JP4603428B2 - 画像形成装置および画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は、感光体に対向して転写手段を設け、前記感光体に形成されたトナー像を、前記感光体と前記転写手段との間の転写部に搬送された記録媒体に静電的に転写する画像形成装置および画像形成システムに関するものである。
図5に、従来の電子写真方式による連続紙プリンタの構成を示す。感光体1の表面に、帯電器16により電荷が付与され、露光光源17により印刷データに基づく露光パターンが照射されて、感光体1に静電潜像が形成される。感光体1の静電潜像は、現像機18の現像ロール上の現像剤により現像され、感光体1にトナー像9aが形成される。連続紙7(図1ではボックス紙)はトラクタ8aにより感光体1と前記転写手段との間の転写部に搬送され、転写手段であるコロナ転写器3により連続紙7をトナー像9aと逆極性に帯電することにより、連続紙7上にトナー像9bが転写される。転写されたトナー像9bは、プレヒータ20を通過時にトナー樹脂のガラス転移温度付近まで加熱され、その後ヒータを内蔵した加熱ローラ21aとバックアップローラ21bからなる定着機により連続紙7に溶融固着されトナー画像10となる。
従来、連続紙プリンタは帳票へのコンピュータ出力印刷に使用されることが多かったが、最近は、高速可変情報印刷としての機能を活かし、ダイレクトメール、請求書、マニュアルまたは書物等の多用途印刷に使用されるようになった。また、記録媒体も薄紙から厚紙まで、また用紙種も上質紙から粗面紙まで多種類の用紙に対応しなければならなくなった。さらに、紙等の省資源の観点から、両面印刷のニーズが増加している。
2台の連続紙プリンタ22aおよび22bを用い、1台目の連続紙プリンタ22aで第1面を印刷後、用紙反転機構23にて用紙面を反転させ、2台目の連続紙プリンタ22bで第2面を印刷する「タンデム運転」により連続紙へ両面印刷する一般的な方法を図6に示す。この際ブレードにて用紙を感光ドラムに押しつける方式が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
タンデム運転で連続紙へ両面印刷を行う場合の第2面目印刷時に、印刷幅範囲のみにおいて、感光ドラムに用紙を押しつけ、印刷幅範囲外では、感光ドラムから離れるように、ブレードが用紙幅方向に分割され、それぞれの分割部にリトラクト機構を設けることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、複数のブレードを設け、用紙幅に応じて、組み合わせる方式も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、カット紙対応の画像形成装置において、用紙が通過するタイミングに応じて、用紙を感光ドラムに押しつけるブレードを設けるとともに、光伝導体層面に直接、ブレードが接触して傷をつけないように、用紙間部では、ソレノイド機構によりブレードをリトラクト可能な構成にすることが提案されている。
特開平4−321062
特開平9−171308
特開平11−65328
特開平4−321062
特開平9−171308
画質を支配するのは転写性能である。一般に、用紙面には多くのパルプ繊維が存在する。図7は上質紙(a)と粗面紙(b)の断面の形状を示したものである。上質紙(a)では繊維の間隔が約50μmであるのに対し、粗面紙(b)では約100μmと用紙(パルプ)繊維の間隔が広い。また凹部の深さも約20μmと大きい。このため粗面紙(b)の場合は、第1面の印刷および第2面の印刷のいずれの場合であっても、転写部において粗面紙と感光体1との密着性が悪く、粗面紙(b)の凹部領域では転写不良による画像欠陥が生じる。転写電流(電荷)が増加すると、凹部の空隙で放電が発生し、トナーの飛び散り等の画像劣化も生じていた。
連続紙プリンタでは、多種用紙への印刷のニーズが高いことを前述したが、使用される用紙の幅も用途によって使いわけられる。このため、最近では、長尺(21〜22インチ)の感光体1が使用され、使用される用紙の幅も12インチ、16インチ、22インチと多岐にわたっている。帳票では12から16インチ、マニュアルや書物等の印刷では、印刷後裁断するため、A4サイズの2面取り可能な17インチ幅、B5サイズの3面取りの場合は22インチの用紙等となる。
図9(a)は、感光体1の長さに対して、幅の狭い連続紙7を通紙して印刷する場合を示す。この時、ブレード24は連続紙7を光導電体層2に押しつけ、両者を密着させ、連続紙7と光導電体層2の間に空隙を生じないようにする。ここで連続紙7の存在する領域を領域a、連続紙7が存在せず、ブレード24が直接、感光体1の光導電体層2に接触する領域を領域b1およびb2とする。
図9(b)は領域aでの転写状態を示すもので、ブレード24は直接、光導電体層2に接触しないため光導電体層2を傷つけることはない。一方、図9(c)は領域b2での状態を示すもので、ブレード24は直接、光導電体層2に接触するため、光導電体層2を傷つける。また、特に連続紙7が粗面紙の場合は、ブレード24の端部で紙面の凸部を削り紙粉を増加させたり、連続紙7を光導電体層2に押しつけ、両者を密着させることが不十分であった。
また、複数のブレード24を設け、用紙幅に応じて、組み合わせる方式では、構成が複雑で転写アシスト機構のサイズも大きくなるという問題があった。
特に両面印刷の場合は、図6の1台目の連続紙プリンタ22aで第1面の画像を定着する際、190℃近傍になる高温のヒートロール21aとバックアップローラ21b間を通過するため、水分の蒸発等に基づく用紙の変形や、第1面のトナー画像の形成、水分の蒸発による用紙抵抗の増加が生じ、第2面印刷時の転写性能が低下するという問題があった。
連続紙プリンタでは、ミシン目のあるボックス紙やミシン目の無いロール紙を高速(0.5〜2m/秒)で搬送して印刷を行う。カット紙と異なり、用紙に切れ目は無い。
転写を補助するブレードを連続紙プリンタに適用した場合の問題点を図8を用いて説明する。
図8(a)に、転写を補助するブレード24を採用した構成を示す。連続紙7の搬送方向(矢印)から見て、コロナ転写器3の上流側に、プラスチック製の板やフィルムあるいは金属プレート等のブレード24を設けた構成である。トラクタ8aにより搬送された連続紙7は、ハウジング6のフレーム6aにそって転写器のハウジング6に至り、ブレード24により感光体1の光導電体層2の表面に押しつけられ、密着された状態でコロナ転写器3に対向した位置でコロナ転写器3から電荷を付与され、トナー像9aは連続紙7に転写される。その後、ハウジング6のフレーム6bにそってハウジング6の外部に出た後、トラクタ8bにより定着装置(図示せず)に送られる。
ブレード24の押しつけ効果により、上質紙の場合は連続紙7と感光体1間の空隙が低減するため、良好な転写が得られる。
一方、図8(b)は、図6に示したように1台目の連続紙プリンタ22aにより、第1面にトナー画像10が形成された連続紙7の第2面にトナー像9bを印刷し定着させて両面印刷を行う場合を示す。
この場合、1台目の連続紙プリンタ22aの定着機通過時に水分の蒸発に基づく用紙の変形、及び、第1面印刷時のトナー画像10の形成、用紙抵抗の増加があり、第2面に対してトナー像9aは転写しにくい状況にある。さらに、トナー画像10に直接ブレード24が接触するため、ブレード24により定着されたトナー画像10の表面を擦り、トナー画像10の欠落等の画像劣化を生じていた。
一般に、第2面の印刷時は、第1面印刷時の定着プロセスで熱履歴を受けて、用紙に変形が生じているため、密着性を向上させるにはブレード24の押しつけ圧力をより大きくする必要があり、ますます画質劣化を助長していた。
本発明は、感光体に対向して転写手段を設け、前記感光体に形成されたトナー像を、前記感光体と前記転写手段との間の転写部に搬送された記録媒体に静電的に転写する画像形成装置において、前記記録媒体が連続紙であって、前記感光体と前記転写手段との間の転写部の入り口に、前記記録媒体の走行に従動して回転する回転部材と、前記回転部材を、記録媒体を介して前記感光体に押しつける押しつけ機構とを有し、前記回転部材の表面が、前記感光体に形成された前記トナー像の帯電電荷と同極性に帯電、あるいは同極性の電位を有していて、前記転写手段であるコロナ転写器と前記回転部材とを同一のハウジングに格納し、前記ハウジングは前記感光体に対して退避可能で、かつ、前記ハウジングが退避時は、前記回転部材も前記押しつけ機構により記録媒体面から退避可能な構成としたことを特徴とする。
また、前記回転部材と前記転写手段の間に、遮蔽シールドを設けたことを特徴とする。
また、前記回転部材が、金属ローラの表面に半導電性の樹脂あるいは半導電性のゴムを被覆した被覆層を形成したものであって、前記回転部材に前記感光体に形成されたトナー像の帯電電荷と同極性の直流電圧を印加することを特徴とする。
また、前記被覆層の体積抵抗率が10〜10Ω・cmであることを特徴とする。
また、前記被膜層が熱収縮あるいは、熱融着タイプのチューブであることを特徴とする。
また、前記金属ローラに印加する直流電圧が、感光体の非露光部の帯電電位と同電位あるいは、これよりも小さい電位であることを特徴とする。
また、前記金属ローラの表面に、記録媒体との摩擦により前記感光体に形成されたトナー像の帯電電荷と同極性に摩擦帯電する絶縁性樹脂あるいは絶縁性ゴムの絶縁被覆層を形成したことを特徴とする。
また、前記ハウジング内に、前記回転部材の清掃手段を設けたことを特徴とする。
また、前記押しつけ機構により、前記回転部材を、記録媒体を介して前記感光体に押しつける圧力が5g/cm〜60g/cmの範囲であることを特徴とする。
また、前記遮蔽シールドと前記回転部材と間の距離は、1〜15mmであることを特徴とする。
また、上記画像形成装置を複数台備えた画像形成システムにより、連続紙へ両面印刷することを特徴とする。
本発明によれば、押しつけ機構により所定の圧力で回転部材を記録媒体を介して感光体に押しつけた状態で、記録媒体の走行に従動して回転するように構成したため、記録媒体と帯電された光導電体層との間の密着性が向上し、空隙を低減して転写性能を向上することができる。
また、回転部材の表面の電位極性をトナー像の帯電電荷と同極性としたため、感光体から飛散したトナー像が回転部材の表面に付着するのを低減できる。
本発明の実施例を図を用いて説明する。
[実施例1]
図1により本実施例を説明する。図1(a)に、本発明のひとつの実施例である転写部の構造を示す。実施例1では、感光体1としてセレン感光体、プラスOPCおよびa−Si等のプラス帯電感光体を用い、現像方式は反転現像方式、トナーの帯電極性はプラス極性とした。転写器のハウジング6の内部に回転部材である転写アシストローラ5、負帯電のコロナ転写器3およびAC除電器4が格納されている。
転写アシストローラ5について、図1(b)を用いて説明する。転写アシストローラ5は直径15mmのステンレス製の金属ロール5aに、被覆層5bとして熱収縮チューブをかぶせ、120〜160℃で加熱処理したものである。熱収縮チューブ材として好ましくは表1に示す6種類の材料から選ぶことができる。
Figure 0004603428
絶縁性タイプのものは、記録媒体との摩擦帯電により帯電極性はトナー像9aの帯電極性と同じプラスに帯電するポリエチレンテレフタレート(PET)チューブを使用することができる。半導電性タイプであれば、金属ロール5aに直流電圧11を印加できるため、テフロン(登録商標)(半導電タイプ)、ポリイミド(半導電タイプ)またはエチレンプロピレンゴム(半導電タイプ)を使用することができる。本実施例では、エチレンプロピレンゴム(半導電タイプ)チューブを用いた。エチレンプロピレンゴムチューブの収縮後の厚みは、約0.6mmであった。転写アシストローラ5の位置における感光体1の未露光領域の表面電位は、+400〜+600Vであったため、金属ロール5aには、500Vのプラス極性の直流電圧11を印加した。
図1(c)は転写部の機械的な構成を示す。コロナ転写器3とAC除電器4が格納された転写器のハウジング6は、感光体1面に対して矢印で示すように支持部12aにより前進と後進が可能な構成とした。さらに、転写アシストローラ5も、同様に感光体1面に対して押しつけ機構である支持部12bにより接触と退避が可能な構成とした。印刷動作が中断あるいは停止した時、未定着のトナーを有する連続紙7が転写アシストローラ5に接触すると、トナー像9aが脱落し画像欠陥が生じる。本構成は、感光体1面あるいは連続紙7面と接触している転写アシストローラ5の退避を早急に行うために有効である。
次に、転写アシストローラ5を用いた転写動作のシーケンスを説明する。連続紙7がトラクタ8bにより感光体1とコロナ転写器3の間の転写部に送られ印刷動作の準備が完了すると、転写器のハウジング6が感光体1に対して所定位置まで移動する。次に、支持部12bは、転写アシストローラ5を連続紙7を介して感光体1の光導電体層2に押しつける。連続紙7と光導電体層2との密着性を確保し、かつ、従動するためには押しつけ圧力の適正化が必要である。実験の結果、支持部12bによる転写アシストローラ5の連続紙7への押しつけ圧力は、5〜60g/cmさらに好ましくは13〜40g/cmの範囲に設定すれば良いことがわかった。5g/cmより小さいと連続紙7と光導電体層2との十分な密着性を確保できない。60g/cmより大きいと感光体1と従動することが不安定になりやすく、図1(e)に示すように第2面目の印刷の場合は、さらに第1面のトナー画像10にダメージを与えかねない。13〜40g/cmであれば、記録媒体の種類印刷方法によらず光導電体層2との十分な密着性を確保でき、かつ感光体1との従動が安定する。
印刷時は、転写アシストローラ5にプラスの直流電圧11が荷電され、同様に、コロナ転写器3にはマイナスの直流電圧、AC除電器4にはAC電圧が印加される。
転写アシストローラ5の表面はエチレンプロピレンゴム層であり、かつ連続紙7に対して従動するため、第1面のトナー画像10にダメージを与えることは無い。また、連続紙7が表面に凹凸のある粗面紙等であっても空隙が低減され、本実施例で使用したセレン感光体、プラスOPCおよびa−Si等のプラス帯電の感光体1への密着性が確保されたため、トナー像9aを連続紙7に良好に転写することができた。
また、転写アシストローラ5の表面には、トナー像9aの帯電極性と同じ極性の電圧が印加されているため、感光体1上のプラス帯電のトナー像9aや紙粉(通常、プラス帯電)が、転写アシストローラ5に付着するのを防止できる。
なお、感光体1から転写アシストローラ5への電流値を制限する場合には、直流電圧源に直流抵抗を電流制限抵抗として接続しても良い。
図1(d)はコロナ転写器3からのコロナ電荷が転写アシストローラ5に流れ込まないようにコロナ帯電器3の転写アシストローラ5側のシールド3cの内側に遮蔽シールドである絶縁物(シート)3bを設けた構成を示す。なお、流れ込みはコロナ転写器3のシールド3cと転写アシストローラ5間の距離Lに依存する。このため、距離Lを所定量以上確保する必要がある。距離Lは、1mm〜15mmであるとよい。1mmより短いと、転写アシストローラ5とコロナ転写器3との接触防止や用紙の安定搬送が不十分となり、15mmより長いと、連続紙7と感光体1の密着性の維持が困難になる。
転写アシストローラ5の表面はトナー像9aの帯電電荷と同極性に帯電している。一方、コロナ転写器3からのコロナ電荷の極性はトナー像9aの帯電電荷と逆極性である。従って、コロナ転写器3からのコロナ電荷が、近接する転写アシストローラ5に流れ込むと転写アシストローラ5の表面はトナー像9aの帯電電荷と逆極性に帯電してしまい、転写アシストローラ5の表面にトナーが付着し、転写アシストローラ5に汚れが発生する。これを防止するため、遮蔽シールドを設けることが好ましい。
距離Lを最適化し絶縁物(シート)3bを設けることにより、転写アシストローラ5とコロナ転写器3の間を遮蔽でき、それぞれの機能をより有効にすることができた。
なお、実施例1ではAC除電器4を設けたが必ずしも設置する必要はない。
[実施例2]
図3は、感光体1の幅に対して連続紙7の幅が狭い場合を示す。領域aは転写アシストローラ5が連続紙7を介して感光体1の光導電体層2に接する領域、領域b1およびb2は、転写アシストローラ5が直接、感光体1の光導電体層2に接する領域である。使用した感光体1はセレン系のドラムとした。現像方式、トナーの帯電極性および転写アシストローラ5の構成は実施例1と同様である。転写アシストローラ5の位置における感光体1の未露光領域の表面電位は、+500〜+600Vであるため、転写アシストローラ5の表面電位がこれよりも小さくなるように、金属ロール5aには、+400のプラス極性の直流電圧11を印加した。その結果、転写アシストローラ5から感光体1への流れ込みが無くなり、感光体1の劣化を防止できた。
また、光導電体層2を傷つけことはなかった。
[実施例3]
他の実施例を図2を用いて説明する。実施例1との違いは、感光体1としてマイナスOPCドラムを用いた点である。反転現像方式であるため、トナーの帯電極性はマイナス極性である。この場合の転写アシストローラ5については図2(b)を用いて説明する。
転写アシストローラ5は、直径20mmのアルミ製の金属ローラ5aの表面に被覆層5bとして熱収縮チューブをかぶせ、加熱処理したものである。熱収縮チューブとして好ましくは、表1に示す6種類の材料から選ぶことができる。絶縁性タイプでは、用紙との帯電により帯電極性はトナー像9aの帯電極性と同じマイナス帯電するテフロン(登録商標)(絶縁タイプ)やエチレンプロピレンゴム(絶縁タイプ)チューブを使用することができる。半導電性タイプの場合は、金属ローラ5aに電圧を印加可能なため、テフロン(登録商標)(半導電タイプ)、ポリイミド(半導電タイプ)およびエチレンプロピレンゴム(半導電タイプ)を使用することができる。本実施例においては、テフロン(登録商標)(半導電タイプ)チューブを用いた。チューブの収縮後の厚みは、0.4mmである。印刷時は、転写アシストローラ5にマイナス400Vの直流電圧11を引加した。コロナ転写器3にはプラスの直流電圧、AC除電器4にはAC電圧を印加した。テフロン(登録商標)は用紙面との摺擦によりマイナス極性に帯電するため、転写アシストローラ5に印加する電圧は小さくすることができる。
図2(a)は、第1面にトナー画像10が印刷された連続紙7への第2面目の印刷を示す概略図である。転写アシストローラ5の表面はテフロン(登録商標)の被覆層5bであり、かつ連続紙7に対して従動であるため、第1面のトナー画像10にダメージを与えることは無い。
また、連続紙7が表面に凹凸のある粗面紙等であっても、空隙が低減され感光体1面への密着性が向上するため良好な転写を行うことができた。さらに、転写アシストローラ5の表面はトナー像9aの帯電極性と同じ極性の電圧が印加されているため、感光体1のトナー像9aが転写アシストローラ5へ付着するのを防止できた。
[実施例4]
図4を用いて本発明の他の実施例を説明する。これは、転写器のハウジング6の内部に、転写アシストローラ5の清掃ブラシ14を設けたものである。プリンタ装置内部には、用紙の走行機構での用紙のエッジや表面での摺擦により生じた紙粉が多く浮遊しており、プラスに帯電している。このため、実施例3で取り上げたマイナス帯電トナーを使用する場合、転写アシストローラ5にはマイナス極性の直流電圧11が印加されているため、長時間印刷を続けると転写アシストローラ5の表面には紙粉17が付着するため、押しつけ機構および転写アシストローラ5による連続紙7の押しつけ効果の低下や、転写アシストローラ5が接触する第1面印刷のトナー画像10の汚れを誘発することになる。
転写器のハウジング6の内部に清掃室13を設け、清掃ブラシ14を設置し、清掃室13からは廃棄ダクト15により回収された紙粉17やほこり、あるいは、トナー粒子を排出できる構成である。
清掃方式としては、転写アシストローラ5の表面に清掃ブラシ14が常時接触する構成にしても良いし、非印刷時に、転写アシストローラ5が感光体1面から退避した際に転写アシストローラ5の表面にロール状の清掃ブラシ14を接触させて清掃する構成としても良い。
これにより、転写アシストローラ5表面への紙粉17やホコリ等の付着による記録媒体の押しつけ効果の低下や第1面印刷画像の汚れを防止することができた。
[実施例5]
実施例1の画像形成装置をタンデム運転することにより両面印刷する画像形成システムを図10に示す。タンデム運転の説明については上述したので省略する。
転写アシストローラ5は連続紙7に対して従動であるため、第1面のトナー画像10にダメージを与えることは無かった。
また、連続紙7が表面に凹凸のある粗面紙等であっても、空隙が低減され感光体1面への密着性が向上するため良好な転写を行うことができた。さらに、転写アシストローラ5の表面はトナー像9aの帯電極性と同じ極性の電圧が印加されているため、感光体1のトナー像9aが転写アシストローラ5へ付着するのを防止できた。
1台目の連続紙プリンタ220aで第1面の画像を定着する際、190℃近傍になる高温のヒートロール21aとバックアップローラ21b間を通過するため、水分の蒸発等に基づく用紙の変形や、第1面のトナー画像10の形成、水分の蒸発による用紙抵抗の増加が生じても、2台目の連続紙プリンタ220bによる第2面印刷時の転写性能が低下することがなく良好な画像が形成された。
本発明の転写アシストローラ5としては、金属ロール5aと被覆層5bの密着性に優れ、記録媒体を感光体1に押し当てた状態で高速回転しても金属ロール5aと被覆層5bの界面で剥離が生じないことが望ましい。被覆層5bは、コロナ転写器3の近傍に設置され、オゾンにさらされた状態で使用されるため、耐オゾン性および耐摩耗性に優れていることが望ましい。転写アシストローラ5の表面の帯電電位を所定値に制御できるという点から、金属ロール5aの被覆層5bは、半導電性タイプが好ましく、体積抵抗率としては10〜10Ω・cmが特に良い。
以上の性能を付与する最良の形態としては、ステンレスやアルミニウム材からなる金属棒の表面に、樹脂やゴム等の熱収縮チューブを被せたり、非収縮チューブを熱融着や接着材を用いて被覆したりして形成した転写アシストローラ5が望ましい。
また、最良の形態として耐オゾン性に優れた半導電性のエチレンプロピレンゴム(EPDM)の熱収縮チューブを被覆し、熱収縮させた構成が望ましい。
また、上記チューブの内面にホットメルト接着剤等の接着剤を設けることによっても、金属ロール5aから剥離しにくくなる。
転写アシストローラ5は金属ローラ5aの表面に樹脂あるいはゴムの被覆層5bを形成したものが望ましい。被覆層5bは、連続紙7の走行時に、金属ローラ5aの被覆層5bと連続紙7との摩擦により被覆層5b表面に発生する摩擦帯電電荷の極性が、感光体1に形成されたトナー像9aの帯電電荷と同極性になるような摩擦帯電系列の樹脂あるいはゴム材料を使用する。
ここで、被覆層5bの仕事関数をWr、連続紙7の表面の仕事関数をWpとする。感光体1上のトナー像9aの帯電極性がプラスの場合、Wp≧Wr、感光体1上のトナー像9aの帯電極性がマイナスの場合、Wr≧Wpとなるような被覆材料を選ぶことが好ましい。
また、転写アシストローラ5の表面電位が、感光体1の非露光部の帯電電位と略々同電位あるいは、これよりも小さい値であるため、幅狭の記録媒体の場合、転写アシストローラ5が感光体1の光導電体層2と接触しても、感光体1面への電流の流れ込みを防止できると共に、光導電体層2と転写アシストローラ5の被覆層5bとの間のわずかな空隙が生じても、空隙にかかる電界を低減できるため、放電の発生を抑え、光導電体の劣化を防止できる効果がある。
電子写真方式のプリンタは高速で可変情報を用紙等の記録媒体に印刷できるという特長を活かし、業務用印刷の分野から個人用途まで幅広い分野でも用いられる。特に、連続紙プリンタではカット紙のような用紙搬送時の用紙ジャムが発生しないため、多種用紙を高速で搬送して印刷できる。最近ではダイレクトメールや料金表等の個人宛印刷ニーズが高まり、より速く、大量に、かつ、低価格で印刷することが求めら、加えて、地球環境の保護の面から両面印刷による紙使用量の削減、再生パルプを用いた再生紙や粗面紙の使用等が望まれている。
本発明は、両面印刷時の転写不良を解決するとともに、再生紙や粗面紙等の低価格な用紙への転写性を向上できるため、高画質な高速プリンタの実現に加え、省資源にも貢献できる。
特に、表面の凹凸の大きな粗面紙への転写や、表面が比較的平坦な用紙であっても、第1面のトナー画像定着時の熱によりシワが発生した用紙の第2面にトナー像を転写する場合においても、画像欠陥のない良好な転写が可能な画像形成装置および画像形成システムを提供することができる。
粗面紙等を含む多種用紙に対応できるのは、用紙の搬送安定性の点から連続紙対応プリンタの方であると思われるため、実施例では連続紙プリンタについて説明したが、本発明の転写アシストローラ5はカット紙対応のプリンタにも適用できることは言うまでもない。
本発明の転写部を示す図。 本発明の転写部の他の実施例を示す図。 本発明の転写部での幅狭記録媒体への印刷を説明する図。 本発明の清掃手段を備えた転写部を示す図。 連続紙プリンタの構成を示す図。 連続紙プリンタのタンデム運転により両面印刷を行う状態を示す図。 用紙の断面を示す図。 従来の連続紙プリンタの転写部を示す図。 従来の連続紙プリンタにおける転写部での幅狭記録媒体への印刷を説明する図。 本発明の画像形成システムを示す図。
符号の説明
1 :感光体
2 :光導電体層
3 :コロナ転写器
3b:絶縁物(シート)
4 :AC除電器
5 :転写アシストローラ
6 :ハウジング
7 :連続紙
9 :トナー像
10 :トナー画像
11 :直流電圧
12b:支持部
14 :清掃ブラシ
18 :現像機
24 :ブレード

Claims (11)

  1. 感光体に対向して転写手段を設け、前記感光体に形成されたトナー像を、前記感光体と前記転写手段との間の転写部に搬送された記録媒体に静電的に転写する画像形成装置において、
    前記記録媒体が連続紙であって、前記感光体と前記転写手段との間の転写部の入り口に、前記記録媒体の走行に従動して回転する回転部材と、前記回転部材を、記録媒体を介して前記感光体に押しつける押しつけ機構とを有し、前記回転部材の表面が、前記感光体に形成された前記トナー像の帯電電荷と同極性に帯電、あるいは同極性の電位を有していて、
    前記転写手段であるコロナ転写器と前記回転部材とを同一のハウジングに格納し、前記ハウジングは前記感光体に対して退避可能で、かつ、前記ハウジングが退避時は、前記回転部材も前記押しつけ機構により記録媒体面から退避可能な構成としたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回転部材と前記転写手段の間に、遮蔽シールドを設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記回転部材が、金属ローラの表面に半導電性の樹脂あるいは半導電性のゴムを被覆した被覆層を形成したものであって、前記回転部材に前記感光体に形成されたトナー像の帯電電荷と同極性の直流電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記被覆層の体積抵抗率が10〜10Ω・cmであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記被膜層が熱収縮あるいは、熱融着タイプのチューブであることを特徴とする請求項3または4記載の画像形成装置。
  6. 前記金属ローラに印加する直流電圧が、前記感光体の非露光部の帯電電位と同電位あるいは、これよりも小さい電位であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  7. 前記金属ローラの表面に、記録媒体との摩擦により前記感光体に形成されたトナー像の帯電電荷と同極性に摩擦帯電する絶縁性樹脂あるいは絶縁性ゴムの絶縁被覆層を形成したことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  8. 前記ハウジング内に、前記回転部材の清掃手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記押しつけ機構により、前記回転部材を、記録媒体を介して前記感光体に押しつける圧力が5g/cm〜60g/cmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  10. 前記遮蔽シールドと前記回転部材と間の距離は、1〜15mmであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置を複数台備え、連続紙へ両面印刷することを特徴とする画像形成システム。
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