JP4605440B2 - 車両姿勢制御装置 - Google Patents
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Description
制御手段による制御量との配分を決定する制御量配分決定手段(29)とを含み、前記余裕量演算手段は、前記応力検出手段によって検出される応力に基づいて、前記タイヤに作用している横力Fx、制駆動力Fyおよび摩擦の方向θを演算し、得られた横力Fx、制駆動力Fyおよび摩擦の方向θと、前記タイヤの限界力Fmaxとから、次式(a),(b)を用いて、前記タイヤの横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyを演算することを特徴とする車両姿勢制御装置である。
ΔFx=Fmax・cosθ−Fx …(a)
ΔFy=Fmax・sinθ−Fy …(b)
上記制動力余裕量は、タイヤの制動方向に対するグリップの余裕量をいう。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
制動機構による制動中であるために、制動力余裕量が小さく、一方で横力余裕量が大きい場合には、舵取り姿勢制御手段による制御量が制動姿勢制御手段による制御量よりも大きくなるように制御量が配分される。これにより、タイヤの進行方向へのスリップを生じず、タイヤのグリップ性能を十分に利用した良好な姿勢制御を達成することができる。また、車両がコーナリング中であるために、横力余裕量が小さく、制動力余裕量が大きい場合には、制動姿勢制御手段による制御量が舵取り姿勢制御手段による制御量よりも大きくなるように制御量を配分すれば、タイヤの横滑りなどを生じず、タイヤのグリップ性能を十分に利用した良好な姿勢制御を実現することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両姿勢情報検出装置が備えられた車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。この車両用操舵装置は、ステアリングホイール1と舵取り機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイール1の回転操作に応じて駆動される操舵アクチュエータ2の動作を、ハウジング3に支持された転舵軸4の車幅方向の直線運動に変換し、この転舵軸4の直線運動を舵取り用の前部左右車輪5FL,5FRの転舵運動に変換することにより操舵を達成するようにした、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムである。
回転シャフト8のステアリングホイール1とは反対側の端部には、渦巻きばね等の弾性部材10が車体との間に結合されている。この弾性部材10は、反力アクチュエータ9がステアリングホイール1にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる。
一方、操舵アクチュエータ2の出力値を検出するために、転舵軸4に関連して、舵取り用の車輪5FL,FRの転舵角(タイヤ角)を検出するための転舵角センサ13が設けられている。この転舵角センサ13は、操舵アクチュエータ2による転舵軸4の作動量を検出するポテンショメータなどで構成することができる。
ブレーキペダル21の踏力に応じた制動圧は、マスターシリンダ22によって発生され、この制動圧は、制動圧制御ユニット23によって増幅されるとともに、各車輪5FL,5FR,5RL,5RRの各ブレーキ装置24に分配されて、各ブレーキ装置24が各車輪5FL,5FR,5RL,5RRに制動力を作用させるようになっている。そして、制動圧制御ユニット23が、マイクロコンピュータを含む構成の走行系制御装置25(制動姿勢制御手段)によって制御されることにより、各車輪5FL,5FR,5RL,5RRの制動圧が個別に制御されるようになっている。
また、走行系制御装置25は、ライン28を介して、ステアリング系制御装置17に接続されている。
ヨーレート演算部164は、各タイヤWごとに、横力検出部162によって検出される横力Fxと制駆動力検出部163によって検出される制駆動力Fyとに基づいて、タイヤWに作用している摩擦力の方向および大きさFを求め、さらに、各タイヤWに作用している摩擦力の大きさFに基づいて、車両に生じているヨーレートγを求める。
Fy>0: θ=tan-1(Fy/Fx)<180° ・・・(1-1)
Fy<0: θ=tan-1(Fy/Fx)>180° ・・・(1-2)
Fy=0,Fx>0: θ=0 ・・・(1-3)
Fy=0,Fx<0: θ=180° ・・・(1-4)
に従って求めることができる。また、摩擦力の大きさFは、
F=(Fx2+Fy2)1/2 ・・・(2)
に従って求めることができる。ヨーレート演算部164では、上記式(1-1)〜(1-4),(2)に従って、各タイヤWに作用している摩擦力の方向および大きさFが求められる。そして、下記式(3)に従って、車両に生じているヨーレートγが求められる。
ここで、図5に示すように、Lfは、前部左右の車輪5FL,5FRの回転中心と車両の重心Gとの間の車両進行方向に沿った距離であり、Lrは、後部左右の車輪5RL,5RRの回転中心と車両の重心Gとの間の車両進行方向に沿った距離である。また、F1,F2,F3,F4は、それぞれ車輪5FL,5FR,5RL,5RRに装着されたタイヤWに作用している摩擦力の大きさである。Iは、ヨーモーメントである。
具体的には、タイヤWに加わる荷重とタイヤWの限界力(路面に対してタイヤWが滑り始める時の力)Fmaxとの関係が予め求められて、制御量配分装置29を構成しているマイクロコンピュータの内蔵メモリに記憶されている。制御量配分装置29では、前部車輪5FLまたは5FRに装着されているタイヤWの荷重に応じた限界力Fmaxが読み出され、それぞれ下記式(4),(5)に基づいて、横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyが求められる。
ΔFy=Fmax・sinθ−F・sinθ(=Fmax・sinθ−Fy) ・・・(5)
このようにして求めた横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyに基づいて、制御量配分装置29は、ステアリング系制御装置17のステアリング姿勢制御による制御量と走行系制御装置25のブレーキ姿勢制御による制御量との配分を決定する。たとえば、ブレーキ装置24による制動中であるために、制動力余裕量ΔFyが小さく(たとえば、タイヤWに作用している制動力(タイヤWの後退方向の制駆動力)FyがタイヤWの限界制動力Fmax・sinθの70%以上)、一方で横力余裕量ΔFxが大きい場合(たとえば、タイヤWに作用している横力FxがタイヤWの限界横力Fmax・cosθの20%未満)には、ステアリング姿勢制御による制御量がブレーキ姿勢制御による制御量よりも大きくなるように(たとえば、ステアリング姿勢制御による制御量とブレーキ姿勢制御による制御量との比が6:4となるように目標制御量×0.6,0.4として)制御量を配分する。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyに基づいて、ステアリング姿勢制御による制御量とブレーキ姿勢制御による制御量との配分が決定されるとしているが、たとえば、横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyに基づいて、ステアリング姿勢制御とブレーキ姿勢制御とが切り替えられて、より有効な姿勢制御のみが選択的に行われるようにしてもよい。すなわち、ブレーキ装置24による制動中であるために、制動力余裕量ΔFyが小さく、横力余裕量ΔFxが大きい場合には、ステアリング系制御装置17によるステアリング姿勢制御を行い、車両がコーナリング中であるために、横力余裕量ΔFxが小さく、制動力余裕量ΔFyが大きい場合には、走行系制御装置25によるブレーキ姿勢制御を行うようにしてもよい。
4 転舵軸(舵取り機構)
5FL,5FR,5RL,5RR 車輪
6 タイロッド(舵取り機構)
7 ナックルアーム(舵取り機構)
14 応力センサ
16 ヨーレート検出装置
17 ステアリング系制御装置
23 制動圧制御ユニット(制動機構)
24 ブレーキ装置(制動機構)
25 走行系制御装置
29 制御量配分装置
W タイヤ
Claims (1)
- 車両の舵取り機構を制御することによって車両の姿勢を制御する舵取り姿勢制御手段と
前記車両の制動機構を制御することによって車両の姿勢を制御する制動姿勢制御手段と、
前記車両の所定の車輪に装着されたタイヤに作用する応力を検出する応力検出手段と、
前記応力検出手段によって検出される応力に基づいて、前記タイヤの横力余裕量および制動力余裕量を求める余裕量演算手段と、
前記余裕量演算手段によって求められた横力余裕量および制動力余裕量に基づいて、制動力余裕量が小さく、横力余裕量が大きい場合には、前期舵取り姿勢制御手段による制御量が前記制動姿勢制御手段による制御量よりも大きくなるように、前記舵取り姿勢制御手段による制御量と前記制動姿勢制御手段による制御量との配分を決定する制御量配分決定手段とを含み、
前記余裕量演算手段は、前記応力検出手段によって検出される応力に基づいて、前記タイヤに作用している横力Fx、制駆動力Fyおよび摩擦の方向θを演算し、得られた横力Fx、制駆動力Fyおよび摩擦の方向θと、前記タイヤの限界力Fmaxとから、次式(a),(b)を用いて、前記タイヤの横力余裕量ΔFxおよび制動力余裕量ΔFyを演算することを特徴とする車両姿勢制御装置。
ΔFx=Fmax・cosθ−Fx …(a)
ΔFy=Fmax・sinθ−Fy …(b)
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