JP4604618B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体あるいは中間転写体に転写する画像形成装置及び画像形成方法に係り、具体的には電子写真記録、静電記録などの方式により画像を記録する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、その技術の発展と市場要求の拡大に伴い複写機、プリンターなど現在様々な分野で利用されている。
電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体(像担持体)上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写・定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
従来、トナーはその製法が混練粉砕製法であったため、意図的なトナー形状及び表面構造の制御は困難であり、また、微粉の発生やトナー形状の変化を招いたりすることがしばしばであった。これらの影響により2成分現像剤においては、微粉のキャリア表面への固着により現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分現像剤においては、粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じやすかった。
これに対し、意図的にトナー形状及び表面構造を制御する方法としての乳化重合凝集法を利用したトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2等参照)。
乳化重合凝集法は、通常、粒径1μm以下の、微粒化された原材料を出発物質とするため、原理的に小径トナーを効率的に作製することができる。詳しく述べれば、この方法は、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作製し、一方、溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製し、これらの樹脂分散液と着色剤分散液とを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、その後加熱することによって凝集粒子を融合合一することによりトナーを得るものである。
通常、このようなトナー製造方法では、得られたトナーの表面と内部とは同様の組成となるため意図的に表面組成を制御することは困難である。しかし、この問題に対しては、乳化重合凝集法によりトナーを製造する際に、トナーの内部層から表面層への自由な制御を行うことにより、より精密な粒子構造制御を実現する手段が提案されてきている(特許文献3参照)。
このようにトナーの小径化が容易で、かつ、精密な粒子構造制御が可能なトナー製造方法により得られたトナーを用いて画像形成を行うことにより、従来の電子写真画像の画質は飛躍的に高まり、しかも高い信頼性との両立が可能となってきた。
一方、近年、上記のようなトナー・現像剤技術を用いた電子写真による画像形成法は、デジタル化・カラー化の進展によって、印刷領域の一部へ適用されはじめ、オンデマンドプリンテイングを初めとするグラフィックアーツ市場における実用化が顕著となり始めている。
例えば、ショートラン印刷市場においては、電子写真法における無版印刷の特徴を生かしてモノクロ印刷のみならず、富士ゼロックスColorDocuTech60で代表されるようなショートランカラー市場をターゲットとする技術が開発され、画質、用紙対応性、製品価格、枚あたり価格の観点で大きな進展が見られつつある(非特許文献1参照)。
しかしながら、電子写真法における無版印刷は、本来の本格的従来型印刷と比較した場合、無版印刷としてのオンデマンド性の特徴はあるものの、その色再現域、解像度、光沢特性に代表される画質、質感、同一画像内における画質均一性、長時間連続プリント時の画質の維持性、高画像密度時のトナー消費量に起因する高枚あたり価格、より薄い紙やより厚い紙に対する対応性、画像定着時のオイルなどに起因する画像欠陥や筆記性不良、高速での高温定着による高消費電力、高温高圧での画像定着に起因する用紙の伸び、カール、波うち、両面時のトンボレジストレーションのずれなどが生じ、問題となりやすい。
また、原理的に比較的低軟化点の低分子樹脂からなるトナー画像を熱定着することから、画像の熱や機械的耐久性に関し、印刷画像よりも弱い場合があり、例えば、幾重にも折り曲げられたり、製本され多重に重ねられて高加重状態で高温下にさらされたりした場合、画像の欠損やブロッキング、オフセット、屋外暴露に伴う耐光性、耐候性など様々なストレスに対する耐久性に問題を生じる場合がある。
このように、グラフィックアーツ市場及びショートラン(軽印刷市場と言っても良い)市場の要求に応えるためには、従来の電子写真技術を、システムとして、さらに高度に発展させた技術が必要となってきている。
前記トナーの小径化は、解像度の高い高画質画像が得られ、トナー消費量を低減し枚当たり価格を下げることができるという点から上記要求に応える技術として効果的であり、また先に述べた乳化重合凝集法によれば、従来の混練粉砕製法では得がたかった5μm以下の小径トナーが容易に生産可能となる。ただし、小径トナーはその付着性の高さから転写性やクリーニング性の観点からは不利となり、信頼性の問題を起こすことが多い。
具体的には転写効率の低下によって感光体や中間転写体への転写残トナーが増加したり、表面平滑度の低いラフ紙への転写性の悪化から画像濃度むら、画像欠損などが発生したりしやすくなる。また、ブレードを用いたクリーニングシステムでは、ブレードからのすりぬけなどにより十分なクリーニングができずにクリーニング不良による画像欠陥、背景部の汚れ、筋などの発生を招いたりする。特にこれらの画質の低下は連続走行時などに見られることが多い。
一方、湿式製法によればトナー形状制御が可能なため、トナー形状を球状化することにより高転写効率を実現することが可能であり、これにより、より忠実にトナー画像を転写することで高画質な画像を得ることができ、この点からも上記要求に応える技術として湿式製法は有効である。しかし、このような球状トナーも、前記ブレードクリーニングシステムによるクリーニングが困難であるという問題がある。具体的には球状であるために転がりやすく接触点も少ないことから滑りやすいため、ブレードと像担持体表面との接触領域内において転がったり滑ったりすることによりすり抜けやすく、クリーニング不良による画像欠陥などが発生しやすい。
これに対し、ブレードの像担持体に対する当接圧力を大きく設定すると、初期的には球状トナーをクリーニングすることができるが、ブレードの先端部分が磨耗劣化しやすく早期にクリーニング不良が発生したり、像担持体表面も磨耗しやすく早期に交換しなければならなったりする問題が生じる。また、ブラシを使用したクリーニングシステムでは、根本的にブレードシステムよりクリーニング性能が劣るため、用紙ジャム等で100%近いカバレッジのベタ画像が転写部を通過してクリーニング部に到達してきた場合、トナー形状に関わりなく十分にクリーニングすることができない。
このように、球状トナーに対してはクリーニング性能が高く、長期に安定してそのクリーニング性能を維持する信頼性の高いクリーニングシステムがないのが現状であり、電子写真技術における大きな課題になっている。
上記小径トナーや球状トナーに対するクリーニング性を確保するためには、原理的に、クリーニング手段としてバイアス印加手段を具備したクリーニングシステムを使用することが有効と考えられる。これは、クリーニング時に作用する機械的な掻き取り力のみでは小径トナーや球状トナーは良好にクリーニングできないため、トナーの有する電荷を利用して、バイアス印加による静電的な力を作用させることにより、効果的にクリーニングするという考え方である。
上記バイアスを印加するクリーニングシステムとしては、例えばブラシを使用する方式やブレードを使用する方式が提案されており(例えば、特許文献4、5参照)、どちらもバイアス電圧としてトナーと逆極性の電圧を印加してトナーを静電的に吸引することにより、クリーニング効果を高めることができるとしている。また、バイアス印加方式として、交流電圧を印加する方式や、トナーと同極性のバイアス電圧を印加する方式がそれぞれ提案されている(例えば、特許文献6〜8参照)。
しかし、いずれの方式においても、転写時に高電界下を通過する際に、電荷注入によりトナーの電荷は変異されてしまい、像担持体上に残留するトナーは、ほとんど帯電していなかったり、逆極性に変異されたりしているため、バイアス電圧の効果を十分に発揮することができない問題が生じていた。さらに、従来湿式製法トナーの場合、転写時に電荷注入により電荷分布がブロードになりやすい傾向をもっており、小径トナーや球状トナーに所望のバイアス効果をクリーニング時に与えることができなかった。
上記湿式製法トナーが転写時にその電荷分布がブロードになりやすい要因は、トナー粒子径を制御あるいは維持するために、多少の程度差はあれ、界面活性剤あるいは分散剤(以下、「安定剤」とも称す)を添加しているためと考えられる。そのため、通常湿式製法によるトナー粒子を形成した後は、安定剤をトナー粒子から除去するための洗浄工程が実施されている。
トナー粒子から安定剤を除去するための方法は、多くがトナー粒子を水で洗浄する方法であるが、例えば水洗浄について、脱イオン水中に10質量部添加して撹拌して得た溶液の電気伝導度1〜100μS/cmとする方法があるが(例えば、特許文献9参照)、この方法では、トナー特性に影響する表面近傍及び内部に残存する安定剤に関して規定できているとはいえない。したがって、初期的にはトナー表面の外添剤の効果により優れた帯電特性、誘電特性、流動性が得られるが、実機走行中のトナー粒子からの外添剤の剥離、トナー表面の凹部における外添剤の埋没によってトナー粒子が劣化してきた際に、前記特性が低下することは避けられない。
また、水洗浄以外にアルカリ洗浄を行うことがある(例えば、特許文献10参照)。確かにアルカリにより安定剤の洗浄水への溶解度は高まり、洗浄性は高まると予想されるが、これも前記のようにトナー表面近傍及び内部に残存する安定剤を除去する効果は小さい。また、溶液中に浮遊している大量の安定剤についても分離しがたいという問題点があり、なるべく安定剤を減少させようとすると必要な洗浄水量が莫大なものとなってしまう。さらに、乳化重合凝集法トナーなどでは、トナー内部に残存している安定剤に関しては、理論的に除去できない。
以上のように、前記市場の要求に対応していくためには、前記小径トナーや球形トナーは必須であるが、これらのトナーを、転写、クリーニングなどのプロセスで効果的に、かつ信頼性高く使用することには未だ大きな技術課題がある。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特許第3141783号公報 特公昭42−16590号公報 特公昭45−25237号公報 特開昭56−167173号公報 特開昭57−60363号公報 特開昭57−64279号公報 特開平7−319205号公報 特開平5−142847号公報 日本画像学会誌 Vol.40 No.2(2001)
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、転写性、クリーニング性が良好で、画像欠陥のない鮮明な高画質画像の形成が可能なだけでなく、極めて維持性に優れ、安定して高画質・高品位のカラー画像を形成できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
上記の課題は、以下の本発明により達成される。本発明者等は、鋭意検討の結果、トナー中の残留安定剤をある一定範囲内に低減させ、誘電特性を一定値以下に保持したトナーとすることにより、良好な転写特性が得られ、その結果、転写後に像担持体に残留したトナーをバイアスアシストにより効果的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
<1> 少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着手段と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記トナーとして誘電損率が0.001〜0.02の範囲のトナーを用い、前記クリーニング手段におけるクリーニング部材にバイアスが印加され、前記クリーニング部材として、少なくともブレードを用い、前記転写手段における前記トナー像の転写は、接触転写ロールを用いて行なうことを特徴とする画像形成装置である。
<2> 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 前記トナーの体積平均粒径が、2〜6μmの範囲であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 前記トナーの形状係数SF1が100〜140の範囲であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
> 前記クリーニング部材として、少なくともブラシを用いることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<6> 少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、該トナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着工程と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを含む画像形成方法において、
前記トナーの誘電損率を0.001〜0.02の範囲とし、前記クリーニング工程においてクリーニング部材にバイアスを印加し、前記クリーニング部材として、少なくともブレードを用い、前記転写工程における前記トナー像の転写は、接触転写ロールを用いて行なうことを特徴とする画像形成方法である。
> 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする<>に記載の画像形成方法である。
> 前記トナーの体積平均粒径が、2〜6μmの範囲であることを特徴とする<>または<>に記載の画像形成方法である。
> 前記トナーの形状係数SF1が100〜140の範囲であることを特徴とする<>〜<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<1> 前記クリーニング部材として、少なくともブラシを用いることを特徴とする<>〜<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
本発明によれば、転写性、クリーニング性が良好で、画像欠陥のない鮮明な高画質画像の形成が可能なだけでなく、極めて維持性に優れ、安定して高画質・高品位のカラー画像を形成できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着手段と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記トナーとして誘電損率が0.001〜0.02の範囲のトナーを用い、前記クリーニング手段におけるクリーニング部材にバイアスが印加されることを特徴とする。
前述のように、トナー中の残留安定剤をある一定範囲内に低減させ、トナーの誘電特性、具体的には、交流電場下における抵抗に対応する誘電損率を一定値以下に保持したトナーとすることにより良好な転写特性が得られ、さらに、そのようなトナーを、転写後にバイアスアシストにより像担持体に残留したトナーを除去するクリーニングシステムに適用した場合、特にクリーニング特性が優れることが見出され、本発明の完成に至った。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、表面に感光体層を有するドラム状の像担持体1と、この像担持体1を一様に帯電する帯電器2と、一様に帯電された像担持体1に像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置3と、それぞれブラック(4a)、イエロー(4b)、マゼンタ(4c)、シアン(4d)の4色の現像装置を収容した現像ユニット4(これらをまとめてトナー像形成手段とする)と、前記像担持体1に接触し、周回可能に張架された無端ベルト状の中間転写体(被転写体)12と、前記像担持体1上に形成されたトナー像を上記中間転写体12へ転写する1次転写ロール5と、転写後に像担持体1残留したトナーを除去するクリーニング装置(クリーニング手段)6と、無端ベルト状の中間転写体12を回転駆動させるドライブロール13と、無端ベルト状の中間転写体12の張力を調整するテンションロール14及び15と、ペーパーガイド9及び10沿って搬送ロール11により搬送されてくる記録用紙(被転写体)8上に中間転写体12上のトナー像を転写する2次転写ロール(転写手段)17と、2次転写ロール17に対向して設けられているバックアップロール16と、2次転写ロール17によって記録用紙8上にトナー像を転写した後に中間転写体12上に残留したトナーを除去するトナー除去装置18と、記録用紙8上のトナー像を定着する定着装置(定着手段)7とを有している。
像担持体1は、アルミニウム等の金属製支持体(ドラム)に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層させた機能分離型感光体で、この感光体ドラムの外径は84mmである。
帯電器2は、金属製の芯金にカーボンを含有するSBR(スチレン−ブタジエンゴム)からなる弾性層を形成し、該弾性層の上に抵抗層としてイオン導電材を含有するECO(エピクロロヒドリンゴム)を成膜し、さらにその上に、カーボンブラックとSnO2(導電性フィラー)とを含有するポリアミドからなる表面層を成膜した帯電ロールを有するものである。前記弾性層の厚みは2.8mm、抵抗層の厚みは150μm、表面層の厚みは10μmであり、表面層を含む層全体の抵抗値は107〜108Ωの範囲に調製してある。帯電器2は、芯金にDC電圧を印加し、像担持体1の表面を一様に帯電するものである。なお、帯電器2としては、接触タイプの帯電ロール以外に、スコロトロンや固体放電器など非接触タイプの帯電器を用いてもよい。
像書き込み装置3は、像担持体1の回転方向(矢印A)とほぼ垂直に発光素子(LD)のレーザ光を繰り返し走査し、この発光素子が画像信号に基づいてON/OFFすることによって回転駆動される像担持体1に像露光を行うようになっている。
現像ユニット4における4つの現像装置4a、4b、4c、4dは、回転駆動される1台の基部4eに支持されており、順次像担持体1と近接・対向するようになっており、各色に対応する潜像にトナーを転移して可視化してトナー像を形成する。なお、現像ユニット4で用いられる現像剤についての詳細説明は後述する。
中間転写体12は、ポリイミド樹脂中にカーボンブラックを分散させ、厚さ80μmの無端状ベルトにしたものである。ベルトの体積抵抗率は109Ωcm、表面抵抗率は1012Ω/□とした。
1次転写ロール5は、金属製の芯金にウレタン発泡体の層を形成したもので、ロールの抵抗値は108Ωに調製してある。また、1次転写ロール5の外径は18.5mmとした。
なお、1次転写ロールを含む画像形成装置におけるロール抵抗値は、各ロールをアースに接続した金属板の上に乗せ、ロール両端に500g計1kgの荷重をかけ、ロールの芯金と金属板との間に1kVの直流電圧を印加し、測定される電流値から換算して求めた。
2次転写ロール17は、外径28mmで2層構成となっており、高抵抗で薄い表面層と、その内側に表面層より低い抵抗で弾性を有する弾性層を有している。表面層は、体積抵抗率が108〜1013Ωcmの範囲であり、弾性層の抵抗は表面層の抵抗より低くしてあり、ロール全体の抵抗値として108〜109Ωの範囲に調整してある。
トナー除去装置18は、金属製の芯金にナイロン製繊維を織った織布を巻き付けて製造した外径17.5mmのブラシで、繊維の太さは0.67テックス(6デニール)、パイル長は5.5mmで、中間転写体への食込み量は約1mmに設定してあり、中間転写体ベルト搬送方向(矢印B)とは逆方向に回転してトナーや紙粉を除去する。なお、ブラシにはフリッカーバー19が接触しており、ブラシ繊維に付着したトナー等を掻き落とすようになっている。なお、フリッカーバー19はフッ素樹脂をコーティングしてあり、フリッカーバー表面にトナー等が付着・堆積するのを防止している。
定着装置7は、記録用紙8上に転写されたトナー像を定着して記録画像とするものである。
次に、クリーニング装置6について以下に説明する。
クリーニング装置6の構成例を図2に示す。クリーニング装置6は、像担持体1に近接して配置され、像担持体1に対向する側に開口するクリーナハウジング24を備えている。クリーナハウジング24の下側開口端部には、シール部材25が固定されている。シール部材25は、像担持体1とクリーニング装置6との間の隙間をほぼ塞ぎ、クリーニング装置6内の廃トナー等が外部へ漏れるのを防ぐ。本例では、シール部材25として、厚さ0.2mmの熱可塑性ポリウレタンフィルムを使用した。
クリーニング装置6内には、シール部材25よりも像担持体1の回転方向(矢印)下流側に、クリーニング部材として、像担持体表面に先端部が当接するクリーニングブレード20が配設されている。ブレード材料には耐磨耗性、耐欠け性、耐クリープ性など機械的性質に優れる熱硬化型ウレタンゴムが使用され、本発明では、クリーニングブレードにバイアスを作用させるために導電性を付与している。導電性付与は、通常このウレタンゴム内に導電剤を分散させる方法が採られる。
クリーニングブレード20は、断面形状がL字形の板金21に接着されており、止めネジ22によりクリーナハウジング24に固定されている。クリーニングブレード20へのバイアス印加はバイアス印加手段26によって行う。また、クリーニング装置6内の下部にはオーガ23が配設され、このオーガ23により廃トナーをクリーニング装置6の外に排出する。
クリーニングブレード20の構成には、同一材料タイプの層で構成される単層タイプや、異なる材料タイプの層で構成される多層タイプがある。多層タイプとしては、例えば図3に示されるように2層構成になっており、像担持体表面に直接当接する側の第1層20aと背面側の第2層20bとによって構成される。この第1層20aは導電剤としてイオン導電剤を使用した半導電層、第2層20bは導電剤として電子伝導剤を使用した導電層である。
具体的な材料としては、イオン導電剤にはアルカリ金属塩を使用し体積抵抗率を108〜109Ωcmの範囲に調整し、電子伝導剤にはカーボンブラックを使用し体積抵抗率を105〜106Ωcmの範囲に調整してある。導電剤としては、電子伝導剤として、カーボンブラックの他に、金属(Cu、Al、Ni、Ag等)、金属酸化物、グラファイト、導電性高分子などが使用され、イオン導電剤として、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩の他に、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、臭化物、亜硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩などが使用される。
なお、クリーニングブレードを半導電層と導電層との2層構成にした理由は以下の通りである。
電子伝導剤を分散させたウレタンゴム層を像担持体表面と接触させる側に設けると、当接面に電子伝導剤が露出(顔出し)していまい、ブレードエッジ欠けが発生しやすくなる。この現象は、ブレードエッジと像担持体表面との摺擦によりブレード当接面が磨耗することにより発現しやすい。その結果、早期にクリーニング不良が発生しやすくなるという不具合を生じ実用的でない。一方、イオン導電剤のみを分散させて導電性を付与した場合、所望とする導電性である体積抵抗率(105〜106Ωcm)を得る目的でイオン導電剤の配合量を増やしていくと、イオン導電剤の染み出しによる感光体汚染が発生しやすくなるという問題が発生する。したがって、イオン導電剤の染み出しがない範囲で配合することとする結果、体積抵抗率は108〜109Ωcmの範囲とせざるを得ない。そこで、像担持体表面と接触する側に導電剤としてイオン導電剤を使用した半導電層、その背面側に所望の導電性を付与できる電子伝導剤を使用した導電層を設け、感光体汚染と抵抗値とを両立できる2層構成とした。なお、前記半導電層は効率良くバイアスを印加するために、できるだけ薄くすることが好ましく、0.05〜0.5mmの範囲程度に設定される。本例では半導電層を0.01mm、半導電層と導電層を含むブレード厚を2mmとした。
単層タイプとしては、図4に示されるように、同一材料タイプの層20cで構成され、材料として例えば、電子伝導剤とイオン導電剤とを混入した所謂ハイブリッド材料などが使用される。これは、電子伝導剤とイオン導電剤とを併用することで、電子伝導剤の含有量を減らしても所望の導電性を得られ、かつ電子伝導剤の不均一分散による抵抗率のバラツキを抑えることができるものである。具体的な材料として電子伝導剤にカーボンブラックを使用し、イオン導電剤にはアルカリ金属塩を使用して、厚さ2mm、体積抵抗率を105〜106Ωcmの範囲のブレードを得ることができる。
なお、本例におけるブレード加圧方式は、構造が簡単で低コストの定変位方式を用いており、具体的な加圧力は1.96N/m(2gf/cm)に設定してある。ただし、ブレード加圧方式は定変位方式に限られるものではなく、当接圧の経時変化がほとんどない定荷重方式を用いてもよい。
本発明においては、クリーニング部材としてブラシを用いることもできる。
図5は、クリーニング装置6において、導電性のブレードの代わりに導電性のブラシ27を用いた場合を示しており、28はオーガ、29はクリーナハウジング、30はアッパーシール部材、31はローワーシール部材、32はバイアス印加手段である。導電性のブラシ27を用いた場合でも、バイアス効果を利用することで良好なクリーニングが可能になる。なお、導電性のブラシは、像担持体1と逆方向に回転させて使用する方が掻き取り力が増すため好ましい。
図6は、クリーニング装置6において磁気ブラシ33を用いた場合を示しており、34は回転スリーブ、35は固定マグロール、36はオーガ、37はクリーナハウジング、38はアッパーシール部材、39はローワーシール部材、40はバイアス印加手段である。磁気ブラシ33を用いた場合でも、バイアス効果を発揮できるのは同様であり、ブラシと比較して掻き取り力が増すため、放電生成物等の掻き取り効果が増大するメリットがある。この場合、前記導電性ブラシと同様に、像担持体1と逆方向に回転させて使用することにより掻き取り力がよりアップする。
図7は、クリーニング装置6において、導電性のブレード41と導電性のブラシ44とを併用した場合を示しており、42は板金、43は止めネジ、44は導電性ブラシ、45はオーガ、46はクリーナハウジング、47はシール部材、48、49はバイアス印加手段である。ブレードとブラシとを併用することにより、単独で使用する場合よりもさらにクリーニング性能はアップする。この場合、バイアス効果を有効に利用するために、ブラシかブレードの一方をトナーと同極性のバイアスを印加し、他方にトナーと逆極性のバイアスを印加することが好ましい。
以上、本発明におけるクリーニング手段としてとり得る態様を示したが、本発明においては、クリーニングの効率等の点で、クリーニング手段として図7に示したブラシとブレードとを備えるクリーニング装置を用いることがもっとも好ましく、次いで、図2〜図4に示したブレードを備えるクリーニング装置を用いることが好ましく、次いで、図5に示したブラシを備えたクリーニング装置を用いることが好ましい。
また、前記バイアス印加手段により印加する電圧としては、直流電圧で200〜2000Vの範囲が好ましい。
次に、現像ユニット4で用いられる現像剤について以下に詳細に説明する。
本発明において、上記現像剤に含まれるトナーの誘電損率は0.001〜0.02の範囲であることが必要である。従来の湿式法で得られるトナーの誘電損率は0.02を超えており高い。この誘電損率は、交流電場下に置かれた誘電体の抵抗を表し、値が大きいほど抵抗は低下することが知られている。そして、トナーの抵抗が低い場合には、トナーの帯電量あるいは帯電分布が変化しやすいと考えられる。
本発明者等が鋭意検討したところ、トナーの誘電損率(比誘電損率ともいう)を0.001〜0.02の範囲とすることにより、現像後の像担持体上のトナー像におけるトナー、あるいは転写後の転写残トナーの帯電量が安定し、湿式法で作製される小粒径、球状のトナーであっても、高い転写効率、及び前記バイアス印加を備えたクリーニングシステムでの良好なクリーニング特性が得られることがわかった。
上記誘電損率は0.005〜0.015の範囲が好ましく、0.01〜0.012の範囲がより好ましい。誘電損率が0.02を超えると、像担持体上でのトナーの電荷量が不安定となり転写性、クリーニング性が悪化し、特にクリーニングトナーを再利用するシステム、及びクリーナーレスシステムにおいて長期に渡る信頼性を確保することができない。また、0.001に満たないトナーは実際上ほとんど製造できない。
誘電損率の測定は、例えばトナー粉体を錠剤に成型し、誘電体測定用電極に設置し、100kHzまでの交流電場をかけて測定される。トナーの誘電損率の具体的な測定方法は、次の通りである。すなわち、トナー5gをペレット成型し、電極〔SE−71型固体用電極、安藤電気(株)製〕間にセットし、LCRメーター(4274A型、横川ヒューレットパッカード製)にて5Vで電導度を測定し、下記の式(1)によって求められる。
誘電損率=〔14.39/(W×D2)〕×GX×TX×1012 ・・・ 式(1)
(ここで、W=2πf(f:測定周波数100kHz)、D:電極直径(cm)、GX:試料の電導度(S)、TX:試料厚み(cm)を表す。)
本発明におけるトナーは、以下のようにして製造される。
トナー粒子は乳化重合凝集法等により作製され、樹脂粒子と着色剤とを分散させた分散液中で攪拌しながら、凝集/会合させて造粒して形成される。また、樹脂粒子と着色剤の他に必要に応じて、無機微粒子、離型剤微粒子、帯電制御剤微粒子等を添加することができる。これらの微粒子分散液を複数回に分けて添加混合することが望ましい。
トナー粒子の製造においては、少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する第1の工程と、前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成する第2の工程と、この付着粒子を加熱して融合する第3の工程を有することが望ましい。
前記第2の工程は複数回行われるのが望ましい。この第2の工程においては、凝集粒子分散液中に、離型剤微粒子を分散させてなる離型剤微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に離型剤微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、樹脂含有微粒子を分散させてなる樹脂含有微粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に樹脂含有微粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
また、前記第2の工程は、樹脂微粒子の凝集粒子分散液中に、着色剤微粒子を分散させてなる着色剤微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に着色剤微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、樹脂含有微粒子を分散させてなる樹脂含有微粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に樹脂含有微粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
さらにこの第2の工程は、凝集粒子分散液中に、樹脂含有微粒子を分散させてなる樹脂含有微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹脂含有微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、無機微粒子を分散させてなる無機微粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に無機微粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
前記第2の工程においては、第1の工程において調製された凝集粒子分散液中に、前記微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する。前記微粒子は、前記凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、「追加粒子」と称されることがある。
前記微粒子分散液の添加混合の方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナー粒子の粒度分布をシャープにすることができる。なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行うと、前記凝集粒子の表面に段階的に前記微粒子による層が積層され、トナー粒子の内部から外部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、粒子の表面硬度を向上させることができ、しかも、第3工程における融合時において、粒度分布を維持し、変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制したりすることができ、コストの削減や品質の改善が可能となる点で有利である。
上記の樹脂粒子に使用される樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;などの単量体などの重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
樹脂粒子分散液は、上記の樹脂を水中に2〜40質量%の濃度になるように分散させて形成されるが、分散する樹脂粒子の体積平均粒径は1μm以下が望ましく、より望ましくは0.01〜1μmの範囲である。樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じたりして、性能や信頼性の低下につながる。一方、樹脂粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することができる。
なお、前記ビニル系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂粒子分散液を作成することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。
着色剤の例としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコローズベンオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、などの種々の顔料、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料、など着色剤は1種または複数種類を併せて使用することができる。
着色剤分散液は、上記の着色剤を水中に2〜40質量%の濃度になるように添加し、使用する樹脂とは逆極性のイオン性界面活性剤を用い、回転剪断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、ダイノミル等の公知の分散装置によって作製することができる。着色剤の体積平均粒径は、散乱式の粒度分布測定機(HORIBA製、LA700)等の測定機によって、0.05〜0.50μmの範囲にあることが好ましい。
本発明において、前記樹脂粒子分散液と上記着色剤分散液とを混合する際に、内添剤を添加しても良い。内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。
また、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や会合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適に使用される。
また、前記樹脂粒子分散液と前記着色剤分散液とを混合する際に、離型剤微粒子分散液を添加するのが好ましい。離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、体積平均粒径が1μm以下の粒子の分散液として添加することができる。
前記樹脂粒子分散液と着色剤分散液、及び必要によりその他の成分を所定の割合で混合し、室温から樹脂粒子のガラス転移温度までの範囲おいて加熱することにより樹脂粒子と着色剤を凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集体微粒子の体積平均粒径は、2〜6μmの範囲にあることが好ましい。次いで、凝集粒子を含む混合液を樹脂の軟化点以上の温度、一般には70〜120°Cで加熱処理して凝集粒子を融合させてトナー粒子を含有するトナー粒子含有液(トナー粒子分散液)を得ることができる。
なお、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
次いで、得られたトナー粒子含有液は、遠心分離または吸引濾過によりトナー粒子を分離して、イオン交換水にて1〜3回洗浄する。前記トナーの誘電損率は、この洗浄過程におけるトナー中の前記安定剤の残量により左右される。
そして、トナー中の残留安定剤量は以下のように測定することができる。すなわち、トナーを有機溶媒1〜10質量部に溶解させた後、この溶液に脱イオン水を10〜100質量部程度添加する。残留安定剤は水層あるいは油層に抽出できるので、抽出液の電気伝導度および表面張力を測定することで残留安定剤量を測定できる。有機溶媒としては極性の大小問わず、一般公知のものを用いることができる。
本発明に用いられるトナー粒子は、前記のような水洗浄を実施した後、トナー粒子を再度洗浄水に分散し、トナー粒子を構成する樹脂のガラス転移点温度(Tg)以上に加熱して撹拌する洗浄方法が用いられる。これによって洗浄後のトナー粒子を有機溶媒中に溶解した後、脱イオン水と混合した際の溶液の電気伝導度、表面張力をある一定の範囲にまで制御できる。
より具体的には、トナー粒子をイオン交換水中に再度分散したのち、トナー粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、30分〜2時間程度撹拌する。そして、室温まで冷却後再度トナー粒子を濾別し、イオン交換水にて1〜5回程度洗浄し、乾燥することによって、本発明におけるトナー粒子を得ることができる。
トナー粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱するに際しては、余り高い温度であると、トナー粒子中の着色剤、離型剤が製造時に遊離しやすく、帯電性、誘電特性を悪化させやすくなり、また、Tg未満では、内部に残存する安定剤を抽出する効果が小さく、良好な帯電性、誘電特性を得ることが困難となるので特にTgよりも10〜35℃程度高い温度に加熱することが望ましい。
また、この加熱工程の前のトナー粒子含有液(トナー粒子分散液)のpHを7〜12の範囲に調整して攪拌することが望ましい。トナー粒子含有液(トナー粒子分散液)のpHが7よりも低いと、安定剤の抽出が不十分となりやすく、低帯電トナーの発生や、高温での安定性が低下しやすく、特に解離基を有するトナーにおいては著しい。また、12よりも高いと、アルカリが残存しやすく、帯電特性が不十分となりやすい。
このようにして得られたトナー粒子についての前記電気伝導度は100μS/cm以下とすることが好ましく、より好ましくは50μS/cm以下、さらに好ましくは20μS/cm以下にすることが好ましい。また、溶液の表面張力は30mN以上とすることが好ましく、より好ましくは40mN以上、さらに好ましくは50mN以上にすることが好ましい。
この電気伝導度が100μS/cmよりも高い場合、また、表面張力が20mNより低い場合、トナーの抵抗が低下し、前記トナーの誘電損率を本発明に規定する範囲にすることができ難くなるばかりでなく、特に高温高湿下での帯電不良によりかぶり、飛び散りなどを生じ、画質低下をもたらす場合がある。
図8及び図9に、トナー粒子についての電気伝導度、表面張力と帯電特性との関係を示す。図8、9中、●はトナー粒子を湿式製法で製造する際に従来洗浄方法によって得られたトナー粒子についてのプロットであり、■はトナー粒子を湿式製法で製造する際に前記本発明における洗浄方法によって得られたトナー粒子についてのプロットである。なお、縦軸の「帯電レベル」は、後述するCSG(チャージスペクトログラフ)測定装置を用いて、28℃、80%RH環境に24時間放置しておいたトナー及びキャリアを、トナー濃度が8%になるように同環境でガラス瓶に入れ、ターブラミキサー(120rpm)で2分間攪拌した後、測定により観察される各トナーの帯電量分布のピーク部分のベースラインからの距離を示すものである。また、該ベースラインとは、CSG測定装置の電圧を0Vにしたときの測定値である。
ここで、従来の洗浄方法とは、トナー粒子分散液を水洗浄よりトナー粒子を得た場合であり、本発明における洗浄方法とは、トナー粒子分散液を水洗浄した後、トナー粒子を再度洗浄水に分散し、その後トナー粒子をTg以上に加熱した場合であり、その他の条件と実質的に両者同じである。
図8に示すように、本発明における洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて電気伝導度が低く、帯電レベルが高い。また、図9に示されるように、本発明における洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて表面張力が高く、帯電レベルが高くなっている。したがって、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて帯電特性が高いことを示している。
本発明者等の検討では、前記本発明における洗浄方法によって得られたトナーのうち、少なくとも、電気伝導度が約25〜30μS/cm程度の範囲内とし、表面張力が約32〜44mN程度の範囲とすれば、最終的なトナーの誘電損率を0.001〜0.02の範囲とすることができることがわかった。
以上のようにして最終的に加熱して得られたトナー粒子には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態で剪断力をかけて表面へ添加して流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
本発明に用いられるトナーは、体積平均粒子径D50v が2.0〜6.0μmの範囲であることが好ましい。また、体積平均粒径は2.0〜4.0μmの範囲がより好ましい。トナーの体積平均粒径が6.0μmを超えると、粗大粒子の比率が高くなり、定着工程を経て得られる画像の細線や微小ドットの再現性、および階調性が低下する。一方、トナーの体積平均粒径が、2.0μm未満となると、トナーの粉体流動性、現像性、あるいは転写性が悪化し、像担持体表面に残留するトナーのクリーニング性が低下する等、粉体特性低下に伴う他の工程における種々の不具合が生じる。
本発明におけるトナーの体積粒度分布指標GSDvは1.3以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。また、個数粒度分布指標GSDpは1.3以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。
GSDvが1.3よりも大きいと、トナー中の粗粉が多いことを示し、画像の飛び散りが発生する場合がある。GSDpが1.4よりも大きいと、トナー中の微粉が多いことを示し、トナー飛散による機内のトナー汚染が多くなる場合がある。
前記体積平均粒径、GSDv、及びGSDpは、以下のように求められる。まず、例えば、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)、などの測定器で測定される粒度分布を基にして、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v(これを体積平均粒径とする)、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。
そして、体積粒度分布指数GSDvは、(D84v/D16v1/2として算出され、数平均粒度分布指数GSDpは、(D84p/D16p1/2として算出される。
さらに、本発明におけるトナーの形状係数SF1は100〜140の範囲にあることが好ましい。形状係数が140より大きいと、転写性が悪くなる。特に形状が球形(真球)に近い形状である程、通常の水あるいはアルカリによる表面の洗浄だけでは、安定剤の除去が困難になり、帯電性への悪影響があり、画像濃度の低下など実使用上好ましくないことがあるが、本発明におけるトナーは形状が球状でも安定した帯電特性を達成することが可能である。トナーの流動性が低下し、部分的に強いストレスが加わったり、搬送力、攪拌力を上げる必要が生ずるなどして、現像剤の劣化が促進される。
なお、上記SF1は100〜125の範囲がより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(2)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
次に、図1を参照しながら、本発明の画像形成装置の動作について説明する。
ドラム状の像担持体(感光体ドラム)1は回転駆動され、帯電器2によって約−700Vに一様に帯電される。像書き込み装置3との対向位置では像光が照射され、像担持体1の感光体層の電荷は露光によって低減されて約−300Vになり、静電電位の差による潜像が形成される。
この潜像は現像ユニット4との対向位置に移動する。現像ユニット4の各現像装置の現像ロールには、−550Vの直流成分に、振幅(Peak to Peak)1.0kV、周波数9.0kHz、Duty0.6の交流成分を重畳した現像バイアスが印加されている。これにより、まず現像ロールから転移されるブラックトナーが付着され、潜像が可視化される。このようにして形成されたブラックトナー像は、バイアス電圧が印加されている1次転写ロール5によって中間転写体12上に1次転写される。1次転写後、像担持体1に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去される。
像担持体1においては、さらにイエロー、マゼンタ、シアンの各色について、帯電器2による帯電、像書き込み装置3による像光の照射、現像ユニット4によるトナー像の形成、1次転写ロール5による中間転写体12への転写の各工程が繰り返され、その結果、中間転写体12上に4色のトナー像が重ね合わされたカラー画像が形成される。
このカラー画像は、2次転写ロール17によって一括して記録用紙8上に2次転写される。2次転写後に中間転写体12上に残留したトナーは、トナー除去装置18により中間転写体12上から除去される。そして最終的に、定着装置7によって定着されて記録画像が得られる。
本発明においては、トナーの誘電損率を0.02以下としたことにより、高い転写性と良好なクリーニング性が得られる。この点に関し、より具体的に説明する。
図10に、トナーの誘電損率と転写効率との関係を示す。なお、転写効率は富士ゼロックス社製 Able1302改造機を用い、体積平均粒径が4.0μm、形状係数SF1が122のトナーを使用して測定したものである。
図10に示されるトナーにおける誘電損率と転写効率との相関をみると、誘電損率が低いと転写効率が高いことがわかる。なお、ここでの転写効率とは、感光体上の現像トナー像と、未転写残像の反射濃度の比率を表したものであり、現像トナー像濃度が0.7のときの転写効率を示している。そして、この図より転写効率を95%以上とするためには、トナーの誘電損率を0.02以下とする必要があることがわかる。
次に、本発明におけるクリーニングに関連する動作について説明する。
本発明におけるクリーニング手段はバイアス印加手段を効果的に用いる。そのために、使用する湿式製法トナーにおいて、トナー電荷量が感光体への現像後、さらには転写後も安定していることが必要とされる。本発明においては、トナーの誘電損率を0.02以下とすることにより、転写時の高電界下においても電荷注入が起こりにくくトナー電荷はほとんど変化しないことが見出された。
したがって、転写後に感光体ドラム表面に残留したトナーの電荷は転写前の電荷を保持しており、クリーニング時にトナーにバイアス作用を効果的与えることができる。これにより、従来クリーニングが困難であった小径トナーや球状トナーでも、良好にクリーニングすることが可能となる。なお、転写時にトナー電荷が変化しにくいということは、転写電界によりトナーが有効に移動することを意味し、これにより前記のように高転写効率を得ることができる。
具体的なクリーニング動作は以下の通りである。図2において、ブレード20にはバイアス印加手段26よりシステムに適当なバイアスが印加される。例えば、トナーと逆極性のプラスのバイアス電圧を印加することにより、トナーに対して吸着力が働きブレード先端部にトラップされるため、小径トナーや球状トナーでも、ブレードと感光体との接触領域におけるすり抜けを防止することができる。また、通常、前記接触領域に進入するトナー量は少ない方がすり抜けは発生しにくい傾向があり、トナーと逆極性の電圧を印加する場合、トナーがブレードと感光体との接触領域に到達する前に、ブレード端面電位と感光体表面電位との差により生じる電界により、トナーがブレード端面に飛翔し、前記接触領域に到達するトナーが実質的減少するため、この点からもすり抜けが発生しにくくなる。
一方、トナーと同極性のマイナスのバイアス電圧を印加する場合、トナーに対しては反発力が作用し、この場合は上記の逆極性印加ケース以上に接触領域へのトナー進入量を減らすことができるので、小径トナーや球状トナーでもブレードの機械的掻き取り力でクリーニングされる。この際、掻き取り力はブレードのゴム材料の反発弾性率が高いほど増すことが別途検討した結果よりわかっているため、低温から高温まで反発弾性率が50%程度を有するゴム材料を用いるのが好ましい。
以上のように、本発明におけるトナーを使用した場合、転写後でもトナー電荷量を保持しているので、どちらのバイアス電圧においてもバイアス効果が有効に作用し、小径トナーや球状トナーでも良好にクリーニングすることが可能になる。
本発明に用いる現像剤は、前記トナーをキャリアと組み合せることにより得ることができる。前記キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられる。前記現像剤における、前記本発明におけるトナーと、キャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、該トナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着工程と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程を有し、トナーが前記本発明におけるトナーを含んでおり、クリーニング工程においてクリーニング部材にバイアス印加されていれば、特に制限はない。前記各工程は、用いるトナー及びクリーニングにおけるバイアス印加以外は各々それ自体一般的な工程であり、公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
本発明の画像形成方法においては、更にはリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記クリーニング工程は、トナー画像を形成する際の余分なトナーを回収する工程である。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収したトナーを現像装置に移す工程である。
クリーニング工程とリサイクル工程とを含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」「%」はすべて「質量部」「質量%」を意味する。
<各種物性測定法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(粒度及び粒度分布測定方法)
本発明における粒度及び粒度分布測定について述べる。本発明において測定する粒子の粒径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50000であった。
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML2/A)を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
(トナー、樹脂粒子の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、特定の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
本発明のトナーに用いられる離型剤の融点、樹脂粒子およびトナーのガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
測定にはパーキンエルマー社製のDSC−7を用いた。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。また、サンプルセルとしてはアルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
<各分散液の調製>
(樹脂粒子分散液)
・スチレン 328部
・n−ブチルアクリレート 72部
・アクリル酸 8部
・ドデカンチオール 14部
以上を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成社製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)10部をイオン交換水550部に溶解したものに投入し、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまでオイルバスで加熱し、7時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径152nm、固形分量40%、ガラス転移温度52℃、重量平均分子量(以降Mwと略す場合がある)3000のアニオン性の樹脂粒子分散液を得た。
(着色剤分散液)
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成社製) 6部
・イオン交換水 240部
以上を混合して溶解したものを、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散液を調製した。
(離型剤分散液)
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋社製、融点85℃)100部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王社製) 5部
・イオン交換水 240部
以上を混合し、95℃に加熱して、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
<トナーの作製>
(トナー1)
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液 30部
・離型剤分散液 40部
・硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 6部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、体積平均粒径を測定すると約4.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて50℃で30時間保持した。粒子サイズを測定すると体積平均粒径が約5.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集粒子を含む分散液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加しpHを6.5に調整した。その後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、体積平均粒径を測定すると5.1μmであった。
作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施した。その後、トナー粒子100部をイオン交換水3000部に分散し1N水酸化ナトリウム加えてpHを9.5に調節した後、再び丸型ステンレス製フラスコ中に移し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら80℃まで加熱し、2時間保持した。その後、トナー粒子分散液を0.5Nの硝酸水溶液でpHを7.0に調整した後、濾別しイオン交換水洗浄を3回実施し、真空乾燥を10時間実施し、篩分して体積平均粒径5.2μm、GSDvが1.21、GSDpが1.25、形状係数SF1が130のトナー粒子1を得た。
−電気伝導度、表面張力の測定−
乾燥後のトナー粒子中の残存安定剤の量は、以下のように電気伝導度、表面張力により測定した。アセトン10部を用いトナー粒子1部を溶解した後、イオン交換水100部を添加し、析出物を濾別して溶液の電気伝導度、表面張力を測定した。トナー粒子1の場合、電気伝導度は15μS/cm、表面張力は40mNであった。
このトナー粒子1、100部に対し疎水性シリカ(TS720:キャボット社製)2部を添加し、ヘンシェルミキサーで30m/sで3分間(22℃)で混合しトナー1を得た。
−誘電損率の測定−
シリカ処理後のトナーの誘電損率は以下のように測定した。トナー5部をペレット成型し、電極〔SE−71型固体用電極、安藤電気(株)製〕間にセットし、LCRメーター(4274A型、横川ヒューレットパッカード製)にて5Vで測定した。なお、誘電損率は下記の式(1)によって求められる。
誘電損率=〔14.39/(W×D2 )〕×GX ×TX ×1012 ・・・(1)
ここで、W=2πf(f:測定周波数100kHz)、D:電極直径(cm)GX :電導度(S)、TX :試料厚み(cm)を表す。測定の結果、トナー1において、誘電損率は0.015であった。
(トナー2)
トナー1の作製におけるトナー粒子1と同様にしてトナー粒子含有液を作製した。作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施した。その後トナー粒子100部をイオン交換水3000部に分散し1N水酸化ナトリウム加えてpHを9.5に調節したのち、再び丸型ステンレス製フラスコ中に移し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら70°Cまで加熱し、2時間保持した。その後、トナー粒子を0.5Nの硝酸水溶液でpHを7.0に調整した後、濾別しイオン交換水洗浄を3回実施し、真空乾燥を10時間実施し、篩分し体積平均粒径5.2μm、GSDvが1.23、GSDpが1.26、形状係数SF1が130のトナー粒子2を得た。
トナー粒子2について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は20μS/cm、表面張力は40mNであった。
更に、トナー粒子1と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー2を得た。このトナー2について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー2の誘電損率は0.017であった。
(トナー3)
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液 30部
・離型剤分散液 40部
・硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 6部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱した。42℃で20分保持した後、体積平均粒径を測定すると約4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。ここで、樹脂粒子分散液を50部追加添加した後更に加熱用オイルバスの温度を上げて50℃で1時間保持した。体積平均粒径を測定すると約4.6μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97°Cまで加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒径を測定すると4.3μmであった。
トナー粒子を濾別した後、イオン交換水にて3回洗浄した。更にイオン交換水に分散して1N水酸化ナトリウムにてpHを10.0に調節して、丸型ステンレス製フラスコ中で80°Cで2時間保持した。その後、イオン交換水にて3回洗浄し、真空乾燥10時間を実施し、体積平均粒径5.2μm、形状係数SF1が129のトナーを得た。次いで篩分して、体積平均粒径4.4μm、GSDvが1.19、GSDpが1.22、形状係数SF1が115のトナー粒子3を得た。
トナー粒子3について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は17μS/cm、表面張力は48mNであった。
更に、トナー粒子1と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー3を得た。このトナー3について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー3の誘電損率は0.020であった。
(トナー4)
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液 30部
・離型剤分散液 40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、体積平均粒径を測定したところ、4.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて65℃で1時間保持した。体積平均粒径を測定したところ5.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後体積平均粒径を測定したところ、5.4μmであることが確認された。
作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別し、pH10.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、イオン交換水洗浄を3回実施した。その後トナー粒子を6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実施し、篩分して体積平均粒径5.4μm、GSDvが1.23、GSDpが1.27、形状係数SF1が130のトナー粒子4を得た。
トナー粒子4について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は16μS/cm、表面張力は50mNであった。
更に、トナー粒子1と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー4を得た。このトナー4について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー4の誘電損率は0.022であった。
(トナー5)
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液 30部
・離型剤分散液 20部
・カチオン系界面活性剤(サニゾールC、花王社製) 1.5部
以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱した。42℃で30分保持した後、体積平均粒径を測定したところ、4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。ここで、上記と同一の樹脂粒子分散液50部を追加添加した後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて64℃で1時間保持した。体積平均粒径を測定したところ、5.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3部を追加した後、ステンレス鋼製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒径を測定したところ、5.5μmであることが確認された。
トナー粒子を濾別した後、pH10.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、その後イオン交換水にて3回洗浄した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実施し、その後篩分して、体積平均粒径5.6μm、GSDvが1.21、GSDpが1.25、形状係数SF1が114のトナー粒子5を得た。
トナー粒子5について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は30μS/cm、表面張力は35mNであった。
更に、トナー粒子1と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー5を得た。このトナー5について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー5の誘電損率は0.030であった。
(トナー6)
トナー1の作製におけるトナー粒子1と同様にしてトナー粒子含有液を作製した。作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別し、イオン交換水洗浄を3回実施した。その後、真空乾燥を10時間実施し、篩分して体積平均粒径5.2μm、GSDvが1.22、GSDpが1.25、形状係数SF1が130のトナー粒子6を得た。
トナー粒子6について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は115μS/cm、表面張力は18mNであった。
更に、トナー粒子1と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー6を得た。このトナー6について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー6の誘電損率は0.12であった。
(トナー7)
トナー4の作製におけるトナー粒子4を得るための成分と同様の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら52℃まで加熱した。45℃で30分保持した後、コールターカウンターで粒子の体積平均粒径を測定したところ、約4.2μmの凝集粒子が生成していることが確認された。ここで、樹脂粒子分散液を50部追加添加した後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて80℃で1時間保持した。体積平均粒径を測定したところ約5.4μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製)3部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒径を測定したところ、5.6μmであることが確認された。
トナー粒子を濾別した後、pH10.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄後イオン交換水にて3回洗浄した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実施した。その後篩分して、体積平均粒径5.6μm、GSDvが1.21、GSDpが1.26、形状係数SF1が130のトナー粒子7を得た。
トナー粒子7について、トナー粒子1と同様にして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は103μS/cm、表面張力は19mNであった。
更に、トナー粒子7と同様に疎水性シリカを外添付着させトナー7を得た。このトナー7について、トナー1と同様にして誘電損率を測定した結果、トナー7の誘電損率は0.092であった。
<キャリアの製造>
トルエン17部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:40/60)3部、及びカーボンブラック(R330:キャボット社製)0.2部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて、カーボンブラックが分散した被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(体積平均粒径:45μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。
<現像剤の製造>
トナー1〜7について、該トナー8部に対しキャリア92部をV型ブレンダ−にて混合して現像剤1〜7を得た。なお、混合条件は60rpm、20分であった。
<実施例1〜3、比較例1〜4>
前記のようにして得られた現像剤1〜7を、富士ゼロックス社製カラー複合機DocuCentre Color 500を用いて、転写性、クリーニング性の評価を行った。具体的には、現像剤1〜7を、表1の各実施例、比較例に示すようにDocuCentre Color 500の現像機各々装填し、かつクリーニングユニットを図2に示すような構成(印加バイアス:500V)に改造し、クリーニング性評価を実施した。
評価条件としては、転写性、クリーニング性に対してストレス条件となる高温高湿(30℃、85%RH)環境下で実施した。また、クリーニングユニットとして、バイアス印加手段のないタイプも用意し、本発明におけるバイアス印加手段のあるタイプと比較検証を行った。
評価方法は、まず、初期特性として転写効率と転写後の帯電量分布を評価した後、5万枚のランニングテストを行い、クリーニング維持性をバイアス有/無で比較評価した。
クリーニング維持性の評価は、クリーニング不良に起因する画像欠陥(黒筋状、黒帯状)の発生有無で評価し、以下のような判定基準とした。
○: クリーニング不良に起因する画像欠陥なし
×: クリーニング不良に起因する画像欠陥発生
また、転写効率は下記式(3)より求めた。
転写効率(%)=〔(転写されたトナー質量(g))/(転写前のトナー質量(g))〕×100 ・・・ 式(3)
帯電量分布の測定は、CSG(チャージスペクトログラフ)測定装置を使用した。CSG測定装置は、測定対象となるトナーに一定速度、一定方向の運動を気流で起こさせ、かつその気流と垂直方向に100Vの電場を与えて、トナーの変位する量から電荷分布を求める装置である。帯電量分布の測定は、転写前後の感光体上のトナーをエアーにより吹き飛ばし、このトナーについて測定を行い、以下の基準により判定した。
○: 転写前とほとんど変化なし(逆極性トナー量が0.1%未満)
△: わずかに逆極性トナーが発生(逆極性トナー量が0.1以上1%未満)
×: 逆極性トナーが多く発生(逆極性トナー量が1%以上)
なお、CSG測定例を図11、図12に示す。図11、12において、横軸は中心からの位置を、縦軸はトナーの個数を表す。また、(a)は転写前の感光体上のトナー帯電量分布を、(b)は転写後の感光体上のトナー帯電量分布を示す。そして、図11は、転写前後で帯電量分布がほとんど変化がないケースを示しており、図12は、転写前後で逆極性トナーが多く発生したケースを示す。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004604618
表1に示すように、トナーの誘電損率が0.02以下と低いケースでは、転写効率が95%以上と一様に高いのに対し、誘電損率が0.02を超えるケースでは90%程度に止まり、高い転写効率が得られなかった。また、それに対応して転写後の帯電量分布は、誘電損率が0.02以下の低いケースではほとんど変化していなかったのに対し、誘電損率が0.02を超える高いケースでは逆極性トナーが多く発生していることが確認された。
また、クリーニング維持性は、トナーの誘電損率が0.02以下の低いケースでは、小径トナーや球状トナー(実施例3)においても良好であったのに対し、誘電損率が0.02を超える高いケースでは、転写後に逆極性トナーが多く発生していることからバイアスの効果も十分に発揮されず、クリーニング不良が発生することが検証された。また、誘電損率が0.02以下の低いケースでも、バイアスを印加しない場合は、クリーニング維持性が得られないことも確認された。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の構成例を示す概略図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の他の構成例を示す概略図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の他の構成例を示す概略図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の構成例を示す概略図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の他の構成例を示す概略図である。 本発明におけるクリーニング装置(クリーニング手段)の他の構成例を示す概略図である。 トナー粒子抽出液の電気伝導度と帯電特性との関係を示すグラフである。 トナー粒子抽出液の表面張力と帯電特性との関係を示すグラフである。 トナーの誘電損率と転写効率との関係を示すグラフである。 転写前後のトナーの帯電量分布変化の一例を示す図である。 転写前後のトナーの帯電量分布変化の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 像担持体
2 帯電器
3 像書き込み装置
4 現像ユニット
5 1次転写ロール
6 クリーニング装置(クリーニング手段)
7 定着装置(定着手段)
8 記録用紙
12 中間転写体
16 バックアップロール
17 2次転写ロール
18 トナー除去装置
20、41 クリーニングブレード
24、46 クリーナハウジング
25、47 シール部材
26、32、48、49 バイアス印加手段
27、44 ブラシ
28、36、40、45 オーガ
33 磁気ブラシ
35 マグロール

Claims (4)

  1. 少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着手段と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    前記トナーとして誘電損率が0.001〜0.02の範囲のトナーを用い、前記クリーニング手段におけるクリーニング部材にバイアスが印加され、前記クリーニング部材として、少なくともブレードを用い、前記転写手段における前記トナー像の転写は、接触転写ロールを用いて行なうことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 少なくとも、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、該トナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写したトナー像を記録媒体に定着する定着工程と、像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを含む画像形成方法において、
    前記トナーの誘電損率を0.001〜0.02の範囲とし、前記クリーニング工程においてクリーニング部材にバイアスを印加し、前記クリーニング部材として、少なくともブレードを用い、前記転写工程における前記トナー像の転写は、接触転写ロールを用いて行なうことを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散した分散液中で、前記粒子を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを少なくとも経て作製されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
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