは、球状又はかご状分子を形成し得る整数、60、70、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96等である。最も基本的な炭素60個からなるC60は、12個の5員環と20個の6員環で形成された球状の分子であり、より炭素数の多いフラーレン分子は、C60と同数の5員環とC60より多数の6員環で形成されたかご状の分子である。更に、本明細書においては、C36のように、球状又はかご状分子の一部をなす炭素クラスター分子も含めて、フラーレン分子と言うものとする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑み、本発明の目的は、異なる電気的特性をもつ複数のフラーレン系材料の接合構造を有する電子素子及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、フラーレン分子単量体を含む層と、フラーレン分子重合体を含む層とが接合された電子素子に係わり、又、基板上にフラーレン分子を蒸着する工程と、プラズマ、電磁波又は電子線を照射してフラーレン分子重合体を形成する工程とを有する、電子素子の製造方法に係わる。
【0014】
又、基板上にフラーレン分子を蒸着してフラーレン分子単量体を含む層を形成する工程と、蒸着された前記フラーレン分子単量体を含む層の表面にプラズマ、電磁波又は電子線を照射してフラーレン分子重合体を含む層を形成する工程とを有する、電子素子の製造方法に係わり、更に、基板上にフラーレン分子を蒸着する過程と、プラズマ、電磁波又は電子線を照射する過程とを含むフラーレン分子重合体を含む層を形成する工程と、前記フラーレン分子重合体を含む層にさらにフラーレン分子を蒸着し、フラーレン分子単量体を含む層を形成する工程とを有する、電子素子の製造方法にも係わる。
【0015】
本発明によれば、接合面において積層されるフラーレン分子の単量体と重合体とは、同一元素からなり、しかも、共通のフラーレン構造を有する分子同士であるから、親和性が良好であり、単量体を含む層と重合体を含む層との密着性の高い接合面が形成される。
【0016】
接合部の数は単数でも複数でもよく、単数又は複数の前記フラーレン分子単量体を含む層と、単数又は複数の前記フラーレン分子重合体を含む層との組み合わせからなる、任意の積層構造が可能である。
【0017】
フラーレン分子の単量体と重合体とは、次に述べるように、異なる電気的特性をもつから、これらの接合構造は、電気的特性の相違に基づく機能を発現する。
【0018】
なお、単量体を含む層を形成する微結晶及び重合体を含む層を形成する重合体粒子の各粒子径に関しては、これらの粒子がバルク相として安定した電気的特性を示す程度の大きさがあればよく、具体的には5nm以上の大きさがあればよい。従って、通常のサイズの電子素子からナノサイズの電子素子まで、デバイスサイズが変化しても、材料を変えることなく、電子素子を形成することができる。
【0019】
フラーレン分子の中で最も対称性の高いC60分子は、構造的に最も歪みが大きく、その結果、sp3 混成軌道とsp2 混成軌道との軌道の混成も大きい。分子軌道の計算から、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)は3重、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)は5重に縮退している。C60の結晶は、C60分子が面心立方格子を形成する分子結晶で、バンドギャップが約1.6eVであって半導体とみなすことができる。
【0020】
フラーレンの特異な電子特性を用いた様々なデバイスが提案されているが、代表的なものはFET(Field Effect Transistor)構造を用いた電子デバイスである。例えば、Haddonらは、C60結晶をチャネル材料とするFETデバイスを作製し、次の二つのいずれかの条件、即ち、超高真空中、又は、封止材でC60層を空気から遮断してC60層への酸素の侵入を阻止した条件の下で、C60層が、有機半導体としては高いキャリア移動度を有するn型半導体層であることを示した(R. C. Haddon et al., Appl. Phys. Lett., 67(1995), 121、特開平8−264863号公報)。
【0021】
更に、Haddonらは、C70結晶もn型半導体の特性を示すことを明らかにした(R.C.Haddon et al., J. Am. Chem. Soc., 118(1996), 2637)。
【0022】
一方、本発明者を一員とするグループは、プラズマ重合法を用いてC60重合体を作製し、これをチャネル材料とするFETデバイスを作製し、室温・大気雰囲気中でのFET動作に成功し、C60重合体がモノポーラのキャリアがホールであるp型半導体の特性を示すことを発見した((M. Shiraishi et al., Appl. Phys., A74 (2002), 613、特開2001−210829号公報)。
【0023】
従って、例えば、n型を示すフラーレン分子単量体を含む層と、p型を示すフラーレン分子重合体を含む層とを接合すると、従来の無機系半導体材料と同様に、良好な整流特性を示すpn接合を形成できると予想できる。
【0024】
本発明の製造方法は、工程数の少ない、実施の容易な方法であり、効率よく前記電子素子を製造することができる。
【0025】
なお、本明細書において、フラーレン分子の重合体とは、フラーレン分子の2量体から10量体を超える多量体を含み、単量体同士が共有結合等により結ばれた構造を有する重合体を言うものとする。なお、プラズマ重合法によって得られたC60の2量体では、C116が最も多く含まれる化学種である。C120及びC116の分子構造は、それぞれ、図11(a)及び図11(b)に示す構造ではないかと推定されている(特開平6−218141号公報)。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記電子装置は、前記フラーレン分子単量体を含む層がn型半導体層として機能し、前記フラーレン分子重合体を含む層がp型半導体層として機能するものであるのがよい。
【0027】
前記フラーレン分子単量体が、Cn(但し、nは球状又はかご状分子を形成し得る整数である。)で表される炭素分子であるのがよい。
【0028】
或いは、前記フラーレン分子単量体が、金属原子を内包している、Cn(但し、nは球状又はかご状分子を形成し得る整数である。)で表される炭素分子であるのがよい。内包するのに好ましい金属元素は、遷移元素の金属元素で、セリウム(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、ランタン(La)、スカンジウム(Sc)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、テルビウム(Tb)、及びエルビウム(Er)等であり、その内包量は1〜3個/フラーレン分子とするのがよい。
【0029】
前記フラーレン分子重合体は、複数個のフラーレン分子が、共有結合により重合してなる構造を有するもの、より好ましくは、複数個のフラーレン分子が、付加反応及び/又は一部の炭素を脱離させての縮合反応によって重合してなる構造を有するものであり、フラーレン構造を保持しているものであるのがよい。
【0030】
前記フラーレン分子単量体を含む層には、同一炭素原子数からなるフラーレン分子が含まれ、より好ましくは、C60又はC70の結晶を含むのがよい。また、前記フラーレン分子重合体は、同一炭素原子数のフラーレン分子からなる重合体、より好ましくは、C60又はC70からなる重合体であるのがよい。
【0031】
特定のフラーレン分子を選別する理由は、再現性良く一定の電気的特性を示す前記接合構造を有する前記電子素子とするためである。フラーレン分子の中で、アーク放電法等で、現在、最も容易に原料を大量生産できるのは、C60とC70とである。中でも、球状のC60は、ラグビーボール形のC70に比べて重合体化が容易であり、現時点では、フラーレン重合体を製造するのに最も適した材料である。但し、将来、現行方法とは異なるフラーレンの合成法が開発され、C60とC70以外のフラーレンが容易に大量生産できるようになれば、それらを使うのもよい。
【0032】
また、プラズマ重合で形成したC60重合体の導電性は、10-8 〜10-7S/cm程度であるのに対し、同じプラズマ電力で得られるC70重合体の導電性は、はるかに小さく、原料を選別せずに重合した場合の重合体の導電率は、約10-11 〜10-7S/cmである(ちなみに、フラーレン単量体の導電性は、約10-13S/cmである。)。重合体の導電性からも、選別されたC60 が最も適した材料である。
【0033】
また、前記電子素子において、導電性の基体上に、前記フラーレン分子単量体を含む層と、前記フラーレン分子重合体を含む層との接合体が形成され、前記接合体の上に電極が設けられているのがよい。
【0034】
この場合、前記基体が絶縁性基板と第1電極との積層体からなり、前記第1電極上に、前記フラーレン分子単量体を含む層と、前記フラーレン分子重合体を含む層との前記接合体が積層されているのがよい。又は、前記基体が半導体又は導体基板と第1電極との積層体からなり、前記半導体又は導体基板上に、前記フラーレン分子単量体を含む層と、前記フラーレン分子重合体を含む層との前記接合体が積層されているのがよい。
【0035】
また、前記電子素子は、前記接合構造の電気的特性を用いた動作を行う電子装置を構成するのがよい。
【0036】
前記単量体を含む層は、真空蒸着によって形成するのがよい。また、前記重合体を含む層は、プラズマ重合法(N. Takahashi et al., J. Appl. Phys., 74(1993), 5790)、光重合法(A. M. Rao et al., Science, 259(1993), 955)、又は電子線重合法(Y. B. Zhao et al., Appl. Phys. Lett., 64(1994), 577)によって形成するのがよい。圧力重合(Y. Iwasa et al., Science, 264(1994), 1570)、電荷移動による重合(O. Chauvet, Nature, 370(1994), 636)は報告されているが、電子デバイスに用いることはできない。以下、適用可能な3つの重合法の概略を説明する。
【0037】
プラズマ重合法:プラズマの発生方法の違いで、直流プラズマ法、高周波プラズマ法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ法等があるが、プラズマから重合のためのエネルギーを供給する点は同じである。
【0038】
真空容器内に低圧の不活性ガス(アルゴン等)を流しながら、例えば、高周波電源から高周波電圧を電極間に印加してプラズマを発生させ、同時にフラーレン分子単量体を基板に向けて昇華させると、プラズマガスの分子やイオンとの衝突によって励起されたフラーレン分子が重合して、基板上にフラーレン重合体を含む層を形成する。
【0039】
光(電磁波)重合法:この重合法は、重合のためのエネルギーを紫外光等の電磁波の照射によって供給する方法である。装置としては、真空容器の反応室と、フラーレン分子を加熱して昇華させる抵抗加熱等の加熱手段と、反応室の窓を通して紫外線等の光を照射する照射手段とを備えたものを使用し、フラーレンを蒸着しつつ紫外光等の電磁波の照射を一定時間続けることによって、基板上にフラーレン重合体を含む層を形成するものである。この際、フラーレン分子は、紫外光等の電磁波によって励起され、この励起状態を経て重合する。
【0040】
なお、上記のように蒸着の過程ではなく、いったん蒸着膜を形成した後、これに紫外線等を照射しても重合させることができる。ただし、この場合、膜の表層のみが重合体化し、膜内部は重合しないことがあるから、注意すべきである。
【0041】
電子線重合法:この重合法は、重合のためのエネルギーを電子銃から発射される電子線によって供給する方法である。重合の原理は光重合法と同様であり、フラーレン分子は電子線衝撃によって励起され、この励起状態を経て重合する。
【0042】
前記単量体を含む層及び前記重合体を含む層の形成に際して、ほぼ無酸素雰囲気下で各工程が行われるのが望ましい。C60等のフラーレン分子間には弱いファンデルワールス力しか働かないので、C60単量体を含む層を空気に曝すと、フラーレン分子間に酸素が侵入して構造的に劣化するとともに、吸着された酸素の作用で、電子の移動度が著しく低下することが知られている。後述する実施の形態のように、前記単量体を含む層及び前記重合体を含む層を同一チャンバ内で空気に曝すことなく形成すれば、前記C60単量体を含む層が酸素によって劣化するのを防ぐことができる。
【0043】
また、前記電子素子の表面に前記C60単量体を含む層を大気から遮断して密封するような表面層を設ければ、前記C60単量体を含む層の劣化を防止できる。表面層を形成する封止材としては、ガラスや酸化シリコン等、緊密で化学的に安定な膜を作り得る材料であればよく、特に限定されるものではない。
【0044】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0045】
実施の形態1:pn接合装置(1)とその作製
図1は、本発明の好ましい実施の形態に基づくpn接合装置(1)の概略断面図である。基板1上に、第1電極2、フラーレン分子単量体層3、フラーレン分子重合体層4、第2電極5が、この順で積層されている。
【0046】
図2は、本実施の形態のpn接合装置(1)の作製に用いる外部電極式容量結合型のプラズマ重合装置の概略構成図である。このプラズマ重合装置は、容積約20リットルの真空チャンバ11を有し、この真空チャンバ11には窒素ガス供給管2、アルゴンガス供給管3が設けられている。また、真空チャンバ11の底部には、油拡散ポンプ43やロータリーポンプ41、42、液体窒素トラップ44、45等からなる真空排気系に連結された排気口14が設けられている。
【0047】
また、真空チャンバ11の上部には、プラズマ発生用電極15が3.5cmの間隔を隔てて真空チャンバ11の外部に設置され、インピーダンス整合器17を介してプラズマ電源18に接続されている。プラズマ電源18の出力は、交流13.56MHzのラジオ波で、最高出力は150Wである。
【0048】
また、真空チャンバ11内には、フラーレン昇華用のモリブデンボート20および基板1が7cmの間隔を隔てて対向して設置されており、モリブデンボート20には試料加熱用直流電源21が接続されている。
【0049】
以下、図2の装置を用いてプラズマ重合によりフラーレン重合体を形成して、pn接合装置(1)を作製する方法を工程順に説明する。
【0050】
基板1は、化学的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、フラーレン分子単量体層3を高真空下での蒸着によって形成する場合には、高真空状態の形成の妨げとなるガスの放出が少ないものであるのが望ましく、例えば、石英ガラス(SiO2)基板等を用いる。
【0051】
第1電極2と第2電極5も、化学的に安定で、フラーレンの単量体及び重合体と良好なオーム性接触をとれるもの、例えば、金電極が良い。通常、300nmの厚さの金電極を真空蒸着によって形成する。電極の形成は、図2の装置内で行ってもよいが、別の装置で行ってもよい。
【0052】
導電型がn型のフラーレン分子の単量体層3と接合できる電極材料としては、金以外に、アルミニウム、タングステン、タンタル、モリブデン等の多くの金属や、燐又は砒素等の不純物をドープしたn型ポリシリコンなどを挙げることができる。
【0053】
導電型がp型のフラーレン分子の重合体層4と接合できる電極材料としては、金以外に、白金やITO(Indium Tin Oxide)、酸化錫SnO2 、酸化インジウムIn2O3 などを挙げることができる。
【0054】
第1電極2の上に、フラーレン分子の単量体層3を真空蒸着によって形成する。この時の真空度は、通常、10-6Paとし、原料のフラーレン分子は、予めモリブデンボート20上に載置しておき、抵抗加熱法で加熱することにより昇華させ、基板1上にフラーレン分子の単量体層3を堆積させる。通常の昇華温度は400℃である。フラーレン分子がC60である場合には、通常、単量体層3の厚さを100nmとするが、これより薄い膜厚、例えば10nm程度でも問題はない。C60単量体層3の大きさも任意に変えることができる。
【0055】
所望の厚さのフラーレン分子の単量体層3を金電極2の上に成長させた後、一旦フラーレン分子の昇華、蒸着を停止させる。そして、一定流量のアルゴンガスを真空チャンバ11内に導入し、アルゴンプラズマを発生させる。この時のアルゴンガスの圧力は13.5Paで、プラズマ電力は50Wである。
【0056】
プラズマの発生を確認したのちに、フラーレン分子の昇華を再開して、今度はアルゴンプラズマによって重合体化されたフラーレンの重合体層4を形成し、単量体層3の上に積層する。フラーレン分子がC60である場合には、重合体層4の典型的な厚さは100nmである。
【0057】
最後に、第1電極2と同様に第2電極5を形成して、フラーレンのみからなるpn接合装置(1)の作製を終了する。
【0058】
なお、図2の装置において、形成中の単量体層3及び重合体層4の厚さは膜厚センサ22によって連続的にモニタし、所望の厚さを有する層を形成することができる。
【0059】
本実施の形態では、単量体層3の上に重合体層4を積層したが、これを逆にして、重合体層4の上に単量体層3を積層してもよい。いずれにしても、同一の原料から、同一のチャンバ内でプラズマ生成のONとOFFの切り換えのみで単量体層3と重合体層4とを作り分けることができるのは、本実施の形態の大きな特徴である。
【0060】
このため、少ない工程数で、効率よく、pn接合装置を製造することができる。更に、単量体層3を空気に曝すことなくpn接合装置を完成できるので、単量体層3が酸素によって劣化するのを防ぐことができる。
【0061】
本実施の形態では、単量体層3と重合体層4とを同一の原料フラーレンから作製する例を示したが、これに限るものではない。例えば、単量体層3をC60とC70との混合物を原料として形成し、重合体層4のみを精製されたC60を原料として形成してもよい。このようにすれば、単量体層3の形成においては、C60とC70との分離の手間を省けるとともに、重合体層4の形成においては、選別されたC60のみを用いて、重合体層4の品質を高く維持することができる。
【0062】
また、単量体層3及び/又は重合体層4に、その導電性を高め得る不純物をドーピングしてもよい。例えば、単量体層3を作製する原料として、アルカリ金属原子をドープしたフラーレンを用いる等である。
【0063】
<原料フラーレンの調製>
上記のpn接合装置の作製において、モリブデンボート20上に載置して使用した原料のフラーレンは、次のようにして調製する。即ち、まず、公知の方法により、グラファイト電極間のアーク放電により生成した炭素粉末をトルエン、二硫化炭素等の溶媒で抽出するか、或いは、直接昇華するかにより、C60とC70との混合物(C60とC70との質量比は約9:1)を得る。
【0064】
或いは、電気炉中で雰囲気ガスを高温に保ちながらグラファイトにレーザーを照射する、公知の電気炉−レーザーアブレーション法を用いて、フラーレンを合成してもよい。このとき、グラファイト中にあらかじめ金属酸化物の粉を含ませておくと、金属原子を内包した安定なフラーレンを合成することができる。
【0065】
次に、この混合物をカラムクロマトグラフィにより、例えば、活性アルミナカラムを用い、トルエンとヘキサンとの混合溶媒(トルエンとヘキサンの体積比は1:9)で展開し、C60とC70とを分離し、精製する。
【0066】
実施の形態2:pn接合装置(2)とそれを用いた電子回路
図3(a)は、基板として導電性基板101を用いる場合の、本発明の好ましい実施の形態に基づくpn接合装置(2)の概略断面図である。例えば、他の電子素子もモノリシックに同一基板上に作りつけたい場合、基板の材料として、n型シリコンやp型シリコン、ガリウム砒素GaAs及びインジウム燐InP等の半導体基板を用いるのがよい。
【0067】
このように基板が半導体又は金属等の導電性基板101である場合には、基板101の上に直接フラーレン分子単量体層3やフラーレン分子重合体層4を形成するのがよい。但し、基板101との間にpn接合が形成されないように、基板101の直上に積層させる層の導電型と基板101の導電型とが一致するように、基板101の材料を選択する。
【0068】
例えば、直上に積層させる層がn型のC60単量体層の場合は基板101としてn型シリコンを用い、直上に積層させる層がp型のC60重合体層の場合は基板101としてp型シリコンを用いる。
【0069】
図3(a)では、第1電極2はpn接合から見て基板101の裏面に設けられているが、第1電極2の位置はこれに限るものではなく、適当な位置に設ければよい。
【0070】
導電型がn型のフラーレン分子の単量体層3と接合できる電極材料としては、金以外に、アルミニウム、タングステン、タンタル、モリブデン等の多くの金属や、燐又は砒素等の不純物をドープしたn型ポリシリコンなどを挙げることができる。
【0071】
導電型がp型のフラーレン分子の重合体層4と接合できる電極材料としては、金以外に、白金やITO(Indium Tin Oxide)、酸化錫SnO2 、酸化インジウムIn2O3 などを挙げることができる。
【0072】
第1電極2の材料としては、基板101がn型の半導体基板である場合には、基板101よりも仕事関数の小さい金属であればよく、アルミニウム、タングステン、タンタル、モリブデン等のほぼすべての金属が使用できる。一方、基板101がp型の半導体基板である場合には、基板101よりも仕事関数の大きい金属を選ぶ必要があり、白金や金などの一部の金属やITO(Indium Tin Oxide)、酸化錫SnO2 、酸化インジウムIn2O3 などに選択肢が限られる。従って、デバイス設計上は、n型基板を用いる方が材料選択等の幅が大きい。
【0073】
図3(b)は、p型シリコン基板51の上にpn接合ダイオード60とMOS型構造のトランジスタ50を作製し、MOS型トランジスタ50のゲート電極53に印加する電圧で制御しながら、ダイオード60を駆動するようにした電子装置の例である。
【0074】
この電子装置では、pn接合ダイオード60の第2の電極5が直流電源の正極側に接続され、MOS型トランジスタ50のドレイン電極54が電源の負極側に接続される。pn接合ダイオード60の第1の電極2は省略され、フラーレン分子単量体層3は、p型シリコン基板51上に形成されたn型領域52の上に直接積層される。このn型領域52は、制御用MOS型トランジスタ50のソース電極55に接続されている。
【0075】
【実施例】
次に、本発明の好ましい実施例を挙げて、本発明に基づくダイオードについて具体的に説明する。
【0076】
実施例1
実施の形態1で説明したpn接合装置(1)において、C60フラーレン分子を原料として用いて、単量体層3及び重合体層4を形成し、第1電極及び第2電極に金電極を用いて、ダイオードを作製した。図4は、このダイオードの電圧−電流曲線である。図4から、pn接合に印加される電圧が約2.2Vをこえる付近から電流値の立ち上がりが見られ、作製されたpn接合が整流特性を示し、pn接合装置がダイオードとして動作することがわかる。
【0077】
図5は、本ダイオードの整流特性を説明するためのエネルギー図である。フラーレン単量体層3のHOMO、LUMOは、それぞれ、真空準位より5.0eV、3.4eVだけ低い位置にある。一方、フラーレン重合体層4のHOMO、LUMOは、それぞれ、真空準位より4.3eV、2.8eVだけ低い位置にある。これがそのまま変化せずにpn接合の界面を形成するとすると、界面にはHOMOで0.7eV、LUMOで0.6eVのポテンシャル障壁が形成されており、これが整流作用の原因であると考えられる。
【0078】
図5から、理想的には、pn接合に印加される電圧が約0.6〜0.8Vをこえる付近から電流値が立ち上がると予想される。しかし、実際の立ち上がり電圧は、これよりやや高い。
【0079】
この原因は、次のように考えられる。半導体をpn接合させた場合、フェルミ準位が同じになるように接合され、それにあわせて伝導帯と価電子帯の位置も決まる。この時、伝導帯にはノッチとスパイクという一連のエネルギーの不連続面が現れ、価電子帯にはトビという不連続面が現れる。このうち、ノッチとスパイクとの両方が、電子の移動にとっての障壁になる(なお、トビの方はホールにとって移動の障壁にはならないので問題にはならない。)。また、電極とフラーレン層との界面に形成される微小抵抗層等による影響も考えられる。
【0080】
実施例2
本実施例では、ジスプロシウム(Dy)原子を1個/フラーレン分子の割合で内包し、導電型がn型である金属原子内包C82フラーレン分子を原料として、単量体層3を形成した。それ以外は、実施例1と同様にしてダイオードを作製した。図6は、このダイオードの電流−電圧曲線である。図6から、pn接合に印加される電圧が約2.0Vをこえる付近から電流値の立ち上がりが見られ、作製されたpn接合が整流特性を示し、pn接合装置がダイオードとして動作することがわかる。
【0081】
図4と比べると、単量体層の材料として、大きなバンドギャップ不連続を有する金属原子内包C82フラーレン分子を用いることにより、より明瞭なダイオード特性を得ることができることがわかる。また、金属原子内包C82フラーレン分子を用いると、金属内包フラーレンのLUMOがフラーレンポリマー層のHOMOより低くなることが可能であり、微分負性抵抗を有するトンネルダイオードの作製が可能になる等のメリットがある。
【0082】
図7は、本ダイオードの整流特性を説明するためのエネルギー図である。ジスプロシウム(Dy)原子内包C82フラーレン単量体層3のHOMO、LUMOは、それぞれ、真空準位より5.4eV、4.54eVだけ低い位置にある。一方、フラーレン重合体層4のHOMO、LUMOは、前述したように、それぞれ、真空準位より4.3eV、2.8eVだけ低い位置にある。これがそのまま変化せずにpn接合の界面を形成するとすると、界面にはHOMOで1.1eV、LUMOで1.74eVのポテンシャル障壁が形成されており、これが整流作用の原因であると考えられる。
【0083】
図7から、理想的には、pn接合に印加される電圧が約1.8〜2.2Vをこえる付近から電流値が立ち上がると予想される。しかし、実際の立ち上がり電圧は、これよりやや高い。この原因は、実施例1と同様、半導体をpn接合させた場合に伝導帯に現れるノッチとスパイクとに原因があると考えられる。
【0084】
図8は、ジスプロシウム(Dy)原子内包C82フラーレン単量体層のHOMO及びLUMOのエネルギー準位を説明するためのエネルギー図である。ここでは空気に曝した金を参照電極とした。金の仕事関数は、真空中での値と、空気に曝した状態での値が異なることが知られている。図中、4.79eVは、空気に曝した状態の金の仕事関数である(N.Hayashi et al., J. Appl. Phys., 92, 3784 (2002))。また、図中、真空準位シフトとは、この系に見られる真空準位の移動の度合いである。LUMOは4.54eV、HOMOは5.4eV付近に存在することが我々の実験結果からわかっている(M.Shiraishi et al., Physical Review B, in preparation)。
【0085】
フラーレン単量体層3の原料として、ジスプロシウム(Dy)原子内包C82フラーレンの代わりに、セリウム(Ce)原子内包C82フラーレンやスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド原子などを内包したC60フラーレンを用いることもできる。
【0086】
図9は、ジスプロシウム(Dy)原子内包C60フラーレン単量体層3のHOMO及びLUMOのエネルギー準位を説明するためのエネルギー図である。上記と同様、空気に曝した金を参照電極とした。真空準位シフトとは、この系に見られる真空準位の移動の度合いである。ジスプロシウム(Dy)原子内包C60フラーレンのバンドギャップEgは、Nagaseらの計算(S.Nagase et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 69, (1996), 2131)から1.1eVと見積もられる。また他の材料からの類推からLUMOは4.3eV付近に、HOMOは5.5eV付近にあると思われる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0088】
【発明の作用効果】
本発明によれば、接合面において積層されるフラーレン分子の単量体と重合体とは、同一元素からなり、しかも、共通のフラーレン構造を有する分子同士であるから、親和性が良好であり、単量体を含む層と重合体を含む層との密着性の高い接合面が形成される。
【0089】
フラーレン分子の単量体と重合体とは、異なる電気的特性をもつから、これらの接合構造は、電気的特性の相違に基づく機能を発現する。
【0090】
接合部の数は単数でも複数でもよく、単数又は複数の前記フラーレン分子単量体を含む層と、単数又は複数の前記フラーレン分子重合体を含む層との組み合わせからなる、任意の積層構造が可能である。
【0091】
なお、単量体を含む層を形成する微結晶及び重合体を含む層を形成する重合体粒子の各粒子径に関しては、これらの粒子がバルク相として安定した電気的特性を示す程度の大きさがあればよく、具体的には5nm以上の大きさがあればよい。従って、通常のサイズの電子素子からナノサイズの電子素子まで、デバイスサイズが変化しても、材料を変えることなく、電子素子を形成することができる。
【0092】
本発明の製造方法は、工程数の少ない、実施の容易な方法であり、効率よく前記pn接合装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に基づくpn接合装置の概略断面図である。
【図2】同、pn接合装置の作製に用いられる、プラズマ重合装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2に基づくpn接合装置、及びそれを応用した電子装置の概略断面図である。
【図4】本発明の実施例1によるダイオードの電流−電圧特性を示すグラフである。
【図5】同、ダイオードのエネルギー図である。
【図6】本発明の実施例2による、ジスプロシウム(Dy)原子内包C82フラーレン単量体層とC60フラーレン重合体層とからなる微分負性抵抗トンネルダイオードの電流−電圧特性を示すグラフである。
【図7】同、ダイオードのエネルギー図である。
【図8】同、ジスプロシウム(Dy)原子内包C82フラーレン単量体層のHOMO及びLUMOのエネルギー準位を説明するためのエネルギー図である。
【図9】同、ジスプロシウム(Dy)原子内包C60フラーレン単量体層のHOMO及びLUMOのエネルギー準位を説明するためのエネルギー図である。
【図10】DRAMの集積度及びトランジスタの最小寸法の時間変化を示すグラフである。
【図11】先願発明のプラズマ重合法によって得られたC60の2量体であるC120及びC116の推定分子構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1…基板、2…第1電極、3…フラーレン単量体層、4…フラーレン重合体層、
5…第2電極、11…真空チャンバ、12…窒素ガス供給管、
13…アルゴンガス供給管、14…排気口、15…プラズマ発生用電極、
17…インピーダンス整合器、18…プラズマ電源、19…ファラデーケージ、
20…モリブデンボート、21…試料加熱用直流電源、22…膜厚センサ、
41、42…ロータリーポンプ、43…油拡散ポンプ、
44、45…液体窒素トラップ、50…MOS型トランジスタ、
51…p型シリコン基板、52…n+型領域、53…ゲート電極、
54…ドレイン電極、55…ソース電極、56…絶縁膜、
60…pn接合ダイオード、101…導電性基板

Claims (17)

  1. フラーレン分子単量体からなる層がn型半導体層として機能し、フラーレン分子重合体からなる層がp型半導体層として機能し、前記フラーレン分子単量体からなる層と前記フラーレン分子重合体からなる層とが接合されてpn接合を形成している、電子素子。
  2. 前記フラーレン分子単量体が、Cn(但し、nは球状又はかご状分子を形成し得る整数である。)で表される炭素分子である、請求項1に記載した電子素子。
  3. 前記フラーレン分子単量体が、金属原子を内包している、Cn(但し、nは球状又はかご状分子を形成し得る整数である。)で表される炭素分子である、請求項1に記載した電子素子。
  4. 前記フラーレン分子単量体からなる層が、同一炭素原子数フラーレン分子単量体からなる、請求項1に記載した電子素子。
  5. 前記フラーレン分子単量体からなる層が、C60又はC70の結晶からなる、請求項に記載した電子素子。
  6. 前記フラーレン分子重合体は、複数個のフラーレン分子単量体が、共有結合により重合してなる構造を有する、請求項1に記載した電子素子。
  7. 前記フラーレン分子重合体は、複数個のフラーレン分子単量体が、付加反応及び/又は一部の炭素を脱離させての縮合反応によって重合してなる構造を有する、請求項1に記載した電子素子。
  8. 前記フラーレン分子重合体からなる層は、同一炭素原子数のフラーレン分子単量体の重合体からなる、請求項1に記載した電子素子。
  9. 前記フラーレン分子重合体からなる層は、C60又はC70 の重合体からなる、請求項に記載した電子素子。
  10. 導電性の基体上に、前記フラーレン分子単量体からなる層と、前記フラーレン分子重合体からなる層とが積層されることによって接合体が形成され、この接合体の上に電極が設けられている、請求項1に記載した電子素子。
  11. 前記基体が絶縁性基板と電極との積層体からなり、この電極上に前記接合体が形成されている、請求項10に記載した電子素子。
  12. 前記基体が半導体又は導体基板と電極との積層体からなり、前記半導体又は導体基板上に前記接合体が形成されている、請求項10に記載した電子素子。
  13. 前記pn接合の電気的特性を用いた動作を行う電子装置を構成する、請求項1に記載した電子素子。
  14. フラーレン分子単量体を昇華させて基板上に蒸着して、n型半導体 層として機能するフラーレン分子単量体からなる層を形成する工程と、
    フラーレン分子単量体を昇華させ、この昇華物にプラズマ、電磁波又は電子線を照射 してフラーレン分子重合体を生成させ、前記フラーレン分子単量体からなる層に接合す るp型半導体層として機能するフラーレン分子重合体からなる層を形成する工程と
    を有する、電子素子の製造方法。
  15. 前記基板上に前記フラーレン分子単量体からなる層を形成このフラーレン分子単量体からなる層の表面に前記フラーレン分子重合体からなる層を形成する、請求項14に記載した電子素子の製造方法。
  16. 前記基板上に前記フラーレン分子重合体からなる層を形成このフラーレン分子重合体からなる層に更にフラーレン分子単量体を蒸着して前記フラーレン分子単量体からなる層を形成する、請求項14に記載した電子素子の製造方法。
  17. 無酸素雰囲気下で各工程、請求項14に記載した電子素子の製造方法。
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