JP4608274B2 - 変位測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学式変位測定装置に関する。詳しくは、受光要素として光ファイバを使用する光学式変位測定装置に関する。
従来、直線変位、回転変位などを検出するためには、光学式、磁気式、誘導式、静電容量式など種々の方式の変位測定エンコーダが利用できる。
部品点数が少なく、コンパクトなエンコーダシステムが、Eselunに付与された米国特許No.5,909,283において開示されている(特許文献1)。特許文献1において開示されているエンコーダシステムは、スケール格子と、リードヘッド装置とを含んで構成される。リードヘッド装置は、点状光源(レーザダイオード)と、ロンキー(Ronchi)格子あるいはホログラフィック素子と、光検出器アレイとを含んで構成される。
点状光源は、スケール格子の格子バー間隔と同間隔の干渉縞を生成させる。干渉縞光はロンキー格子あるいはホログラフィック素子を通過されて光検出器アレイに伝播される。光検出器アレイは、伝播された干渉縞光から互いに90°だけ位相の異なる4チャネルの光信号を得るように配置されている。
しかしながら、このエンコーダシステムは、依然としてサイズが大きく、また、高価である。
また、受光要素として光ファイバを用いたコンパクトなエンコーダシステムが、Tokunagaに付与された米国特許No.4,733,071において開示されている(特許文献2)。特許文献2において開示されているエンコーダシステムは、コードメンバースケールと、光センサヘッドとを備えて構成される。光センサヘッドは、光ファイバチップライトエミッタと、コードメンバースケール軸に沿って密着配置された二つの光ファイバチップレセプタとを備えている。この光センサヘッドを回転(偏揺れ)させて、二つの光ファイバチップレセプタ間の位相差を調節する。
しかしながら、このエンコーダシステムにおける測定精度は幾分か低い。
また、受光要素として光ファイバを用いた他の光エンコーダシステムが、McMahonに付与された米国特許No.4,291,976において開示されている(特許文献3)。特許文献3において開示されているエンコーダシステムは、互いに相対移動可能な、光ファイバと、コードチャネルパターンとを備えて構成される。光ファイバの端には縞模様がつけられており、この縞模様と、コードチャネルパターンとは、互いに対向されて配置されている。これにより、光ファイバ端の縞模様幅に基づいて、光ファイバとコードチャネルパターンとの間の間の相対変位測定を行うことができる。
しかしながら、このエンコーダシステムにおける測定精度は、光干渉式エンコーダシステムよりも低い。
一般的に、高い測定精度を実現するためには、光干渉式エンコーダを使用するのが好ましい。
しかしながら、従来の光干渉式エンコーダは、サイズが大きくなりがちであり、使い勝手が悪く、使用用途が限られていた。
米国特許第5909283号明細書 米国特許第4733071号明細書 米国特許第4291976号明細書
以上のように、特許文献1〜3に開示されている各エンコーダ、および、従来の光干渉式エンコーダは、高いコンパクト性と、高い測定精度とを兼ね備えるエンコーダとはなっていなかった。
本発明の目的は、以上に述べた問題を解決するエンコーダ(変位測定装置)を提供することである。すなわち、本発明は、非常に高い測定精度を実現できるとともに、極めてコンパクトな光干渉式変位測定装置を提供すること目的とする。
本発明の変位測定装置は、測定方向に沿って形成されるスケール格子パターンを有するスケールと、このスケールに光を照射する光源と、前記スケール格子パターンからの回折光によって生成される干渉照明範囲内に配置されるリードヘッド装置とを備え、前記リードヘッド装置は、複数の光ファイバレシーバチャネルを備え、前記各光ファイバレシーバチャネルは、所定の空間位相位置に配置され、所定のマスクピッチで形成される遮光要素を含んだ周期構造を有し、前記干渉照明範囲内の干渉光をフィルタリングする位相マスクと、前記干渉光が前記位相マスクにおける所定のフィルタリング範囲においてフィルタリングされることによって生成されるチャネル信号光が入力される入力端を有する受光ファイバとを備え、前記スケール格子パターンによって生成される±1次回折光が到達し、かつ、±3次回折光が到達しない、略円状領域内に設けられ、前記フィルタリング範囲は、前記位相マスクの少なくとも1つの周期構造を含む範囲とされ、前記各受光ファイバに入力された前記各チャネル信号光を基に、前記スケールと前記リードヘッド装置との前記測定方向に沿った相対変位を測定する、ことを特徴とする。
本発明では、スケール格子パターンの変位を測定するための光干渉式変位測定装置が開示されている。
本発明の変位測定装置は光干渉式の変位測定装置であるため、光干渉式ではない従来の光ファイバエンコーダやセルフイメージングエンコーダに比べて、スケール格子パターンの格子ピッチを小さくしても測定を適切に行えるので、高精度に測定を行うことができる。
特許文献1で開示されているような電子リードヘッドレシーバ(光検出器)においては、スケールの高速変位に伴う高周波数の検出信号を電気信号に変換し、その電機信号を信号損失や干渉なしに長いケーブルで伝送する上で、一定の限界がある。また、電子式光検出器とそれに伴って配置される電子回路とによって、リードヘッドが大きくなってしまう。
本発明では、光ファイバレシーバチャネルを使用することによって、検出信号を電気信号に変換することなく、光信号のまま変位測定に用いることにしているので、電子リードヘッドレシーバにおける各種の問題を解決できる。
また、本発明では、スケール格子パターンから生じる干渉縞を、各位相マスクによってフィルタリングしてチャネル信号光を生成し、このチャネル信号光を各光ファイバレシーバチャネルにおいて検出している。
特許文献2において開示されているような光ファイバチップレセプタは、その直径を大きくすると、微細な位相信号の識別には不適になり、また、その直径を小さくすると、信号光の受光量が低下してしまう。そのため、その測定精度に限界がある。
本発明では、周期構造を有する位相マスクを設け、これによってフィルタリングされた光をチャネル信号光として受光ファイバにより受光している。この場合、測定精度は、主として、位相マスクの遮光要素のピッチによって決まり、受光ファイバの径の大きさによってはほとんど影響を受けない。そこで、受光ファイバの径を大きくして、信号光の受光量を大きくしても、測定精度が悪化することはほとんどない。このように、本発明によれば、特許文献2における問題を解決できる。
また、本発明では、受光要素として光ファイバを用いているので、コンパクトな変位測定装置を構成できる。
本発明では、各光ファイバレシーバチャネルは、±3次以上の奇数次の回折光を検出することなく、主として、±1次回折光に起因する干渉縞を検出できるので、測定精度を向上させることができる。
なお、以下の実施形態において説明するように、スケール格子パターンからの零次、偶数次の回折光は容易に抑制できるので、各光ファイバレシーバチャネルは、ほとんど±1次回折光に起因する干渉縞のみを検出できる。
また、本発明では、前記複数の光ファイバレシーバチャネルは、2N(N≧2)の光ファイバレシーバチャネルからなるN対の光ファイバレシーバチャネル対を含んで構成され、前記各光ファイバレシーバチャネル対は、前記N対の光ファイバレシーバチャネル対のチャネル構成中心を挟んで正反対の位置に配置される2つの光ファイバレシーバチャネルによって構成され、前記各光ファイバレシーバチャネル対における2枚の前記位相マスクは、空間位相が等しい/空間位相に180°の差がある、のいずれか一方である、ことが好ましい。
これによれば、各光ファイバレシーバチャネル対によって検出される2つのチャネル信号光に加算/減算等の演算処理を施すことによって、リードヘッド装置の組立て誤差などの影響を相殺できるので、測定精度をさらに向上させることができる。
また、本発明では、前記光源は、入光端において遠隔光源からの光が供給される照明ファイバの出光端によって構成される、ことが好ましい。
これによれば、光源が光ファイバ(照明ファイバ)によって構成されるので、リードヘッド装置内には電子部品を一切設ける必要がなくなり、コンパクトで安価な全光学式変位測定装置を構成できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による光ファイバレシーバチャネル装置100の第1実施形態を示す図である。図1に示すように、光ファイバレシーバチャネル装置100は、3つの光ファイバレシーバチャネル190A、190B、190Cを含んでいる。光ファイバレシーバチャネル190Aは、レシーバチャネル開口部110Aと位相マスク120Aと受光ファイバ130Aとを含んでいる。同様に、光ファイバレシーバチャネル190Bは、レシーバチャネル開口部110Bと位相マスク120Bと受光ファイバ130Bを含んでいる。同様に、光ファイバレシーバチャネル190Cは、レシーバチャネル開口部110Cと位相マスク120Cと受光ファイバ130Cを含んでいる。
各光ファイバレシーバチャネル190に対して、位相マスク120は、レシーバチャネル開口部110を完全に覆う格子を含み、入射光に対する空間フィルタとして機能する。受光ファイバ130はレシーバチャネル開口部110と一直線上にあるので、レシーバチャネル開口部110に入るほとんど全ての光が受光ファイバ130に入り込み、光信号191となる。本実施形態では、レシーバチャネル開口部110は受光ファイバ130の平端部である。なお、レシーバチャネル開口部110は受光ファイバ130の成形端部であってもよい。また、レシーバチャネル開口部110はコンパクトな屈折または回折レンズであってもよい。このレンズは位相マスク120を通過する入射光を、効率的に位置決めされた受光ファイバ130の端部に収束させる。
各光ファイバレシーバチャネル190のレシーバチャネル開口部110、位相マスク120、および受光ファイバ130の端部は、接着剤または他の適当な方法によって互いに所定の関係をもって固定されている。
位相マスク120は、基準受光面160を規定し、かつ、それと一致するように共面配置されている。
位相マスク120の向き(形成方向)および位相(位相位置)は以下で詳細に説明する。レシーバチャネル開口部110の位置は、光ファイバレシーバチャネル装置100のチャネル構成中心157を参照すればよく説明できる。チャネル構成中心157は、以下に説明するように、光ファイバレシーバチャネル装置100の干渉照明範囲の基準中心と一致する。各レシーバチャネル開口部110A〜Cは、図1に示すように、チャネル構成中心157からのレシーバ開口部境界半径140A〜C内に位置付けられている。レシーバ開口部境界半径は、ここではRCRとする。
レシーバ開口部境界半径140は、図6、7、8を参照して以下で詳細に述べるように、本発明の原理に従って決定できる。本実施形態では、レシーバチャネル開口部110A〜Cは互いに同一であり、各境界半径140A〜Cも同一である。本発明の光ファイバリードヘッドにおいて、互いに同一の光ファイバレシーバチャネル190A〜Cを設けることにより、装置構成を簡単にできるとともに、信号処理を簡単にできるから、比較的高い測定精度を実現できる。なお、本発明では、各レシーバチャネル開口部110A〜Cや、各境界半径140A〜Cは、互いに同一である必要はない。
光ファイバレシーバチャネル190は互いに所定の関係で配置される。各光ファイバレシーバチャネル190A〜Cの各位相マスク120A〜Cの格子は、基準受光面160上において互いに所定の空間位相関係で配置される。各位相マスク120A〜Cは、以下に説明するように、単一のマスク基板上に形成されることによって、所定の空間位相関係で配置される。なお、組立て部品とそれらの組立て方法は、以下で詳細に説明する。
図2は、本発明による光ファイバリードヘッドにおいて使用可能な光干渉装置200の第1実施形態を示す。光干渉エンコーダの基本原理は周知のものであり、ここでは詳しく説明しない。光干渉装置200は、光源ギャップ284だけ離れた光源280とスケール格子80を含んでいる。光源ギャップ284は一般的にはzと表記する。但し、光源ギャップ284とレシーバギャップ285とがほぼ同じである場合は、特に、光源ギャップ284(≒レシーバギャップ285)をzまたはZと表記する。スケール格子80は測定軸82に沿って配置されており、図2では、照射スポット253内の複数の線で示すように、測定軸82に垂直な格子要素(線)を含む位相格子である。格子要素は、格子ピッチ(格子周期)Pgで測定軸82に沿って周期的に配置されている。スケール格子80については、図5を参照して以下で詳細に説明する。
図2に示すX、Y、Z軸は、スケール格子80面に基づいて定義できる。X軸は、スケール格子80面と測定軸82に平行である。X−Y平面はスケール格子80面に平行であり、Z軸はその面に垂直である。
光干渉装置200において、光源280は、光軸251にほぼ沿って光源光250を発する。光源光250は、単色光または準単色光であり、基準波長λを有している。光源光250は発散半角252で発散する。発散半角252の正弦は、光源280の開口数NAに相当する。ここで、発散半角252は、光源エネルギーのほとんど、例えば90%、あるいは、ほぼ全部、例えば99%を含む角度として考えられる。光源光250は光源ギャップ284に等しい距離を進み、照射スポット253においてスケール格子80を照射する。
スケール格子80の表面起伏構造によって零次反射が抑制され、また、スケール格子80のデューティサイクルによって、図5を参照して以下で詳細に説明するように、偶数次回折が抑制される。
さて、±3回折次数、および、それより高次の奇数回折次数は、位置測定分解能を向上させるために光ファイバリードヘッドの測定信号を正確に補間する能力を一般に損なう。そこで、本実施形態の光ファイバリードヘッドは、±3回折次数、および、それより高次の奇数回折次数に起因する光の検出を避けるように配置される。
従って、本実施形態の光ファイバリードヘッドにおいて問題になるのは、±1回折次数の光だけである。なぜなら、これらの回折次数に起因する光と、その干渉だけが光ファイバリードヘッドにおいて検出されるためである。零回折次数、偶数回折次数、3(−3)以上の奇数回折次数の光は図2に示されていないが、これについては図6と図7を参照して以下で詳細に述べる。
±1回折次数の光は、図2に示すように、中心スケール光軸255Aに沿って発散するスケール光254A、スケール光軸255B沿って発散するスケール光254Bとして、回折・反射される。明らかなように、スケール光軸255A、255Bは光源光250の中心光線の回折に対応している。従って、スケール光軸255A、255Bが光源光軸251に対してなす角は、1次回折角、例えば、光源光250の中心光線が、図2に示すように、スケール格子80にほぼ垂直に入射する場合には、±arcsin(λ/Pg)によって定義される角度を有する。+1回折次数スケール光254Aと−1回折次数スケール光254Bは、それぞれ、スケール光軸255A、255Bを中心として発散し、図2で破線円によって示される照射範囲254A’、254B’に照射される。スケール光254A、254Bの照射範囲254A’、254B’は共通範囲を有し、この共通範囲が干渉縞266を含む干渉範囲256’となっている。
干渉範囲256’は、スケール格子80からレシーバギャップ285だけ隔たった平面上に存在する。なお、この平面は、前記の基準受光面160(図1参照)と一致する。干渉照明範囲256は、光源280および光源光軸251と一致する照明中心257を有している。
干渉範囲256’内の干渉縞266は、それぞれがY方向およびZ方向に沿って延びる明部と暗部とによって構成される。干渉縞266は、干渉縞ピッチ(干渉縞周期)Pifで測定軸82に平行な方向(X方向)に沿って周期的に形成される。干渉縞266がスケール格子80面に垂直な方向(Z方向)に沿って延びているので、スケール格子80とレシーバ(基準受光面160:図1参照)との距離(Z方向)、すなわち、レシーバギャップ285の大きさは、レシーバが干渉縞266を受光できる許容範囲内で柔軟に設定することができる。
光源280は、光ファイバの一端として構成するのが最も簡潔で効果的である。遠隔レーザダイオードなどの光源からのコヒーレント光または準コヒーレント光は、光ファイバの他端から入射されて光ファイバ内を伝送され、その一端としての光源280から出射される。この光源用の光ファイバはシングルモードの光ファイバである。この光ファイバは、レンズやコリメータを用いなくても、その出光端から4.5〜12度の角度範囲の発散半角で発散する光を出射する。
なお、光源280は、遠隔LEDなどの光源からの光を伝送する一またはそれ以上の光ファイバの出光端に周期配置された光源格子開口部であってもよい。
また、光源280は、小型固体レーザ素子、固体レーザアレイ、または、光ファイバリードヘッド内に格納された光源格子と小型LED素子とによって構成されてもよい。
図3は、本発明による光ファイバリードヘッド装置300の第1実施形態を示す。光ファイバリードヘッド装置300は、図1を参照して既に説明した光ファイバレシーバチャネル装置100の第1実施形態と、図2を参照して既に説明した光干渉装置200の第1実施形態を含んで構成されている。
光源280は、光源光軸251に沿って、光源光250を発する。光源光250は、光源ギャップ284に等しい距離zを進み、照射スポット253においてスケール81上にあるスケール格子80に照射される。照射スポット253からは、図2を参照して既に説明したように、+1回折次数の回折光がスケール光軸255Aに沿ったスケール光254Aとして、−1回折次数の回折光がスケール光軸255Bに沿ったスケール光254Bとして出射される。+1次スケール光254Aと−1次スケール光254Bとは、レシーバギャップ285に等しい距離zを進み、そこで干渉して、光ファイバレシーバチャネル装置100の基準受光面160上に前記の干渉照明範囲256を生成する。
基準受光面160において、チャネル構成中心157は、照明中心257とほぼ一致している。また、光源280も照明中心257とほぼ一致している。
位置決め板305を用いることによって、装置構成部品の位置決めを容易に行うことができる。位置決め板305は、受光ファイバ130用の受光ファイバ孔306と、光源ファイバ用の光源ファイバ孔307とを有し、位相マスク120に近接配置される。各受光ファイバ130を各受光ファイバ孔306に、光源ファイバを光源ファイバ孔307に挿入した上で固定することによって、構成部品の位置決めを行う。
なお、図中の矢印308は、位置決め板305の取付け方向を示している。
基準受光面160上において、各位相マスク120A〜Cが、干渉照明範囲256の干渉縞を空間的にフィルタリングする。各位相マスク120A〜Cは、干渉縞ピッチPifと等しいマスクピッチPmのマスク格子を有している。また、各位相マスク120A〜Cは、0度、120度、240度の空間位相位置に配置されている。
ここで、各位相マスク120A〜Cにおけるフィルタリング範囲は、その周期構造(マスクピッチPによる位相マスクの周期構造)を少なくとも1つ、好ましくは3つ、より好ましくは6つ含む範囲である。
さて、各光ファイバレシーバチャネル190A〜Cは、その空間位相差を除いて同様にフィルタリングされた光を受光する。
各光ファイバレシーバチャネル190A〜Cから得られる各光信号191A〜Cは、スケール格子80が測定軸82に沿って変位するときに、その変位に対して、120度の相対位相差を除いてほぼ同一の正弦関数的強度変化を示す。
このような「三相」変位信号に基づいて各位相マスク120A〜Cに対するスケール格子80の相対変位を測定するためには、公知の方法が使用できる。干渉縞266を生成する±1回折次数の光は、スケール格子80によって回折されて生じるので、スケール格子80が測定軸82に沿って1ピッチ(P)分変位すると、それに応じて、干渉照明範囲256内の干渉縞266が各位相マスク120A〜Cに対して2ピッチ(Pif)分変位する。
以上のように、光ファイバリードヘッド装置300は、変位測定システムを提供する。
図3には、スケール格子80からの反射光に基づいて変位を測定する反射式光ファイバリードヘッド装置300を示しているが、スケール格子80を透過した光に基づいて変位を測定する透過式光ファイバリードヘッド装置も本発明にしたがって構成できる。このとき、光源280は、光ファイバレシーバチャネル装置100に関して透過式スケール格子の反対側に配置される。ここで、光源280と透過式スケール格子との間の距離(Z方向)は、所定の光源ギャップ284’に調整される。このとき、透過式スケール格子の零次透過光の生成を抑制するために、測定軸に沿って交互に形成される格子要素間において光の1/2波長の奇数倍の光路長差を有するような透過位相格子をスケールに形成し、これを透過式スケール格子として利用する。
前記の通り、光ファイバリードヘッド装置300は三相測定システムを提供する。なお、直角位相関係、または、より高次の位相関係を有する光信号を供給する位相マスク120の実施形態については以下で詳細に説明する。
図4は、本発明による光ファイバリードヘッド装置の第2実施形態400を示す。この光ファイバリードヘッド装置400は、既に説明した光ファイバリードヘッド装置300とほとんど同じように動作する。以下、両者の異なる点について説明をする。図4において符号が付されていない構成要素は、図3における構成要素と同じものである。光ファイバリードヘッド装置400は、図1を参照して既に説明した光ファイバレシーバチャネル装置100の第1実施形態と、光干渉装置の第2実施形態を含んで構成されている。
光源280は、図4のX−Z平面より下方に配置され、Y−Z平面内の光源光軸251Aに沿って光源光250を発する。光源光軸251AがX−Z平面となす角度を、−βとする。光源光250は、所定の距離zsを伝播されて、照射スポット253においてスケール格子80に照射される。照射スポット253からは、+1次回折光がスケール光軸255AAに沿ったスケール光254AAとして、−1次回折光がスケール光軸255BBに沿ったスケール光254BBとして出射される。スケール光軸255AA、255BBは、X−Z平面に対して+βの角度をなす。X−Z平面に対して−βの角度をなす光源光軸251Aに沿った光源光250がスケール格子80に照射されると、X−Z平面に対して+βの角度をなすスケール光軸255AA、255BBに沿ったスケール光254AA、254BBが生じるので、スケール格子80は、Y−Z平面に平行な光線に対して平面鏡のように作用する。+1次スケール光254AA、および、−1次スケール光254BBは、所定の距離zを伝播されて基準受光面160に至り、そこで干渉して前記の干渉照明範囲256を生成する。
基準受光面160上において、チャネル構成中心157は照明中心257とほぼ一致する。各光ファイバレシーバチャネル190A〜Cは、その空間位相差を除いて同様に各位相マスク120A〜Cによってフィルタリングされたスケール光を受光し、これを各光信号191A〜Cとして伝送する。
光ファイバリードヘッド装置400では、光源280がチャネル構成中心157および照明中心257から離間して配置されている。
さて、図4には、反射式光ファイバリードヘッド装置400を示しているが、透過式光ファイバリードヘッド装置も本発明にしたがって構成できる。このとき、光源280は、光ファイバレシーバチャネル装置100に関して透過式スケール格子の反対側、スケール光軸255AAとスケール光軸255BBとのなす角度の2等分線上に配置される。このとき、透過式スケール格子の零次透過光の生成を抑制するために、測定軸に沿って交互に形成される格子要素間において光の1/2波長の奇数倍の光路長差を有するような透過位相格子をスケールに形成し、これを透過式スケール格子として利用する。
光ファイバリードヘッド装置400は、三相測定システムを提供する。なお、直角位相関係、または、より高次の位相関係を有する光信号を供給する位相マスク120の実施形態については以下で詳細に説明する。
図5は、スケール格子80の第1実施形態を示す。スケール格子80は、零次回折および偶数次回折を抑制するように構成されている。また、図6および図7を参照して後述するように、光ファイバリードヘッド装置は、3次以上の回折光の影響を避け、または、排除するように構成、または、配置されている。
図5に示されるスケール格子80と、図6および図7に示される光ファイバリードヘッド装置とによって、主として±1次回折光のみを検出する高解像度の光干渉式エンコーダを構成できる。この光干渉式エンコーダによれば、光ファイバエンコーダ、セルフイメージングエンコーダなど、測定精度の粗い従来のエンコーダに比べて測定精度を向上させることができる。
上に例示したような光干渉式ではない従来のエンコーダでは、測定精度の向上のためにスケール格子の格子ピッチを小さくしようとしても一定の限界があり、格子ピッチが微小な光干渉式エンコーダ用のスケール格子を用いても、測定を適切に行えない。例えば、セルフイメージングエンコーダにおけるスケール格子ピッチは、約4μmの反射部と約4μmの空間部とを含む約8μm以上でなければ測定を適切に行うことはできないので、一般に8μmよりも小さい格子ピッチを有する光干渉式エンコーダ用のスケール格子を使用することはできない。
さて、本実施形態の光干渉式エンコーダでは、微小な格子ピッチPのスケール格子80を用いて測定を行えるので高精度の測定が可能になる。また、光干渉式エンコーダでは、干渉縞266がスケール格子80面に垂直な方向(図2では、Z方向)に沿って延びているために、動作ギャップ許容差が大きい。
本実施形態では、格子ピッチP=2μmのスケール格子80を用い、光信号に対して200X補間を行うことによって、約5nmの位置解像度を実現できる。
また、本実施形態の光干渉式エンコーダは、コンパクトなサイズでありながら高い位置解像度を実現するという点で、従来の光干渉式エンコーダよりも優れている。
図5において、スケール格子80は、基板81上に形成された反射型位相格子であり、測定軸82に沿って周期構造を有している。スケール格子80は、測定軸82に垂直なY軸方向に沿って延びる格子要素Eを含んで構成され、各格子要素Eは凹部要素Gによって互いに分離されている。各格子要素Eは、格子ピッチPgで測定軸82に沿って周期的に形成されている。各格子要素Eは測定軸82方向の幅WEを有し、各凹部要素Gは測定軸82方向の幅WGを有している。また、各格子要素EはZ軸方向の高さHEを有している。
前記のように、反射型スケール格子80は、零次反射(零次回折)および偶数次回折を抑制するように構成されている。このような回折抑制の手法は当業者にはよく知られている。
例えば、格子要素Eおよび凹部要素Gの双方にクロムの反射膜を形成させるとともに、格子要素Eの高さHを、零次反射を抑制するための高さ、例えば、光源光250の波長の1/4の高さ、に調整すればよい。
また、本実施形態では、W=Wとしてデューティサイクルを50%にすることによって、零次反射を抑制するとともに、偶数次回折を抑制する。
凹部要素Gへ入射し、かつ、そこで反射する光が、距離HEを往復する際の位相変化ψは、光の波長をλとして、ψ=−4πH/λ・・・(1)である。
格子要素Eからの反射光と、凹部要素Gからの反射光とが、干渉して互いに弱め合うように、高さHEは、ψ=k・π(k:奇数)・・・(2)となるように調整される。
零次反射を抑制し、または、零次反射光がレシーバによって受光されないように、その方向を逸らす方法は、他にもある。例えば、1次回折についてのブレーズがある回折スケール素子を使用する方法や、正弦格子を使用する方法などがある。例えば、正弦格子は、±1次を除く全ての次数の回折を抑制できる。
以下で詳細に説明するように、図5に示す長方形スケール格子80を用いれば、±1次よりも高次の回折の影響を排除できる。
図6は、基準受光面160に照射されるスケール光の様子を示す。
また、図7は、X−Y平面内に表した図6を、X−Z平面内に表し直した図である。
図6および図7には、光干渉式光ファイバリードヘッド装置1000の構成が示されている。
図6に示すように、リードヘッド装置1000は、6つの光ファイバレシーバチャネルを備えて構成されている。
図7に示されるように、光ファイバリードヘッド装置1000は、光源光軸251に沿って光源光を発するコンパクトな光源を含んで構成され、この光源光は線分262、263に示されるように発散する。光源光は基準波長λを有している。この光源光は光源ギャップ284に等しい距離を伝播し、照射スポット253においてスケール格子80を照射する。
図5を参照して既に説明したように、スケール格子80の構造が零次反射を抑制し、スケール格子80のデューティサイクル(例えば、50%)が零次反射を抑制するとともに、偶数次回折を抑制する。
+1次回折光はスケール光軸255Aに沿って、−1次回折光はスケール光軸255Bに沿って、スケール格子80からリードヘッド装置1000に向かって伝播される。なお、スケール光軸255Aおよび255Bの方向は光源光の中心光線の回折光の方向に対応している。ここで、スケール光軸255Aおよび255Bが光源光軸251に対してなす角は、1次回折角±arcsin(λ/Pg)である。光軸255Aに沿う+1次回折光、および、光軸255Bに沿う−1次回折光は、それぞれ、照射範囲254A’および254B’に照射される。照射範囲254A’および254B’が互いに交わる範囲が干渉範囲256’である。
図6に示されるように、スケール格子80からレシーバギャップ285(図7参照)だけ隔たった基準受光面160上において、干渉範囲256’は、照射範囲254A’および254B’に対応する各円の交差によって示される。
図6および図7には、±3次回折光も示されている。+3次回折光はスケール光軸355Aに沿って、−3次回次光はスケール光軸355Bに沿って、スケール格子80からリードヘッド装置1000に向かって伝播する。+3次回折光および−3次回折光は、それぞれ、照射範囲354A’および354B’に照射される。
図6および図7から容易に理解できるように、照射範囲354A’および354B’はリードヘッド装置1000の受光可能範囲内に入っていない。そのため、±3次回折光は、リードヘッド装置1000に検出されることはない。したがって、±3次以上の奇数次回折光もリードヘッド装置1000に検出されることはない。
一般に、エンコーダにおける測定信号補間のための信号処理技術は、測定信号がスケールとリードヘッドとの間の相対変位の正弦関数であることを想定している。さて、±3次回折光は非正弦関数的な測定信号を生成するので、これが光ファイバリードヘッド装置のレシーバチャネル開口部に到達してしまうと、測定信号補間の精度が悪化し、適切な変位測定が行えない。この問題は、±3次以上の奇数次回折光についても当てはまる。
ここで、リードヘッド装置1000は、前記の通り、+3次回折光および−3次回折光の照射範囲354A’および354B’を避けるように設計されている一方、+1次回折光および−1次回折光の照射範囲254A’および254B’の交差としての干渉範囲256’内の干渉光を検出できるように設計されている。
これにより、リードヘッド装置1000は、正弦関数的な測定信号を生成する±1次回折光の干渉光のみを検出できるので、測定信号の補間が適切に行われ、変位測定を高精度に行うことができる。
図6に示すように、寸法X1およびX−1は、それぞれ、リードヘッド装置1000の中心と、照射範囲254A’の左端、および、照射範囲254B’の右端との間の距離(X方向)である。また、寸法XおよびX−3は、それぞれ、リードヘッド装置1000の中心と、照射範囲354A’の左端、および、照射範囲354B’の右端との間の距離(X方向)である。
±1次回折光に起因する干渉光を受光し、±3次回折光(または、それ以上の次数の回折光)を受光しないようにするためには、光ファイバレシーバチャネルの開口部境界半径RCRを、X1(≒X−1)にほぼ等しく、かつ、X3(≒X−3)よりも確実に小さくする必要がある。
なお、本発明では、光ファイバリードヘッド装置のレシーバチャネル開口部を放射状(円状)に配置する必要はなく、レシーバ開口部境界半径RCRは各レシーバチャネル開口部ごとに異なる値になってもよい。要するに、±1次回折光に起因する干渉光を受光し、±3次回折光(または、それ以上の次数の回折光)を受光しないようにできるのであれば、レシーバチャネル開口部の配置は適宜自由に設計できる。
±1次回折光のみを検出する光ファイバリードヘッド装置1000の設計方法の一つを、以下、単純なモデルによって示す。
このモデルは、mを回折次数として、m=1(−1)の回折光のみを受光するために、m≧3(m≦−3)の回折光を排除する適切な設計方法を与える。なお、m=2(−2)の回折光は、デューティサイクルを50%とすることによって、あるいは、他の手法によって抑制されている。
このモデルでは、まず、リードヘッド装置のレシーバチャネル開口部を含むようなレシーバ開口部境界半径RCRを設定する。レシーバチャネル開口部は、例えば、直径dの受光ファイバコアと仮定できる。
光源光の発散は、発散角θによって表現する。リードヘッド装置は、スケール格子から動作ギャップZだけ離間して配置される。また、光源光の中心光線はスケール格子面に垂直である。スケール格子からの反射/回折光のうち、例えば、1次回折光(m=1)が光源光の中心光線方向に対してなす回折角をθm=1またはθ1とする。
光源から発散角θで発散された光源光が照射されるスケール格子上の位置を座標x(スケール格子の測定軸の方向)によって表せば(xの原点は、光源光の中心光線が照射されるスケール格子上の位置とする)、x=Z・tanθ・・・(3)が成立する。
図7においては、0をxの原点とし、x軸は右方向を+方向とする。また、スケール格子から出射される光を表す際に用いる角度は、スケール格子面の法線方向を基線として時計回り方向を+方向とする。
今、図7において、最も右側の光源光線262が、位置x、すなわち、点291においてスケール格子80に照射され、回折される場合について考える。
図7に示されるように、位置xからのm=−1次回折光線292がリードヘッド装置1000の右側へ進むようにすれば、照射スポット253内の他の位置a<xにおけるm=−1次回折光線がリードヘッド装置1000に照射されるようになり、リードヘッド装置1000の受光面上全ての点においてm=−1次回折光線が照射される。
同様に、位置−xからのm=+1次回折光線293がリードヘッド装置1000の左側へ進むようにすれば、照射スポット253内の他の位置b>−xにおけるm=+1次回折光線がリードヘッド装置1000に照射されるようになり、リードヘッド装置1000の受光面上全ての点においてm=+1次回折光線が照射される。
以上のようにして、リードヘッド装置1000の受光面上全ての点において、m=±1次回折光線が干渉して干渉縞が生じる。
以上を言い換えれば、図6において、リードヘッド装置1000における半径RCRの円を完全にカバーするようなm=±1次回折光線の干渉範囲256’が形成される必要がある。
これを数式で表すと、X<−RCR、かつ、X−1<RCR・・・(4)となる。
さて、同様の解析により、リードヘッド装置1000の受光面(検出範囲)にm=±3次回折光線が照射されないようにするための条件を与える数式、X−3<−RCR、かつ、X>RCR・・・(5)、が得られる。
、X−1、X、X−3は、光源光の発散角θ、スケール格子とリードヘッド装置との動作ギャップZ、±1、3次の回折角θ±1、θ±3、に基づいて定まる。図7に示されるように、スケール格子80およびリードヘッド装置1000は、光源光軸251に関して線対称に構成されているので、式(4)、(5)に示される4つの不等式のうち、2つだけを考慮すればよい。ここでは、X−1=Z・(tanθ+tanθ)>RCR、および、X−3=Z・(tanθ+tanθ−3)<−RCR・・・(6)を選択する。
ここで、次の回折式(7)を用いる。sinθ=C=(mλ/P)+sinθ、m=1、3・・・(7)
この式(7)を、式(6)に代入すれば、X−1=Z・(tanθ+C・(1−C −1/2)>RCR・・・(8)、および、X−3=Z・(tanθ+C−3/(1−C−3 −1/2)>RCR・・・(9)が得られる。
動作ギャップZの望ましい大きさは、これらの各式から決定できる。あるいは、これらの各式によって、与えられた波長λに対して、発散角θ、動作ギャップZ、格子ピッチPgの三軸によって表される3次元マップを作成でき、このマップに基づいて適切なRCRの大きさを決定できる。
以下、前記の各式を用いた計算例について説明する。
波長λを635nm、レシーバ開口部境界半径RCRを375μmとする。これを基に、所定範囲内の格子ピッチP、動作ギャップZ、発散角θに対して、X−1およびX−3を求める。この計算により、発散角θおよび動作ギャップZを適当な値に設定すれば、2μm以下の微小な格子ピッチPgのスケール格子であっても使用可能であることが示される。特に、開口部境界半径RCRを小さくし、動作ギャップZおよび発散角θを大きくすれば、格子ピッチPを最小にすることができる。
例えば、波長λを635nm、境界半径RCRを375μm、発散角θを9〜9.5度、動作ギャップZを2.5〜3.0mmとすれば、以上の各式より、4μmの格子ピッチPと50%のスケール格子デューティサイクルとを有するスケール格子を、本実施形態のリードヘッド装置による変位測定に利用できることがわかる。
発散角θは、光源280を構成する光ファイバを適宜選択することにより、調整できる。具体的には、光ファイバにおける光伝送コアの幾何学的配置や、光ファイバにおける出光端部の構造などによって、発散角θを調整できる。
なお、位相マスクを有するマスク素子に穴をあけることによって、ファイバ先端レンズなどのための追加スペースを設けてもよい。
また、受光ファイバに近接配置されたマスク素子では、エッチングまたは機械加工によって光源ファイバの位置に中心領域を形成させてもよいし、光源ファイバからの光の発散角を増加させるレンズを形成するために、その屈折率を調整してもよい。また、マスク素子の表面における中心部(光源ファイバの位置)に回折レンズを取り付けてもよい。
光源ファイバの先端形状を調整してレンズを構成させる手法に比べて、マスク素子にレンズを取り付ける手法によれば、組み立て後の光ファイバの先端を磨くのが容易になり、また、マスク素子を位置決めしてフェルールに取り付ける際に、レンズの光ファイバに対する位置決めを有効に行うことができる。
リードヘッド装置においては、動作ギャップZおよび動作ギャップ許容差も重要である。本実施形態のリードヘッド装置は、光干渉式エンコーダなので、干渉縞266がZ軸に沿って延びている(図2参照)。
ここで、動作ギャップZが小さすぎると±3次回折光がレシーバチャネル開口部に到達してしまい、また、動作ギャップZが大きすぎると回転位置決め不良に対する許容差が減少してしまう。しかし、本実施形態では、前記の各式に従って、約1mm以上の動作ギャップ許容差を実現できる。
照射光の波長を小さくすることによってスケール格子ピッチPを小さくできるので、635nm以下の波長の照射光を用いれば、格子ピッチPを2μmよりもかなり小さくできる。具体的には、λ=375nmの照射光を供給するUVレーザダイオードと、格子ピッチPg=1.2μmのスケール格子と、直径80μmの石英ガラスなどのUV伝送光ファイバとを用いて、RCR=120μmにできる。ここで、前記の式(8)によれば、約9.8度の発散角θと、約3mmの動作ギャップZとを有するリードヘッド装置を構成できる。
既に概説したように、実際に使用する光源ファイバが、望ましい発散角の光源光を生成する上での適切なNAを有していない場合には、望ましいNAを実現するために、GRINレンズを設け、あるいは、光源ファイバの先端を成形することが可能である。
さて、スケール格子ピッチを小さくすると、リードヘッド装置における偏揺れ位置決め不良に対する感度が増大してしまう。従って、微小な格子ピッチのスケール格子を使用するためには、設計・組み立てを適切に行い、偏揺れ位置決め不良に対する感度の増大の影響を抑えなければならない。これについては、図16を参照して以下で詳細に説明する。
なお、P<3・λ、であるようなスケール格子を使用してもよい。このようにすれば、3次回折は直ちに減衰するので、リードヘッド装置の設計・配置の如何によらず、リードヘッド装置が3次回折光を検出することがなくなる。その一例として、λ=405nmの波長の光を発するレーザダイオードと、格子ピッチP=0.96μmのスケール格子と、直径80μmの光ファイバとを用いて、RCR=120μmにできる。
リードヘッド装置は、約15度の光源光発散角を生成するように構成されている。動作ギャップを約1mm以上にすれば、この光源光発散角に対して、リードヘッド装置は正常に動作可能である。この場合、±1次回折光以外の次数の回折光は、その発生が抑制されるか、あるいは、発生しても直ちに減衰するので、リードヘッド装置は、その設計・組み立て如何によらず、±1次回折光のみを検出できる。
なお、干渉範囲256’内の干渉縞266が、スケール格子ピッチPgにほぼ等しい干渉縞ピッチPifを有するような場合には、位相マスクのマスクピッチPを、スケール格子ピッチPgに等しく設定するのがよい。
スケール格子80を照射する光源光が発散するために、干渉照明範囲256内の干渉縞266は、干渉照明範囲256の中心近くでは理想的な縞になっているが、干渉照明範囲256の中心から離れた部分では大きくゆがんだ縞になってしまう。
ところが、本実施形態のリードヘッド装置は、非常にコンパクトに構成されているので、干渉照明範囲256内において干渉縞266が理想的な縞になっている中心部分のみに配置できる。このとき、リードヘッド装置は、理想的な縞となっている干渉縞266の部分のみを検出できるので、測定精度が著しく向上する。
干渉照明範囲256内の干渉縞266はY軸に平行である(図6参照)ので、干渉照明範囲256の中心を通り、かつ、Y軸に平行な直線上において、干渉縞266はより理想的な縞になっている。そこで、複数のレシーバチャネル開口部のうちいくつかを干渉照明範囲256の中心から比較的離れた位置に配置する場合でも、干渉照明範囲256の中心を通り、かつ、Y軸に平行な直線の近傍に配置すれば、それらのレシーバチャネル開口部は、より理想的な縞に近い干渉縞を検出できるので、測定精度を向上させることができる。
さて、動作ギャップが大きくなると、干渉照明範囲256が大きくなり、干渉照明範囲256の一部をカバーするように配置されるリードヘッド装置において検出される光の強度が小さくなる。そこで、本実施形態では、動作ギャップは、望ましい光信号レベル(検出光強度)の確保と、リードヘッド装置のコンパクト化との兼ね合いによって、その値が決定される。
動作ギャップ許容差は一般に、リードヘッド装置において検出される光信号レベルが、測定を適切に行うことができる程度に維持されるように、その値が決定される。
また、動作ギャップが大きくなると、リードヘッド装置において、動的な位置決め不良ピッチ誤差に対する感度が増大してしまう。そこで、前記誤差に対する感度を低減させる必要がある場合には、動作ギャップは比較的小さく設定される。
図8は、種々の光源光発散角に対する、最小動作ギャップZと、光ファイバリードヘッド装置のレシーバ開口部境界半径RCRとの間の関係を示すグラフ600である。グラフ600の関係は、式(3)〜式(9)を参照して既に述べたモデルに基づいており、ここでは、波長がλ=635nm、スケール格子ピッチがP=4μmである。ここで、リトロー(Littrow)角=λ/(2・Pg)は約4.55度である。
グラフ600において、直線611、621、631は、それぞれ、式(8)によって規定され、RCRの各値に対して、全てのレシーバチャネル開口部を確実に±1次干渉光照明範囲256内に収めるための最小動作ギャップZを示す線である。なお、直線611、621、631は、それぞれ、6.8度=1.5・*リトロー角、9.1度=2・リトロー角、11.4度=2.5・リトロー角、の光源光発散角に対応する線である。
また、直線613、623、633は、それぞれ、式(9)によって規定され、RCRの各値に対して、いずれのレシーバチャネル開口部にも±3次回折光が到達しないようにするための最小動作ギャップZを示す線である。なお、直線613、623、633は、それぞれ、6.8度=1.5・リトロー角、9.1度=2・リトロー角、11.4度=2.5・リトロー角、の光源光発散角に対応する線である。
光源光発散角がリトロー角を超えないと、±1次回折光照明範囲256が適切に形成されない。そこで、本実施形態では、光源光発散角がリトロー角を超えるように設計される。また、動作ギャップをより小さくするためには、光源光発散角が「1.5・リトロー角」を超えるのが好ましい。
グラフ600において直線611、621、631によって示すように、光源光発散角を「1.5・リトロー角」から「2・リトロー角」まで増大させれば、動作ギャップを約2分の1に小さくでき、光源光発散角を「2.5・リトロー角」まで増大させると、動作ギャップは更に小さくできる。
さて、約9.1度の光源光発散角に対応する直線621および623を考えると、直線621によって示される最小動作ギャップZは、RCR=1.0mmに対して6mmを若干超えている。ここで、最小動作ギャップは約6mm以下であることが好ましく、そのため本実施形態では、全てのレシーバチャネル開口部が2・RCR=2・1=2.0mmの直径を有する円内に配置される。
直線611〜633は比例関係を表すので、レシーバ開口部境界半径RCRが例えば4分の1に減少すると、最小動作ギャップZも4分の1に減少する。そのため、最小動作ギャップZを小さくしてリードヘッド装置をコンパクトにするためには、レシーバ開口部境界半径RCRを小さくすればよく、例えば、RCRを1.0mm、0.75mm、あるいは更に小さくすればよい。
既に述べたように、動作ギャップを大きくすると、干渉照明範囲256が大きくなってリードヘッド装置の受光信号強度が減少する。そのため、動作ギャップをできるだけ小さくするのが好ましい。
そこで、本実施形態では、動作ギャップは、レシーバ開口部境界半径RCRの10倍、さらには、5倍よりも小さく設定される。例えば、RCR=0.375mmにおける図8の線630と直線621の交点622に対応するリードヘッド装置は、3.75mm(10・RCR)より小さい動作ギャップで構成される。
図9は、本発明による光ファイバリードヘッド装置の第3実施形態500であり、図3を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置300と同様に構成され同様に動作する。両者の構成および動作が類似しているので、追加説明を必要とする部分のみについて光ファイバリードヘッド装置500を説明する。
光ファイバリードヘッド装置500は、前記の光ファイバレシーバチャネル190A〜Cと同様に動作する三つの光ファイバレシーバチャネル590A〜Cを含んでいる。例えば、光ファイバレシーバチャネル590Aは、レシーバチャネル開口部510Aと位相マスク520Aと受光ファイバ530Aとを含んで構成される。また、透明材料で構成される位相マスク素子561と、前記の位置決め板305と本質的には同じ位置決め板305’と、光源ファイバ570の先端によって構成される光源580とが設けられる。
光源ファイバ570は、図12を参照して以下で説明するように、遠隔レーザ源に近接配置される光源ファイバ570の遠隔端において入力されたレーザ光を伝送する。レーザ光は、光源ファイバ570の先端から光源光として出射される。光源ファイバ570の先端部は、位相マスク素子561に装着される。
位相マスク素子561は、位相マスク520A〜Cを含む三角形の素子である。位相マスク素子561は透明であり、光源580からの光源光は位相マスク素子561を透過されて伝播される。
位相マスク520A〜Cは、それぞれ、4μmの格子ピッチPを有するスケール格子80によって生成される干渉縞ピッチPifと一致する4μmのマスクピッチPを有する。スケール格子80は、リードヘッド装置500から約2.5±0.5mmの動作ギャップで離間される。光源580は、635nmのレーザ光を出射し、スケール格子80を照射する。このとき、レーザ光のエネルギーの約90%を含む約9度の光源光発散角に対して、符号540によって図示されるレシーバ開口部境界半径RCRは約0.375mmに設計される。
位相マスク520A〜Cは、三相測定システムを提供する。
ここで、位相マスク520Aにおける格子バー521Aの例えば右側のエッジ(縁)の位置に注目する。このエッジ位置に対応する位相マスク520Bにおける格子バーのエッジ位置は、X軸の正方向に120度だけ空間的に位相シフトしている。なお、360度の空間位相は、マスクピッチおよび干渉縞ピッチに等しい4μmに対応するので、前記の(1/3)・360=120度の空間位相シフトは、(1/3)・4≒1.33μmの位置シフトに対応する。
また、位相マスク520Cにおける格子バーの対応エッジ位置は、X軸の負方向に120度(約1.33μmに対応)だけ空間的に位相シフトしている。
各位相マスク520A〜Cのデューティサイクルは50/50である。
なお、デューティサイクルは50/50である必要はない。例えば、干渉縞中の残存空間高調波を抑制し、または、干渉縞収差などを補正するために、位相マスク520のデューティサイクル(更にはマスクピッチP)を調整してもよい。
位相マスク520の格子バー521は、対応するレシーバチャネル開口部510を完全に覆うように形成される。
さて、各光ファイバレシーバチャネル590A〜Cにおける各レシーバチャネル開口部510A〜Cの面積が互いに等しくても、各レシーバチャネル開口部510A〜Cに対する各位相マスク520A〜Cの相対形成位置の相違に起因して、各レシーバチャネル開口部510A〜Cにおける実質的な開口面積が、各光ファイバレシーバチャネル590A〜Cごとに異なり、差異(位相マスクオフセット)が生じてしまう。ここで、実質的な開口面積とは、各レシーバチャネル開口部510A〜Cのうち、各位相マスク520A〜Cの格子バーによって遮光されていない部分の面積をいい、要するに、各位相マスク520A〜Cの格子バー間の透光領域の総面積を指す。
位相マスクオフセットは、各光ファイバレシーバチャネル590A〜Cにおける各位相信号の振幅を不均衡にするので、位相測定誤差の原因になる。
特に、各位相マスク520A〜CのマスクピッチPが各レシーバチャネル開口部510A〜Cのサイズに比べて粗ければ、位相マスクオフセットが大きくなるので、位相測定誤差が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、前記位相マスクオフセットに起因する位相測定誤差を小さく抑えるため、各レシーバチャネル開口部510A〜Cの直径を、対応する位相マスク520A〜Cのマスクピッチの少なくとも3倍、5倍、さらには、8倍にしている。
光ファイバリードヘッド装置500において、光源ファイバ570は50μmの外径を有しており、図1や図3を参照して既に説明したように、チャネル構成中心157と同心である。各受光ファイバ530の外径は250μmであり、それらは全てチャネル構成中心157からの同一半径位置に置かれる。この半径がレシーバ開口部境界半径RCR(540)であり、本実施形態では、375μmである。
全ての光ファイバの端は、位置決め板305’および位相マスク素子561に、光学接着剤などにより接着されている。
本発明者は、光ファイバリードヘッド装置500で行われる光信号の信号処理において、10分の1μmよりも相当小さい解像度と、サブミクロンの精度とが実現されることを見出した。
以上の光ファイバリードヘッド装置500の全ての構成要素は、約750μmの直径内に収納される。
図10は、受光ファイバ530を示す。受光ファイバ530は、直径DRC(534)のクラッド533と、導波管または多重導波管として機能する直径DRA(532)の中心コア531とを有している。コア531は、レシーバチャネル開口部510となる。多数の薄膜によって構成される付加的なバッファ層535によって、レシーバ外径はDRF(536)になる。なお、バッファ層535は、必ずしも設ける必要はない。
なお、本実施形態において、バッファ層535は、クラッド533を保護し、かつ、組み立ての容易化の観点から最適なレシーバ外径DRFを実現するために形成される。
受光ファイバ530は、200/220/250μmのコア/クラッド/バッファ直径=DRA/DRC/DRFを有するマルチモードのシリカファイバである。なお、クラッド533としては、5μm以下の微小な厚みのものを用いてもよい。
レシーバ外径536に対する最大のコア直径532比を有し、大きなレシーバチャネル開口部直径を提供する受光ファイバを用いれば、以下で詳細に説明するように、信号強度を強くし、測定精度を著しく向上できる。
クラッド533によって、受光ファイバ530の光アイソレーションが行われる。
本実施形態では、プラスチック製の受光ファイバ530が使用される。
なお、領域510内においてクラッディング材料によって点在させられた多数のコアを有するマルチコアファイバを使用することもできる。この場合、マルチコアを構成する個々のコアが、それぞれ、一つのレシーバチャネルを構成する。
図11は、図9の光源ファイバ570を示す。光源ファイバ570は、直径DSC(574)のクラッド573によって囲まれた直径DSA(572)の中心コア571を有する。クラッド573は、ファイバ外径DSF(576)を与えるバッファ層575によって囲まれている。バッファ層の厚みを調節することによって、ファイバ外径DSF(576)を望ましい大きさに調節すれば、リードヘッド装置の組み立てを容易にでき、また、リードヘッド装置の直径を所望の大きさに調整できる。
レーザダイオード光源を用いる場合、安定した光信号を検出し、高い測定精度を実現するためには、シングルモードの光ファイバとして光源ファイバが機能しなければならないことを本発明者は見出した。
635nmの波長の光に対して、シングルモードファイバとしての光源ファイバ570の最適なコア直径DSAは約4μmである。このとき、光源ファイバ570は、実質的に点光源として機能する。
なお、リードヘッド装置の直径を小さくするために、光源ファイバ570の外径DSFを、その光出射端において50μmより小さくしてもよい。また、リードヘッド装置の組み立てを用意にするために、光源ファイバ570の外径DSFを、その光出射端において50μmより大きくしてもよい。
本実施形態では、光源ファイバ570として、3M社製の部品番号FS−SN−3224を使用している。この光源ファイバ570は、DSF=250μmの外径を有しており、図10を参照して既に説明した受光ファイバ530の外径と一致している(DRA/DRC/DRF=200/220/250μm)。このため、以下で説明するように、リードヘッド装置の組み立てが容易になる。
なお、光源ファイバ570として、3M社製の部品番号FS−SC−3314を使用してもよい。この光ファイバでは、DSC=80μm、DSF=200である。
光源ファイバ570として、開口数の小さなシングルモードの光ファイバを利用することによって、光源ファイバ570について特殊な先端処理を行わず、また、追加的にレンズを設けなくても、本実施形態の光干渉式リードヘッド装置における測定に好適な比較的小さな発散角の光源光を提供できる。
図8に示される直線623(発散角9.1度)と直線633(発散角11.4度)との比較によって理解できるように、発散角が大きくなると、±3次回折光の検出を避けるための最小動作ギャップZが大きくなってしまう。本実施形態では、コンパクトなリードヘッド装置を構成するのが好ましいので、動作ギャップが大きくなるのは好ましくない。そこで、本実施形態では、シングルモードの光源ファイバ570を使用して、発散角を小さくすることによって、リードヘッド装置のコンパクト化に寄与している。本実施形態によれば、発散角を、例えば、12度未満、10度未満、さらには、8度未満にできる。
図12は、光ファイバリードヘッド装置800と、これと共に使用される遠隔電子インターフェースユニット805とを示すブロック図である。
遠隔電子インターフェースユニット805は、信号処理制御ユニット893と、所定のレンズを含む光源(遠隔光源)/レンズ877と、複数の光センサ/アンプ8921、8922・・・892nとを含んで構成される。
光源/レンズ877は、光アイソレータなどの他の光学部品を含んでもよい。
光源/レンズ877、および、光センサ/アンプ8921、8922・・・892nは、それぞれ、光源ファイバ870、および、受光ファイバ8301、8302・・・830nを介して、光ファイバリードヘッド装置800に接続される。
光源ファイバ870および受光ファイバ8301〜830nは、リードヘッドケーブル895内を挿通される。このリードヘッドケーブル895は、光ファイバリードヘッド装置800と遠隔電子インターフェースユニット805との間で各光ファイバを集め、それらを保護する。
リードヘッドケーブル895は数メートルまたはそれ以上の長さであってもよい。
受光ファイバ8301〜830nは、それぞれ、リードヘッド装置800からの光信号8911〜891nを、各光センサ/アンプ8921〜892nへ伝送する。光信号8911〜891nは、既に述べた通り、位相信号である。
光源/レンズ877は、信号処理制御ユニット893から、電力およびゲイン制御信号を受け取る。光源/レンズ877は、受け取った電力およびゲイン制御信号に基づいて、光源ファイバ870を介して光ファイバリードヘッド装置800に光源光を伝送する。この光源光は、スケール格子に照射される。リードヘッド装置800における光ファイバレシーバチャネルは、スケール格子からの反射光または透過光を受光し、それが光センサ/アンプ8921〜892nに入力される光信号8911〜891nになる。光センサ/アンプ8921〜892nは、光信号8911〜891nを増幅し、電子出力信号8911’〜891n’として信号処理制御ユニット893へ出力する。
図13は、光ファイバリードヘッド装置の第4実施形態1000を示す。光ファイバリードヘッド装置1000は、図3を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置300とほぼ同じように動作し、図9を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置500とほぼ同様の構成要素を含んでいる。構成および動作が類似しているので、追加説明を必要とする部分について光ファイバリードヘッド装置1000を説明する。
光ファイバリードヘッド装置1000は、既に説明した光ファイバレシーバチャネル190と同様に動作する3つの光ファイバレシーバチャネル1090A〜Cを有する第1チャネルセットを含んで構成される。また、光ファイバリードヘッド装置1000は、各光ファイバレシーバチャネル1090A〜Cと照明中心257に関して反対側に、それぞれ配置された各光ファイバレシーバチャネル1090A’〜C’を有する第2チャネルセットを含んで構成される。各レシーバチャネル開口部1010上に記載された番号対1−1、2−2、3−3は、それぞれ、レシーバチャネルの対を表している。
リードヘッド装置1000は、破線および破断面によって部分的に図示された円筒状フェルール601を有するリードヘッドハウジング600を備えている。フェルール601の内径は、受光ファイバ1030および光源ファイバ1070が密着固定されて形成されるファイバ束の外径と略一致している。組み立てに際しては、ファイバ束を、フェルール601に、その先端が取付け面602を越えてわずかに突出するまで挿入する。この状態で、ファイバ束とフェルール601とを互いに接着する。それから、ファイバ束の先端が、取付け面602と同一平面上にくるように研削・研磨する。それから、位相マスク素子1061を、顕微鏡を利用してファイバ束の端部に位置決めし、取付け表面602に接着する。本実施形態では、位相マスク素子(マスク基板)1061における、ファイバ束の端部に対向する側の面上に位相マスク1020を形成させる。
さて、光源ファイバ1070の先端部は、光源1080を構成する。
光源ファイバ1070、および、6本の受光ファイバ1030の外径は、全て250μmで共通である。このため、光源ファイバ1070を中心ファイバとして、6本の受光ファイバ1030を6角形状に容易かつ正確に配置できるので、計7本の光ファイバの位置決めを精密に行うことができ、測定精度を向上させることができる。
なお、光源ファイバ1070の外径は250μmより小さくすることもできるが、本実施形態では、計7本の光ファイバの位置決めを高精度に行うために、光源ファイバ1070の外径を意図的に大きくし、6本の受光ファイバ1030の外径に揃えて250μmとしている。
図9に示す光ファイバリードヘッド装置500における3ファイバレシーバチャネル配置と比較して、本実施形態の6ファイバレシーバチャネル配置では、受光量が2倍になる。
なお、光ファイバリードヘッド装置1000の構成部品は、直径1.0mm以下の領域内に全て収納できるので、コンパクトな光ファイバリードヘッド装置1000を提供できる。
図14は、光ファイバリードヘッド装置1000に使用される位相マスク素子1061を示す。位相マスク素子1061は位相マスク1020A〜Cと1020A’〜C’とを含んで構成される。各位相マスク1020は、遮光性の格子バー1021を有する。格子バー1021は、厚みt、幅wの透光性基板1065の表面1062上に周期的に配置されている。クロム、銅、または、それらの酸化物などが、格子バー1021を形成するための材料として利用できる。また、ガラス、水晶などが、基板1065の材料として利用できる。
格子バー1021の損傷を避けるため、基板1065にはマスク領域の外側にエッジマージン1066が設けられる。エッジマージン1066の幅は一定である必要がないので、基板1065の形状は比較的自由に決定できる。例えば、無駄のないスクライビングまたはダイシングを可能にするために、基板1065を、六角形(図示)、円形、長方形、正方形などの形状にすることができる。
各位相マスク1020A〜C、1020A’〜C’が形成されるマスク領域とは、格子バー1021を含む領域のことである。このマスク領域は、全てのレシーバチャネル開口部1010を覆うのに十分なサイズを有する。
マスク素子1061の中心部には、開口部1064を有する位置決めリング1063が設けられる。入り決めリング1063は、光源ファイバ1070の位置決め用のリングであり、光源ファイバ1070から供給される光源光は開口部1064内を通過されて出射される。開口部1064は、図11を参照して既に説明したシングルモードコア直径DSA≒4μmよりも数倍大きい。
本実施形態では、位相マスク素子1061は、ソーダ石灰ガラス製で、0.25mmの厚みtと、2.0mmの幅wとを有し、同じく2.0mmの外径を有するフェルール601に取付け可能になっている。
マスク格子バー1021は、前記の通り、干渉縞のピッチと一致するマスクピッチでX方向に沿って周期配置されている。
ここで、各位相マスク1020は、0度(1020Aと1020A’)、120度(1020Bと1020B’)、240度(1020Cと1020C’)の空間位相を有している。各位相マスク1020間の境界は、顕微鏡を用いて容易に見ることができる。これにより、位相マスク素子1061を各受光ファイバ1030に対して正確に位置決めできる。
図15は、光ファイバリードヘッド装置およびケーブルの第1実施形態1200を示す。光ファイバリードヘッドおよびケーブル1200は、図3を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置300とほぼ同じように動作し、図13を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置1000を含んで構成されている。構成および動作が類似しているので、説明を簡略化し、特にリードヘッドハウジング600’とケーブル695について説明する。
リードヘッドハウジング600’は、フェルール601を含んで構成される。
位相マスク素子1061は、カラーによって包囲されている。カラーは、位相マスク素子1061の取付け面602から見て突出されるように形成されており、取付け面602が、カラーの端面602’から見て奥に引っ込んだ位置に配置される。そのため、位相マスク素子1061は、カラーによって保護され、位相マスク素子1061の表面の損傷を防止できる。
カラーの端面602’には、食いつき部604が設けられる。この食いつき部604によって、リードヘッド装置1000用の取付け孔にリードヘッド装置1000を挿入して取付ける作業を容易に行えるようになる。
取付け孔にリードヘッド装置1000を挿入して取り付ける際に、所望の深さでリードヘッド装置1000の挿入を停止できるように、リードヘッドハウジング600’には鍔状の停止片606が形成される。これにより、リードヘッド装置1000の取付け孔への挿入を所望の深さで停止できるから、リードヘッド装置1000と図示しないスケール格子との間のレシーバギャップを所望の大きさに正確に一致させることができる。なお、停止片606とフェルール601とは一体的に形成されている。
フェルール601は、リードヘッド装置1000を種々の装置に取り付ける際の位置決めを容易かつ正確に行うための位置決め溝605を有する。位置決め溝605の形成方向は、位相マスク1020の格子バーの方向とほぼ一致している。
光ファイバ1030および1070は、フェルール601およびリードヘッドケーブル695内に収納される。
リードヘッドケーブル695は、光ファイバ束の一般的な外被である。矢印696で図示するように、ケーブル695は、リードヘッドハウジング600’の後部に挿入され、接着剤などによって所定の位置に固定される。ケーブル695は、光ファイバ束を保護し、歪まないようにする。既に述べたように、ケーブル695は、ほとんどの信号損失なしに数10メートル以上に延ばすことができる。
本実施形態では、リードヘッドハウジング600’の外径を1〜2mm程度に小さくできる。そのため、リードヘッドハウジング600’やケーブル695の遠隔端を工業標準PM−FCコネクタに接続できる。
図16は、偏揺れ位置決め不良の検討図である。6つの位相マスク1320A〜C、1320A’〜C’によって模式的に表された6つの光ファイバレシーバチャネルは、照明中心1357の周りに正六角形状に配置されている。
この例では、照明中心1357を、以下で詳細に説明する回転偏揺れ位置決め不良の回転中心であると仮定する。
各光ファイバレシーバチャネルは、レシーバ開口部位置半径RAL、測定方向1382に垂直で回転中心1357を通る直線1301を基線とする角度Ψ(i=A〜C、A’〜C’)、の位置に配置される。この幾何学的配置において、照明中心1357を回転中心とする回転偏揺れ位置決め不良θが生じると、各位相マスク1320iの位置では、測定方向1382に沿ってシフトΔXが生じる。レシーバ開口部位置半径RAL、角度Ψの光ファイバレシーバチャネルについて、シフトΔXは、ΔX=RAL・θ・cosΨ・・・(10)、を満たす。
位相マスク1320A、1320A’のように、測定方向1382に対応する方向に沿って配置された位相マスク1320iにおいては、Ψ=±π/2なので、式(10)により、ΔX=0、となって、回転偏揺れ位置決め不良θの大きさによらず、ほとんどシフトΔXが生じない。
一方、位相マスク1320B、1320C、1320B’、1320C’においては、大きなシフトΔXが生じる。
さて、シフトΔXは、位相マスク1320iを含む光ファイバレシーバチャネルにおいて位相誤差を生成する。
互いに対になる位相マスク1320iおよび1320i’においては、シフトの大きさは同じであり(|ΔX|=|ΔXi’|)、シフトの向きは逆である(矢印1302および1302’参照)。
そこで、互いに対になる光ファイバレシーバチャネルの受光信号を加算すれば、回転偏揺れ位置決め不良θに起因する信号位相誤差を相殺できる。
同様に、回転ロール/ピッチ位置決め不良による信号誤差も、互いに対になる光ファイバレシーバチャネルの受光信号を加算すれば、相殺できる。
さらに、互いに対になる光ファイバレシーバチャネルの受光信号を加算すれば、電子ノイズを増大させることなく信号レベルを大きくできるという利点もある。
各位相マスク1320A、1320A’を含む各光ファイバレシーバチャネルの受光信号は0度の基準位相を有し、両者の光学的な和として検出信号URが生成される。同様に、各位相マスク1320B、1320B’を含む各光ファイバレシーバチャネルの受光信号は120度の基準位相を有し、両者の光学的な和として検出信号USが生成され、各位相マスク1320C、1320C’を含む各光ファイバレシーバチャネルの受光信号は240度の基準位相を有し、両者の光学的な和として検出信号Uが生成される。
これらの各検出信号U、U、Uは、次の式によって、互いに位相が90°異なる直交信号Q1およびQ2に変換できる。
={U−U−(1−2・cosα)・(U−U)}/(cosα−1)・・・(11)、Q={U−U+(1+2・cosα)・(U−U)}/sinα・・・(12)。
ここで、α=120度である。なお、αの値は、製造時の組立て誤差などに起因する位相誤差の補償ファクタとして若干調整することもできる。
なお、0、120、240度とは異なる位相を、3つのレシーバチャネルについて選択することもできる。位相の選択に当たっては、ある2つのレシーバチャネル間の位相差(例えば、チャネル対C/C’とチャネル対A/A’との位相差は240度)が、他の2つのレシーバチャネル間の位相差(例えば、チャネル対B/B’とチャネル対A/A’との位相差は120度)の2倍でありさえすればよい。従って、位相マスク1320A〜C、1320A’〜C’に対して選択できる位相としては、0、100、200度が例示できる。
さて、測定されるリードヘッド装置の位置Xは、2πを周期(modulo)とする次の2変数アークタンジェント関数を用いて決定できる。X=(P/2π)・atan(Q、Q)・・・(13)。ここで、Pは、スケール格子の格子ピッチである。式(13)に示す2変数「atan」関数は公知であり、数学プログラムによって記述される。この関数結果は、ラジアン単位のQ/Qのアークタンジェントである。ここで、2変数を使用すれば、結果として得られる角度の象限を決定できる。すなわち、結果角度は、−pi/2と+pi/2との間ではなく、−piと+piとの間にある。
なお、位相信号を位置に変換するための式は、以上で説明した式に限られず、本発明では、これ以外の式を位相信号‐位置変換に用いてもよい。
また、互いに一定位相αだけ異なる位相を有する4つの光ファイバレシーバチャネルを含んで構成されるリードヘッド装置においては、Carre技法を利用できる(例えば、Gary Cloud著「エンジニアリング解析の光学的方法(Optical Methods of Engineering Analysis)」(ケンブリッジ大学プレス、1998年、488〜489ページ)参照)。なお、Carre技法は、多波長光干渉法においてしばしば用いられるが、本実施形態における位相信号の処理にも利用できる。
さて、完全な正弦関数的変化を伴う位相信号を得るのは困難であり、完全な正弦関数的出力からのずれは、光の波長またはスケール格子の格子ピッチの空間高調波を含む。
特に、光干渉式エンコーダにおける主な誤差は第3空間高調波の形をとる。そこで、本実施形態では、3相光ファイバリードヘッド装置が用いられる。本実施形態では、各レシーバチャネルにおける受光信号に含まれる第3空間高調波誤差は、式(11)、(12)に対応する信号処理を行うことによって、そのほとんどが除去される。
なお、本発明では、2相または4相の光ファイバリードヘッド装置を構成することもできる。この場合、第3空間高調波誤差は、位相マスクのデューティーサイクルを33%程度にすることによって、除去できる。
以下の表1は、図16において模式的に配置された位相マスクについての位相設定例を示す。表1において、「対構成?」は、図13における空間位相が互いに等しい『1−1』、『2−2』、『3−3』のようなチャネル対が構成されているか否かを「Yes」「No」によって示すものである。表1において、記号「×」は、その位相マスク位置に位相マスクが形成されないことを意味するが、「×」の位相マスク位置には、組立てを容易にするためのダミーファイバ(光の伝送には関与しないファイバ)を設けてもよい。
Figure 0004608274
表1に示す5相構成と6相構成に対する位置演算手法は、当業者にとって周知である。したがって、任意の位相数に対して容易に位置演算を行うことができる。
なお、5相構成の光ファイバリードヘッド装置によれば、第9次までの空間高調波誤差を除去または補償できる。
図17は、光ファイバリードヘッド装置の第5実施形態1400を示す。正六角形状の位相マスク素子1461は、図13に示す光ファイバリードヘッド装置1000に関して既に述べたように、一本の光源ファイバ1470を囲んで密着配置された6本のファイバ1430の位置決めに用いられる素子である。マスク素子1461は、内径603を有するフェルール601の取付け面602に取り付けられる。
二本のファイバ1430Xはダミーファイバであり、他の4本の受光ファイバ1430を正六角形の4つの頂点上に正確に配置するためだけに設けられる。
4本の受光ファイバ1430に対応する位相マスク1420A、A’、B、B’を有する各レシーバチャネルは、図示するように、それぞれ、270度、90度、0度、180度の相対空間位相を有する。これは、従来のように、位相が90°異なる信号を得るためである。ここで得られた位相信号は、4相構成のリードヘッド装置について表1に与えられた式を用いて、あるいは、他の公知の信号処理方法を用いて解析され、位置が演算される。表1に与えられた式、(P/2π)・tan−1{(P180−P)/(P270−P90)}、を見れば分かるように、位置演算に当たって、光ファイバリードヘッド装置1400において互いに反対側に配置される光ファイバレシーバチャネルの受光信号は減算される。
本実施形態では、各位相マスク1420間に、各位相マスク1420を包囲するように不透明マージン1466が設けられる。不透明マージン1466によれば、迷光が受光ファイバのクラッドに入り込んで、図12に示す光センサに偶然到達するのを防止でき、また、各位相マスクの縁の部分でフィルタリングされた光が、それと隣接する位相マスクのレシーバチャネルに入り込むことによって信号誤差が発生するのを防止できる。
図18は、図17を参照して述べた光ファイバリードヘッド装置1400と同様に構成された、光ファイバリードヘッド装置の第6実施形態1500を示す。光ファイバリードヘッド装置1500は、フェルール601の取付け面602に取り付けられた略正方形の位相マスク素子1561を含んで構成される。マスク素子1561には、図示するように、それぞれ、270度、90度、0度、180度の相対空間位相を有する位相マスク1520A、1520A’、1520B、1520B’、および、受光ファイバ1530A、1530A’、1530B、1530B’と、光源ファイバ1570とが取り付けられている。
光ファイバリードヘッド装置1500は、図17に示されるものと同様な4相リードヘッド装置である。但し、図17よりも構成部品が少なくなっている。光源ファイバ1570の直径と、4本の受光ファイバ1530A、1530A’、1530B、1530B’の直径とを、異なる大きさにすることによって、光源ファイバ1570を中心として、互いに当接される4本の受光ファイバ1530の正方形配置が実現されている。なお、本実施形態によれば、レシーバ開口部境界半径RCRを、図17に比べて小さくできる。また、光源ファイバ1570の直径DSFは、受光ファイバ1530の直径をDRFとして、DSF=0.4142DRFに設定される。なお、この式は、図18の幾何学配置から導き出される式である。
一般に、図18のように、ファイバ外径DSFを有する1本の光源ファイバの周りにファイバ外径DRFを有するn本の受光ファイバを密着配置させるためには、光源ファイバ外径DSFは、以下の式(14)を満たさなければならない。DSF=DRF・[{1/sin(180°/n)}−1]・・・(14)
式(14)により、チャネル構成中心から同半径位置にあるn個のレシーバチャネルを構成できる。このn個のレシーバチャネルによれば、互いに均衡のとれたnの受光信号を得ることができるので、測定の高精度化のためには都合がよい。
なお、同じ外径を有する9本の光ファイバ、すなわち、1本の光源ファイバ、および、8本の受光ファイバを用いて、光源ファイバを中心として8本の受光ファイバを正方形状に密着配置することもできる。このとき、前記9本のファイバからなるファイバ束を収納するフェルールの孔を断面正方形状に形成すれば、ファイバ束をフェルールの孔に挿入するだけで、前記の正方形密着配置を実現できる。フェルールの断面正方形状の孔は、例えば、放電加工によって形成できる。フェルールの孔の断面正方形の一辺の長さをsとすれば、9本のファイバの直径は、それぞれ、s/3である。この9本のファイバを、3×3行列状に配置してフェルールの断面正方形状孔に挿入すれば、9本のファイバの正方形配置が実現される。
また、例えば、図18に示す基本構成を、Y方向、すなわち、測定方向82に垂直な方向に沿った隣接場所にもう一つ設けることによって、二組の4レシーバチャネル装置を構成できる。このような二組のレシーバチャネル装置を収納するために、長方形のフェルールや、二つの円形ボアを設けるのが好ましい。また、二組のレシーバチャネル装置をカバーできる単一の位相マスク素子を設けてもよい。
以上のように、レシーバチャネル装置を複数組設けることによって、リードヘッド装置全体の受光量を大きくできるので、測定の高精度化にとっては好ましい。
図19は、図9を参照して既に説明した3相光ファイバリードヘッド装置500の構成を備え、同様に動作する、光ファイバリードヘッド装置の第7実施形態1600を示す。構成および動作が類似しているので、追加説明を必要とする部分について光ファイバリードヘッド装置1600を説明する。
光ファイバリードヘッド装置1600は、前記の光ファイバレシーバチャネル190と同様に動作する3つの光ファイバレシーバチャネル1690A〜Cを含んで構成されている。例えば、光ファイバレシーバチャネル1690Aは、レシーバチャネル開口部1610Aと位相マスク1620Aと受光ファイバ1630A(図示せず)とを含んで構成される。なお、他の光ファイバレシーバチャネル1690、と1690Cも、同様に番号付けされた同様な構成要素を含んでいる。また、リードヘッド装置1600は、透光性の位相マスク素子1661と、上部V溝位置決め素子704および下部V溝位置決め素子705と、光源ファイバ1670の先端によって構成される光源1680とを含んで構成されている。
位相マスク素子1661は、前記の位相マスク素子561と同様に構成され、各位相マスク1620A〜Cは、それぞれ、各レシーバチャネル開口部1610A〜Cをカバーするように配置される。各レシーバチャネル開口部1610A〜Cは、それぞれ、上部V溝位置決め素子704におけるV溝709と、下部V溝位置決め素子705のV溝707、708とによって位置決めされている。なお、位相マスク1620A、1620B、1620Cは、それぞれ、0度、120度、240度の対応する空間位相を有している。
リードヘッドハウジング700は、長方形フェルール701を備える。長方形フェルール701の長方形孔には、上部V溝位置決め素子704および下部V溝位置決め素子705が嵌合され、このとき、両V溝位置決め素子は、境界706において密着されている。V溝位置決め素子704および705は、シリコンによって構成されている。上部および下部V溝位置決め素子704および705内に置かれた各ファイバ1630A〜C、1670が互いに密着されて配置されるように、V溝707〜709は形成されている。また、位置決め用のダミーファイバ1630Xが設けることによって、各ファイバの位置決めを正確に行うことができる。
以上の各構成部品の組立ては、以下のように行う。まず、各ファイバを、上部および下部V溝位置決め素子704および705に挿入して位置決めする。続いて、上部および下部V溝位置決め素子704および705を、その境界面706において互いに軽く押し付け、その状態で、長方形フェルール701の長方形孔に挿入する。挿入が完了したら、各ファイバ、および、V溝位置決め素子704、705を、フェルール701に接着する。続いて、各ファイバを研磨し、V溝位置決め素子704および705の前面と同一面にする。それから、位相マスク素子1661を、顕微鏡を用いて各ファイバ端に対して位置決めし、V溝位置決め素子704、705、または、フェルール701に接着する。
以上のように組み立てられる光ファイバリードヘッド装置1600は、約2〜3mm、あるいはそれ以下の幅および高さ寸法を有する。
なお、本実施形態では、組立てを正確に行うために、光源ファイバ1670の外径を意図的に大きくし、また、ダミーファイバを設けている。
図20Aは、スケール格子80の第1方向において、光ファイバリードヘッド装置と共に使用可能な光ディフレクタ(光偏向器)1900を示す。図13を参照して既に説明した光ファイバリードヘッド装置1000と同様な光ファイバリードヘッド装置1000’は、発散光源光をビームパス1901に沿って光ディフレクタ1900に入射させる。光ディフレクタ1900において、発散光源光は、スケール格子80に向かうビームパス1902に沿うように90度屈折される。なお、光ディフレクタ1900の反射面の法線は、ビームパス1901、および、ビームパス1902の双方に対して45度の角度をなす。
同様に、スケール格子80から出射(反射・回折)されたスケール光は、ビームパス1902に沿って光ディフレクタ1900に入射され、光ディフレクタ1900によって中心光線がビームパス1901に沿うように90度屈折されてリードヘッド1000’に入射される。
スケール格子80は、光ファイバリードヘッド装置1000’に対して測定軸方向82に沿って移動可能である。スケール光は、前記の通り、光ファイバリードヘッド装置1000’の光ファイバレシーバチャネルのチャネル構成中心と一致する照明中心を有する干渉照明範囲内において干渉縞を生成する。
ディフレクタ1900は、ビームパス1901に沿う光源光線を、それに対して90度の角度をなすビームパス1902に沿う光線へと屈折させる。また、ビームパス1902は、スケール格子80面に対して垂直である。
ディフレクタ1900は、光ファイバリードヘッド装置に対して直接的または間接的に取り付けられた、反射直角プリズム、鏡などの光学部品である。
なお、ディフレクタ1900に位相マスクを形成させることによって、ディフレクタ1900に位相マスク素子としての機能を持たせてもよい。
図20Aにおいては、光ファイバリードヘッド装置1000’は、その長手方向がスケール格子80の測定軸82の方向と直交している。
ディフレクタ1900を設けることによって、リードヘッド装置1000’とスケール格子80との相対位置関係をある柔軟に決定できるから、特定方向には設置スペースがとれないような場合であっても、その特定方向を避けるようにリードヘッド装置1000’およびスケール格子80を設置できる。したがって、使い勝手のよい、変位測定エンコーダシステムを提供できる。
図20Bは、二つの異なるスケール格子80および80’の第2方向において使用される光ディフレクタ1900を示す。光ディフレクタ1900の構成・作用などは、図20Aを参照して説明したものとほぼ同じである。
さて、第2方向に対しては、光ファイバリードヘッド装置1000’は、その長手方向がスケール格子80の測定軸82の方向にほぼ平行になっている。このとき、光ファイバリードヘッド装置1000’における位相マスクの格子バーは、干渉縞に平行になるように配置される。従って、図20Aのリードヘッド装置1000’に対して、図20Bのリードヘッド装置1000’は、その長軸、すなわち、ビームパス1901の周りに90度回転した位置に配置されている。
また、図20Bは、スケール格子80’を示す。スケール格子80’は、円筒状スケール部材81’の表面に沿う円筒状スケールを構成している。円筒状スケール格子80’の曲がりは、スケール格子80’から生じる干渉縞を若干乱すので、測定精度をある程度下げてしまう。しかしながら、光源光の円筒状スケール格子80’上における照射スポットが微小なので、干渉縞は適切に生成され、十分な測定精度を実現する。
例えば、4μmの微小格子ピッチを有すると共に、約25mmまたはそれ以上の円筒直径を有する円筒状スケール格子80’は、本実施形態の光ファイバリードヘッド装置1000’と共に使用された場合、ほとんど平板状スケール格子と同等の測定精度を実現できる。
図21は、回転スケール格子80’’に対して第1方向に配置された光ファイバリードヘッド装置と共に使用可能な取付けブラケット2000と光ディフレクタ1900’とを示す。
図21は、図15を参照して既に説明したリードヘッドハウジング600’と同様なリードヘッドハウジング600”を含む構成を示す。リードヘッドハウジング600’’は、図15に示すフェルール601と同じフェルール601’を含んで構成される。但し、位置決め溝605’が、位置決め溝605に対して90度だけ回転した位置に追加的に設けられている。
取付けブラケット2000は、ファスナーホール2005と、ボア2001と、位置決めリッジ2002とを含んで構成される。ボア2001の直径は5mm以下であり、フェルール601’の直径と一致する。位置決めリッジ2002は、位置決め溝605または605’と係合できる位置に配置され、その大きさが決定されている。ボア2001および位置決めリッジ2002は、取付けブラケット2000を製造するための押出成形工程の際に形成される。なお、ボア2001および位置決めリッジ2002は、ドリルやブローチによって穿設されてもよい。また、位置決めリッジ2002は、ボア2001に沿ってジベルやドリルブランクを設けることによって構成してもよい。
光ディフレクタ1900’は前記の光ディフレクタ1900と類似または同一のものである。光ディフレクタ1900’は、取付けブラケット2000に直接取り付けられる。
また、前記各実施形態では、照明ファイバの出光端を光源としていたが、本発明では、電子固体光源素子を光源として使用してもよい。
図20Aと同様に、リードヘッドハウジング600’’を含むリードヘッド装置における位相マスクの格子バーは、回転スケール格子80’’から生じる干渉縞に平行になるように形成される。位置決め溝605が位置決めリッジ2002と係合されて互いに正確に位置決めされるように、リードヘッドハウジング600’’がボア2001に挿入されることにより、位相マスクとスケール格子80’’との間の位置決めが正確に行われる。リードヘッドハウジング600’’は、光ディフレクタ1900’と当接するまでボア2001内に挿入される。
なお、取付けブラケット2000の寸法と、停止片606’のリードヘッドハウジング600’’における形成位置とを適宜調整し、停止片606’が取付けブラケット2000の背面と当接されるまでリードヘッドハウジング600’’をボア2001内に挿入してもよい。
ボア2001内に挿入されたリードヘッドハウジング600’’は、接着剤または機械的方法によって、取付けブラケット2000に対してしっかりと固定される。
図示しないスケール格子80’’に対する第2方向(図20B参照)においては、リードヘッドハウジング600”を、その長軸が回転スケール格子80’’の測定軸82の方向に略平行になるように位置決めされる。これに合わせて、取付けブラケット2000のボア2001の向きも回転スケール格子80’’の測定軸82の方向に略平行になるように調整される。
リードヘッド装置の位相マスクの格子バーは、回転スケール格子80’’から生じる干渉縞に平行となるように形成しなければならない。そこで、今度は位置決め溝605’を位置決めリッジ2002に係合させ、位置決め溝605を使用したときに比べて位相マスクの向きを90度回転させる。
以上のように、取付けブラケット2000を設けることによって、リードヘッドハウジング600’’のスケール格子80’’に対する位置決めを容易かつ正確に行うことができる。
また、位置決めリッジ2002に係合させる位置決め溝605、605’を切り替えることにより、スケール格子80’’における第1方向測定、第2方向測定の切り替えを容易に行うことができ、使い勝手のよい変位測定エンコーダシステムを提供できる。
なお、取付けブラケット2000は、回転スケール格子80’’に限らず、他の種々のスケール格子に対しても使用できるのはもちろんである。
回転スケール格子80’’の曲がりは、そこから生じる干渉縞を若干乱すので、測定精度をある程度下げてしまう。しかしながら、光源光の回転スケール格子80’’上における照射スポットが微小なので、干渉縞は適切に生成され、十分な測定精度を実現する。例えば、8μmの微小格子ピッチを有すると共に、約25mmまたはそれ以上の直径を有する回転スケール格子80’’は、本実施形態の光ファイバリードヘッド装置と共に使用された場合、ほとんど直線状スケール格子と同等の測定精度を実現できる。
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、±3次回折光がレシーバチャネル開口部に到達しないような構成について説明したが、そもそも、±3次回折光の強度は、±1次回折光の強度よりも格段に小さいので、±3次回折光がレシーバチャネル開口部に到達するような構成としても、ある程度以上の測定精度は実現できる。
また、前記各実施形態では、光源とリードヘッド装置とはスケール格子パターンに対して同じ側に配置され、スケール格子パターンは反射要素を含んで構成され、干渉照明範囲は、光源から出射され反射要素によって反射された光によって生成されるとして説明をしたが、本発明では、光源とリードヘッド装置とはスケール格子パターンを挟んで互いに反対側に配置され、スケール格子パターンは透光要素を含んで構成され、干渉照明範囲は、光源から出射され透光要素を透過された光によって生成されるとしてもよい。
また、前記各実施形態では、平板状の基板を備え、この基板の長手方向に沿ってスケール格子パターンが形成されるスケール格子80、円板状の基板を備え、この基板の円周方向に沿ってスケール格子パターンが形成されるスケール格子80’’、円筒状の部材を備え、この部材の表面上、その円周方向に沿ってスケール格子パターンが形成されるスケール格子80’、について説明したが、本発明では、テープ状の部材を備え、この部材の表面上、その長手方向に沿ってスケール格子パターンが形成されるスケール格子パターンを使用してもよい。
本発明は、変位の測定に利用できる。
本発明による光ファイバレシーバチャネル装置の第1実施形態を示す等角投影図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置において使用可能な光干渉装置の第1実施形態を示す等角投影図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第1実施形態を示す等角投影図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第2実施形態を示す等角投影図。 本発明によるスケール格子の第1実施形態の格子パターンを示す等角投影図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置における受光面を示す正面図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置およびスケール格子を示す平面図。 種々の光源光発散角に対して、最小動作ギャップと、レシーバ開口部境界半径との間の関係を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第3実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置に使用可能な受光ファイバを示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置に使用可能な光源ファイバを示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置と共に使用可能な遠隔電子インターフェースユニットを含むブロック図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第4実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置に使用可能な位相マスク素子を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置およびケーブルの第1実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置において生じる偏揺れ位置決め不良を模式的に示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第5実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第6実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置の第7実施形態を示す図。 本発明による光ファイバリードヘッド装置と共に使用可能な光ディフレクタを示す図。 回転スケール格子に対して第1の方向に配置された、本発明による光ファイバリードヘッド装置と共に使用可能な取付けブラケットおよび光ディフレクタを示す図。
符号の説明
80…スケール格子
100…光ファイバレシーバチャネル装置
110…レシーバチャネル開口部
120…位相マスク
130…受光ファイバ
157…チャネル構成中心
160…基準受光面
190…光ファイバレシーバチャネル
200…光干渉装置
256…干渉照明範囲
266…干渉縞
280…光源
300…光ファイバリードヘッド装置
561…位相マスク素子
570…光源ファイバ
600…リードヘッドハウジング
805…遠隔電子インターフェースユニット
1900…光ディフレクタ
2000…組立てブラケット
2001…ボア

Claims (15)

  1. 測定方向に沿って形成されるスケール格子パターンを有するスケールと、
    このスケールに光を照射する光源と、
    前記スケール格子パターンからの回折光によって生成される干渉照明範囲内に配置されるリードヘッド装置とを備え、
    前記リードヘッド装置は、複数の光ファイバレシーバチャネルを備え、
    前記各光ファイバレシーバチャネルは、
    所定の空間位相位置に配置され、所定のマスクピッチで形成される遮光要素を含んだ周期構造を有し、前記干渉照明範囲内の干渉光をフィルタリングする位相マスクと、
    前記干渉光が前記位相マスクにおける所定のフィルタリング範囲においてフィルタリングされることによって生成されるチャネル信号光が入力される入力端を有する受光ファイバとを備え、
    前記スケール格子パターンによって生成される±1次回折光が到達し、かつ、±3次回折光が到達しない、略円状領域内に設けられ、
    前記フィルタリング範囲は、前記位相マスクの少なくとも1つの周期構造を含む範囲とされ、
    前記各受光ファイバに入力された前記各チャネル信号光を基に、前記スケールと前記リードヘッド装置との前記測定方向に沿った相対変位を測定する、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  2. 請求項1に記載の変位測定装置において、
    前記各位相マスクの各空間位相の間に所望の関係が確立されるように、前記各位相マスクを、透光性を有するマスク基板上に設ける、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  3. 請求項2に記載の変位測定装置において、
    前記各位相マスクが、前記マスク基板における前記各受光ファイバの前記入力端と対向する側の面に設けられることによって、
    前記各位相マスクが、それと対応する前記各入力端と対向される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記各光ファイバレシーバチャネルは、それぞれ、前記各受光ファイバのコア面積に基づく受光範囲を有し、
    前記複数の光ファイバレシーバチャネルのうち少なくとも3つの光ファイバレシーバチャネルにおける前記各受光範囲の中心が、前記リードヘッド装置における所定のチャネル構成中心から同じ距離だけ隔たった位置に配置される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記複数の光ファイバレシーバチャネルは、2N(N≧2)の光ファイバレシーバチャネルからなるN対の光ファイバレシーバチャネル対を含んで構成され、
    前記各光ファイバレシーバチャネル対は、前記N対の光ファイバレシーバチャネル対のチャネル構成中心を挟んで正反対の位置に配置される2つの光ファイバレシーバチャネルによって構成され、
    前記各光ファイバレシーバチャネル対における2枚の前記位相マスクは、空間位相が等しい/空間位相に180°の差がある、のいずれか一方である、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記リードヘッド装置の構成要素を収納するリードヘッドハウジングが設けられ、
    このリードヘッドハウジングは、前記各受光ファイバに平行な方向に沿って長尺、かつ、前記各受光ファイバに垂直な方向に沿って短尺であり、直径が5mm以下のボアに前記長尺方向に沿って挿入可能に設けられる、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記各チャネル信号光が前記スケールと前記リードヘッド装置との間の相対変位に対して正弦関数的な変化を示すように、前記各光ファイバレシーバチャネルを構成する、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記各位相マスクにおける前記フィルタリング範囲は、当該位相マスクの少なくとも3つの周期構造を含む範囲とされる、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記各位相マスクにおける前記フィルタリング範囲は、当該位相マスクの少なくとも6つの周期構造を含む範囲とされる、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記スケール格子パターンは、その法線方向が、前記リードヘッド装置における各光ファイバレシーバチャネルのレシーバチャネル形成面の法線方向に対して垂直になるように形成され、
    前記スケール格子パターンと前記リードヘッド装置との間には、前記スケール格子パターンの法線方向、および、前記レシーバチャネル形成面の法線方向の双方に対して45°の角度をなす法線を有する反射面が設けられる、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記光源は、電子固体光源素子、および、入光端において遠隔光源からの光が供給される照明ファイバの出光端、の少なくともいずれかによって構成される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記光源と前記リードヘッド装置とは、前記スケール格子パターンに対して同じ側に配置され、
    前記スケール格子パターンは、反射要素を含んで構成され、
    前記干渉照明範囲は、前記光源から出射され、前記反射要素によって反射された光によって生成される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記リードヘッド装置における所定のチャネル構成中心と同心の中心ファイバが設けられ、
    この中心ファイバは、その後端において前記光源から光源光の供給を受け、その先端において前記光源光を前記スケールに向けて出射し、
    前記複数の受光ファイバのうち少なくとも3本の受光ファイバが、前記中心ファイバに当接するように配置される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  14. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記光源と前記リードヘッド装置とは、前記スケール格子パターンを挟んで互いに反対側に配置され、
    前記スケール格子パターンは、透光要素を含んで構成され、
    前記干渉照明範囲は、前記光源から出射され、前記透光要素を透過された光によって生成される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の変位測定装置において、
    前記スケールは、
    平板状の基板を備え、この基板の長手方向に沿って前記スケール格子パターンが形成される、
    または、
    円板状の基板を備え、この基板の円周方向に沿って前記スケール格子パターンが形成される、
    または、
    円筒状の部材を備え、この部材の表面上、その円周方向に沿って前記スケール格子パターンが形成される、
    または、
    テープ状の部材を備え、この部材の表面上、その長手方向に沿って前記スケール格子パターンが形成される、
    ことを特徴とする変位測定装置。
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