JP4607287B2 - 真空加熱装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空加熱装置に関するものであり、更に詳しくは、真空加熱装置内の温度を計測するための熱電対の劣化に対処し得ると共に、劣化の抑制が図られた真空加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結金属や焼結セラミックス等は原料粉末とバインダーとしてのワックスとの混合物を成型品とした後、これを真空下に先ず1000℃以下の温度で熱処理して脱ワックスし、続いて、1600〜2000℃の温度で熱処理して原料粉末を焼結させることによって製造されており、その温度計測には熱電対が使用されている。周知のように、高温度に加熱する場合には高温時における熱電対の材料の熱膨張と常温に戻した時の収縮に基づく熱ストレス、異なる材料が組み合わされている場合の材料間の熱膨張係数の違いによるストレス、微量の酸素が共存する場合における酸化等によって、熱電対の素線が劣化し逐には断線して温度計測が不能になり、熱処理不良品が製造されるほか、連続的な運転が中断されて稼働率の低下を招く。上記のような粉体の焼結のほか、金属やガラス類の溶解加工、金属の焼入・焼鈍、その他に使用される真空加熱装置の温度計測にも熱電対が多用されており同様な問題がある。このような問題に対処するために、従来は熱電対の素線が断線した場合にそれを知らせる警報機の設置のほか、断線の有無とは無関係に熱電対の定期的な交換、ないしは焦電体による温度計測器による計測または熱電対と焦電体との併用が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した対策のうち、断線を知らせる警報機の設置は、発生した断線に対する事後処理のためのものである。また熱電対の定期的な交換は未だ寿命に達しない熱電対を交換するという不経済さを内包している。更には、焦電体による温度計測は焦電体が被処理物からの放射熱を受けて計測するものであるから、断熱材で囲われた加熱処理室の内部温度を直接には計測することはできず、一般的には加熱装置の外壁温度の計測に使用される。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、高温度の計測に使用される熱電対の素線が断線に至る前の前兆を捉えて対処することが可能であり、真空加熱装置の稼働率を大きくは低下させることなく、また加熱不良品が製造されることを防ぎ得る真空加熱装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は本発明の請求項1の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、次の如くである。
【0005】
請求項1の真空加熱装置は、真空下に被処理物を所定の温度で加熱処理するための真空加熱装置において、真空加熱装置の断熱材で囲われた加熱区画の熱電対による測定温度が所定の加熱温度に到達した後に、その測定温度が一定の温度範囲より大きく振れる場合には、熱電対が劣化しているとの劣化信号が出力されて、加熱を自動的に停止し警報を発する制御機構が設けられている装置である。このような真空加熱装置は、熱電対の劣化の前兆を捉えて加熱を自動的に停止するので、場合に応じた対策を直ちに取ることができ、真空加熱装置の停止による稼働率の低下を最小限に抑え得るほか、加熱不良品の発生量を最小限にとどめ得る。
【0006】
請求項1に従属する請求項2の真空加熱装置は、熱電対による測定温度の振れが所定の加熱温度を基準にして±1%の温度範囲を越える場合に劣化信号が出力される装置である。このような装置は熱電対の劣化を初期の段階で捉えるので、劣化の進行が急速である場合にも、熱電対の素線の断線に伴う大きい損害を回避し得る。
請求項1に従属する請求項3の真空加熱装置は、加熱の停止の後、熱電対の交換を含む対応に要する時間に応じて、停止の継続または加熱の再開の選択が可能とされている装置である。このような真空加熱装置は、対策が短時間で終了する場合に、被処理物の加熱を再開して熱処理を完成することを可能にする。
【0007】
請求項1に従属する請求項4の真空加熱装置は、加熱区画の断熱材として3000℃前後の温度で焼成された炭素材料が使用されている装置である。このような真空加熱装置は、最高加熱温度が2100℃である場合にも、断熱材から放出されるものが無いので、熱電対の材料には何等の悪影響を与えない。
請求項1に従属する請求項5の真空加熱装置は、熱電対のタングステン・レニウム系の素線がアルミナ絶縁管で絶縁されており、アルミナ絶縁管が加熱源からの放射熱を受けないように、加熱区画の断熱材と間隔をあけて更に断熱材を架張したアルミナ絶縁管用の空間が設けられている装置である。このような真空加熱装置は、融点が2050℃にあるアルミナが加熱源からの放射熱を受けて温度上昇し絶縁性が低下することを防止する。
【0008】
請求項1に従属する請求項6の真空加熱装置は、熱電対のタングステン・レニウム系の素線が耐熱性金属による支持具に対して耐熱性金属のワイヤで緩く結んで固定されている装置である。このような真空加熱装置は、熱電対の素線と支持具との熱膨張係数が異なる場合にも熱電対の素線にストレスを与えず、ストレスによる劣化を発生させない。
請求項1に従属する請求項7の真空加熱装置は、熱電対のタングステン・レニウム系の素線がベリリア絶縁管で絶縁されている装置である。このような真空加熱装置は、ベリリアの融点が2530℃であることから、アルミナ絶縁管による熱電対と比較して温度上昇による絶縁性の低下を生じにくい。
【0009】
【発明の実施の形態】
例えば、焼結品を製造する真空加熱装置は原料紛体とバインダーとしてのワックスとの粉体成型品の脱ワックス時の1000℃以下の加熱温度に対してはニッケル(Ni)・クロム(Cr)系のK種熱電対が使用され、粉体の焼結時の2000℃までの加熱温度にはタングステン(W)・レニウム(Re)系の熱電対が使用される。そして、熱電対の劣化は高温度で使用されるW・Re系の熱電対に発生し易く、その原因としては熱電対の素線への断熱材からの炭素の付着による絶縁性の低下、および熱電対の高純度アルミナ絶縁管が溶融温度に近くなることによる絶縁性の低下が考えられる。その原因はさておき、熱電対の劣化が進行して断線に至る前に、真空加熱装置の加熱源を停止して対策を講じることができれば、比較的短時間で復旧させることが可能となる筈である。従って、本発明の真空加熱装置は、断熱材で囲われた加熱区画の熱電対による測定温度が所定の加熱温度に到達した後に、その測定温度が一定の温度範囲より大きく振れる場合には、熱電対が劣化しているとの劣化信号が出力されて加熱を自動的に停止し警報を発する制御機構が設けられている。
【0010】
熱電対の劣化の判断基準は一概には規定され難いが、本発明においては、上記したように、熱電対による測定温度が所定の加熱温度に到達した後に、その測定温度が所定の温度範囲より大きく振れる場合を劣化の基準としており、具体的な測定温度の振れの大きさは個々の場合に即して設定される。しかし、測定温度の振れの大きさは所定の加熱温度の上下に±1%の範囲を越える場合とすることによって劣化を比較的早い段階で的確に捉えることができる。
【0011】
加熱の設定温度に対する測定温度の振れの大きさは制御機構において両温度を比較させることによって数値化される。制御機構としては、シーケンス制御が可能なものであれば如何なるものであってもよいが、例えばプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)ないしはプログラマブル・コントローラ(PC)が好適に採用される。すなわち、真空加熱装置の制御に使用されているPLCないしはPCを利用することが可能である。勿論、熱電対回りのシーケンス制御プログラムを別途作成し、そのプログラムで動作する小型コンピュータを別に設けてもよい。
【0012】
上述したように、熱電対の劣化の原因として熱電対の素線への炭素の付着による絶縁性の低下、および熱電対のアルミナ絶縁管が溶融温度に近くなることによる絶縁性の低下が考えられる。従って、加熱区画を囲う断熱材に炭素材料を使用する場合には、その炭素材料は真空加熱装置における加熱温度よりは遥かに高い温度で熱処理されたものを使用することが望ましい。その様な炭素材料は最高の加熱温度が2100℃になるような場合にも何等を放出することはなく、熱電対の素線に悪影響を与えない。また、熱電対のアルミナ絶縁管が溶融温度に近くに温度上昇することを防ぐために、アルミナ絶縁管の加熱区画へ挿入される部分が温度上昇しないように、加熱源からの放射熱を遮断する遮熱用断断熱材でカバーすることが望ましい。
【0013】
また、加熱区画における熱電対の素線部分は振れが起こらないように、耐熱性金属、例えばタングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等による支持具に固定することが望まれるが、その場合には熱膨張率が異なることを考慮して、耐熱性金属のワイヤによって緩く結んで固定することが好ましい。そのほか、融点が2530℃の再結晶ベリリア絶縁管を使用し、更には耐熱性金属のチューブ、例えばTaチューブで保護したW・Re系の熱電対を使用することは好ましい選択である。
【0014】
【実施の形態例】
次に、燒結製品を製造するための連続式の真空加熱装置を実施の形態例とし、図面を参照して具体的に説明する。図1は金属またはセラミックスの粉体成型品からバインダ−としてのワックスを除くための脱ワックス室と粉体を燒結させるための第1燒結室、第2燒結室等が連接された連続式の真空加熱装置10を示す概略的な縦断面図である。下部の搬送室5の左端には被処理物Hの搬入口6、右端には搬出口9が設けられている。上部には脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3(内部の詳細は何れも省略)が設けられおり、それぞれの断熱材28で囲われた加熱区画17、27、37において、下方から挿入される被処理物Hが加熱処理される。搬送室5は脱ワックス室1と第1燒結室2との中間位置、および第2燒結室3の下流側位置において開閉扉7、8によって気密に仕切られて搬送室51 、搬送室52 、および冷却室4に画成されている。また、脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3、および搬送室51 、搬送室52 、冷却室4はそれぞれ真空排気系に接続されており、かつ脱ワックス室1、冷却室4にはアルゴンガス(Ar)と窒素ガス(N2 )の導入配管が接続され、第1燒結室2、第2燒結室3にはアルゴンガスの導入配管が接続されている。
【0015】
そして、搬送室5内にはチェインベルト521 、522 、523 、524 が連続して設けられており、搬入口6から搬入される被処理物Hを搬送して搬出口9から外部へ送り出す。更には、脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3の下方にはチェインベルト521 、522 、523 上に停止した被処理物Hを上方の加熱区画17、27、37内へ持ち上げて挿入するためのエアシリンダ511 、512 、513 が設けられている。そして、被処理物Hは脱ワックス室1においては10-1Pa程度の真空下に500〜800℃の温度に加熱され、第1燒結室2、第2燒結室3では10-3〜10-4Pa程度の真空下に1400〜2000℃の温度に加熱される。そして、この一連のプロセスは図示せずともプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)ないしはプログラマブル・コントローラ(PC)によってシ−ケンス制御されている。
【0016】
脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3はほぼ同様に構成されているので、以下、第1燒結室2について説明する。図2は第1燒結室2の断熱材28で囲われた加熱区画27の上部を示す拡大断面図である。断熱材28には3000℃の温度で焼成された炭素材料が使用されている。加熱区画27の断熱材28による側壁の内面側には加熱用の棒状ヒータ22が近接して設置されており、下方から挿入される被処理物Hを加熱する。上記のような炭素材料の断熱材28を使用していることにより、加熱区画27内が短時間ではあるが最高2100℃の温度になることはあっても、断熱材28からは何等の放出されるものはなく、被処理物Hへは勿論、温度計測用の熱電対31にも悪影響を与えることはない。
【0017】
加熱区画27内には内部の加熱温度を計測するための熱電対31が上方から天井側の断熱材28を貫通して取り付けられ加熱区画27内へ挿入されている。熱電対31は5%Re・W/26%Re・Wの素線31’、31”からなるものが使用されており、断熱材28および取付け金具34と接触する部分等は高純度アルミナ絶縁管32で絶縁されいる。また、取付け金具34には耐熱性金属のWからなる細長いU字形状の支持具35(図2は支持具35を側面から見ているので棒状に示されている)が素線31’、31”の下端より低い位置まで延びて取り付けられており、素線31’、31”の振動を防ぐために、素線31’、31”の下端はTaワイヤ36で緩く結んで固定されている。また、この緩い固定とすることによって、熱電対31の素線31’、31”とW製支持具35との間における熱膨張係数の違いによるストレスの発生が予防されている。なお、脱ワックス室1における加熱温度の計測にはK種熱電対が使用されている。
【0018】
更には図2に示すように、加熱区画27の断熱材28による天井の内面側には間隔をあけて遮熱用断熱材28’が架張されており、高純度アルミナ絶縁管の加熱区画27内へ挿入されている部分を棒状ヒータ22の放射熱から遮断するための保護空間23が設けられている。加熱区画27内は真空であるから空気、その他のガスの対流はなく、棒状ヒータ22からの放射熱を防ぐだけで、高純度アルミナ絶縁管32の温度上昇は十分に抑制される。
【0019】
上記のように構成される加熱区画27を備えた第1燒結室2を含む図1の真空加熱装置1が稼動される場合には、脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3における加熱温度、加熱時間、真空度の運転パラメータのほかチェインベルト521 、522 、523 による間欠的な搬送のタイミングを含めてすべての操作はPLCによりシーケンス制御されるが、加熱温度については、脱ワックス室1、第1燒結室2、第2燒結室3に対する加熱プログラムに従った設定温度はPLCのメモリー部におけるそれぞれの格納アドレス、例えばD253、D293、D333に格納され、各熱電対による計測温度はそれぞれの格納アドレス、例えばD1500、D1501、D1502に格納される。そして両方の温度を比較して、その差を例えば加熱区画27の棒状ヒータ22による加熱にフィードバックして温度制御が行われている。
【0020】
図3は第1燒結室2の加熱区画27内の温度についてのPLCによる温度制御をイメージ的に示した図である。横軸は時間、縦軸は加熱温度であり、加熱の設定温度(SV)は一点鎖線、熱電対31による計測温度(PV)は実線で示されている。図3において、計測温度が設定温度に到達した時点t1 から所定の保持時間を経過した時点t2 までの間を一定の温度に設定して加熱される。そして本発明の真空加熱装置10のPLCは時点t1から時点t2 までの間において加熱の設定温度に対する熱電対の計測温度の振れを監視し、設定温度を基準にして上下に一定の温度範囲Rを越えて振れる場合には、熱電対31が劣化していると判定して、劣化信号を出力し、加熱を自動的に停止すると共に劣化警報を発するようになっている。すなわち、加熱を停止して、熱電対の素線が操業の途中で断線して温度制御が不能となり加熱不良の被処理物Hが生産されることを未然に防いでいる。また、光、音、その他によって発せられる熱電対31の劣化の警報を受けることによって直ちに熱電対31の交換の準備に入ることができ、操業の中断時間を最短に抑えることを可能にしている。
【0021】
また本発明の真空加熱装置の制御プログラムは、加熱源が自動的に停止された後、熱電対31の交換を含めての対応が比較的短時間内に完了する場合には、マニュアル操作によってPLCによる自動運転への復帰が可能となるように設定されている。すなわち、被処理物Hに対する加熱の中断を短時間とすることができ、当該被処理物Hの加熱の中断までの熱履歴を考慮した加熱を再開してすることによって得られる当該被処理物Hと、正規に加熱処理された被処理物H0 との間に実質的な差異が認められない場合、例えば中断時間を10分間以内として加熱を再開し得る場合には、その加熱によって当該被処理物Hを容易に救済し得るからである。
【0022】
なお、熱電対31の劣化と計測温度の振れの大きさとの関係は、操業条件、その他によって異なり一概には規定され難いが、加熱の設定温度を基準にして上下に±1%の温度範囲を越える場合は劣化であるとすることによって、熱電対31の劣化を比較的早期に捉えることができ、劣化の急な進行による熱電対の素線の断線に伴う大きい損害を回避し得る。なお、図3は、上述したように、PLC内における温度制御および熱電対の劣化をイメージ的に示すものであるが、これを陰極線管(CRT)や液晶表示パネル(LCD)の画面に表示して熱電対の劣化の状況を視認し得るようにしてもよいことは言うまでもない。
【0023】
本発明の実施の形態例による真空加熱装置10は以上のように構成され作用するが、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0024】
例えば実施の形態例においてはW・Re系熱電対の絶縁に高純度アルミナに絶縁管32を使用したが、これに代えて、溶融温度が2530℃の再結晶ベリリアによる絶縁管43による熱電対41を採用してもよい。図4は再結晶ベリリア絶縁管41を示す図であり、熱電対41の素線はアルミナ絶縁管42に続いて先端側がベリリア絶縁管43で絶縁されている。そして、ベリリア絶縁管43部分で炭素材による保持取付け具44に固定されおり、この保持具44によって加熱区画27の断熱材28に取り付けて挿入される。なお、保持具44よりも先端側には保護のためにTaチューブ45が被せられている。
【0025】
また、実施の形態例においては、加熱区画を囲う断熱材として炭素材からなるのを示したが、金属板を重ねた熱反射板からなる断熱材であってもよい。また実施の形態例においては、加熱源として抵抗加熱による棒状ヒータ22を使用する真空加熱装置1を例示したが、これ以外の加熱源によるものであってもよく、例えば加熱源として電子ビームやレーザを採用したものであってもよい。
また、実施の形態例においては、脱ワックス室1、第1焼結室2、第2焼結室3からなる連続式の真空加熱装置10を例示したが、加熱室が単一のバッチ式真空加熱装置であってもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したような形態で実施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0027】
請求項1の真空加熱装置によれば、加熱区画内の加熱の設定温度に対する熱電対による測定温度の振れが一定の温度範囲を越える場合には、熱電対が劣化しているとの劣化信号を出力して加熱を自動的に停止し警報を発するので、短時間内で熱電対の交換を含む対策を講ずることができ、操業の途中に熱電対の素線が断線して温度制御が不能になり加熱不良の製品が生産され、かつ復旧に時間を要する場合と比較して、加熱不良品を殆ど発生せず、真空加熱装置は稼動率が向上される。
請求項2の真空加熱装置によれば、熱電対の劣化を熱電対による計測温度の振れが加熱の設定温度を基準に±1%の温度範囲を越える場合としているので、比較的早期に熱電対の劣化を捉らえることができ、劣化の急速な進行による熱電対の断線に伴う大きい損害を回避し得る。
【0028】
請求項3の真空加熱装置によれば、加熱の自動的な停止の後、熱電対の交換を含む対応に要する時間に応じて、それまでの加熱経過を含む加熱の再開の選択が可能とされているので、加熱が中断された非処理物が簡易に救済される。
請求項4の真空加熱装置によれば、加熱区画の断熱材に温度3000℃で焼成された炭素材料が使用されているので、2000℃を越えて温度上昇されても何等の放出されるものはなく熱電対に悪影響を与えない。
【0029】
請求項5の真空加熱装置によれば、加熱区画内となるアルミナ絶縁管が加熱源の放射熱から遮蔽されているので、アルミナ絶縁管の温度上昇による絶縁性の低下が防がれる。
請求項6の真空加熱装置によれば、熱電対のW・Re系の素線が耐熱性金属ワイヤで耐熱性金属支持具に緩く結んで固定されているので、振動が防がれると共に熱膨張係数の異なる材料間における熱膨張時のストレスが防がれる。
請求項7の真空加熱装置によれば、W・Re系の素線がベリリア絶縁管で絶縁されているので温度上昇による絶縁低下を起こしにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例による真空加熱装置の全体を示す縦断面図である。
【図2】同第1焼結室の加熱区画の上部の断面図である。
【図3】同加熱区画の温度制御に基づく加熱の設定温度と熱電対による計測温度とを示す図である。
【図4】ベリリア絶縁管で絶縁されたW・Re系熱電対を示す図である。
【符号の説明】
1 脱ワックス室
2 第1焼結室
3 第2焼結室
10 真空加熱装置
22 加熱用棒状ヒータ
23 保護空間
27 加熱区画
28 断熱材
28’ 遮熱用断熱材
31 熱電対
32 アルミナ絶縁管
35 支持具
36 タンタル・ワイヤ

Claims (7)

  1. 真空下に被処理物を所定の加熱温度で熱処理するための真空加熱装置において、
    前記真空加熱装置の断熱材によって囲われた加熱区画の熱電対による測定温度が前記所定の加熱温度に到達した後に、その測定温度が一定の温度範囲より大きく振れる場合には、前記熱電対が劣化しているとの劣化信号が出力されて、加熱を自動的に停止し警報を発する制御機構が設けられている
    ことを特徴とする真空加熱装置。
  2. 前記熱電対による測定温度の振れが前記所定の加熱温度を基準にして±1%の温度範囲を越える場合に前記劣化信号が出力される
    請求項1に記載の真空加熱装置。
  3. 前記加熱の停止の後、前記熱電対の交換を含む対応に要する時間に応じて、停止の継続または加熱の再開の選択が可能とされている
    請求1または請求項2までの何れかに記載の真空加熱装置。
  4. 前記加熱区画の断熱材として3000℃前後の温度で焼成された炭素材料が使用されている
    請求項1から請求項3までの何れかに記載の真空加熱装置。
  5. 前記熱電対のタングステン・レニウム系の素線がアルミナ絶縁管で絶縁されており、前記アルミナ絶縁管が加熱源からの放射熱を受けないように、前記加熱区画の前記断熱材と間隔をあけて遮熱用断熱材を架張した前記アルミナ絶縁管用の保護空間が設けられている
    請求項1から請求項4までの何れかに記載の真空加熱装置。
  6. 前記熱電対のタングステン・レニウム系の素線が耐熱性金属による支持具に対して耐熱性金属のワイヤで緩く結んで固定されている
    請求項1から請求項5までの何れかに記載の真空加熱装置。
  7. 前記熱電対のタングステン・レニウム系の素線がベリリア絶縁管で絶縁されている
    請求項1から請求項4までの何れかに記載の真空加熱装置。
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