JP4604299B2 - 信号処理回路およびバイアス調整回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば高周波増幅回路などに用いることができ、トランジスタのバイアス電圧を調整するバイアス調整回路と、これを用いた信号処理回路とに関する。
【0002】
【従来の技術】
GaAsMMIC(Monolithic Microwave integrated circuits)において、能動素子として高周波FETを用い高周波を取り扱う回路、たとえば増幅回路、混合回路などでは、FETのドレイン電流Idsは、その性能(高周波特性)を決めるパラメータの一つであるため所定の値にする必要がある。
ところが、製造時にウエハ間あるいはウエハ内で高周波FETのしきい値電圧Vthがばらつくと、出来た高周波回路は、FETのゲートバイアス電圧Vggが一定の場合に、しきい値電圧Vthに応じてドレイン電流Idsも変動し、その結果、回路性能を最大限に引き出すことができない。
【0003】
FETのゲートバイアス電圧Vggを一定とした状態でドレイン電流Idsを調整するには、ゲート・ソース間電圧Vgsをウエハ間あるいはチップ内で可変にすればよい。その方法として、従来、以下の方法が行われていた。
【0004】
第1の方法では、ゲート・ソース間電圧Vgsを所定値にするためのブリーダー抵抗を、幾つか回路パターン内に予め用意しておく。製造時のしきい値電圧Vthの調整工程でモニタしたVthのバラツキ量に応じて、その後のメタル配線工程で、最適なブリーダー抵抗をパターン上で接続させるためのフォトマスクを選択する。選択したフォトマスクを用いてメタル配線を行うと、最適なブリーダー抵抗のみがゲートバイアス用抵抗として機能し、結果として、所望のゲート・ソース間電圧Vgsが得られる。
【0005】
第2の方法では、第1の方法と同様に予め形成したブリーダー抵抗を、パッケージングの際のワイヤボンディングで選択し、これにより所望のゲート・ソース間電圧Vgsが得られるようにする。
【0006】
第3の方法では、ゲート・ソース間電圧Vgsを調整したいFETに近いウエハ内位置に形成したしきい値電圧モニタ用のFETを含む、ゲート・ソース間電圧の自動調整回路を信号処理回路の一部として内蔵させる。
【0007】
図8は、自動バイアス調整回路の一構成例を示す回路図である。
図8において、FET1はゲート・ソース間電圧Vgsを調整したい信号処理用電界効果トランジスタ、FET2はモニタ用電界効果トランジスタを示す。信号処理用トランジスタFET1のドレインとソース間には、直流バイアス電源VDC1が接続され、モニタ用トランジスタFET2のドレインとソース間には、抵抗R0と直流バイアス電源VDC2が直列接続されている。両トランジスタFET1,FET2のソースは接地されている。モニタ用トランジスタFET2のドレインとゲート間には、直流レベルシフトのためのダイオードDが接続されている。本例では、電界効果トランジスタのソース・ドレイン間が短絡されてダイオードDとして用いられている。信号処理用トランジスタFET1およびモニタ用トランジスタFET2のゲート同士が、デカップリング抵抗R1を介して接続されている。抵抗R1とモニタ用トランジスタFET2のゲートとの接続中点と接地電位との間に、抵抗R2およびキャパシタCが並列に接続されている。抵抗R2はダイオードDとともにモニタ用トランジスタFET2のゲート電位を決定する抵抗であり、キャパシタCは高周波接地用である。
【0008】
信号処理用トランジスタFET1とモニタ用トランジスタFET2は、ウエハ内で互いに近い位置に形成された場合、そのしきい値電圧も近い値を示す。
両トランジスタFET1,FET2がディプリージョン形の場合、そのしきい値電圧Vthが設計値より深い、すなわち負極性で大きな値を示すとき、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電流I2は予定した値より大きい。このため、抵抗R0の電圧降下が大きく、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電圧は予定した値に対し低下する。この電圧は、ダイオードDによって所定電圧レベルだけ低下した後にモニタ用FET2のゲートに伝達され、モニタ用トランジスタFET2のゲートを閉じる方向に作用する。また、このレベル低下後の電圧はデカップリング抵抗R1を通して信号処理用トランジスタFET1のゲートにも伝達され、そのゲートを閉じるように作用する。このため、信号処理用トランジスタFET1のドレイン電流I1が減少し、結果として、所望の設計値に近いドレイン電流値に調整される。
【0009】
反対に、両トランジスタFET1,FET2のしきい値電圧Vthが設計値より浅い、すなわち負極性で小さな値を示すとき、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電流I2は予定した値より小さい。このため、抵抗R0の電圧降下が小さく、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電圧は予定した値に対し上昇する。これに応じて信号処理用トランジスタFET1のゲート電位も上昇し、当該トランジスタFET1のドレイン電流I1が上昇して、設計値に近いドレイン電流値に調整される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した第1のバイアス電圧調整方法では、異なるウエハ間でのバイアス電圧電圧調整には有効であるが、同一ウエハ内のしきい値電圧Vthのバラツキを補正するようなバイアス電圧の調整はできない。
第2のバイアス電圧調整方法では、このバイアス電圧調整用にボンディングパッドを幾つも用意しなければならず、チップ面積の増大が著しい。
第3のバイアス電圧調整方法では、信号処理用とモニタ用のトランジスタしきい値電圧Vthが完全に一致しないこと、および、組み立て時のストレスを含めた様々な要因でしきい値電圧Vthが変動し、これに応じて相互コンダクタンスgmが変動することにより、バイアス電圧を調整しても、ドレイン電流が一定にならないことがある。このgm変動に起因してドレイン電流が一定とならないことは、第1および第2のバイアス電圧調整方法でも共通した課題である。
【0011】
また、第1〜第3の何れのバイアス電圧調整方法でも、一旦、ウエハを完成させたりパッケージングした後に、バイアス電圧を微調整することが不可能である。
【0012】
本発明の目的は、チップ面積を余り増大させずに、パッケージング後でも外部から制御によりバイアス電圧を微調整することが可能なバイアス調整回路と、これを備えた信号処理回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る信号処理回路は、入力端子と出力端子、ならびに、基準電位に接続される電位固定端子を有し、入力端子で入力信号を受けて出力端子から出力信号を出力する信号処理用トランジスタと、上記入力端子と上記電位固定端子に接続され、上記基準電位を基準として上記入力端子に印加されるバイアス電圧を調整するバイアス調整回路と、を備え、上記バイアス調整回路は、周波遮断抵抗と上記高周波遮断抵抗を介して上記入力端子と電気的に接続される中間ノードと、一定電圧が印加される電圧印加端子と、上記中間ノードと上記電圧印加端子の間に接続された基準抵抗として機能する素子と、上記中間ノードと上記電位固定端子の間の可変抵抗経路に直列に接続され、オン時とオフ時で異なる抵抗値をとり、各抵抗値の合計が上記可変抵抗経路の抵抗値を決める複数の可変抵抗トランジスタと、印加されるディジタル信号の論理に応じて各可変抵抗トランジスタの導通と遮断をそれぞれ制御するための複数の制御端子と、を有する。
【0014】
好適に、上記複数のスイッチング素子は、上記中間ノードと上記電位固定端子との間に直列接続されている。
この場合、好適に、上記複数のスイッチング素子のそれぞれに対し、抵抗が並列接続されている。このスイッチング素子に並列接続された各抵抗は、好適に、全体として2のN乗(N:連続した整数)に比例した大きさの抵抗群を構成する値に設定されている。好適に、上記中間ノードと上記電圧印加端子との間に、基準抵抗が接続されている。
【0015】
あるいは、上記信号処理用トランジスタの上記バイアス電圧に応じた特性値を検出する検出手段と、上記特性値に基づいて、上記バイアス調整回路の上記複数の制御端子に印加される上記ディジタル信号の論理値を変更する制御回路とをさらに有する
【0016】
また、好適に、上記信号処理用トランジスタの上記バイアス電圧に応じた特性値を検出する検出手段と、上記特性値に基づいて、上記バイアス調整回路の複数の制御端子に出力される上記ディジタル信号の論理値を変更する制御回路とをさらに有する。
【0019】
本発明に係るバイアス調整回路は、入力端子と出力端子、ならびに、基準電位に接続される電位固定端子を有するトランジスタの上記入力端子に接続された高周波遮断抵抗と上記高周波遮断抵抗を介して上記入力端子と電気的に接続される中間ノードと、一定電圧が印加される電圧印加端子と、上記中間ノードと上記電圧印加端子の間に接続された基準抵抗として機能する素子と、上記中間ノードと上記電位固定端子の間の可変抵抗経路に直列に接続され、オン時とオフ時で異なる抵抗値をとり、各抵抗値の合計が上記可変抵抗経路の抵抗値を決める複数の可変抵抗トランジスタと、印加されるディジタル信号の論理に応じて各可変抵抗トランジスタの導通と遮断をそれぞれ制御するための複数の制御端子と、を有する。
【0021】
このような構成に係る信号処理回路またはバイアス調整回路では、複数のスイッチング素子の、たとえばゲートに印加する信号の論理の組み合わせを変えると、トランジスタに対するバイアス電圧の調整量が変更される。
たとえば、複数のスイッチング素子のみが直列接続されている場合、複数の制御端子に印加する電圧の論理の組合せを変えると、スイッチング素子のオン時の抵抗とオフ時の抵抗との組合せで、中間ノードと電位固定端子との間の抵抗値が変化する。これにより、トランジスタに対するバイアス電圧の調整量が変更される。
【0022】
また、直列接続された複数のスイッチング素子それぞれに抵抗が並列接続されている場合は、スイッチング素子のオフときは、並列接続れた抵抗が中間ノードと電位固定端子間の抵抗値を決定することに寄与し、逆にオフのときは寄与しなくなる。言い換えると、複数の制御端子に印加する電圧の論理の組合せを変えると、中間ノードと電位固定端子間を流れる電流経路が抵抗側とスイッチング素子側で切り換えられる。これにより、電流経路の抵抗値が変化し、その結果、トランジスタに対するバイアス電圧の調整量が変更される。
このように電流経路をスイッチング素子で切り換えることによって電流経路の抵抗値が変化することは、複数のスイッチング素子が並列接続され、それぞれのスイッチング素子に抵抗が直列接続されている場合も同様である。
【0023】
このような抵抗値変化を用いたバイアス調整回路を、トランジスタのゲートとソース間に接続してもよいし、また、モニタ用トランジスタのドレイン電流の調整に用いることもできる。
また、この何れの場合でも、バイアス調整対象である信号処理用トランジスタのドレイン電流などをモニタしておき、このモニタ値に基づいて、制御回路が複数のスイッチング素子に付与する制御信号を変化させるようにすると、外部から制御信号を与えなくとも、バイアス調整が回路内部で自動的に行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る信号処理回路の要部構成を示す図である。また、図2は、バイアス調整回路の基本構成例を3例示す回路図である。
【0025】
図1に示す信号処理回路において、信号処理用電界効果トランジスタFET1のゲートは、結合キャパシタCinを介して入力端子Tinに接続されている。また、信号処理用トランジスタFET1のドレインは、結合キャパシタCoutを介して出力端子Toutに接続され、また、負荷2を介して電源電圧VDDの供給端子Tddに接続されている。信号処理用トランジスタFET1のソースは接地されている。
【0026】
信号処理用トランジスタFET1のゲートと接地電位との間に、高周波遮断用の抵抗Rcを介して、バイアス調整回路1が接続されている。バイアス調整回路1は、制御信号(電圧値V0 〜VN )が入力され、また、図示しないがゲートバイアス電圧が供給されている。
【0027】
バイアス調整回路として、たとえば図2(A)〜(C)に示す基本構成の回路が採用できる。
【0028】
図2(A)に示す回路では、ゲートバイアス電圧Vggの供給端子Tggと接地線との間に、基準抵抗Rr、電界効果トランジスタTr0 ,Tr1 ,…,TrN が直列接続されている。トランジスタTr0 のゲートは電圧値V0 の制御信号の入力端子T0 に接続され、トランジスタTr1 のゲートは電圧値V1 の制御信号の入力端子T1 に接続され、また、トランジスタTrN のゲートは電圧値VN の制御信号の入力端子TN に接続されている。基準抵抗RrとトランジスタTr0 との接続中点から、図1の高周波遮断抵抗Rc側と接続される出力端子Toが取り出されている。
【0029】
このような構成の回路では、バイアス調整回路1内のトランジスタのオン/オフにより、そのオン時の抵抗値Ronとオフ時の抵抗値Roffとの2種類の抵抗値を切り替え、その組合せにより出力端子Toと接地線の接続端子(不図示)との間の抵抗値(以下、トータル抵抗値)を変更する。たとえば、トランジスタのオン抵抗RonをAΩ、オフ抵抗をBkΩとすると、トータル抵抗値は(N−1)Aから(N−1)B×103 の範囲内で多段階に変更できる。
【0030】
図2(B)に示す回路では、ゲートバイアス電圧Vggの供給端子Tggと接地線との間に、基準抵抗Rr、抵抗R0 ,R1 ,…,RN が直列接続されている。抵抗R0 に電界効果トランジスタTr0 が並列接続され、抵抗R1 に電界効果トランジスタTr1 が並列接続され、また、抵抗RN に電界効果トランジスタTrN が並列接続されている。トランジスタTr0 のゲートは電圧値V0 の制御信号の入力端子T0 に接続され、トランジスタTr1 のゲートは電圧値V1 の制御信号の入力端子T1 に接続され、また、トランジスタTrN のゲートは電圧値VN の制御信号の入力端子TN に接続されている。基準抵抗RrとトランジスタTr0 との接続中点から、図1の高周波遮断抵抗Rc側と接続される出力端子Toが取り出されている。
【0031】
このような構成の回路では、バイアス調整回路1内のトランジスタのオン/オフにより、抵抗とトランジスタの各並列接続部分で、電流経路を抵抗側とするかトランジスタ側とするかが切り替えられる。すなわち、トランジスタのオン抵抗が並列接続の抵抗値より十分小さいとした場合、この各並列接続部分における電流は、トランジスタがオンのときトランジスタ側に流れ、トランジスタがオフのとき抵抗側を流れる。これにより、本回路では、電流経路に存在する抵抗の組合せを変えることにより、トータル抵抗値を多段階に変更できる。
【0032】
図2(C)に示す回路では、ゲートバイアス電圧Vggの供給端子Tggに基準抵抗Rcが接続され、基準抵抗Rrと接地線との間に、抵抗R0 ,R1 ,…,RN が並列接続されている。抵抗R0 に電界効果トランジスタTr0 が直列接続され、抵抗R1 に電界効果トランジスタTr1 が直列接続され、また、抵抗RN に電界効果トランジスタTrN が直列接続されている。トランジスタTr0 のゲートは電圧値V0 の制御信号の入力端子T0 に接続され、トランジスタTr1 のゲートは電圧値V1 の制御信号の入力端子T1 に接続され、また、トランジスタTrN のゲートは電圧値VN の制御信号の入力端子TN に接続されている。基準抵抗RrとトランジスタTr0 ,Tr1 ,…,またはTrN との接続中点から、図1の高周波遮断抵抗Rc側と接続される出力端子Toが取り出されている。
【0033】
このような構成の回路では、バイアス調整回路1内のトランジスタのオン/オフにより、抵抗とトランジスタの各直列接続部分を電流経路とするか否か切り替えられる。すなわち、トランジスタがオンのとき、このトランジスタが接続された直列接続部分は電流経路として機能し、トランジスタがオフのとき、このトランジスタが接続された直列接続部分はオープン状態となって電流経路として機能しない。本回路では、制御信号の論理の組合せを変えることで、電流経路として寄与する直列接続部分の組合せが変化し、その結果、トータル抵抗値を多段階に変更できる。
【0034】
なお、図2(B)および(C)において、抵抗R0 ,R1 ,…,RN の各抵抗値をr0 ,r1 ,…,rN と表記しているが、その抵抗値は任意である。したがって、図2(B)および(C)に示す回路構成は、図2(A)の回路構成と比較すると、抵抗R0 ,R1 ,…,RN を形成する分の面積が大きくなるが、各抵抗値が任意であることから、トータル抵抗値を構成する抵抗の組合せの自由度が大きく、したがって、所望の抵抗値が得られやすいという利点がある。
また、図2(A)および(B)における基準抵抗Rrは、出力端子Toが一定電圧Vggに固定されないように設けられているが、省略も可能である。その場合、出力端子Toは、トランジスタTr0 ,Tr1 ,…,TrN の接続中点から引き出す構成とする。
さらに、たとえば、トランジスタTr0 ,Tr1 ,…,TrN の何れかを必ずオフとし、そのときの抵抗値が十分大きなことを前提として、図1における高周波遮断抵抗Rcの省略も可能である。
【0035】
図3は、バイアス調整回路に図2(B)の基本構成を採用した場合の具体的例(N=2)を示す回路図である。
図3に示す回路では、出力端子Toと基準電位端子Tssとの間に3つの抵抗R0 〜R2 が直列接続されている。抵抗R0 の値をrとすると、抵抗R1 の値が2r、抵抗R2 の値が4rと、一般式2N rで表される抵抗値設定がなされている。なお、本例では、出力端子Toと基準電位端子Tssとの間に、出力端子Toの直流電圧レベル変動を防止するためのキャパシタCcが接続されている。
【0036】
図4に、制御信号の論理値とゲート・ソース間電圧Vgsとの対応関係を表にまとめて示す。
制御信号V0 〜V2 が全てハイレベルのとき、トランジスタTr0 〜Tr2 が全てオンして、トータル抵抗はトランジスタのオン抵抗のみで無視できるほど小さいため、信号処理用トランジスタFET1のゲート・ソース間電圧Vgsは、ほぼ接地電位0Vとなり最小値をとる。
一方、制御信号V0 〜V2 が全てローレベルのとき、トランジスタTr0 〜Tr2 が全てオフして、トータル抵抗は7rとなり、信号処理用トランジスタFET1のゲート・ソース間電圧Vgsは、最大値{7r/(R+7r)}Vggをとる。
制御信号の他の論理の組合せにおいては、図4に示すように、その組合せに応じてゲート・ソース間電圧Vgsは最大値と最小値の中間の値をとる。
【0037】
このように本例では、外部からの制御信号の論理制御により、ゲートバイアス量を変え、ゲート・ソース間電圧Vgsを8段階可変とすることができる。したがって、パッケージング後もゲート・ソース間電圧Vgsの変更により、信号処理用トランジスタのドレイン電流の調整が可能である。
また、この信号処理回路では、バイアス調整のため抵抗やトランジスタが必要であるが、従来の、ワイヤボンディング時のパッドの選択による抵抗切り替え方法に比べると面積の増加量は小さい。
【0038】
第2実施形態
図5は、第2実施形態に係る信号処理回路の要部構成を示す図である。
【0039】
本実施形態では、信号処理用トランジスタFET1のゲートに、直接、バイアス調整回路が接続されていない。信号処理用トランジスタFET1の近くに、同じサイズで同時形成されるモニタ用トランジスタFET2が設けられ、両トランジスタFET1とFET2のゲート同士が、デカップリング手段3を介して接続されている。モニタ用トランジスタFET2のソースは接地され、ゲートとドレイン間に電圧レベルシフト手段4が接続されている。また、モニタ用トランジスタFET2のドレインとゲートバイアス電圧Vggの供給端子Tggとの間に、バイアス調整回路10が接続されている。
【0040】
本実施形態におけるバイアス調整回路10は、第1実施形態に係る図2(A)〜(C)において、それぞれ基準抵抗Rrを省略したものを用いることができる。
【0041】
また、本実施形態では、必要に応じて、信号処理用トランジスタFET1のドレイン電流i1を検出する手段、たとえば電流計5と、この電流計5をモニタしながらバイアス調整回路10に印加する制御信号の論理の組合せを変更する制御回路6とを追加的に設けてもよい。
この構成では、制御信号を外部から印加する必要がなく、信号処理用トランジスタFET1のドレイン電流i1を一定値に自動調整できる。
【0042】
図6に、バイアス調整回路10の基本構成を図2(A)型とした場合を例に、具体的回路の一例を示す。
【0043】
図6において、信号処理用トランジスタFET1のドレインとソース間には、直流バイアス電源VDC1(電圧値Vd)が接続されている。モニタ用トランジスタFET2のドレインには、抵抗R0、トランジスタTr0 ,Tr1 ,Tr2 ,Tr3 が直列接続されている。また、トランジスタTr0 とモニタ用トランジスタFET2のソースとの間には、直流バイアス電源VDC2(電圧値Vgg)が直列接続されている。両トランジスタFET1,FET2のソースは接地されている。モニタ用トランジスタFET2のドレインとゲート間には、電圧レベルシフト手段としてダイオードDが接続されている。本例では、電界効果トランジスタのソース・ドレイン間が短絡されてダイオードDとして用いられている。信号処理用トランジスタFET1およびモニタ用トランジスタFET2のゲート同士が、デカップリング手段としての抵抗R2を介して接続されている。抵抗R2とモニタ用トランジスタFET2のゲートとの接続中点と接地電位との間に、抵抗R3およびキャパシタCが並列に接続されている。抵抗R3はダイオードDとともにモニタ用トランジスタFET2のゲート電位を決定する抵抗であり、キャパシタCは高周波接地用である。
【0044】
信号処理用トランジスタFET1とモニタ用トランジスタFET2は、ウエハ内で互いに近い位置に形成された場合、そのしきい値電圧も近い値を示す。
両トランジスタFET1,FET2がディプリージョン形の場合、そのしきい値電圧Vthが設計値より深い、すなわち負極性で大きな値を示すとき、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電流I2は予定した値より大きい。このため、抵抗R0の電圧降下が大きく、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電圧は予定した値に対し低下する。この電圧は、ダイオードDによって所定電圧レベルだけ低下した後にモニタ用FET2のゲートに伝達され、モニタ用トランジスタFET2のゲートを閉じる方向に作用する。また、このレベル低下後の電圧はデカップリング抵抗R2を通して信号処理用トランジスタFET1のゲートにも伝達され、そのゲートを閉じるように作用する。このため、信号処理用トランジスタFET1のドレイン電流I1が減少し、結果として、所望の設計値に近いドレイン電流値に調整される。
【0045】
反対に、両トランジスタFET1,FET2のしきい値電圧Vthが設計値より浅い、すなわち負極性で小さな値を示すとき、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電流I2は予定した値より小さい。このため、抵抗R0の電圧降下が小さく、モニタ用トランジスタFET2のドレイン電圧は予定した値に対し上昇する。これに応じて信号処理用トランジスタFET1のゲート電位も上昇し、当該トランジスタFET1のドレイン電流I1が上昇して、設計値に近いドレイン電流値に調整される。
【0046】
ところが、信号処理用とモニタ用のトランジスタしきい値電圧Vthは完全に一致しないうえ、組み立て時のストレスを含む様々な要因でしきい値電圧Vthが変動し、これに応じて相互コンダクタンスgmも変動する。このため、ドレイン電流を一定とするには、組み立て後にバイアス電圧を調整する必要が生じる。
【0047】
図6に示す回路では、トランジスタTr0 ,Tr1 ,Tr2 ,Tr3 のゲートに印加される制御信号V0 〜V4 の論理の組合せを変化させることで、このバイアス調整を外部から行うことができる。
【0048】
図7に、トランジスタのオン/オフと抵抗R0を含む合計抵抗との対応関係を表にまとめて示す。図7は、抵抗R0を1kΩ、各トランジスタのオン抵抗が5Ω、オフ抵抗が0.5kΩの場合を示す。
本例では、制御信号の論理レベルに応じたてトランジスタTr0 ,Tr1 ,Tr2 ,Tr3 のオン/オフの組合せにより、合計抵抗を1kΩから3kΩまで0.5kΩステップで変更できる。
したがって、パッケージング後もバイアス調整回路10内のの合計抵抗を調整して、信号処理用トランジスタFET1に印加されるゲート・ソース間電圧Vgsを変え、その結果、ドレイン電流の微調整が可能である。
また、この信号処理回路では、ドレイン電流の検出用の電流計5および制御回路6を内蔵させることにより、外部から制御信号を印加しなくとも、ドレイン電流の自動調整が可能となる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、チップ面積を余り増大させずに、パッケージング後でも外部から制御によりバイアス電圧を微調整し、あるいは外部からの制御なしでバイアス電圧を自動的に微調整することが可能なバイアス調整回路と、これを備えた信号処理回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る信号処理回路の要部構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るバイアス調整回路の基本構成例を3例示す回路図である。
【図3】第1実施形態に係る信号処理回路において、バイアス調整回路に図2(B)の基本構成を採用した場合の具体的例(N=2)を示す回路図である。
【図4】第1実施形態に係る図3の回路において、制御信号の論理値とゲート・ソース間電圧Vgsとの対応関係を示す表である。
【図5】第2実施形態に係る信号処理回路の要部構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係るバイアス調整回路の基本構成を図2(A)型とした場合の具体例を示す回路図である。
【図7】第2実施形態に係る図6に示す回路において、トランジスタのオン/オフと抵抗R0を含む合計抵抗との対応関係を示す表である。
【図8】従来の自動バイアス調整回路の一構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1,10…バイアス調整回路、2…負荷、3…デカップリング手段、4…電圧レベルシフト手段、5…電流計(検出手段)、6…制御回路、FET1…信号処理用トランジスタ、FET2…モニタ用トランジスタ、R0 〜RN …抵抗、Tr0 〜TrN …トランジスタ(スイッチング素子)、Rr…基準抵抗、Tgg…ゲートバイアス電圧の供給端子(第1端子)、To…出力端子(第1端子)、Tss…基準電位の供給端子(第2端子)、Tc0 〜TcN …制御信号の入力端子(制御端子)、V0 〜VN …制御信号の電圧値。

Claims (4)

  1. 入力端子と出力端子、ならびに、基準電位に接続される電位固定端子を有し、入力端子で入力信号を受けて出力端子から出力信号を出力する信号処理用トランジスタと、
    上記入力端子と上記電位固定端子に接続され、上記基準電位を基準として上記入力端子に印加されるバイアス電圧を調整するバイアス調整回路と、
    を備え、
    上記バイアス調整回路は、
    周波遮断抵抗と
    上記高周波遮断抵抗を介して上記入力端子と電気的に接続される中間ノードと、
    一定電圧が印加される電圧印加端子と、
    上記中間ノードと上記電圧印加端子の間に接続された基準抵抗として機能する素子と、
    上記中間ノードと上記電位固定端子の間の可変抵抗経路に直列に接続され、オン時とオフ時で異なる抵抗値をとり、各抵抗値の合計が上記可変抵抗経路の抵抗値を決める複数の可変抵抗トランジスタと、
    印加されるディジタル信号の論理に応じて各可変抵抗トランジスタの導通と遮断をそれぞれ制御するための複数の制御端子と、
    を有する信号処理回路。
  2. 上記中間ノードと上記電位固定端子との間にキャパシタが接続されている
    請求項1に記載の信号処理回路。
  3. 上記信号処理用トランジスタの上記バイアス電圧に応じた特性値を検出する検出手段と、
    上記特性値に基づいて、上記バイアス調整回路の上記複数の制御端子に印加される上記ディジタル信号の論理値を変更する制御回路と
    をさらに有する請求項1に記載の信号処理回路。
  4. 入力端子と出力端子、ならびに、基準電位に接続される電位固定端子を有するトランジスタの上記入力端子に接続された高周波遮断抵抗と
    上記高周波遮断抵抗を介して上記入力端子と電気的に接続される中間ノードと、
    一定電圧が印加される電圧印加端子と、
    上記中間ノードと上記電圧印加端子の間に接続された基準抵抗として機能する素子と、
    上記中間ノードと上記電位固定端子の間の可変抵抗経路に直列に接続され、オン時とオフ時で異なる抵抗値をとり、各抵抗値の合計が上記可変抵抗経路の抵抗値を決める複数の可変抵抗トランジスタと、
    印加されるディジタル信号の論理に応じて各可変抵抗トランジスタの導通と遮断をそれぞれ制御するための複数の制御端子と、
    を有するバイアス調整回路。
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