JP4605368B2 - ベタインの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベタイン回収のための分離方法に関するものであり、とりわけ、ナノ濾過とクロマトグラフィーの組み合わせを用いてベタインと蔗糖を含む溶液を分別する分離方法に関するものである。本発明の典型的な実施態様において、ベタインは、糖蜜溶液のような、甜菜(ビート)由来の溶液から回収される。
ベタインは、医療用及び化粧用製品と同様に、家畜飼料に用いられている有用な化合物である。
ベタインは、多種多様の植物の根、種及び茎に存在する。甜菜(ビート)におけるその濃度は、比較的高く、乾燥固形物をベースとして1.0ないし1.5%である。蔗糖回収のため、甜菜が加工処理された場合、ベタインは、糖蜜中に濃縮される。ビート糖蜜には、通常、乾燥固形物ベース換算で、3%ないし8%のベタインが含まれる。
ベタインは、以下の構造を有する両性化合物である。
Figure 0004605368
ビート糖蜜、レスト糖蜜又は蒸溜ビナスからベタインを回収する技術において、イオン交換法、塩酸塩として結晶化する方法、有機溶媒を用いて抽出する方法またはクロマトグラフィーによる方法が知られている。
ビート糖蜜からベタインを回収するためのクロマトグラフィー法は、特許文献1(スオメン ソケリ オイ)に記載されている。この方法は、ビート糖蜜のようなベタインを含む糖蜜を、通常アルカリ金属型の、ポリスチレン・スルホネート・陽イオン交換樹脂を充填したカラムの上端に誘導するクロマトグラフィー・プロセスである。樹脂床の下流側からベタイン、蔗糖及び残りの糖蜜を回収するため、水で溶出が行われる。
糖蜜からベタインを回収する他の方法として、少なくとも3本のクロマトグラフィー・カラムが連続して結合された、クロマトグラフィー・擬似移動床システムを用いる方法が特許文献2(ヘイッキラ他)に記載されている。
ベタインと蔗糖は、クロマトグラフィー・擬似移動床システムの同じ循環の間に、別々の生成物画分として回収される。該クロマトグラフィー・システムのカラムは、通常、一価のイオン型、好ましくはナトリウム及び/またはカリウム型の強酸性陽イオン交換樹脂で充填される。
糖蜜の分別のための更なる方法が、特許文献3(ダニスコ フィンランド オイ)に開示されている。この方法において、クロマトグラフィー・擬似移動床システムの2又はそれ以上のループの多段階配列の間に、少なくともひとつの生成物画分が回収される。該方法のひとつの実施態様は、蔗糖画分とベタイン画分を回収するために糖蜜から蔗糖及びベタインを分離する方法に関する。該クロマトグラフィー・システムは、少なくとも2つの部分的に充填された物質床よりなる。該カラムの充填物質は、通常、一価のイオン型、好ましくはナトリウム及び/またはカリウム型の強酸、ゲル−タイプの陽イオン交換樹脂である。
特許文献4(カルター オイ)は、ビート由来の蔗糖含有溶液から蔗糖及びベタインのような第二の成分を分離する方法に関する。該方法は、ひとつまたはそれ以上の蔗糖が濃縮された画分及び第二の成分が濃縮された画分を得るために、擬似移動床システムを用い
て前記溶液を二つの連続するクロマトグラフィー分別に付すことよりなる。該クロマトグラフィー分離は、通常、ナトリウム及び/またはカリウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて行われる。
特許文献5(シュドイッチェ ツッカー AG)にはCa2+型の陽イオン交換樹脂を用いて、糖蜜を糖画分と非糖画分とに分離するためのクロマトグラフィー分離法が開示されている。該方法には、Ca2+型の樹脂が、移動相の陽イオン組成と平衡状態にならないという短所がある。
特許文献6(UOP株式会社)には、糖蜜のような糖源の水性混合物に炭素質のピロ重合体よりなる吸着剤を接触させることにより、該混合物から蔗糖を分離する方法が開示されている。該方法は、塩類からベタインを十分に分離しない。特許文献7(UOPインコーポレーテッド)には、単糖類の水溶液にゼオライトのような結晶性アルミノシリケートを含む吸着剤を接触させることにより、該溶液を含む供給混合物から単糖類を分離する方法が開示されている。該供給混合物は、吸着剤処理の前にエタノールで希釈される。該供給混合物は、例えばコーン・シロップのようなデンプン・シロップであってよい。該方法は、ベタインの分離には用いられない。特許文献8(UOPインコーポレーテッド)には、蔗糖、ベタイン及び/又は鉱物塩を含む水溶液に有機重合体(硝酸セルロース、セルロースエステル又はそれらの混合物)と結合した活性炭パウダーを含む吸着剤を接触させることにより、該溶液から蔗糖を分離する方法が開示されている。該プロセスは、塩類からベタインを十分に分離しない。
特許文献9(アマルガメーテット リサーチ インコーポレーテッド)には、第一の擬似移動床操作を含む複数個のクロマトグラフィー分離操作が、好ましくは連続置換クロマトグラフィーの適用を通して有機低分子を濃厚化した画分を、とりわけ蔗糖溶液からベタイン及び/または転化糖を、回収するために分別を行う方法に組み合わされ、その後の高純度の蔗糖生成物の製造を可能にしたシステムが開示されている。
特許文献10(カンペン ウィレム ヘモ)には、甜菜の発酵及び蒸留により製造されたビート・アルコール蒸留廃液からベタインを回収する方法が開示されている。該方法は、(a)固形物を除くために、0.1ないし10μmの範囲の細孔径を有する無機膜で交差流・精密濾過法を用いることにより、アルコール蒸留廃液生成物を清澄にする工程及び(b)清澄されたアルコール蒸留廃液を、ベタイン分離のためのイオン除去により、クロマトグラフィー分離に付する工程を含む。イオン除去による該クロマトグラフィー分離は、SM−51−Na樹脂(IWT)、IWT−AM−63またはDOWEX 50−WX8(ダウケミカル)のような好適な樹脂物質を用いて遂行してもよい。ベタインに加えて、エタノール、グリセリン、コハク酸、乳酸、リン酸カリウム及びL−ピログルタミン酸のような他の生成物も該製法で回収され得る。
ナノ濾過とは、ナノ濾過供給物の可溶性成分の分離のための比較的新しい圧力主導型の膜濾過方法であるが、逆浸透と限外濾過の中間に位置づけられる。ナノ濾過では、通常、分子量が300g/mol以上の2価塩類及び有機分子類が保持される。最も重要なナノ濾過膜は、界面重合により造られた複合膜である。ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜及びポリピペラジン膜が広く用いられているナノ濾過膜の例である。無機及びセラミック膜もまた、ナノ濾過に使用することができる。
ナノ濾過をニ糖類及びそれ以上の多糖類からグルコースを分離するために使用する技術が知られている。グルコースを含有する出発混合物は、例えば、デンプン加水分解物であり得る。例えば、ナノ濾過による、ニ糖類及びそれ以上の多糖類からグルコースを分離す
る一つの方法が特許文献11(ノボ ノルディスク)に開示されている。
特許文献12(UOPインコーポレーテッド)は、アミノグルコシダーゼ及びβ−アミラーゼより選択される酵素でグルコース/マルトース含有原料を処理することにより部分的に加水分解された反応混合物を形成し、得られた部分的に加水分解された反応混合物を限外濾過膜に通して保持物と通過物とし、保持物は酵素処理段階へ再循環し、及び、高濃度のグルコース又はマルトースシロップを含む通過物を回収することによる高濃度のグルコース又はマルトースシロップの製造のための方法に関する。
特許文献13(テイト アンド ライル インコーポレーテッド)には、甜菜パルプから蔗糖を製造するための甜菜の膜濾過方法が開示されている。該膜濾過は、例えば、限外濾過膜またはナノ濾過膜を用いて行うことができる。該方法の一つの実施態様において、該膜濾過は、所望により透析濾過を組み合わせる二つの連続した限外濾過工程、それに続くナノ濾過工程により行われ、その結果、ナノ濾過通過物とナノ濾過保持物が生成される。該ナノ濾過保持物にはビート類からの殆どの蔗糖が含まれる。該方法の好ましい実施態様において、該ナノ濾過保持物は、少なくとも約89ないし91質量%(乾燥固形物ベース)の蔗糖を含む。一方、ナノ濾過通過物は、ナノ濾過供給物中に存在するベタインの少なくとも約25ないし50%を含んでいるとされる。NaClの除去率が約10%であるルーズなナノ濾過膜が、該ナノ濾過工程によく適していることが挙げられる。
上述の特許文献13はまた、限外濾過/透析濾過から得られる蔗糖を含む保持物の更なる精製のためのクロマトグラフィー分離を提案している。精製された蔗糖画分は、そうして得られる。
しかしながら、甜菜由来の溶液からベタインを回収するためのクロマトグラフィーとナノ濾過の組み合わせについては、未だ開示も示唆もなされていない。
米国特許第4359430号明細書 米国特許第5127957号明細書 米国特許第6093326号明細書 国際公開第96/10650号パンフレット 独国特許出願公開第2362211号明細書 米国特許第4333770号明細書 米国特許第4405377号明細書 米国特許第4405378号明細書 米国特許第6379554号明細書 欧州特許出願公開第0411780号明細書 国際公開第99/28490号パンフレット 米国特許第4511654号明細書 国際公開第01/14594号パンフレット
それゆえ、本発明の目的は、甜菜由来の溶液、即ち、糖蜜溶液のようなベタイン及び蔗糖を含む溶液からベタインを回収する方法を提供することである。
本発明の目的は、独立項に記載されていることより特徴づけられる方法により達成される。好ましい本発明の実施態様は、従属項に開示されている。
本発明は、ベタイン回収のためのナノ濾過及びクロマトグラフィーの組み合わせに基いている。本発明の方法は、最終のベタイン生成物の、向上した純度及び/または収量を提
供する。更に、ベタイン以外に、他の生成物を優れた収量及び/または純度で該方法において回収することができる。本発明に従って、ナノ濾過とクロマトグラフィーを組み合わせることにより、総合的な分離方法における該方法の経済性及び/又は分離効率を向上できる。
以下に示す図は、本発明の実施態様を示したものであるが、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
請求項6の実施態様の図式提示である。 請求項7の実施態様の図式提示である。 請求項8の実施態様の図式提示である。
本発明は、ベタイン及び蔗糖を含有する溶液を任意の手順でクロマトグラフィー分別及びナノ濾過し、ベタインを濃厚化した画分及び所望により蔗糖を濃厚化した画分を回収することにより、該溶液からベタインを回収する方法に関する。
本発明の方法はまた、ベタインを濃厚化した更なる画分または更なる画分群及び所望により蔗糖を濃厚化した更なる画分または更なる画分群及び/又は他の化合物の画分群及び/またはこれらの混合物を回収するための更なるクロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程を含む。更なる工程において、クロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過から得られる画分は、更に生成物を精製するために、収量を向上させるために及び/または他の生成物画分及び/またはそれらの混合物を回収するために、更に分離される。
クロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程は、如何なる所望の手順においても連続して遂行することができる。該クロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程はまた、並行して行うこともできる。前記方法はまた、連続及び並行のクロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程の組み合わせを含んでいてもよい。
ベタイン及び蔗糖を含有する溶液は通常、甜菜処理の種々の工程から得られる溶液及び甜菜ジュースのクロマトグラフィー分別から得られる画分を含む、甜菜由来の溶液である。甜菜由来の溶液としては、例えば、甜菜ジュース、濃縮ジュース、最終糖蜜及び糖の結晶化の母液より選択することができる。
特に好適なベタイン回収の原料物質は、乾燥固形物をベースとして、通常3ないし8%のベタインを含む、甜菜糖蜜が挙げられる。ベタインに加えて、該甜菜糖蜜は、例えば、蔗糖、塩類、アミノ酸類並びに他の無機及び有機成分を含んでいる。
糖蜜に加えて、脱糖工程からの残余の糖蜜及び発酵工程からの蒸溜ビナスは、どちらもベタインを多く含むことができ、当然また大変好適な原料物質である。
本発明の一つの実施態様において、本発明の方法は以下の工程:
(a)ベタイン及び蔗糖を含む溶液をクロマトグラフィー分別に付し、ベタイン及び蔗糖を濃厚化した画分及び所望により残余の画分を回収すること、
(b)ベタイン及び蔗糖を濃厚化した画分をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した画分及び所望により蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
を含む。
この本発明の実施態様を、図1に示した。
工程(a)のクロマトグラフィー分別は、回分プロセスまたは擬似移動床プロセスで遂
行することができる。該擬似移動床プロセスは、連続または逐次で行うことができる。一つの好ましい実施態様において、工程(a)のクロマトグラフィー分別は、通常、ベタイン及び蔗糖を濃厚化した画分並びに残余の画分の二つの画分を提供する連続擬似移動床プロセスとして遂行される。
工程(b)のナノ濾過工程において、蔗糖を濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の保持物として得られ、ベタインを濃厚化した画分は、ナノ濾過の通過物として得られる。本発明のこの実施態様において、該方法は、工程(a)で得られる残余の画分のナノ濾過を更に含み、残余の画分の組成に従って、ベタインを濃厚化した画分、蔗糖を濃厚化した画分、ラフィノースを濃厚化した画分及び/または着色化合物を濃厚化した画分を回収する。
着色化合物は、通常、甜菜由来の溶液中の不純物として存在するが、主に分子量が1000から数百万(g/mol)までの大きな分子を含む。
着色化合物を濃厚化した画分(望ましくない不純物)及びラフィノースを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の保持物として回収される。該方法は更に、工程(a)で溶離液として使用するために、工程(a)のクロマトグラフィー分別に戻してもよいナノ濾過の通過物の回収を含んでいてもよい。
工程(b)のナノ濾過から得られるベタインを濃厚化した画分及び/または蔗糖を濃厚化した画分は、更に生成物を精製するために及び/または収量を向上させるために、一つまたはそれ以上の更なるナノ濾過及び/またはクロマトグラフィー分別工程を行うことができる。
本発明の他の実施態様において、該方法は、以下の工程:
(a)ベタイン及び蔗糖を含む溶液をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した画分及び所望により蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
(b)ベタインを濃厚化した画分をクロマトグラフィー分別に付し、ベタインを濃厚化した画分及び所望により残余の画分及び/または蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
を含む。
本発明のこの実施態様を図2に示した。
工程(a)のナノ濾過において、ベタインを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の通過物として回収され、蔗糖を濃厚化した画分は、ナノ濾過の保持物として回収される。
本発明のこの実施態様において、工程(b)のクロマトグラフィー分別は、回分プロセスまたは擬似移動床プロセスで遂行できる。好ましい実施態様において、クロマトグラフィー分別は、連続または逐次のは擬似移動床プロセスとして遂行される。
本発明のこの実施態様は更に、工程(b)で得られる残余の画分のナノ濾過またはクロマトグラフィー分別を含み、残余の画分の組成に従って、ベタインを濃厚化した画分、蔗糖を濃厚化した画分、ラフィノースを濃厚化した画分及び/または着色化合物を濃厚化した画分を回収する。この手法において、ベタイン及び/または蔗糖の収量を向上させることができる。
着色化合物を濃厚化した画分(望ましくない不純物)及びラフィノースを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の保持物として回収される。該方法は更に、工程(b)で溶離液として使用するために、工程(b)のクロマトグラフィー分別に戻してもよいナノ濾過の通過物の回収を含んでいてもよい。
該方法のこの実施態様は更に、ベタインを濃厚化した第2画分及び所望により更なる画分が回収される工程(b)から得られるベタインを濃厚化した画分をナノ濾過またはクロマトグラフィーに付する工程を含んでいてもよい。更なる画分は、例えば、糖類、アミノ酸類及びイノシトールを含んでいてもよい。糖類には、通常、蔗糖、グルコース、フルクトース及びガラクトースが含まれる。糖類、アミノ酸類及びイノシトールは、生成物として更に回収することができる。
工程(a)のナノ濾過から得られるベタインを濃厚化した画分及び/または蔗糖を濃厚化した画分は、更に生成物を精製するために及び/または収量を向上させるために、一つ
またはそれ以上の更なるナノ濾過工程を行うことができる。
本発明の更なる実施態様において、該方法は、以下の工程:
(a)ベタイン及び蔗糖を含む溶液をクロマトグラフィー分別に付し、ベタインを濃厚化した画分並びに所望により蔗糖を濃厚化した画分及び/または残余の画分を回収すること、
を含み、続いて以下に示す少なくともひとつの工程:
(b)残余の画分をナノ濾過に付し、蔗糖を濃厚化した画分及び/またはベタインを濃厚化した画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
(c)蔗糖を濃厚化した画分をナノ濾過に付し、蔗糖を濃厚化した第2画分及び/またはベタインを濃厚化した画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
(d)ベタインを濃厚化した画分をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した第2画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
を含む。
本発明のこの実施態様を図3に示した。
工程(a)のクロマトグラフィー分別は、回分プロセスまたは擬似移動床プロセスで遂行することができる。該擬似移動床プロセスは、連続または逐次で行うことができる。好ましい実施形態において、工程(a)のクロマトグラフィー分別は、通常、ベタインを濃厚化した画分、蔗糖を濃厚化した画分及び残余の画分の三つの画分を提供する連続擬似移動床プロセスとして遂行される。
本発明のこの実施態様において、クロマトグラフィー分別(a)から得られた、残余の及び/または蔗糖及び/またはベタインの画分は、別々にナノ濾過することができる。
本発明のこの実施態様の工程(b)において、一つまたはそれ以上の画分には、通常、ラフィノースを濃厚化した画分及び/または着色化合物を濃厚化した画分が含まれる。残余の画分の組成に従って、ベタインと蔗糖は、総収量を向上させるために回収され、そしてまた、ラフィノースを回収することもできる。ラフィノースを濃厚化した画分及び着色化合物を濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の保持物として回収される。ベタインを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の通過物として回収される。ナノ濾過から得られる該通過物は、工程(a)のクロマトグラフィー分別において溶離液として使用することができる。
本発明のこの実施態様の工程(c)において回収される、一つまたはそれ以上の画分には、通常、イノシトールを濃厚化した画分、アミノ酸類を濃厚化した画分、単糖類を濃厚化した画分及び/またはラフィノースを濃厚化した画分が含まれる。ベタイン、イノシトール、アミノ酸類、単糖類及びラフィノースは、生成物として回収することができる。ラフィノースを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の保持物として回収される。ベタインを濃厚化した画分は、通常、ナノ濾過の通過物として回収される。同時に該蔗糖画分は、ベタイン、イノシトール、アミノ酸類、単糖類及びラフィノースから更に精製される。
本発明のこの実施態様の工程(d)において回収される、更なる画分には、糖類を濃厚化した画分、イノシトールを濃厚化した画分及び/またはアミノ酸類を濃厚化した画分が含まれる。糖類、イノシトール及びアミノ酸類は、生成物として回収することができる。同時に該ベタイン画分は、糖類、イノシトール、アミノ酸類及び他の考えられる化合物から更に精製される。膜または膜の組み合わせを正確に選択することにより、ベタイン画分の精製及び濃縮を同時に行うことができ、また、次の段階で必要な溶媒留去を減少させることもできる。
本発明の種々の実施態様において回収される残余の画分には、通常、塩類が含まれる。該塩類は、甜菜類のような原材料及び原材料処理の初期工程に由来している。本発明の方法に従って、塩類は、ベタイン及び/または蔗糖から効果的に取り除くことができる。
本発明の方法のクロマトグラフィー分別工程は、陽イオン交換樹脂類及び陰イオン交換樹脂類より選択されるカラム充填物質を用いることにより行うことができる。
陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂または弱酸性陽イオン交換樹脂であってよい。樹脂は、Na+及び/またはK+型、或いはCa2+、Ba2+、Mg2+及び/またはSr2+型のような、1価及び/または2価の金属型であってよい。
該樹脂類は、スチレンまたはアクリル酸骨格を有していてよい。該樹脂類は、1ないし20%のジビニルベンゼン、好ましくは3ないし8%のジビニルベンゼンで架橋されているのが好ましい。
陰イオン交換樹脂は、通常、好ましくはアクリル酸骨格を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂である。
樹脂の平均粒子径は、通常、10ないし2000μm、好ましくは、100ないし400μmである。
該樹脂類は、ゲル−タイプの樹脂類が好ましい。
樹脂類の製造業者としては、例えば、ファイネックス、ダウ、バイエル及びローム アンド ハースが挙げられる。
重合体に結合させた、ゼオライト、炭素質のピロ重合体及び活性炭もまた、カラム充填物質として有用である。
該クロマトグラフィー分別操作において、樹脂の陽イオン/陰イオンは、該システムの移動相の陽イオン/陰イオンと実質上平衡となるのが好ましい。
特に好ましい、本発明の方法のクロマトグラフィー分別工程におけるカラム充填物質としては、主にNa+及び/またはK+型である、一価金属型の強酸性陽イオン交換樹脂である。該樹脂は、好ましくは、スチレン骨格を有し、該樹脂は、好ましくは、ジビニルベンゼンで架橋されている。
上述の本発明の種々の実施態様のクロマトグラフィー分離工程において使用される溶離液は、水が好ましく、塩類と水の溶液であっても有用である。更に、エタノールのようなアルコール類、及び水とエタノールの混合物のような、水とアルコールの混合物が有用な溶離液である。
クロマトグラフィー分別の温度は、例えば、選択された樹脂の種類に依存する。クロマトグラフィー分別における該温度は、通常、50ないし100℃の範囲、好ましくは55ないし90℃である。
擬似移動床プロセスにおいて、該クロマトグラフィー分別は、通常、連続して連結された3ないし14本のカラムを用いて行われる。該カラムはパイプラインで相互接続される。該カラムにおける流量は、通常、カラムの断面積の0.5ないし10m3/(hm2)である。カラムは、例えば、上述で例示したものから選択されるカラム充填物質により充填される。該カラムには、供給溶液及び溶離液をカラム中に供給でき、カラムから生成物画分を集められるように、供給ライン及び生成物ラインが取り付けられる。該生成物ラインには、操作の間中、製造の質/量がモニター出来るように、オンライン機器が取り付けられる。
該クロマトグラフィー分別の前に、供給溶液は、例えば、イオン交換処理または炭酸化による軟化、希釈、エバポレーション等による濃縮、pH調整及び濾過から選択される一つまたはそれ以上の前処置工程を行ってもよい。典型的な前処置操作において、ビート糖蜜のような、該供給溶液は、濃度が質量において約40ないし60%になるように水で希釈され、例えば、濾過助剤として珪藻土を用いて濾過される。カラム中に供給する前に、供給溶液及び溶離液は、上述の分離温度まで過熱される(例えば、50ないし85℃の範囲)。
クロマトグラフィーによるSMB分離の間、該供給溶液は、ポンプによってカラム中を
循環させる。溶離液が加えられ、他の随意の生成物画分と同様に、蔗糖、ベタイン及び残余の画分が集められる。本発明の方法のクロマトグラフィー分別の1例において、蔗糖画分における蔗糖含有量は、乾燥固形物ベース換算で約85%ないし約99%の範囲であり、蔗糖画分におけるベタイン含有量は、乾燥固形物ベース換算で約0.01%ないし約10%の範囲である。ベタイン画分におけるベタイン含有量は、乾燥固形物ベース換算で約20%ないし95%の範囲であり、ベタイン画分における蔗糖含有量は、乾燥固形物ベース換算で約5%ないし40%の範囲である。残余の糖蜜画分における蔗糖含有量は、乾燥固形物ベース換算で約5%ないし25%の範囲であり、残余の糖蜜画分におけるベタイン含有量は、乾燥固形物ベース換算で約1%ないし35%の範囲である。
該pHは、出発溶液の組成、ナノ濾過に使用する膜及び回収される成分の安定性に依存する。もし必要であれば、当初溶液のpHは、ナノ濾過の前に、望みの値に調整される。ベタインを回収するための該ナノ濾過は、通常、pHが1ないし12、好ましくは4ないし12で行われる。
該ナノ濾過は通常、10ないし50バール、好ましくは15ないし35バールの圧力で行われる。典型的なナノ濾過の温度は5ないし95℃、好ましくは30ないし80℃である。ベタインを回収するための該ナノ濾過は、通常5ないし95℃、好ましくは30ないし80℃の温度で行われる。
該ナノ濾過は、通常、5ないし100 l/(m2h)の流速で行われる。
本願発明で使用されるナノ濾過膜は、カット−オフサイズが100ないし2500g/mol、好ましくは、150ないし1000g/mol、特に好ましくは、150ないし500g/molである重合体の及び無機の膜から選択することができる。
本願発明における、有用な、典型的なナノ濾過膜としては、例えば、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜及びポリピペラジン膜並びにこれらの組み合わせが含まれる。本発明に用いられるナノ濾過膜としてはまた、酢酸セルロース膜からも選択され得る。
典型的な無機膜としては、例えば、ZrO2−及びAl23−膜が含まれる。
本発明において有用なナノ濾過膜は、陽性または陰性の電荷を帯びていてもよい。該膜は、イオン性の膜、即ち、陽イオン性または陰イオン性の基を含むが、中性の膜であっても有用である。該ナノ濾過膜は、疎水性の及び親水性の膜から選択され得る。
ナノ濾過膜の一形態は、フラットシート形態である。該膜の形状としてはまた、例えば、チューブ、螺旋膜及び中空繊維から選ばれる。振動膜及び回転膜のような“ハイシェアー”膜もまた用いることができる。
ナノ濾過手順の前に、該ナノ濾過膜は、例えば、アルカリ洗剤またはエタノールで前処理してもよい。
典型的なナノ濾過操作において、糖蜜液のような、処理される液は、上述の温度及び圧力条件を用いて、ナノ濾過膜に供給される。該液は、このようにしてベタインを含む低分子量画分(通過物)と蔗糖及び糖蜜溶液の他の高分子成分(保持物)に分別される。
本発明において有用なナノ濾過装置としては、供給物を保持物及び通過物部分に分別する、少なくとも一つのナノ濾過エレメントを含む。該ナノ濾過装置には、通常、ポンプ及びバルブ並びに流速及び圧力のメーター及びコントローラーのような、圧力及び流速のコントロールのための手法も含まれる。該装置はまた、並行または連続に配置された、異なった組み合わせにおける、幾つかのナノ濾過膜エレメントを含んでいてもよい。
通過物の流速は、圧力に従って変化する。通常、正常な操作範囲において、圧力が高く
なれば、流速も高くなる。該流速はまた、温度によっても変化する。操作温度の増加は、流量を増加させる。しかしながら、高温及び高圧に伴い、膜破裂の傾向が増大する。無機膜において、重合体膜におけるよりもより高い温度及び圧力並びにより高いpH範囲で使用することが出来る。
本発明に従うナノ濾過は回分式に又は連続的に行うことができる。ナノ濾過工程は一度又は数回繰り返すことができる。通過物及び/又は保持物を供給容器に戻す再循環もまた用いることができる。
上述のクロマトグラフィー分別及びナノ濾過工程に加えて、本発明の方法は、イオン交換処理又は炭酸化による軟化、希釈、例えばエバポレーションによる濃縮、pH調整並びに濾過から選択される他の処理を、例えばクロマトグラフィー分別及びナノ濾過工程の前、後及び/又は間に含んでいてもよい。
上述のクロマトグラフィー分離及び/又はナノ濾過から得られたベタインは、エバポレーションにより濃縮、及びその後、結晶化、イオン交換及び/又は他の慣用の精製手段により更に精製されてもよい。
実施例中並びに明細書及び請求項を通して、以下に示す定義が用いられる:
DSは、質量%で示される、カール・フィッシャー滴定により測定される乾燥物質含有量を表す。
流量(Flux)は、膜表面の1平方メートル当たりで計算される、1時間の間にナノ濾過膜を通過する溶液の量(リットル)、L/(m2h)を表す。
保持率(Retention)は、測定された、膜により保持された化合物の割合を表す。保持率の値が高くなるほど、膜を通って移動する化合物の量が減少する:
保持率(%)=[(供給−通過)/供給]×100、
ここで、“供給(Feed)”は供給溶液における化合物の濃度(例えば、g/Lで表される)を表し、及び“通過(Permeate)”は、通過物溶液における化合物の濃度(例えば、g/Lで表される)を表す。
HPLCは液体クロマトグラフィーを表す。
SMBは擬似移動床クロマトグラフィーを表す。
NFはナノ濾過を表す。
DVBはジビニルベンゼンを表す。
例えば、以下に示す膜は本発明において有用である。
− ディサール(Desal)−5 DK(150ないし300g/molのカット−オフサイズ、5.4L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び98%(2g/L)の
MgSO4−保持率、製造業者 オスモニクス(Osmonics)である、ポリエステ
ル層、ポリスルホン層及び二つの商標つきの膜からなる4層膜)、
− ディサール(Desal)−5 DL(150ないし300g/molのカット−オフサイズ、7.6L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び96%(2g/L)の
MgSO4−保持率、製造業者 オスモニクス(Osmonics)である、ポリエステ
ル層、ポリスルホン層及び二つの商標つきの膜からなる4層膜)、
− NTR−7450(500ないし1000g/molのカット−オフサイズ、9.4L/(m2h バール)の透過率(25℃)、51%(5g/L)のNaCl−保持率、
製造業者 日東電工(Nitto Denko)である、スルホン化ポリエーテルスルホン膜)及び
− NF−200(200g/molのカット−オフサイズ、7−8L/(m2h バー
ル)の透過率(25℃)、70%のNaCl−保持率、製造業者 ダウ ドイッチランド(Dow Deutschland)である、ポリピペラジン膜)、
− TS−80(製造業者 トリセップ(Trisep))、
− ATF−60(製造業者 PTI アドバンスド フィルトレーション インコーポ
レーテッド(PTI Advanced Filtration Inc.))、
− ディサール(Desal) AG(製造業者 オスモニクス(Osmonics))、
− ディサール(Desal) G10(2500g/molのカット−オフサイズ、3.4L/(m2h バール)の透過率(25℃)、10%のNaCl−保持率、95%の
デキストラン−保持率、50%のグルコース−保持率、製造業者 オスモニクス(Osmonics)である、芳香族ポリアミド/ポリスルホン素材の薄フィルム膜)、
− ASP 10(16L/(m2h バール)の透過率(25℃)、10%のNaCl
−保持率、製造業者 アドバンスド メンブラン テクノロジー(Advanced Membrane Technology)である、ポリスルホン上のスルホン化ポリスルホンよりなる膜)、
− TS 40(5.6L/(m2h バール)の透過率(25℃)、製造業者 トリセ
ップ(Trisep)である、完全に芳香族ポリアミドよりなる膜)、
− ASP 20(12.5L/(m2h バール)の透過率(25℃)、20%のNa
Cl−保持率、製造業者 アドバンスド メンブラン テクノロジー(Advanced
Membrane Technology)である、ポリスルホン上のスルホン化ポリスルホンよりなる膜)、
− UF−PES−4H(約4000g/molのカット−オフサイズ、7ないし17L/(m2h バール)の透過率(25℃)、製造業者 ヘキスト(Hoechst)であ
る、ポリプロピレン上のポリエーテルスルホンよりなる膜)、
− NF−PES−10(1000g/molのカット−オフサイズ、5ないし11L/(m2h バール)の透過率(25℃)、15%(5g/L)より小さいNaCl−保持
率、製造業者 ヘキスト(Hoechst)である、ポリエーテルスルホン膜)、
− NF45(4.8L/(m2h バール)の透過率(25℃)、45%のNaCl−
保持率、製造業者 ダウ ドイッチランド(Dow Deutschland)である、芳香族ポリアミドよりなる膜)、
− SR−1(製造業者 コッホ(Koch))、
− XN−40(製造業者 トリセップ(Trisep))、
− MPF−34(200g/molのカット−オフサイズ、5%のグルコース溶液において95%のグルコース−保持率、製造業者 コッホ(Koch)である、複合材料膜)。
ベタイン回収のための好ましいナノ濾過膜はスルホン化ポリスルホン膜及びポリピペラジン膜から選択される。例えば、具体的な有用な膜としては:ディサール(Desal)−5 DK及びディサール(Desal)−5 DLナノ濾過膜(製造業者 オスモニクス(Osmonics))、NF−45及びNF−200ナノ濾過膜(製造業者 ダウ ドイッチランド(Dow Deutschland))、SR−1ナノ濾過膜(製造業者
コッホ(Koch))及びNTR−7450(日東電工(Nitto Denko))等が挙げられる。
以下に示す実施例により本発明を説明する。該実施例は決して本発明を限定するものではない。
実施例1 ナノ濾過によるベタインと蔗糖の分離
この実施例は、種々のナノ濾過膜を用いたベタインと蔗糖の分離を説明する。ナノ濾過に使用される供給溶液は、ベタイン50%及び蔗糖50%を含む蔗糖及びベタインの結晶から調製した溶液である。該供給物のpHは、9.2であり、DSは、12.7%であった。ナノ濾過に使用した機器は、DSS ラブスタ(Labsta) M20−フィルターであった。ナノ濾過は完全再循環モード濾過を用いて行った(定供給濃度)。ナノ濾過圧は30バール、交差流速度は約0.7m/s及び温度は65ないし70℃であった。ナ
ノ濾過に使用した膜は、下記の表1に示した。
表1にクロマトグラフィー分析(蔗糖とベタインの合計は100%である。)に基づく、通過物におけるベタインの含有量(%)を示した。
表1.
ベタイン及び蔗糖を含有する溶液のナノ濾過から得られた通過物におけるベタインの含有量
Figure 0004605368
ナノ濾過は、ナノ濾過の通過物を乾燥した物質中におけるベタイン含有量を明確に増加させることが結果として示された。
実施例2:クロマトグラフィーによるビート糖蜜の分別
該分別においてパイロットスケールの逐次SMBクロマトグラフィー装置を用いた。装置は直列の6本のカラム、供給ポンプ、循環ポンプ及び溶離水のためのポンプ、同様に、プロセスの流れのための注入及び製品バルブより構成された。各カラムは、高さ4.0mで、直径が0.111mであった。カラムには、樹脂の平均粒子径が0.36mm及びDVB含有量が5.5%である、Na+型の強酸ゲルタイプ陽イオン交換樹脂を充填した。
カラム温度は80℃であり、溶離液として水を使用した。クロマトグラフィー分離に先立って、ビート糖蜜は炭酸ナトリウム(乾燥物質換算の用量1.5%、温度60℃及び反応時間3h)で炭酸化され、濾過助剤としてナイト(Knite) 300(プレコート 1kg/m2、乾燥物質換算のボディフィード1.0%)を用いて、サイツ(Seitz
)圧搾濾過器で濾過した。
クロマトグラフィー分離は、以下に示す一連の9工程により行われた(操作a、b及びcは、同時に行われた。):
工程1:供給物をカラム1へポンプで注入し、希釈画分をカラム6から溶出した。
工程2a:供給物をカラム1へポンプで注入し、残余の画分をカラム1から溶出した。
工程2b:水をカラム2へ供給し、残余の画分をカラム4から溶出した。
工程2c:水をカラム5へ供給し、希釈画分をカラム6から溶出した。
工程3a:供給物をカラム1へポンプで注入し、残余の画分をカラム1から溶出した。
工程3b:水をカラム2へ供給し、残余の画分をカラム4から溶出した。
工程3c:水をカラム5へ供給し、蔗糖画分をカラム6から溶出した。
工程4:供給物をカラム1へポンプで注入し、蔗糖画分をカラム6から溶出した。
工程5:水をカラム1へ供給し、ナノ濾過のためのベタイン−濃厚蔗糖画分をカラム6から溶出した。
工程6a:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム2から溶出した。
工程6b:水をカラム3へ供給し、残余の画分をカラム5から溶出した。
工程6c:水をカラム6へ供給し、ベタイン画分をカラム6から溶出した。
工程7:水をカラム1へ供給し、ベタイン画分をカラム6から溶出した。
工程8a:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム3から溶出した。
工程8b:水をカラム4へ供給し、残余の画分をカラム6から溶出した。
工程9:全てのカラムにおいて循環。
異なった工程における体積及び流速を表2に示した。
表2.工程1−9における体積(リットル)及び流速(リットル/h)
Figure 0004605368
工程1−9は、基本的な平衡に至るまで、繰り返された(5ないし7回)。該方法は、平衡段階において続けられた。画分は集められHPLC(Na+型樹脂、0.8mL/m
in、0.002M Na2SO4、85℃)にて分析された。供給物及び集められた画分の組成を表3に示した。
表3.供給物及び集められた画分の濃度及び組成
Figure 0004605368
実施例3.クロマトグラフィー分離から得られたベタイン−濃厚蔗糖画分のナノ濾過
実施例2に従って得られた80.9%の蔗糖及び14.5%のベタインを含むベタイン−濃厚蔗糖画分をナノ濾過に付した。
ナノ濾過は実施例1と同じ装置を用いて行った。ナノ濾過の供給物のDSは15.6g/100mL、ナノ濾過の温度は70℃、ナノ濾過の圧力は28バールだった。ナノ濾過膜は、ディサール(Desal)−5 DL及びディサール(Desal)−5 DKだった。ディサール(Desal)−5 DLを用いたナノ濾過から得られたナノ濾過通過物におけるベタインの含有率は65.4%であり、該通過物における蔗糖の含有率はDSで31.1%であった。ナノ濾過膜としてディサール(Desal)−5 DKを用いたとき、このようにして得られたナノ濾過通過物におけるたベタインの含有率は61.2%であり、該通過物における蔗糖の含有率はDSで31.3%であった。
実施例4:クロマトグラフィー分離から得られた蔗糖濃厚ベタイン画分のナノ濾過
ビート糖蜜を実施例2に記載したようにクロマトグラフィー分別に付し、DSで17.9%の蔗糖及びDSで76.6%のベタインを含む蔗糖濃厚ベタイン画分を集めた。このようにして得た溶液は、溶液の濃度を17.3g/100mLに調整することにより前処理し、それから、ナノ濾過に付した。
ナノ濾過は実施例1と同じ装置を用いて行った。ナノ濾過の供給物のDSは15.3g/100mL、ナノ濾過の温度は70℃、ナノ濾過の圧力は48バールだった。ナノ濾過膜は、ディサール(Desal)−5 DL及びディサール(Desal)−5 DKだった。ディサール(Desal)−5 DLを用いたナノ濾過から得られたナノ濾過通過物におけるベタインの含有率は79.2%であり、蔗糖の含有率はDSで1.5%であった。ナノ濾過膜としてディサール(Desal)−5 DKを用いたとき、このようにして得られたナノ濾過通過物におけるベタインの含有率は81.3%であり、該通過物における蔗糖の含有率はDSで1.3%であった。
クロマトグラフィー分離から得られた該ベタイン画分は、ナノ濾過により精製され、少量の蔗糖のみを含むナノ濾過通過物が得られた。同時に、ナノ濾過保持物中へ蔗糖を濃縮することにより、蔗糖をベタイン画分から回収した。
実施例5:ビート糖蜜のクロマトグラフィー分別
該分別においてパイロットスケールの逐次SMBクロマトグラフィー装置を用いた。装置は直列の3本のカラム、供給ポンプ、循環ポンプ及び溶離水のためのポンプ、同様に、
プロセスの流れのための注入及び製品バルブより構成された。カラムは、全長11.1m(カラム1,2及び3は、それぞれ4.35m、2.70m及び4.05mの長さであった。)で、カラム直径が0.20mであった。カラムは、樹脂の平均粒子径が0.41mm及びDVB含有量が6.5%である、Na+型の強酸ゲルタイプ陽イオン交換樹脂が充
填された。カラム温度は80℃であり、溶離液として水を使用した。クロマトグラフィー分離に先立って、供給液を、濾過助剤としてナイト(Knite) 300(プレコート
1kg/m2、乾燥物質換算のボディフィード1.0%)を用いて、サイツ(Seit
z)圧搾濾過器で濾過した。
クロマトグラフィー分離は、以下に示す一連の7工程により行われた(操作a、b及びcは、同時に行われた。):
工程1a:供給物をカラム1へポンプで注入し、残余の画分をカラム2から溶出した。
工程1b:水をカラム3へ供給し、ベタイン画分をカラム3から溶出した。
工程2:供給物をカラム1へポンプで注入し、ベタイン画分をカラム3から溶出した。
工程3:全てのカラムにおいて循環。
工程4a:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム1から溶出した。
工程4b:水をカラム2へ供給し、残余の画分をカラム3から溶出した。
工程5:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム3から溶出した。
工程6:水をカラム1へ供給し、蔗糖及びベタインを含む画分をカラム3から溶出した。工程7:水をカラム3へ供給し、残余の画分をカラム2から溶出した。
異なった工程における体積及び流速を表4に示した。
表4.工程1−7における体積(リットル)及び流速(リットル/h)
Figure 0004605368
工程1ないし7は、平衡に至るまで繰り返された(5ないし7回)。該方法は、平衡段階において続けられた。画分は集められHPLC(Na+型樹脂、0.8mL/min、
0.002M Na2SO4、85℃)にて分析された。供給物及び集められた画分の組成を表5に示した。
表5.供給物及び集められた画分の濃度及び組成
Figure 0004605368
実施例6.クロマトグラフィー分別から得られた蔗糖及びベタインを含有する画分のナノ濾過
実施例5に従って調製されたクロマトグラフィー分離から得られた45.9%の蔗糖及び5.1%のベタインを含む画分をナノ濾過に付した。
ナノ濾過は実施例1と同じ装置を用いて行った。ナノ濾過の条件は以下の通り:pHは10.1、温度は70℃、交差流速度は約0.5m/sだった。
ナノ濾過膜はディサール(Desal)−5 DLだった。該ナノ濾過は透析濾過モードを用いて行われた。当初の乾燥固体の約50%が膜を通過した時点で停止した。供給物の体積は5リットルであり、最終の濃縮物の体積は3.6リットルだった。
供給物及びナノ濾過から得られた通過物の組成を表6に示した。保持率を表7に示した。
表6.ナノ濾過における供給物及び通過物の組成
Figure 0004605368
表7.ナノ濾過における保持率及び供給物の組成
Figure 0004605368
実施例7:ビート糖蜜のクロマトグラフィー分別
該分別においてパイロットスケールの逐次SMBクロマトグラフィー装置を用いた。該クロマトグラフィーに使用された装置、樹脂及び条件は、クロマトグラフィー分離が以下に示す一連の9工程(操作a、b及びcは、同時に行われた。)に従って行われたことを
除いて、実施例2に記載された通りだった。:
工程1:供給物をカラム1へポンプで注入し、希釈画分をカラム6から溶出した。
工程2a:供給物をカラム1へポンプで注入し、残余の画分をカラム1から溶出した。
工程2b:水をカラム2へ供給し、残余の画分をカラム4から溶出した。
工程2c:水をカラム5へ供給し、希釈画分をカラム6から溶出した。
工程3a:供給物をカラム1へポンプで注入し、残余の画分をカラム1から溶出した。
工程3b:水をカラム2へ供給し、残余の画分をカラム4から溶出した。
工程3c:水をカラム5へ供給し、蔗糖画分をカラム6から溶出した。
工程4:供給物をカラム1へポンプで注入し、蔗糖画分をカラム6から溶出した。
工程5:水をカラム1へ供給し、蔗糖とベタインを含む画分(蔗糖+ベタイン画分)をカラム6から溶出した。
工程6a:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム2から溶出した。
工程6b:水をカラム3へ供給し、残余の画分をカラム5から溶出した。
工程6c:水をカラム6へ供給し、ベタイン画分をカラム6から溶出した。
工程7:水をカラム1へ供給し、ベタイン画分をカラム6から溶出した。
工程8a:水をカラム1へ供給し、残余の画分をカラム3から溶出した。
工程8b:水をカラム4へ供給し、残余の画分をカラム6から溶出した。
工程9:全てのカラムにおいて循環。
異なった工程における体積及び流速を表8に示した。
表8.工程1−9における体積(リットル)及び流速
Figure 0004605368
工程1−9は、平衡に至るまで繰り返された(5ないし7回)。該方法は、平衡段階において続けられた。画分は集められHPLC(Na+型樹脂、0.8mL/min、0.
002M Na2SO4、85℃)にて分析された。供給物及び集められた画分の濃度及び組成を表9に示した。
表9.供給物及び画分の濃度及び組成
Figure 0004605368
実施例8.クロマトグラフィー分離から得られた、88%の蔗糖と10%のベタインを含む画分のナノ濾過
実施例7に従って調製された、クロマトグラフィー分別から得られた88%の蔗糖と10%のベタインを含む画分をナノ濾過に付した。該ナノ濾過は、実施例1と同じ装置で行われ、ナノ濾過膜はNTR−7450、ナノ濾過圧は15バール及び他のナノ濾過条件は表13に示されたものであった。供給物のDSは8.7%だった。ナノ濾過操作において、通過物及び濃縮物(保持物)は供給容器(定常供給)へ再循環された。
ナノ濾過通過物における蔗糖とベタインの含有率を表10に示した。
表10.ナノ濾過における条件及び通過物の組成
Figure 0004605368
実施例9:ナノ濾過物のクロマトグラフィー分離
実施例8のナノ濾過から得られた通過物をクロマトグラフィー分別に付し、蔗糖とベタインを分離した。
該分別においてパイロットスケールの逐次SMBクロマトグラフィー装置を用いた。装置は直列の3本のカラム、供給ポンプ、循環ポンプ及び溶離水のためのポンプ、同様に、プロセスの流れのための注入及び製品バルブより構成された。各カラムは、高さ4.0mで、直径が0.111mであった。カラムには、樹脂の平均粒子径が0.35mm及びDVB含有量が5.5%である、Na+型の強酸ゲルタイプ陽イオン交換樹脂を充填した。
カラム温度は80℃であり、溶離液として水を使用した。クロマトグラフィー分離に先立って、該ナノ濾過物は51.1%の乾燥物質含有率へ濃縮された。
クロマトグラフィー分離は、以下に示す一連の8工程により行われた(操作a、b及びcは、同時に行われた。):
工程1:供給物をカラム1へポンプで注入し、希釈画分をカラム3から溶出した。
工程2a:供給物をカラム1へポンプで注入し、蔗糖画分をカラム1から溶出した。
工程2b:水をカラム2へ供給し、希釈画分をカラム3から溶出した。
工程3a:供給物をカラム1へポンプで注入し、蔗糖画分をカラム1から溶出した。
工程3b:水をカラム2へ供給し、ベタイン画分をカラム3から溶出した。
工程4:全てのカラムにおいて循環。
工程5:水をカラム3へ供給し、蔗糖画分をカラム2から溶出した。
工程6:全てのカラムにおいて循環。
工程7:水をカラム1へ供給し、蔗糖画分をカラム3から溶出した。
工程8:全てのカラムにおいて循環。
異なった工程における体積及び流速を表7に示した。
表11.工程1−8における体積(リットル)及び流速(リットル/h)
Figure 0004605368
工程1ないし8は、平衡に至るまで繰り返された(5ないし7回)。該方法は、平衡段階において続けられた。画分は集められHPLC(Na+型樹脂、0.8mL/min、
0.002M Na2SO4、85℃)にて分析された。供給物及び集められた画分の組成を表12に示した。
表12.供給物及び集められた画分の濃度及び組成
Figure 0004605368
クロマトグラフィー分離における蔗糖の収率は99.4%であり、ベタインの収率は100.0%であった。
技術的な進歩に従い、本発明の概念を種々の方法において実施することができることが当業者にとって明白であろう本発明及びその実施態様は、上述の実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲内において異なっていてもよい。

Claims (43)

  1. ベタイン及び蔗糖を含有する甜菜由来の溶液からベタインを回収する方法であって、該溶液を任意の手順でクロマトグラフィー分別及びナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した画分及び蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
    次いで該ベタインを濃厚化した画分からベタインを回収すること、を特徴とする方法。
  2. ベタインを濃厚化した該溶液からのベタインの回収を、結晶化により行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ベタインを濃厚化した更なる画分または更なる画分群及び所望により蔗糖を濃厚化した更なる画分または更なる画分群及び/又は他の化合物の画分群を回収するための更なるクロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程、
    次いで該ベタインを濃厚化した更なる画分または更なる画分群からベタインを回収すること、
    を含む方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 任意の手順でクロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程を逐次的に行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載の方法。
  5. クロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程を並行して行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載の方法。
  6. 逐次の及び並行するクロマトグラフィー分別及び/またはナノ濾過工程の組み合わせを含む方法であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 以下に示す工程:
    (a)ベタイン及び蔗糖を含む甜菜由来の溶液をクロマトグラフィー分別に付し、ベタイン及び蔗糖を濃厚化した画分及び所望により残余の画分を回収すること、
    (b)ベタイン及び蔗糖を濃厚化した画分をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した画分及び蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
    次いで該ベタインを濃厚化した画分からベタインを回収すること、
    を含む方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 以下に示す工程:
    (a)ベタイン及び蔗糖を含む甜菜由来の溶液をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した画分及び蔗糖を濃厚化した画分を回収すること、
    (b)ベタインを濃厚化した画分をクロマトグラフィー分別に付し、ベタインを濃厚化した第2画分及び所望により残余の画分を回収すること、
    次いで該ベタインを濃厚化した画分からベタインを回収すること、
    を含む方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 以下に示す工程:
    (a)ベタイン及び蔗糖を含む甜菜由来の溶液をクロマトグラフィー分別に付し、ベタインを濃厚化した画分並びに蔗糖を濃厚化した画分及び/または残余の画分を回収すること、
    を含み、続いて以下に示す少なくともひとつの工程:
    (b)残余の画分をナノ濾過に付し、蔗糖を濃厚化した画分及びベタインを濃厚化した画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
    (c)蔗糖を濃厚化した画分をナノ濾過に付し、蔗糖を濃厚化した第2画分及び/またはベタインを濃厚化した画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
    (d)ベタインを濃厚化した画分をナノ濾過に付し、ベタインを濃厚化した第2画分及び所望によりひとつまたはそれ以上の更なる画分を回収すること、
    次いで該ベタインを濃厚化した画分及び該ベタインを濃厚化した第2画分からベタインを回収すること、
    を含む方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 工程(b)で得られるひとつまたはそれ以上の更なる画分がラフィノースを濃厚化した画分及び/または着色化合物を濃厚化した画分よりなることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. ラフィノースを濃厚化した画分がナノ濾過の保持物として回収されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 着色化合物を濃厚化した画分がナノ濾過の保持物として回収されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 工程(b)からのナノ濾過の通過物を更に回収し、そして該通過物を工程(a)のクロマトグラフィー分別で溶離液として用いるために、該分別に戻すことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  14. 工程(b)で得られるひとつまたはそれ以上の更なる画分がイノシトールを濃厚化した画分、アミノ酸類を濃厚化した画分、単糖類を濃厚化した画分及び/またはラフィノースを濃厚化した画分を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  15. ラフィノースを濃厚化した画分がナノ濾過の保持物として回収されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 工程(b)で得られるひとつまたはそれ以上の更なる画分が糖類を濃厚化した画分、イノシトールを濃厚化した画分及び/またはアミノ酸類を濃厚化した画分を含むことを特徴と
    する請求項9に記載の方法。
  17. 該方法のナノ濾過工程において、ベタインを濃厚化した画分がナノ濾過の通過物として回収されることを特徴とする、請求項1〜16の何れかに記載の方法。
  18. 該方法のナノ濾過工程において、蔗糖を濃厚化した画分がナノ濾過の保持物として回収されることを特徴とする、請求項1〜17の何れかに記載の方法。
  19. ベタインを濃厚化した画分及び/または蔗糖を濃厚化した画分及び/またはひとつまたはそれ以上の更なる画分を、ひとつまたはそれ以上のナノ濾過及び/またはクロマトグラフィー分別工程に付すことを特徴とする、請求項1〜18の何れかに記載の方法。
  20. 残余の画分が塩類を濃厚化した画分であることを特徴とする、請求項7〜19の何れかに記載の方法。
  21. 該方法のクロマトグラフィー分別が陽イオン交換樹脂類から選択されるカラム充填物質を用いて遂行されることを特徴とする、請求項1〜20の何れかに記載の方法。
  22. 陽イオン交換樹脂が強酸性陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 陽イオン交換樹脂が弱酸性陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  24. クロマトグラフィー分別が陰イオン交換樹脂類から選択されるカラム充填物質を用いて遂行されることを特徴とする、請求項1〜20の何れかに記載の方法。
  25. 陰イオン交換樹脂が弱塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 樹脂が1価金属の形態をとっていることを特徴とする、請求項21〜23の何れかに記載の方法。
  27. 1価金属が主にNa+及び/またはK+であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 樹脂が2価金属の形態をとっていることを特徴とする、請求項21〜23の何れかに記載の方法。
  29. 2価金属が主にCa2+であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 樹脂がスチレン骨格を有することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  31. 樹脂がアクリル酸骨格を有することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  32. 樹脂がジビニルベンゼンと架橋していることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  33. 該方法のクロマトグラフィー分別において、カラム充填物質が、ジビニルベンゼンと架橋したスチレン骨格を有する、主にNa+及び/またはK+の形態をとっている強酸性陽イオン交換樹脂から選択されることを特徴とする、請求項1〜20の何れかに記載の方法。
  34. 該方法のクロマトグラフィー分別が回分プロセスにより達成されることを特徴とする、請求項1〜33の何れかに記載の方法。
  35. 該方法のクロマトグラフィー分別が擬似移動床プロセスにより達成されることを特徴とする、請求項1〜33の何れかに記載の方法。
  36. 該方法のクロマトグラフィー分別が連続擬似移動床プロセスにより達成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  37. 該方法のクロマトグラフィー分別が逐次的擬似移動床プロセスにより達成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  38. 該方法のナノ濾過は、100ないし2500g/molのカット−オフサイズである重合体の及び無機の膜から選択されたナノ濾過膜を用いて遂行されることを特徴とする、請求項1〜37の何れかに記載の方法。
  39. 前記膜が150乃至1000g/molのカット−オフサイズであることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
  40. 前記膜が150乃至500g/molのカット−オフサイズであることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
  41. 該方法のナノ濾過工程
    4.8L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び45%のNaCl−保持率である、芳香族ポリアミドよりなる膜、
    − 200g/molのカット−オフサイズ、7−8L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び70%のNaCl−保持率である、ポリピペラジン膜)、及び
    −500ないし1000g/molのカット−オフサイズ、9.4L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び51%(5g/L)のNaCl−保持率である、スルホン化ポリエーテルスルホン膜
    から選択されるナノ濾過膜を用いて遂行されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
  42. ナノ濾過膜が
    500ないし1000g/molのカット−オフサイズ、9.4L/(m2h バール)の透過率(25℃)及び51%(5g/L)のNaCl−保持率である、スルホン化ポリエーテルスルホン
    であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 甜菜由来の溶液が糖蜜溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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