JP2004053605A - 光ファイバ受信器チャネルを使用した回折格子エンコーダ及び変位測定装置 - Google Patents

光ファイバ受信器チャネルを使用した回折格子エンコーダ及び変位測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非常に高い精度を与える、極めて小さいサイズの光エンコーダを提供する。
【解決手段】回折格子エンコーダは、スケール格子80が形成されたスケール81と、スケール格子80上に光を照射する光源280と、先端部が光源280と共にスケール81に対して測定軸82方向に相対移動可能に配置された光ファイバ読み取りヘッド300とを備える。光ファイバ読み取りヘッド300は、スケール格子80上からの光によって所定位置に形成される自己像265を受光する複数の光ファイバ受信器チャネル190A〜Cを有する。光ファイバ受信器チャネル190は、光ファイバ130と、この光ファイバ130の一端に形成された受信器チャネル開口110と、受信器チャネル開口110に形成された位相マスク120とを有する。位相マスク120は、自己像に形成される明暗周期に対応した周期の格子を有し、複数の光ファイバ受信器チャネル190間ではそれら格子が異なる空間位相関係を有する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的に変位検出光エンコーダに関し、特に受信器要素として光ファイバを使用して超小型で高精度のシステムを提供する光エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
線形、回転または角度の移動を検知するための各種の移動または位置エンコーダが現在利用可能である。これらのエンコーダは、一般に光システム、磁気スケール、誘導変換器、あるいは容量変換器のいずれかに基づいている。
【0003】
光エンコーダとして、多数のシステムが開発されている。最前のシステムに比べて少ない部品を使用する近年の1つのシステムが、エスラン(Eselun)に与えられた米国特許第5,909,283号に開示されている。この283特許に記載されたシステムは、回折格子スケールおよび読み取りヘッドと、ロンキー格子またはホログラフ要素と、光検出器アレイとを有する。読み取りヘッドは、点光源(読み取りヘッド内のレーザダイオード)を含む。開示されているように、点光源は、スケールの間隔に等しい間隔を有した干渉縞を生じさせる。この干渉縞の光は、ロンキー格子またはホログラフ要素を通して光検出器アレイに伝達される。この光検出器アレイは、伝達された干渉縞光から4チャネルの矩象信号を求めるように配置されている。しかしながら、結果として得られたエンコーダは依然として、比較的大型であるか、多数の応用には使用不能なサイズである。
【0004】
受信器として光ファイバを使用する1つのシステムが、トクナガ(Tokunaga)に与えられた米国特許第4,733,071号に開示されている。この071特許に記載されたシステムは、コード部材スケールと、光センサヘッドとを有している。この光センサヘッドは、1つの光ファイバ先端発光部と、コード部材測定軸に沿って近接して配置された2つの光ファイバ先端受光部とを備える。光センサヘッドは、2つの光ファイバ先端受光部間の位相差を調整するために回転(揺動)される。しかしながら、結果として得られたエンコーダの精度は、比較的粗い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した欠点および他の欠点を克服するエンコーダを提供するものである。より具体的には、本発明は、多くの他の望ましい特徴を有することに加えて、非常に高い精度を与える、極めて小さいサイズの光エンコーダを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバ受信器チャネルを使用した回折格子エンコーダは、測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、前記スケール格子上に照明スポットを形成するように前記スケールに対して光を照射する光源と、前記スケール格子上の照明スポットからの光によって前記スケールから所定ギャップ離れた位置に形成される自己像を先端部で受光する複数の光ファイバ受信器チャネルから構成され、少なくともそれらの先端部が前記光源と共に前記スケールに対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置された光ファイバ読み取りヘッドとを備え、前記光ファイバ受信器チャネルが、光ファイバと、この光ファイバの一端に形成されて前記自己像を前記光ファイバに導入する受信器チャネル開口と、この受信器チャネル開口に形成された位相マスクとを有し、前記位相マスクは、前記自己像に形成される明暗周期に対応する周期の格子を有し、複数の光ファイバ受信器チャネルの位相マスクの格子は互いに異なる空間位相関係を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第1の変位測定装置は、測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、前記スケール格子上に照明スポットを形成するように光出射端から前記スケールに対して光を照射する光源用光ファイバと、前記スケール格子上の照明スポットからの光によって前記スケールから所定ギャップ離れた位置に形成される自己像を先端部で受光する複数の光ファイバ受信器チャネルから構成され、少なくともそれらの先端部が前記光源と共に前記スケールに対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置された光ファイバ読み取りヘッドであって、前記光ファイバ受信器チャネルが、受信器用光ファイバと、この光ファイバの一端に形成されて前記自己像を前記受信用光ファイバに導入する受信器チャネル開口と、この受信器チャネル開口に形成された位相マスクとを有し、前記位相マスクが、前記自己像に形成される明暗周期に対応する周期の格子を有し、複数の光ファイバ受信器チャネルの位相マスクの格子は互いに異なる空間位相関係を有する、光ファイバ読み取りヘッドと、前記光源用光ファイバ及び前記光ファイバ読み取りヘッドの複数の受信器用光ファイバの前記スケールとは反対側の端部に設けられた遠隔電子インターフェース部であって、前記光源用光ファイバに照明光を供給する光源、前記各受信器用光ファイバに導入された光をそれぞれ検出及び増幅する複数の光検出器/アンプ、及びこれら光検出器/アンプの出力信号を処理して前記スケールと光ファイバ読み取りヘッドとの相対変位を算出する信号処理及び制御部を有する遠隔電子インターフェース部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第2の変位測定装置は、2つの部材間の相対変位を測定する装置であって、測定軸方向に沿って形成されたスケール格子を備えたスケールと、前記スケールの操作可能な自己像を提供するために操作可能な読取ヘッドであって、少なくとも一つの光源要素からなる光源部、及び、複数の光ファイバ受信器チャネルを備えた読取ヘッドと、を備え、前記各光ファイバ受信器チャネルは、空間位相を有し、スケールの操作可能な自己像を空間フィルタリングする操作可能なピッチで配列された光遮蔽要素を有する受信器チャネル空間位相マスク部と、受信器チャネル光学信号光を受信する入力端を備えた少なくとも一つの受信器チャネル光ファイバと、を備え、前記少なくとも1つの受信器チャネル光ファイバによって受信される前記各受信器チャネル光学信号光は、測定軸方向に沿った少なくとも3つの完全周期の集光領域長さを有する集光領域上の、各受信器チャネル空間位相マスク部を介して集光された光学信号光からなり、前記読取ヘッドがスケール格子に対して相対的に操作可能に位置決めされたとき、複数の光ファイバ受信器チャネルの少なくとも第1及び第2のチャネルは、少なくとも第1及び第2の各信号位相を有する第1及び第2の各受信器チャネル光学信号を提供するため、名目空間位相マスク平面でスケールの操作可能な自己像の各部分を空間フィルタリングし、前記装置は、前記少なくとも第1及び第2の各受信器チャネル光学信号を各光ファイバを通して出力し、これにより各チャネルの変位情報を、電子的光学検出要素の利用なしに生成された複数の各チャネルの光出力信号の形態で提供することを特徴とする。
【0009】
即ち、283特許に開示されているような電子式読み取りヘッド受信器(光検出器)は、高速スケール運動に関連した高周波検出器信号を変換すること、並びにそれらの信号を長いケーブルを通して有意な信号損失または干渉なしに送信することに制限を受ける。加えて、電子式光検出器およびそれに関連した回路の接続は、多くの潜在的エンコーダ応用にとっては大きすぎる読み取りヘッドの一因となる。以下で理解されるように、本発明の光ファイバ受信器チャネルを使用した回折格子エンコーダは、これらの制限を克服する。
【0010】
本発明のもう1つの形態によると、光ファイバエンコーダ読み取りヘッドは、それぞれの位相格子マスクを有した複数の光ファイバ検出器チャネルを使用して、スケール格子像の位置を検出する。071特許に開示されたような光ファイバ先端レセプタは、それらの直径が大きい場合には、微小な位相信号の弁別に不十分な空間的分解能となる。一方、それらの直径が小さい場合には、少ない光しか集められないので、良好な信号を与えることができない。このように、それらの精度は制限されてしまう。以下で理解されるように、本発明の光ファイバ検出器チャネルは、これらの制限および他の制限を克服して高い精度を提供する。
【0011】
発明のもう1つの形態によると、複数の光ファイバ検出器チャネルによって検出されたスケール格子像は、タルボット像のような他の名称によっても知られている自己像であって、比較的確固とした整合公差と高分解能とを与える。
発明のもう1つの形態によると、光ファイバエンコーダ読み取りヘッドは、光ファイバ検出器チャネルの入力開口サイズに基づく設計関係によって構築されて、信頼性の高い信号と改良された精度とを与える。
【0012】
発明の異なる形態によると、光ファイバ検出器チャネルは、バランスされた対として配設されて、改良された精度を与える。
発明の更に異なる形態によると、光ファイバ検出器チャネルのバランスされた3つの対は、改良された精度を与えるように信号処理される。
【0013】
発明の異なる形態によると、光ファイバによって光源が提供され、エンコーダ読み取りヘッド内の電子的アセンブリおよび電子信号に関連した全ての制限及びコストから自由な、全光学式の読み取りヘッドを与える。
【0014】
発明の異なる形態によると、光ファイバエンコーダの種々の光ファイバは、エンコーダの測定精度が光ファイバ読み取りヘッドケーブルの曲げによって比較的影響されないように、種々のタイプから選択される。
【0015】
発明の異なる形態によると、光ファイバエンコーダ読み取りヘッドの種々の実施形態は、特に経済的、高精度且つ小型な態様で構築される。
発明の異なる形態によると、光ファイバエンコーダ読み取りヘッドは、標準的な市販の光ファイバコネクタ構造に挿入されうるように構築される。
【0016】
発明の異なる形態によると、基本的な読み取りヘッドの要素とスケール格子との間の読み取りヘッドの光学経路を偏向するための光偏向要素が設けられ、スケールに対する読み取りヘッドの操作可能な取付方位が変化される。
【0017】
発明の異なる形態によると、一実施形態では、適切な電子的光源と光検出器とを含んだ遠隔インターフェース箱が利用される。前記光検出器は、この発明による1以上の光ファイバ読み取りヘッドとの間の光ファイバとのインターフェースとなり、また受信した光信号を更なる信号処理および読み取りヘッド位置判定に適した形態に変換する。
【0018】
かくして、この発明は、従来の光学式変位検知装置の欠点を克服し、超小型で高精度且つ経済的で高速な構成を有する新規な応用可能性を提供する。
【0019】
この発明の前述した形態および付随する利点の多くは、添付の図面に関連してなされる以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されるに従い、より容易に認められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明による光ファイバ受信器チャネル構造100の第1の包括的実施形態を示す。図1に示すように、光ファイバ受信器チャネル構造100は、3つの光ファイバ受信器チャネル190A,190Bおよび190Cを有する。光ファイバ受信器チャネル190Aは、受信器チャネル開口110Aと、位相マスク120Aと、受信器光ファイバ130Aとを有する。同様に、光ファイバ受信器チャネル190Bは、受信器チャネル開口110Bと、位相マスク120Bと、受信器光ファイバ130Bとを有する。同様に、光ファイバ受信器チャネル190Cは、受信器チャネル開口110Cと、位相マスク120Cと、受信器光ファイバ130Cとを有する。
【0021】
各光ファイバ受信器チャネル190において、位相マスク120は、受信器チャネル開口110を完全にカバーして、入射照明に対し空間フィルタとして作用する回折格子を有する。受信器光ファイバ130は、受信器チャネル開口110によって受信された照明光が、公称的には全て光ファイバ130に導かれ、光信号191を与えるように、受信器チャネル開口110と整合される。種々の例示的実施形態では、受信器チャネル開口110は、単に受信器光ファイバ130の平坦な端部である。種々の他の例示的実施形態では、受信器チャネル開口110は、受信器光ファイバ130の形作られた端部である。種々の他の例示的実施形態では、受信器チャネル開口110は、小型の屈折または回折レンズである。これは、入射照明光を位相マスク120を通して集め、それを集光し、さらにその光を効率よく受信するように整合された受信器光ファイバ130の端部にその光を向けるものである。各光ファイバ受信器チャネル190の受信器チャネル開口110と、位相マスク120と、受信器光ファイバ130は、接着剤や他の好適な方法によって、互いに固定された関係に締結されている。
【0022】
この発明による種々の例示的実施形態では、位相マスク120は、名目上の受信平面160を規定、および/または、それと一致する、同一平面内に配設されている。位相マスク120の種々の例示的実施形態は、それらの特定の方位と個別の位相位置と同様に、以後、詳細に説明する。受信器チャネル開口110の位置は、便宜上、光ファイバ受信器チャネル構造100のチャネル配置中心157を基準にして説明する。この発明による種々の高精度光ファイバ読み取りヘッドの実施形態では、チャネル配置中心157は、以下で説明するように、光ファイバ受信器チャネル構造100について述べられるどのような照明範囲の名目中心とも一致するように位置決めされている。各受信器チャネル開口110A〜110Cの実効中心は、図1に示すように、チャネル配置中心157からのそれぞれの位置半径140A〜140Cに配置されている。ここで、受信器開口の位置半径は、包括的にRALとして示されている。この発明の目的のために、受信器チャネル開口110が明瞭な幾何学的中心を持たない種々の実施形態では、実効中心が開口面積の重心とされる。
【0023】
有用な受信器開口の位置半径140と、開口面積は、図9〜12を参照して以下で詳細に説明される発明の原理に従って決定される。種々の例示的実施形態では、受信器チャネル開口110は同じであり、またそれらのそれぞれの位置半径140は同じである。一般的に、この発明による光ファイバ読み取りヘッドに同じ光ファイバ受信器チャネル190を使用すると、より簡素な構造、より簡素な信号処理および相対的に高い測定精度が可能になる。しかしながら、より一般的には、受信器チャネル開口110、および/または、それらの受信器開口の位置半径140は、この発明による種々の例示的実施形態では、同じである必要はない。
【0024】
光ファイバ受信器チャネル190は、一般的に互いに固定された関係に配設される。特に、各光ファイバ受信器チャネル190の位相マスク120の回折格子は、名目的に同一平面的であって、受信平面160内では互いに特別な空間位相関係で固定されている。種々の例示的実施形態では、位相マスク120は、以下で更に説明されるように、それらを単一のマスク基板上に組み立てることによって、特別な空間位相関係で固定されている。例示的アセンブリの部品および方法は、以下で更に論議される。
【0025】
図2は、この発明による種々の例示的光ファイバ読み取りヘッドで使用可能な自己像形成構造200の第1の包括的実施形態を示す。タルボット像としても知られる自己像の基本原理は周知であるので、ここでは詳細に説明しない。1つの古典的分析は、カウレイ(Cowley, J.M.)とムーディー(Moody)の論文(A.F., 1957, Proc. Phys. Soc. B, 70, 486)に示されている。自己像形成構造200は、光源280と、そこから光源ギャップ284だけ離されたスケール格子80とを有する。光源ギャップの寸法は、一般的にzで示されるか、あるいは光源ギャップ284と像ギャップ285が等しい場合にはzで示される。スケール格子80は、測定軸82に沿って配列され、照明スポット253内に垂直線によって示されるように、測定軸82に直交して延びる格子要素、則ちバーを有している。格子要素、則ちバーは、一般に格子周期または格子ピッチPとして示される格子周期81に従って、測定軸82に沿って周期的に配設されている。
【0026】
図2に示されるX,YおよびZ軸は、スケール格子80の平面を基準にして規定される。X軸は、スケール格子80の平面と測定軸に平行である。X−Y平面は、スケール格子80の平面に平行であるが、Z軸は、この平面に直交している。
【0027】
包括的な自己像形成構造200では、光源280は、概ねソース光軸251に沿ってソース光250を放射する。このソース光は、一般に単色であるか、疑似単色であって、公称波長λを有する。ソース光250は、一般に発散半角252で発散する。ソース光250は、光源ギャップ284に等しい距離だけ進行して、スケール格子80を照明スポット253の位置で照射し、そこで概ねスケール光軸255に沿うスケール光254として反射される。図2に示す実施形態では、ソース光軸251とスケール光軸255は、Z軸に平行で、互いに一致している。スケール光254は、像ギャップ285に等しい距離だけ進行して自己像平面265に至る。この像ギャップの寸法は、概ねzで示されている。自己像平面265において、スケール光254は、自己像266を含む照明範囲256を与える。この照明範囲256は、照明範囲中心257と、名目照明範囲半径258とを有する。自己像266は、それぞれが測定軸82と直交して延びる明暗縞からなる画像である。この明暗縞は、概ね自己像周期または自己像ピッチPsiとして示される自己像周期83に従って、測定軸82と平行な方向に周期的である。
【0028】
自己像形成構造200では、自己像平面265は、スケール格子80の平面に平行である。ここで認められるべき点は、自己像が、特別な組の自己像平面の空間内に局在化されるものであるということである。光源280が事実上点光源であり、且つその構成がほぼ図2に示されたものであるとき、「位相内」像および「反転」像の双方を含んだ、使用可能な自己像平面についての自己像条件は、
【0029】
【数1】
Figure 2004053605
【0030】
であり、また格子ピッチPに対する像ピッチPsiの大きさについての自己像条件は、
【0031】
【数2】
Figure 2004053605
【0032】
である。ここで、
ν=0,1,2・・・、
は光源ギャップ、
zは像ギャップ、
λはソース光の波長である。
【0033】
従って、図2に示した構成について、z=zにより、使用可能な自己像平面は、2P /λの整数倍に配置され、またピッチPsiは、格子ピッチPの2倍になる。
【0034】
自己像平面間の平面に位置して、一般にフレネル像として知られる像も存在することを理解すべきであろう。位相マスク120のピッチが選択されたフレネル像のピッチと一致するように調整されている限り、この発明の原理に従って、フレネル像は、自己像として使用でき、またここで使用される自己像という用語の範囲内に包含される。フレネル像の特徴は、パトロスキーの論文(Krzysztof Patorski, The Self−Imaging Phenomenon and Its Applications, Progress in Optics, ed. E. Wolf, 27, 3−108, North Holland, Amsterdam 1989)を参照することによって、理解し、適用することができる。
【0035】
この発明による種々の他の実施形態では、スケール格子80は、スケールからの0次反射が抑制されるように特別に構築された反射位相格子型スケールである。位相格子の自己像がエンコーダに使用できなくとも、他の使用可能な像が利用可能である。それは、上記分析における振幅格子のような振幅格子と共に利用可能である場合よりも強い信号を与えるものである。そのような実施形態にとって、使用可能な像の位置は、上記分析によれば、自己像の位置から変位していることを理解すべきである。最も使用可能な像平面間の距離は、上記分析と同様である。ただし、所定の追加的なオフセットが、スケールと第1の使用可能な像平面との間の、使用可能な像平面間の距離の半分である、ギャップに存在する。例えば、z=zの反射型構成で、ソース波長が780nmで、20ミクロン周期の位相格子は、名目ギャップz=0.513+ν1.026mm、ν=1,2,3・・・で使用可能な(順次逆になる位相を有した)像平面を有する。この場合、マスク厚さおよびスケール基板厚さの可能なオフセットは、無視されている。ギャップを最良な動作用に調整するに必要なオフセットは、種々の動作中のギャップにおける光ファイバ受信器チャネルの信号を観察することによって、実験的に簡単に決定される。その代わりに、適切な分析やシミュレーションを追加的オフセットの決定に使用することもできる。
【0036】
この発明による種々の例示的実施形態において、光源280の特に単純で効果的な実施形態は、離れた位置のレーザダイオードや他の好適な光源から与えられるコヒーレントな光を送信する単一の光ファイバの端部である。種々の他の例示的実施形態において、光源280は、図17を参照して以下で詳細に説明されように精密な間隔で配置された2以上の光源である。更に他の種々の例示的実施形態において、光源280は、離れた位置のLDやLEDあるいは他の好適な光源からの光を送信する1以上の光ファイバの端部に配設されたソース格子開口の周期的アレイである。ソース格子の開口は、図18を参照して以下でより詳細に説明されるように、指定された幅と、指定された周期とを有する。更に他の例示的実施形態では、光源280は、光ファイバ読み取りヘッド内に含まれた微小固体レーザ要素またはソース格子と微小LED要素とによって提供される。このような場合、読み取りヘッド構造がより複雑且つコスト高になり、全光学式読み取りヘッドの利益の少なくとも一部が損なわれるということを理解しなければならない。しかしながら、そのような場合でさえも、この発明による全光学式受信器チャネル構造を組み入れた読み取りヘッドの利益の少なくとも一部は残る。
【0037】
図3は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造300の第1の包括的実施形態を示す。この光ファイバ読み取りヘッド構造300は、図1及び図2に関してそれぞれ前述した光ファイバ受信器チャネル構造100の第1の包括的実施形態と、自己像形成構造200の第1の包括的実施形態とを含んでいる。図3に示すように、光源280は、ソース光軸251に概ね沿って、ソース光250を放射する。ソース光250は、光源ギャップ284と等しい距離zだけ進行して、破線で概略示されるスケール81上に坦持されたスケール格子80を、照明スポット253で照射する。照明スポット253は、概ねスケール光軸255に沿ったスケール光254として光を反射する。図3の実施形態では、ソース光軸251とスケール光軸255は、Z軸に平行で、互いに一致している。スケール光254は、像ギャップ285に等しい距離zだけ進行して、自己像平面265に到達する。自己像平面265では、スケール光254が、前述したように自己像ピッチPsiの明暗縞からなる自己像266を含んだ照明範囲256を与える。
【0038】
図1を参照して前述した受信器平面160は、自己像平面265と名目的に一致するように配設される。実際には自己像が、前述した「完全な」自己像平面に隣接した「あまり集束されていない」平面に存在するということを理解すべきである。いくつかの例示的実施形態では、受信器は、そのような「あまり集束されていない」自己像平面と名目的に一致するように、意図的に配設され、そして十分なまたは所望の像が依然としてこの発明の原理に従って検出される。例えば、自己像266内の不必要な高次空間高調波要素を抑制するために、そのような「あまり集束されていない」自己像平面は、意図的に選択されうる。チャネル配置中心157もまた、名目的に照明範囲中心257と整合される。この実施形態の光ファイバ読み取りヘッド構造300では、光源280もまた名目的に照明範囲中心257と整合されていることが理解できる。全ての部品の整合は、整合板を使用することによって、種々の実施形態において容易に達成される。この整合板は、位相マスクに最も近接して配置されて整合し、そして必要数の受信器ファイバ穴と、適用可能であれば、光源ファイバ穴とを有する。種々のファイバ端部が、適切な穴に挿入され、固定されて、必要な整合を与える。図3は、1つの例示的整合板305の「分解図」を示している。矢印308は、整合板305が、図示の「分解された」位置ではなく、位相マスク120に最も近接して位置決めされるものであることを示している。種々の実施形態に適用可能であれば、整合板305は、受信器ファイバ穴306と、光源ファイバ穴307とを有する。名目的に整合した受信器平面160と自己像平面265では、それぞれの光ファイバ受信器チャネル190について、それぞれの位相マスク120が、入射する自己像照明を空間フィルタ処理する。図3に示した例示的実施形態では、それぞれの位相マスク120A、120Bおよび120Cがそれぞれ像ピッチPsiと同じマスクピッチPを有し、そして自己像266に関して0度、120度および240度となるそれぞれの空間位相位置に配設されている。このようにして、光ファイバ受信器チャネル190A、190Bおよび190Cは、空間位相差を除いて同様に空間フィルタ処理された照明を受信する。以下で認められる点は、スケール格子80が測定軸に沿って増分Pだけ移動すると、自己像は、位相マスク120に対して増分Psiだけ移動するということである。従って、スケール格子80が測定軸に沿って移動するときに、光受信器チャネル190A、190Bおよび190Cに対応した光信号191A、191Bおよび191Cは、120度の相対位相変化を有してはいるが、ほぼ同じ正弦強度変化を示す。このような「3相」変位信号に基づいて、位相マスク120A、120Bおよび120Cに対するスケール格子80の変位を決定するために、周知の方法が利用できる。
【0039】
このように、図3に示された例示的な光ファイバ読み取りヘッド構造300は、この発明による各種の光ファイバ読み取りヘッドで使用可能な変位測定システムを提供する。図3に示された反射型光ファイバ読み取りヘッド構造300の他に、透過型ファイバ読み取りヘッド構造も有ることは、当業者なら理解し得るであろう。そのような場合、光源280は、透過型スケール格子に対して反対側にZ軸に沿って同じ距離で、光源280とスケール格子との間の同様の光源ギャップ284’をもって配置される。
【0040】
例示的な光ファイバ読み取りヘッド構造300は、3相測定システムを提供する。しかしながら、以下で認められるように、位相マスク120の代替実施形態が、光受信器チャネル190の対応する代替構造と共に、包括的な光ファイバ読み取りヘッド構造300で使用可能である。矩象位相関係や更に高次の位相関係を有した光信号を与える実施形態を含む、位相マスク120の種々の例示的実施形態が、以下で更に詳細に説明される。
【0041】
図4は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造400の第2の包括的実施形態を示す。これは、以下の説明で示される点を除いて、光ファイバ読み取りヘッド構造300と同様の態様で動作する。図4で参照符号のない要素は、図3と見かけ上同様の要素として理解されるものである。光ファイバ読み取りヘッド構造400は、図1に関して前述した光ファイバ受信器チャネル構造100の第1の包括的実施形態と、自己像形成構造の第2の包括的実施形態とを含んでいる。
【0042】
図4に示すように、光源280は、Y−Z平面内でZ軸からある角度傾斜しているソース光軸251Aに概ね沿って、ソース光250を放射する。この角度は、ここでは−βとして示されている。ソース光250は、距離z進行してスケール格子80を照明スポット253で照射する。この照明スポット253は、スケール光254として概ねスケール光軸255Aに沿って光を反射する。このスケール光軸は、図示のようにY−Z平面内でZ軸から角度+β傾斜している。以下で認められるように、Y−Z平面に平行な方向の光線成分に対し、格子スケールは平面鏡として作用する。スケール光254は、距離z進行して自己像平面265Aに到達する。この自己像平面は、数式(1)および数式(2)の条件が満たされるように、スケール光軸255Aに垂直な平面である。これにより、自己像平面265Aでは、スケール光254は、前述したように自己像ピッチPsiの明暗縞からなる自己像266を含んだ照明範囲256を形成する。
【0043】
受信器平面160は、自己像平面265Aと名目的に一致するように配置され、またチャネル構造中心157は、照明範囲中心257と名目的に整合されている。このことは、光ファイバ読み取りヘッド構造300と同様である。従って、光ファイバ読み取りヘッド構造300でのように、光ファイバ受信器チャネル190A,190Bおよび190Cは、空間位相差以外は同様に空間フィルタ処理された照明を受信し、そして光ファイバ読み取りヘッド構造300でのように対応する光信号191A,191Bおよび191Cを生成する。
【0044】
このように、図4に示された光ファイバ読み取りヘッド構造400は、チャネル構造中心157および照明範囲中心257から離れて光源280が配置されている代替の「傾斜」構造を提供する。図4に示された反射型光ファイバ読み取りヘッド構造300の他に、透過型ファイバ読み取りヘッド構造も有ることは、当業者なら理解し得るであろう。この場合、光源280は、スケール格子80のX−Y平面を横切った、スケール光軸255Aの延長線に沿う対称位置に配置される。この場合、スケール格子80も透過型スケール格子であることも理解される。
【0045】
そのような代替構造は、この発明の種々の光ファイバ読み取りヘッドにおいて使用可能である。以下で理解されるように、位相マスク120の代替実施形態は、受信器チャネル190の対応する代替実施形態と共に、第2の包括的な光ファイバ読み取りヘッド構造400において使用可能である。位相マスク120の種々の例示的実施形態が、矩象位相関係や更に高次の位相関係を有する光信号を提供する実施形態を含んで、以下で更に詳細に説明される。
【0046】
図5は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造500の第3の実施形態を示している。これは、図3を参照して前述された包括的な光ファイバ読み取りヘッド構造300と同様に構成され、且つ同様に動作するものである。構成及び動作におけるこれらの同一性故に、以下では、光ファイバ読み取りヘッド構造500の追加説明を必要とする形態だけが記述される。
【0047】
図5に示されるように、光ファイバ読み取りヘッド構造500は、前述の光ファイバ受信器チャネル190A〜190Cと同様に動作する3つの光ファイバ受信器チャネル590A〜590Cを有する。例えば、光ファイバ受信器チャネル590Aは、受信器チャネル開口510Aと、位相マスク520Aと、受信器光ファイバ530Aとを有する。更に、透明材料の位相マスク要素561と、前述した包括的な整合板305と同様な整合板305’と、光源ファイバ570の端部によって与えられる光源580とを有する。光源ファイバ570は、例えば、図8を参照して以下で説明されるように、遠方のレーザ光源に最近接したそのファイバの遠端に入力したレーザ光を搬送する。このレーザ光は、光源ファイバ570の読み取りヘッド端部からソース光として放射されて、この発明の自己像形成に好適な光源580を与える。種々の例示的実施形態では、光源ファイバ570の読み取りヘッド端部は、平坦であって、ファイバ軸に直交し、且つ位相マスク要素561に当接している。例示的な光源ファイバ570が以下で詳細に説明される。
【0048】
位相マスク要素561は、例えば多数の利用可能なエンコーダ読み取りヘッド等を組み立てることに現在使用されているものを含む、現在既知のあるいは今後開発される薄膜技術、材料およびプロセスによって構築されうる。図5に示された例示的実施形態では、位相マスク要素561は、図示のように位相マスク520A〜520Cを坦持した三角形状の要素である。この位相マスク要素561は、透明で、光源580の近傍に不透明なマスク要素がない。従って、ソース光は位相マスク要素561を通して送信される。この発明の前述した原理によると、位相マスク520A〜520Cは、位相マスク要素561の表面上に同一平面構造で配置されている。この表面は、自己像平面265(図示せず)と名目的に整合された受信器平面160を規定する。発明者は、この発明のいくつかの読み取りヘッドの実施形態において、良好な性能が生ずることを見出している。これは、受信器光ファイバの端部、例えばこの例示的実施形態では受信器光ファイバ530A〜530Cの端部に最近接して位置決めされた表面上に、そのような位相マスク要素があるときである。
【0049】
1つの例示的実施形態では、例示的位相マスク520A〜520Cのそれぞれは、16ミクロンピッチで組み立てられている。これは、8ミクロンのスケール格子ピッチを有する例示的スケール格子80(図示せず)によって与えられる自己像ピッチPsiと整合するためである。1つの例示的実施形態では、スケール格子80は、名目的な自己像形成ギャップz=1.61mmにある光源580からの635nmのレーザ光で照射される。このギャップは、実験的に調整されて、位相マスク520がスケールから離されて位置決めされるときの位相マスク要素561の基板材料の屈折率によるギャップ変化を補償する。この場合、そのビームの光エネルギの約90%を含むために約7度である光ファイバ光源280からの典型的な発散半角について、そのビームの光エネルギの約90%を含む照明範囲の直径は、約0.8mmである。
【0050】
位相マスク520A〜520Cは、3相測定システムを提供するように配置されている。これにより、位相マスク520A内の格子バー521Aのエッジを基準にして、位相マスク520B内の格子バーの対応するエッジが、X軸に沿って第1の方向に+120度だけ、則ち16ミクロンを法として、1/316ミクロンだけ空間的に位相シフトされる。位相マスク520C内の格子バーの対応するエッジは、X軸に沿って反対の方向に同じ量だけ、則ち16ミクロンを法として、1/316ミクロンだけ空間的に位相シフトされる。1つの例示的実施形態では、位相マスク520の空間デューティサイクルは、50/50である。種々の他の例示的実施形態では、位相マスク520のデューティサイクル(および名目ピッチ)は、受信した自己像内の空間高調波を抑制するために、および/または、自己像収差等を訂正するために、既知のあるいは今後開発される方法によって調整される。
【0051】
位相マスク520の格子バー521は、それぞれの受信器チャネル開口510を完全にカバーしなければならない。図5に示す例示的実施形態では、このことは、格子バー521の殆どを、下地の受信器光ファイバ530の外径と等しい長さに作ることで達成される。この場合、アセンブリ公差変化を包含するに十分な追加的な長さが加えられる。同様に、マスク格子の十分な周期は、格子バーの長さに直交する方向に受信器面積をカバーするものでなければならない。この場合、公差を斟酌した場合に必要とされる追加的な量が加えられる。しかしながら、ここで認められるべき点は、受信器光ファイバ530の有効受信器開口510が典型的にはその外径よりも小さいので、このことは控えめなガイドラインであって、限定的設計基準ではないということである。例示的な受信器光ファイバ530が、以下で詳細に説明される。
【0052】
ここで認められるべき点は、この発明による種々の例示的光ファイバ読み取りヘッドの低減された誤差と受信器毎の更に一貫した性能に対し、種々の光ファイバ受信器チャネル間の信号振幅は名目的にバランスされ、そして位相マスクの境界におけるエッジ効果から生ずる位相誤差は最小化されているということである。さらにここで認められるべき点は、位相マスクのピッチが光ファイバ受信器開口のサイズに対して粗いときに、位相マスクのバー相互間の各チャネルの有効に開いた開口面積は、開口中心または輪郭に対する位相マスクのオフセットに有意に依存できるということである。この位相マスクのオフセットは、異なる光ファイバ受信器チャネルに対するものであるので、これは種々の位相信号の振幅をアンバランスにし、そして関連した位相測定誤差を潜在的に生じさせる。このため、この発明による種々の例示的実施形態では、それぞれの光ファイバ受信器の開口径は、そのそれぞれの位相マスクの格子ピッチの少なくとも3倍である。種々の他の実施形態では、開口径はそのそれぞれの位相マスクの格子ピッチの少なくとも5倍である。更に異なる他の実施形態では、位相マスクの格子バーによって光ファイバ受信器開口中に形成されるオフセット関連のエッジ量子化効果が十分に制御されるように、開口径はそのそれぞれの位相マスクの格子ピッチの少なくとも8倍である。ここで認められるべき点は、比較的粗い精度及び分解能に対してのみ設計されている先の光ファイバエンコーダは、この要因に対して十分に考慮されていない。
【0053】
光ファイバ読み取りヘッド構造500の1つの例示的実施形態では、光源ファイバ570は、50ミクロンの外径を有し、そして図1及び3を参照して前述したように、チャネル構造中心157と同心的である。受信器光ファイバ530のそれぞれの外径は、250ミクロンであり、そしてそれらは全てチャネル構造中心157から離れ、包括的にRALとして示された250ミクロンの同じ受信器開口位置半径540に配置されている。全てのファイバは、整合板305’に沿って、位相マスク要素561に当接され、そして結果として生じたアセンブリは、適切な光学級接着剤等によって一緒に結合されている。ここで注意されるべき点は、全ての開口が、光を有意に減衰させる材料ではないことである。種々の例示的実施形態では、全ての部品は、約10〜50ミクロンの位置公差をもって配置されている。発明者は、前述した例示的設計値について、光ファイバ読み取りヘッド構造500が、1/10ミクロンより遙かに小さい分解能と、サブミクロンの精度とを与えるものと判断している。これは、合理的且つ実際的なレベルの注意が、この構成によって与えられる光信号の組立、整合および信号処理に取り入れられたときである。
【0054】
このように、光ファイバ読み取りヘッド構造500は、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッドで使用可能な3相光学式読み取りヘッドを提供する。ここで理解されるべき点は、光ファイバ読み取りヘッド構造500の全ての重要な部品が全体として約750ミクロンの直径内に包含されるということである。それ故、整合板305’および位相マスク要素560の必須でない周辺部分が取り除かれるとき、光ファイバ読み取りヘッド構造500は、高分解能且つ高精度の光学式読み取りヘッド構造を提供する。このヘッド構造は、全体としてサブミリの読み取りヘッド径内の自己像形成に基づいた測定信号を与えるものである。
【0055】
図6は、受信器光ファイバ530として使用可能であり、またこの発明による種々の他の実施形態にも使用可能な1つの例示的受信器チャネル光ファイバを示す。図6に示すように、受信器光ファイバ530は、直径532=DRAの中心コア領域531を有する。このコア領域は、直径534=DRCの周囲クラッド層533と共に、そこに衝突する光に対する1つの導波管または複数の導波管として作用する。コア領域531は、このようにして、受信器チャネル開口510を提供する。追加的な「バッファ」層535(この論議には関係ないが、実際には多数の薄い層によって構成されることがある)は、受信器外径536=DRFを与える。このバッファ層535は、種々の実施形態において、選択的に使用される。種々の他の例示的実施形態において、バッファ層535は、保護目的のために、クラッド層533を包囲し、および/または、この発明の原理による便利で経済的な幾何学的パッキング、スペーシングおよびアセンブリのために、その寸法がカスタム化されて最良の受信器外径DRFを与える。
【0056】
1つの例示的実施形態では、受信器光ファイバ530は、市販されているマルチモードのファイバであって、コア/クラッド/バッファの径DRA/DRC/DRFが200/220/250ミクロンのシリカファイバである。コア径532によっては、5ミクロン以下の厚さまで薄くされたクラッド層さえも市販されている。以下で認められる点は、外径536に対するコア径532の比を最大にする大きな受信器開口径の受信器光ファイバは、以下で更に詳細に説明されるように、種々の例示的実施形態において、最強の信号と最高の精度を提供するということである。薄いクラッド層533は、受信器530の光学的分離を与える助けをする。この発明による種々の他の実施形態では、プラスチック製の受信器光ファイバが使用される。
【0057】
他の例示的実施形態では、市販の多芯ファイバが使用される。このようなファイバは、光ファイバ読み取りヘッドのケーブル内で、受信器ファイバの隙間ない曲げ半径を可能にする利点を有する。これらのファイバは、開かれた開口領域510内にクラッド材料が散在する複数のコアを有する。他に利用可能な多芯ファイバには、各個別コアがこの発明による光ファイバ受信器チャネルとして使用されるに十分大きく、そして固有の多芯ファイバの間隔がこの発明による光ファイバエンコーダ読み取りヘッドの受信器の結合構造を形成するものがある。他の例示的実施形態において、そのようなファイバは使用されていない。何故ならば、前述した個別の受信器ファイバと比較して、サイズが大きく、コスト高であり、および/または、ケーブル曲げ半径が制限されているからである。ここで認められるべき点は、経済的なシングルモードの光ファイバは、一般に小さなコア径を有しているということである。これは、小さなサイズを可能にするが、この発明による種々の例示的実施形態における利用可能な信号強度を制限してしまう。かくして、この発明による種々の他の例示的実施形態では、多数のマルチモードファイバの端部は、前述した受信器開口110および/または150等のような受信器開口のそれぞれを形成するように、一緒に使用される。
【0058】
図7は、図5に示された光源580を提供するために光源光ファイバ570として使用可能であり、またこの発明による種々の他の実施形態に使用可能な例示的光源光ファイバを示す。図7に示すように、光源ファイバ570は、直径572=DSAの中心コア571と、それを囲む直径574=DSCのクラッド層573と、それを囲む外径576=DSFのバッファ層575とを備える。種々の実施形態において、バッファ層の全部または一部は、省略されるか除去される。これは、所望のファイバ間隔の読み取りヘッドを構築することを目的とした柔軟な光ファイバのサイズ決定を可能にするためであり、また読み取りヘッドの所望の全体径を達成するためである。このような柔軟な光ファイバのサイズ決定は、種々の実施形態において、この発明の原理によって、経済的な幾何学的パッキング、スペーシングおよびアッセンブリを与えるために使用される。種々の他の実施形態ではバッファ層575が存在し、しかも経済的な幾何学的パッキング、スペーシングおよびアッセンブリ利便性の同様の目的のために、サイズが増加されることもある。種々の他の例示的実施形態では、クラッドおよび/またはバッファ層は、所望のサイズに指定され、そして十分な精度をもって組み立てられることにより、名目的に望ましい幾何学的パッキング、スペーシングおよびアッセンブリ利便性を与える。
【0059】
ここで認められるべき点は、レーザダイオード光源を使用して種々の例示的実施形態に最も安定した信号と最高の精度を与えるためには、光源ファイバが光源の動作波長において真のシングルモード光ファイバとして動作すべきであると、発明者が判断しているということである。これは、この発明による光ファイバの照明範囲内で光の一定した分布および量を維持するためである。そのような光源ファイバからの照明範囲は、この発明による光ファイバエンコーダのケーブルの曲がりに比較的反応を示さない。このことは、位置エンコーダの最も実際的な応用に有意な要因となる。ここで認められるべき点は、比較的粗い精度および分解能に対してのみ設計された先の光ファイバエンコーダは、この要因を十分に考慮していないということである。
【0060】
種々の例示的実施形態において、635nmの動作波長に対して、好ましいシングルモード光ファイバのコア径は、DSA=約4ミクロンである。このような実施形態では、光源光ファイバは、効果的に点光源として作用するシングルモード光ファイバである。種々の例示的実施形態において、例えば小さい読み取りヘッド径を促進するために、シングルモード光ファイバの発光端の外径は、50ミクロン以下である。種々の例示的実施形態において、例えば所望の読み取りヘッドアセンブリ間隔を促進するために、シングルモード光ファイバの発光端の外径は、50ミクロンより大きい。1つの特別な例示的実施形態では、635nmの動作波長に対して点光源として使用されるシングルモード光ファイバは、3M社によって製造された部品番号FS−SN−3224である。このシングルモード光ファイバは、DSF=250ミクロンの外径を有し、以下で更に説明されるような経済的な緊密パッキングのアセンブリ構造に便利に使用されるファイバを提供する。これは、そのような実施形態で受信器光ファイバとして使用される市販の200/220/250マルチモードファイバの直径に適合させるためである。種々の他の実施形態では、3M社によって製造された部品番号FS−SC−3314が使用される。このタイプの光ファイバは、DSC=80ミクロンおよびDSF=200ミクロンとして市販され、この発明による光源ファイバに対し2つの追加的に可能なファイバ外径を与える。以下で認められる点は、シングルモード及びマルチモード双方のファイバが、この発明による種々の例示的実施形態に好適な幅広い種類の外径に対して、注文制作できるということである。
【0061】
ここで認められるべき点は、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッドにおけるシングルモードファイバのもう1つの利点が、特別な光源ファイバ端部処理やレンズを必要とすることなく、それらが固有に与える小さい開口数と相対的に小さい照明発散角の関連した範囲にあるということである。図9を参照して以下で論議されるように、大きな発散角は、この発明による受信器照明平面における不必要な発散損失につながることがある。よって、種々の例示的実施形態では、この発明による光源は、0.25未満の開口数を与える。種々の他の例示的実施形態では、この発明による光源は、10度未満の発散半角を与える。種々の他の例示的実施形態では、この発明による光源は、6度未満の発散半角を与える。
【0062】
図8は、光ファイバ読み取りヘッド800によって包括的に表される、この発明による光ファイバ読み取りヘッドに関連して使用可能な包括的な遠隔電子インターフェース部805を含んだブロック図を示す。この遠隔電子インターフェース部805は、信号処理および制御部893と、オプションのレンズを含むことがある光源877と、実施形態固有の複数の光検出器/アンプ892A〜892nとを備える。光源877は、他の光学部品、例えば光アイソレータ等を有することもある。光源877および光検出器/アンプ892A〜892nは、光源光ファイバ870および受信器光ファイバ830A〜830nをそれぞれ通して、光ファイバ読み取りヘッド800に結合されている。光ファイバ870および830A〜830nは、読み取りヘッドケーブル895内でルート付けされている。このケーブルは、光ファイバ読み取りヘッド800と遠隔電子インターフェース部805との間の光ファイバを集め、保護するものである。この発明による、種々の包括的な実施形態では、この読み取りヘッドケーブルは、数メータ以上の長さである。受信器光ファイバ830A〜830nは、光信号891A〜891nをそれぞれ搬送する。光信号891A〜891nは、上述し、更に以下で説明されるように与えられる位相信号である。
【0063】
光源/レンズ877は、信号処理および制御部893から電力を受け、また利得制御信号を受信する。上述したように、光源/レンズ877は、光源光ファイバ870を通して、光ファイバ読み取りヘッド800のスケール格子に光を送信する。光ファイバ検出器チャネル、例えば上述した光ファイバ受信器チャネル190A〜190C等は、光ファイバ読み取りヘッド800のスケール格子からの光を受信して、信号891A〜891nを出力する。これらの信号は、それぞれ光検出器/アンプ892A〜892nに入力される。光検出器/アンプ892A〜892nは、増幅された電子出力信号891A’〜891n ’を信号処理および制御部893に与える。以下で認められるように、以下で更に説明される種々の例示的実施形態では、この発明の光ファイバ読み取りヘッドは、合計される光信号を搬送する複数の光ファイバ受信器チャネルを与える。そのような実施形態において、合計される光信号を搬送するファイバは、所望の信号合計処理を与えるために同じ光検出器/アンプ892へのインターフェースとなるか、あるいは追加的な信号処理の間に電子的に合計される信号を有した異なる光検出器/アンプ892へのインターフェースとなることができる。このように、図8に示す構成は、説明するためのものであって、限定するためのものではない。
【0064】
以下の論議は、図9を参照して以下で更に説明される結果に関連している。ここで認められるべき点は、本発明による光ファイバ読み取りヘッドが、超微細な読み取りヘッドになりうることである。ここで認められるべき点は、自己像形成を使用しないか、および/または、高分解能および高精度の位置測定信号を出力するように設計されていない比較的粗い光ファイバ読み取りヘッドとは対照的に、そのような光ファイバ読み取りヘッドのサイズと固有信号対雑音比の双方が、重大であるということである。所望のまたは経済的なファイバのサイズや、自己像形成ギャップにおいて光ファイバ光源から直接得られる実際の照明範囲のサイズのような、設計上の制約と、実際のアセンブリ位置決め上の制約は、全て設計上考慮すべき重要な問題である。特に、ここで認められるべき点は、この発明によって使用可能な多くの光ファイバによって提供される小さな受信開口径は、従来の読み取りヘッドで使用される殆どまたは全て電子式の検出器よりも小さいこと、並びにそのような小さな受信開口径は、利用可能な信号エネルギとその結果の信号対雑音比を厳しく制約するということである。
【0065】
これらの理由の全てについて、これらの厳しい設計上の制約に照らして、十分な信号対雑音比を提供することに関連した設計関係を観察することが重要である。そのような設計関係は、最適性能に関連した設計条件を示すだけでなく、アセンブリ技術、部品コストまたは他の理由のために、ミクロンレベルまたはサブミクロンレベルの分解能および精度を依然として維持しながら、設計の犠牲がなされる範囲を示す。以下で更に詳細に説明するように、この発明による種々の例示的光ファイバエンコーダ読み取りヘッド構造の望ましい信号対雑音比を与えるために、光ファイバエンコーダ読み取りヘッド用のある種の設計要因が使用できる。
【0066】
種々の例示的実施形態では、この発明によって使用可能な光源は、独立したレンズやコリメータのない光ファイバ光源である。種々の例示的実施形態では、そのような光ファイバ光源は、発散性ソース光ビームをその端部から出力する。この発散性光ビームは、典型的に5〜10度の範囲の発散半角を有する。そのようなソース光ビームにおけるガウス強度分布を仮定することは妥当である。ガウスビーム分布の特徴については、光ファイバの応用に関するテキストに良く記載されている。ガウス強度プロフィールは、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造において、多数の理由について、考慮すべき重要な事項である。ここで理解されるべき点は、そのようなビームの照度、則ち、単位断面積当たりの有用な光束は、ビーム軸に沿って不釣り合いに集中される。し      たがって、ビーム軸から離れて位置決めされた受信器開口は、(「均一なビームの仮定」と比較して)ガウス分布に起因した「余分の」信号損失を受ける。加えて、ここで理解されるべき点は、均一なビームでのように、「発散損失」に起因してスポットサイズの半径またはビームの照明範囲が増加されるときはいつでも、平均ビーム照度は、純粋に幾何学的要因に起因して減少する。また、ここで理解されるべき点は、図2及び図3に示されたもののように、ガウスビームを伴う「整合された」反射型構造では、照明範囲265内の最高照度が、照明範囲中心257上およびその周囲にあるということである。しかしながら、光源280との機械的なインターフェースおよび種々の他のアセンブリ上の考慮すべき事項が、受信器開口110をそのような最高照度の領域に配置することを妨げる。
【0067】
次の数式(3)は、上述したファクタを変数D中で考慮している。加えて、この数式は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造における種々の設計ファクタに対する信号対雑音比の依存性の有用な分析を提供するために、他の重要なファクタを含んでいる。
【0068】
【数3】
Figure 2004053605
【0069】
次の表は、数式(3)で使用されているシンボルを定義すると共に、図9に示された結果を決定することに使用された適用可能な典型的な値を含んでいる。
【0070】
【表1】
Figure 2004053605
【0071】
好ましい光ファイバ読み取りヘッドの信号処理用遠隔電子回路、例えば図8を参照して説明した回路における典型的な電子的システム雑音として、1つの値0.05mVが仮定される。これは、図9に示されたS/N結果に使用される雑音値である。
【0072】
図9は、図3を参照して上述された包括的光ファイバ読み取りヘッド構造300にほぼ対応して、光ファイバ検出器チャネルの受信器開口が照明範囲の中心から種々の受信器開口位置半径RALに位置決めされたときに、種々の受信器開口径DRAについて生じた代表的な信号対雑音比を示す図である。図9の水平軸上に示された照明範囲半径Rは、図2に示された照明範囲半径258に匹敵する。ガウスビームプロフィールについて、ビームのエッジまたはそれに由来する照明範囲はよく定義されていない。この場合、Rは、局部ビーム強度が照明範囲中心の局部強度の1/2となる照明範囲半径として定義される。この定義によると、半径Rを超えても有意な照度が存在するが、総ビームエネルギの99%は半径約2.55R内に入る。図9の垂直上に示された受信器開口位置半径RALと、図9の種々の位置に示された受信器開口径DRAは、図1及び図6を参照してそれぞれ定義されているものである。受信器開口位置半径RALの例は、図1に示された受信器開口位置半径140であり、また図5を参照して説明された受信器開口位置半径540である。受信器開口径DRAの一例は、図6を参照して説明された受信器開口径532である。これらの例は明瞭化をはかるために与えられたものであって、制限するためのものではない。
【0073】
ここで認められるべき点は、図9の結果が、特別な寸法自体にではなく、種々の寸法間の比に依存しているということである。それ故、図9の軸に対して使用されている長さの単位は任意である。これらの比は、その比の1つの要素が、種々の理由にとって特別な寸法に選択されるか制約されるときに、設計上意味をもつようになる。そこで、相補的なファクタの特別な寸法は、それに応じて選択されうる。線999は、種々の受信器開口径の値DRAに対する参照マークと対応するラベルとを含んでいる。図9の一般性を保つために、受信器開口径の値DRAは、それらの対応する受信器開口位置半径RALの割合として与えられる。
【0074】
ここで認められるべき点は、図9の結果が、単一の「理想的」検出器チャネルについてのものであるということである。しかしながら、この発明による読み取りヘッドからの実際の位置決定の結果はまた、種々の位相信号間のバランス、位相信号内の空間高調波、汚染、不整合等の多数の他のファクタによって劣化させられる。にもかかわらず、図9に示されたS/N比は、特に種々の合理的で同様の設計における種々の設計トレードオフの実行可能性を決定するために、非常に有用な設計指針を与える。
【0075】
図9における種々のS/N比は、RおよびRALの値の種々の組み合わせに対する種々のS/N比「同種曲線」に沿って示されている。各同種曲線上には、そのS/N同種曲線のS/N比を得ることに使用できるRALの最大値に対応する「ピーク」がある。受信器開口位置半径RALの「最大値」に対応して図9に示された各S/N同種曲線のピークは、そのRALの特別な値に対して最適な照明範囲半径Rに生じる。線999は、全てのそのようなS/N同種曲線のピークを通過している。ここで認められるべき点は、どのような特別な受信器開口位置半径RAL(図9の水平線)でも、線999上の対応する点と交差するということである。線999上の同じ点に対応する照明範囲半径R(図9の垂直線)のどのような偏差でも、特別な受信器開口位置半径RALに対して、より低いS/N比とより悪い性能を生じる。
【0076】
ここで認められるべき点は、この発明による光ファイバ読み取りヘッドから出力される正弦信号に基づく高い分解能及び精度を提供するためには、累積された波長またはスケール格子ピッチユニットの数をカウントすることが望ましいが、それだけでなく、「最初」と「最近」の波長内で、可能な限り高い度合いまで、補間することも望ましい。一般に、補間レベルは、およそS/N比に対応する。則ち、S/N比1では、ピーク間正弦信号の意味ある補間は可能ではない。S/N比1000では、ピーク間正弦信号の約1/1000が潜在的に弁別されうる。
【0077】
図9に示されたS/N比の結果は、前述した仮定と設計値に基づいて、受信器開口径DRAにかかわらず、与えられた受信器開口位置半径RALに対して、最良の「半最大」照明範囲半径Rが約0.83ALに等しいことを示している。図9は更に、「半最大」照明範囲半径Rを約0.5ALに減少させるか、「半最大」照明範囲半径Rを約1.7ALに増加させることが、約0.83ALで与えられるS/N比の約1/2のS/N比を生ずるものであることを示している。これは、この発明による種々の例示的実施形態におけるS/N比の有意で不必要な減少である。このように、この発明による種々の例示的実施形態における「半最大」照明範囲半径Rは、少なくとも0.5ALに等しく、そして最大でも1.7ALに等しいものである。しかしながら、ここで認められるべき点は、種々の他の例示的実施形態において、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドは、受信器照明範囲半径Rが0.5AL未満であるか、1.7 より大きいときでさえ、種々の利点を保持しているということである。例えば、特に有利なアセンブリ法と小さなサイズは、以下で更に説明されるように、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドによって可能である。
【0078】
図9に示されたS/N比の結果はまた、受信器開口位置半径RALに関連した受信器開口径DRAのS/N比効果を示している。線999に沿って左下がりなることによって分かるように、受信器開口径DRAが受信器開口位置半径RALの値(相対的に大きな受信器開口)に接近するにつれ、S/N比は1000に接近する。線999に沿って示されているように、受信器開口位置半径RALの受信器開口径DRAに対する比が約1/3より大きい場合、図9に示された結果を決めることに使用された仮定によって、100より少し大きいS/N比が与えられる。10ミクロンのスケール格子ピッチをS/N比100で割った値について、上述した種々の他の実際に考慮されるべき事項が除外されると、潜在的な分解能と精度は、約0.1μmとなる。この発明による種々の例示的実施形態では、潜在的な性能の不十分なレベルに甘んずることは望ましくない。従って、この発明による種々の例示的実施形態では、受信器開口径DRAは、受信器開口の位置半径RALの1/3以上であるべきである。
【0079】
線999に沿って示されているように、受信器開口位置半径RALに対する受信器開口径DRAの比が更に約1/5にまで低下すると、S/N比は約2のファクタによって低下する。則ち、DRA/RAL比が1/3から1/5に低下すると、この発明による光ファイバ読み取りヘッドの潜在的な性能は、約2のファクタによって低下する。しかしながら、DRA/RAL比をこのレベルまで緩和することは、有用な設計の自由度、および/または、より経済的な部品またはアセンブリを許容する。この場合、微小サイズでありながらサブミクロンレベルにある性能と、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドで利用可能な種々の他の利点は、依然として許容される。それ故、この発明による種々の他の例示的実施形態において、受信器開口径DRAは、受信器開口の位置半径RALの1/5以上であるべきである。
【0080】
RA/RAL比が1/5から1/8に低下すると、S/N比は約2から3のファクタによって低下する。しかしながら、DRA/RAL比をこのレベルまで緩和することは、より有用で経済的な設計およびアセンブリの自由度を許容する。この場合、微小サイズでありながらミクロンレベルにある性能と、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドで利用可能な種々の他の利点は、依然として許容される。それ故、この発明による種々の他の例示的実施形態において、受信器開口径DRAは、受信器開口の位置半径RALの1/8以上であるべきである。
【0081】
受信器開口径DRAが受信器開口の位置半径RALの約1/8未満に低下すると、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドの潜在的な性能は、他の大型の市販エンコーダ読み取りヘッドと比べて、注目すべきものではなくなるが、そのサイズは、そのようなエンコーダ読み取りヘッドと比べて依然として注目すべきものである。さらに、そのサイズ、および/または、分解能および精度、および/または、動作のエラー強さは、他の物理的または光学的原理を用いる従来のファイバ式エンコーダと比べて依然として注目すべきものである。さらに、以下で更に説明されるように、特別に有利なアセンブリ法が、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドによって可能である。かくして、種々の例示的実施形態において、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドは、受信器開口径DRAが受信器開口の位置半径RALの約1/8未満に低下しても、種々の利点を維持する。
【0082】
発明者はまた、比較的理想的な自己像は、光源から生ずる照明範囲の比較的中心近くにだけ存在しているものと判断している。この光源は、この発明による種々の例示的実施形態では点光源である。そのような場合に、受信器開口の位置半径RALが増加されるにつれて、この発明により利用可能な自己像は、照明範囲の中心からの半径が増加するに従い、可視性と空間位相に非理想的な変化を益々示すようになる。事実、自己像形成について最も広く知られた参考文献は、自己像照明範囲の中心に対するそれらの有効性を制限する仮定をする。かくして、この発明による自己像形成型光ファイバ読み取りヘッドにおけるS/N比についての前述した論議の有効性を否定することなく、種々の例示的実施形態において、受信器開口の位置半径RALはまた、他のデザイン、アセンブリおよびコストのトレードオフが許す限り小さく作られる。
【0083】
図10は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1000の第4の例示的実施形態を示す。この光ファイバ読み取りヘッド構造1000は、図3を参照して上述された包括的な光ファイバ読み取りヘッド構造300とほぼ同様に動作し、また図5を参照して上述された部品と同様のものを有している。構成及び動作におけるこれらの同一性故に、光ファイバ読み取りヘッド構造1000の追加説明が必要な形態だけが以下で説明される。
【0084】
図10に示されるように、光ファイバ読み取りヘッド構造1000は、前述した光ファイバ受信器チャネル190と同様に動作する3つの光ファイバ受信器チャネル1090A〜1090Cからなる第1の組を備える。ここで認められるべき点は、光ファイバ読み取りヘッド構造1000が、この発明による「バランスされた対」の光ファイバ読み取りヘッドについて、その第1の例を提供しているということである。この発明によるバランスされた対の光ファイバ読み取りヘッドを提供するために、光ファイバ読み取りヘッド構造1000は、3つのそれぞれバランスされた光ファイバ受信器チャネル1090A’〜1090C ’からなる第2の組を備える。これらのチャネル1090A’〜1090C ’はそれぞれ、図示されているように、照明範囲中心257の互いに逆の側で、それぞれの光ファイバ受信器チャネル1090A〜1090Cと「バランスされた対」として配置されている。光ファイバ受信器開口1010上に示された番号の対1−1,2−2および3−3は、これらのバランスされた対を示している。
【0085】
図10にはまた、破線で概略が示された切断図的に部分的に示された円筒形フェルール601を備えた読み取りヘッドハウジング600が示されている。このフェルールの内径は、緊密パッキングされた光ファイバ1030および1070の回りに僅かに締まり嵌め的に適合する。1つの例示的アセンブリ法では、これらのファイバは、後端からフェルール内に挿入され、整合される。さらに、それらが取付面602を僅かに超えて突出するまで挿入される。これらのファイバはフェルールに、また互いに結合される。これらのファイバは、取付面602と面一に研磨される。そして、位相マスク要素1061が、顕微鏡下でファイバ端と整合され、取付面602に緊密に結合される。1つの例示的実施形態では、位相マスク1020は、位相マスク要素1061のファイバ端に最も近い「内側」に組み立てられている。6角形状の位相マスク要素1061は、図11を参照して以下で詳細に説明される。
【0086】
光源ファイバ1070の端部によって、光源1080が提供されている。1つの例示的実施形態では、光源ファイバ1070は、635nmの光源波長で発光するための点光源として使用されるシングルモードファイバであり、3M社によって部品番号FS−SN−3224として製造されるDSF=250ミクロンの外径を有する光ファイバである。受信器光ファイバ1030は、全て同じ市販のマルチモードファイバであって、コア/クラッド/バッファの径DRA/DRC/DRFが200/220/250ミクロンのシリカファイバである。従って、光ファイバ読み取りヘッド構造1000における光源ファイバおよび受信器ファイバは全て、同じ250ミクロンの外径を有し、それ故、この発明による有利な緊密パッキング構造に配置されうる。この構造は、高精度で経済的な精密な整合およびアセンブリの双方を可能にする。この例示的実施形態では、有利な緊密パッキング構造は、6角形の緊密パッキング構造である。
【0087】
以下で理解されるように、図5に示された光ファイバ読み取りヘッド構造500で使用されている3−ファイバ受信器構造と比較した場合、この実施形態のバランスされた6−ファイバ受信器構造は、2倍の量の受信光を出力し、従って2倍の潜在的信号強度を与える。さらに、受信器開口1010のバランスされた対構造は、読み取りヘッドの不整合に起因した誤差を排除して、測定精度を更に増加する。以下で、偏振れ(ヨー)関連誤差の詳細な論議が、図13を参照して行われる。
【0088】
ここで認められるべき点は、光ファイバ読み取りヘッド構造1000のようなアセンブリは、直径1.0mm以下の全ての光学式エンコーダ読み取りヘッドに対して高分解能を与えるということである。さらに認められるべき点は、その構成が低コストの精密な「自己アセンブリ」を与えるということである。また、認められるべき点は、光源ファイバ1070がこれらのアセンブリ目的だけのために意図的に「過大サイズ」にされているということである。光ファイバ読み取りヘッド構造1000はまた、図9を参照して論議された設計原理に従って、高レベルのS/N比を与える。
【0089】
例えば、前述した3M社によって製造される部品番号FS−SN−3224の例示的光ファイバの平坦な端部については、「半最大」ビーム径に対する発散半角が約4.5度であるものと決定されている。かくして、光ファイバ読み取りヘッド構造1000の1つの例示的実施形態では、反射型スケール格子80および約1.6mmの自己像形成ギャップについて、Rは約tan(4.5)1.6mm=253ミクロンに等しい。上述した例示的な光ファイバの特徴および寸法、並びに光ファイバ読み取りヘッド構造1000の緊密パッキング型実施形態については、Rは約250ミクロンに等しい。かくして、RはRALにほぼ等しく、且つ図9を参照して論議された0.83ALの値から遠いものではない。さらに、DRA=200ミクロンであり、これは約4/5ALである。図9に示された情報によると、そのような設計関係によって、各光ファイバ受信器チャネルは、640よりも有意に大きいS/N比を与えるべきである。光ファイバ読み取りヘッド構造1000が各電子式検出器に対し2つのバランスされた光ファイバ受信器チャネルを与える点を考慮すると、この値は約2倍にされ、約1280より大きくなる。実験的に、発明者は、8ミクロンの格子ピッチを有するスケール格子を使用して、このタイプの類似の読み取りヘッド構造による1ナノメータの分解能で実証された、安定した位置測定値を得ている。
【0090】
図11は、光ファイバ読み取りヘッド構造1000およびこの発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に使用可能な例示的位相マスク要素1061を示す。この位相マスク要素1061は、位相マスク1020A〜1020Cおよび1020A’〜1020C ’を有する。位相マスク1020のそれぞれは、読み取りヘッドのソース光に対して不透明な格子バー1021を有する。格子バー1021は、読み取りヘッドのソース光に対して透明な名目厚さt、名目幅wの基板1065の表面1062上に配列されている。クロム、銅およびそれらの酸化物は、格子バー1021をパターン形成することに使用される通常の材料である。ガラスおよび水晶は、基板1065として使用される通常の材料である。基板1065は、処理中に格子バーへのダメージを防止するために、活性マスク領域の外側にエッジマージン1066を有する。このエッジマージン1066の幅は、マスク領域の回りで変化する。これは、効率的なスクライビングおよび/またはダイシングを可能にするように、基板が6角形(図示のように)、円形、矩形または方形の形状を有しているためである。位相マスク1020A〜1020Cおよび1020A’〜1020C ’のそれぞれの活性マスク領域は、格子バー1021を含んだ領域である。この活性マスク領域は、対応する受信器開口1010の透明な開口領域と、アセンブリ位置決めの変化に対する余分な公差とをカバーするに十分なサイズを有しているべきである。マスク要素1061の中心に示されているものは、先に論議されたように、光ファイバ1070からのソース光に対して透明な開口1064を有する整合リング1063である。この透明な開口のサイズは、例えば、図7を参照して前述したシングルモードのコア径、DSA=約4ミクロンの数倍大きい。1つの例示的実施形態では、位相マスク要素1061は、ソーダ石英ガラス製であって、厚さ0.25mmおよび幅2.0mmを有し、外径約2.0mmのフェルール601に取り付けるために、図10を参照して説明されたファイバ構成上に実質的なマージンだけ張り出している。
【0091】
マスク格子バー1021は、前述したように、操作可能な自己像平面における格子像の周期と一致する周期に従って、X軸方向に沿って周期的に配置されている。図示の例示的位相マスク要素1061は、6つの光ファイバ受信器チャネルと共にバランスされた構成で使用する6つの位相マスク1020を有している。この場合、正反対に対向するファイバ受信器開口は、読み取りヘッドがスケールに対しx方向に移動することによって生じる光信号変調の同じ位相を受信する。位相マスク1020は、0度(1020Aおよび1020A’)、120度(1020Bおよび1020B’)、および240度(1020Cおよび1020C’)の位相を有する。対応する光ファイバ受信器チャネルに生じる信号に対する信号処理は、以下で更に論議される。自己像型エンコーダで使用可能な格子バー1021を伴って構築された位相マスク要素について、種々の位相マスク1020間の境界は、顕微鏡で容易に見ることができる。これらのバーは、受信器ファイバに対し位相マスク要素1061を整合させることに使用できる。発明者は、顕微鏡とXYZマイクロメータステージとを使用して、受信器ファイバに対し位相マスク要素1061を位置決めすることで、20ミクロン以下の公差内の整合を容易に達成できることを見出している。
【0092】
図12は、この発明による光ファイバ読み取りヘッドおよびケーブル1200の第1の例示的実施形態を示す。この光ファイバ読み取りヘッドおよびケーブル1200は、図3を参照して上述された包括的な光ファイバ読み取りヘッド構造300とほぼ同様に動作し、且つ図10を参照して説明された光ファイバ読み取りヘッド構造1000を含んでいる。構成及び動作におけるこれらの同一性故に、読み取りヘッドハウジング600’およびケーブル695の形態だけが以下で説明される。
【0093】
図12に示すように、光ファイバ読み取りヘッドおよびケーブル1200は、「バランスされた対」の光ファイバ読み取りヘッド構造1000を組み入れている。読み取りヘッドハウジング600’は、前述した緊密パッキングアセンブリ法によって適切なサイズにされた内径603のフェルール601を有している。この実施形態の取付面602は、小さく延長されたカラーによって囲まれることもある。これは、位相マスク要素1061を端面602’より凹ませて、位相マスク要素1061の表面をダメージから保護するためである。端面602’はまた、面取り部604を有することがある。これは、読み取りヘッドハウジング600’が容易に取付穴に挿入されるようにするためである。読み取りヘッドハウジング600’はさらに、読み取りヘッドハウジング600’を取付穴内の適当な深さで停止させるための取付停止部606を有する。これは、例えば、所望の自己像形成ギャップの確立を促進するためである。取付停止部606とフェルール601は、単一の部品であるか、アセンブリでも良い。フェルール601は、種々の応用における取付整合を促進する整合溝605を有する。この整合溝605は、位相マスク1020のバーの方位に対して、比較的精密に整合されている。光ファイバ1030および1070は、切断図として示すように、フェルール601および/または取付停止部606の後方から、読み取りヘッドケーブル695内まで延びている。これは、種々の実施形態では典型的な市販の光ファイバの束ジャケットである。矢印696によって示されているように、ケーブル695のジャケットは、読み取りヘッドハウジング600’後部の拡張された直径部内に挿入され、結合され、そして接着剤等によってその場所に固定されて、種々の光ファイバに対して保護及び歪緩和を与える。前述したように、ケーブル695は、種々の応用において、測定可能な信号損失なしに数10メータ以上も延びることがある。
【0094】
このように、光ファイバ読み取りヘッドおよびケーブル1200は、工業的環境で使用可能な微細光ファイバ読み取りヘッドを提供する。ここで認められるべき点は、読み取りヘッドハウジングのフェルール601および/または取付停止部606の外径が、容易に1〜2mm程度に小さく形成されうるということである。かくして、1つの例示的実施形態において、読み取りヘッドハウジング600’、またはケーブル695の遠端、あるいはそれらの双方は、さらなる設置、取付、整合および接続のために、工業標準PM−FCコネクタに組み込まれる。
【0095】
図13は、この発明による種々の例示的実施形態に関連した偏振れ(ヨー)不整合の考察を示す図である。図13に示すように、6つの対応する位相マスク1320A〜CおよびA’〜C’によって模式的に表された6つの光ファイバ受信器チャネルは、前述した種々の実施形態と同様に、名目照明範囲中心1357の回りに1つのパターンで配置されている。この例では、名目照明範囲中心1357はまた、以下で詳細に説明されるように、回転偏振れ不整合の回転中心1357としても仮定されている。各光ファイバ受信器チャネルは、受信器開口位置半径RALに、またそれぞれの位置角度Ψに配置されている。この角度は、測定方向1382に直交し且つ回転中心1357を通して延びる線1301に対するものである。この幾何構造について、回転偏振れ不整合θは、各位相マスク1320iの位置に運動1382の方向に沿ってそれぞれの変化Δxを生じさせる。それぞれの角度Ψと受信器開口位置半径RALを有する光ファイバ受信器チャネルについて、その変化Δxは、以下のようになる。
【0096】
【数4】
Figure 2004053605
【0097】
与えられた回転偏振れ不整合θについて、回転中心1357に対し測定方向1382に対応する方向に沿って配置された位相マスク1320i、例えば位相マスク1320Aおよび1320A’は、変化が少ないか全くない(Δx=Δx〜0)のに対し、回転中心1357に対し線1301に平行な方向に沿って配置された位相マスク1320i、例えば位相マスク1320B,1320C,1320B’および1320C’は、比較的大きな変化Δxを有する。位相マスク位置における各変化Δxは、対応する光ファイバ受信器チャネルの信号に、その位相マスク1320iに対する空間位相位置誤差と、対応する位相誤差とを生じさせる。照明範囲中心/回転中心1357の互いに逆側にある「バランスされた対」の位相マスク1320iおよび1320i’について、この変化Δxと対応する信号位相誤差の双方は、位相マスク1320iおよび1320i’上の矢印1302および1302’の方向によって示されているように、大きさが同じで方向が逆である。かくして、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルが合計されるときに、光学的にも電子的にも、図8を参照して上述したように、回転偏振れ不整合θに起因する信号位相誤差は相殺される。同様に、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルが合計されるときに、回転ロールおよびピッチ不整合に起因する他の信号誤差も相殺される。加えて、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルを光学的に合計すると、電子的雑音を増加させることなく、増加する信号レベルが増加されるという、更なる利点が生じる。
【0098】
図13に模式的に示されているバランスされた対の光ファイバ読み取りヘッド構造の1つの実施形態では、位相マスク1320Aおよび1320A’に対応した光ファイバ受信器チャネルの信号は双方とも、ゼロ度の名目位相を有することができ、また光学的に合計されて光検出器信号Uを生ずることができる。同様に、位相マスク1320Bおよび1320B’に対応した光ファイバ受信器チャネルの信号は双方とも、120度の名目位相を有することができ、また光学的に合計されて光検出器信号Uを生ずることができる。また、位相マスク1320Cおよび1320C’に対応した光ファイバ受信器チャネルの信号は双方とも、240度の名目位相を有することができ、また光学的に合計されて光検出器信号Uを生ずることができる。それから、これらの信号は、矩象信号QおよびQを生じるように、以下の数式を使用して処理される。
【0099】
【数5】
Figure 2004053605
【0100】
【数6】
Figure 2004053605
【0101】
ここで、α=120度である。ここで認められるべき点は、種々の実施形態において、組立の不正確さ等に起因して起こる種々の位相誤差を補償するための校正または補償ファクタとして、信号処理中にαの値が僅かに調整されるということである。同様の代替の数式もまた使用されうる。そのような代替の数式は、3つのチャネルに対する異なる位相の選択を可能にする。ただし、これは、3つのチャネルの2つに対する位相差間の関係(則ち、チャネル対C/C’ と比べたチャネル対A/A’に対しては240度)が、3つのチャネルの異なる組に対する位相差(則ち、チャネル対B/B’ と比べたチャネル対A/A’に対して120度)の2倍である限りである。それ故、位相マスク1320A〜Cおよび1320A’−C ’に使用できる代替の組の位相は、0,100および200度である。ただし、矩象信号から3次高調波を除去することの利点は、この代替の組の位相によって低減される。この点については、以下で論議される。
【0102】
測定された読み取りヘッド位置Xは、2πを法とした2独立変数アークタンジェント関数を使用して、前述した矩象信号から決定される。
【0103】
【数7】
Figure 2004053605
【0104】
ここで、Pは、この発明による光ファイバ読み取りヘッドと共に使用されるスケール格子、例えば前述したようなスケール格子80等の格子ピッチである。数式(7)に示された2独立変数「アークタンジェント(atan)」関数は、利用可能であって、しかも公に利用可能な多数の数学プログラムに記載されている。この関数の結果は、ラジアンで表したQ/Qのアークタンジェントとなる。しかしながら、2独立変数の使用は、結果として生ずる角度の象限の決定を可能にする。則ち、その結果は、−pi/2および+pi/2ではなく、−piおよび+piの間となる。より一般的に認められるべき点は、以下で更に論議されるように、位相信号を位置測定値に変換するために、多数の異なる数式が使用できるということである。
【0105】
4つの異なる位相を有した光ファイバ受信器チャネル信号の組を出力する光ファイバ読み取りヘッドの種々の他の実施形態では、一定の位相量αだけ互いに位相の異なる信号には、カレ(Carre)技術が適用できる。例えば、参照によりその関連する教示の全てがここに組み入れられるクラウドの論文を参照されたい(Gary Cloud, ”Optical Methods of Engineering Analysis”, Cambridge UniversityPress, 1998, p. 488−489)。カレ技術は、多波長干渉計使用法にしばしば用いられるが、この発明による種々の例示的実施形態で出力される位相信号に適用することもできる。
【0106】
ここで認められるべき点は、完全に正弦的な位相信号は、実際に達成することが困難であること、並びに、完全に正弦的な出力からの偏位は、この発明による光ファイバ読み取りヘッドと共に使用されるスケール格子の基本波長または格子ピッチの空間高調波を含んでいることである。特に、種々の自己像形成型エンコーダシステムにおける支配的誤差成分は、しばしば3次空間高調波の形態をとる。それ故、この発明による種々の例示的実施形態では、3相構造を有する光ファイバエンコーダ読み取りヘッドが使用される。ここで認められるべき点は、そのような実施形態では、種々の個別光ファイバ受信器チャネル信号内の3次空間高調波誤差成分は、位置測定値を決定するために数式(5)および(6)に対応した信号処理を行うことによって、位置測定誤差の源として大きく消去される。同時に、種々の位相マスクに対して50%のデューティーサイクルが使用できる。
【0107】
種々の他の実施形態では、2相または4相の構造を有する光ファイバエンコーダ読み取りヘッドが使用される。しかしながら、そのような実施形態では、種々の応用において種々の位相マスクに対して30%のデューティーサイクルを使用する必要がある。これは、3次空間高調波誤差成分を、種々の個別光ファイバ受信器チャネル信号内で受け入れ可能なレベルまで低下させるためである。しかしながら、そのような応用では、このことは不利である。何故ならば、種々の位相マスクに対して50%のデューティーサイクルを使用するときに、達成可能な信号レベルを僅かに超えるように信号レベルを低下させるからである。
【0108】
一般に、多くの代替の位相の組み合わせは、この発明による種々の代替の位相マスクの実施形態に使用できる。以下の表2は、種々の位相の組み合わせ中のいくつかの例を掲載している。これらは、図13に模式的に示された例示的光ファイバ読み取りヘッド位相マスクのレイアウトと共に使用可能なものである。バランスされた対構造は、表2に掲載された種々の例示的実施形態で使用されることがあるが、種々の他の例示的実施形態では使用されないこともある。種々の他の例示的実施形態では、いくつかの位相マスク位置は能動的には使用されないが、対応する例示的光ファイバ読み取りヘッドの実施形態では、そのような位相マスク位置に、アセンブリ目的で受動的なスペーサとして作用するために、ファイバが含まれる。一般に、表2に掲載された構造は、更に多くの代替構造を示している。例えば、バランスされた対を使用しない構造は、対応する位置測定値を決定することに適切な信号処理が使用される場合、位相マスク位置の可能な組み合わせに置換された種々の位相の組内で空間位相値を有することがある。同様に、バランスされた対構造は、バランスされた対がその構造の回転中心の逆側に対称的に配置されている場合、位相マスク位置の可能な組み合わせに置換されたバランスされた対を有することがある。「x」でマークされた位相マスク位置は、上述したようにダミーのファイバを含むか、他の位相マスク位置の1つの空間位相を2倍にするか、対応する位置測定値を決定することに適切な信号処理が使用される場合には、異なる空間位相値を含むことさえある。
【0109】
【表2】
Figure 2004053605
【0110】
表2に示された5相及び6相の構造に対する位置決定計算と、この発明による種々の例示的実施形態で使用可能な多数の位相に対する位置決定計算は、当業者に知られたものであり、そして任意の数の位相に対して簡単に求められる。この発明による種々の例示的光ファイバ読み取りヘッドでは、5相構造が使用される。この構成は、9次空間高調波までの高次空間高調波に関連した信号誤差成分が補償および/または除去されるという1つの利点を与える。この発明による種々の他の例示的光ファイバ読み取りヘッドでは、3または6相の構造が使用される。この構造も同様に、高次空間高調波に関連した信号誤差成分が補償および/また除去されるという利点を与える。しかしながら、このような3または6相の光ファイバ読み取りヘッド構造は、一般に、5次及び7次の空間高調波に関連した誤差成分を補償および/または除去することはできない。
【0111】
図14は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1400の第5の例示的実施形態を示す。6角形の位相要素マスク1461は、読み取りヘッドハウジングのフェルール601の取付面602に取り付けられている。このフェルールは、内径603を有する。この内径は、図10に示された光ファイバ読み取りヘッド構造1000に関して前述したように、1つの光源ファイバ1470を囲んで緊密パッキング構造にある6つの光受信器ファイバ1430に良好な整合を提供する。ここで認められるべき点は、この実施形態では2つの「受信器」ファイバ1430xがダミーのファイバであって、アセンブリ目的だけに使用されるということである。つまり、緊密パッキング幾何構造を与えることによって、残りの使用中のファイバを配置することに役立つという目的である。4つの残りの位相マスク1420A,1420A’,1420Bおよび1420B’と、それぞれの受信器開口およびファイバは、図示のようにそれぞれ270度、90度、0度および180度の相対空間位相を有した通常の矩象位相信号を出力するように配列されている。これらの信号は、上記4つの空間位相用に表2に与えられている数式と同様の数式を使用して、あるいは他の既知の矩象信号処理法によって、位置決定用に分析される。光ファイバ読み取りヘッド構造1400は、回転不整合誤差を低減することについての、バランスされた対の光ファイバ読み取りヘッド構造の利益は有しない。これは、光ファイバ読み取りヘッド構造1400上の反対側にある光ファイバ受信器チャネルの信号が、加算される代わりに減算されるからである。この実施形態のもう1つの形態は、種々の位相マスク1420相互間および周囲への不透明マージンの追加である。このような不透明マージンは、浮遊光がクラッド材料中に漏れて、図8に示した光検出器へ不注意に到達することを防止する助けとなる。また、これらのマージンは、隣接した位相マスクのエッジ近くで空間フィルタ処理された光が隣接する光ファイバ信号チャネルに漏れ入って関連した信号雑音を生じさせることを防止する助けとなる。
【0112】
図15は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1500の第6の例示的実施形態を示す。これは、図14を参照して説明された光ファイバ読み取りヘッド構造1400と同様に構成されている。光ファイバ読み取りヘッド構造1500は、方形の位相マスク要素1561を有する。これは、読み取りヘッドハウジングのフェルール601の取付面602に取り付けられている。マスク要素1561は、位相マスク1520A,1520A’,1520Bおよび1520B’と、それぞれの受信器ファイバ1530A,1530A’,1530Bおよび1530B’と、光源ファイバ1570とを有する。これらは全て、図示のように、読み取りヘッドハウジングのフェルール601の内部に配設されて、それぞれ270度、90度、0度および180度の相対空間位相を有した通常の矩象位相信号を出力する。光ファイバ読み取りヘッド構造1500は、図14に示されたものと同様の4相の実施形態である。この場合、光源ファイバ1570と、受信器ファイバ1530A,1530A’,1530B及び1530B’とに異なるファイバ径を使用することによって、少ない部品を使用したより効率的な構造が作成される。これにより、受信器ファイバをアセンブルするための方形の「緊密パッキング」構造が達成され、そして受信器開口位置半径RALが図14に示された構造のものよりも減少される。このように、図15に示された構造は、図9を参照して前述した原理に従って、相対的に改良されたS/N比を効率的に与える。この構造を使用した種々の例示的緊密パッキング型実施形態では、光源ファイバ径DSFと受信器ファイバ径DRFは、DSF=DRF0.4142の関係にある。
【0113】
一般に、幅広い種々の緊密パッキング型光ファイバ読み取りヘッド構造は、ファイバ外径DRFを有したn本の受信器ファイバによって囲まれる1本の光源ファイバに対して決定される。そのような緊密パッキング型光ファイバ読み取りヘッド構造に対し、光源ファイバ外径DSFは、以下の数式によって決定される。
【0114】
【数8】
Figure 2004053605
【0115】
そのような1本の光源ファイバの回りを包囲したn本の受信器ファイバを有する緊密パッキング型光ファイバ読み取りヘッド構造は、実際に任意数の光ファイバ受信器チャネルを提供できる。この場合、各チャネルに対する受信器開口は、その構造の中心から離れた同様の受信器開口位置半径RALに配置される。そのような構造は、種々の光ファイバ受信器チャネルから固有にバランスされた信号を出力しようとする。このことは、この発明による種々の例示的実施形態において望ましい特徴である。種々の例示的実施形態では、nを増加して、いくつかの光ファイバ受信器チャネルが冗長的に同じ位相信号を出力するようにすることがある。種々の例示的実施形態では、そのような冗長な信号は、光学的に追加されて、信号強度を増加するか、種々の不整合またはアセンブリ公差の効果を減少させる。あるいは、他の性能的利点を与えるために追加されることもある。しかながら、ここで認められるべき点は、nが増加すると、特にnが約6より大きくなると、中央の光源光ファイバの適切な外径が増加し、且つ受信器開口位置半径RALが増加して、エンコーダ内の信号強度を潜在的に減少させる。そのような場合、図9を参照して前述された種々の設計関係は、再考されるべきである。
【0116】
1つの代替実施形態(図示せず)では、種々の光ファイバを受けるための方形穴を有した読み取りヘッドハウジングフェルールを使用する。このことによって、1本の光源光ファイバが8本の受信器光ファイバによって囲まれた構造であって、これら光ファイバの全てが同じ外径を有する構造に、ファイバの方形パッキングが使用される。例えば、読み取りヘッドハウジングのフェルールを通してサイズsの方形穴を形成することに、放電加工が使用される。直径s/3の9本のファイバは、中心のファイバが8本の受信器ファイバによって囲まれた3行3列の形態で、その穴を通して挿入される。空間位相の1つの可能な配置は、中心に配置された光源光ファイバの互いに逆側に配置された同様の空間位相を有した、4相のバランスされた対の光ファイバ受信器構造である。例えば、0度および180度の空間位相受信器チャネルは、方形の2つの対角線に沿ってそれぞれ位置決めされ、また90度および270度の空間位相受信器チャネルは、残りの4つの光ファイバ受信器位置に関連した2つの対角線方向に沿ってそれぞれ位置決めされうる。そのような、4相のバランスされた対の光ファイバ受信器構造は、種々の回転不整合に関連した誤差を前述したように補償および/または除去する。同時に、減算によって結合される位相信号に対するDCオフセットも相殺する(表2を参照のこと)。ゼロ度および180度の位相信号間の差を決定することによってDCオフセットを訂正できるので、上述したように、これらの光ファイバ受信器チャネルが光源から等距離に配置されることは有益である。同様に、90度および270度の位相信号間の差を決定することによってDCオフセットを訂正できるので、上述したように、これらの光ファイバ受信器チャネルが光源から等距離に配置されることは有益である
【0117】
ここで認められるべき点は、単一光源を囲む増加する数の受信器ファイバの代わりに、種々の実施形態では、前述した光ファイバ読み取りヘッド構造のそれぞれが、この発明による読み取りヘッドに複製または結合される物理的レイアウトを提供できるということである。1つの実例では、図15に示された基本構成は、図示の光ファイバ読み取りヘッド構造全体をX軸および/またはY軸に沿って隣接した位置に複製することによって、2つの光源の回りにそれぞれ配置された2組の4本の受信器光ファイバを与えるように、「延長」され得る。そのような構成は、矩形のフェルールハウジング内に、あるいは2つの「一部重複」した丸穴等の中に、緊密パッキング方式で配置できる。さらには、単一の延長された位相マスク要素は、光源の回りにそれぞれ配置された2組の4本の受信器光ファイバの双方に使用できる。そのような延長された位相マスク要素では、個別受信器チャネル位相マスクの位相は、光ファイバ構造と同様に複製できる。この代わりに、個別受信器チャネルの位相マスクの位相は、延長された位相マスク要素内で「再配置」されるか、そうでなければ選択されうる。これは、代替のバランスされた対の受信器チャネル構造や、代替の位相信号等を与えるためである。ここで認められるべき点は、そのような延長および/または複製された光ファイバ構造が、図9を参照して前述した原理に従って、高いS/N比を与え、しかもこの発明による種々の例示的実施形態に追加的な設計の代替例と利点を提供するということである。
【0118】
図16は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1600の第7の例示的実施形態を示す。この構造は、図5を参照して上述された3相光ファイバ読み取りヘッド構造500と同様に動作する。構成及び動作における同一性故に、光ファイバ読み取りヘッド構造1600の追加的説明を必要とする形態だけが以下で説明される。
【0119】
図16に示されるように、光ファイバ読み取りヘッド構造1600は、3つの光ファイバ受信器チャネル1690A〜1690Cを有する。これらは、前述した光ファイバ受信器チャネル190と同様に動作する。例えば、光ファイバ受信器チャネル1690Aは、受信器チャネル開口1610Aと、位相マスク1620Aと、受信器光ファイバ1630A(図示せず)とを有する。その他の光ファイバ受信器チャネル1690Bおよび1690Cも同様に番号付けされた同様の要素を有する。更に設けられているものは、透明な材料の位相マスク要素1661と、上側V溝整合要素704および下側V溝整合要素705と、光源光ファイバ1670によって提供される光源1680とである。
【0120】
位相マスク要素1661は、前述した位相マスク要素561と同様に構築されている。ただし、3相構造の位相マスク1620A,1620Bおよび1620Cがそれぞれ、受信器チャネル開口1610A,1610Bおよび1610Cの位置を超えて配置されている点が異なる。これらの開口は、上側V溝整合要素704のV溝709と、下側V溝整合要素705のV溝707および708とによってそれぞれ規定されている。種々の実施形態において、位相マスク1620A,1620Bおよび1620Cはそれぞれ、対応する空間位相0度、120度および240度を有する。
【0121】
図16にはまた、矩形のフェルール701を有した読み取りヘッド700が示されている。フェルール701は、上側V溝整合要素704および下側V溝整合要素705上に密着する。これは、上側V溝整合要素704と下側V溝整合要素705がそれらの界面706で隣接し、適切に整合し、そして矩形フェルール701を通して矩形穴内に挿入されるときである。1つの例示的実施形態では、V溝整合要素704および705は、通信産業で光ファイバの整合に使用される市販タイプのシリコンV溝整合要素である。V溝707−709は、次のように作られている。則ち、上側V溝整合要素704と下側V溝整合要素705が適切に整合し、そして矩形フェルール701内に抑え込まれたときに、上側および下側V溝整合要素704および705内に位置決めされている種々の機能中の光ファイバ1670および1630A〜Cが、緊密パッキング構造に抑え込まれるようにである。そのような、緊密パッキング構造に概ね関連した利益は、これまでに説明されている。ダミーの光ファイバ1630Xが、他の機能中の光ファイバ1670および1630A〜Cをそれらの適切な位置に抑え込むのに便利で経済的な手法として、このアセンブリに含まれている。
【0122】
1つの例示的アセンブリ法では、ファイバは、上側および下側V溝整合要素704および705に挿入され、整合される。それから、これらの要素は、界面706で互いに軽く圧接され、さらに矩形フェルール701を通して矩形穴の後部へ圧入される。種々の機能中の光ファイバ1670および1630A〜Cは、V溝整合要素704および705の前部から僅かに突出することがある。種々のファイバおよびV溝整合要素704および705は、それからフェルール701に結合され、また互いに結合される。種々のファイバは、それからV溝整合要素704および705の前面と面一に研磨される。それから位相マスク要素1661は、顕微鏡で見ながらファイバ端と整合され、そしてV溝整合要素704および705の前面および/またはフェルール701に対し緊密に結合される。1つの例示的実施形態では、位相マスク1020は、位相マスク要素1661「内部」のファイバ端付近に作成される。
【0123】
ここで認められるべき点は、アセンブリ、例えば光ファイバ読み取りヘッド構造1600が、全体の幅及び高さ寸法がおよそ2〜3ミリ以下の全ての光学式エンコーダ読み取りヘッドに、高分解能を与えるということである。ここでさらに認められるべき点は、この構造が低コストの精密な「自己アセンブリ」を提供するということである。ここでまた認められるべき点は、光源ファイバ1670が意図的に「過剰サイズ」にされ、またこれらのアセンブリ目的のためだけに、ダミーの光ファイバが含まれているということである。光ファイバ読み取りヘッド構造1600はまた、図9を参照して論議された原理に従って、高レベルのS/N比を与える。
【0124】
図17は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1700の第8の例示的実施形態を示す。この構造は、増強されたより均一な照明を与えるために、精密に離れて配置されたシングルモードの複数の光ファイバ光源1780を有する。光ファイバ光源1780は、以下で更に説明されるように、自己像に建設的に強度を加えるように位置決めされなければならない。光ファイバ読み取りヘッド構造1700は、「バランスされた対」の光ファイバ受信器チャネル構造を有する。この構造は、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルに対する前述の原理に従って概ね配置され且つ操作される3つのバランスされた対を備えている。別の場合に、光ファイバ読み取りヘッド構造1700は、図16を参照して説明された3相光ファイバ読み取りヘッド構造1600と同様に構築されている。構成及び動作における同一性故に、光ファイバ読み取りヘッド構造1700の追加的説明を必要とする形態だけが以下で説明される。
【0125】
図17に示されるように、光ファイバ読み取りヘッド構造1700は、位相マスク要素1761上に配置された6つの位相マスク1720A〜1720Cおよび1720A’〜1720C ’に対応する6つの光ファイバ受信器チャネルを有する。位相マスク1720Aおよび1720A’は、照明範囲中心1757の逆側に対称的に配置されているバランスされた対の光ファイバ受信器チャネルの第1の組を示し、また位相マスク1720Bおよび1720B’は、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルの第2の組を示し、さらに位相マスク1720Cおよび1720C’は、バランスされた対の光ファイバ受信器チャネルの第3の組を示す。種々の例示的実施形態において、位相マスク1720A,A’,1720B,B’および1720C,C’は、それぞれ対応する空間位相ゼロ度、120度および240度を有する。
【0126】
光ファイバ読み取りヘッド構造1700にはまた、図16に同様の番号付けで示されている要素と同様な要素700’,701’,704’および705’が含まれている。光ファイバ読み取りヘッド構造1700は、図16に示された光ファイバ読み取りヘッド構造1600を参照して説明されたものと類似の手法で制作および組立されている。
【0127】
図17に示された特別な実施形態は、4つのシングルモード光ファイバ光源1780を備えている。これは、単一の光源を与えるこの発明による先の実施形態と比べて、増強され、より均一化された照明を与えるためである。光ファイバ光源1780として使用可能なシングルモードの光源光ファイバは、図7を参照して既に説明されている。種々の例示的実施形態では、光ファイバ光源1780のそれぞれは、同じ遠方の光源から生じるソース光を出力する。この光源は、レーザダイオード光源のようなコヒーレントな光源である。
【0128】
前述したように、シングルモード光ファイバ光源1780は、互いに精密に離れて配置されている。特に、種々の光ファイバ光源1780が図17に示された「x」方向に沿って精密に離れて配置されているので、この発明による原理に従ってスケール格子に対して操作可能に位置決めされたときに、光ファイバ光源1780の全ては、操作可能な自己像平面に建設的に強度を加える自己像を生じさせる。図17に示された「x」方向は、光ファイバ読み取りヘッド構造1700と共に使用されるスケール格子の測定軸方向に対応する。種々の光ファイバ光源1780に対する適切な間隔は、解析および/または実験によって決定でき、それに応じて種々のファイバ径およびV溝の寸法を選択できる。ここで認められるべき点は、理想的に離された光ファイバ光源1780が、操作可能に位置決めされたスケール格子からそれぞれの自己像を生じさせるので、それぞれの自己像は全て相互に「同相」であるということである。
【0129】
種々の実施形態では、位相マスク要素1761は、光ファイバ光源1780のそれぞれに対する光源位置マスク部分を有する。1つの例示的光源位置マスク部分1763が、図17の最も右側の光ファイバ光源1780上に示されている。この光源位置マスク部分1763は、およそ図示されているように、透明な中心開口1764よりも実質的に大きい不透明なリングまたは領域を有する。中心開口1764のそれぞれは、図7を参照して前述されたように、対応する各シングルモード光ファイバ光源1780の約4ミクロンであるコア径DSAよりも僅かに小さい。従って、確実且つ経済的に位相マスク要素1761上に形成される中心開口1764の間隔は、そのような実施形態における光ファイバ光源1780の実効間隔を決定する。
【0130】
ここで認められるべき点は、アセンブリ、例えば光ファイバ読み取りヘッド構造1700が、全体の幅及び高さ寸法がおよそ2〜3ミリ以下の全ての光学式エンコーダ読み取りヘッドに、高分解能を与えるということである。ここでさらに認められるべき点は、この構造が低コストの精密な「自己アセンブリ」を提供するということである。光ファイバ読み取りヘッド構造1700はまた、高レベルのS/N比を与える。ここで認められるべき点は、光ファイバ読み取りヘッド構造1700に含まれた各光ファイバ受信器開口が、複数の光ファイバ光源1780から生じた光を受信するということである。各個別光源に対する各個別光ファイバ受信器開口の設計関係は、図9を参照して論議された設計原理に従って分析されうる。かくして、複数の光ファイバ光源1780に基づいて各光ファイバ受信器チャネルによって与えられるS/N比は、図9を参照して論議された設計原理に従って示されたS/N比の何倍かになることがある。
【0131】
図18は、この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造1800の第9の例示的実施形態を示す。この構造は、光源格子である中心格子1881を使用して分布型光源1880を与える。別の場合に、光ファイバ読み取りヘッド構造1800は、図17を参照して上述した光ファイバ読み取りヘッド構造1700と同様に構築されている。構成及び動作における同一性故に、光ファイバ読み取りヘッド構造1800の追加的説明を必要とする形態だけが以下で説明される。
【0132】
図18に示された分布型光源1880からのソース光は、図17に示された光ファイバ光源1780によって与えられるものとは異なる。これは、以下で更に説明されるように、光ファイバ読み取りヘッド構造1800用のソース光がLEDや他の空間コヒーレンスの低い光源から与えられるからである。ここで認められるべき点は、種々の前述した実施形態で使用された光源光ファイバとは対照的に、中心格子1881の下側に示された光源ファイバ1870は、相対的に大きい「マルチモード」のコア径DSAを有しているということである。このコア径は、1以上のLED光源や他の好適な低コヒーレンスな光源に対し、効率的に結合するのに適している。従って、光源ファイバ1870は、相対的に大きいコア径DSAを有したマルチモードのファイバでもよい。この代わりに、光源ファイバ1870は、直径DSAのそれぞれのコア領域内でソース光を案内するコア領域の集合を有したマルチコアのファイバでもよい。これは、長いファイバ長にわたって空間的インコヒーレンスを好適なレベルに維持するためである。種々の例示的実施形態では、光源ファイバ1870がそれらのコア径DRAに対応した透明な開口を有しているので、中心格子1881の2以上の格子バーは、各光源ファイバ1870の透明な開口領域内に位置決めできる。
【0133】
中心格子1881は、光源ファイバ1870によって与えられるソース光を、複数の線光源に分割する。これらの線光源、則ち、中心格子1881の透明領域は、各線光源が空間的にコヒーレントな光をスケール格子上に投射するように十分狭く形成されている。光源ファイバ1870がマルチコア光源ファイバである実施形態については、その複数のコアは、中心格子1881のピッチと同様の間隔および個別寸法を有することができる。このような実施形態では、連続した線光源として作用する代わりに、各線光源は、その線に沿って配列された複数の光源点として作用することができる。この場合、各光源点は、コアの集合内の個別コアから放射する。
【0134】
どのような場合にも、光ファイバ読み取りヘッド構造1800について、中心格子1881と、光源1880用のソース光を与える遠方の光源は、次のように選択および構成される。則ち、各個別線光源からのソース光が空間的にコヒーレントになり、そして別々の線光源からのソース光が相互にインコヒーレントになるようにである。ここでさらに認められるべき点は、中心格子1881のピッチは、次のように選択されるということである。則ち、与えられた線光源が、操作可能に位置決めされたスケール格子から、相互に「同相」となるそれぞれの自己像を生じさせるということである。振幅格子スケールと共に使用される光ファイバ読み取りヘッド構造1800の実施形態に対しては、中心格子1881と位相マスク1720のピッチは、振幅格子スケールの格子ピッチの2倍に等しい必要がある。位相格子スケールと共に使用される光ファイバ読み取りヘッド構造1800の実施形態に対しては、中心格子1881と位相マスク1720のピッチは、位相格子スケールの格子ピッチと等しい必要がある。
【0135】
図19Aは、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に関連して、スケール格子80に対し第1の方位で使用可能な光偏向器1900を示す。図19Aに示されるように、図10を参照して前述された光ファイバ読み取りヘッド1000と同様の例示的な光ファイバ読み取りヘッド1000’は、発散するソース光を、概ねビーム経路1901に沿って、光偏向器1900へ送り、ここでソース光は、ビーム経路1902に沿って、ゾーン1903内の動作ギャップを通して、スケール格子80に向けて偏向される。同様に、スケール格子80で反射し、発散し、回折したスケール光は、概ねビーム経路1902に沿って、光偏向器1900へ戻され、さらに偏向されて、名目ビーム経路1901に沿って概ね心出しされた読み取りヘッド1000’に向けて戻される。スケール格子80は、読み取りヘッド1000’に対し、測定軸方向82に沿って、相対的に移動する。戻されたスケール光は、照明範囲内の自己像平面にスケール格子80の自己像を与える。この照明範囲は、例示的読み取りヘッド1000’の光ファイバ受信器チャネル構造に関して概ね心出しされている。この点については、この発明による種々の他の例示的実施形態を参照して前述されている。ここで認められるべき点は、例示的読み取りヘッド1000’の位相マスクの格子バーは、それらがスケール格子80の自己像中の格子線と平行になるように、指向されているということである。ここでまた認められるべき点は、より正確に偏向器1900がビーム経路1901を90度の名目偏向に対して偏向してビーム経路1902にするほど、そしてまた、より正確にビーム経路1902がスケール格子80に対して直交するように作られているほど、結果として得られる位置測定システムが、より正確且つ確固たるものになるということである。
【0136】
種々の例示的実施形態において、偏向器1900は、反射型直角プリズムや、ミラー、またはその他の適切な光学部品であり、これは、この発明による光ファイバ読み取りヘッドとは固定された関係にある独立した部材に確実に搭載されている。自己像形成用に操作可能な短い経路長を維持するために、そしてまたゾーン1903内でスケール格子80に対して実際に機能するギャップを維持するために、偏向器1900は、読み取りヘッド1000’にできるだけ近く搭載されることが好ましい。種々の例示的実施形態において、偏向器1900は、読み取りヘッド1000’に適切に整合され、直接取り付けられている。種々の他の例示的実施形態において、偏向器1900は、この発明による位相マスクを有した位相マスク要素を提供するための基板としても作用する。この位相マスクは、読み取りヘッド1000’に面して位置決めされた偏向器1900の表面上に直接形成されている。
【0137】
図19Aに示された実施形態では、光ファイバ読み取りヘッド1000’ の長軸は、スケール格子80の測定軸82の方向を横切る向きに設定されている。読み取りヘッド1000’かスケール格子80のいずれか一方は、適切な位置に固定され、他方の要素は可動状態におかれる。ここで認められるべき点は、多数の応用に、例示的偏向器1900等の偏向器をこのように使用することが実際的であるということである。これは、この発明による光ファイバ読み取りヘッドおよびエンコーダが超小型サイズであるからである。ここで認められるべき点は、多数の応用において、例示的偏向器1900等の偏向器は、この発明による光ファイバ読み取りヘッドおよびエンコーダの有用性をさらに強化するということである。この場合、光ファイバ読み取りヘッドは、スケール格子80および測定軸方向82に対し柔軟に指向され、この結果、読み取りヘッドの最大および最狭の寸法が所望の方向に向けられる必要がある。以下でまた認められるように、例示的偏向器1900等の偏向器の使用は、読み取りヘッド1000’の光ファイバおよび/またはケーブルのルートを所望の方向に向けることに有用である。
【0138】
図19Bは、2つの代替の例示的スケール格子80および80’に対し第2の方位で使用された光偏向器1900を示す。以下で説明する第2の方位では、光偏向器1900の動作、設計考察、利益および種々の代替実施形態は、図19Aを参照して前述されたものと概ね同じである。しかしながら、この第2の方位については、光ファイバ読み取りヘッド1000’の長軸は、スケール格子80の測定軸82の方向に概ね平行に整合されている。ここで認められるべき点は、この第2の方位では、例示的光ファイバ読み取りヘッド1000’の位相マスクの格子バーは、それらがスケール格子80の自己像中の格子線に平行となるように、再度指向されているということである。かくして、図19Aに示された第1の方位に対して、読み取りヘッド1000’はその長軸を中心として、則ち、経路1901の軸を中心として90度回転させられている。この第2の方位は、光ファイバ読み取りヘッド1000’の有用性をさらに強化する。この場合、光ファイバ読み取りヘッド1000’、および/またはその光ファイバおよび/またはケーブルの最大および最狭の寸法を、種々の応用において、他の所望の方向に指向する自由度が許容される必要がある。
【0139】
図19Bはまた、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッドと共に使用可能な代替のスケール格子80’を示している。このスケール格子80’は、スケール格子80と同様であり、その測定軸82は同様に整合されている。しかしながら、スケール格子80’は、円筒スケール部材81’の表面と同様の「円筒」スケールを形成する。ここで認められるべき点は、円筒スケール格子80’の湾曲が、スケール格子80’から生ずる自己像の精度を僅かに乱し、それ故に測定精度をある程度劣化させることがあるということである。しかしながら、ここでさらに認められるべき点は、種々の例示的実施形態では、円筒スケール格子80’上の照明スポットは、全く小さなものなので、結果として生ずる自己像が、多くの実際の応用に対して依然として十分なものであるということである。特に、種々の例示的実施形態では、8ミクロンのような小さな格子ピッチを有し、且つ約25mm以上の円筒径を有する円筒スケール格子80’は、この発明による光ファイバ読み取りヘッドと共に使用されるときに、同様の平坦スケール格子に匹敵する測定性能を与えることができる。円筒スケール格子80’は、光偏光器1900に関連して、あるいは、より一般的には、ここに図示または説明された光ファイバ読み取りヘッドの他の実施形態と共に使用可能な平坦スケール80の代わりとして使用される。
【0140】
図20は、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッドに関連して使用可能な、回転スケール格子80”に対し第1の方位に配設された取付ブラケット2000と光偏向器1900’を示す。図20は、図12を参照して前述された光ファイバ読み取りヘッド600’と同じ例示的光ファイバ読み取りヘッド600”を含んだ構成を示す。例示的読み取りヘッド600”は、図12に示された読み取りヘッドハウジング601と同様な読み取りヘッドハウジング601’を有する。ただし、追加の整合溝605’は、整合溝605に対して90度回転された位置に追加されている。例示的読み取りヘッド600’の超微細サイズは、非常に効率的なスキームを可能にする。ここでは、読み取りヘッド600’を経済的に取り付けることができ、しかも回転スケール格子80”に対して十分な整合を与えるに必要な努力と時間は最小となる。
【0141】
図20に示されるように、取付ブラケット2000は、締結穴2005と、穴2001と、整合リッジ2002とを有する。穴2001は、読み取りヘッドハウジング601’の直径に密着するサイズである。整合リッジ2002は、穴2001の長さ延びて、整合溝605または605’のいずれかと整合し、それに噛み合うサイズである。穴2001および/または整合リッジ2002は、取付ブラケット2000を制作することに使用される押し出し成型工程中に形成されうる。このかわりに、穴2001および/または整合リッジ2002は、穿孔および/または掘削され、そして整合リッジは、適切なサイズのドエルまたはドリルブランクを、穴2001に沿って好ましく配置された溝内へ追加するによって提供されることもある。
【0142】
種々の例示的実施形態において、光偏向器1900’は、前述した光偏向器1900と同様であるか、等しい。種々の例示的実施形態において、図20におよそ示されるように、光偏向器1900’は、取付ブラケット2000に対し適切に整合され、直接取り付けられる。
【0143】
図19Aに示された前述した構成と同様に、例示的光ファイバ読み取りヘッド600”の位相マスクの格子バーは、それらが回転スケール格子80”の自己像中の格子線と名目的に平行になるように指向されるべきである。かくして、図20に示された第1の方位について、整合溝605は、整合リッジ2002と整合され、また例示的光ファイバ読み取りヘッド600”は、穴2001に挿入されて所望の取付整合を与える。種々の例示的実施形態において、読み取りヘッド600”は、それが光偏向器1900’に当接するまで、挿入される。種々の他の例示的実施形態では、取付ブラケット2000の長さと取付停止部606’の位置は、次のように選択される。即ち、取付停止部606’が取付ブラケット2000の裏面に当接するまで読み取りヘッド600”が挿入され、そして読み取りヘッド600”の位相マスク要素と光偏向器1900’との間に最小のギャップが与えられるようにである。一旦挿入されると、種々の例示的実施形態では、読み取りヘッド600”は、接着剤や機械的締結法によって取付ブラケット2000に対し恒久的にまたは一次的に堅固に固定される。
【0144】
スケール格子80”に対する図示せぬ第2の方位では、光ファイバ読み取りヘッド600”の長軸は、回転スケール格子80”の測定軸82の方向に概ね平行に整合されるように指向され、そして、取付ブラケット2000は、これに対応して、図20で垂直な軸を中心として回転される。この結果、穴2001は、回転スケール格子80”の測定軸82の方向に概ね平行となる。図19Bに示された前述された構成と同様に、例示的光ファイバ読み取りヘッド600”の位相マスクの格子バーは、それらが回転スケール格子80”の自己像中の格子線と名目的に平行となるように、指向されるべきである。かくして、この第2の方位について、他の整合溝605’は、整合リッジ2002と整合され、そして例示的光ファイバ読み取りヘッド600”は、穴2001内に挿入されて、所望の取付整合を与える。かくして、図20に示された回転スケール格子80”に対する第1の方位に対して、読み取りヘッド600”は、その長軸を中心として、即ち、経路1901の軸を中心として、90度回転される。
【0145】
微細な光ファイバ読み取りヘッド600’に関連して使用される例示的取付ブラケット2000のような取付ブラケットは、非常に効率的で汎用的な取付スキームを提供する。この場合、読み取りヘッド600’は、少なくとも2つの異なる方位に経済的に取り付けることができ、しかも回転スケール格子80”に対して十分な整合を与えるに必要な努力と時間は最小となる。ここで認められべき点は、取付ブラケット2000は、回転スケール格子構造と共に使用することに限定されていないということである。それはまた、ここに図示または説明された他のスケール格子構造に関連しても使用可能である。
【0146】
ここで認められるべき点は、回転スケール格子80”の湾曲が、回転スケール格子80”から生ずる自己像の精度を僅かに乱し、それ故に測定精度をある程度劣化させることがあるということである。しかしながら、ここでさらに認められるべき点は、種々の例示的実施形態では、回転スケール格子80”上の照明スポットは、全く小さなものなので、結果として生ずる自己像が、多くの実際の応用に対して依然として十分なものであるということである。特に、種々の例示的実施形態では、8ミクロンのような小さな格子ピッチを有し、且つ約25mm以上の直径を有する回転スケール格子80”は、この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッドと共に使用されるときに、同様の直線スケール格子に匹敵する測定性能を与えることができる。回転スケール格子80”は、図示されたような光偏光器1900’に関連して、あるいは、より一般的には、ここに図示または説明された光ファイバ読み取りヘッドの他の実施形態と共に使用可能な直線スケール80の代わりとして使用される。
【0147】
図19A,19Bおよび20、並びにそれらの説明に関して、認められるべき点は、光ファイバ読み取りヘッド1000’および600”、偏光器1900および1900’、および取付ブラケット2000の構造は、それらの基本的有用性および動作の明瞭な図示と明瞭な説明とを促進するために、単純な形態で図示され、説明された。しかしながら、ここで認められるべき点は、種々の運動学的な取付、インターフェース、およびアセンブリの特徴(図示せず)を、光ファイバ読み取りヘッド1000’および600”、偏光器1900および1900’、および取付ブラケット2000のいずれか1つまたはそれ以上に組み入れて、既知の運動学的な取付、インターフェース、およびアセンブリの原理による適切な整合、取付および搭載を促進することができるということである。
【0148】
この発明は、上記に概略を示した例示的実施形態に関連して説明されたが、当業者には明らかとなるように、上述された実施形態および設計要因が、追加的な代替の実施形態、修正例および変形例を示すものであることは、明白である。従って、上述された発明の実施形態は、説明することを意図したものであって、限定するものではない。発明の精神と範囲を逸脱することなく、種々の変化がなされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による光ファイバ受信器チャネル構造の第1の包括的実施形態の斜視図である。
【図2】この発明による種々の例示的光ファイバ読み取りヘッドで使用可能な自己像形成構造の第1の包括的実施形態の斜視図である。
【図3】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第1の包括的実施形態の斜視図である。
【図4】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第2の包括的実施形態の斜視図である。
【図5】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第3の実施形態の一部正射投影し、一部等角投影した図である。
【図6】この発明により使用可能な例示的受信器チャネル光ファイバを示す。
【図7】この発明により使用可能な例示的光源光ファイバを示す。
【図8】この発明による光ファイバ読み取りヘッドに関連して使用可能な遠隔電子インターフェース部を含んだブロック図を示す。
【図9】図3にほぼ対応する光ファイバ読み取りヘッド構造に対して、光ファイバ検出器チャネルの受信器開口が照明範囲の中心から種々の半径に位置決めされるときに、種々の受信器開口の直径について生じた代表的な信号対雑音比を示す図である。
【図10】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第4の実施形態の一部正射投影し、一部等角投影した図である。
【図11】この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に使用可能な例示的位相マスク要素を示す。
【図12】この発明による光ファイバ読み取りヘッドおよびケーブルの第1の例示的実施形態を示す。
【図13】この発明による種々の例示的実施形態に関連した偏振れ不整合の考察を示す図である。
【図14】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第5の例示的実施形態を示す。
【図15】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第6の例示的実施形態を示す。
【図16】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第7の例示的実施形態を示す。
【図17】この発明による光ファイバ読み取りヘッド構造の第8の例示的実施形態を示す。
【図18】この発明による光源格子を使用する光ファイバ読み取りヘッド構造の第9の例示的実施形態を示す。
【図19A】この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に関連して、例示的スケール格子に対し第1の方位で使用可能な光偏向器を示す。
【図19B】この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に関連して、例示的スケール格子に対し第2の方位で使用可能な光偏向器を示す。
【図20】この発明による種々の光ファイバ読み取りヘッド構造に関連して使用可能な、回転スケール格子に対して第1の方位に配設された取付ブラケットと光偏向器を示す。
【符号の説明】
80…スケール格子
100…光ファイバ受信器チャネル構造
110,510,1010…受信器チャネル開口
120,520,1020…位相マスク
130,530,1030…受信器光ファイバ
190,590,1090…光ファイバ受信器チャネル
200…自己像形成構造
280,580,1080…光源
300,400,500,1000,1400,1500,1600,1700,1800…光ファイバ読み取りヘッド構造
570,1070…光源ファイバ
600,600’,600”,800,1000’…光ファイバ読み取りヘッド
805…遠隔電子インターフェース部

Claims (11)

  1. 測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、
    前記スケール格子上に照明スポットを形成するように前記スケールに対して光を照射する光源と、
    前記スケール格子上の照明スポットからの光によって前記スケールから所定ギャップ離れた位置に形成される自己像を先端部で受光する複数の光ファイバ受信器チャネルから構成され、少なくともそれらの先端部が前記光源と共に前記スケールに対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置された光ファイバ読み取りヘッドとを備え、
    前記光ファイバ受信器チャネルは、
    光ファイバと、
    この光ファイバの一端に形成されて前記自己像を前記光ファイバに導入する受信器チャネル開口と、
    この受信器チャネル開口に形成された位相マスクとを有し、
    前記位相マスクは、前記自己像に形成される明暗周期に対応する周期の格子を有し、
    複数の光ファイバ受信器チャネルの位相マスクの格子は互いに異なる空間位相関係を有する
    ことを特徴とする光ファイバ受信器チャネルを使用した回折格子エンコーダ。
  2. 前記光源は、前記複数の光ファイバ受信器チャネルの光ファイバと共に束ねられて光出射端が前記光ファイバ受信器チャネルの受光端と同一面上に配置された光源用光ファイバを含み、
    前記スケールは、反射型スケールであることを特徴とする請求項1記載の回折格子エンコーダ。
  3. 前記光源用光ファイバを中心とし、その周囲に複数の前記光ファイバ受信器チャネルが配置されていることを特徴とする請求項2記載の回折格子エンコーダ。
  4. 前記光源用光ファイバの周囲に緊密パッキング構造で6つの前記光ファイバ受信器チャネルが配置されていることを特徴とする請求項3記載の回折格子エンコーダ。
  5. 前記光源用光ファイバを中心として対称配置された光ファイバ受信器チャネルの位相マスクが同一の空間位相となる対を構成し、3対の光ファイバ受信器チャネルの位相マスクは、互いに120°の空間位相差を持つことを特徴とする請求項4記載の回折格子エンコーダ。
  6. 前記光源用光ファイバを中心として対称配置された1対の光ファイバ受信器チャネルはダミーファイバーからなり、他の4つの光ファイバ受信器チャネルの位相マスクは、90°ずつ空間位相がずれた矩象位相関係を有するものであることを特徴とする請求項4記載の回折格子エンコーダ。
  7. 前記光源用光ファイバの周囲に緊密パッキング構造で4つの前記光ファイバ受信器チャネルが配置され、4つの光ファイバ受信器チャネルの位相マスクは、90°ずつ空間位相がずれた矩象位相関係を有するものであることを特徴とする請求項3記載の回折格子エンコーダ。
  8. 前記光源用光ファイバの中心から前記各受信器チャネル開口までの距離RALは、各受信器チャネル開口の直径DRAの8倍未満に設定されていることを特徴とする請求項2記載の回折格子エンコーダ。
  9. 前記光ファイバ受信器チャネルの受光端及び前記光源用光ファイバの光出射端と、前記スケールとの間に、前記光ファイバ受信器チャネルの受光及び光源用光ファイバの光出射方向と、前記スケールへの入射及び反射方向とを整合させるための偏向器が更に設けられていることを特徴とする請求項2記載の回折格子エンコーダ。
  10. 測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、
    前記スケール格子上に照明スポットを形成するように光出射端から前記スケールに対して光を照射する光源用光ファイバと、
    前記スケール格子上の照明スポットからの光によって前記スケールから所定ギャップ離れた位置に形成される自己像を先端部で受光する複数の光ファイバ受信器チャネルから構成され、少なくともそれらの先端部が前記光源と共に前記スケールに対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置された光ファイバ読み取りヘッドであって、前記光ファイバ受信器チャネルが、受信器用光ファイバと、この光ファイバの一端に形成されて前記自己像を前記受信用光ファイバに導入する受信器チャネル開口と、この受信器チャネル開口に形成された位相マスクとを有し、前記位相マスクが、前記自己像に形成される明暗周期に対応する周期の格子を有し、複数の光ファイバ受信器チャネルの位相マスクの格子は互いに異なる空間位相関係を有する、光ファイバ読み取りヘッドと、
    前記光源用光ファイバ及び前記光ファイバ読み取りヘッドの複数の受信器用光ファイバの前記スケールとは反対側の端部に設けられた遠隔電子インターフェース部であって、前記光源用光ファイバに照明光を供給する光源、前記各受信器用光ファイバに導入された光をそれぞれ検出及び増幅する複数の光検出器/アンプ、及びこれら光検出器/アンプの出力信号を処理して前記スケールと光ファイバ読み取りヘッドとの相対変位を算出する信号処理及び制御部を有する遠隔電子インターフェース部と、
    を備えたことを特徴とする変位測定装置。
  11. 2つの部材間の相対変位を測定する装置であって、
    測定軸方向に沿って形成されたスケール格子を備えたスケールと、
    前記スケールの操作可能な自己像を提供するために操作可能な読取ヘッドであって、少なくとも一つの光源要素からなる光源部、及び、複数の光ファイバ受信器チャネルを備えた読取ヘッドと、を備え、
    前記各光ファイバ受信器チャネルは、
    空間位相を有し、スケールの操作可能な自己像を空間フィルタリングする操作可能なピッチで配列された光遮蔽要素を有する受信器チャネル空間位相マスク部と、
    受信器チャネル光学信号光を受信する入力端を備えた少なくとも一つの受信器チャネル光ファイバと、を備え、
    前記少なくとも1つの受信器チャネル光ファイバによって受信される前記各受信器チャネル光学信号光は、測定軸方向に沿った少なくとも3つの完全周期の集光領域長さを有する集光領域上の、各受信器チャネル空間位相マスク部を介して集光された光学信号光からなり、
    前記読取ヘッドがスケール格子に対して相対的に操作可能に位置決めされたとき、複数の光ファイバ受信器チャネルの少なくとも第1及び第2のチャネルは、少なくとも第1及び第2の各信号位相を有する第1及び第2の各受信器チャネル光学信号を提供するため、名目空間位相マスク平面でスケールの操作可能な自己像の各部分を空間フィルタリングし、
    前記装置は、前記少なくとも第1及び第2の各受信器チャネル光学信号を各光ファイバを通して出力し、これにより各チャネルの変位情報を、電子的光学検出要素の利用なしに生成された複数の各チャネルの光出力信号の形態で提供する
    ことを特徴とする変位測定装置。
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