JP4603489B2 - 波長可変フィルタ - Google Patents

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    • G01J3/12Generating the spectrum; Monochromators
    • G01J3/26Generating the spectrum; Monochromators using multiple reflection, e.g. Fabry-Perot interferometer, variable interference filters

Description

本発明は、波長可変フィルタに関するものである。
各波長における強度分布を調べる波長可変フィルタ(Optical Tunable Filter)が知られている。
本発明に関わる波長可変フィルタの関連特許は、以下のようなものがある。
<表面マイクロマシニングによるフィルタ>
従来の波長可変フィルタの可変ギャップの厚みは、犠牲層の厚みのみにより制御される。この方法によると、犠牲層の製膜条件によって厚さにバラツキが生じてしまい、薄膜と駆動電極との間のクーロン力が一定ではなく、安定した駆動が得られないという問題がある。
また、可動部を基板の上に突出させた構造となっているため、波長可変フィルタの厚みが大きい(例えば、特許文献1参照)。
<SOIウエハーを用いたフィルタ>
一方、US6341039では、SOI(Silicon on Insulator)ウエハーのSiO層を犠牲層として用い、可変ギャップを形成している。これによれば、可変ギャップを精度よく形成することができる。
しかしながら、駆動電極と可動部との間に絶縁構造が形成されていないため、大きな静電引力が発生した際に、可動部と駆動電極が貼り付きを起こしてしまうという問題がある(例えば、特許文献2参照)。
<両方式に共通する問題点>
最終的に犠牲層をリリースして可変ギャップを形成するが、リリース用の液体を犠牲層に導入するためのリリースホールが必要となる。このため、クーロン力が作用する面積が減少し、駆動電圧が増加してしまうという問題がある。また、可変ギャップが小さいと、犠牲層をリリースする際に薄膜と駆動電極基板の間に水の表面張力によるスティッキングと呼ばれる貼り付き現象が発生する。これらより、犠牲層をリリースしないような構造が求められている。
また、可動部の光が透過する部位がシリコンで形成されているため、赤外光の波長分離以外には、用いることができないという問題がある。
特開2002−174721号公報 米国特許第6341039号明細書
本発明の目的は、当該波長可変フィルタから出射した光の減衰を防止することができ、また、様々な波長の光に対して波長分離が可能な波長可変フィルタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の波長可変フィルタは、第1の凹部と、前記第1の凹部の外側に前記第1の凹部に連続して設けられ、前記第1の凹部より深さが浅い第2の凹部とを有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有し、前記第2の凹部に対向するように設けられた可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合され、導電性を有する第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部と反対側に設けられた反射防止膜と、
前記第2の凹部の底部に設けられた駆動電極を有し、前記可動部と前記駆動電極との間の電位差により生じるクーロン力により前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間で反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成されており、
前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面側に接合され、
前記反射防止膜は、該反射防止膜の厚さ方向から見たとき、前記反射防止膜全体が前記開口部内に位置し、前記反射防止膜の前記第1の基板と反対側の面が、前記可動部の前記第1の基板と反対側の面よりも前記第1の基板側に位置し、前記反射防止膜の前記第1の基板側の面と、前記可動部の前記第1の基板側の面との、前記可動部の変位方向における位置が一致するように設けられていることを特徴とする。
これにより、様々な波長の光に対して(例えば、可視光等)も波長分離が可能となる。また、可動反射膜が、第3の基板に設けられているため、可動反射膜の厚さ(膜厚)を均一なものとすることができ、よって可動反射膜の膜厚の不均一による光の減衰を防止することができる。
本発明の波長可変フィルタは、第1の凹部を有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有する可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記可動部に対向する部位に第2の凹部を有し、前記第2の基板の前記第1の基板と反対側に接合された第4の基板と、
前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間で反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成されたことを特徴とする。
これにより、様々な波長の光に対して(例えば、可視光等)も波長分離が可能となる。また、可動反射膜が、第3の基板に設けられているため、可動反射膜の厚さ(膜厚)を均一なものとすることができ、よって可動反射膜の膜厚の不均一による光の減衰を防止することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板は、前記第2の基板に対向する面側に第2の凹部を有し、
前記駆動部は、前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、該駆動用ギャップを利用し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることが好ましい。
これにより、構造および製造工程を簡易なものとすることができ、また、小型化を図ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第2の凹部は、前記第1の凹部より深さが浅いことが好ましい。
これにより、第2の凹部に電極を設け、クーロン力により可動部を変位させる場合には、小さい印加電圧で可動部を変位させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第2の凹部は、前記第1の凹部の外側に、該第1の凹部に連続して設けられていることが好ましい。
これにより、第1の凹部を容易に製造することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第2の基板は、導電性を有し、
前記第2の凹部の底部に駆動電極が設けられており、
前記駆動部は、前記可動部と前記駆動電極との間の電位差により生じるクーロン力により前記可動部を変位させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、可動部を安定して駆動することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記駆動部は、前記クーロン力による引力によって、前記駆動用ギャップを利用して前記可動部を前記干渉用ギャップが減少する方向に変位させることが好ましい。
これにより、消費電力の低減を図ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第2の基板と前記駆動電極との間の少なくとも一方の面に、絶縁処理が施されていることが好ましい。
これにより、第2の基板と前記駆動電極との短絡を防止することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記絶縁処理は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物で構成される絶縁物を被覆したものであることが好ましい。
これにより、簡易な構成で、確実な絶縁構造を形成することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、赤外光および赤外光より短波長の光を透過可能なものであることが好ましい。
これにより、赤外光および赤外光より短波長の光の波長分離が可能となる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板は、光透過性を有し、
外部からの光は、前記第1の基板を介して前記干渉用ギャップに入射することが好ましい。
これにより、干渉用ギャップに光を確実に入射させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面側に設けられていることが好ましい。
これにより、装置の薄型化、小型化が図れる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面側に接合されていることが好ましい。
これにより、第3の基板を容易に接合することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面の反対側の面側に設けられていることが好ましい。
これにより、可動部と第1の基板との接触を容易に防止することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面の反対側の面側に接合されていることが好ましい。
これにより、第3の基板を容易に接合することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記可動反射膜は、前記開口部内に設けられていることが好ましい。
これにより、装置の薄型化、小型化が図れる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記開口部を包含するように該開口部を覆っていることが好ましい。
これにより、干渉を生じた光以外の光が外部に出射することを確実に防止することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第2の基板は、シリコンで構成されていることが好ましい。
これにより、導電性を有し、安定して駆動が可能な可動部を容易に得ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記可動部は、平面視で略円形をなしていることが好ましい。
これにより、可動部を効率よく駆動することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板および前記第3の基板は、それぞれ、ガラスで構成されていることが好ましい。
これにより、光を効率よく透過させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記ガラスは、アルカリ金属を含有したガラスであることが好ましい。
これにより、第1の基板と第2の基板および第2の基板と第3の基板とが強固に、かつ高い密着性をもって接合された波長可変フィルタを得ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記可動部と前記支持部とは一体的に形成されていることが好ましい。
これにより、可動部を効率よく駆動させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記固定反射膜および前記可動反射膜は、それぞれ多層膜であることが好ましい。
これにより、膜厚を容易に変化させることができ、反射膜の製造を容易なものとすることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記可動反射膜は、絶縁膜であることが好ましい。
これにより、別途絶縁膜を設ける必要が無く、構造を簡易なものとすることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板の前記干渉用ギャップと反対側の面に、反射防止膜を有することが好ましい。
これにより、光の反射を抑制し、光を効率的に透過させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記反射防止膜は、多層膜であることが好ましい。
これにより、膜厚を容易に変化させることができ、反射防止膜の製造を容易なものとすることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の凹部と前記第2の凹部とで囲まれる空間内に前記可動部が収納されていて、前記空間が、閉鎖空間を構成していることが好ましい。
これにより、可動部を安定して駆動することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記駆動部は、前記クーロン力による引力によって、前記駆動用ギャップを利用して前記可動部を前記干渉用ギャップが増大する方向に変位させることが好ましい。
これにより、消費電力の低減を図ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の凹部側に設けられていることが好ましい。
これにより、可動部と第4の基板との接触を容易に防止することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の凹部側に接合されていることが好ましい。
これにより、第3の基板と可動部とを容易に接合することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第2の凹部側に設けられていることが好ましい。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記可動部の前記第2の凹部側に接合されていることが好ましい。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第3の基板は、前記開口部に対応する部位に第3の凹部を有し、
前記可動反射膜は、前記第3の基板の前記第3の凹部内に設けられていることが好ましい。
これにより、第3の基板と可動部とを容易に接合することができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板と、前記第3の基板と、前記第4の基板は、それぞれ、ガラスで構成されていることが好ましい。
これにより、光を効率よく透過させることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記ガラスは、アルカリ金属を含有したガラスであることが好ましい。
これにより、第1の基板と第2の基板、第2の基板と第3の基板および第2の基板と第4の基板が強固に、かつ高い密着性をもって接合された波長可変フィルタを得ることができる。
本発明の波長可変フィルタでは、前記第1の基板の前記第1の凹部と反対側の面と前記第4の基板の前記第2の凹部と反対側の面とに、それぞれ反射防止膜を有することが好ましい。
これにより、光の反射を抑制し、光を効率的に透過させることができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法は、一方の面に形成された第1の凹部と第2の凹部とを有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有する可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、該駆動用ギャップを利用し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間において反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成された波長可変フィルタの製造方法であって、
第1の基板用基材に前記第1の凹部および前記第2の凹部を形成して前記第1の基板を形成する工程と、
前記第1の凹部の底部に前記固定反射膜を形成する工程と、
第2の基板用基材と前記第1の基板とを接合する工程と、
前記第2の基板用基材に対して除去処理を行って所定の部位を除去することにより、前記開口部を有する前記可動部および前記支持部を形成して前記第2の基板を形成する工程と、
前記第3の基板に前記可動反射膜を形成する工程と、
前記可動部における前記第1の基板と反対側の前記開口部に対応する部位に、前記可動反射膜と前記固定反射膜とが互いに対向するように、前記第3の基板を接合する工程とを有することを特徴とする。
これにより、可視光に対しても波長分離が可能で、可動反射膜の厚さ(膜厚)が均一な波長可変フィルタを容易に製造することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第2の基板用基材と前記第1の基板との接合および前記第3の基板と前記可動部との接合は、それぞれ、陽極接合により行うことが好ましい。
これにより、第2の基板用基材と第1の基板および第1の基板と第3の基板とを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、一方の面に形成された第1の凹部と第2の凹部とを有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有する可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、該駆動用ギャップを利用し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間において反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成された波長可変フィルタの製造方法であって、
第1の基板用基材に前記第1の凹部および前記第2の凹部を形成して前記第1の基板を形成する工程と、
前記第1の凹部の底部に前記固定反射膜を形成する工程と、
前記第3の基板に前記可動反射膜を形成する工程と、
第2の基板用基材の前記開口部となる部位に対応する部位に、前記可動反射膜が前記第3の基板の前記第2の基板用基材と反対側に位置するように、前記第3の基板を接合する工程と、
前記第2の基板用基材と前記第1の基板とを前記可動反射膜と前記固定反射膜とが互いに対向するように接合する工程と、
前記第2の基板用基材に対して除去処理を行って所定の部位を除去することにより、前記開口部を有する前記可動部および前記支持部を形成して前記第2の基板を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、可視光に対しても波長分離が可能で、可動反射膜の厚さ(膜厚)が均一な波長可変フィルタを容易に製造することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第2の基板用基材と前記第3の基板との接合および前記第2の基板用基材と前記第1の基板との接合は、それぞれ、陽極接合により行うことが好ましい。
これにより、第2の基板用基材と第3の基板および第2の基板用基材と第1の基板とを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第1の基板に、前記第1の凹部および前記第2の凹部を、それぞれエッチング法で形成することが好ましい。
これにより、精度の高い第1の凹部および第2の凹部を形成することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法は、第1の凹部を有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有する可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記可動部に対向する部位に第2の凹部を有し、前記第2の基板の前記第1の基板と反対側に接合された第4の基板と、
前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間で反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成されたことを特徴とする波長可変フィルタの製造方法であって、
第4の基板用基材に前記第2の凹部を形成して前記第4の基板を形成する工程と、
第2の基板用基材と前記第4の基板とを接合する工程と、
前記第2の基板用基材に対して除去処理を行って所定の部位を除去することにより、前記開口部を有する前記可動部および前記支持部を形成して第2の基板を形成する工程と、
前記第3の基板に前記可動反射膜を形成する工程と、
前記可動部における前記第1の基板と反対側の前記開口部に対応する部位に、前記第3の基板を接合する工程と、
第1の基板用基材に前記第1の凹部を形成して前記第1の基板を形成する工程と、
前記第1の凹部の底部に前記固定反射膜を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記固定反射膜と前記可動反射膜とが互いに対向するように接合する工程とを有することを特徴とする。
これにより、可視光に対しても波長分離が可能で、可動反射膜の厚さ(膜厚)が均一な波長可変フィルタを容易に製造することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第2の基板用基材と前記第4の基板との接合、前記可動部と前記第3の基板との接合および前記第1の基板と前記第2の基板との接合は、それぞれ、陽極接合により行うことが好ましい。
これにより、第2の基板用基材と第1の基板および第1の基板と第3の基板とを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法は、第1の凹部を有する第1の基板と、
前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有する可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
前記可動部に対向する部位に第2の凹部を有し、前記第2の基板の前記第1の基板と反対側に接合された第4の基板と、
前記第2の凹部の底部と前記第2の基板との間に設けられた駆動用ギャップを有し、前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
前記固定反射膜と前記可動反射膜との間で反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成されたことを特徴とする波長可変フィルタの製造方法であって、
第4の基板用基材に前記第2の凹部を形成して前記第4の基板を形成する工程と、
前記第3の基板に第3の凹部を形成し、該第3の凹部内に前記可動反射膜を形成する工程と、
第2の基板用基材の前記開口部となる部位に対応する部位に、前記可動反射膜と前記第2の基板用基材とが対向するように前記第3の基板を接合する工程と、
第2の基板用基材と前記第4の基板とを、前記第3の基板と前記第2の凹部とが対向するように接合する工程と、
前記第2の基板用基材に対して除去処理を行って所定の部位を除去することにより、前記開口部を有する前記可動部および前記支持部を形成して前記第2の基板を形成する工程と、
第1の基板用基材に前記第1の凹部を形成して前記第1の基板を形成する工程と、
前記第1の凹部の底部に前記固定反射膜を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記固定反射膜と前記可動反射膜とが互いに対向するように接合する工程とを有することを特徴とする。
これにより、可視光に対しても波長分離が可能で、可動反射膜の厚さ(膜厚)が均一な波長可変フィルタを容易に製造することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第2の基板用基材と前記第3の基板との接合、前記第2の基板用基材と前記第4の基板との接合および前記第1の基板と前記第2の基板との接合は、それぞれ、陽極接合により行うことが好ましい。
これにより、第2の基板用基材と第3の基板および第2の基板用基材と第1の基板とを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
本発明の波長可変フィルタの製造方法では、前記第1の基板に前記第1の凹部および前記第4の基板に前記第2の凹部を、それぞれエッチング法で形成することが好ましい。
これにより、精度の高い第1の凹部および第2の凹部を形成することができる。
以下、本発明の波長可変フィルタおよび波長可変フィルタの製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の波長可変フィルタの第1実施形態を示す平面図(上面図)、図2は、図1のA−A線での断面図、図3は、本発明の波長可変フィルタの動作の一例を説明する図である。また、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
波長可変フィルタ1は、例えば、波長可変フィルタ1内に入射した光のうち、所定の周波数に対応する光(干渉光)を出射させる装置であり、図2に示すように、光透過性を有する固定基板(第1の基板)2と、固定基板2に対向し、導電性および光透過性を有する可動基板(第2の基板)3と、光透過性を有する光透過基板(第3の基板)4と、固定基板2と可動基板3との間に設けられた干渉用ギャップ21および駆動用ギャップ22とを有している。
固定基板2は、可動基板3と対向する面に、第1の凹部211と第1の凹部211より深さが浅い第2の凹部221とを有している。この第2の凹部221は、第1の凹部211の外側に、第1の凹部211に連続して設けられている。
第1の凹部211の外形形状は、後述する可動部31の外形形状に対応しており、本実施形態では、平面視で略円形をなしている。第1の凹部211の寸法は、可動部31より少し小さく設定されている。
第2の凹部221の外形形状は、可動部31の外形形状に対応しており、本実施形態では、平面視で略円形をなしている。第2の凹部221の寸法(外形寸法)は、可動部31より少し大きく設定されている。
第1の凹部211の底部には、絶縁性を有し、光を効率的に反射させる固定反射膜(HRコート)200が設けられている。この固定反射膜200は、多層膜で形成されている。
固定反射膜200は、平面視で、少なくとも後述する開口部311の全体に重なるように(固定反射膜200を開口部311に投影したとき、開口部311に対応する部分および近傍の領域に位置するように)設けられている。
本実施形態では、固定反射膜200と後述する可動反射膜210との間の空間が、干渉用ギャップ21を画成している。
このような固定基板2の構成材料としては、例えば、ガラスで構成されているのが好ましく、特に、アルカリ金属を含有したガラスであるのが好ましい。
第2の凹部221の底部には、導電性を有する駆動電極23が設けられている。
この駆動電極23は、波長可変フィルタ1の外部から導電層(図示せず)を介して電圧を印加し得るよう構成されている。
駆動電極23の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、0.1〜5μm程度であるのが好ましい。
駆動電極23の表面には、絶縁性を有する絶縁膜220が形成されている。
図2に示すように、固定基板2の下面が、光入射部24を構成している。この光入射部24から、固定基板2を介して干渉用ギャップ21に外光が入射されるようになっている。また、光入射部24の表面(固定基板2の干渉用ギャップ21と反対側の面)には、外光(入射光)の反射を抑制する反射防止膜(ARコート)100が設けられている。
このような固定基板2の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、10〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜1000μm程度であるのがより好ましい。
また、干渉用ギャップ21の厚さ(平均)は、用途などにより適宜選択され、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましい。
可動基板3は、シリコン(Si)で構成されており、中央部に配置され平面視で略円形状をなす可動部31と、可動部31を図2中上下方向に変位(移動)可能に支持する支持部32と、固定部33とを有している。この可動基板3は、固定部33において固定基板2に固定(接合)されている。
可動部31は、平面視で略円形の開口部311を有している。開口部311は、可動部31を形成する円に対して同心円状に形成されている。
この開口部311は、干渉用ギャップ21を介して第1の凹部211の上部(第1の凹部211に対向する位置)に設けられている。
また、可動部31は、その外周部(外側部)が、第2の凹部221に対向するように形成されている。
この第2の凹部221内の空間は、駆動用ギャップ22となるものである。すなわち、可動部31と、第2の凹部221とが、駆動用ギャップ22を画成している。
この駆動用ギャップ22の厚さ(平均)は、用途などにより適宜選択され、特に限定されないが、0.5〜20μm程度であるのが好ましい。
駆動電極23と、駆動用ギャップ22と、可動部31の外周部とで、クーロン力によって駆動する方式の駆動部(アクチュエータ)の主要部が構成される。
なお、可動部31および開口部311の形状は、図示の形状に特に限定されないが、開口部311の形状は、可動部31の形状と略同一形状をなしているのが好ましい。
可動部31の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、1〜500μm程度であるのが好ましく、10〜100μm程度であるのがより好ましい。可動部31の厚さを上記のものとすることにより、可動部31の駆動効率をより高くすることができる。なお、可動部31の駆動については、後述する。
図1中の中央付近には、弾性(可撓性)を有し、可動部31を変位可能に支持する4つの支持部32、32、32、32が、それぞれ、可動部31と固定部33とに一体的に形成されている。すなわち、各支持部32を介して可動部31が固定部33に接続されている。
この支持部32は、可動部31の外周側面に、開口部により仕切られて等角度間隔(90°間隔)で、設けられている。
なお、支持部32の数は必ずしも4つに限定されず、例えば、2つ、3つ、または、5つ以上でもよい。また、支持部32の形状は、図示のものに限定されない。
光透過基板4は、赤外光および赤外光より短波長の光を透過可能なものである。
この光透過基板4は、開口部311に対応する部位に位置するように可動部31に接合されている。この場合、光透過基板4は、可動部31の第1の凹部211の底面と対向する面の反対側の面側(図2中上側)に接合されている(設けられている)。この光透過基板4は、開口部311を包含するように開口部311を覆っている。
このような光透過基板4の構成材料としては、例えば、固定基板2と同様のものが好ましい。
この光透過基板4の第1の凹部211側(図2中下側)の表面には、光を効率的に反射させる可動反射膜(HRコート)210が形成されている。この可動反射膜210は、干渉用ギャップ21を介して固定反射膜200に対し、対向配置されている。また、可動反射膜210は、開口部311内に設けられている。すなわち、厚さ方向(図2中上下方向)から見たとき、可動反射膜210全体が、開口部311内に位置するように設けられている。
可動反射膜210は、その厚さ(膜厚)が均一に光透過基板4に形成されている。
可動反射膜210の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、固定反射膜200と同様のものを用いるのが好ましい。すなわち、可動反射膜210は、絶縁膜を兼ねるのが好ましい。
また、光透過基板4の干渉用ギャップ21と反対側(図2中上側)の表面には、反射防止膜110が形成されている。反射防止膜110の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、反射防止膜100と同様のものを用いるのが好ましい。
上記のように構成された波長可変フィルタ1において、前述した導電層と固定部33との間に電圧が印加されると、駆動電極23と可動部31とが逆極性に帯電して、電位差が生じ、両者の間にクーロン力(静電気力)が発生する。このクーロン力による引力により駆動用ギャップ22を利用して、可動部31を干渉用ギャップ21が減少する方向に変位させることにより、可動部31は、第1の固定基板2に対して変位して、(図2中下方向に変位して)静止する。
この場合例えば、印加電圧を連続的、段階的に変化させることによって、可動部31を固定基板2に対して上下方向の所定の位置に移動させることができる。
これにより、干渉用ギャップ21の距離xを所定の距離に調節(変更)することができ、後述するように所定の波長の光(干渉光)を出射させることが可能となる。
次に、本発明の波長可変フィルタの動作(作用)について図3を用いて説明する。
図3に示すように、光源300から出射された光Lは、光入射部24から波長可変フィルタ1に入射する。すなわち、光Lは、反射防止膜100、固定基板2および固定反射膜200を透過し、干渉用ギャップ21に入射する。
干渉用ギャップ21に入射した光Lは、固定反射膜200と可動反射膜210との間で反射を繰り返し、干渉を生じる。この際、固定反射膜200および可動反射膜210により、光Lの損失を抑えることができる。
前記光Lの干渉の結果、距離xに応じた波長の光(以下「干渉光」という)は、可動反射膜210を透過し、開口部311、光透過基板4および反射防止膜110を介して外部に出射する。
以上説明したように、この波長可変フィルタ1によれば、開口部311および光透過基板4を介して干渉光を出射させることにより、赤外光に限らず、紫外光および可視光等の赤外光より短波長の特定波長の光を分離することができる。
また、可動反射膜210が、光透過基板4に設けられているため、可動反射膜210の厚さ(膜厚)が均一であり、可動反射膜210は、高い平坦度を有する。これにより、波長可変フィルタ1から出射した干渉光の減衰を確実に防止することができる。
また、駆動電極23の表面に絶縁膜220が形成されているため、駆動電極23と、可動部31との接触の際のショートを防ぐことができる。
また、反射防止膜100および反射防止膜110を設けたことにより、波長可変フィルタ1に入射する光および干渉用ギャップ21で干渉した干渉光の反射を抑制し、光を効率的に透過させることができる。
また、本実施形態では、可動部31は、平面視で略円形状をなしているため、可動部31を効率よく駆動することができる。
次に、本発明の波長可変フィルタの製造方法について、図1に示す波長可変フィルタ1を製造する場合を一例として説明する。
図4〜図8は、第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図(製造工程を模式的に示す図)である。なお、以下の説明では、図4〜図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、製造方法について説明するが、製造工程を[1]から[8]の工程に大別し、順番に説明する。
[1]固定基板2を形成する工程
まず、図4(a)に示すように、光透過性を有する透明基板(第1の基板用基材)20を用意する。透明基板20には、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。透明基板20の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス等が挙げられるが、例えば、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属を含有したガラスが好ましい。これらのガラスは、可動イオンを含んだガラスであるため、シリコン(後述するシリコン層73)との陽極接合が可能となる。特に、陽極接合時には透明基板20を加熱するため、シリコンと熱膨張係数がほぼ等しいものが好ましい。これにより、接合後のシリコンの反りやたわみを防止することができる。
このような観点からは、ソーダガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス等を用いることができ、例えば、コーニング社製のパイレックスガラス(「パイレックス」は登録商標)等が好適に用いられる。
次に、図4(b)に示すように、透明基板20の上面および下面にマスク層6を形成(マスキング)する。
マスク層6を構成する材料としては、例えば、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/Tiなどの金属、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン等のシリコン、窒化シリコン等が挙げられる。マスク層6にシリコンを用いると、マスク層6と透明基板20との密着性が向上する。マスク層6に金属を用いると、形成されるマスク層6の視認性が向上する。
マスク層6の厚さは、特に限定されないが、0.01〜1μm程度とすることが好ましく、0.09〜0.11μm程度とすることがより好ましい。マスク層6が薄すぎると、透明基板20を十分に保護できない場合があり、マスク層6が厚すぎると、マスク層6の内部応力によりマスク層6が剥がれ易くなる場合がある。
マスク層6は、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法、メッキ法等により形成することができる。
次に、図4(c)に示すように、マスク層6に、開口63を形成する。
開口63は、例えば、第2の凹部221を形成する位置に設ける。また、開口63の形状(平面形状)は、形成する第2の凹部221の形状(平面形状)に対応させる。
この開口63は、例えば、フォトリソグラフィー法により形成することができる。具体的には、まず、マスク層6上に、開口63に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスク層6の一部を除去する。次に、前記レジスト層を除去する。これにより、開口63が形成される。なお、マスク層6の一部除去は、例えば、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング、フッ酸+硝酸水溶液、塩酸+硝酸水溶液、アルカリ水溶液等の剥離液への浸漬(ウェットエッチング)などにより行うことができる。なお、以下の各工程におけるマスク層の除去においても、同様の方法を用いることができる。
次に、図4(d)に示すように、透明基板20上に第2の凹部221を形成する。
第2の凹部221の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等のエッチング法などが挙げられる。エッチングを行うことにより、透明基板20は、開口63より食刻され、円柱状を有する第2の凹部221が形成される。
特に、ウェットエッチング法によると、より理想的な円柱状に近い第2の凹部221を形成することができる。なお、ウェットエッチングを行う際のエッチング液としては、例えばフッ酸系エッチング液などが好適に用いられる。このとき、エッチング液にグリセリン等のアルコール(特に多価アルコール)を添加すると、第2の凹部221の表面が極めて滑らかなものとなる。
次に、マスク層6を除去する。
特に、透明基板20を除去液に浸漬することによりマスク層6を除去すると、簡易な操作で、効率よく、マスク層6を除去できる。
以上により、図4(e)に示すように、透明基板20上に、第2の凹部221が所定の位置に形成される。
第1の凹部211は、第2の凹部221と同様にして、製造、用意することができる。
また、第1の凹部211を製造するとき、形成する開口の面積、または、エッチング条件(例えばエッチング時間、エッチング温度、エッチング液の組成等)のうちの少なくとも1つを、第2の凹部221を製造する際の条件と異なるものとすることが好ましい。このように、第1の凹部211の製造条件を第2の凹部221の製造条件と一部異なるものとすると、第2の凹部221の半径と第1の凹部211の半径とを異なるものとすることが容易となる。
以上により、図5(f)に示すように、第1の凹部211と第2の凹部221とが所定の位置に形成された固定基板2が得られる。
[2]駆動電極23を形成する工程
次に、図5(g)に示すように、駆動電極23を形成する。
駆動電極23を構成する材料としては、例えばCr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti、Auなどの金属、カーボンやチタンなどを分散した樹脂、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン等のシリコン、ITOのような透明導電材料等が挙げられる。
駆動電極23は、第2の凹部221上に設ける。また、駆動電極23の形状(平面形状)は、形成する第2の凹部221の形状(平面形状)に対応していることが好ましい。
この駆動電極23は、例えば、蒸着法、スパッタ法またはイオンプレーティング法等により形成することができる。また、かかる方法にフォトリソグラフィー法を組み合わせてもよい。具体的には、まず、駆動電極23に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。このレジスト層を構成する材料としては、例えば、Cr/Au/Cr
等が挙げられる。
次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスクの一部を除去する。これにより、駆動電極23が形成される。
[3]固定反射膜200を形成する工程
次に、第1の凹部211の底部に固定反射膜200を形成する。これは、例えばフォトリソグラフィー法により形成することができる。
具体的には、まず、図5(h)に示すように、固定基板2の上面の所定の部位にレジスト層61を形成する。
次に、図6(i)に示すように、固定基板2の上面全体に多層膜で構成される反射膜213を成膜する。この成膜方法としては、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法等により形成することができる。
多層膜の構成材料としては、例えばSiO(シリコン酸化膜)、Ta、SiN(シリコン窒化膜)等が好ましい。これらを用いることにより、非常に高い反射率を有する反射膜や非常に低い反射率(非常に高い透過率)を有する反射防止膜が得られる。これらを交互に積層することにより、所定の厚さの多層膜を設けることができる。
多層膜の各層の厚さ、層数、材質を設定(調整)することによって、所定の波長の光を透過または反射させることができる多層膜を形成することができる(特性を変化させることができる)。例えば、反射膜の場合は、各層の厚さを設定することにより反射率を調整することができ、各層の層数を設定することにより、反射する光の波長を調整することができる。これにより、所望の特性を有する反射膜213を容易に形成することができる。
次に、図6(j)に示すように、レジスト層61を除去(剥離)することにより(リフトオフ)、反射膜213のうちの所定の部位が除去され、固定反射膜200が形成される。
また、固定反射膜200の全体の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜12μmが好ましい。
なお、本製造方法では、駆動電極23上にレジスト層61を形成しないのが好ましい。反射膜213は絶縁膜を兼ねているため、レジスト層61の除去後に、駆動電極23と可動基板3とのショートを防止することができる絶縁膜220を駆動電極23上に容易に形成することができる。
以上により、第2の凹部221と第1の凹部211とが形成された固定基板2と、固定基板2の所定の位置に形成された駆動電極23と固定反射膜200と、駆動電極23上に形成された絶縁膜220とが得られる。
なお、後述する可動反射膜210、反射防止膜100および反射防止膜110の成膜についても、本工程[3]の方法を用いることができる。なお、反射防止膜の場合は、各層の厚さを設定することにより反射防止率(透過率)を調整することができ、各層の層数を設定することにより、透過する光の波長を調整することができる。
[4]ウエハー(第2の基板用基材)7と固定基板(第1の基板)2とを接合する工程
まず、図7(k)に示すように、ウエハー(第2の基板用基材)7を用意する。このウエハー7は、表面が鏡面にできる特性を有することが好ましい。かかる観点から、ウエハー7としては、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板、SOS(Silicon on Sapphire)基板等を用いることができる。
本製造工程においては、ウエハー7として、SOI基板を使用する。SOI基板は、シリコンで構成されたベース層71、SiO層(絶縁層)72、シリコン層(活性層)73が、この順番で積層された3層の積層体(積層基板)で構成されている。このウエハー7を構成する各層のうち、ベース層71およびSiO層72は除去される部分、シリコン層73は、可動基板3に加工される部分である。
このウエハー7の厚さは、特に限定されないが、特にシリコン層73は、10〜100μm程度が好ましい。このようなウエハー7を用いることにより容易に可動基板3を製造することができる。
次に、図7(l)に示すように、ウエハー7のシリコン層73側と、固定基板2の第1の凹部211が形成された面側とが対向するように、ウエハー7と固定基板2とを接合する。
この接合は、例えば陽極接合により行うことができる。陽極接合は、例えば、次のようにして行う。まず、固定基板2を直流電源のマイナス端子(図示せず)に、ウエハー7を直流電源のプラス端子(図示せず)にそれぞれ接続する。そして、固定基板2を加熱しながら電圧を印加する。この加熱により、固定基板2中のNa+が移動しやすくなる。このNa+の移動により、固定基板2の接合面はマイナスに帯電し、ウエハー7の接合面はプラスに帯電する。この結果、固定基板2とウエハー7とは強固に接合される。
以下、「陽極接合」を、単に「接合」とも言う。
[5]可動基板(第2の基板)3を形成する工程
次に、図7(m)に示すように、エッチングや研磨を行ってベース層71を除去する。
エッチング方法としては、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングが用いられるが、ドライエッチングを用いるのが好ましい。いずれの場合も、ベース層71の除去のとき、SiO層72がストッパーとなるが、ドライエッチングは、エッチング液を用いないので、駆動電極23に対向しているシリコン層73の損傷を好適に防ぐことができる。これにより、歩留まりの高い波長可変フィルタ1を製造できる。
まず、ウェットエッチングの場合について説明する。接合された状態のウエハー7および固定基板2を、例えば、1〜40重量%程度、好ましくは10重量%程度の濃度のKOH水溶液に入れる。このエッチングの反応式は下記のとおりである。
Si+2KOH+HO→KSiO+2H
KOH水溶液によるベース層71のエッチングレートは、SiO層72のエッチングレートより相当大きいので、SiO層72がエッチングのストッパーとして機能する。なお、この工程で用いられるエッチング液としては、KOH水溶液以外に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液、EPD(エチレンジアミン−ピロカテコール−ジアジン)水溶液またはヒドラジン水溶液等がある。ウェットエッチングによれば、バッチ処理が可能なので、生産性を向上させることができる。
次に、ドライエッチングの場合について説明する。接合された状態のウエハー7および固定基板2を、チャンバー内に入れる。チャンバー内に、例えば、圧力390PaのXeFを60秒間導入する。このエッチングの反応式は下記のとおりである。
2XeF+Si→2Xe+SiF
XeFによるドライエッチングによれば、ベース層71のエッチングレートは、SiO層72のエッチングレートより相当大きいので、SiO層72がエッチングのストッパーとして機能する。このエッチングはプラズマによるものでないので、除去する部位以外の部位にダメージがおよびにくい。なお、XeFの代わりに、例えば、CFやSFによるプラズマエッチングを用いることもできる。
研磨の方法としては、従来公知のものを用いることができるため説明を省略する。
これにより、ベース層71を好適に除去することができる。
次に、図7(n)に示すように、エッチングを行ってSiO層72を除去する。エッチングを行う場合には、フッ酸を含むエッチング液を用いるのが好ましい。これにより、SiO層72を好適に除去することができる。
次に、シリコン層73上に、可動部31および支持部32の形状(平面形状)に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、ドライエッチング法、特にICPエッチング(Inductively−Coupled Plasma Etching)法にて、ウエハー7をエッチングする。これにより、図8(o)に示すように開口部311を有する可動部31と、支持部32と、固定部33とが形成された可動基板3が得られる。
本工程では、ICPエッチングを行う。すなわち、エッチング用ガスによるエッチングと、デポジッション用ガスによる保護膜の形成とを、交互に繰り返し行って、可動部31と支持部32とを形成する。
前記エッチング用ガスとしては、例えば、SF等が挙げられ、また、前記デポジッション用ガスとしては、例えば、C等が挙げられる。
これにより、シリコン層73のみがエッチングされ、また、ドライエッチングなので、他の部位に影響を与えることなく、可動部31と支持部32と固定部33とを精度良く、確実に形成することができる。
このように、可動部31と、支持部32と、固定部33との形成においては、ドライエッチング法、特にICPエッチングを用いるので、特に可動部31を、容易、確実かつ精度良く形成することができる。
なお、本発明では、本工程において、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等の前記と異なるドライエッチング法を用いて可動部31と、支持部32と、固定部33とを形成してもよく、また、ドライエッチング法以外の方法を用いて可動部31と、支持部32と、固定部33とを形成してもよい。
[6]光透過基板4(第3の基板)に可動反射膜210を形成する工程
次に、図8(p)に示すように、光透過基板4を用意する。この光透過基板4の構成材料としては、前述した透明基板20と同様のものが挙げられる。
次に、図8(q)に示すように、光透過基板4の上面に可動反射膜210を形成する。 なお、可動反射膜210の形状(平面形状)は、可動部31の開口部311の形状に対応させる。
[7]光透過基板4(第3の基板)を可動部31に接合する工程
次に、図8(r)に示すように、可動反射膜210と固定反射膜200とが互いに対向し、かつ開口部311を包含するように、光透過基板4を可動部31に接合する。これにより、可動反射膜210が、開口部311の内部に配置される。
[8]反射防止膜100、110を形成する工程
その後、固定基板2の下面に反射防止膜100を形成し、光透過基板4の上面に反射防止膜110を形成する。なお、反射防止膜100の形成時期は特に限定されず、本工程[8]以前の任意の工程中に形成してもよい。
以上の工程により、図1および図2に示すような波長可変フィルタ1が得られる。
以上説明したように、この波長可変フィルタ1の製造方法によれば、光透過基板4の表面に可動反射膜210を形成するため、可動反射膜210の膜厚の制御を容易かつ確実に行うことができる。これにより、可動反射膜210の膜厚の不均一による干渉用ギャップ21から出射した干渉光の減衰を確実に防止することができる。
また、可動基板3はシリコンで形成されているため、可動部31と、支持部32と、固定部33とを一体的に形成することができ、製造工程を簡易なものとすることができる。
また、駆動用ギャップ22と干渉用ギャップ21とが固定基板2(同一基板)に設けてあるため、波長可変フィルタ1の製造を簡易なものとすることができる。
また、犠牲層のリリース工程を必要としないため、可動部31にリリースホールを形成する必要がなく、可動部31の製造を簡易なものとすることができる。また、可動部31の(第2の基板3の)クーロン力が作用する部位の面積を減少させることがないため、可動部31と駆動電極23との間に印加する電圧を低くすることができる。
また、本実施形態においては、反射防止膜100と、可動反射膜210と固定反射膜200とは絶縁膜で構成されている。これにより、スティッキング(可動部31と駆動電極23との貼り付き)の発生を防ぐことができ、確実な絶縁構造を形成できる。
以上述べた効果に加えて、図1および図2に示す波長可変フィルタ1は、比較的安価に製造できるという利点を有している。
<第2実施形態>
次に、本発明の波長可変フィルタの第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の波長可変フィルタの第2実施形態を示す平面図(上面図)、図10は、図9のB−B線での断面図である。
以下、第2実施形態の波長可変フィルタ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の波長可変フィルタ1は、光透過基板4の可動部31に接合(設置)される位置が、第1実施形態と異なっている。
図9および図10に示すように、第2実施形態の波長可変フィルタ1は、光透過基板4が、可動部31の第1の凹部211の底面と対向する面側(図10中下側)に接合されている(設けられている)。
また、反射防止膜110は、開口部311内に設けられている。すなわち、厚さ方向(図10中上下方向)から見たとき、反射防止膜110全体が、開口部311内に位置するように設けられている。
この波長可変フィルタ1によれば、前述した第1実施形態の波長可変フィルタ1と同様の効果が得られる。
そして、この波長可変フィルタ1では、波長可変フィルタ1の小型化を図ることができる。また、可動反射膜210が絶縁膜を兼ねているため、別途絶縁膜を設ける必要がなく、波長可変フィルタ1の構造を簡易なものとすることができる。
次に、第2実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法について説明する。
以下、製造方法について説明するが、第1実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図11、図12は、第2実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法を説明する図である。第2実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法は、工程[4]以降が異なること以外は、第1実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法と同様である。以下、工程[4]以降について説明する。
[4]光透過基板(第3の基板)4に可動反射膜210を形成する工程
まず、図11(s)に示すように、光透過基板4を用意する。
次に、図11(t)に示すように、光透過基板4の上面に可動反射膜210を形成する。
[5]ウエハー(第2の基板用基材)7と光透過基板4とを接合する工程
次に、図11(u)に示すように、ウエハー7のシリコン層73の、開口部311となる部位に対応する部位に、光透過基板4を、可動反射膜210が光透過基板4を介してウエハー7の反対側に位置するように接合する。
[6]ウエハー7と固定基板2とを接合する工程
次に、図11(v)に示すように、ウエハー7と固定基板2とを可動反射膜210と固定反射膜200とが、互いに対向するように接合する。
[7]可動基板3を形成する工程
次に、第1実施形態の工程[5]と同様の工程を行ってウエハー7から可動基板3を形成する。
[8]反射防止膜100、110を形成する工程
次に、第1実施形態の工程[8]と同様にして反射防止膜100および反射防止膜110を形成する。
以上の工程により図9および図10に示すような第2実施形態の波長可変フィルタ1を製造することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の波長可変フィルタの第3実施形態について説明する。
図12は、本発明の波長可変フィルタの第3実施形態の可動基板および光透過基板を示す平面図(上面図)、図13は第3実施形態の波長可変フィルタの図12のC−C線での断面図、図14は、本発明の波長可変フィルタの動作の一例を説明する図である。また、以下の説明では、図13中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
波長可変フィルタ1は、例えば、波長可変フィルタ1内に入射した光のうち、所定の波長に対応する光(干渉光)を出射させる装置であり、図13に示すように、光透過性を有する第1の固定基板(第4の基板)10と、第1の固定基板10に対向し、導電性を有する可動基板(第2の基板)3と、光透過性を有する光透過基板(第3の基板)4と、光透過性を有する第2の固定基板(第1の基板)5とを有している。
図12に示すように、可動基板3は、シリコン(Si)で構成されており、中央部に配置され平面視で略円形状をなす可動部31と、可動部31を図13中上下方向に変位(移動)可能に支持する支持部32と、固定部33とを有している。この可動基板3は、固定部33の図13中上側で、第2の固定基板5に固定(接合)され、図13中下側で、第1の固定基板10に固定(接合)されている。
可動部31は、平面視で略円形の開口部311を有している。開口部311は、可動部31を形成する円に対して同心円状に形成されている。
なお、可動部31および開口部311の形状は、図示の形状に特に限定されないが、開口部311の形状は、可動部31の形状と略同一形状をなしているのが好ましい。
可動部31の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、1〜500μm程度であるのが好ましく、10〜100μm程度であるのがより好ましい。可動部31の厚さを上記のものとすることにより、可動部31の駆動効率をより高くすることができる。なお可動部31の駆動については、後述する。
図12中の中央付近には、弾性(可撓性)を有し、可動部31を変位可能に支持する4つの支持部32、32、32、32が、それぞれ、可動部31と固定部33とに一体的に形成されている。すなわち、各支持部32を介して可動部31が固定部33に接続されている。
この支持部32は、可動部31の外周側面に、開口により仕切られて等角度間隔(90°間隔)で、設けられている。
なお、支持部32の数は必ずしも4つに限定されず、例えば、2つ、3つ、または、5つ以上でもよい。また、支持部32の形状は、図示のものに限定されない。
第1の固定基板10は、開口部311の下部(開口部311に対向する位置)に、凹部(第2の凹部)11を有している。この凹部11の外形形状は、可動部31の外形形状に対応しており、本実施形態では、平面視で略円形をなしている。凹部11の寸法(外形寸法)は、可動部31より少し大きく設定されている。
この凹部11内の空間は、駆動用ギャップ8となるものである。すなわち、可動部31と、凹部11とが、駆動用ギャップ8を画成している。
この駆動用ギャップ8の厚さ(平均)は、用途などにより適宜選択され、特に限定されないが、0.5〜20μm程度であるのが好ましい。
このような第1の固定基板10の構成材料としては、例えば、ガラスが好ましく、特に、アルカリ金属を含有したガラスであるのが好ましい。
第1の固定基板10の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、10〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜1000μm程度であるのがより好ましい。
凹部11の底部には、導電性を有する駆動電極23が設けられている。
この駆動電極23は、波長可変フィルタ1の外部から導電層(図示せず)を介して電圧を印加し得るよう構成されている。
駆動電極23の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、0.1〜5μm程度であるのが好ましい。
駆動電極23と、駆動用ギャップ8と、可動部31の外周部とで、クーロン力によって駆動する方式の駆動部(アクチュエータ)の主要部が構成される。
駆動電極23の表面には、絶縁処理が施されており、絶縁性を有する絶縁膜220が形成されている。
光透過基板4は、赤外光および赤外光より短波長の光を透過可能なものである。
この光透過基板4は、開口部311に対応する部位に位置するように可動部31に接合されている。この場合、光透過基板4は、可動部31の第2の固定基板5側(図13中上側)に接合されている(設けられている)。この光透過基板4は、開口部311を包含するように開口部311を覆っている。
このような光透過基板4の構成材料としては、例えば、第1の固定基板10と同様のものが好ましい。
光透過基板4の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、100〜1000μm程度であるのが好ましく、100〜500μm程度であるのがより好ましい。
この光透過基板4の第2の固定基板5側(図13中上側)の表面には、光を効率的に反射させる可動反射膜(HRコート)210が形成されている。
可動反射膜210は、その厚さ(膜厚)が均一に光透過基板4に形成されている。
この可動反射膜210は、絶縁性を有する多層膜で構成されている。すなわち、可動反射膜210は、絶縁膜を兼ねる。
第2の固定基板5は、可動基板3の第1の固定基板10と反対側に接合されている。この第2の固定基板5は、開口部311と対向する位置に、凹部(第1の凹部)51を有している。
凹部51の外形形状は、可動部31の外形形状に対応しており、本実施形態では、平面視で略円形をなしている。凹部51の寸法は、可動部31より少し大きく設定されている。
凹部51と第1の固定基板10の凹部11とで囲まれる空間内に、可動部31は、収納されていて、この空間が、閉鎖空間(密封空間)を構成している。
このような第2の固定基板5の構成材料としては、例えば、第1の固定基板10と同様のものが好ましい。
第2の固定基板5の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、10〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜500μm程度であるのがより好ましい。
凹部51の底部には、絶縁性を有し、光を効率的に反射させる固定反射膜(HRコート)200が設けられている。この固定反射膜200は、例えば、可動反射膜210と同様に多層膜で形成されている。
固定反射膜200は、平面視で、少なくとも開口部311の全体に重なるように(固定反射膜200を開口部311に投影したとき、開口部311に対応する部分および近傍の領域に位置するように)設けられている。この固定反射膜200は、干渉用ギャップ9を介して可動反射膜210に対し、対向配置されている。
ここで、干渉用ギャップ9は、固定反射膜200と可動反射膜210との間の空間で構成されている。すなわち、可動部31と、凹部51とが、干渉用ギャップ9を画成している。
このような第1の固定基板10の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、10〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜1000μm程度であるのがより好ましい。
また、干渉用ギャップ9の厚さ(平均)は、用途などにより適宜選択され、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましい。
図13に示すように、第1の固定基板10の下面が、光入射部24を構成している。この光入射部24から、第1の固定基板10を介して干渉用ギャップ9に外光が入射されるようになっている。
また、光入射部24の表面(第1の固定基板10の凹部11と反対側の面)と第2の固定基板5の上面(凹部51と反対側の面)とには、それぞれ、外光(入射光)の反射を抑制する反射防止膜(ARコート)100と反射防止膜110とが設けられている。
上記のように構成された波長可変フィルタ1において、前述した導電層と固定部33との間に電圧が印加されると、駆動電極23と可動部31とが逆極性に帯電して、電位差が生じ、両者の間にクーロン力(静電気力)が発生する。このクーロン力による引力により、駆動用ギャップ8を利用して、可動部31を干渉用ギャップ9が増大する方向に変位させることにより、可動部31は、第1の固定基板10に対して変位して、(図13中下方向に変位して)静止する。
この場合例えば、印加電圧を連続的、段階的に変化させることによって、可動部31を駆動用ギャップ8内の上下方向の所定の位置に移動させることができる。
これにより、干渉用ギャップ9の距離xを所定の距離に調節(変更)することができ、所定の波長の光(干渉光)を出射させることが可能となる。
次に、本発明の波長可変フィルタの動作(作用)について図14を用いて説明する。
図14に示すように、光源300から出射された光Lは、光入射部24から波長可変フィルタ1に入射する。すなわち、光Lは、反射防止膜100、第1の固定基板10、開口部311、光透過基板4および可動反射膜210を透過し、干渉用ギャップ9に入射する。
干渉用ギャップ9に入射した光Lは、固定反射膜200と可動反射膜210との間において反射を繰り返し、干渉を生じる。この際、固定反射膜200および可動反射膜210により、光Lの損失を抑えることができる。
前記光Lの干渉の結果、距離xに応じた波長の光(以下「干渉光」という)は、固定反射膜200を透過し、第2の固定基板5および反射防止膜110を介して外部に出射する。
以上説明したように、この波長可変フィルタ1によれば、開口部311および光透過基板4を介して干渉光を出射させることにより、赤外光に限らず、紫外光および可視光等の赤外光より短波長の特定波長の光を分離することができる。
また、可動反射膜210が、光透過基板4に設けられているため、可動反射膜210の厚さ(膜厚)が均一であり、可動反射膜210は、高い平坦度を有する。これにより、波長可変フィルタ1から出射した干渉光の減衰を確実に防止することができる。
また、駆動電極23の表面に絶縁膜220が設けられているため、駆動電極23と、可動部31との接触の際の短絡(ショート)を防ぐことができる。これにより、波長可変フィルタ1の信頼性が、格段に向上する。
また、反射防止膜100および反射防止膜110を設けたことにより、波長可変フィルタ1に入射する光および干渉用ギャップ9で干渉した干渉光の反射を抑制し、光を効率的に透過させることができる。
また、本実施形態では、可動部31は、平面視で略円形状をなしているため、可動部31を効率よく駆動することができる。
次に、本発明の波長可変フィルタの製造方法について、図12に示す波長可変フィルタ1を製造する場合を一例として説明する。
図15〜図19は、第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図(製造工程を模式的に示す図)である。なお、以下の説明では、図15〜図19中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、製造方法について説明するが、製造工程を[1]から[10]の工程に大別し、順番に説明する。
[1]第1の固定基板(第4の基板)2を形成する工程
まず、図15(a)に示すように、光透過性を有する透明基板(第4の基板用基材)20を用意する。透明基板20には、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。透明基板20の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス等が挙げられるが、例えば、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属を含有したガラスが好ましい。これらのガラスは、可動イオンを含んだガラスであるため、シリコン(後述するシリコン層73)との陽極接合が可能となる。特に、陽極接合時には透明基板20を加熱するため、シリコンと熱膨張係数がほぼ等しいものが好ましい。これにより、接合後のシリコンの反りやたわみを防止することができる。
このような観点からは、ソーダガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス等を用いることができ、例えば、コーニング社製のパイレックスガラス(「パイレックス」は登録商標)等が好適に用いられる。
次に、図15(b)に示すように、透明基板20の上面にマスク層6を形成(マスキング)する。
マスク層6を構成する材料としては、例えば、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/Tiなどの金属、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン等のシリコン、窒化シリコン等が挙げられる。マスク層6にシリコンを用いると、マスク層6と透明基板20との密着性が向上する。マスク層6に金属を用いると、形成されるマスク層6の視認性が向上する。
マスク層6の厚さは、特に限定されないが、0.01〜1μm程度とすることが好ましく、0.09〜0.11μm程度とすることがより好ましい。マスク層6が薄すぎると、透明基板20を十分に保護できない場合があり、マスク層6が厚すぎると、マスク層6の内部応力によりマスク層6が剥がれ易くなる場合がある。
マスク層6は、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法、メッキ法等により形成することができる。
次に、図15(c)に示すように、マスク層6に、開口63を形成する。
開口63は、例えば、凹部11を形成する位置に設ける。また、開口63の形状(平面形状)は、形成する凹部11の形状(平面形状)に対応させる。
この開口63は、例えば、フォトリソグラフィー法により形成することができる。具体的には、まず、マスク層6上に、開口63に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスク層6の一部を除去する。次に、前記レジスト層を除去する。これにより、開口63が形成される。なお、マスク層6の一部除去は、例えば、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング、フッ酸+硝酸水溶液、塩酸+硝酸水溶液、アルカリ水溶液等の剥離液への浸漬(ウェットエッチング)などにより行うことができる。なお、以下の各工程におけるマスク層の除去においても、同様の方法を用いることができる。
次に、図15(d)に示すように、透明基板20上に凹部11を形成する。
凹部11の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等のエッチング法などが挙げられる。エッチングを行うことにより、透明基板20は、開口63より食刻され、円柱状を有する凹部11が形成される。
特に、ウェットエッチング法によると、より理想的な円柱状に近い凹部11を形成することができる。なお、ウェットエッチングを行う際のエッチング液としては、例えばフッ酸系エッチング液などが好適に用いられる。このとき、エッチング液にグリセリン等のアルコール(特に多価アルコール)を添加すると、凹部11の表面が極めて滑らかなものとなる。
次に、マスク層6を除去する。
特に、透明基板20を除去液に浸漬することによりマスク層6を除去すると、簡易な操作で、効率よく、マスク層6を除去できる。
以上により、図15(e)に示すように、凹部11が所定の位置に形成された第1の固定基板10が得られる。
[2]駆動電極23を形成する工程
次に、図16(f)に示すように、凹部11上に駆動電極23を形成する。
駆動電極23を構成する材料としては、例えばCr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti、Auなどの金属、カーボンやチタンなどを分散した樹脂、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン等のシリコン、ITOのような透明導電材料等が挙げられる。
駆動電極23の形状(平面形状)は、形成する凹部11の形状(平面形状)に対応していることが好ましい。
この駆動電極23は、例えば、蒸着法、スパッタ法またはイオンプレーティング法等により形成することができる。また、かかる方法にフォトリソグラフィー法を組み合わせてもよい。具体的には、まず、駆動電極23に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。このレジスト層を構成する材料としては、例えば、Cr/Au/Cr
等が挙げられる。
次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスクの一部を除去する。これにより、駆動電極23が形成される。
次に、図16(g)に示すように、CVD法を使用して、駆動電極23上にシリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒素化物(SiNX)、シリコン酸窒化物(SiOHN)等で構成される絶縁膜(絶縁物)220を形成する。
以上により、凹部11が形成された第1の固定基板10と、第1の固定基板10の所定の位置に形成された駆動電極23と、駆動電極23の表面に形成された絶縁膜220とが得られる。
[3]ウエハー(第2の基板用基材)7と第1の固定基板(第4の基板)2とを接合する工程
まず、図16(h)に示すように、ウエハー7を用意する。このウエハー7は、表面が鏡面にできる特性を有することが好ましい。かかる観点から、ウエハー7としては、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板、SOS(Silicon on Sapphire)基板等を用いることができる。
本製造工程においては、ウエハー7として、SOI基板を使用する。SOI基板は、シリコンで構成されたベース層71、SiO2層(絶縁層)72、シリコン層(活性層)73が、この順番で積層された3層の積層体(積層基板)で構成されている。このウエハー7を構成する各層のうち、ベース層71およびSiO2層72は除去される部分、シリコン層73は、可動基板3に加工される部分である。
このウエハー7の厚さは、特に限定されないが、特にシリコン層73は、10〜100μm程度が好ましい。このようなウエハー7を用いることにより容易に可動基板3を製造することができる。
次に、図16(i)に示すように、ウエハー7のシリコン層73側と、第1の固定基板10の凹部11が形成された面側とが対向するように、ウエハー7と第1の固定基板10とを接合する。
この接合は、例えば、陽極接合により行うことができる。陽極接合は、例えば、次のようにして行う。まず、第1の固定基板10を直流電源のマイナス端子(図示せず)に、ウエハー7を直流電源のプラス端子(図示せず)にそれぞれ接続する。そして、第1の固定基板10を加熱しながら電圧を印加する。この加熱により、第1の固定基板10中のNa+が移動しやすくなる。このNa+の移動により、第1の固定基板10の接合面はマイナスに帯電し、ウエハー7の接合面はプラスに帯電する。この結果、第1の固定基板10とウエハー7とは強固に接合される。
以下、「陽極接合」を、単に「接合」とも言う。
[4]可動基板(第2の基板)3を形成する工程
次に、図17(j)に示すように、エッチングや研磨を行ってベース層71を除去する。
エッチング方法としては、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングが用いられるが、ドライエッチングを用いるのが好ましい。いずれの場合も、ベース層71の除去のとき、SiO2層72がストッパーとなるが、ドライエッチングは、エッチング液を用いないので、駆動電極23に対向しているシリコン層73の損傷を好適に防ぐことができる。これにより、歩留まりの高い波長可変フィルタ1を製造できる。
まず、ウェットエッチングの場合について説明する。接合された状態のウエハー7および第1の固定基板10を、例えば、1〜40重量%程度、好ましくは10重量%程度の濃度のKOH水溶液に入れる。このエッチングの反応式は下記のとおりである。
Si+2KOH+H2O→K2SiO3+2H2
KOH水溶液によるベース層71のエッチングレートは、SiO2層72のエッチングレートより相当大きいので、SiO2層72がエッチングのストッパーとして機能する。なお、この工程で用いられるエッチング液としては、KOH水溶液以外に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液、EPD(エチレンジアミン−ピロカテコール−ジアジン)水溶液またはヒドラジン水溶液等がある。ウェットエッチングによれば、バッチ処理が可能なので、生産性を向上させることができる。
次に、ドライエッチングの場合について説明する。接合された状態のウエハー7および第1の固定基板10を、チャンバー内に入れる。チャンバー内に、例えば、圧力390PaのXeF2を60秒間導入する。このエッチングの反応式は下記のとおりである。
2XeF2+Si→2Xe+SiF4
XeF2によるドライエッチングによれば、ベース層71のエッチングレートは、SiO2層72のエッチングレートより相当大きいので、SiO2層72がエッチングのストッパーとして機能する。このエッチングはプラズマによるものでないので、除去する部位以外の部位にダメージがおよびにくい。なお、XeF2の代わりに、例えば、CF4やSF6によるプラズマエッチングを用いることもできる。
研磨の方法としては、従来公知のものを用いることができるため説明を省略する。
これにより、ベース層71を好適に除去することができる。
次に、図17(k)に示すように、エッチングを行ってSiO2層72を除去する。エッチングを行う場合には、フッ酸を含むエッチング液を用いるのが好ましい。これにより、SiO2層72を好適に除去することができる。
次に、シリコン層73上に、可動部31および支持部32の形状(平面形状)に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、ドライエッチング法、特にICPエッチング(Inductively−Coupled Plasma Etching)法にて、ウエハー7をエッチングする。これにより、図17(l)に示すように開口部311を有する可動部31と、支持部32と、固定部33とが形成された可動基板3が得られる。
本工程では、ICPエッチングを行う。すなわち、エッチング用ガスによるエッチングと、デポジッション用ガスによる保護膜の形成とを、交互に繰り返し行って、可動部31と支持部32とを形成する。
前記エッチング用ガスとしては、例えば、SF6等が挙げられ、また、前記デポジッション用ガスとしては、例えば、C4F8等が挙げられる。
これにより、シリコン層73のみがエッチングされ、また、ドライエッチングなので、他の部位に影響を与えることなく、可動部31と支持部32と固定部33とを精度良く、確実に形成することができる。
このように、可動部31と、支持部32と、固定部33との形成においては、ドライエッチング法、特にICPエッチングを用いるので、特に可動部31を、容易、確実かつ精度良く形成することができる。
なお、本発明では、本工程において、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等の前記と異なるドライエッチング法を用いて可動部31と、支持部32と、固定部33とを形成してもよく、また、ドライエッチング法以外の方法を用いて可動部31と、支持部32と、固定部33とを形成してもよい。
[5]光透過基板4(第3の基板)に可動反射膜210を形成する工程
次に、図17(m)に示すように、光透過基板4を用意する。この光透過基板4の構成材料としては、前述した透明基板20と同様のものが挙げられる。
次に、図17(n)に示すように、光透過基板4の上面に可動反射膜210を形成する。
具体的には、光透過基板4の上面に、多層膜で構成される反射膜を成膜する。この成膜方法としては、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法等により形成することができる。
多層膜の構成材料としては、例えばシリコン酸化物(SiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、シリコン窒化膜(SiN)等が好ましい。これらを適宜選択して用いることにより、非常に高い反射率を有する反射膜や非常に低い反射率(非常に高い透過率)を有する反射防止膜が得られる。これらを交互に積層することにより、所定の厚さの多層膜を設けることができる。
多層膜の各層の厚さ、層数、材質を設定(調整)することによって、所定の波長の光を透過または反射させることができる多層膜を形成することができる(特性を変化させることができる)。例えば、反射膜の場合は、各層の厚さを設定することにより反射率を調整することができ、各層の層数を設定することにより、反射する光の波長を調整することができる。これにより、所望の特性を有する可動反射膜210を容易に形成することができる。
また、可動反射膜210の全体の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜4μmが好ましい。
なお、後述する固定反射膜200、反射防止膜100および反射防止膜110の成膜についても、本工程[5]の方法を用いることができる。なお、反射防止膜の場合は、各層の厚さを設定することにより反射防止率(透過率)を調整することができ、各層の層数を設定することにより、透過する光の波長を調整することができる。
[6]光透過基板4(第3の基板)を可動部31に接合する工程
次に、図18(o)に示すように、開口部311を包含するように、光透過基板4を可動部31に接合する。
[7]第2の固定基板(第1の基板)5を形成する工程
次に、図18(p)に示すように、透明基板50(第1の基板用基材)を用意する。この透明基板50の構成材料としては、前述した透明基板20と同様のものが挙げられる。
次に、図18(q)に示すように、透明基板50に凹部51を形成する。凹部51は、凹部11と同様にして、製造、用意することができる。これにより、第2の固定基板5が得られる。
[8]固定反射膜200を形成する工程
次に、図18(r)に示すように、凹部51の底部に固定反射膜200を形成する。また、固定反射膜200の全体の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜4μmが好ましい。
[9]第1の固定基板10と可動基板3とを接合する工程
次に、図19(s)に示すように、第1の固定基板10と可動基板3とを固定反射膜200と可動反射膜210とが、互いに対向するように接合する。これにより、凹部11と凹部51とで囲まれる閉鎖空間が形成される。
この接合の際、内部を真空にした状態で接合したり(真空封止)、内部を減圧した状態で接合したり(減圧封止)するのが好ましい。これにより、可動部31の駆動特性をより安定させることができる。
[10]反射防止膜100、110を形成する工程
その後、第1の固定基板10の下面に反射防止膜100を形成し、第2の固定基板5の上面に反射防止膜110を形成する。なお、反射防止膜100、110の形成時期は特に限定されず、本工程[10]以前の任意の工程中に形成してもよい。
以上の工程により、図12および図13に示すような波長可変フィルタ1が得られる。
以上説明したように、この波長可変フィルタ1の製造方法によれば、光透過基板4の表面に可動反射膜210を形成するため、可動反射膜210の膜厚の制御を容易かつ確実に行うことができる。これにより、可動反射膜210の膜厚の不均一による干渉用ギャップ9から出射した干渉光の減衰を確実に防止することができる。
また、可動基板3はシリコンで形成されているため、可動部31と、支持部32と、固定部33とを一体的に形成することができ、製造工程を簡易なものとすることができる。
また、犠牲層のリリース工程を必要としないため、可動部31にリリースホールを形成する必要がなく、可動部31の製造を簡易なものとすることができる。また、可動部31の(第2の基板3の)クーロン力が作用する部位の面積を減少させることがないため、可動部31と駆動電極23との間に印加する電圧を低くすることができる。
また、駆動電極23上に絶縁膜220を形成することにより、スティッキング(可動部31と駆動電極23との貼り付き)の発生を防ぐことができ、確実な絶縁構造を形成できる。
また、凹部11と凹部51とで、囲まれる空間が、閉鎖空間を構成しているため、可動部31の駆動の特性が向上し、安定する。
以上述べた効果に加えて、図12および図13に示す波長可変フィルタ1は、比較的安価に製造できるという利点を有している。
<第4実施形態>
次に、本発明の波長可変フィルタの第4実施形態について説明する。
図20は、本発明の波長可変フィルタの第4実施形態の可動基板および光透過基板を示す平面図(上面図)、図21は、第4実施形態の波長可変フィルタの図20のD−D線での断面図である。
以下、第4実施形態の波長可変フィルタ1について、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の波長可変フィルタ1は、光透過基板4の可動部31に接合(設置)される位置が、第3実施形態と異なっている。
図20および図21に示すように、第4実施形態の波長可変フィルタ1は、光透過基板4が、可動部31の凹部51の底面と対向する面側(図21中下側)に接合されている(設けられている)。
また、光透過基板4は、開口部311に対応する部位に凹部(第3の凹部)41を有し、反射防止膜110は、凹部41内に設けられている。すなわち、厚さ方向(図21中上下方向)から見たとき、反射防止膜110全体が、凹部41内に位置するように設けられている。
この波長可変フィルタ1によれば、前述した第3実施形態の波長可変フィルタ1と同様の効果が得られる。
次に、第4実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法について説明する。
以下、製造方法について説明するが、第3実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図22は、第4実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法を説明する図である。第4実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法は、工程[3]以降が異なること以外は、第3実施形態の波長可変フィルタ1の製造方法と同様である。以下、工程[3]以降について説明する。
[3]光透過基板4に可動反射膜210を形成する工程
まず、図22(a)に示すように、光透過基板4を用意する。
次に、光透過基板4の上面にエッチングを施して凹部(第3の凹部)41を形成する。
次に、図22(b)に示すように、凹部41内に可動反射膜210を形成する。
[4]ウエハー(第2の基板用基材)7と光透過基板4とを接合する工程
次に、図22(c)に示すように、ウエハー7のシリコン層73の、開口部311となる部位に対応する部位に、可動反射膜210とシリコン層73とが対向するように光透過基板4を接合する。
[5]ウエハー7と第1の固定基板10とを接合する工程
次に、図22(d)に示すように、ウエハー7と第1の固定基板10とを、光透過基板4と凹部11とが、互いに対向するように接合する。
[6]
次に、第3実施形態の工程[4]と同様の工程を行ってウエハー7から可動基板3を形成する。
[7]〜[10]
次に、第3実施形態の工程[7]〜[10]と同様の工程を行う。
以上の工程により図20および図21に示すような第4実施形態の波長可変フィルタ1が得られる。
以上、本発明の波長可変フィルタおよび波長可変フィルタの製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)(工程)を組み合わせたものであってもよい。
なお、前記各実施形態では、反射防止膜100、110、可動反射膜210および固定反射膜200を多層膜で形成したが、これに限らず、反射防止膜100、110、可動反射膜210および固定反射膜200を、それぞれ、単層膜で形成してもよい。この場合、SiOHN(シリコンオキシナイトライド)を用いるのが好ましい。これにより、確実な絶縁構造を形成することができる。
また、前記各実施形態では、反射防止膜100、110、可動反射膜210および固定反射膜200が、絶縁膜を兼ねているが、これに限らず、例えば、絶縁膜を別途設けてもよい。その場合、熱酸化によるSiO2層や、TEOS−CVDにて形成したSiO2層等が好適に用いられる。
また、前記各実施形では、駆動電極23と可動基板3とのうち、駆動電極23のみに絶縁処理を行った(絶縁膜220を設けた)が、これに限らず、駆動電極23と可動基板3との両方に絶縁処理を施すのが好ましい。この際、可動基板3における絶縁処理は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化膜で構成される絶縁膜を可動基板3の表面に被覆したものであるのが好ましい。これにより、より確実な絶縁構造を形成することができる。
また、前記各実施形態では、駆動部の構成は、クーロン力を用いた構成としたが、本発明では、これに限られない。
また、陽極接合面以外の各基板間に、別個の基板(層)が設けられていてもよい。
また、前記各実施形態における製造方法では、接合の方法として陽極接合を用いたが、これに限らず、例えば、加熱加圧接続、接着剤、低融点ガラスにより接合しても良い。
また、本発明の波長可変フィルタの用途は、特に限定されず、例えば、被測定物(試料)に所定の波長の赤外光を照射して被測定物を透過した透過赤外光を、波長可変フィルタに入射させて、該波長可変フィルタから出射した干渉光を測定することにより、各波長における被測定物の赤外光吸収スペクトルを調べることが可能なセンサー等が挙げられる。
本発明では、赤外光より短波長の光を透過可能であるため、UV吸収スペクトルや、画像描画デバイスの検査にも適用することができる。また、検査の際に例えば、被測定物を設置する流路を、波長可変フィルタに付設したり、波長可変フィルタの内部、特に固定基板内に設けたりすることにより、その被測定物を測定するコンパクトな分析装置を実現することができる。また、この波長可変フィルタから出射する干渉光を受光するフォトダイオード等の受光素子や、その干渉光を分析するマイクロコンピュータなどを付加することもできる。
さらに、駆動電極23と、可動部31との間のギャップの容量や、駆動電極23と、可動部31との間に印加する電圧や、波長可変フィルタ1から出射した干渉光等、各種の情報に基づいてギャップ量(距離x)の検出を行い、その情報を前記マイクロコンピュータにフィードバックすることによって、ギャップ量の設定や、可動部の駆動を精度よく行うことができる。
本発明の波長可変フィルタの第1実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線での断面図である。 本発明の波長可変フィルタの動作の1例を説明する図である。 第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第1実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 本発明の波長可変フィルタの第2実施形態を示す平面図である。 図9のB−B線での断面図である。 第2実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 本発明の波長可変フィルタの第3実施形態の可動基板および光透過基板を示す平面図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの図12のC−C線での断面図である。 本発明の波長可変フィルタの動作の1例を説明する図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 第3実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。 本発明の波長可変フィルタの第4実施形態の可動基板および光透過基板を示す平面図である。 第4実施形態の波長可変フィルタの図20のD−D線での断面図である。 第4実施形態の波長可変フィルタの製造方法を説明する図である。
符号の説明
1……波長可変フィルタ 2……固定基板 20……透明基板 21……干渉用ギャップ 211……第1の凹部 22……駆動用ギャップ 220……絶縁膜 221……第2の凹部 23……駆動電極 24……光入射部 3……可動基板 31……可動部 311……開口部 32……支持部 33……固定部 4……光透過基板 41……凹部 5……第2の固定基板 50……透明基板 51……凹部 6……マスク層 61……レジスト層 63……開口 7……ウエハー 71……ベース層 72……SiO層 73……シリコン層 8……駆動用ギャップ 9……干渉用ギャップ 10……第1の固定基板 11……凹部 100……反射防止膜 110……反射防止膜 200……固定反射膜 213……反射膜 210……可動反射膜 300……光源 L……光 x……距離

Claims (10)

  1. 第1の凹部と、前記第1の凹部の外側に前記第1の凹部に連続して設けられ、前記第1の凹部より深さが浅い第2の凹部とを有する第1の基板と、
    前記第1の凹部に対向する位置に開口部を有し、前記第2の凹部に対向するように設けられた可動部と、該可動部を変位可能に支持する支持部とを備え、前記第1の基板に接合され、導電性を有する第2の基板と、
    前記開口部に対応する部位に位置するように、前記可動部に接合された光透過性を有する第3の基板と、
    前記第1の凹部の底部に設けられた固定反射膜と、
    前記第3の基板の前記第1の凹部側に設けられ、前記固定反射膜に対し、干渉用ギャップを介して対向配置された可動反射膜と、
    前記第3の基板の前記第1の凹部と反対側に設けられた反射防止膜と、
    前記第2の凹部の底部に設けられた駆動電極を有し、前記可動部と前記駆動電極との間の電位差により生じるクーロン力により前記可動部を前記第1の基板に対して変位させることにより、前記干渉用ギャップの間隔を変更する駆動部とを備え、
    前記固定反射膜と前記可動反射膜との間で反射を繰り返し、干渉を生じさせて前記干渉用ギャップの間隔に応じた波長の光を外部に出射し得るよう構成されており、
    前記第3の基板は、前記可動部の前記第1の基板と対向する面側に接合され、
    前記反射防止膜は、該反射防止膜の厚さ方向から見たとき、前記反射防止膜全体が前記開口部内に位置し、前記反射防止膜の前記第1の基板と反対側の面が、前記可動部の前記第1の基板と反対側の面よりも前記第1の基板側に位置し、前記反射防止膜の前記第1の基板側の面と、前記可動部の前記第1の基板側の面との、前記可動部の変位方向における位置が一致するように設けられていることを特徴とする波長可変フィルタ。
  2. 前記第1の基板の前記干渉用ギャップと反対側の面に、反射防止膜を有する請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  3. 前記第2の基板と前記駆動電極との間の少なくとも一方の面に、絶縁処理が施されている請求項1または2に記載の波長可変フィルタ。
  4. 前記第3の基板は、赤外光および赤外光より短波長の光を透過可能なものである請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  5. 前記第3の基板は、前記開口部を包含するように該開口部を覆っている請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  6. 前記第2の基板は、シリコンで構成されている請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  7. 前記可動部は、平面視で略円形をなしている請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  8. 前記可動部と前記支持部とは一体的に形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  9. 前記固定反射膜および前記可動反射膜は、それぞれ多層膜である請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
  10. 前記可動反射膜は、絶縁膜である請求項1ないしのいずれかに記載の波長可変フィルタ。
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