JP4608142B2 - 加熱炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチック材料等のワークを加熱や乾燥等するためにに用いる加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱炉として、炉壁に炉室へ通じる開口を設け、この開口から炉室内へワークを支持するキャリヤを出入自在とし、キャリヤを炉室内へ送り込んでワークを所定温度の熱風等により所定時間加熱した後、炉室からキャリヤを引き出してワークを取り出すようになっているものは公知である。この炉室内にはファンが設けられ、炉室内の空気を強制的に循環させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記加熱炉のように構成すると、キャリヤの出入時に開口が大きく開放される結果、室温の外気が炉室内に流入するので、炉内の急激な温度低下を招くことになり、ワークの出し入れを終えて炉室開閉扉を閉めた後から炉室内が所定温度に復帰するまで著しく長い時間を必要とする。殊に、炉室内空気をファンにて強制循環する形式では、熱の散逸を抑制するためキャリヤの出入時にファンを停止しなければならないので、炉内の温度分布が不均一になり、その後における炉室内温度の復帰までにやはり時間を要することになった。
【0004】
このように炉内温度が大きく変化すると、エネルギーロスが大きくなり、加熱時間も著しく長くなる。また、炉室開閉扉付近は扉を開いたとき熱風にさらされるため作業環境が悪化し、ワークの正確なセットや取り出しを困難にしていた。そのうえ、加熱条件が一定せず正確にワークを加熱できないので、製品の品質がばらつくことになった。特に加熱条件を設定するための加熱テストの場合に正確な再現性のあるデータを得られなかった。そこで、本願発明は係る問題点の解決を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係る加熱炉は、炉壁に設けたキャリヤ出入口からキャリヤを炉室内へ出入自在にした加熱炉において、
前記キャリヤ出入口は、炉室全体の前側開口部を覆う前面壁の一部に設けられ、前記前側開口部よりも小さな開口面積を有する小窓部であり、
前記キャリヤを炉内へ送り込んだとき前記キャリヤの一部で前記小窓部を覆うとともに、前記キャリヤを引き出したときは前記キャリヤの一部又はキャリヤと別に設けた開閉部材で前記小窓部を覆うことを特徴とする。
【0006】
このとき、前記キャリヤの出入時手前側となる部分に前側シール壁を設け、かつ前記キャリヤの出入時手奥側となる部分に後側シール壁を設け、これら前側シール壁又は後側シール壁により前記キャリヤの出入時に前記小窓部を覆うようにしてもよいい。
【0007】
また、前記キャリヤ引き出し時に前記小窓部を覆う開閉部材を、前記小窓部へ設けられ、前記キャリヤの出入に応じて自動又は手動で開閉する小窓扉とすることもできる。
【0008】
さらに、前記キャリヤを棚又は引き出し状に形成することができる。また前記キャリヤを複数設けるとともに、このキャリヤの数に応じて前記小窓部を複数設けたこともできる。
【0009】
【発明の効果】
本願発明は、キャリヤ出入口を、炉室全体の前側開口部を覆う前面壁の一部に設けられ、前側開口部よりも小さな開口面積を有する小窓部としたので、キャリヤの出入に伴う炉室の開口面積を可及的に小さくできる。そのうえ、キャリヤを炉内へ送り込んだときその一部で小窓部を覆うとともに、キャリヤを引き出したときはその一部又はキャリヤと別に設けた開閉部材で小窓部を覆うので、小窓部の開放時間を極力短縮できる。
【0010】
したがって、キャリヤの出入に伴う熱の散逸を抑制してエネルギーロスを抑制できる。また、炉内の急激な温度低下を防ぎ、ワークの出し入れを終えた後において炉室内が所定温度に復帰する時間を著しく短縮できる。そのうえ、ファンを設けた場合でもキャリヤの出入時にファンを停止しなけくても済むので、炉室内温度の復帰時間をさらに短縮できる。
【0011】
さらに、加熱炉の外へ流出する熱風が少なくなるので、キャリヤ出入口近傍における作業環境が改善され、ワークの正確なセットや取り出しを容易にする。そのうえ、加熱条件が一定するので、正確にワークを加熱できるようになり製品の品質を安定させることができる。特に加熱条件を設定するための加熱テストの場合に正確な再現性のあるデータを得ることができる。
【0012】
また、キャリヤの出入時手前側となる部分に前側シール壁を設け、奥側となる部分に後側シール壁を設ければ、キャリヤを炉室内へ送り込んだときは前側シール壁で小窓部を覆い、逆にキャリヤを引き出したときは後側シール壁により小窓部を覆うことができるので、小窓部の開閉部材としてキャリヤを有効利用でき、特別の小窓部用開閉部材を設けなくても済む。
【0013】
これに対して、キャリヤ引き出し時に小窓部を開閉自在に覆う小窓扉を設け、キャリヤの出入に応じて自動又は手動で開閉するようにすれば、キャリヤに後側シール壁を設けなくても済むため、キャリヤ構造の自由度が高くなり、キャリヤを小窓部へ差し込み易くなる。
【0014】
さらに、キャリヤを棚又は引き出し状に形成すれば、ワークに応じた支持構造を採用できる。またキャリヤを複数設けるとともに、このキャリヤの数に応じて小窓部を複数設ければ、一度に大量のワークを扱えるとともに、キャリヤ出入時の開口面積を可及的に小さくできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1は本実施例に係る加熱炉の縦断面図、図2はその横断面図(図1の2−2線断面)、図3はキャリヤを引き出した状態の図1に対応する図、図4は加熱炉の正面(図1のA矢示方向)図、図5はキャリヤ出入時の温度変化を従来例とともに示すグラフである。
【0016】
この加熱炉は1は、乾燥や種々の加熱処理(例えば、発泡塩ビ等の発泡や熱硬化樹脂の熱硬化など)に使用される熱風炉であり、炉室2内に所定温度の熱風をファン3にて強制的に循環させるようになっている。但し、加熱炉の加熱形式は遠赤外線を用いる等種々の方式が可能である。
【0017】
この炉室2を囲む炉壁4の一部であり、炉室2の前面側に臨む炉室全体の開口部である前側開口部2aを覆う前面壁4aに小窓部5が設けられ、この小窓部5を通して炉室2が外部と連通される。小窓部5を囲む前面壁4aの肉厚部分は、炉室2側へ向かって次第に小窓部5の中央へせり出す曲面6をなし、この曲面6のうち最も炉室2側の部分は小窓部5の間口を最も狭める突出部7になっている。
【0018】
突出部7は、炉室2の上壁4b及び底壁4cとの間にそれぞれ段差8をなし、この段差8は上壁4b及び底壁4cに対して直交する小窓部5へ向かって一段高くなった平面であり、図2に示すように前面壁4aの内面と同一面で連続している。なお、小窓部5は前面壁4aの一部に左右方向へ偏って設けられ、左右の側壁4dの一方から隔たって設けられている。
【0019】
炉室2内にはキャリヤ10が小窓部5から出入自在になっている。キャリヤ10は、ワーク(図示省略)を支持するための台車状の部材であり、ワークを支持する本体部11を備え、小窓部5を通過できる大きさになっている。
【0020】
なお、本願において前後方向とは、キャリヤ10の出入方向を指し、キャリヤ10についてはその出入時手前側を前側、奥側を後側という。また加熱炉については小窓部5側を前側、炉室2の内部奥側でキャリヤ10の後部が臨む側を後側というものとする。
【0021】
キャリヤ10の加熱炉1外側に位置する部分には開閉用扉12が設けられ、小窓部5の周囲の前面壁4aの外面へ当接する大きさになっている。開閉用扉12の中央部にはハンドル13が設けられ、開閉用扉12の下部にはキャスター14が設けられる。キャスター14は前面壁4aより外側の床面上を移動する。
【0022】
開閉用扉12と本体部11との間は炉壁3の肉厚分程度の幅をなす連結部15が設けられ、連結部15と本体部11との間に前側シール壁16が設けられる。前側シール壁16は小窓部5とほぼ同形同寸に形成された耐熱材料製であって、突出部7よりも手前側に位置し、キャリヤ10を炉室2内へ送り込んだとき、開閉用扉12が炉壁4の前面壁4aへ当接すると同時に突出部7近傍の曲面6へ周囲が気密に当接するようになっている。
【0023】
本体部11の炉室内最奥側となる後部にも後側シール壁17が設けられ、その下部には耐熱材料で作られたキャスター18が設けられる。後側シール壁17は小窓部5よりも若干大きく形成され、キャリヤ10を炉室2を引き出したとき、小窓部5を囲む段差8及び前面壁4aの内面へ周囲が気密に当接して小窓部5を閉じるようになっている。キャスター18は底壁4c上を移動し、このときキャリヤ10が略水平になるようキャスター14との間で高さ調節される。
【0024】
図4に示すように、小窓部5の開口部横幅W1は、炉室全体における前側開口部2aの横幅W2よりも著しく小さく、かつそれぞれの開口部の上下幅は比較的近似したものになっている。その結果、小窓部5の開口面積は、炉室全体における前側開口部2aの開口面積よりも著しく小さくなっている。また、小窓部5を覆う前側シール壁16(及び後側シール壁17)は小窓部5の開口部における形状及び大きさにほぼ近似している。
【0025】
次に、本実施例の作用を説明する。例えば壁紙用の発泡塩ビシートに対する発泡テストをおこなう場合、あらかじめ炉室2内を熱風により発泡に適した所定温度、例えば400℃に昇温しておくとともに、炉室2から引き出したキャリヤ10に発泡塩ビシートをワークとして本体部11へ吊り下げ等により支持させる。
【0026】
このとき、図3に明らかなように、前側シール壁16は小窓部5を開放しているが、後側シール壁17の周囲がが小窓部5を囲む段差8及び前面壁4aの内面へ気密に当接して小窓部5を閉じているため、炉室2の炉内温度は一定になっている。
【0027】
この状態でキャリヤ10を小窓部5から炉室2内へ送り込むと、後側シール壁17が小窓部5の周囲から離れて瞬間的に小窓部5を介して炉室2と外部とを連通するが、図1に明らかなように、直ちに前側シール壁16の周囲が突出部7の曲面6へ気密に接触して小窓部5を閉じる。このとき、前側シール壁16の周囲は突出部7近傍の曲面6へ当接するので、一種のテーパー合わせにより気密かつ迅速に密接できる。
【0028】
したがって、炉室2の炉内温度にほとんど変化を生じさせずに炉室2内へ本体部11を送り込むことができ、本体部11を所定時間炉室2内へ置くことによりワークを加熱して発泡テストを完了する。
【0029】
その後、ハンドル13をもって、キャリヤ10を引き出すと、一瞬、前側シール壁16が突出部7近傍の曲面7から離れて小窓部5を開放し、外部と炉室2内が連通するが、図3に明らかなように、直ちに後側シール壁17が小窓部5の周囲へ気密に接触して小窓部5を閉じるため、炉室2の炉内温度変化を極小に止める。
【0030】
このように本実施例は、前側シール壁16と後側シール壁17を設けて出入時のいずれでも小窓部5を閉じるようにしたので、キャリヤ10の本体部11を炉室2内へ出入させても、炉室2内の炉内温度変化をほとんど生じないようにできるので、本実施例の発泡テストの場合は、正確な加熱温度でテストでき、信頼性の高いデータを得ることができる。
【0031】
従来の加熱炉では、例えば棚や網に直接置いて実験又は製造が不都合な、接触できないワークワークの加熱等において、炉室2内の定位置にセットするときに思わぬ時間を要すなどして、扉を開いた状態がその都度長くなったり短くなったりしてしまい、発泡条件等の微妙なデータの再現性の点で不満足である。
【0032】
また、例えば液晶フィルムの加熱等において、仮に恒温時間を一定としも扉の開閉時間の長短が物性の上昇条件の差異となり、ポットライフが加工条件の重要な要素となる場合に恒温時間の一定だけでは、再現性、上昇カーブの重要性の把握に不安がある。
【0033】
しかしながら、本願発明によれば、接触できないワークは、炉外でキャリヤ10の定位置にセットすることが可能となり、サンプルの出し入れにおいて、ほとんど恒温状態での実験や製造が可能になる。
【0034】
さらに、このように本体部11を炉室2内へ出入させても、炉室2内の高温の雰囲気がほとんど逃げることはなく、かつ低温の外気が炉室2内の高温の雰囲気に混入することがほとんど生じないので、その出入させる際のエネルギーのロスは非常に小さい。また、本体部11を炉室2内へ出入させても、小窓部5の近傍における作業環境を改善でき、加熱炉1の外部にて本体部11に対するワークのセットや取り出し等の操作を余裕をもってできる。
【0035】
そのうえ、図2に明らかなように、小窓部5は炉室2の幅に対して比較的小さく、炉室2内の熱量が十分に大きいため、本実施例のように小窓部5を短時間開放した程度ではほとんど炉内温度に変化を生じさせないようにできる。しかも、キャリヤ10の出入時にもファン3を停止せずに炉室2の内部空気を強制循環できるので、これによっても炉室2の炉内温度を均一化させておくことができる。
【0036】
図5は、炉内を100℃に加熱した恒温状態で、キャスターを出入したときの炉内における温度変化を従来例と比較したグラフである。まず上段のAに示す従来例では、恒温状態(約100℃)からキャリヤを短時間引き出した後すぐ炉内へ戻すと、温度最降下点aでは約10℃の低下が見られる。またキャリヤを戻してから恒温状態に復帰するポイントbまでに約60秒を要する。なおポイントaのキャリヤ操作はワークのセットを意味するので、その後取り出しのために再びキャリヤを操作することになり、このときポイントcなるaと同様の温度降下が生じる。
【0037】
これに対して、下段のBに示す本実施例では、同様に操作したとき、ポイントaでは約1℃の低下が見られ、また恒温状態に復帰するポイントbまでに約20秒を要した。したがって、本実施例の方が従来例よりも著しく温度低下が少なくなってエネルギーロスを減少させることができ、かつ恒温復帰を短時間にできるので、炉内を恒温に保時間を長くでき、炉内の加熱温度を均一化できることは明らかである。
【0038】
なお、A、Bはキャリヤ及びその出入部構造を除き、ワークを用いない無負荷状態等同一条件でおこなった結果である。従来例の場合は炉室の前側開口部全体が一つの扉(本実施例の前面壁4aに相当する部分)で開閉されるようになっている。
【0039】
図6は、キャスターが炉室外に取り付けられた第2実施例の縦断面図であり、キャスターを炉室内に配置するばかりでなく、炉室外に配置させるようにもできることを示す。すなわち、本体部11の下方に平行して加熱炉1の底部下方空間内へ出入可能なキャリヤ底部20が開閉用扉12から後方へ延出し、このキャリヤ底部20の底面に適宜数のキャスター21が回動自在に取り付けられ、加熱炉1の置かれれている接地面22上を移動可能になっている。
【0040】
このようにすれば、キャスター21を炉室2の内部へ配置しなくてもよくなるので、炉室内の底壁4cに付着したゴミや樹脂があってもこれらに関係なくキャスター21はスムーズに移動でき、その結果、キャリヤ10も底壁4cの汚れに影響されずに移動して、シール壁16や後側シール壁17が曲面6や段差8に当接して気密を保つことができる。また、炉室2の内部がキャスター21を劣化させるような酸化雰囲気等の場合でも、キャスター21の劣化を防止してメンテナンス回数を削減できる。
【0041】
図7は、第3実施例に係る図5と同様の断面図であり、この例では図6におけるキャリヤ10の本体部11に代えて、略水平に前後方向へ延出する棚状部材23を上下方向へ複数段に設けてある。また、後側シール壁24は各棚状部材23毎に設けられ、図5の上下方向に長い後側シール壁17を各棚状部材23毎に分割したものに相当する。
【0042】
さらに、前側シール壁16で覆われる小窓部5の内側に内壁25を設け、この内壁に各棚状部材23を出入可能にするとともに各後側シール壁24で閉じられる大きさの微小窓部26を設けてある。このようにするとワーク支持部を多段にして一度により多くのワークを加熱処理できるとともに、微小窓部26によりキャリヤ出入時の開口面積をさらに小さくできる。
【0043】
図8は、第4実施例に係る加熱炉の正面図であり、この例では上下方向に長い縦長の引き出し状をなすキャリヤ10を複数横へ並べてある。この場合、小窓部5も相似形状の縦長開口部をなして複数横並びに形成され、各開閉用扉12が前側シール壁を兼ねて小窓部5を覆うようになっている。このようにすると、キャリヤ10の数を多くできるので、一度に多数のワークを加熱処理ででき、しかもワーク毎に加熱時間等を異にした処理が可能になる。そのうえ引き出し状にすることでワークの配置が正確かつ迅速になり、特に深底形状のため背の高いワークの処理に適している。
【0044】
図9は、第5実施例に係る前実施例同様の正面図であり、この例では左右方向に長い横長の引き出し状をなすキャリヤ10を複数上下へ並べてある。このようにすると、キャリヤ10が浅深底形状のため背の低いワークや小物ワークの処理に適している。
【0045】
図10は第6実施例に係る図7同様の断面図であり、この例では図7と同様の棚状部材23を有するキャリヤ10を設けてあるが、各棚状部材23毎に設けられる後側シール壁24は設けられず、その代わり各微少窓部26に小窓用扉30を開閉自在に設けてある。またキャリヤ10の引き出し時には各棚状部材23は完全に炉外へ出るようになっている。
【0046】
小窓用扉30は、前面壁4aの下方に設けた接近センサー31,32により、キャリヤ底部20の後端である後方突出部33の接近又は離反を検知して自動的に開閉するようになっている。後方突出部33は各棚状部材23の後端部よりも長く後方へ延出している。
【0047】
このキャリヤ10を炉内へ送り込むと、後方突出部33が接近センサー31を通って同32に近接すると、小窓用扉30を開き、各棚状部材23の後端部をそれぞれの対応する微少窓部26へ差し込み可能になる。なお、キャリヤ10の送り込み時には前側シール壁26が小窓部5を覆う。逆にキャリヤ10を引き出すときは、後方突出部33が接近センサー32を通って同31に近接すると小窓用扉30を閉じる。
【0048】
このようにすると、後側シール壁24(図6)を設けないことにより、キャリヤ10の引き出し時に各棚状部材23は完全に炉外へ出してワークのセットや取り出しをおこなうことができるのでワークを扱う作業が正確かつ容易になる。そのうえキャリヤ10を完全に炉外へ出しても微少窓部26を小窓用扉30で覆うことができる。小窓用扉30の自動開閉機構はエアー式、機械式、あるいは電動式等種々可能である。
【0049】
なお、小窓用扉30の開閉は手動式であってもよいい。さらに小窓用扉30はこのように各微小窓部26毎に独立したものではなく、図中に仮想線で示すような連続する一枚物のシャッター34であってもよいい。この場合シャッター34には各微小窓部26に対応した窓穴が設けられており、このシャッター34を加熱炉の上方に設けたスプロケット35で巻き上げ又は下げることにより各微小窓部26を開閉する。この場合にも手動による巻き上げ等の手動操作がにしてもよいい。 図11は第7実施例に係る図1と同様の断面図であり、この例では図1の加熱炉1に対して後部璧相当部を後部開閉扉36として、炉室2における後方開口部全体を開閉可能にしてある。符号37は扉のハンドルである。このようにすると、炉室2ないの清掃等が必要なとき、後部開閉扉36を開いて炉室2の後部全体を開放できるため、メンテナンス性が向上する。
【0050】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず、同一の発明原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、加熱炉1は上記のようなテストばかりでなく、乾燥や熱硬化性樹脂の熱硬化等の種々な加熱処理に使用でき、このような加熱処理された製品の品質を高めることができる。
【0051】
さらに、前側シール壁16と後側シール壁17及びこれらが接触する相手側に弾性部材からなる公知のシール部材を介在させてもよいい。また、後側シール壁17もテーパー合わせに接合させることもできる。そのうえ、小窓部5の開閉時間を安定させるため、キャリヤ10の移動をエアーシリンダ等の機械的手段でおこなうことにより自動化させてもよいい。この場合の駆動形式はエアー式、機械式、あるいは電動式等種々可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る加熱炉の縦断面図
【図2】この加熱炉の横断面図(図1の2−2線断面)
【図3】使用状態を説明する図1に対応する図
【図4】第1実施例に係る加熱炉の正面図
【図5】キャスターを出入したときの炉内温度変化を示すグラフ
【図6】第2実施例の縦断面図
【図7】第3実施例の縦断面図
【図8】第4実施例に係る加熱炉の正面図
【図9】第5実施例に係る加熱炉の正面図
【図10】第6実施例の使用状態縦断面図
【図11】第7実施例の縦断面
【符号の説明】
1:加熱炉、2:炉室、3:ファン、5:小窓部、6:曲面、10:キャリヤ、11:本体部、12:開閉用扉、16:前側シール壁、17:後側シール壁、23:棚状部、26:微小窓部、30:小窓用扉
Claims (5)
- 炉壁に設けたキャリヤ出入口から炉室内へキャリヤを出入自在にした加熱炉において、
前記キャリヤ出入口は、炉室全体の前側開口部を覆う前面壁の一部に設けられた前記前側開口部よりも小さな開口面積を有する小窓部であり、
前記キャリヤを炉内へ送り込んだとき前記キャリヤの一部で前記小窓部を覆うとともに、前記キャリヤを引き出したときは前記キャリヤの一部又はキャリヤと別に設けた開閉部材で前記小窓部を覆うことを特徴とする加熱炉。 - 前記キャリヤの出入時手前側となる部分に前側シール壁を設け、かつ前記キャリヤの出入時手奥側となる部分に後側シール壁を設け、これら前側シール壁又は後側シール壁により前記キャリヤの出入時に前記小窓部を覆うことを特徴とする請求項1に記載した加熱炉。
- キャリヤ引き出し時に小窓部を覆う前記開閉部材が、前記小窓部へ設けられかつ前記キャリヤの出入に応じて自動又は手動で開閉する小窓扉であることを特徴とする請求項1に記載した加熱炉。
- 前記キャリヤが棚又は引き出し状であることを特徴とする請求項1乃至は3のいずれかに記載した加熱炉。
- 前記キャリヤを複数設けるとともに、このキャリヤの数に応じて前記小窓部を複数設けたことを特徴とする請求項4に記載した加熱炉。
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