JP4608713B2 - 反応生成液からのアルデヒドの回収法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は炭化水素溶媒の存在におけるロジウム−有機リン系触媒によるオレフィン誘導体のヒドロホルミル化によって生成した高沸点アルデヒドの回収法に関する。より詳細には液状生成物抜出し方式のヒドロホルミル化プロセスから得られた、ロジウム触媒、有機リン化合物、アルデヒド及び炭化水素溶媒を含んだ反応生成液から、該高沸点アルデヒドを回収する方法に関する。ヒドロホルミル化反応は、炭素−炭素二重結合に水素と一酸化炭素を各々1モル付加させることによって、オレフィンをそれよりも炭素数が一つ多いアルデヒド生成物へ転化する方法として知られている。有機基質が炭素−炭素二重結合を二つ以上含有すると、その基質に2個以上のホルミル基が付加し、生成物分子に含まれる炭素数を2個以上増加させることができる。また、オレフィンが炭化水素のみで形成されている場合に限らずカルボキシル基やアルデヒド基、ヒドロキシル基などをもともと分子内に持っている場合や、炭化水素のみで形成されている場合でも炭素数が6以上の場合、その生成したアルデヒドの分子量および沸点は共に著しく増加する。そこで、高沸点アルデヒドを簡便なるプロセスで回収できる工業的技術の確立が望まれる。
【0002】
【従来の技術】
工業的なヒドロホルミル化反応によるアルデヒドの製造法がロジウム−有機リン化合物系触媒を用いて、エチレンやプロピレンのような低級オレフィンにおいて実施されている。これらの製造方法では、アルデヒドと触媒成分との混合物からアルデヒドを分離する方法として蒸留法が採用されている。ロジウム−有機リン化合物からなる触媒は熱安定性に乏しく、これらの低沸点アルデヒドは、反応器中に含まれる高沸点反応混合物からアルデヒド生成物を蒸気として留出するため未反応ガスを使用するガスストリッピング式反応器により回収できる。この方法は比較的低沸点のアルデヒドについては、蒸気圧がヒドロホルミル化プロセスの操作温度では比較的高いのでうまくいく。アルデヒドの沸点が上昇すると、等量の生成物を取り出すためにストリッピングガス流量を増加させなければならず、しだいに非現実的となる。別の生成物分離法は触媒系を含有する高沸点残留物から高沸点生成物を高温減圧蒸留によって触媒から分離する方法である。しかし、触媒系が熱安定性に乏しいため、高価な金属ロジウムがプロセス装置表面に沈着してヒドロホルミル化プロセスから損失してしまう問題を有している。
【0003】
蒸留法に変わり得る高沸点アルデヒドの回収法としては、抽出分離法、膜分離法、触媒固定化法が提案されている(一般的総説として J.of Mol.Cat.A.,104(1995)P17-85; J.of Mol.Cat.A.,116(1997)39-42; 触媒学会誌 vol.39,No5(1997)P341-346)。
【0004】
抽出分離法として、水溶性のトリスルホン化トリフェニルホスフィンナトリウム塩を配位子とするロジウム触媒により、有機−水二層系でのプロピレンのヒドロホルミル化プロセスが実用化されている。反応後の層分離で生じる触媒を含む水層は循環使用されている。この有機−水二層系でのヒドロホルミル化プロセスは混合ブテンには適用可能と言われているが、さらに炭素数の多いオレフィン原料では水層への溶解度が乏しくなるため、反応速度が低下して実用的プロセスとしては成り立たない。
【0005】
特表公6−501958号公報には、オレフィンのロジウム触媒を用いるヒドロホルミル化反応によって製造された高沸点アルデヒドを回収するための、第一アルカノールおよび水を含んでなる抽出溶媒を用いる方法が提案されている。この方法を本研究者らが検討したところ、各種高沸点アルデヒドの抽出溶媒への分配係数が低く、その分離効率も悪かった。ロジウムの回収率を上げるためにはカルボン酸のナトリウム塩を多量に添加する必要があり、生成系から高沸点アルデヒドを回収しようとするとカルボン酸のナトリウム塩が固体として析出するなど系が複雑になる。アルデヒドはカルボン酸のナトリウム塩の影響で熱履歴によりアルドール縮合反応を起こし、高沸点アルデヒドの収率を著しく低下させる。また、有機リン化合物の回収率は満足いくものではなかった。抽出溶媒としてメタノールなどの第一アルカノールを使用するため、抽出された高沸点アルデヒドはアセタールを生成し収率も低下し好ましい方法ではなかった。
【0006】
膜分離法で触媒成分と高沸点アルデヒドとしてジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化生成物を分離する方法が特開平2-231435号公報、特開平10-59890号公報、特開平10-72395号公報に開示されている。ロジウム錯塩化合物と配位子として高分子量のスルホン化トリフェニルホスフィンの4級アンモニウム塩を用い、芳香族ポリアミド膜により二段階膜分離を実施している。しかし、この方法では高価な配位子を用いなければならない点、膜の耐久性などに問題があり工業化されていない。また、特許記載の触媒系では高いヒドロホルミル化収率を得るには27MPa という高い反応圧を必要としている。
【0007】
触媒固定化法として米国特許第4,144,191 号および第4,262,147 号にはポリマーのアミン基に結合しているロジウム触媒を使用しているが、樹脂担体から反応系にロジウムが溶出することを防ぐことはできない。
【0008】
本研究者らは、内部オレフィンであるジシクロペンタジエンおよびトリシクロペンタジエンから対応するジアルデヒドであるトリシクロデカンジカルバルデヒドおよびペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒを製造する方法を検討し〔式(I)および式(II)として以下に示す〕、反応生成液に多価アルコールからなる抽出溶媒を添加、混合して炭化水素層と抽出溶媒層に分離して、目的物を抽出溶媒層より得る方法を見いだし特願平11-188687 号公報として提案している。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
しかし、この出願では内部オレフィンであるジシクロペンタジエンおよびトリシクロペンタジエンからの対応するジアルデヒドの製造のみを検討したものであり、外部オフィンやカルボン酸基やアルデヒド基、ヒドロキシル基などをもともと分子内に持っているオレフィン誘導体、炭素数が6以上のオレフィン誘導体、分子内に炭素−炭素二重結合を多数個持っているオレフィン誘導体への応用は実施しておらず、その適用が可能か否か不明であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、蒸留法で必要とされる高温をかけることなく、アルデヒドを分離する手段を確立することにある。このような分離法は、触媒成分を各種アルデヒド生成物から効率的に分離してヒドロホルミル化反応器に戻す操作に適用可能でなければならない。また、この分離法は例えばアルデヒドをアルコール、カルボン酸、アミン誘導体へ転化するプロセスにおいて適した形態の高沸点アルデヒド生成物を提供しなければならない。
【0012】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(1)炭素数が8以上のジアルデヒド、(2)ロジウム化合物及び有機リン化合物からなる触媒成分及び(3)炭化水素溶媒を含むヒドロホルミル化反応生成液と、水を含まない炭素数2〜6の多価アルコールのみからなる抽出溶媒とを酸素濃度1000ppm以下の雰囲気で混合した後、得られた混合物を炭化水素溶媒層と抽出溶媒層に2層分離し、抽出溶媒層より該アルデヒドを単離することにより、各種ジアルデヒドを回収することが出来るようになった。またこの際、抽出溶媒への触媒成分の溶出をほとんど無視できるレベルに低減できた。即ち、炭化水素溶媒への溶解度が抽出溶媒への溶解度の10倍以上である有機リン化合物を選択すると、触媒成分である有機リン化合物の溶出をほとんど無視できるレベルに低減出来た。本発明は各種アルデヒド、特に大気圧において130℃以上の沸点を有する高沸点ジアルデヒドと触媒成分の分離法として有効であるばかりでなく、高沸点ジアルデヒドがトリシクロデカンジカルバルデヒドおよび/またはペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドである場合にも適用可能であることを見いだした。
【0013】
本発明に用いられるヒドロホルミル化生成液は多くのヒドロホルミル化プロセスからの生成液に適用可能である。本発明により回収または分離されるアルデヒドはアルデヒド基を1個、2個、3個またはそれ以上含有する、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物または複素環式化合物である。このアルデヒドは好ましくは炭素数6以上であり、且つ1気圧において130℃の沸点を有するアルデヒドである。また、原料となるオレフィンは内部オレフィン、外部オレフィンどちらでもよく、分子内に両者を含有していてもよい。
【0014】
原料となるオレフィンとしては以下の化合物が挙げられる。脂肪族モノアルデヒドの原料である脂肪族モノオレフィンとして、1−ブテン、2−ブテンなどの各異性体および混合ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセンの各異性体とその混合物、および各種α−オレフィン、ビニルシクロヘキサン類などが挙げられる。脂肪族ジアルデヒドの原料である脂肪族ジオレフィンとして、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、ジビニルシクロヘキセンなどが挙げられる。脂環式アルデヒドの原料である脂環式オレフィンとして、シクロヘキセン、1,5−シクロオクタジエン、シクロデカトリエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビニルシクロヘキセン、テルペン類などが挙げられる。芳香族骨格および複素環を有するオレフィンとしてはスチレン類、ジビニルベンゼン類、ビニルピリジン類が挙げられる。脂肪族アルケナールとしては3−ブテン−1−アール、5−ヘキセン−1−ア−ル、7−オクテン−1−ア−ル、9−デケン−1−ア−ル、11−ドデケン−1−アールなどが挙げられる。脂環式アルケナールとしては3−(3−ビニルシクロヘキシル)プロピオンアルデヒド、3−(4−ビニルシクロヘキシル)プロピオンアルデヒド、トリシクロデセンアルデヒドなどが挙げられる。芳香族骨格を有するアルケナールとしては(3−ビニルフェニル)アセトアルデヒド、(4−ビニルフェニル)アセトアルデヒド、3−ビニルベンズアルデヒド、4−ビニルベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0015】
また、原料オレフィンに各種置換基が存在していてもよく、そのような置換基としてはヒドロキシル基、エーテルおよびアセタールを含むアルコキシ基、アセトキシのようなアルカノイルオキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキサミド基、ケト基、シアノ基、ハロゲン基などが含まれていてもよい。
【0016】
本発明におけるアルデヒド合成用の金属錯体触媒としては、反応条件下においてヒドロホルミル化触媒能を有する任意のコバルト化合物、またはその他のロジウム化合物を用いることができるが、比較的温和な条件で反応を進行することができるロジウム−有機リン化合物を用いることが好ましい。本発明で使用されるロジウム化合物は有機リン化合物と錯体を形成し水素と一酸化炭素存在下でヒドロホルミル化活性を示す物であればその前駆体の形態によらない。すなわち、Rh(acac)(CO)2, Rh2O3, Rh4(CO)12, Rh6(CO)16, Rh(NO3)3などの触媒前駆体物質を有機リン化合物と一緒に反応混合物中に導入し反応容器内で触媒活性を持つロジウム金属ヒドリドカルボニルリン錯体を形成させてもよいし、あらかじめロジウム金属ヒドリドカルボニルリン触媒を調製してそれを反応容器内に導入してもよい。本発明の好ましい具体例では、Rh(acac)(CO)2 をロジウム前駆体物質として使用して溶媒の存在下に有機リン化合物と反応させた後、過剰の遊離有機リン化合物と一緒に反応器に導入し、触媒活性を持つロジウム−有機リン錯体触媒とすることができる。いずれにしても、本発明の目的に対しては、ヒドロホルミル化反応で使用される一酸化炭素および水素の存在する条件下で活性ロジウム−有機リン触媒が反応混合物中に存在すれば充分である。
【0017】
本発明において、ロジウム化合物とヒドロホルミル化反応の触媒を形成する有機リン化合物としてはホスフィンおよびホスファイトである。ホスフィンとしては第1、第2および第3ホスフィンである。アリール置換アルキルを含むアルキル基、シクロヘキシルのようなシクロアルキル基、並びにフェニルおよび1個以上のアルキル基で置換されたフェニルのようなアリール基を置換基として持つ第3ホスフィンが好適に使用される。第3ホスフィンにはトリアルキルホスフィン配位子:例えばトリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル−n−オクチルホスフィン:トリアリールホスフィン例えばトリフェニルホスフィン、トリ−O−トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン、:混合アリール−アルキルホスフィン化合物、例えばジシクロヘキシルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジフェニル−n−ヘキシルホスフィンが含まれる。キレート性二座ホスフィン、例えばα,α’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−O−キシレン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1’−ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロブテン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、および1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンなどの適用も可能である。
また、不整配位子として広く用いられている、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1‘−ビナフチル(BINAP) およびその誘導体の適用も可能である。
【0018】
ホスファイトとしては置換基で置換されたものが好ましい。好適な置換基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基等のアルキル基;メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、メトキシ基などで置換されていてもよいフェニル基およびナフチル基などのアリール基;メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などの脂肪族アルキル基;メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などの低級アルキル基で置換されていてもよいシクロペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環式アルキル基等が挙げられる。好適なホスファイトの具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3−メトキシ−6−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(2−t−ブチルフェニル)t−ブチルホスファイトなどが挙げられるが、これらのホスファイトのみに限定されるものではない。また、これらのホスファイトは単独で使用してもよいし、2種以上を組合わせて使用しても良い。上記トリオルガノホスファイト以外に、特表昭61−501268や特開平8−165266、特開平8−337550、特開平10−45776、特開平10−130190記載の各種ビスホスファイトが使用できる。不斉炭素を持つホスファイト配位子も適用可能である。
【0019】
本発明で用いられる有機リン化合物の使用量は、ヒドロホルミル化反応溶液中において有機リン化合物がロジウム金属に対し1〜400モル倍の範囲、好ましくは3〜200モル倍の範囲で存在すれば、満足できるヒドロホルミル化反応速度でアルデヒドを得ることが出来る。
【0020】
本発明に従うヒドロホルミル化反応は溶媒を用いずに実施することも可能であるが、反応に不活性な炭化水素溶媒を用いるとより好適に実施できる。ヒドロホルミル化反応終了後、アルデヒドを含有する反応生成液を抽出溶剤である炭素数2〜6の多価アルコールと混合し、触媒成分を炭化水素溶媒に、アルデヒド成分を抽出溶剤に抽出した後、2層分離を行う。そのため炭化水素溶媒は炭素数2〜6の多価アルコールと層分離するものが好ましい。この様な炭化水素溶媒としては芳香族炭化水素化合物、脂肪族炭化水素化合物、脂環式炭化水素化合物が挙げられる。
【0021】
芳香族炭化水素化合物としては、ベンゼンおよびトルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメンなどのメチルベンゼン類、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼンなどのエチルベンゼン類、イソプロピルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼンなどのプロピルベンゼン類、またこれら以外の各種アルキルベンゼン類が好適に使用できる。脂肪族炭化水素化合物としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ドデカン、デカン等が好適に使用でき、標準温度および圧力で液体であればこれらに限定されない。脂環式炭化水素化合物としてはシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン、デカリン、メチルシクロヘキサンなどが好適に使用される。一般に極性官能基を有する溶媒、例えばケトン類やエステル類、または炭素と水素以外の原子を有する溶媒は好ましくないが、これは、このような溶媒が、満足できる分配特性を示さず、かつ/また触媒系に悪影響を及ぼすためである。
【0022】
本発明において好適なロジウム触媒の量としては、原料のオレフィンに対して、ロジウム金属として1〜5000ppmであり、より好ましくは5〜2000ppmである。ロジウムを10ppm以上で使う場合においては、触媒の再使用が必ず必要になってくる。ヒドロホルミル化反応を実施するための温度および圧力に関する条件は、40〜160℃、好ましくは70〜140℃の反応温度、および10〜150気圧の反応圧力である。温度が40℃より低い場合はヒドロホルミル化の反応が遅く、160℃より高い場合は反応溶液中におけるオレフィンやヒドロホルミル化反応生成物からの副反応が進行し反応成績が悪化する。また、圧力が10気圧より低い場合はヒドロホルミル化の反応が遅く、150気圧より高い場合は高圧の反応装置を使用するため装置費用が高くなってしまう。反応に用いられる水素/一酸化炭素混合ガスにおける一酸化炭素に対する水素のモル比は導入ガス組成として0.2〜5.0の範囲から選ぶことができる。水素/一酸化炭素混合ガスがこの範囲を外れるとヒドロホルミル化反応の反応活性あるいはアルデヒド選択率が低下する。
【0023】
一般にヒドロホルミル化反応生成液からは、例えば、蒸留、薄膜蒸発、水蒸気蒸留などの方法により生成物を触媒成分と分離するが、本発明のように大気圧において少なくとも130゛℃以上の沸点を有するアルデヒドが生成物の場合、また使用する触媒量、触媒成分から蒸留による熱的手法の分離法適用が不可能な場合、経済的に触媒をそのまま破棄することもできない。そこで、熱を懸けずに生成物と触媒成分を効率よく分離する方法が必要である。
【0024】
本発明の方法は、ヒドロホルミル化反応終了後、生成液をそのまま、または、反応で使用した炭化水素溶媒もしくは他の炭化水素溶媒で希釈した後、抽出溶剤と混合し、触媒成分を炭化水素溶媒に、アルデヒド成分を抽出溶剤に抽出し、層分離を行う。抽出溶剤である炭素数2〜6のジオールとしてはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール,1,2−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールが好適に使用される。また、多価アルコールとしてグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの使用も可能である。この中で、エチレングリコールやプロパンジオール類、ブタンジオール類が比較的沸点が低く、価格も安く、液体として取扱もしやすいので好適に使用される。また、これらの抽出溶媒は単独で使用しても良いし混合物で使用しても良い。
【0025】
ヒドロホルミル化反応に使用される炭化水素溶媒と抽出溶媒は満足な層分離を実現するため密度に差があるほうが好ましい。炭化水素溶媒と抽出溶媒の組合わせで好適な一例としては、メチルシクロヘキサンとエチレングリコールがある。これに限定されず種々の組合わせからその触媒系や生成物アルデヒドに合せて選ばれるものである。
【0026】
炭化水素溶媒と抽出溶媒との間のアルデヒド生成物の分配は平衡である。また、触媒成分であるロジウムと有機リン化合物も各溶媒に平衡分配される。特に配位子として用いた有機リン化合物はその種類により平衡分配率が変化し、それに伴いロジウムの分配率も変化する。そこで、有機リン化合物は炭化水素溶媒への溶解度が大きく、抽出溶媒への溶解度が小さいものを選ぶ必要がある。炭化水素溶媒への溶解度が抽出溶媒への溶解度の10倍以上である有機リン化合物を選ぶと、炭化水素溶媒への分配係数は10以上の値が得られ、有機リン化合物の溶出を充分に抑えることが出来る。更に炭化水素溶媒への溶解度が抽出溶媒への溶解度の100倍以上である有機リン化合物を選ぶと、炭化水素溶媒への分配係数は100以上となり抽出溶媒への有機リン化合物の溶出を1%以下に容易に低減出来る。例えば、メチルシクロヘキサンのような炭化水素溶媒に高い溶解度を示すトリフェニルホスフィンやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトは、抽出溶媒としてエチレングリコールを用いると、エチレングリコールには溶解しないため抽出溶媒への有機リン化合物の溶出は認められない。また、触媒成分であるロジウムと有機リン化合物の抽出溶媒層への抽出をなるべく少なくするために金属塩を加えてもなんら問題はなく、また層分離を促進させるため塩析剤を添加してもなんら問題はない。
【0027】
抽出溶媒と反応生成液との体積比率は、抽出溶剤へのアルデヒドの溶解度、抽出すべきアルデヒドの量によって決まる。例えば、分離すべきアルデヒドが、抽出溶媒中で高い溶解度を示し、反応生成液中に低濃度で存在する場合には、反応生成液に対する抽出溶媒の体積比率が低くてもアルデヒドの実用的抽出が可能である。反応生成液中のアルデヒドの濃度が高いほど、アルデヒドを抽出するために使用する反応生成液に対する抽出溶媒の体積比率は高くなる。アルデヒドが抽出溶媒中で比較的低い溶解度を示す場合は、反応生成液に対する抽出溶媒の体積比率は10〜0.1の範囲で変動し得る。また、少ない抽出溶媒使用量でアルデヒドの取得量を多くするため、抽出溶媒を分け、数回の抽出操作を行うことが有効である。
【0028】
抽出操作を行う温度は特に制限はないが、ヒドロホルミル化反応温度より高い温度で実施してもなんの利点もなく、ヒドロホルミル化反応温度以下で実施するのが実際的である。反応器に反応後、抽出溶媒を添加し抽出操作を実施してもよいし、反応器からヒドロホルミル化生成液を抜出し、抽出槽で操作を実施してもよい。反応器に直接抽出溶媒を添加し抽出操作を実施し、触媒成分を反応器にそのまま保持して次のヒドロホルミル化を実施することもできる。ヒドロホルミル化生成液を抜出し、抽出槽で操作を実施する場合は、触媒を含有する炭化水素溶媒層は反応器に戻され、再度反応に使用される。また、本プロセスは、バッチプロセスでも連続プロセスでも実施可能である。
【0029】
本抽出操作は酸素濃度1000ppm 以下の雰囲気で実施する必要がある。即ち、抽出系内の気相中の酸素が1000ppm 以上になると、有機リン化合物であるホスフィン類やホスファイト類が酸化されオキサイドとなり触媒活性が低下する。このことは公知であるが、本発明者らは新たに酸素の共存が抽出溶媒層へのロジウムの溶出に大きく影響を与えることを見いだした。酸素共存下で抽出操作を実施すると、抽出溶媒層へのロジウムの溶出が無視できないほどの多さとなり、触媒のリサイクルが不可能になってくる。この原因は、酸素共存下の抽出操作で有機リン化合物は抽出溶媒層への溶出量に変化のないことから、生成物であるアルデヒドが酸化されカルボン酸となり、ロジウムのカルボン酸塩を生成し、抽出溶媒層に溶出するためと考えられる。このような現象は、ヒドロホルミル化反応生成液と炭素数2〜6の多価アルコールからなる抽出溶媒を接触させる本発明の抽出分離法において、はじめて起こった現象であり、今まで種々提案されてきた溶媒抽出法による触媒成分とアルデヒドの分離法においては認められなかった。本研究者らがはじめて見いだしたものであり、これまでこのような指摘はなかった。
【0030】
抽出系内の気相中酸素濃度は1000ppm 以下、可能な限り100ppm以下の低濃度にすることにより抽出溶媒層へのロジウムの溶出量は低減する。酸素濃度1000ppm 以下の雰囲気を作る方法としては、抽出工程の雰囲気をヒドロホルミル化を実施した一酸化炭素、水素で、または窒素、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスでガス置換を行い実施するのが実際的である。抽出に使用する多価アルコールには酸素が溶存しているので、脱気操作を行い酸素濃度を低減するとより効果がある。脱気方法としては減圧下で蒸留したり、窒素や一酸化炭素、水素ガスを溶液に吹き込むことで溶存酸素濃度を低下させることができる。当然炭化水素溶媒についても同様な処理を行うことが好ましい。
【0031】
抽出溶媒として多価アルコールを用いると、ヒドロホルミル化生成物のアルデヒドがアセタール化し高沸点生成物に成る場合がある。アセタールの生成はアルデヒドの収率を低下させるだけでなく、対応する水素化生成物であるアルコールを得ようとする場合、水素化還元速度が著しく低下し、生産性が低くなる。さらに、アセタール体の沸点と対応するアルコールの沸点差が少ないため蒸留分離が困難であるという問題がある。多価アルコールに第3級アミンを添加するとこのアセタールの生成を防ぐことができる。
【0032】
アセタール生成防止のための第3級アミン化合物の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの脂肪族第3級アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族第3級アミンおよびピリジン、キノリンなどのヘテロ環式第3級アミン化合物が挙げられる。これらの内、炭化水素溶媒に溶解度が低く、多価アルコールへの溶解度の高いトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが本発明の溶媒抽出による触媒成分とアルデヒドを分離する方法の使用に最適である。ジオールとしてエチレングリコール、プロパンジオール類、ブタンジオール類を用いて抽出操作を行い、引続き蒸留を行いアルデヒドを取得する場合には、これらジオール類より沸点の高いトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンの使用が特に好ましい。これら第3級アミンは単独でも2種以上の混合物での使用も可能であり、また、使用量もアセタールの生成を防げる量であれば特に制限はない。
【0033】
第3アミンの添加は、ヒドロホルミル化反応生成液からの触媒成分とアルデヒド類の分離を行う抽出工程から実施してもよいし、抽出操作終了後に実施してもよい。抽出操作から添加する場合は、多価アルコールと層溶解性の良好なトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが好適であり、抽出操作終了後に添加する場合はトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの脂肪族第3級アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族第3級アミンまたはピリジン、キノリンなどのヘテロ環式第3級アミン化合物が好適に用いられる。
【0034】
このようにして多価アルコールに抽出されたアルデヒド類はそのまま蒸留などの公知手段によって高沸点アルデヒド類を取得してもよいし、多価アルコールの分離を行うことなく、そのまま、もしくは適当な溶媒を加え水素化触媒と水素によりアルコールに変換することも可能である。アンモニアと水素により還元アミノ化反応により高沸点アミンに変換することも可能である。
以下に実施例をあげ本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1
[ジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化]
ガス導入管およびサンプル抜き出し管を備えた内容量500mL のステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、Rh(acac)(CO)2 0.15g(0.581mmol)、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 7.51g(11.64mmol) およびメチルシクロヘキサン 40gを仕込み、窒素ガス 0.5MPa で2回置換し、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガス0.5MPaで3回置換し、反応器内酸素濃度を 100ppm 以下とした。次いでオートクレーブ内に水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスを供給して内圧を 5.0MPa に維持しながら、ジシクロペンタジエン 250g、およびメチルシクロヘキサン 10gからなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は 100℃に保った。ジシクロペンタジエンを含有する上記の混合液のフィード終了後、 100゛ ℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0036】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、ジシクロペンタジエンの転化率は 100% であり、トリシクロデカンジカルバルデヒドの収率は 98.4%であることが判った。ジシクロペンタジエンの二重結合の1つだけがヒドロホルミル化されたモノアルデヒド体(以下、単にモノアルデヒド体と略称する)の収率は1.6%であった。なお、原料であるジシクロペンタジエンと溶媒のメチルシクロヘキサンはヒドロホルミル化反応前に蒸留を実施し、窒素下で保存しておいたものである。
【0037】
[抽出実験]
ガス導入管および液導入管、装置下部にサンプル抜き出し管、耐圧ガラス製覗き窓、液温測定用鞘管を備え、抽出操作温度を変えられるようにジャケットタイプとした縦長の内容量3L 、耐圧0.5MPaのステンレス製電磁攪拌器付き装置を用いて抽出実験を実施した。3L 抽出装置を窒素ガス0.5MPaで2回置換し、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガス0.5MPaで3回置換し、装置内酸素濃度を 100ppm 以下とした。窒素下で保存したエチレングリコール 1000g, N-メチル- ジエタノールアミン 0.70g、メチルシクロヘキサン 950g を仕込んで、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)で0.3MPaに装置を保った。ヒドロホルミル化反応器下部より抽出装置にパイプを通じてヒドロホルミル化反応生成液を圧送した。この間抽出装置内は圧力を0.3MPaに保つようにした。25℃で30分間激しく攪拌し、平衡状態に到達させた。攪拌を停止し、混合物を30分間にわたり2層分離させた。炭化水素溶媒を含んでなる上部層と下部の抽出溶液層を得た。炭化水素溶媒層の重量は 1038.6gであり、トリシクロデカンジカルバルデヒド 28.3g、モノアルデヒド 2.62gが含まれていた。ロジウムは原子として 0.581mmol、リンが原子として11.64mmol 含まれていた。エチレングリコール層の重量は 1332.3gであり、トリシクロデカンジカルバルデヒド 329.3g 、モノアルデヒド 2.29gが含まれていた。ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
【0038】
本実験における、トリシクロデカンジカルバルデヒドとモノアルデヒドの抽出溶媒への分配率を以下のように定めると、
抽出溶媒へのX成分の分配率=[抽出溶媒へのX成分の重量]/[X成分の総重量]
トリシクロデカンジカルバルデヒドの分配率=92.1%
モノアルデヒドの分配率 =46.6%
であった。
本抽出プロセスの効率を、化合物[X]の分配係数(Kp)により示すことが出来る。測定でき以下のように定義される。
Kp=[抽出溶媒中のXの濃度]/[炭化水素溶媒中のXの濃度]
トリシクロデカンジカルバルデヒドの分配係数 Kp=9.07
モノアルデヒドの分配係数 Kp=0.68
であった。なお、有機リン化合物として使用したトリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトのメチルシクロヘキサン(MCH) への溶解度は25℃において 32.8g/MCH-100g であった。エチレングリコールに対する溶解度は25℃において溶解性を全く示さず実質的にゼロとみなされた。
【0039】
実施例2
[トリシクロペンタジエンのヒドロホルミル化]
ガス導入管およびサンプル抜き出し管を備えた内容量500mL のステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、Rh(acac)(CO)2 0.0334g(0.129mmol)、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 2.50g(3.86mmol)およびメチルシクロヘキサン 40gを仕込み、窒素ガス 0.5MPa で2回置換し、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガス0.5MPaで3回置換し、反応器内酸素濃度を 100ppm 以下とした。次いでオートクレーブ内に水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスを供給して内圧を 5.0Mpa に維持しながら、トリシクロペンタジエン 250g 、およびメチルシクロヘキサン 60gからなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は 100℃に保った。ジシクロペンタジエンを含有する上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0040】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、トリシクロペンタジエンの転化率は 100% であり、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの収率は 99.0%であることが判った。トリシクロペンタジエンの二重結合の1つだけがヒドロホルミル化されたモノアルデヒド体の収率は1.0%であった。なお、原料であるトリシクロペンタジエンと溶媒のメチルシクロヘキサンはヒドロホルミル化反応前に蒸留を実施し、窒素下で保存しておいたものである。
【0041】
[抽出実験]
ガス導入管および液導入管、装置下部にサンプル抜き出し管、耐圧ガラス製覗き窓、液温測定用鞘管を備え、抽出操作温度を変えられるようにジャケットタイプとした縦長の内容量1L 、耐圧0.5MPaのステンレス製電磁攪拌器付き装置を用いて抽出実験を実施した。1L抽出装置を窒素ガス 0.5MPa で2回置換し、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガス0.5MPaで3回置換し、装置内酸素濃度を 100ppm 以下とした。蒸留を実施し、窒素下で保存したエチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを仕込んで、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)で0.3MPaに装置を保った。ヒドロホルミル化反応器下部より抽出装置にパイプを通じてヒドロホルミル化生成液を圧送した。この間抽出装置内は圧力を0.3MPaに保つようにした。25℃で30分間激しく攪拌し、平衡状態に到達させた。攪拌を停止し、混合物を30分間にわたり2層分離させた。炭化水素溶媒を含んでなる上部層と下部の抽出溶液層を得た。炭化水素溶媒層の重量は 109.6g であり、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒド6.53g 、モノアルデヒド 0.55gが含まれていた。ロジウムは原子として 0.129mmol、リンが原子として3.86mmol含まれていた。エチレングリコール層の重量は 488.2g であり、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒド 122.4g 、モノアルデヒド 0.60gが含まれていた。ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として0.01mmol以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
【0042】
本実験における、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとモノアルデヒドの抽出溶媒への分配率は、
ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの分配率=94.9%
モノアルデヒドの分配率 =52.2%
であった。ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとモノアルデヒドの分配係数は
ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの分配係数 Kp=4.21
モノアルデヒドの分配係数 Kp=0.25
であった。
【0043】
実施例3
[4−ビニル−1−シクロヘキセンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.0334g(0.129mmol)、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 2.50g(3.86mmol)およびメチルシクロヘキサン 40gを仕込み、4−ビニル−1−シクロヘキセン(以下VCH と略す)136g、およびメチルシクロヘキサン 60gからなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は 100℃に保った。4−ビニル−1−シクロヘキセンを含有する上記の混合液のフィード終了後、 100℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0044】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、4−ビニル−1−シクロヘキセンの転化率は100%であり、VCH のモノ−ホルミル誘導体(VCH−エナール) の収率は 1.2% 、VCH のジ−ホルミル誘導体(VCH−ジアール)の収率は 98.8%であった。
【0045】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。炭化水素溶媒層には、ロジウムは原子として 0.129mmol、リンが原子として3.86mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
VCH −ジアールの分配率=95.2%
VCH −エナールの分配率=76.3%
であった。
分配係数は
VCH −ジアールの分配係数 Kp=3.94
VCH −エナール Kp=0.64
であった。
【0046】
実施例4
[トランス、トランス、シス−1,5,9−シクロドデカトリエンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.0334g(0.129mmol)、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 2.50g(3.86mmol)およびメチルシクロヘキサン 40gを仕込み、トランス、トランス、シス−1,5,9−シクロドデカトリエン200g、およびメチルシクロヘキサン 60gからなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は100゛℃に保った。上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0047】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、トランス、トランス、シス−1,5,9−シクロドデカトリエンの転化率は 100% であり、モノ−ホルミル−シクロドデカジエン化合物(C13体) の収率は 0.2% 、ジ−ホルミル−シクロドデセン化合物(C14体) の収率は1.3%、トリ−ホルミル−シクロドデカン化合物(C15体) の収率は98.5% であった。
【0048】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。炭化水素溶媒層には、ロジウムは原子として 0.129mmol、リンが原子として3.86mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
トリ−ホルミル−シクロドデカン化合物(C15体) の分配率=97.4 %
ジ−ホルミル−シクロドデセン化合物(C14体) の分配率 =81.2%
モノ−ホルミル−シクロドデカジエン化合物(C13体) の分配率=52.3%
であった。
分配係数は
C15 体の分配係数 Kp=5.54
C14 体の分配係数 Kp=0.64
C13 体の分配係数 Kp=0.16
であった。
【0049】
実施例5
[1,7−オクタジエンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.084g(0.3251mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1’−ビフェニル0.98g(1.62mmol) およびメチルシクロヘキサン 50gを仕込み、1,7−オクタジエン37.4g 、およびメチルシクロヘキサン 100g からなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は100゛℃、圧力は2.0MPaに保った。上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0050】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,7−オクタジエンの転化率は 98.7%であり、異性ノネナール(C9- エナール、モノ−ヒドロホルミル化生成物) の収率は 8.59%、異性デカンジアール(C10-ジアール)の収率は90.1% であった。1,10−デカンジアルデヒドの選択率は、異性デカンジアルデヒド(異性デカンジアール)生成物全体の97.1% であった。
【0051】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。炭化水素溶媒層には、ロジウムは原子として 0.3251mmol 、リンが原子として3.24mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
1,7−オクタジエの分配率 = 0.2 %
異性ノネナール(C9- エナール)の分配率 = 61.3 %
異性デカンジアール(C10-ジアール)の分配率=97.2 %
であった。
分配係数は
1,7−オクタジエの分配係数 Kp=0.0008
異性ノネナール(C9- エナール)の分配係数 Kp=0.59
異性デカンジアール(C10-ジアール)の分配係数 Kp=12.8
であった。なお、有機リン配位子として使用した2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1’−ビフェニルのメチルシクロヘキサン(MCH) への溶解度は25゛ において18.7g/MCH-100gであった。エチレングリコールに対する溶解度は25℃において溶解性を全く示さず実質的にゼロとみなされた。
【0052】
実施例6
[1−オクテンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.0100g(0.0388mmol) 、トリフェニルホスフィン1.02g(3.87mmol) およびメチルシクロヘキサン 50gを仕込み、1−オクテン100g、およびメチルシクロヘキサン 100g からなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は100゛℃、圧力は2.0MPaに保った。上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0053】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−オクテンの転化率は 100% であり、ノナールの収率は 98.7%であった。ノルマル対イソの比率は5.7 であった。
【0054】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。炭化水素溶媒層には、ロジウムは原子として 0.0388mmol 、リンが原子として3.87mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
1−ノナールの分配率 = 63.8%
2−ノナールの分配率 = 61.7%
であった。
分配係数は
1−ノナールの分配係数 Kp=0.78
2−ノナールの分配係数 Kp=0.71
であった。
なお、有機リン配位子として使用したトリフェニルホスフィンのメチルシクロヘキサン(MCH) への溶解度は25℃において 30.8g/MCH-100gであった。エチレングリコールに対する溶解度は25℃において溶解性を全く示さず実質的にゼロとみなされた。
【0055】
実施例7
[2−オクテンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.0100g(0.0388mmol) 、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト2.50g(3.87mmol) およびメチルシクロヘキサン 50gを仕込み、2−オクテン100g、およびメチルシクロヘキサン 100g からなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は100゛℃、圧力は2.0MPaに保った。上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、2−オクテンの転化率は 100% であり、ノナールの収率は 98.7%であった。
【0056】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。その結果、炭化水素溶媒層には、ロジウムは原子として 0.0388mmol 、リンが原子として3.87mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
異性ノナールの分配率= 62.3%
であった。
分配係数は
異性ノナールの分配係数 Kp=0.74
であった。
【0057】
実施例8
[7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.0334g(0.129mmol)、トリフェニルホスフィン 1.02g(3.88mmol)およびメチルシクロヘキサン 50gを仕込み、7−オクテン−1−アール100g、およびメチルシクロヘキサン 100g からなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は80℃、圧力は2.0MPaに保った。上記の混合液のフィード終了後、80℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。
【0058】
反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、7−オクテン−1−アールの転化率は 97.3%であり、1,9−ノナンジアールの収率82.6% 、2−メチル−1,8−オクタンジアールの収率14.7% であった。
【0059】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。ヒドロホルミル化溶媒層には、ロジウムは原子として 0.129mmol、リンが原子として3.88mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
7−オクテン−1−アールの分配率 = 58.2%
1,9−ノナンジアールの分配率 = 97.3%
2 −メチル−1,8−オクタンジアールの分配率= 96.2%
であった。
分配係数は
7−オクテン−1−アールの分配係数 Kp=0.45
1,9−ノナンジアールの分配係数 Kp=11.6
2 −メチル−1,8−オクタンジアールの分配係数 Kp=8.16
であった。
【0060】
実施例9
[2−オクテンのヒドロホルミル化]
実施例2と同様な操作に従い、オートクレーブにRh(acac)(CO)2 0.084g(0.3251mmol)、式(III) に示されるホスファイト1.625mmol およびメチルシクロヘキサン 50gを仕込み、2−オクテン100g、およびメチルシクロヘキサン 100g からなる混合液を2時間かけて連続的にオートクレーブにフィードした。この間、オートクレーブ内の温度は100 ℃、圧力は5.0MPaに保った。上記の混合液のフィード終了後、100゛℃で更に3時間攪拌し反応を継続した。反応終了後、オートクレーブ下部抜き出し管より生成液を一部サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、2−オクテンの転化率は100%あり、ノナールの収率は 98.8%であった。
【0061】
【化3】
【0062】
[抽出実験]
実施例2と同様な操作に従い、エチレングリコール 365g, N- メチル- ジエタノールアミン 0.16gを用い抽出操作を実施した。ヒドロホルミル化溶媒層には、ロジウムは原子として 0.325mmol、リンが原子として3.25mmol含まれていた。エチレングリコール層には、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
本実験における、抽出溶媒への分配率は、
異性ノナールの分配率 = 61.7%
であった。
分配係数は
異性ノナールの分配係数 Kp=0.75
であった。
なお、有機リン配位子として使用した式(III) で示される化合物のメチルシクロヘキサン(MCH) への溶解度は25℃において 28.4g/MCH-100g であった。エチレングリコールに対する溶解度は25℃において溶解性を全く示さず実質的にゼロとみなされた。
【0063】
実施例10
実施例2における抽出操作後のロジウムとホスファイトを含有するメチルシクロヘキサン溶液109.6gを70℃、280mmHg で減圧蒸留し60g のメチルシクロヘキサンを留去した。ロジウムとホスファイトを含有する残った溶液を用い実施例2のヒドロホルミル化と抽出操作を5回繰り返した。各回でのペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒド(PPD-dA と略す) の収率を表1に示す。
【0064】
各回での抽出操作でエチレングリコール層に溶出する触媒成分は、ロジウムは原子として 0.003mmol以下、リンは原子として 0.01mmol 以下で分析検出限界以下であり、実質的にエチレングリコール層への溶出は認められなかった。
ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを含有するエチレングリコール層を、繰り返し1〜5回までを合計し、減圧蒸留によってエチレングリコールとペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの大部分を留去した。濃縮された釜残を分析し繰り返し1〜5回までのエチレングリコール層に溶出した触媒成分の総量を定量した。ロジウムは仕込みに対し1.4%(1回当たり0.28% )、リンは仕込みに対し0.3%(1回当たり0.06% )であった。
【0065】
比較例1
実施例2における抽出操作を酸素共存下で実施し、実施例10と同様に繰り返し実験を行った。抽出操作を行った雰囲気の酸素濃度、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒド(PPD-dA)収率、エチレングリコール層に溶出したロジウムとリンの仕込みに対する割合をまとめて表2に示す。
【0066】
抽出時酸素雰囲気濃度が1000ppm 以上であっても、リンのエチレングリコール層への溶出は認められなかった。これに対して、ロジウムはエチレングリコール層に溶出され、それに伴い、PPD-dA収率は繰り返し回数3回まではほぼ良好な値が得られたが、4回目、5回目と急激に低下した。
【0067】
【発明の効果】
触媒を損失することなく効率的にアルデヒドを反応生成液から回収できる。
Claims (4)
- (1)炭素数が8以上のジアルデヒド、(2)ロジウム化合物及び有機リン化合物からなる触媒成分、及び(3)炭化水素溶媒を含むヒドロホルミル化反応生成液と、水を含まない炭素数2〜6の多価アルコールのみからなる抽出溶媒とを酸素濃度1000ppm以下の雰囲気で混合した後、得られた混合物を炭化水素溶媒層と抽出溶媒層に2層分離し、抽出溶媒層より該ジアルデヒドを単離することを特徴とする高沸点アルデヒドの回収法。
- 炭化水素溶媒への溶解度が抽出溶媒への溶解度の10倍以上である有機リン化合物を用いる請求項1記載の方法。
- ジアルデヒドが大気圧において130℃以上の沸点を有する請求項1記載の方法。
- ジアルデヒドがトリシクロデカンジカルバルデヒドおよび/またはペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドである請求項1記載の方法。
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