JP4606617B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪に優れた柔軟性、平滑性及び油性感を付与し得るヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム等の毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
毛髪化粧料には、毛髪に対して湿潤時の柔軟性や平滑性、油性感と、乾燥後の滑らかさ及び柔らかさ、櫛通りのよさを付与することが求められている。このような要求にこたえるため従来から、陽イオン性界面活性剤、例えばステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の長鎖アルキル基を有する第四級アンモニウム塩が主要成分として用いられている。また更に効果を向上させるためにセタノール等の長鎖アルコールや、炭化水素、シリコーン等の油剤が上記界面活性剤とともに使用されている。しかしながら、これらは毛髪の湿潤時と乾燥後の使用感を十分に満足するものではない。
【0003】
本発明の課題は、毛髪に対して特に湿潤時の柔軟性や平滑性、油性感、更には乾燥後の滑らかさ及び柔らかさ、櫛通りのよさを付与することができる毛髪化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】
[式中、R1は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、Yは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基、pは1〜3の整数、q及びrは0〜2の整数で、p+q+r=3である。尚、p個のR1,Y、q個のR2、及びr個のR3は同一でも異なっていても良い。]
で表されるアミン(以下アミン(I)という)及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する毛髪化粧料を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
アミン(I)において、R1は炭素数8〜30、好ましくは炭素数10〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。Yは炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基であり、具体的にはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。R2及びR3は、それぞれ炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基等が好ましい例として挙げられる。p+q+r=3であり、pは1又は2の整数が好ましく、q及びrは0又は1が好ましい。
【0008】
アミン(I)の合成法としては、アルキルイソシアナートと対応するアミンとを反応させる方法、アルキルアミンと対応するアミノイソシアナートを反応させる方法等により得ることが出来る。また、反応後更に精製を施しても良いが、そのまま反応生成物を使用してもよい。なお反応生成物には、それぞれの原料及び/又は原料の分解物等が含まれる。
【0009】
アミン(I)は、塩の形で用いることが好ましく、具体的には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、又は酢酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、酸性アミノ酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩等の炭素数1〜5の有機酸塩等として用いることができる。この場合、アミン(I)及びその塩は、1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また本発明の毛髪化粧料を調製する場合には、アミン(I)と対応する酸によりあらかじめ塩を形成させてから用いても良いし、それぞれ別々に使用することもできる。本発明の毛髪化粧料中にアミン(I)と酸を別々に配合する場合、アミン(I)と酸の割合は、毛髪の良好な感触、また製品の安定性の観点から、アミン(I)/酸(モル比)=10/3〜1/10が好ましく、2/1〜1/5が更に好ましい。またこの時、組成物のpHは2〜8の範囲が好ましく、特にpH3〜6が性能と安定性の点から好ましい。
【0010】
本発明の毛髪化粧料中におけるアミン(I)及びその塩の含有量は特に制限されないが、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%が仕上がり感及び製品安定性の観点からより好ましい。
【0011】
本発明の毛髪化粧料は、さらに油状成分を含有することが好ましい。油状成分としては高級アルコール、エステル油、シリコーン、炭化水素類、グリセリド等が挙げられ、高級アルコール、エステル油等の油剤及び/又はシリコーンが好ましく、高級アルコール及び/又はシリコーンが特に好ましい。
【0012】
本発明に用いられる高級アルコールとしては、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類、好ましくは炭素数12〜26の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類、具体例としては、セタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、特にセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。ここでセタノールとはセチルアルコールを主成分とし、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを含有するものである。エステル油としては、炭素数8〜40の脂肪酸と炭素数1〜4の低級アルコールとのエステル等が挙げられ、具体的には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0013】
本発明に用いられるシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0014】
本発明の毛髪化粧料中の油状成分の含有量は特に制限されないが、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%が油剤特有の柔軟性が発揮され、製品の安定性等の観点からより好ましい。
【0015】
本発明の毛髪化粧料中のアミン(I)と油状成分の割合は、油状成分の乳化/分散安定性の観点から、アミン(I)/油状成分(重量比)=10/1〜1/10が好ましく、1/1〜1/10が更に好ましい。
【0016】
本発明の毛髪化粧料には、他の陽イオン界面活性剤や陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、ラノリン誘導体、高級脂肪酸類、グリセリン、アミノ酸、保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成剤、色素、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、噴射剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0017】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、ヘアローションシャンプー、リーブオントリートメント等として調製することができ、また形態としては溶液状、均一分散状、不均一分散状、乳化状等のいずれの剤型にも調製しうる。
【0018】
【実施例】
例中の%は、特記しない限り重量%である。また、実施例で用いたセタノールはセチルアルコール/ステアリルアルコールの重量比7/3の混合物である。
【0019】
実施例1
表1に示すアミン1〜5、又は表2に示す比較化合物a、bを用い、表3に示す組成のヘアリンス剤を常法により製造した。これらのヘアリンス剤について、下記の方法により柔軟性等を官能評価した。結果を表3に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
<評価方法>
コールドパーマ等の化学処理をしたことのない日本人女性の毛髪20g(長さ20cm,平均直径60μm)を束ね、シャンプーを用いて洗浄した。このシャンプー組成は、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12)エーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシド平均付加モル数2.5)15%、ジエタノールアミド3%、残部は水である。その後ヘアリンス剤2.0gを均一に塗布し、30秒間約40℃の流水で濯いだ。この塗布・濯ぎ時の柔軟性、平滑性と油性感、及び乾燥後の柔軟性、平滑性、櫛通り感について、専門パネラー1人が下記の基準に従って評価した。
◎;非常に良好、○;良好、×;不良
【0023】
【表3】
【0024】
実施例2
下記組成のヘアリンス剤を製造した。
アミン1 1.0%
90%乳酸 0.4%
セタノール 4.0%
パルミチン酸イソプロピル 3.0%
ジメチルポリシロキサン*1 1.5%
プロピレングリコール 1.5%
ヒドロキシエチルセルロース*2 0.1%
香料、メチルパラベン 適量
精製水 バランス
(pH4.0)
*1:信越化学工業製 KF96A−5000cs
*2:ダイセル化学工業製 SE−850
このリンス剤は、濯ぎ時の柔軟性、平滑性、油性感、及び乾燥後の柔らか感、櫛通り感とも良好であった。
【0025】
実施例3
下記組成のヘアトリートメントを製造した。
アミン2 2.5%
グルタミン酸 1.1%
ステアリルアルコール 3.0%
ジメチルポリシロキサン*1 3.0%
アミノ変性シリコーン*2 0.5%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5%
(エチレンオキサイド平均付加モル数20)
流動パラフィン 2.0%
ジプロピレングリコール 3.0%
グリセリン 7.0%
50%クエン酸水溶液 0.2%
ヒドロキシエチルセルロース*3 0.1%
香料、メチルパラベン 適量
精製水 バランス
(pH3.5)
*1:信越化学工業製 KF96A−5000cs
*2:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 アミノアルキルシリコーンエマルションSM8702C
*3: ダイセル化学工業製 SE−850
このヘアトリートメントは、塗布時、濯ぎ時のリッチ感とその持続性、柔軟性、平滑性、及び乾燥後の柔らか感、櫛通り感も良好であった。
【0026】
実施例4
下記組成のコンディショニングシャンプーを製造した。
アミン3 3.0%
90%乳酸 1.2%
セタノール 0.5%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 10.0%
(エチレンオキサイド平均付加モル数=15)
ラウロイルジエタノールアミド 1.0%
ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸エステル2Na 4.0%
(エチレンオキサイド平均付加モル数=3)
ジメチルポリシロキサン*1 2.0%
カチオン化セルロース*2 0.5%
エチレングリコールジステアレート 1.5%
50%クエン酸水溶液 0.05%
香料、メチルパラベン 適量
精製水 バランス
(pH5.5)
*1:信越化学工業製KF96A−5000cs
*2:ユニオンカーバイド社製 JR400
このコンディショニングシャンプーは、柔軟性、平滑性、油性感とも良好であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に対して湿潤時の良好な柔軟性や平滑性、油性感、更には乾燥後の滑らかさ及び柔らかさ、櫛通りのよさを付与することができる。
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