JP4604868B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、周剛性の低下を抑制しつつ、縦剛性を低下させることのできる空気入りタイヤに関する。
近年においては、操縦安定性等の向上を目的として、空気入りタイヤの低偏平率化が進んでいる。特許文献1には、ビード外側のカーカスを屈曲させて、特定の2点間における実長を直線距離の1.3倍以上とし、ビード部の耐久性を向上させる空気入りタイヤが開示されている。
特開2000−225816号公報
ところで、空気入りタイヤの偏平率を低くすると、操縦安定性等は向上するが、乗り心地は低下する。操縦安定性は、空気入りタイヤの周剛性を高めることにより向上し、乗り心地は、空気入りタイヤの縦剛性を低くすることで向上する。ここで、ビード部におけるカーカスの巻上げ高さを変化させたり、ビードフィラーの高さや硬度を変化させたりすることによって、周剛性や縦剛性を変化させることができる。
しかし、このような方法によって縦剛性を低下させると、同時に周剛性を低下してしまい、操縦安定性と乗り心地とを両立させることは困難であった。特許文献1は、かかる観点には着目されておらず、周剛性を維持しつつ縦剛性を低下させることに対しては、改善の余地がある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周剛性の低下を抑制しつつ縦剛性を低下させて、操縦安定性を確保しつつ乗り心地を改善できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、ビードコアから半径方向外側に向かって延在するビードフィラーと、前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される部分に蛇行部を有し、かつ前記蛇行部は、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから前記ビードフィラーの半径方向外側端部までの高さHfの10%以上60%以下の範囲に配置されるカーカスと、を含むことを特徴とする。
この空気入りタイヤは、ビードフィラーの幅方向外側に設けられるカーカスにより周剛性を確保しつつ、このカーカスに設けられる蛇行部によって縦剛性を低下させることができる。また、前記蛇行部を、ビードフィラーの頂部及びビードコア頂部からある程度離れた位置に配置するので、効果的に操縦安定性を確保しつつ乗り心地を向上させることができる。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから前記ビードフィラーの半径方向外側端部までの高さHfの10%以上60%以下の範囲には、前記Hfの少なくとも5%の大きさの前記蛇行部が配置されることが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから起算した、前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される前記カーカスの実長Bは、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから起算し、かつ前記ビードフィラーの幅方向外側に沿って測定した、前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される前記カーカスの長さAに対して、103%以上125%以下とすることが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記空気入りタイヤの幅方向外側において前記蛇行部に隣接するゴムのうち、少なくとも前記蛇行部の頂部間に存在するゴムの硬度を、サイドウォール部のゴムの硬度よりも大きくすることが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記蛇行部の頂部間に存在するゴムの硬度は、前記ビードフィラーのゴムの硬度以上とすることが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記カーカスは、前記ビードフィラーの少なくとも半径方向外側端部を包むことが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記ビードコアの半径方向における頂部から、前記ビードフィラーの半径方向における頂部までの大きさは、前記空気入りタイヤの中心軸を通る子午断面における前記空気入りタイヤの高さの25%以上であることが好ましい。
次の本発明に係る空気入りタイヤのように、前記空気入りタイヤの偏平率は55%以下であることが好ましい。
本発明によれば、周剛性の低下を抑制しつつ、縦剛性を低下させることのできる空気入りタイヤを提供できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
この実施形態に係る空気入りタイヤは、ビードフィラーの幅方向外側に存在するカーカスに蛇行部を設けるとともに、前記蛇行部を、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから前記ビードフィラーの半径方向外側端部までの高さHfの10%以上60%以下の範囲に配置する点に特徴がある。
図1は、この実施形態に係る空気入りタイヤを、JATMA規定の正規リムにリム組みし、JATMA規定の正規内圧を入れて、その中心軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。なお、JATMA規定の正規リムは図示していない。図2−1、図2−2は、空気入りタイヤの軸の説明図である。空気入りタイヤ1の回転軸はY軸である。X軸はY軸に直交し、かつ空気入りタイヤ1の進行方向に対して平行な軸である。また、Z軸は、X軸及びY軸に直交するとともに、路面Lと直交する軸である。ここで、縦剛性とは、空気入りタイヤ1の半径方向、すなわちX軸又はZ軸方向の剛性をいう。また、周剛性とは、空気入りタイヤ1の周方向(図2−1の矢印S方向)の剛性をいう。
次に、図1を用いて、この実施形態に係る空気入りタイヤの構造を説明する。図1に示すように、キャップトレッド2は、空気入りタイヤ1の路面接地部に配置されており、カーカス6、ベルト5又はブレーカの外側を覆うゴム層である。キャップトレッド2は、路面等からの衝撃や外傷からカーカス6やベルト5を保護するとともに、摩耗寿命を延長する役目を持っている。
アンダトレッド3は、キャップトレッド2とベルト5との間に配置されるゴム層で、発熱性、接着性等を向上させる目的で用いられる。サイドトレッド4は、サイドウォール部13の最も外側に配置されて、空気入りタイヤ1の外部からの傷がカーカス6に達するのを防止するとともに、ラジアル空気入りタイヤの場合には、車軸からの駆動力を路面に伝える補助的役割も担っている。
ベルト5は、キャップトレッド2とカーカス6との間に配置されたゴム引きコード層である。なお、バイアス空気入りタイヤの場合、ベルト5は、ブレーカと呼ばれる。ラジアル空気入りタイヤにおいて、ベルト5は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。カーカス6は空気入りタイヤ1の骨格をなすゴム引きコード層である。カーカス6は、空気入りタイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、空気入りタイヤ1に充填された空気の内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造を有している。
ビード部9は、内圧によって発生するカーカス6のコード張力を支えているスチールワイヤの束を、硬質ゴムで固めたリングである。ここで、前記スチールワイヤの束が、ビードコア7となる。ビード部9は、空気入りタイヤ1をホイールのリムに固定させる役割を果たす他、カーカス6、ベルト5及びトレッドとともに、空気入りタイヤ1の強度部材となる。ビードフィラー8は、カーカス6をビードコア7の周囲に巻き込む際に生ずる空間へ充填するゴムである。そして、ビードフィラー8は、カーカス6をビードコア7に固定するとともにその部分の形状を整え、ビード部9全体の剛性を高める。
図1に示すように、この実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビードフィラー8の幅方向(Y軸と平行な方向)外側に配置されるカーカス6を蛇行させ、蛇行部10を設ける。これにより、カーカス6の蛇行部10における実長が、ビードコア7とビードフィラー8の頂点との距離に対して長くなるようにする。このようにすることで、ビードフィラー8の幅方向外側に設けられるカーカス6により空気入りタイヤ1の周剛性を確保しつつ、カーカス6の蛇行部10によって縦剛性を低下させることができるので、操縦安定性を確保しつつ乗り心地が向上する。次に、この実施形態に係る空気入りタイヤ1の蛇行部10について、より詳細に説明する。
図3−1、図3−2は、この実施形態に係る空気入りタイヤを、その中心軸を含む子午面で切ったビード部の断面を示す一部断面図である。図3−1及び図3−2を用いて、ビードフィラー8の幅方向外側におけるカーカス6の実長、及びビードフィラー8の幅方向外側におけるカーカス6の基準長について説明する。図3−1に示す空気入りタイヤ1は、カーカス6がビードフィラー8の幅方向外側を、ビードフィラー8の半径方向外側端部(以下ビードフィラー頂部)8tまですべて覆うものであり、図3−2に示す空気入りタイヤ1aは、カーカス6がビードフィラー8の幅方向外側を、その途中まで覆うものである。
図3−1に示す空気入りタイヤ1は、ビードフィラー8の幅方向外側に、カーカス6の蛇行部10を備えている。空気入りタイヤ1において、ビードコア7の幅方向(Y軸と平行な方向)外側でカーカス6がビードコア7に接し始める位置(x)(以下起算点)6Sから起算した、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の実際の長さ(すなわち実長)Bは、起算点6Sとビードフィラー頂部8tとの距離Aよりも大きくなる。一方、カーカス6が、ビードフィラー8の幅方向外側に蛇行部10を備えていない場合、前記実長Bは、起算点6Sとビードフィラー頂部8tとの距離と略等しくなる。
ここで、図3−1に示す空気入りタイヤ1のように、ビードフィラー8の幅方向外側をビードフィラー頂部8tまでカーカス6がすべて覆う場合(いわゆるハイターンアップ構造)、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の実長Bは、起算点6Sとビードフィラー頂部8tとの間におけるカーカス6の実際の長さになる。また、図3−2に示す空気入りタイヤ1aのように、カーカス6がビードフィラー8の幅方向外側を、その途中まで覆う場合、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の実長Bは、起算点6Sからカーカス端部6tまでにおけるカーカス6の実際の長さになる。
ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の蛇行部10の長さによって、起算点6Sから起算した、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bは変化する。この実施形態において、カーカス6の蛇行部10が空気入りタイヤ1の剛性に与える影響を考えるにあたり、所定の基準長Aに対する、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の実長Bの比(蛇行比)B/Aで表す。なお、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の実長Bを、以下、単にカーカス6の実長Bという。
ここで、所定の基準長とは、起算点6Sから起算し、かつビードフィラー8の幅方向外側に沿って測定した、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の長さである。図3−1に示す空気入りタイヤ1のように、ビードフィラー8の幅方向外側をビードフィラー頂部8tまでカーカス6がすべて覆う場合、所定の基準長Aは、起算点6Sとビードフィラー頂部8tとの距離とする。一方、図3−2に示す空気入りタイヤ1aのように、カーカス6がビードフィラー8の幅方向外側を、その途中まで覆う場合、所定の基準長Aは、起算点6Sとカーカス6の端部(カーカス端部)6tまでの距離とする。
図4は、いわゆるハイターンアップ空気入りタイヤにおける蛇行比と剛性との関係を示す説明図である。図4の縦軸は剛性であり、蛇行部10を有しない空気入りタイヤにおける値を100とした指数表示である。図4の横軸は、前記蛇行比B/A(百分率表示)である。図3−1に示すような、いわゆるハイターンアップ構造において、蛇行比B/Aが100%の場合は、カーカス6が蛇行部10を持たない場合である。蛇行比B/Aが小さい場合、すなわちビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bが小さいと、縦剛性の低下は小さい。
蛇行比B/Aが大きくなるにしたがって、すなわち、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bが大きくなるにしたがって空気入りタイヤ1の縦剛性は低下するが、周剛性は略一定であることがわかる。一方、蛇行比B/Aを125%よりも大きくしても、縦剛性及び周剛性はほとんど変化しなくなる。また、蛇行比B/Aが125%よりも大きくなると、蛇行部10を配置する領域が少なくなり、また蛇行部10の折り返しが増加するので、実現が困難になる。
この実施形態に係る空気入りタイヤ1では、蛇行比B/Aを103%以上125%以下、すなわち、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bを基準長Aに対して103%以上125%以下とすることにより、空気入りタイヤ1の周剛性を維持しつつ、縦剛性を低下させる。より好ましくは、蛇行比B/Aが105%以上120%以下、すなわち、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bが基準長Aに対して105%以上120%以下の範囲である。これにより、さらに効果的に空気入りタイヤ1の周剛性を維持しつつ、縦剛性を低下させることができる。
なお、図3−2に示す空気入りタイヤ1aのように、カーカス6がビードフィラー8の幅方向外側を、その途中まで覆う場合、蛇行比B/Aが103%以上115%以下、すなわち、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bが基準長Aに対して103%以上115%以下とすることがより好ましい。これにより、さらに効果的に空気入りタイヤ1の周剛性を維持しつつ、縦剛性を低下させることができる。次に、蛇行部10の位置について説明する。
図5は、蛇行部の高さ及びビードフィラーの高さの説明図である。蛇行部の高さ(以下蛇行部高さ)Hs及びビードフィラーの高さ(以下フィラー高さ)Hfは、いずれもZ軸(空気入りタイヤ1の回転軸であるY軸と直交する軸)と平行な方向、すなわち、空気入りタイヤ1の半径方向で定義する。蛇行部高さHsは、Z軸と平行な方向において、カーカス6が有する蛇行部10の蛇行部始点10sから蛇行部終点10eまでの距離である。また、フィラー高さHfは、ビードコア7の幅方向(Y軸と平行な方向)外側でカーカス6がビードコア7に接し始める位置(x)、すなわち起算点6Sからビードフィラー頂部8tまでの距離である。
図6は、蛇行部の位置による縦剛性の変化を示す説明図である。蛇行部10の位置は、フィラー高さHfを100としたときにおける起算点6Sからの蛇行部10の位置で表してある。また、縦剛性は、蛇行部10を有しない空気入りタイヤにおける値を100として、指数表示してある。図6の結果は、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bは、基準長Aの110%に固定し、また、蛇行部高さHsは、フィラー高さHfの10%に固定して、蛇行部10の位置のみを変化させている。なお、蛇行位置がいずれの位置でも、周剛性は蛇行部10を有しない空気入りタイヤにおける値の99.9%〜100%の範囲になる。
図6に示すように、蛇行部10の位置が起算点6Sに近すぎると、ビードコア7やホイールのリムに蛇行部10が拘束されて、蛇行部10の半径方向に対する変形が少なくなるので、縦剛性を低下させる効果は少なくなる。また、蛇行部10の位置がビードフィラー頂部8tに近すぎると、空気入りタイヤ1が縦変形する際にビードフィラー8が倒れ込む位置よりも空気入りタイヤ1の半径方向外側に蛇行部10が位置することになる。このため、蛇行部10の半径方向に対する変形が少なくなり、縦剛性を低下させる効果は少なくなる。また、図6に示すように、ビードフィラー頂部8tに近づくほど、ビードフィラー8が細くなるため、蛇行部10を配置することが困難になる。
このように、蛇行部10の位置がビードフィラー頂部8tに近すぎても、起算点6Sに近すぎても空気入りタイヤ1の縦剛性の低下は少なく、また、ビードフィラー頂部8tに近すぎる場合は、蛇行部10の配置が困難となる。したがって、蛇行部10は、ビードフィラー頂部8t及び起算点6Sからある程度離れた位置に配置することが好ましい。具体的には、蛇行部10を、フィラー高さHfの10%以上60%以下の範囲に配置することが好ましい。このようにすれば、周剛性を維持しつつ縦剛性を低下させることができるので、操縦安定性を確保しつつ乗り心地を向上させることができる。なお、上記範囲から外れる範囲においては、カーカス6は蛇行していてもよいし、蛇行していなくてもよい。
ここで、蛇行部高さHsが小さすぎると、蛇行部10の屈曲がきつくなり、カーカス6の耐久性が低下する。また、蛇行部高さHsが小さすぎると、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6の実長Bを確保することも困難になる。したがって、蛇行部高さHsは、フィラー高さHfの5%以上とすることが好ましい。蛇行部10の位置と蛇行部高さHsとの関係は、フィラー高さの10%以上60%以下の範囲にある蛇行部10の大きさが、フィラー高さHfの5%以上であればよい。このようにすれば、周剛性を維持しつつ縦剛性を低下させることができるので、操縦安定性を確保しつつ乗り心地を向上させることができる。
図7は、この実施形態の変形例に係る空気入りタイヤを、その中心軸を含む子午面で切ったビード部の断面を示す一部断面図である。この変形例に係る空気入りタイヤ1bは、カーカス6の蛇行部10の幅方向外側に隣接するゴムのうち、少なくとも蛇行部頂部10k間の領域(以下頂部間領域)11に存在するゴムの硬度は、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度よりも高くしてある。ここで、ゴムの硬度は、JIS−A硬度であり、JIS K 6253に準拠して測定されるものである。
図8は、この変形例に係る空気入りタイヤの周剛性と縦剛性との関係を示す説明図である。図8の空気入りタイヤTBは、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6が蛇行部10を備えず、かつ、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6は、ビードフィラー8全体を覆う空気入りタイヤである。また、図8の空気入りタイヤTB1は、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6が蛇行部10を備えず、かつ、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6は、ビードフィラー8の途中までを覆う空気入りタイヤである。なお、図8は、空気入りタイヤTBの周剛性及び縦剛性の値を100として、他の空気入りタイヤの周剛性及び縦剛性を表している。
図8に示すように、空気入りタイヤTB1は、蛇行部10を備えず、かつ、外側のカーカス6はビードフィラー8の途中までを覆うので、縦剛性は空気入りタイヤTBよりも低下するとともに、周剛性も空気入りタイヤTBよりも低下する。空気入りタイヤT1、T2は、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6が蛇行部10を備え、かつ、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6は、ビードフィラー8全体を覆う空気入りタイヤである。そして、空気入りタイヤT1は、頂部間領域11に存在するゴムの硬度を、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度と同じにしてあり、空気入りタイヤT2は、頂部間領域11に存在するゴムの硬度を、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度よりも高くしてある。
図8に示すように、空気入りタイヤT1は、カーカス6が蛇行部10を備えるので、縦剛性が空気入りタイヤTBよりも低下して乗り心地は改善される。また、空気入りタイヤT1は、外側のカーカス6がビードフィラー8全体を覆うので、周剛性は空気入りタイヤTB1よりも高くなるが、周剛性は空気入りタイヤTBよりも低くなる。一方、空気入りタイヤT2は、カーカス6が蛇行部10を備えるので、縦剛性は空気入りタイヤTBよりも低下して乗り心地は改善される。また、空気入りタイヤT2は、頂部間領域11に存在するゴムの硬度を、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度よりも高くしてあるので、周剛性は空気入りタイヤTBと同等に維持することができる。
これにより、空気入りタイヤT2は、縦剛性を低下させつつ周剛性を維持することができるので、操縦安定性を確保しつつ乗り心地を向上させることができる。ここで、例えば、頂部間領域11に存在するゴムの硬度は、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度よりも5ポイント以上高くすることが好ましい。また、頂部間領域11に存在するゴムの硬度は、ビードフィラー8を構成するゴムの硬度以上とすることがより好ましい。この場合、例えば、JIS−A硬度で70〜95のゴムを頂部間領域11に配置することが好ましい。このようにすれば、より効果的に縦剛性を低下させつつ周剛性を維持することができる。
この変形例に係る空気入りタイヤ1bでは、頂部間領域11のゴムのみならず、ビードフィラー8の幅方向外側に配置されるカーカス6の全体にわたって、前記カーカス6の幅方向外側に隣接するゴムの硬度を、サイドウォール部13を構成するゴムの硬度よりも高くしてもよい。さらに、サイドウォール部13を構成するゴムよりも硬度を高くするゴムを、ビードフィラー頂部8tの半径方向外側の領域まで配置してもよい。さらに、ゴムの硬度が上記範囲であれば、同一のゴムを用いなくてもよいし、サイドウォール部13を構成するゴムよりも硬度を高くするゴムを配置する領域を複数に分割してもよい。
図9、図10は、この実施形態に係る空気入りタイヤが複数のカーカスを備える例を示す一部断面図である。図9に示す空気入りタイヤ1cは、ビードフィラー8を直接包む第1カーカス6aと、第1カーカス6aを包む第2カーカス6bとを備える。また、図10に示す空気入りタイヤ1dも、ビードフィラー8を直接包む第1カーカス6aと、第1カーカス6aを包む第2カーカス6bとを備える。このような場合、図9に示す空気入りタイヤ1cのように、第1及び第2カーカス6a、6bの両方に蛇行部10を設けてもよいし、図10に示す空気入りタイヤ1dのように、ビードフィラー8を直接包む第1カーカス6aに蛇行部10を設け、第2カーカス6bには蛇行部を設けないようにしてもよい。なお、図9、図10中の6Sは、ビードコア7にカーカス6が接し始める点(起算点)である。
図11は、この実施形態に係る空気入りタイヤがカーカスの外側にビード補強層を備える例を示す一部断面図である。図11に示す空気入りタイヤ1eは、ビードフィラー8の幅方向外側に存在するカーカス6が蛇行部10を備え、さらに、前記カーカス6の幅方向外側であってサイドウォール部13側には、ビード補強層12が設けられる。この空気入りタイヤ1eでは、カーカス6とともにビード補強層12も蛇行して、両者がともに蛇行部10を構成する。この実施形態に係る空気入りタイヤが採用する構造は、周剛性を維持しつつ縦剛性を低下させるものであり、周剛性の上昇を目的とするものではないので、ビード補強層12を備える空気入りタイヤのように、もともと周剛性の高い構造に適用することが好ましい。
周剛性の高い構造としては、例えば図1や図3−1に示す空気入りタイヤ1のように、カーカス6の折り返し高さがビードフィラー8を完全に包み込む、いわゆるハイターンアップの構造がある。このような構造に対して、この実施形態に係る空気入りタイヤが採用する構造を適用することが好ましい。なお、図9に示す空気入りタイヤ1cのように、複数のカーカスを備える場合、折り返し高さの高い方のカーカスがビードフィラー8を完全に包み込んでいれば、ハイターンアップの構造となる。
また、この実施形態に係る空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤに好ましく、さらには、偏平率が55%以下の乗用車用空気入りタイヤに好ましい。近年の乗用車用空気入りタイヤは、ブレーキ性能や操縦安定性を向上させるために、偏平化(インチアップ)が進んでいるが、偏平化によって乗り心地は損なわれる。この実施形態に係る空気入りタイヤによれば、周剛性を維持することによる操縦安定性向上等といった偏平化の利点を確保しつつ、縦剛性の低下による乗り心地の向上を図ることができる。
また、この実施形態に係る空気入りタイヤは、フィラー高さHf(図5参照)が、空気入りタイヤの断面高さHtの25%以上である空気入りタイヤに対して適用することが好ましい。フィラー高さHfが、空気入りタイヤの断面高さの25%よりも小さい場合、周剛性が低下するとともに蛇行部10を確保しにくくなるので、周剛性を維持しつつ縦剛性を低下させる効果が小さくなるからである。
以上、この実施形態に係る空気入りタイヤは、ビードフィラーの幅方向外側に設けられるカーカスにより周剛性を確保しつつ、このカーカスに設けられる蛇行部によって縦剛性を低下させることができる。また、前記蛇行部を、ビードフィラーの頂部及びビードコア頂部からある程度離れた位置に配置するので、効果的に操縦安定性を確保しつつ乗り心地を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、乗用車やトラック、バス用の空気入りタイヤに有用であり、特に、周剛性の低下を抑制しつつ、縦剛性を低下させることに適している。
この実施形態に係る空気入りタイヤを、JATMA規定の正規リムにリム組みし、JATMA規定の正規内圧を入れて、その中心軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。 空気入りタイヤの軸の説明図である。 空気入りタイヤの軸の説明図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤを、その中心軸を含む子午面で切ったビード部の断面を示す一部断面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤを、その中心軸を含む子午面で切ったビード部の断面を示す一部断面図である。 蛇行比と剛性との関係を示す説明図である。 蛇行部の高さ及びビードフィラーの高さの説明図である。 蛇行部の位置による縦剛性の変化を示す説明図である。 この実施形態の変形例に係る空気入りタイヤを、その中心軸を含む子午面で切ったビード部の断面を示す一部断面図である。 この変形例に係る空気入りタイヤの周剛性と縦剛性との関係を示す説明図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤが複数のカーカスを備える例を示す一部断面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤが複数のカーカスを備える例を示す一部断面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤがカーカスの外側にビード補強層を備える例を示す一部断面図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d、1e 空気入りタイヤ
2 キャップトレッド
3 アンダトレッド
4 サイドトレッド
5 ベルト
6 カーカス
6a 第1カーカス
6b 第2カーカス
6 カーカス
6S 起算点
6t カーカス端部
7 ビードコア
8 ビードフィラー
8t ビードフィラー頂部
9 ビード部
10 蛇行部
10s 蛇行部始点
10e 蛇行部終点
10k 蛇行部頂部
11 頂部間領域
12 ビード補強層
13 サイドウォール部

Claims (8)

  1. ビードコアから半径方向外側に向かって延在するビードフィラーと、
    前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される部分に蛇行部を有し、かつ前記蛇行部は、前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから前記ビードフィラーの半径方向外側端部までの高さHfの10%以上60%以下の範囲に配置されるカーカスと、
    を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから前記ビードフィラーの半径方向外側端部までの高さHfの10%以上60%以下の範囲には、前記Hfの少なくとも5%の大きさの前記蛇行部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから起算した、前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される前記カーカスの実長Bは、
    前記ビードコアの幅方向外側でカーカスがビードコアに接し始める位置xから起算し、かつ前記ビードフィラーの幅方向外側に沿って測定した、前記ビードフィラーの幅方向外側に配置される前記カーカスの長さAに対して、103%以上125%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記空気入りタイヤの幅方向外側において前記蛇行部に隣接するゴムのうち、少なくとも前記蛇行部の頂部間に存在するゴムの硬度を、サイドウォール部のゴムの硬度よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記蛇行部の頂部間に存在するゴムの硬度は、前記ビードフィラーのゴムの硬度以上であることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカスは、前記ビードフィラーの少なくとも半径方向外側端部を包むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビードコアの半径方向における頂部から、前記ビードフィラーの半径方向における頂部までの大きさは、前記空気入りタイヤの中心軸を通る子午断面における前記空気入りタイヤの高さの25%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記空気入りタイヤの偏平率は55%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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