JP4603795B2 - 送水システム、特に水泳および入浴用プール施設における水供給システムの殺菌および清浄化方法、ならびにそれを実行する装置 - Google Patents

送水システム、特に水泳および入浴用プール施設における水供給システムの殺菌および清浄化方法、ならびにそれを実行する装置 Download PDF

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Description

本発明は送水システムである水供給システム、詳細には、水泳プール施設である水泳プール・ユニットおよび入浴用プール施設である入浴用プール・ユニットの殺菌および清浄化方法ならびにそれを実行する装置に関する。
水の処理、詳細には水泳プールの水処理は、現在では、処理および殺菌に関して厳格な要求条件に適合することを必要とする。水泳および入浴用プールの水においては、衛生状態は極めて重要である。これはまた、例えば、フィルタ・ベッド内の生物堆積物(バイオフィルム)―水供給システムに必然的に発生する―および水供給システム(パイプ)の汚染物、および病原体、胞子体、微生物等のようなさまざまな細菌の付着するフィルタに関係し、その結果、技術的に容易に実行できる効果的な清浄化および殺菌―さらに、水の規定の殺菌、すなわち水泳および入浴用プールの水の規定の殺菌に対し―が一定の時間間隔で実行される必要がある。
したがって、一方では、細菌および微生物の殺菌および死滅の十分な殺菌能力を提供する必要性を満たす高品質の水を一貫して保証する必要があるが、同時に、水泳者が、プールの水中の化学的または微生物学的濃度水準で全く被害を受けないことが必要である。
不適正な水処理および殺菌は感染の大きな危険性の原因となり、したがって、例えば、病原菌、胞子体またはウイルス等により、水泳者の健康被害をもたらす可能性がある。
研究によると、さまざまなフィルタ材料の約80〜90%が、特に低い領域では、高濃度の細菌―緑膿菌またはレジオネラ・ニューモフィラ菌などの人体病原体を含む―を保有することを示している。さらにフィルタ材料は、水泳および入浴用プール・ユニットの水供給システムのフィルタ・チャンバ壁、フィルタ・ノズルおよび全体管路にも影響を与える。
水処理および殺菌の既知の方法は、入浴水の通例の殺菌を別にすれば、水供給システムは十分な清浄化および殺菌がなされないという欠点がある。これは、多量の塩素を使用する場合にも当てはまる。この欠点は直ちに現れ、その結果、水供給システム内の水の組成物による汚染、ひいては、水供給システム内の生物堆積物(バイオフィルム)さえも高濃度になるのを回避できない。
当技術分野で最近明らかになった点は、バイオフィルム(生物膜)は微生物自体の生存空間を生成し、ここに、水、基質および栄養物が供給される。バクテリア、原生動物またはウイルスなどのさまざまな微生物はこの“自納生存空間”内で生存する。微生物はこの生存空間内に栄養物を有するだけでなく、さらに増殖を保護される。バイオフィルムは微生物(居住者)を養うチャンネルを有している。
これについての危険性は、バクテリア自体が活性分離し、ひいては、水を集合体にする可能性があることである。これら集合体は、水泳および入浴用プール水について、先に述べたような、殺菌の程度に対し比較的感度が低い。
したがって、殺菌されない領域は、フィルタ材料、フィルタ・チャンバおよびフィルタ管路の低い領域において、水泳プール・ユニット―炭素を含有する吸収材料を使用する場合―で発生すると、特に危険である。したがって、バイオフィルムの望ましくない成長は比較的急速に発生する。
特に、大多数がプラスチックで製造されるパイプ材料は、この場合に重要な役割を持つ。
これらバイオフィルムは時間が経過するほど、破壊し難くなる。水泳プールで通常使用される塩素濃度では、例えば、既存のバイオフィルムを除去できない。適正な方法によりバイオフィルムを破壊させることは、人の健康に与える最近確認された危険性の理由から、将来さらに重要になる。
従来技術の1つの実施例によれば、DE−32 29 219は、水泳プール、浄水および廃液処理ユニットにおける水処理用の、粒子を含む逆洗フィルタ・ベッドの逆洗媒質として表面活性剤の使用を記載している。ただし、この方法の洗浄効果は固体堆積物だけに効果がある。詳細には、微生物によるフィルタ汚染に対しては、わずかな効果を発揮するだけである。さらに、表面活性剤は高濃度で使用される必要があり、結果的にコスト高および大量の廃液を発生させる。
したがって、本発明の目的は、前述の欠点のない方法を提供することである。詳細には、大きい清浄化および殺菌効果に加えて―バイオフィルムの問題に対処するため―本発明による方法は、水供給システム全体または水供給領域全体の効果的な汚染除去、例えば水泳または入浴ユニット、詳細には、微生物、病原菌、胞子体、ウイルス、真菌類およびあらゆる種類の汚染などの効果的な汚染除去に役立つ。この方法はまた、費用効果に優れ、言い換えると、経済的に実行可能な動作を実現し、少量の廃液しか発生させない。
本発明によれば、この目的は、送水システムおよび送水表面の殺菌および清浄化方法に対し、以下の工程を用いることにより達成される。
(1)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共にこれら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムまたは送水表面の第1点及び第2点の2点間に閉回路を構成し、
殺菌および清浄化される送水システムの構成部分が、前記第1点及び第2点の2点間に配置され、
前記構成部分は少なくとも、吸着特性を有するかまたは有しないフィルタカーボンを含む、パイプ、フィルタおよびフィルタ材料からなり、
(2)殺菌および清浄化のための洗浄水溶液を前記閉回路に加え、
(3)前記閉回路内において一定の時間間隔で前記洗浄水溶液を周期的に循環させて、前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化し、
(4)前記洗浄水溶液を前記閉回路から排出して捨て、
(5)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する。
好ましくは、前記方法は、水泳又は入浴用プール・ユニットの殺菌および正常化に用いる。
本発明による方法の第1実施形態によれば、最初に、オーバーフロー水タンクの出口と清浄水が水泳または入浴用プールに入る直前の入口の間に、工程(1)の閉回路を構成する。これは、当業者には、関連する水泳または入浴ユニットに従う既知の手段を用いて実行でき、また、対象の構造的状態に依存する。この後には工程(2)が続き、殺菌および清浄化のために、酸化塩素、ハロゲンおよび/または過酸化物を含む洗浄水溶液から選択される所定量の殺菌剤を加える。洗浄水溶液およびその混合物の量は、必要条件に応じて変更でき、対象とする水供給システム、規模、容量、汚染程度および清浄化に利用できる時間に関して適切に決定すべきである。
工程(3)は、前記閉回路内において一定の時間間隔で前記洗浄水溶液を周期的に循環させている間、吸着特性を有するかまたは有しないフィルタカーボンを含む、水供給システム内のパイプ、フィルタおよびフィルタ材料を殺菌および清浄化する。言い換えると、洗浄水溶液は連続的に循環させる必要はなく、循環しない動作時間も長くなる。
洗浄水溶液を数分〜数時間、例えば約3〜10分、または約3〜12時間、好ましくは約4〜8時間、詳細には約4〜6時間循環させる方法が判明した。この場合、循環は1回または数回中断できる。したがって、循環はいわゆる休止段階から開始され、洗浄水溶液は特定の動作時間の間停止状態となる。好ましくは、循環は特定方向に実行されるか、または2方向のうち一方に交互に実行される。
殺菌および清浄化後、洗浄水溶液は、本発明による方法の第1実施形態の工程(4)において排出して捨てられる。洗浄水溶液は、消費されない活性剤の含有試験(定量的試験)後、繰返し使用できる。
最後に、水泳または入浴ユニットのもとの水循環は、一時的に構成された追加管路、装置またはシステムを分解または取り除くだけで、工程(5)で再接合され、その結果、通常動作を再開できる。
工程(1)〜(5)による方法のこの第1実施形態を繰り返すことが推奨される。言い換えると、一定の時間間隔で前記方法を実行して、適正な殺菌および清浄化効果を維持し、すなわち、長時間の間の望ましくない汚染を避ける。
別の好ましい実施形態においては、水供給システムは温水槽、詳細には温水渦流槽または渦流槽である。ただし、この方法を用いて、家庭用設備、特にシャワー装置の飲料水供給システムに良好な効果を得ることができる。シャワー装置における使用については、特に、温水ボイラとシャワー・ヘッドの間に工程(1)の閉回路を構成するのが望ましい。良好な結果はまた、この方法を工業分野におけるプロセス水処理システムに適用する場合にも得られる。
本発明による方法の別の特定の好ましい変形形態では、送水システムおよびその表面である水供給システムおよび水供給領域の殺菌および清浄化、詳細には、以下の工程による、処理装置である処理ユニット、パイプ設備および水泳および入浴用プール・ユニットの殺菌および清浄化の方法を提供する。
(a)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共にこれら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムの第1点及び第2点の2点間により限定された部分を仕切り、この第1点及び第2点の2点間に、殺菌および清浄化される送水システムの構成部分を配置し、
(b)この仕切られた部分に高濃度洗浄溶液を導入し、
(c)この洗浄水溶液を用いて、必要に応じて循環させ、前記仕切られた部分を十分に洗浄し、
(d)この仕切られた部分から前記洗浄水溶液のサンプルを取り出し、
(e)この洗浄水溶液のサンプル中の、前記殺菌剤の存在、殺菌剤の濃度、殺菌の効果および清浄化の効果の中から選択される少なくとも何れかを検査し、
(f)必要に応じて前記工程(c)〜(e)を繰り返し、
(g)仕切られた部分から前記洗浄水溶液を排出して捨て、
(h)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する。
本発明による方法の第2変形形態によれば、水供給システムの限定された部分はまず工程(a)で仕切られる。言い換えると、特定領域が選択され、2つの限界決定がなされる。工程(b)において、少なくとも1つの殺菌剤を含む高濃度洗浄水溶液がこの限定された領域に導入される。
次に、この洗浄水溶液を用いて、前記限定された部分を洗い流す(工程(c))。この“洗い流す”という表現は、本発明では広い意味に理解されるものである。ある選択では、これはガスを導入することにより、圧力を利用して洗浄溶液を限定された部分を通して流し出すことを意味することもある。好ましくは、圧縮空気が用いられる。別の実施形態によれば、パイプ内面であるパイプ内壁、フィルタおよびフィルタ材料にもまた、洗浄溶液を吹き付けることができる。任意選択では、洗浄溶液は、前述のとおり、循環させることもできる。
工程(d)において洗浄溶液を収集後、殺菌剤がまだ存在するかどうかの検査が実行される。殺菌効果は消費(消耗とも呼ばれる)された活性剤の量から推定できる。殺菌剤がそれ以上消費されなくなったとき、完全な殺菌が得られる。別のさらに正確な検査は、洗浄溶液での殺菌の前後に、活性剤の濃度を測定し、その後、2つの濃度値を比較することにより実行できる。殺菌効果を検査する適切な方法は、要求条件に応じて選択することもできる。
本発明によれば、好ましくは、殺菌および清浄化効果は既知のBart(biological activity reaction test)試験を用いて検査されるが、システムに含まれるフィルタ材料に応じて、吸着作用または他の生物学的研究に関連する別の既知の試験方法を用いて検査することもできる。このような検査方法およびクイック試験等は、当業者には既知であり、したがって、ここでは詳細に説明しない。
水供給システムを殺菌および清浄化する工程(c)〜(e)は、必要に応じて繰返すことができる。
本発明によれば、本発明の方法の前記第1および第2変形形態を結合することにより、清浄化の特に難しいプロセス経路の各部分を、仕切って殺菌および清浄化できる。吸着特性を有するフィルタ材料(例えば、粒状の活性炭素または特定種類の亜炭)を用いて中央処理段階―濾過―が実行されるプロセス経路を殺菌および清浄化するために、例えば、最初にこれらフィルタ材料を個別に処理するのが有利である。このフィルタ材料の処理方法としては、吸着特性を有する炭素系材料を清浄にする(化学的および微生物学的に)のに必要な量の洗浄溶液を最初に導入し、その溶液を作用させる(本発明の方法の第1変形形態)。
次に、全体の清浄化プロセスは、所定のプロセス経路の一部内でのみ洗浄溶液を循環させることにより実行でき(本発明の第1実施形態の繰返し)、またはプロセス経路全体は殺菌および清浄化できる(本発明の第2変形形態)。
例えば、望ましくない程度にまで汚染される粒状活性炭素フィルタは、サンド・フィルタ(sand filter)の例えば下流に接続され、この清浄化システムを用いて特別に周期的に処理される。したがって、パイプ設備の特定部分、例えばフィルタ管路および清浄水管路は、本発明の方法によりプロセス経路内で計画的に殺菌および清浄化できる。
本発明の特定の好ましい実施形態によれば、酸化塩素を含む水溶液が洗浄水溶液として使用される。塩素の酸化物の中でも、二酸化塩素は、効力および可用性の両方の理由で特に望ましいことが判明している。二酸化塩素は化学的に不安定な物質であり、取扱いが難しいため、溶液中の二酸化塩素の大部分が自由状態で存在せずに、化学的に結合して化学種を生成し、その種から二酸化塩素が再生成されることが有利である。このような物質の1つは、[Cl4102-である。この2価の錯陰イオンは、ELINCS(届出化学物質リスト)番号420−970−2に記載されており、以下の2つの反応に従って水溶液中で反応する。
(1)[Cl4102- ⇔ 4ClO2+O2+2e-(連続相)
(2)[Cl4102-+2e- → 5O2+4Cl-(平衡全体等式)
このように、[Cl4102-溶液は、酸化塩素と等価であり、したがって、この2価陰イオンは常に特定量の二酸化塩素を含み、この二酸化塩素は、合成物の分解からの中間生成物として得られ、かつ消費されるにつれて補給される。したがって、TCDO合成物は生体触媒として反応する酸素キャリアを構成し、この酸素キャリアは酸化特性の点で、次亜塩素酸塩、塩素酸塩および過酸化水素と定性的に異なり、また亜塩素酸塩と定量的に異なる。単なる酸化物および塩化物は最終反応生成物として生成され、これらはいずれの廃液問題にも有効に作用しない。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、生体触媒としての選択的反応作用により、優れた特性を有する[Cl4102-の水溶液を用いる。好ましくは、[Cl4102-を含む水溶液は、硫酸イオンを含むpH≦3の水溶液とペルオキソ化合物(ペルオキソ化合物は、この水溶液中で安定する)と混合して得られ、その後、亜塩素酸塩のアルカリ水溶液をこの溶液に加える。好ましくは、硫酸イオンを含む水溶液は、この水溶液中で安定するペルオキソ化合物と、水溶液中の約0.001〜0.01モルのペルオキソ化合物濃度を実現する量で混合される。本発明によれば、硫酸イオンを含む水溶液は、この水溶液中で安定するペルオキソ化合物と混合され、その後この溶液に亜塩素酸塩のアルカリ水溶液を、pH値7以上、詳細には7.5〜8.0の値を得るような量だけ加えることもできる。
詳細には、ペルオキソ化合物として、過酸化水素、過硫酸、過炭酸、過ホウ酸、あるいはアルカリまたはアルカリ土類金属の過酸化物のかたちで無機ペルオキソ化合物を用いるのが有利であることが判明した。好ましくは、亜塩素酸塩として、アルカリまたはアルカリ土類金属の亜塩素酸塩が用いられる。特に有利な結果は、硫酸イオンを含む水溶液がpH≦1であるときに得られる。
使用される開始水溶液が、低い炭酸硬度を有するだけか、または脱塩水で調製される場合、爆発性空気/二酸化塩素混合物の組成が、二酸化塩素を含む少量のガスと空気との間に保護ガス層の無い状態を発生するため、不活性ガス環境内で操作することが推奨される。空気と二酸化塩素の成分比が約10:1であるとき、空気/二酸化塩素混合物は二酸化塩素の爆発分解を生じやすく、その結果塩素と酸素に分解する。中間または高い炭酸硬度の開始水溶液の場合(炭酸硬度>約7度cr>約1.3mol/l)、一種の二酸化炭素の過保護ガス層が形成されるため、不活性ガスの使用は一般に不必要である。したがって、好ましくは、脱塩水を用いて硫酸イオンを含む水溶液を調製し、これを用いて、[Cl4102-を含む溶液を生成する。
好ましくは、[Cl4102-を含む溶液は水溶性燐酸塩を含む。この理由は、最終溶液が少量の水溶性燐酸塩、例えば少量のナトリウム・メタ・ポリリン酸塩(sodium metapolyphosphate)を含む場合、ペルオキソ化合物の量が減少するためである。
使用する洗浄水溶液の濃度はさまざまな要素、例えば水供給システムの汚染および/または生物堆積物またはバクテリア汚染度合いに依存する。したがって、好ましくは、本発明による方法における酸化塩素、ハロゲンおよび/または過酸化物を含む洗浄水溶液は、少なくとも約0.1mol/l以上、好ましくは少なくとも約0.15mol/lの初期の亜塩素酸濃度に相当する濃度で使用される。これにより、本発明によって極めて良好な結果を得た。
本発明による前述の[Cl4102-の水溶液の変形形態以外に、酸化塩素、ハロゲンおよび/または過酸化物を含む別の洗浄水溶液を使用することができるのは当然であるが、これらは余り好ましくない。
好ましくは、前記方法は、殺菌剤を連続投与するように構成される。このような投与方式は、例えば、洗浄およびシャワー水を供給する供給水ユニットを使用するか、あるいは、水泳プール・ユニットの供給水管路のバイパス、または工業目的の水供給管路により実現できる。特に好ましいユニットの構成は、殺菌剤を用いる連続洗浄および殺菌剤の連続投与の両方が可能な構成である。図1はシャワー・ユニットの装置を示しており、この装置は、水供給システムの周期的洗浄に必要な殺菌剤量を導入できるだけでなく、殺菌剤の連続投与も実行できる。
周期的洗浄については、送水側遮断タップである遮断タップ(3)および(20)が閉じられる。排水コック(7)が開かれ、殺菌剤溶液をその後に補充されるのと同量の水がシステムから取り出される。殺菌剤溶液の排水および補充の前に、管路側遮断タップである遮断タップ(6)および(17)を開く必要がある。次に循環ポンプ(16)が起動され、必要な量の殺菌剤が同時に投与される(洗浄は“停止−起動”法によって実行され、送出ポンプは特定の時間間隔で切換えられる)。システム全体は、洗浄プロセス後に排水される。次に、システムは飲料水で再度補充され、再度循環および排水される。これにより、残りのすべての殺菌剤溶液および生物堆積物の残留物および汚染物質がシステムから確実に洗い流される。次に、管路は飲料水で再度満たされ、作動状態に復帰できる。
殺菌剤の連続投与を実行する場合、2つの遮断タップ(6)および(20)は閉じられ、遮断タップ(1)、(3)、(8)、(14)および(17)は開かれる。必要量の殺菌剤溶液は、2つの注入ポンプおよび接触式水量計を使用して、水消費量の関数として投与される。
ここでの説明は例としてシャワー・ユニットを引用しているが、殺菌および清浄化する水供給システムおよび殺菌剤の定量的比例投与の方法の別の用途も可能である。
本発明はまた、水供給システムおよび領域の殺菌および清浄化の装置に関するものであり、この装置は、
前記送水システムおよびその表面は、少なくともパイプ及びフィルタを有し、
前記装置は少なくとも1つの殺菌剤を一定量だけ導入する手段を有し、
(1)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共に、これら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムまたは送水表面の第1点および第2点の2点間に、少なくともパイプおよびフィルタを有しつつ殺菌および清浄化される送水システムの構成部分を配置し、この第1点および第2点の2点間に閉回路を設ける手段と、
(2)閉回路に少なくとも1つの殺菌剤を一定量導入するために設けられ、前記殺菌剤は殺菌および清浄化に用いる酸化塩素、ハロゲンおよび過酸化物の中から選択される何れかのものを含む洗浄水溶液である、前記導入する手段と、
(3)前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化するために、閉回路外に配置されて閉回路内で洗浄溶液を循環させるための少なくとも1つのポンプと、
(4)前記洗浄水溶液を閉回路から排出する少なくとも1つの出口と、
(5)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する手段と、
を備える。
好ましい実施形態においては、水供給システムは水泳または入浴用プール・ユニットである。この場合には、水泳または入浴用プール・システムの殺菌および清浄化は、以下を備える装置により実行される。
前記水泳または入浴用プール施設は、出口を持つオーバーフロー水タンクと入口を持つ水泳または入浴用プールを備え、
前記出口と入口は機械的な流体接合により結ばれ、
この接合における前記第1点は前記出口に近く、同接合における前記第2点は同入口の直前にある。
したがって、本発明による装置は、オーバーフロー水タンクの出口と清浄水が水泳または入浴用プールに入る直前の入口の間の閉回路を備え、かつ、殺菌および清浄化のための、酸化塩素、ハロゲンおよび/または過酸化物を含む洗浄水溶液の形の少なくとも1つの所定量の殺菌剤を含む。好ましくは、これは、水溶液中の前述の[Cl4102-である。
さらに、閉回路内で洗浄溶液を循環し、同時にシステムに含まれるパイプおよびフィルタを殺菌および清浄化する、少なくとも1つのポンプを備えている。このポンプは、いわゆる“停止−起動”モードで作動し、言い換えると、循環は必要に応じて一定の時間間隔で実行され、その場合、循環は一方の方向に、その後、他の方向に交互になされる。次にポンプは停止され、洗浄溶液は水供給システム内に残り、殺菌作用を行ない、その後、洗浄溶液の循環を再開する。
本発明の好ましい実施形態によれば、水供給システムおよび水供給領域、詳細には、処理ユニット、パイプ設備ならびに水泳または入浴用プール・ユニットの水供給システムおよび領域を殺菌および清浄化する装置は、
少なくとも1つの殺菌剤を含む、高濃度洗浄溶液を導入する手段と、
殺菌剤の存在、殺菌剤の濃度、殺菌効果および清浄化効果の中から選択される少なくとも何れかを検査する手段を備え、
(a)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共に、これら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、殺菌、消毒および清浄化される送水システムの構成部分が、第1点及び第2点の2点間に配置された状態で、送水システム内の前記第1点及び第2点の2点間により限定された部分を仕切る手段と、
(b)前記高濃度洗浄溶液を前記仕切られた部分に導入する導入手段と、
(c)前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化するために、この洗浄水溶液を用いて前記仕切られた部分を十分に洗浄する手段と、
(d)この仕切られた部分から前記洗浄水溶液のサンプルを取り出す手段と、
(e)前記仕切られた部分から前記洗浄水溶液を排出する手段と、
(f)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する手段と、
を備える。
これにより、本発明の方法のそれぞれの変形形態により詳細に説明したとおり、水供給システムの殺菌および清浄化効果の最適制御および管理が可能になる。
本発明の方法および装置は、プール・ユニットにおける、詳細には水泳および入浴用プール循環路におけるさまざまな方式の水供給システムの殺菌および清浄化に適するものであり、原理的に、水供給システムの方式、規模および構成に関する制限がない。本発明の方法または装置の2つの変形形態を組み合わせることにより、プロセス経路の問題の発生しやすい領域を殺菌および清浄化できる。
全体として、本発明は、従来技術に比較して極めて良好な結果をもたらす、水泳プール・ユニットの殺菌および清浄化を実現する、と言える。例えば、生物堆積物(バイオフィルム)に関する清浄化効果は大幅に向上する。細菌、微生物、胞子体、ウイルスおよび真菌類による汚染に対する効果に関する重要な利益は、したがって特に明白である。従来技術で述べられた清浄化方法は、この場合にはわずかな効果しか発揮しない。さらに好都合なことは、本発明による方法は、微生物の発生またはバイオフィルム構造の生成に関して大きい殺菌効果を発揮するだけでなく、強力な予防効果も得られることである。これは、すべての細菌を死滅させ、同時に、微生物の生長に結びつく(例えば、栄養物源として作用することにより)全汚染を実質的に皆無にすることが、処理後の長時間にわたり微生物の繁殖を防止するという事実に起因すると予測される。したがって、本発明による方法を使用することにより、有効かつ予防的な健康保護についての予防方法として考え、これを実行可能であり、またそのようにすべきである。
したがって、本発明による前述の実施形態によれば、プロセス経路の好都合な特定部分を選択し、その部分に殺菌および清浄化方法を実行することができる。これは、特にパイプの交差部分が比較的多い場合に、水の消費量の減少を必然的に伴う。洗浄溶液の必要量は大幅に低減し、一方で、同一程度の殺菌および清浄化効果も達成される。本発明の方法の前述の変形形態の別の利点は、各処理の実行後に、清浄化効果を検査し、その結果、有効な制御を達成し、必要に応じて別の処理を実行できることである。これにより、洗浄溶液の濃度、清浄化プロセスの継続時間および使用される水量を相互に最適に整合させることができる。特に清浄化が困難な領域はさらに追加して処理でき、プロセス経路内の特定部分、例えばフィルタ管路および清浄水管路は好都合に清浄化および殺菌できる。水量の大幅な低減により、本発明による洗浄溶液のコストは節減できるが、廃液の大量の発生はない。
本発明による装置の実施形態は、添付の図2に示される。図は以下を示す。
すなわち、
−オーバーフロー水タンク(10)
−供給水管路への通路(20a)
−凝集(F1)の第1処理段階の前の、供給水のサンプリング・ライン(管路)およびサンプリング・コック(栓)(25a)
−以下を有するフィルタ(30)
−吸着段(30a)
−バリヤー層(30b)
−保護層(30c)
−殺菌(塩素処理)前の、濾過された水のサンプリング・ライン(管路)およびサンプリング・コック(栓)(25b)
−熱交換器(40)
−基本および実用化塩素処理装置(50)
−プールに入る直前の、殺菌(塩素処理)後の、清浄水のサンプリング・ライン(管路)およびサンプリング・コック(栓)(25c)
−清浄水管路への通路(20b)
−水泳プール(60)
フィルタ(30)は下部領域、すなわち保護領域(30c)内で最大の汚染を有し、その後、基本および実用化塩素処理装置(50)に進み、殺菌された状態で水泳プール(60)まで延びる。しかしながら、媒質の強い汚染はフィルタの上部領域の吸着段(30a)およびオーバーフロー水タンク(10)のタンク端部でも発生する。
したがって、水泳プール・ユニットの水供給システムにおけるプロセス経路のこのような特に強く汚染される領域を殺菌および清浄化するために、オーバーフロー水タンクの出口、例えば通路(20a)と、清浄水が水泳または入浴用プールに入る直前の入口、通路(20b)との間に、閉じた配管系(図示なし)を形成する。殺菌および清浄化のために、酸化塩素、ハロゲンおよび/または過酸化物を含む洗浄水溶液の所定量、好ましくはTCDO混合溶液をこのシステムに加え、ポンプ(図示なし)を用いて一定の時間間隔で循環させる。洗浄溶液の循環中は、サンプリング・コック(栓)をわずかに開き、パイプライン(供給水、濾過された清浄水のライン)とサンプリング・コック(栓)の間の、パイプおよびチューブの洗浄溶液により殺菌および清浄化できるようにする。
これは重要なことである。なぜなら、周知のとおり、これらパイプおよびチューブ内の水の大部分は、時間の経過と共に、および循環ユニットの作動中(濾過プロセス)はよどんだ状態になるからである。これが繰り返されると、サンプリング・コック(栓)のパイプおよびチューブの微生物汚染が大きくなり、微生物試験の誤った解釈に導く可能性がある。
殺菌および清浄化が実行された後、洗浄水溶液は排出され、図1に示すプール・ユニットのもとの水循環路は復旧される。
次に、実施例を参照して本発明を説明する。
−[Cl4102-を含む溶液の調製−
0.5gの30wt%濃度の過酸化水素溶液を、pH5の硫酸を含む1Lの水(炭酸硬度:18度または3.2mol/l)に加え、0.9Lの市販の亜塩素酸ナトリウム溶液(約300gの亜塩素酸ナトリウム/L)を、攪拌しながら、前記溶液に加える。次にこの溶液は褐色変化を経て、ここでは、安定化反応が発生後、pH7を超えると明るい黄緑色になる。これから、溶液はpH約7.5に調整される。
−本発明による第1の方法を用いる水泳プールの水供給システムの殺菌および清浄化、または装置の変形形態−
この場合には、水泳プールおよび公衆浴場のレクリエーション・プールの水処理ユニットが殺菌および清浄化される。流量はプールの水量約470m3では、1時間当たり約150m3である。プール・ユニットは、平均で350人/日で使用される。利用者はプールが開いている時間、約250〜1000人/日の間で頻繁に変動する。
本発明による方法は以下のように実行した。
最初に、オーバーフロー水タンクの出口と水泳プールの入口の間に、の閉回路を構成した。これは、追加入口および出口と、水泳プール水処理ユニットの供給水管路および清浄水管路上の特定点を提供することによりなされる。
次に、フィルタをユニットに要求される洗浄データに従って洗浄する。洗浄後、循環ユニットは通常動作に戻される。水泳および入浴用プールの水を約10分間循環させた後、循環ユニットを停止し、処理経路から水が失われていないことを検査する。
次に、殺菌剤溶液を導入することにより、再度生成される水量だけを、清浄化されるプロセス経路から取り出す。次に、[Cl4102-溶液の形で殺菌および清浄化する洗浄水溶液を、最初の亜塩素酸濃度である約0.1〜0.2mol/lに一致する濃度で加える。
殺菌剤溶液は、循環の間に、清浄化される入浴用プールの水処理ユニットのプロセス経路の各部分に注入ポンプにより投与され導入される。
洗浄溶液は、それぞれ約1〜3時間の一定の時間間隔に対していわゆる“停止−起動”方法を用いて、特殊な周波数制御循環ポンプにより循環し、ポンプは 約20〜40分の間停止し、洗浄溶液の特定の作用時間を与えた。
いわゆる“休止状態”では、洗浄空気ファンを設けて、2〜5分間フィルタに洗浄空気を“吹き込む”ことにより、フィルタ材料の追加の遊離を実現して、フィルタ材料内のTCDO溶液による酸化清浄化プロセスを促進する。
洗浄溶液を用いた約3時間の処理完了後、TCDO試薬を用いて検査を実行し、使用されたTCDO溶液からの活性剤が洗浄溶液内に存在するかどうかを確認する。これにより、殺菌剤溶液の十分な効力が洗浄化プロセスを通して確実に実現される。
その後、洗浄水溶液は排出し、処理される。これは管路内だけでなされる。フィルタ内の残留洗浄溶液は、洗浄水管路によりフィルタを洗浄して洗い流す。
その後、水泳および入浴用プールの水処理システムのもとの水循環路が復旧される。
フィルタは24〜36時間の動作後、再度洗浄する必要がある。
洗浄溶液の量は、120lの作用溶液(活性剤:TCDOアニオン)であり、この溶液は、全量で9m3の水内に導入され、洗浄溶液として使用される。
−本発明による方法の変形形態を用いる水供給システムの殺菌および清浄化−
例2の手順を実行したが、洗浄溶液は、それぞれ約1〜3時間の一定の時間間隔で循環し、ポンプは約30〜60分の間停止し、洗浄溶液の特定の作用時間を与えた。
洗浄溶液の殺菌および清浄化効果は、[Cl4102-(TCDO合成物)を用いて、さまざまな公共水泳プール・ユニットからの微生物汚染された粒状活性炭素の化学的殺菌および清浄化について、DIN EN 1276/1997年8月(化学殺菌剤および防腐剤)および研究および試験―実験技術および工業規模―に準拠する殺菌試験により実施した。
実際の試験については、“HydroQuan”TCDO試薬を用いて洗浄溶液内のTCDOアニオンの定性的検出を実施できる。“HydroQuan”TCDO試薬は基本的に、実験式FeCl3を有する塩化物イオン(III)の水溶液から成り、扱いやすい化学試験剤を構成し、色変化(明るい黄色から褐色)によりTCDOアニオンを検出できる。TCDOアニオンが洗浄溶液中に依然として存在する場合、pH3〜pH11の広いpH範囲の溶液のpHに関係なく、褐色が発生する。褐色はまた、遊離活性塩素成分に関係なく発生する。最大100mg/Lの遊離活性塩素濃度であっても、洗浄溶液中のTCDOアニオンの測定可能な効果は見出せない。したがって、洗浄溶液の殺菌および清浄化はTCDO合成物の消費量から決定した。
−本発明による方法の別の変形形態を用いる水供給システムの殺菌および清浄化−
実施例2と類似であるが、プロセス経路の特定部分が殺菌および清浄化される、正確に限定された範囲を有する閉回路を構成した。
次に、最初の亜塩素酸濃度である約1.5mol/lに一致する濃度の[Cl4102-溶液が殺菌および清浄化のために、高濃度洗浄水溶液として加えられた。洗浄溶液の量はパイプ容積の1/100〜1/20であった。洗浄溶液は圧縮空気により仕切られた部分を通して分配された。
殺菌および清浄化効果は、前述の実施例3と同様に決定した。
(原文に記載なし)

Claims (28)

  1. 酸化塩素、ハロゲンおよび過酸化物の中から選択される何れかのものを含む洗浄水溶液のかたちの所定量の殺菌剤を加えることで殺菌および清浄化を行う、送水システムおよびその表面の殺菌および清浄化方法であって、
    (1)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共にこれら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムまたは送水表面の第1点及び第2点の2点間に閉回路を構成し、
    殺菌および清浄化される送水システムの構成部分が、前記第1点及び第2点の2点間に配置され、
    前記構成部分は少なくとも、吸着特性を有するかまたは有しないフィルタカーボンを含む、パイプ、フィルタおよびフィルタ材料からなり、
    (2)殺菌および清浄化のための洗浄水溶液を前記閉回路に加え、
    (3)前記閉回路内において一定の時間間隔で前記洗浄水溶液を周期的に循環させて、前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化し、
    (4)前記洗浄水溶液を前記閉回路から排出して捨て、
    (5)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する、
    前記(1)〜(5)の各工程を有する殺菌および清浄化方法。
  2. 送水システムは、水泳または入浴用プール施設であることを特徴とする、請求項1記載の殺菌および清浄化方法。
  3. 前記水泳または入浴用プール施設は、出口を持つオーバーフロー水タンクと入口を持つ水泳または入浴用プールを備え、
    前記出口と入口は2つの管路に結ばれ、
    この接合における前記第1点は前記出口に近く、同接合における前記第2点は同入口の直前にあって、前記閉回路はこの第1点及び第2点の2点間に構成されることを特徴とする、請求項2記載の殺菌および清浄化方法。
  4. 水供給システムは、温水槽、詳細には温水渦流槽または渦流槽であることを特徴とする、請求項1記載の殺菌および清浄化方法。
  5. 水供給システムは家庭用設備の内のシャワー装置における飲料水供給システムであることを特徴とする、請求項1記載の殺菌および清浄化方法。
  6. 温水ボイラとシャワー・ヘッドの間に前記工程(1)における閉回路を構成することを特徴とする、請求項5記載の殺菌および清浄化方法。
  7. 送水システムは、プロセス水供給の工業用システムであることを特徴とする、請求項1記載の殺菌および清浄化方法。
  8. 前記工程(3)による循環は、好ましい方向、または2方向の一方に交互に実行されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  9. 前記洗浄溶液は数分〜数時間、詳細には3〜12時間循環され、この場合には、循環は1回または数回中断できることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の殺菌および清浄化方法。
  10. 送水システムおよびその表面、詳細には、処理装置、パイプ設備ならびに水泳または入浴用プール施設における送水システムおよびその表面を、少なくとも1つの殺菌剤を含む高濃度洗浄溶液を加えることにより実行する、殺菌および清浄化方法であって、
    (a)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共にこれら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムの第1点及び第2点の2点間により限定された部分を仕切り、この第1点及び第2点の2点間に、殺菌および清浄化される送水システムの構成部分を配置し、
    (b)この仕切られた部分に高濃度洗浄溶液を導入し、
    (c)この洗浄水溶液を用いて、必要に応じて循環させ、前記仕切られた部分を十分に洗浄し、
    (d)この仕切られた部分から前記洗浄水溶液のサンプルを取り出し、
    (e)この洗浄水溶液のサンプル中の、前記殺菌剤の存在、殺菌剤の濃度、殺菌の効果および清浄化の効果の中から選択される少なくとも何れかを検査し、
    (f)必要に応じて前記工程(c)〜(e)を繰り返し、
    (g)仕切られた部分から前記洗浄水溶液を排出して捨て、
    (h)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する、
    前記(a)〜(h)の各工程を有する、殺菌および清浄化方法。
  11. 前記洗浄溶液は、前記工程(c)において高圧ガスにより洗い流されること特徴とする、請求項10記載の殺菌および清浄化方法。
  12. 前記洗浄溶液は、前記工程(c)において、パイプ内面、フィルタおよびフィルタ材料の中から選択される何れかのものに噴射されることを特徴とする、請求項10記載の殺菌および清浄化方法。
  13. 前記工程(3)および前記工程(c)における殺菌および清浄化は、サンプルを引き出すために前記送水システムのパイプおよびタップにも用いられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項または、請求項10〜12のいずれか1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  14. 殺菌剤は、酸化塩素、ハロゲンおよび過酸化物の中から選択される何れかのものを含む洗浄水溶液であって、その濃度は、少なくとも0.1mol/l、詳細には少なくとも0.15mol/lの初期の亜塩素酸濃度に相当する濃度であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  15. 酸化塩素を含む前記水溶液は、四塩化物デカオキシド合成物2価陰イオン[Cl4102-を含むことを特徴とする、請求項14記載の殺菌および清浄化方法。
  16. 前記四塩化物デカオキシド合成物2価陰イオンの水溶液は、硫酸イオンを含むpH≦3の水溶液と、この水溶液中で安定するペルオキソ化合物とを混合し、得られた溶液に、亜塩素酸塩のアルカリ水溶液を加えることによって得られることを特徴とする、請求項14および15のいずれか1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  17. 硫酸イオンを含む前記水溶液は、この水溶液中で安定するペルオキソ化合物と、水溶液中の0.001〜0.01モルのペルオキソ化合物濃度を実現する量で混合されることを特徴とする、請求項16記載の殺菌および清浄化方法。
  18. 硫酸イオンを含む前記水溶液は、この水溶液中で安定するペルオキソ化合物と混合され、得られた溶液は亜塩素酸塩のアルカリ水溶液を、pH値7以上、詳細には7.5〜8.0の値となるような量で混合されることを特徴とする、請求項16または17のいずれかに記載の殺菌および清浄化方法。
  19. ペルオキソ化合物は、過酸化水素、過硫酸、過炭酸、過ホウ酸、あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過酸化物の形態の無機ペルオキソ化合物であることを特徴とする、請求項16〜18の少なくとも1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  20. 亜塩素酸塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選択される何れかの亜塩素酸塩であることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1項に記載の殺菌および清浄化方法。
  21. 硫酸イオンを含む前記水溶液はpH≦1の値を有することを特徴とする、請求項16〜20のいずれか1項記載の殺菌および清浄化方法。
  22. 硫酸イオンを含む水溶液を調製するために、脱塩水が使用されることを特徴とする、請求項16〜21のいずれか1項記載の殺菌および清浄化方法。
  23. 前記洗浄溶液は、水溶性燐酸塩を含むことを特徴とする、請求項16〜22のいずれか1項記載の殺菌および清浄化方法。
  24. 前記殺菌剤を連続投与することを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項記載の殺菌および清浄化方法。
  25. 送水システムおよびその表面を殺菌および清浄化する装置であって、
    前記送水システムおよびその表面は、少なくともパイプ及びフィルタを有し、
    前記装置は少なくとも1つの殺菌剤を一定量だけ導入する手段を有し、
    (1)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共に、これら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、送水システムまたは送水表面の第1点および第2点の2点間に、少なくともパイプおよびフィルタを有しつつ殺菌および清浄化される送水システムの構成部分を配置し、この第1点および第2点の2点間に閉回路を設ける手段と、
    (2)閉回路に少なくとも1つの殺菌剤を一定量導入するために設けられ、前記殺菌剤は殺菌および清浄化に用いる酸化塩素、ハロゲンおよび過酸化物の中から選択される何れかのものを含む洗浄水溶液である、前記導入する手段と、
    (3)前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化するために、閉回路外に配置されて閉回路内で洗浄溶液を循環させるための少なくとも1つのポンプと、
    (4)前記洗浄水溶液を閉回路から排出する少なくとも1つの出口と、
    (5)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する手段と、
    を備えている殺菌および清浄化装置。
  26. 送水システムが、水泳または入浴用プール施設であることを特徴とする、請求項25記載の殺菌および清浄化装置。
  27. 前記水泳または入浴用プール施設は、出口を持つオーバーフロー水タンクと入口を持つ水泳または入浴用プールを備え、
    前記出口と入口は2つの管路に結ばれ、
    この接合における前記第1点は前記出口に近く、同接合における前記第2点は同入口の直前にあることを特徴とする、請求項26に記載の殺菌および清浄化装置。
  28. 送水システムおよびその表面、詳細には、処理装置、パイプ設備ならびに水泳または入浴用プール施設における送水システムおよびその表面を殺菌および清浄化する装置であり、
    少なくとも1つの殺菌剤を含む、高濃度洗浄溶液を導入する手段と、
    殺菌剤の存在、殺菌剤の濃度、殺菌効果および清浄化効果の中から選択される少なくとも何れかを検査する手段を備え、
    (a)送水システム内に存在する送水側遮断タップを閉鎖し、2つの管路がそれぞれ接続されると共に、これら2つの管路に存在する管路側遮断タップが開放されることで、殺菌、消毒および清浄化される送水システムの構成部分が、第1点及び第2点の2点間に配置された状態で、送水システム内の前記第1点及び第2点の2点間により限定された部分を仕切る手段と、
    (b)前記高濃度洗浄溶液を前記仕切られた部分に導入する導入手段と、
    (c)前記送水システムの構成部分を殺菌および清浄化するために、この洗浄水溶液を用いて前記仕切られた部分を十分に洗浄する手段と、
    (d)この仕切られた部分から前記洗浄水溶液のサンプルを取り出す手段と、
    (e)前記仕切られた部分から前記洗浄水溶液を排出する手段と、
    (f)管路側遮断タップを閉鎖すると共に送水側遮断タップを開放することで、もとの水路を再接合する手段と、
    を備えている殺菌および清浄化装置。
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