JP4605696B2 - 鋳物部材 - Google Patents

鋳物部材 Download PDF

Info

Publication number
JP4605696B2
JP4605696B2 JP2004163537A JP2004163537A JP4605696B2 JP 4605696 B2 JP4605696 B2 JP 4605696B2 JP 2004163537 A JP2004163537 A JP 2004163537A JP 2004163537 A JP2004163537 A JP 2004163537A JP 4605696 B2 JP4605696 B2 JP 4605696B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
joined
friction stir
stir welding
extruded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004163537A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005342745A (ja
Inventor
一夫 広居
久美 矢島
信明 宮島
英由季 金子
伸一 和井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2004163537A priority Critical patent/JP4605696B2/ja
Publication of JP2005342745A publication Critical patent/JP2005342745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4605696B2 publication Critical patent/JP4605696B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Description

本発明は、高速ダイカスト等により製造した鋳物と被接合部材を摩擦攪拌接合した鋳物部材に関し、特に車両用部品の冷却剤や潤滑剤が流れる通路を形成するために摩擦攪拌接合により他の部材で接合して通路を形成する、例えばチェーンケース等の鋳物部材に関する。
鋼材同士などの接合手段として摩擦による熱を利用した手法が多々検討されている。これらは摩擦攪拌接合法(Friction Stir Welding)と呼称されている。溶接による接合手段と比較して加熱エネルギーが小さく、かつ寸法精度が高いまま接合できるなどの利点があり注目を受されている。
現在、この摩擦攪拌接合は板材や管材などの接合に適用されており、複数の板材同士、または複数の管材同士を接合部で突き合わせ、この突き合わせた部分をそのまま摩擦攪拌接合するか、一旦部分的に溶接により仮止めした後に全体を摩擦攪拌接合するなどの手段が取られている。
この摩擦攪拌接合の具体的方法は、図7に例示されている如く、板材や管材などの接合に適用されており、被接合部材12よりも高い硬度を持つ材質で作られた回転工具14が用いられる。被接合部材12を突合せた部分に沿ってこの回転工具14を高速回転させながら摺動させ、回転による回転工具と被接合部材との間に摩擦熱を発生させる。その摩擦熱で突き合わせた部分の周辺材質を攪拌作用でお互いの被接合部材の組織を攪拌させ、接合するものである。
また、回転工具は被接合部材を内部まで攪拌するために、先端中央が一般的に突起型のプローブ13が設けられている。このプローブ13が被接合部材を内部まで攪拌させるが、回転工具を接合部の端部まで移動させることができない。それは図7にも示すように、被接合部材の端部においてこの被接合部材が攪拌により横に洩れてしまうという問題が発生し、接合強度の低下や歪みの発生が懸念されるためである。また、円環状の部材を接合するような、回転工具の駆動開始部分と終了部分が重なる場合、例えば管材同士を突き合わせて側面を一周に渡って接合する場合や、箱型と蓋型の部材を突き合わせて接合部を一周に渡って密封する場合では、上記したような端部での接合強度や歪みの問題は発生しないが、接合を終了させる位置で回転工具を引き抜くため、プローブ13により形成された孔が被接合部材に残ってしまい、接合強度がその部分のみ低下するという問題がある。
例えば特許文献1では、プローブを引き抜くために別途形成された、専用の捨て肉部を設けることが記載されている。所望の場所を摩擦攪拌接合した後に回転工具をこの捨て肉部まで移動させ、この位置でプローブを引き抜き、その後捨て肉部を切断除去することで上記問題を解決できることが記載されている。また、特許文献2では、別途捨て肉部を製造・切断除去しなくても良いように、所望の場所を摩擦攪拌接合した後に、回転工具の軌跡を接合部位とは異なる部位に移動させ、別の場所から回転工具を引き抜くといった手法が記載されている。
特開2000−42759号公報((0013)〜(0014)、図1) 特開2002−126883号公報((0054)〜(0057)、図4)
しかし、前記の特許文献1,2はどちらも管状の部材や板状の部材を検討したものであり、複雑形状の鋳物に摩擦攪拌接合するものではない。このため、単純な形状に対する考察だけでは実際の鋳物に摩擦攪拌接合を適用するための最適な考案が成されているとは言えない。例えば特許文献2に記載の方法では、管状の部材同士を摩擦攪拌接合する場合は問題ないかもしれないが、図4(b)に示すような端部が摩擦攪拌接合出来ない問題を解決できるものではない。また、接合部材が両方とも板状や管状であれば両者の当接は容易であるが、複雑形状の鋳物と別の部材を摩擦攪拌接合する場合は、両者が勘合もしくは固定されるようにお互いの当接部の形状を加工するなど別途加工工程が必要である。したがって本発明の目的は、鋳物と被接合部材を摩擦攪拌接合するための最適な形状を有する鋳物部材を提供することにある。
鋳物は様々な方法で鋳造されるが、特に溶湯射出圧力が高い高圧ダイカストでは、キャビティの内壁の抜け勾配は0.5°〜2.0°程度である。型開きを行い、鋳物を離型させるために金型内部を摺動する押出しピンが金型内に設けられる。金型の可動型と固定型の間に形成された金型キャビティ内に鋳造品が鋳造された後、鋳造品を両金型から取出すために、可動型の内部を貫通して摺動する押出しピンがキャビティ表面から突出される。押出しピンはこの鋳物を金型から押出すが、その際押出しピンは、鋳物を変形させないために特段に形成された鋳物の押出し部で当接する。従来、押出しピンの頂部が接触する鋳物の押出し部は、通常鋳物が変形しずらい端部に設けるが、鋳物の投影面積が広い場合は、押出しの圧力による応力変形で歪みが起きないように押出し部の位置を分散して設けていた。本発明者らはこの別目的のために形成されている押出し部を摩擦攪拌接合する接合部にあえて隣接して設け、摩擦攪拌接合する際の(1)回転工具の接合開始・終了させる位置とする、(2)被接合部材の固定部材として用いる、という手法を採用したものである。
つまり本発明の鋳物部材は、摩擦攪拌接合により鋳物の凸形状部分に被接合部材が接合された鋳物部材であり、前記鋳物は鋳造装置の押出しピンにより押出しされるための凸形状の押出し部を備え、前記被接合部材を鋳物の凸形状部分に当接した時の前記被接合部材の上面の高さと前記押出し部の頂部の高さとが同じになるように押出し部を鋳物の凸形状部分に隣接させて形成し、回転工具による摩擦攪拌接合の接合開始位置および/または接合終了位置が前記押出し部の頂部であることを特徴とする。
例えば図6にしめすチェーンケース1などの部材にオイル通路を形成させる場合、一体でダイカスト鋳造できないために、オイル通路4aの通路壁面3の上に被接合部材を蓋として接合する必要がある。従来では、この蓋となる被接合部材を溶接で接合したり、もしくはネジ止めするためのメネジ部をこの接合部位の周囲に多数鋳造の段階で成形しておき、ネジ切りし、それに対応する形状に打ち抜き加工された鋼板を鋳物にネジ止めするなどの手法が用いられていた。しかしそれに使用されるネジや、ネジ止めのために任意に成形されるメネジ部などが必要であり、重量がかさんでいた。このため近年の自動車メーカからの軽量化の要求を満足するに至っていない。摩擦攪拌接合を用いることでこれらの不要な部品や駄肉となる部位が少なくなり、軽量化を行うことができる。また、回転工具のプローブによる孔が接合部分に残らず、周囲に形成された押出し部を接合の終了位置とするため、接合強度が被接合部材のいずれの接合場所においてもバラツクことがなく、オイルなどの流体通路を摩擦攪拌接合により形成させた鋳物部材を、工業生産する上で実質初めて製造することが出来た。
被接合部材として板部材6a(図中、破線部)を用い、鋳物に摩擦攪拌接合する場合、図2(b)に示すように板部材6aを鋳物に当接した時の上面の高さと同じになるように、押出し部の頂部を隣接させて形成することが好ましい。こうすることで、図4に示すように、当接部に沿って摩擦攪拌接合する際に、回転工具による攪拌開始位置および攪拌終了位置を、この接合部から移動させて、押出し部の頂部とすることが可能である。
上記したチェーンケース鋳物のオイル通路に蓋として板部材を摩擦攪拌接合するような場合、図2(a)に示すように、この通路壁面3aの上部を、この板部材が勘合するように当接部となる段差5aを形成することができる。嵌められた板部材の上面と通路壁面の最上部はほぼ同じ高さとし、板部材を嵌め込んだ後に、板部材の周囲に沿って摩擦攪拌接合を行えば、オイル等の流体の洩れが確実に阻止できると共に、摩擦攪拌接合する時の回転工具の攪拌開始位置や終了位置を、図4(a)に示すように、押出し部の頂部の上2にすることができる。また、図4(b)に示すように、接合部が環状でないものでも接合部の端部で回転工具を抜く必要がない。
また、本発明の鋳物部材は、押出し部が被接合部材の位置決め手段を兼ねることができる
摩擦攪拌接合を行うためには、回転工具による攪拌の最中、鋳物と被接合部材の双方が動かないように固定させておく必要がある。通常の板部材同士、管状部材同士であればクランプ治具などによって固定させればよいが、鋳物の所定箇所に摩擦攪拌接合する場合には、被接合部材が勘合するように所定の形状としなくてはならない。図2(b)に示すように、板部材が嵌め込まれるように溝5aを設けると、底部7で板部材を支える必要があるが、この底部7の幅の分、通路壁面3aの幅は厚くなる。そのため、図3に示すように、押出し部2を被接合部材の当接面の周囲に複数箇所配置し、通路壁面の最上面(当接面)5bよりも押出し部2の頂部を高くし、その高くした分の押出し部の側面を被接合部材の固定手段として併用する。こうすることで、通路壁面3aの肉厚を薄くすることができ、軽量化をさらに可能とすることができる。この場合、回転工具は板部材の周囲から若干内部の部分に沿って動かし、プローブを板部材の裏側近辺にまで挿入し、板部材6bの裏側と通路壁面の最上面の間(図中5b)で固定されることになる。
また、被接合部材として板部材や棒部材を用いる場合、鋳物側の当接面は、図5に示すように、若干凸形状となるようにすることが望ましい。これは鋳物自体がT6処理や離型時により多少歪みが発生しても、被接合部材が鋳物に当接しやすいためである。被接合部材は回転工具により鋳物側に常時押されるので、鋳物の当接面が多少歪んでいても、被接合部材が変形して鋳物と当接させることができる。また、逆に被接合部材の方を多少鋳物に形成された当接面の形状に対して変形させ、凸形状側を鋳物と当接させて摩擦攪拌接合することも可能である。摩擦攪拌接合する被接合部材の当接面を加工により形成してもよいし、鋳造により直接成形しても良い。
高圧ダイカスト鋳物に使用し得るアルミニウム合金は特に限定的でなく、Al-Si-Cu、Al-Si-Mg、Al-Mg等のアルミニウム合金、例えばJISで規格されるADC3、ADC5、ADC10、ADC12、等が挙げられる。例えば、質量基準で5〜20%のSi、1%以下のMg、10%以下のCu、1%以下のTi、1%以下のFe、1%以下のMn、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金、又は2%以下のSi、1%以下のMg、10%以下のCu、1%以下のTi、1%以下のFe、1%以下のMn、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金が使用可能である。鋳物の形状としてチェーンケースが挙げられるが、これに限定されるものではなく、被接合部材と接合される,特に気体や液体の流体を流すための通路を形成する必要のある鋳物に適用するのが好適である。被接合部材に使用しえる合金材質も特に限定的でなく、アルミ合金以外の鋼材であっても使用は可能である。
押出しピンも公知のものが適用でき、PVD法、CVD法、PCVD法によりTiN、TiCNに代表される種々の硬質皮膜を設けたものなど使用することができる。形状も特に限定されず、鋳物側の押出し部を平坦にしておくだけで本発明を適用することが好適となる。
回転工具14は、図7に示すように円柱状の回転体11と、この回転体11の軸線上先端に突出されたピン状のプローブ13から成っている。この回転体11とプローブ13は一体で回転する。回転体の底部はほぼ水平であり、この底部も鋳物と被接合部材の表面を攪拌する役目を負う。回転工具14は鋳物や被接合部材よりも硬質であり、かつ耐熱性も兼ね備えた材料で製造される。この回転工具は回転可能であり、かつ水平方向に可動可能なように摩擦攪拌接合装置に備えられている。回転工具は可動方向に対して回転軸が若干傾いており、進行方向に対して若干反る方向に傾いたまま可動する。回転工具の上部にはこの可動を可能にするために水平フレームが上部に備えられ、その水平フレームに、可動部材が、それに設けられたスライダを介して一方向に可動可能に設けられている。また、可動部材には、垂直方向に昇降可能である。
摩擦攪拌接合の際には、プローブを2つの鋳物と被被接合部材の突き合わせ部に所定深さまでさし込み、工具を高速回転させ、この突き合わせ部に沿って移動させる。これにより、鋳物と被接合部材の突き合わせ部は、プローブと回転体の底部の摺接による摩擦熱で温度が上昇し、周囲の鋳物および被接合部材の金属が突き合わせ部で塑性流動する。回転工具が通過すると、その通過後の突き合わせ部は急激に冷却され、被接合材が接合される。塑性流動した金属は、回転工具の低部で攪拌された金属が垂直上方へ飛び散るのを抑制しながら進行方向の後方に集積され、プローブが通過する空孔を埋めていく。実際には摩擦攪拌接合後の付き合わせ部が盛り上がるため、この盛り上がりを除去するための工具を別途設けることが好ましい。回転工具自体にこの除去機能を持たせてもよく、公知の回転工具および摩擦攪拌接合装置が適宜使用できる。
また、低圧鋳造法、重力鋳造法、溶湯鍛造法などにより製造したアルミホイール等の鋳物にも適用可能である。アルミニウム合金として、例えばJISで規格されるAC4C、AC4CH等のを適宜使用することができる。
上述のように、鋳物部材の押出し部を別目的に応用することで、従来のようなボルト締めしていたよりも遥かに軽量化が可能であり、またTIGやMIGなどの溶接よりも割れや気孔が発生せず、封止性に優れ、高品質の接合部が得られる。特に鋳物が凸形状となる部分は方案的に気孔が発生しやすい部分であり、この部分で摩擦攪拌接合を行うことは回転工具の材質を押しつぶす作用がこれら欠陥を無くしてくれるため、特に本発明においては優位である。接合材料も不要であるだけでなく、上記したように鋳物の凸形状の部分は細く熱歪み・熱変形に弱いが、本発明を適用することで摩擦攪拌接合に適した鋳物部材を提供することができた。これにより流体の通路を管状に形成する部分を必要とする自動車チェーンケース用の鋳物と被接合部材との接合に最適であり、もって優れたチェーンケースを実現することができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
一般的な1000トンのダイカスト装置を使用し、質量基準で9.3%のSi、0.5%のMg、0.9%のFe、0.1%のMn、0.05%のCu、0.07%のNi及び0.2%のZnを含有するアルミニウム合金(ASTM B85のA360)をダイカスト鋳造して、図1に示す自動車用チェーンケース素材1を作製した。ダイカスト鋳造した溶湯の鋳込み温度は670℃であり、溶湯のゲート速度は高速時に20〜40 m/秒であった。
このチェーンケース素材は2箇所のオイル通路4a,4bが形成され、略板状の基板に高さが18mmの通路壁面3a、3bが設けられている。この通路壁面は環状に一体的に形成され、上部は被接合部材と摩擦攪拌接合される部分である。通路壁面の内側には垂直方向に孔が2箇所設けられ、この孔を介してオイルが流入・流出する。また、この通路壁面に隣接するように、チェーンケース素材が型離れするに際し、押出しピンが当接する押出し部2が形成されている。この押出し部2は上端が平坦に形成されている。また、この上端面は通路壁面の上端部と同じ高さである。通路壁面の平均厚さは8mmであった。
チェーンケース素材は押出しピンにより押出し部で押して可動型から離型し、T6処理を行い、その後周囲のバリなどを加工除去した。
また、M/Cにより通路壁面4aの頂部内側に図2で示すような被接合部材との当接面の溝5aを形成し、被接合部材と勘合するようにした。この当接面は図5に示すように頂部の全体が若干ながら凸になるように形成し、被接合部材の蓋部材が常に摩擦攪拌接合中にこの当接面と接触されるようにした。
その後、蓋部材をこの当接面5aに嵌めて固定し、蓋部材の周囲に沿って摩擦攪拌接合を行った。回転工具は図7に示す形状のものを使用し、回転数1500rpmで回転させ、進行速度を約600mm/minとした。
また、摩擦攪拌接合を始める場所を図4(a)に示すように押出し部2の頂部とし、そこから一旦蓋部材の周囲にまで回転工具を移動させ、蓋部材の周囲に沿って一周移動させた。その後、回転工具を実質的な摩擦攪拌接合部からずらして再度同じ押出し部2の頂部に移動させ、回転工具を上方に引き抜いた。これにより多少の振動においても接合部が破断しないオイル通路が備えられたチェーンケースを製造することができた。このチェーンケースは図6に示すような従来の蓋部材をネジ止めするものと比較し、150〜250gの軽量化を行えることが確認できた。
(実施例2)
実施例1と一部形状を変更した以外は同様に、図1に示す自動車用チェーンケース素材1を作製した。このチェーンケース素材は2箇所のオイル通路4a,4bが形成され、略板状の基板に高さが18mmの通路壁面3a、3bが設けられている。この通路壁面は環状に一体的に形成され、上部は被接合部材と摩擦攪拌接合される部分である。通路壁面の内側には垂直方向に孔が2箇所設けられ、この孔を介してオイルが流入・流出する。また、この通路壁面に隣接するように、チェーンケース素材が型離れするに際し、押出しピンが当接する押出し部2が形成されている。
またこの押出し部2は上端が平坦に形成されている。また、実施例1と異なり図3に示すように、この上端面は通路壁面の上端部に対して被接合部材の蓋部材の厚み分高くなっており、組み付けられた蓋部材の表面と押出し部の上端面が同じ高さになるように形成した。通路壁面3bの平均厚さは6mmであった。押出し部2はオイル通路4a,4bに対して4箇所ずつ設け、蓋部材をこの押出し部の側面であてがって、通路壁面3a,3b上に固定できるように形成した。
チェーンケース素材1は押出しピンにより押出し部で押して可動型から離型し、T6処理を行い、その後周囲のバリなどを加工除去した。
その後、蓋部材をこの通路壁面3a,3b上にのせて押出し部の側面でずれないように固定した。その後、蓋部材の3mm内側を周囲に沿って摩擦攪拌接合を行った。通路壁面3a,3bの実質的な接合部は蓋部材の内側と通路壁面の上端面5bである。回転工具は図7に示す形状のものを使用し、回転数1500rpmで回転させ、進行速度を600mm/minとした。
また、摩擦攪拌接合を行う場所を図4(a)に示すように押出し部2の頂部とし、そこから一旦蓋部材の周囲にまで回転工具を移動させ、蓋部材の周囲に沿って一周移動させ、その後、回転工具を実質的な摩擦攪拌接合部からずらして再度同じ押出し部2の頂部に移動させ、回転工具を上方に引き抜いた。これにより多少の振動においても接合部が破断しないオイル通路が備えられたチェーンケースを製造することができた。このチェーンケースは図6に示すような従来の蓋部材をネジ止めするものと比較し、200〜400gの軽量化を行えることが確認できた。
本発明を適用したチェーンケース素材を示す図である。 押出し部を設ける鋳物部分の拡大図である。 押出し部を設ける鋳物部分の別の拡大図である。 押出し部と回転工具の接合開始位置と終了位置の関係を示す図である。 被結合部材を当接する鋳物部分の拡大図である。 従来のチェーンケース素材を示す図である。 摩擦攪拌接合の接合方式の一体様を示す図である。
符号の説明
1 鋳物(チェーンケース素材)、2 押出し部、3 通路壁面、4 オイル通路、5 当接面、6 被接合部材、7 底部、9 ボルト穴、11 回転部、12 板部材、13プローブ、14 回転工具

Claims (4)

  1. 摩擦攪拌接合により鋳物の凸形状部分に被接合部材が接合された鋳物部材であり、前記鋳物は鋳造装置の押出しピンにより押出しされるための凸形状の押出し部を備え、前記被接合部材を鋳物の凸形状部分に当接した時の前記被接合部材の上面の高さと前記押出し部の頂部の高さとが同じになるように押出し部を鋳物の凸形状部分に隣接させて形成し、回転工具による摩擦攪拌接合の接合開始位置および/または接合終了位置が前記押出し部の頂部であることを特徴とする鋳物部材。
  2. 前記押出し部が前記被接合部材の位置決め手段を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の鋳物部材。
  3. 前記押出し部は押出しピンとの接触面となる平坦な頂部と、被接合部材との接触面となる側面部を有するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳物部材。
  4. 前記鋳物は自動車部品のアルミ合金製チェーンケースであり、前記被接合部材は冷却用オイルの通路となる箇所の蓋部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鋳物部材。
JP2004163537A 2004-06-01 2004-06-01 鋳物部材 Expired - Fee Related JP4605696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004163537A JP4605696B2 (ja) 2004-06-01 2004-06-01 鋳物部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004163537A JP4605696B2 (ja) 2004-06-01 2004-06-01 鋳物部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005342745A JP2005342745A (ja) 2005-12-15
JP4605696B2 true JP4605696B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=35495588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004163537A Expired - Fee Related JP4605696B2 (ja) 2004-06-01 2004-06-01 鋳物部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4605696B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4898217B2 (ja) * 2005-12-27 2012-03-14 川崎重工業株式会社 中空体の製造方法
JP4987641B2 (ja) * 2007-09-10 2012-07-25 本田技研工業株式会社 エンジンに固設されたカバー
JP2010005687A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 複合材及びその製造方法
JP5409144B2 (ja) * 2009-06-30 2014-02-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 ディスクブレーキおよびその製造方法
US20210394297A1 (en) * 2018-09-27 2021-12-23 Honda Motor Co., Ltd. Resistance welding device, hollow arm, and method of manufacturing hollow arm
JP7413690B2 (ja) * 2019-09-20 2024-01-16 日本軽金属株式会社 接合方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11245055A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム製放熱装置及びその製造方法
JP2000042759A (ja) * 1998-07-23 2000-02-15 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合法
JP2001129654A (ja) * 1999-10-28 2001-05-15 Honda Motor Co Ltd シリンダブロックの鋳造方法及びその鋳造装置
JP2002126883A (ja) * 2000-10-23 2002-05-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム材の接合方法及びアルミニウム材接合製品
JP2004116482A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Honda Motor Co Ltd クローズドデッキ型シリンダブロックおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11245055A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム製放熱装置及びその製造方法
JP2000042759A (ja) * 1998-07-23 2000-02-15 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合法
JP2001129654A (ja) * 1999-10-28 2001-05-15 Honda Motor Co Ltd シリンダブロックの鋳造方法及びその鋳造装置
JP2002126883A (ja) * 2000-10-23 2002-05-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム材の接合方法及びアルミニウム材接合製品
JP2004116482A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Honda Motor Co Ltd クローズドデッキ型シリンダブロックおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005342745A (ja) 2005-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11707798B2 (en) Method for manufacturing liquid-cooled jacket
JP6766956B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
US20200324365A1 (en) Method for manufacturing liquid-cooling jacket
KR101250708B1 (ko) 접합 방법
CN113165104A (zh) 液冷套的制造方法以及摩擦搅拌接合方法
JP2019037987A (ja) 液冷ジャケットの製造方法
Verma et al. Challenges, process requisites/inputs, mechanics and weld performance of dissimilar micro-friction stir welding (dissimilar μFSW): A comprehensive review
RU2404876C2 (ru) Способ обработки металлической заготовки, втулка для осуществления способа и сборный узел, содержащий втулку и крышку, для осуществления способа
JP4605696B2 (ja) 鋳物部材
JP7003862B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
JP2019037986A (ja) 液冷ジャケットの製造方法
US20090260153A1 (en) Construction of hollow zinc die-casting by thixotropic welding
JP6828675B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
Li et al. Joining Technologies for Aluminium Castings—A Review
CN114929423B (zh) 液冷套的制造方法及摩擦搅拌接合方法
JP3846785B2 (ja) 閉塞鍛造方法、金型及び閉塞鍛造生産システム
EP4201578A1 (en) Apparatus and method of forming countersinks and/or mouse holes in a stamped high strength aluminium sheet
JP7020562B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
WO2021149272A1 (ja) 液冷ジャケットの製造方法及び摩擦攪拌接合方法
JP4898217B2 (ja) 中空体の製造方法
WO2020213197A1 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
WO2021124594A1 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
WO2021029088A1 (ja) 接合方法
JP6834926B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
JP2020131263A (ja) 液冷ジャケットの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101001

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4605696

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees