JP4603388B2 - ロボットアーム - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットアームに関する。更に詳述すると、本発明は、例えば半導体のウェハ、液晶搬送ロボット等のワークをカセットや膜付装置等のプロセス装置の間で移動させる多関節ロボットにおけるロボットアームの構造の改良に関する。
ロボットアームは、第一アームと作業手段とを互いに回動可能に連結したものであり、このロボットアームに回転駆動源の回転力を伝達して伸縮等の動作をさせるようにしたものである。このロボットアームは、例えば半導体のウェハ、液晶等のワークをカセットや膜付装置等のプロセス装置の間で移動させる多関節ロボットに搭載されている。
例えば図8に示すロボットアーム203は、いわゆるベルト直接駆動型と呼ばれるもので、ロボット本体の基台204に固定された第一のタイミングプーリ207を中心に回動可能な第一アーム205と、この第一アーム205の先端部に第二のタイミングプーリ208を介して回動可能に連結された第二アーム206と、この第二アーム206の先端部にハンド側プーリ210に取り付けられているハンド202と、第一のタイミングプーリ207及び第二のタイミングプーリ208に掛け渡されたタイミングベルト211とを備えている。
第一アーム205には、駆動軸213が第一のタイミングプーリ207と同心となる位置に回動可能に設けられており、基台204及び第一のタイミングプーリ207に対して第一アーム205を回動可能に支持している。この駆動軸213は、基台204内に内蔵されるモータ(図示せず)によって回動される。
第二のタイミングプーリ208と第二アーム206とは連結筒214により固定されている。連結筒214には、その内部に回動可能に連結軸215が収納されている。
この連結軸215は、第一アーム205と第三のタイミングプーリ209とに固定されている。
第一アーム205と第二アーム206とは同じ長さであり、第一アーム205は2つのタイミングプーリ207、208と1本の長いタイミングベルト211とを収容し、第二アーム206は2つのタイミングプーリ209、210と1本の長いタイミングベルト212とを収容している。
このロボットアーム203は、第1プーリ207と第2プーリ208との径(歯数)の比は2:1とし、第3プーリ209と第4プーリ210との径(歯数)の比は1:2としている。このため、第1プーリ207、第2プーリ208、第4プーリ210の回転角度比は1:2:1となっている。
このロボットアーム203は、モータを駆動することにより、第1アーム205を基台204に対して回動させる。このとき、固定的な第1プーリ207に対し相対的に回動する第1ベルト211が、第1アーム205に対して第2プーリ208を相対回動させる。この第2プーリ208の第1アーム205に対する回動により、第1アーム205に対して第2アーム206が回動すると共に第2アーム206に対して第3プーリ209が回動する。
さらに、第2アーム206に対して第3プーリ209が回動することにより、第2アーム206に対して第4プーリ210が回動してハンド202が回動する。
ここで、第1アーム205及び第2アーム206が同じ長さであると共に第1アーム205の基台側プーリ207とハンド側プーリ208(即ち、第2アーム206の基台側プーリ209)と第2アーム206のハンド側プーリ210との回転角度比は1:2:1であるので、第1アーム205を回動させることにより、第1アーム205と第2アーム106との角度が変化して、第1アーム205の基台側プーリ207の中心と第2アーム206のハンド側プーリ210の中心とを結んだ直線上をハンド202が向きを一定にしながら移動する。
ところで、ロボットアーム203では、近年、半導体のウェハや液晶ガラスが大型化し、アーム寸法、重量が大きくなると、タイミングベルトにかかる力が大きくなってタイミングベルトの剛性が不足してワークの位置精度が低下してしまうという問題があった。
そこで、プーリ間に掛け渡された長い1本のタイミングベルトを用いるのではなく、回動の際にプーリと接触しない領域に金属プレートからなる連結部を連結したタイミングベルトを用いることが開示されている。
これにより、金属プレートを用いた連結部を介在することにより、タイミングベルトの長さを短く設けてその剛性を高め、ロボットアームの回動時の位置精度低下を防止している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−160568号公報
しかしながら、特許文献1に示すロボットアームでは、金属プレートからなる連結部を連結したタイミングベルトを用いて剛性を高めているが、回動時のプーリと接触しない領域は全体の50%以下であり、依然としてタイミングベルトの割合は金属プレートからなる連結部に比べて高いものとなっている。
また、使用するタイミングベルトがゴムを主体とする複合材料からなるので、弾性を持つ材質である。このため、ロボットアームは、タイミングベルトの伸びやヒステリシス等は大きく影響したままであり、ロボットアームの回動に影響を与えていた。したがって、ロボットアームの高い位置精度を確保することは難しいという問題があった。
タイミングベルトの剛性を高めるために、タイミングベルトの強度、例えば幅を広くした場合には、その歯面に噛みあう歯部をもつタイミングプーリの幅も同じように幅を広く設ける必要がある。
このため、タイミングベルトの剛性を高めることは、ロボットアームが大型化し、ロボットアームの設置空間を広くしなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、アームを大型化することなく、アームの位置制御の精度を高めることができるロボットアームを提供することを目的とする。
本発明は、ロボット本体に第一伝達機構を介して回動可能に取り付けられた第一アームと、該第一アームの先端部に第二伝達機構を介して回動可能に取り付けられた作業手段とから構成されると共に、前記第一伝達機構及び前記第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段を備えるロボットアームにおいて、前記第一連結手段が、前記第一伝達機構からの動力または該第一伝達機構への動力を授受する、第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材と、前記第二伝達機構からの動力または該第二伝達機構への動力を授受する第二動力伝達部材と、これら第一動力伝達部材と前記第二動力伝達部材とを繋ぐ、第二の剛性部材からなる第一連結部及び第二連結部とから構成されているとともに、前記第一伝達機構の径は前記第二伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第二動力伝達部材の長さは前記第一動力伝達部材の長さよりも短く、前記第一動力伝達部材を構成する前記第一の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第二動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであることことを特徴とする。
この発明によれば、ロボットアームを構成する前記第一伝達機構及び前記第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段が、前記第一伝達機構からの動力または該第一伝達機構への動力を授受する、第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材と、前記第二伝達機構からの動力または該第二伝達機構への動力を授受する第二動力伝達部材と、これら第一動力伝達部材と前記第二動力伝達部材とを繋ぐ、第二の剛性部材からなる第一連結部及び第二連結部とから構成されているとともに、前記第一伝達機構の径は前記第二伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第二動力伝達部材の長さは前記第一動力伝達部材の長さよりも短く、前記第一動力伝達部材を構成する前記第一の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第二動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであることとしているので、従来のロボットアームの大きさを維持しながら、上記第一連結手段の剛性を高めることができ、その伸びやヒステリシス等の影響を極力抑えることができる。このため、ロボットアームの位置制御を高精度で確保することができる。
この発明によれば、曲げ応力の小さい大径の第一伝達部材には、この第一伝達部材の幅とほぼ同じ幅で第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材を用いることができるので、第一連結手段の剛性を高めることができる。また、第一伝達部材は噛合いによる構成ではないことから、摩擦を抑制することができ、発塵を抑制することができる。また、小径の第二伝達部材に掛け渡された第二動力伝達部材の長さを従来よりも短くすることができるので、第二伝達部材との噛合いによって生じる発塵を抑制することができる。
また、本発明は、前記作業手段が、前記第二伝達機構に固定されて前記第一アームに対して回動可能な第二アームと、前記第二伝達機構と同心で前記第一アームに固定された第三伝達機構と、前記第二アームの先端部に第四伝達機構を介して回動可能に取り付けられたハンドとから構成されるとともに、前記第三伝達機構と前記第四伝達機構を連結して動力を伝達する第二連結手段を備えるロボットアームであって、前記第二連結手段が、前記第四伝達機構からの動力または該第四伝達機構への動力を授受する、第三の剛性部材からなる第四動力伝達部材と、前記第三伝達機構からの動力または該第三伝達機構への動力を授受する第三動力伝達部材と、これら第三動力伝達部材と前記第四動力伝達部材とを繋ぐ、第四の剛性部材からなる第三連結部及び第四連結部とから構成されているとともに、前記第四伝達機構の径は前記第三伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第三動力伝達部材の長さは前記第四動力伝達部材の長さよりも短く、前記第四動力伝達部材を構成する前記第三の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第三動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであり、さらに、前記第一伝達機構と前記第二伝達機構と前記第四伝達機構との回転角度比は1:2:1であること好ましい。
本発明によれば、前記第二連結手段が、前記第四伝達機構からの動力または該第四伝達機構への動力を授受する、第三の剛性部材からなる第四動力伝達部材と、前記第三伝達機構からの動力または該第三伝達機構への動力を授受する第三動力伝達部材と、これら第三動力伝達部材と前記第四動力伝達部材とを繋ぐ、第四の剛性部材からなる第二連結部とから構成されているとともに、前記第四伝達機構の径は前記第三伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第三動力伝達部材の長さは前記第四動力伝達部材の長さよりも短く、前記第四動力伝達部材を構成する前記第三の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第三動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであることとしているので、第一アームと同様に、従来のロボットアームの大きさを維持しながら、上記第二連結手段の剛性を高めることができ、その伸びやヒステリシス等の影響を極力抑えることができる。そのため、ロボットアームの回動時、第二アームの先端に設けられたハンドが向きを一定にしながら高精度で直線上に移動することができる。
また、前記第一伝達機構と前記第二伝達機構と前記第四伝達機構との回転角度比は1:2:1であるので、第一アームを回動させることにより、第一アームと第二アームとの角度が変化して、第一アームの第一伝達機構の中心と第二アームの第四伝達機構の中心とを結んだ直線上をハンドが向きを一定にしながら移動することができる。このため、ロボットアームの位置制御を高精度で確保することができる。
本発明は、少なくとも前記第一連結部及び前記第三連結部には、前記動力伝達部材の張力が調整可能となっていることが好ましい。
これにより、これら第一、第三連結部には、所定の張力を調整しながら設定することができる。
さらに、本発明は、前記第一連結部及び前記第二連結部は、前記第一動力伝達部材の厚み方向の中心線位置と前記第二動力伝達部材の厚み方向の中心線位置とはほぼ同じ位置となるように連結してなることが好ましい。同様に、前記第三連結部及び前記第四連結部は、前記第三動力伝達部材の厚み方向の中心線位置と前記第四動力伝達部材の厚み方向の中心線位置とはほぼ同じ位置となるように連結してなることが好ましい。
本発明によれば、材質や厚み等の異なる第一動力伝達部材と第二動力伝達部材を第一、第二連結部で連結する際、または第三動力伝達部材と第四動力伝達部材を第三、第四連結部で連結する際、厚み方向の中心線位置がほぼ同じとなっているので、これら動力伝達部材にかかる張力が働く方向がほぼ同じ位置となるので、スムーズなベルト搬送動作を行うことができる。
本発明は、ロボット本体に第一伝達機構を介して回動可能に取り付けられた第一アームと、該第一アームの先端部に第二伝達機構を介して回動可能に取り付けられた作業手段とから構成されると共に、前記第一伝達機構及び前記第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段を備えるロボットアームにおいて、ロボットアームを構成する前記第一伝達機構及び前記第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段が、前記第一伝達機構からの動力または該第一伝達機構への動力を授受する、第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材と、前記第二伝達機構からの動力または該第二伝達機構への動力を授受する第二動力伝達部材と、これら第一動力伝達部材と前記第二動力伝達部材とを繋ぐ、第二の剛性部材からなる第一連結部及び第二連結部とから構成されているとともに、前記第一伝達機構の径は前記第二伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第二動力伝達部材の長さは前記第一動力伝達部材の長さよりも短く、前記第一動力伝達部材を構成する前記第一の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第二動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであることとしているので、従来のロボットアームの大きさを維持しながら、上記第一連結手段の剛性を高めることができ、その伸びやヒステリシス等の影響を極力抑えることができる。このため、ロボットアームの位置制御を高精度で確保することができる。


以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
(ロボットアームの構成)
図1は、ロボットアームの主要部を示す縦断面側面図である。図2は、ロボットアームの主要部を示す平面図である。
図1及び図2に示すロボットアーム1は、ロボット本体の基台200に第一伝達機構2を介して回動可能に取り付けられた第一アーム50と、第一アーム50の先端部に第二伝達機構4を介して回動可能に取り付けられた作業手段500とを主として構成している。
上記作業手段500は、第二伝達機構4に固定されて第一アーム50に対して回動可能な第二アーム100と、第二伝達機構4と同心で第一アーム50に固定された第三伝達機構52と、第二アーム100の先端部に第四伝達機構54を介して回動可能に取り付けられたハンド252(図7参照)とから構成されている。
さらに、ロボットアーム1には、第一伝達機構2及び第二伝達機構4を連結して動力を伝達する第一連結手段10と、同様に、第三伝達機構52と第四伝達機構54を連結して動力を伝達する第二連結手段60とが備えられている。
(第1アーム)
第一アーム50内の基台側には、第一伝達機構2がロボット本体の基台200に固定されており、本実施の形態では、第一伝達機構2は、その外周面が平面である第一の平プーリとなっている。
さらに、第一の平プーリ2の径R1は、第二伝達機構4の径R2に比べて大きくなっており、第一連結手段10が設置された状態において、R1:R2=2:1の関係となっている。
第一アーム50内の先端部、すなわち、第二アーム100側には、第二伝達機構4が第二アーム100にねじを用いて固定されている。
本実施の形態では、この第二伝達機構4は、その外周面に歯部を有する第二のタイミングプーリで構成されている。
また、第二のタイミングプーリ4の内部には連結筒3が収納され、連結筒3の内部には配線が収容されている。この連結筒3の一端部は第一アーム50に固定されており、その他端部は第二アーム100内に収納されている。これにより、第一アーム50と第二アーム100とが連動するようになっている。
さらに、本実施の形態では、第二のタイミングプーリ4の近傍には、回転駆動源となるモータ150と、モータ150に取り付けられた減速機151と、減速機151に取り付けられた駆動プーリ152と、この駆動プーリ152と第二のタイミングプーリ4とに掛け渡される駆動ベルト154とを備えている。
第一連結手段10は、第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材11と、第二動力伝達部材12と、これら第一動力伝達部材11と第二動力伝達部材12とを繋ぐ第二の剛性部材からなる第一連結部20、第二連結部25とで構成されている。
第一動力伝達部材11は、第一の剛性部材で形成されており、本実施の形態ではスチールベルトで形成されている。なお、第一の剛性部材は、延性、靭性に優れた部材であればよく、スチールベルト以外のベルトであってもよい。
第一のスチールベルト11は、第一の平プーリ2の平面に巻き掛けられており、その全長の中間位置が第一の平プーリ2に複数のネジ16で固定されている。
そして、第一のスチールベルト11の一端側は、第一連結部20に固定され、その他端側は第二連結部25に固定されている。
第二動力伝達部材12は歯面を有するタイミングベルトで構成されており、第二のタイミングベルト12は、その歯面が第二のタイミングプーリ4の歯部に噛み合うように配置されており、その全長は、ロボットアーム1の搬送距離より計算される必要最小長さに設定されている。
また、本実施の形態では、第一のスチールベルト11と、第二のタイミングベルト12及び第一連結部20、第二連結部25の軸方向における幅は、ほぼ同じ幅となっている。
図3は、第一アームにおいて第一伝達機構と第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段を示す平面図である。また、図5は第一連結部(第三連結部)を示す側面図である。図6は第二連結部(第四連結部)を示す側面図である。
第一連結部20は、第一のスチールベルト11の一端部及び第二のタイミングベルト12の一端部を挟みこんでその間隔を調整可能になっている調整側連結部となっている。
また、第二連結部25は、第一のスチールベルト11の他端部及び第二のタイミングベルト12の他端部を挟み込み固定する固定側連結部となっている。
第一連結部20は、図5に示すように、第一のスチールベルト11及び第二のタイミングベルト12の一端部を固定するプレート30、31、32と、第一のスチールベルト11、第二のタイミングベルト12との張力の調整を行う調整用ネジ145とを主な構成とし、プレート30、31、32は、第二の剛性部材からなっている。
具体的には、プレート32は、本実施の形態ではアルミ製であり、その強度を保つために、第一のスチールベルト11や第二のタイミングベルト12よりも厚いものとなっている。このアルミ製プレート32上には、その一端側に溝部32aが形成されており、その溝部32aに第二のタイミングベルト12の一端部の歯面が噛み合うように配置されている。
さらに、第二のタイミングベルト12は、アルミ製プレート32とステンレス製プレート31とに挟みこまれて、複数のネジを用いて固定されている。
アルミ製プレート32の他端側は、ステンレス製プレート30が複数のネジを用いて固定されている。このステンレス製プレート30には、複数のネジが貫通する、長手方向に沿った長孔30bが形成されている。これにより、ステンレス製プレート30とアルミ製プレート32との重ね代を調整できるようになっている。
なお、図5には、複数のネジが幅方向に1列で形成されているが、ネジと長孔30bとの関係を明確にするためであり、複数のネジは幅方向に1列に限定されるものではない。
また、ステンレス製プレート30の他端は、第一のスチールベルト11の一端部をシム40が介在させてネジ固定されている。このシム40は、第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12との厚み方向の高さを調整するものであり、第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12との中心線Cからの距離をほぼ同じとなるようにしている。なお、シム40の枚数には限定されるものではない。
さらに、ステンレス製プレート30、31には、互いに対向する側に立ち上げ部30a、31aが形成され、この立ち上げ部30a、31aに調整用ネジ145が螺合されている。この調整用ネジ145は、ステンレス製プレート30、31との間隔を調整可能にし、ステンレス製プレート30に形成された長孔30bに沿って、第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12との張力の加減を調整することができるようになっている。
第二連結部25は、図6に示すように、第一のスチールベルト11及び第二のタイミングベルト12の他端部を挟み込み固定するプレート33、34とを主な構成とし、プレート33、34は第二の剛性部材からなっている。なお、第二の剛性部材は、延性、靭性に優れた部材であればよい。
本実施の形態では、プレート33はステンレス製であり、このステンレス製プレート33の両端にそれぞれ、第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12とが複数のネジを用いて固定されている。第一のスチールベルト11は、ステンレス製プレート33との間にシム40を介在させてネジ固定されている。このシム40は厚み方向の高さを調整するものであり、1枚または複数枚のシム40を用いて第二のタイミングベルト12との中心線Cからの距離とほぼ同じとなるように調整している。
第二のタイミングベルト12は、アルミ製プレート34とステンレス製プレート33とに挟みこまれて、複数のネジを用いて固定されている。図6に示すように、第二のタイミングベルト12の平坦側は、ステンレス製プレート33上に配置され、第二のタイミングベルト12の歯面側には、溝部が形成されたアルミ製プレート34が配置されている。そして、アルミ製プレート34の溝部に、第二のタイミングベルト12の歯面が噛み合いながら複数のネジを用いて固定されている。
図3に戻り、第一アーム50は、モータ150を駆動することにより、固定の第一の平プーリ2に対して時計方向(CW方向)または反時計方向(CCW方向)に回動することになるが、第一連結手段10が時計方向(CW方向)に回動した場合と、反時計方向(CCW方向)に回動した場合との位置が点線で示されている。
第一連結手段10が反時計方向(CCW方向)に回動した場合は、第一のスチールベルト11は符号16Aまで回動し、第一連結部20は符号20Aまで移動し、第二連結部25は符号25Aまで移動する。
また、第一連結手段10が時計方向(CW方向)に回動した場合は、第一のスチールベルト11が符号16Bまで回動し、第一連結部20は符号20Bまで移動し、第二連結部25は符号25Bまで移動する。
第一の平プーリ2と第二のタイミングプーリ4とは、上述したとおり、これらの径(歯数)の比がR1:R2=2:1であるため、第一の平プーリ2に形成された固定部16が符号16Aまで到達するまでに第一の平プーリ2が約1/4回転する。この間に、第二のタイミングプーリ4は約1/2回転する。従って、第二のタイミングベルト12の長さは、第二のタイミングプーリ4に噛み合う長さ(約1/2回転)に、時計方向(CW方向)、反時計方向(CCW方向)に移動する長さを加算した約3/2回転の長さとなっている。すなわち、その全長は、ロボットアーム1の搬送距離より計算される必要最小長さに設定されている。
第一アーム50内には、図2に示すように、所定の間隔で複数のリブ219が形成されており、断面変形を抑えることができ、第一アーム50の図示上下方向の剛性を高めることができるようになっている。
また、これらリブ219が形成されたことにより、第一アーム50の肉厚を薄くして軽量化が図られている。
各リブ219には長手方向に3つの孔220、220、221が形成されており、真中の孔221は第一アーム50内を、電線等を配置する配線用透孔となっている。さらに、この配線用透孔の両側には第一のスチールベルト11、第二のタイミングベルト12及び第一、第二連結部20、25が貫通する透孔220、220が形成されている。
第一連結手段10は、その第一、第二連結部20、25の一方が切り離された状態で、透孔220、220を貫通させて、貫通後に切り離された連結部を連結するようになっている。
また、第一の平プーリ2には、軸方向に貫通する複数の孔2aが円周方向に均等に形成されており、重量を減らすことにより第一アーム50の軽量化を図るようにしている。
(作業手段)
第一アーム50の先端部に設けられた作業手段500は、第二のタイミングプーリ4に固定されて第一アーム50に対して回動可能な第二アーム100と、第二のタイミングプーリ4と同心で第一アーム50に固定された第三伝達機構52と、第二アーム100の先端部に第四伝達機構54を介して回動可能に取り付けられたハンド252(図7参照)と、第三伝達機構52と第四伝達機構54を連結して動力を伝達する第二連結手段60とから構成されている。
第二アーム100内の基台側(第一アーム50側)には、第二のタイミングプーリ4と同心で、第一アーム50から伸びた連結筒3が収納されており、この連結筒3の他端部には、第三伝達機構52が固定されている。
この第三伝達機構52は、本実施の形態では、その外周面に歯部を有するタイミングプーリで構成されている。
第二アーム100の先端部には、第四伝達機構54が第二アーム100に対して軸受を介して回動可能に支持されて設けられている。
この第四伝達機構54の先端部には、ワークを搬送するハンド525(図7参照)が第四伝達機構54と一体的に回動可能に取り付けられている。
第四伝達機構54は、本実施の形態では、その外周面が平面である平プーリとなっている。
さらに、第四の平プーリ54の径R4は、第三のタイミングプーリ52の径R3に比べて大きくなっており、第二連結手段60が設置された状態において、R3:R4=1:2の関係になっている。
第二連結手段60は、第三の剛性部材からなる第四動力伝達部材62と、第三動力伝達部材61と、これら第三動力伝達部材61と第四動力伝達部材62とを繋ぐ、第四の剛性部材からなる第三連結部70、第四連結部75とで構成されている。
第三動力伝達部材61は歯面を有するタイミングベルトで構成されており、第三のタイミングベルト61は、その歯面が第三のタイミングプーリ52の歯部に噛み合うように配置されており、その全長は、ロボットアーム1の搬送距離より計算される必要最小長さに設定されている。
第四動力伝達部材62は、延性、靭性に優れた剛性部材で形成されており、本実施の形態ではスチールベルトで形成されている。第四のスチールベルト62は、第四の平プーリ54の平面に巻き掛けられており、その全長の中間位置が第四の平プーリ54の外周面上に複数のネジ66で固定されている。
そして、第四のスチールベルト62の一端側は、第三連結部70に固定され、その他端側は第四連結部75に固定されている。
図4は、作業手段を構成する第二アームにおいて第三伝達機構と第四伝達機構を連結して動力を伝達する第二連結手段を示す平面図である。
また、図5は第一連結部(第三連結部)を示す側面図である。図6は第二連結部(第四連結部)を示す側面図である。
なお、第三連結部70、第四連結部75は、上述した第一アーム50の第一連結部20、第二連結部25とほぼ同じ構成となっているので、図5、6内にカッコ内の符号として記入している。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
また、図4に示すように、第二アーム100においては、第三連結部70、第四連結部75の長さ、すなわち、そのプレートからなる連結部の長さは、第一アーム50の連結部の長さよりも長くしている。すなわち、第二アーム100の回動時に、第三のタイミングプーリ52、第四の平プーリ54と接触しない長さとし、第三のタイミングベルト61の長さを短くし、第二連結手段60の強度を高いものとなっている。
図4に戻り、第二アーム100は、第一アーム50の回動を受けて、連結筒3及び固定の第三のタイミングプーリ52に対して時計方向(CW方向)または反時計方向(CCW方向)に回動することになるが、第二連結手段60が時計方向(CW方向)に回動した場合と、反時計方向(CCW方向)に回動した場合との位置が点線で示されている。
第二連結手段60が時計方向(CW方向)に回動した場合は、第四のスチールベルト62は符号66Aまで回動し、第三連結部70は符号70Aまで移動し、第四連結部75は符号75Aまで移動する。
第二連結手段60が反時計方向(CCW方向)に回動した場合は、第四のスチールベルト62は符号66Bまで回動し、第三連結部70は符号70Bまで移動し、同時に、第四連結部75は符号75Bまで移動する。
第三のタイミングプーリ52と第四の平プーリ54とは、上述したとおり、これらの径(歯数)の比がR3:R4=1:2であるため、第四の平プーリ54に形成された固定部66が約1/4回転すると、第三のタイミングプーリ52は約1/2回転する。従って、第三のタイミングベルト61の長さは、第三のタイミングプーリ52に噛み合う長さ(約1/2回転)に、時計方向(CW方向)、反時計方向(CCW方向)に移動する長さを加算した約3/2回転の長さとなっている。すなわち、その全長は、ロボットアーム1の搬送距離より計算される必要最小長さに設定されている。
第二アーム100内には、図2に示すように、所定の間隔で複数のリブ210が形成されており、断面変形を抑えることができ、第二アーム100の図示上下方向の剛性を高めることができるようになっている。また、これらリブ210が形成されたことにより、第二アーム100の肉厚を薄くして軽量化が図られている。
各リブ210には長手方向に3つの孔211、211、212が形成されており、真中の孔212はアーム内を、電線等を配置する配線用透孔となっている。さらに、この配線用透孔の両側には第三のタイミングベルト61、及び第四のスチールベルト62及び第三、第四連結部70、75が貫通する透孔211、211が形成されている。
第二連結手段60は、その第三、第四連結部70、75の一方が切り離された状態で、上記透孔211、211を貫通させて、貫通後に切り離された連結部を連結するようになっている。
また、図2に示すように、第四の平プーリ54には、軸方向に貫通する複数の孔54aが円周方向に均等に形成されており、重量を減らすことにより第二アーム100の軽量化を図るようにしている。
(ロボットアームの動作)
上述したロボットアーム1の動作を以下に説明する。
ロボットアーム1は、第一アーム50内の第二のタイミングプーリ4の近傍に配置されたモータ150により駆動される。モータ150の回転は、減速機151を介して駆動プーリ152に伝達される。
駆動プーリ152の回動は、駆動ベルト154を介して第二のタイミングプーリ4に伝達される。第二のタイミングプーリ4の回動は第一連結部20、及び第二連結部25を介して第一の平プーリ2に伝達される。
また、第二のタイミングプーリ4の回動により、第一アーム50に対して第二アーム100が回動すると共に第二アーム100に対して第三のタイミングプーリ52が回動する。
第二アーム100に対して第三のタイミングプーリ52が回動することにより、第二アーム100に対して第四の平プーリ54が回動してハンド252が回動する。
ここで、第一の平プーリ2及び第二のタイミングプーリ4の回転中心の間隔と第三のタイミングプーリ52及び第四の平プーリ54の回転中心の間隔とは同じ長さである。
さらに、第一の平プーリ2と第二のタイミングプーリ4とは、第一のスチールベルト11、第二のタイミングベルト12が巻きかけられた状態において、径(歯数)の比が2:1となるように設けられている。
同様に、第三のタイミングプーリ52と第四の平プーリ54とは、第三のタイミングベルト61、第四のスチールベルト62が巻きかけられた状態において、径(歯数)の比が1:2となるように設けられている。このため、第一の平プーリ2、第二のタイミングプーリ4、及び第四の平プーリ54の回転角比は1:2:1となる。
上記のことより、第一アーム50の第一の平プーリ2と第二のタイミングプーリ4(即ち、第二アーム100の第三のタイミングプーリ52)と第二アーム100の第四の平プーリ54との回転角度比は1:2:1であるので、第一アーム50を回転させることにより、第一アーム50と第二アーム100との角度が変化して、第一アーム50の第一の平プーリ2の中心と第二アーム100の第四の平プーリ54の中心とを結んだ直線上をハンド252が向きを一定にしながら移動する。
図7は、本発明を適用したロボットアームが用いられたダブルアーム型多関節ロボットを示す平面図である。
このダブルアーム型多関節ロボットにおいては、上述したロボットアーム1が、例えば図7に示すように2組並べてロボット本体の基台200上に配置されている。このダブルアーム型多関節ロボットによれば、一方のロボットアームは、ワークをとりに行く動作であるロードの状態であり、他方のロボットアームは別のワークを引き出し動作であるアンロードの状態であり、これら2つの動作を同時に行うことができるようになっている。
また、2つのロボットアームは、上述したとおり、第一アーム50の第一伝達機構と第二伝達機構と第二アーム100の第四伝達機構との回転角度比は1:2:1であるので、第一アーム50を回転させることにより、第一アーム50と第二アーム100との角度が変化して、第一アーム50の第一伝達機構の中心と第二アーム100の第四伝達機構の中心とを結んだ直線上をハンド252が向きを一定にしながら移動するようになっている。
さらに、図7において、ダブルアーム型多関節ロボットは、ロボットアームを昇降可能となっているとともに、多関節ロボットを走行可能に設けられている。
(他の実施の形態)
なお、上述の本実施の形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば本実施の形態では第二動力伝達部材12、及び第三動力伝達部材61にタイミングベルトを使用しているが、これには限られず、チェーン等を用いてもよい。
また、上述した本実施の形態では各アーム50、100にリブ219、210が設けられているが、リブの形状に限定されるものではなく、また、荷重が余り大きくない場合などは設けなくても良い。
また、本実施の形態では、第一から第四連結部20、25、70、75を設けて、第一連結手段10、第二連結手段60の張力を調整しているが、各連結部を用いずに、スチールベルト11、62側にアイドラプーリを設けて張力を調整してもよい。アイドラプーリを設けた場合、第一の平プーリ2、及び第四の平プーリ54に接触しているスチールベルト11、62の角度を大きくして第一の平プーリ2、及び第四の平プーリ54の回転角度が大きくなり、アームの搬送距離が大きくなる。
さらに、上述した本実施の形態ではモータ150を第一アーム50の第二のタイミングプーリ4の近傍に設けているが、これには限られずモータ150をロボット本体に内蔵させるようにしても良い。この場合は、モータ150により第一アーム50を駆動させて、第一の平プーリ2から第二のタイミングプーリ4、第三のタイミングプーリ52、第四の平プーリ54と動力を伝達させる。あるいは、モータ150を第二アーム100に設けて、第四の平プーリ54を駆動させても良い。
この場合は、第四の平プーリ54から、第三のタイミングプーリ52、第二のタイミングプーリ4、第一の平プーリ2と動力を伝達させる。
また、本実施の形態では、第二連結部25、及び第四連結部75は調整機能を持たせていない固定側連結部であったが、第一連結部20、及び第三連結部70と同様に張力の調整機能を持たせた調整側連結部としても良い。
(本形態の効果)
本実施の形態によれば、ロボットアーム1を構成する第一の平プーリ2及び第二のタイミングプーリ4を連結して動力を伝達する第一連結手段10が、第一の平プーリ2からの動力または第一の平プーリ2への動力を授受する、第一の剛性部材からなる第一のスチールベルト11と、第二のタイミングプーリ4からの動力または第二のタイミングプーリ4への動力を授受する第二のタイミングベルト12と、これら第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12とを繋ぐ、第二の剛性部材からなる第一連結部20及び第二連結部25とから構成されているとともに、第一の平プーリ2の径は第二のタイミングプーリ4の径よりも大きく、かつ、第二のタイミングベルト12の長さは第一のスチールベルト11の長さよりも短くしているので、従来のロボットアーム103の大きさを維持しながら、第一連結手段10の剛性を高めることができ、その伸びやヒステリシス等の影響を極力抑えることができる。このため、ロボットアーム1の位置制御を高精度で確保することができる。
また、本実施の形態によれば、第二連結手段60が、第四の平プーリ54からの動力または第四の平プーリ54への動力を授受する第三の剛性部材からなる第四のスチールベルト62と、第三のタイミングプーリ52からの動力または第三のタイミングプーリ52への動力を授受する第三のタイミングベルト61と、これら第三のタイミングベルト61と第四のスチールベルト62とを繋ぐ第四の剛性部材からなる第二連結部70及び第四連結部75とから構成されているとともに、第四の平プーリ54の径は第三のタイミングプーリ52の径よりも大きく、かつ、第四のタイミングベルト61の長さは第三のスチールベルト62の長さよりも短くしているので、第一アーム50と同様に、従来のロボットアーム103の大きさを維持しながら、第一連結手段60の剛性を高めることができ、その伸びやヒステリシス等の影響を極力抑えることができる。そのため、ロボットアーム1の回動時、第二アーム100の先端に設けられたハンド252が直線上を向きを一定にしながら高精度で位置制御することができる。
また、第一の平プーリ2と第二のタイミングプーリ4と第四の平プーリ54との回転角度比は1:2:1であるので、第一アーム50を回動させることにより、第一アーム50と第二アーム100との角度が変化して、第一アーム50の第一の平プーリ2の中心と第二アーム100の第四の平プーリ54の中心とを結んだ直線上をハンド252が向きを一定にしながら移動することができる。これにより、ハンド252に載置され搬送されるワークを位置精度を高くすることができるとともに、安定した搬送を行うことができる。
さらに、第一連結手段10及び第二連結手段60の剛性が高めることができるので、ハンド252は精度良く直線上を移動することができる。
また、本実施の形態は、少なくとも第一連結部20及び第三連結部75には、各動力伝達部材の張力を調整する調整部をそれぞれ備えていることが好ましい。これにより、これら第一、第三連結部20、75は、所定の張力を調整しながら設定することができる。
本実施の形態によれば、曲げ応力の小さい大径の第一の平プーリ2には、これとほぼ同じ幅で第一のスチールベルト11を掛け渡すことができ、第一アーム50の第一連結手段10の剛性を高めることができる。また、小径の第二のタイミングプーリ4側に掛け渡された第三のタイミングベルト12の長さを従来のベルトよりも短くすることができるので、小径の第二のタイミングプーリ4との噛合いによって生じる発塵を抑制することができる。
さらに、本実施の形態は、第一連結部20及び第二連結部25は、第一のスチールベルト11の厚み方向の中心線C位置と第二のタイミングベルト12の厚み方向の中心線C位置とはほぼ同じ位置となるように連結してなることが好ましい。同様に、第三連結部70及び第四連結部75は、第三のタイミングベルト61の厚み方向の中心線C位置と第四のスチールベルト62の厚み方向の中心線C位置とはほぼ同じ位置となるように連結している。
この構成により、材質や厚み等の異なる第一のスチールベルト11と第二のタイミングベルト12を第一連結部20及び第二連結部25で連結する際、または第三のタイミングベルト61と第四のスチールベルト62を第三連結部70及び第四連結部75で連結する際、厚み方向の中心線C位置がほぼ同じとなっているので、これら動力伝達部材(スチールベルト11、62、タイミングベルト12、61)にかかる張力が働く方向がほぼ同じ位置となるので、張力の方向と動力伝達部材が移動する方向とがほぼ同じ方向となり、スムーズなベルト搬送動作を行うことができる。
本実施の形態によれば、曲げ応力の小さい大径の第一の平プーリ2側に、第一アーム50の回動範囲とほぼ同一の長さとなるように第一のスチールベルト11を掛け渡すことにより、動力伝達系の剛性が高められる。また、第一のスチールベルト11が第一の平プーリ2の外周面上に固定されることにより、第一のスチールベルト11の回動においてずれが生じることがなく、動力伝達部材(スチールベルト11、62、タイミングベルト12、61)には均等に力がかかるため、効率良く動力伝達を行うことができ、さらに、耐久性を高めることができる。
また、本実施の形態では、第一のスチールベルト11及び第二のタイミングベルト12の幅と第一の平プーリ2及び第二のタイミングプーリ4の幅をほぼ同じ幅にすることができ、同様に、第三のタイミングベルト61及び第四のスチールベルト62の幅と第三のタイミングプーリ52及び第四の平プーリ54の幅をほぼ同じ幅にすることができる。このため、各伝達機構を支持する部材にかかるモーメント過重を一定にすることができる。
また、本実施の形態によれば、第二のタイミングベルト12及び第三のタイミングベルト61の長さをロボットアーム1の搬送距離より計算される必要最小長さに設定することができるので、ロボットアーム1の回転時における第二のタイミングベルト12が第二のタイミングプーリ4に噛み合いながら移動する際や、第三のタイミングベルト61が第三のタイミングプーリ52に噛み合いながら移動する際に生じる発塵を抑制することができる。
使用する第二のタイミングベルト12及び第三のタイミングベルト61がゴムを主体とする複合材料からなるので、真空環境下で有害なガスを発生するという問題も生じていたが、本実施の形態では第二及び第三のタイミングベルト12、61の長さを必要最小の長さにしたので、従来に比べて有害なガスの発生を抑制することができる。
本実施の形態では、少なくとも第一連結部20及び第三連結部70には、各動力伝達部材(スチールベルト11、62、タイミングベルト12、61)の張力を調整可能に設けることにより、使用時において各動力伝達部材(スチールベルト11、62、タイミングベルト12、61)が各伝達機構(平プーリ2、54、タイミングプーリ4、52)から外れことがないように容易に張力を調整することができる。
ロボットアームの主要部を示す縦断面側面図である。 ロボットアームの主要部を示す全体図である。 第一連結手段を示す平面図である。 第二連結手段を示す平面図である。 第一連結部(第三連結部)を示す側面図である。 第二連結部(第四連結部)を示す側面図である。 本発明を適用したロボットアームが用いられたダブルアーム型多関節ロボットを示す平面図である。 従来のロボットアームを示す縦断面側面図である。
符号の説明
1 ロボットアーム
2 第一伝達機構
4 第二伝達機構
10 第一連結手段
11 第一動力伝達部材
12 第二動力伝達部材
20 第一連結部
25 第二連結部
50 第一アーム
60 第二連結手段
61 第三動力伝達部材
62 第四動力伝達部材
70 第三連結部
75 第四連結部
100 第二アーム
250 基台
500 作業手段

Claims (6)

  1. ロボット本体に第一伝達機構を介して回動可能に取り付けられた第一アームと、該第一アームの先端部に第二伝達機構を介して回動可能に取り付けられた作業手段とから構成されると共に、前記第一伝達機構及び前記第二伝達機構を連結して動力を伝達する第一連結手段を備えるロボットアームにおいて、
    前記第一連結手段が、前記第一伝達機構からの動力または該第一伝達機構への動力を授受する、第一の剛性部材からなる第一動力伝達部材と、前記第二伝達機構からの動力または該第二伝達機構への動力を授受する第二動力伝達部材と、これら第一動力伝達部材と前記第二動力伝達部材とを繋ぐ、第二の剛性部材からなる第一連結部及び第二連結部とから構成されているとともに、
    前記第一伝達機構の径は前記第二伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第二動力伝達部材の長さは前記第一動力伝達部材の長さよりも短く、
    前記第一動力伝達部材を構成する前記第一の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第二動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであることを特徴とするロボットアーム
  2. 少なくとも前記第一連結部は、前記第二動力伝達部材の張力が調整可能となっていることを特徴とする請求項記載のロボットアーム
  3. 前記作業手段が、前記第二伝達機構に固定されて前記第一アームに対して回動可能な第二アームと、前記第二伝達機構と同心で前記第一アームに固定された第三伝達機構と、前記第二アームの先端部に第四伝達機構を介して回動可能に取り付けられたハンドとから構成されるとともに、前記第三伝達機構と前記第四伝達機構を連結して動力を伝達する第二連結手段を備えるロボットアームであって、前記第二連結手段が、前記第四伝達機構からの動力または該第四伝達機構への動力を授受する、第三の剛性部材からなる第四動力伝達部材と、前記第三伝達機構からの動力または該第三伝達機構への動力を授受する第三動力伝達部材と、これら第三動力伝達部材と前記第四動力伝達部材とを繋ぐ、第四の剛性部材からなる第三連結部及び第四連結部とから構成されているとともに、前記第四伝達機構の径は前記第三伝達機構の径よりも大きく、かつ、前記第三動力伝達部材の長さは前記第四動力伝達部材の長さよりも短く、
    前記第四動力伝達部材を構成する前記第三の剛性部材は、スチールベルトであり、前記第三動力伝達部材は、ゴムを主体とする複合材料からなるタイミングベルトであり、さらに、前記第一伝達機構と前記第二伝達機構と前記第四伝達機構との回転角度比は1:2:1であることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム
  4. 少なくとも前記第一連結部及び前記第三連結部には、前記第二動力伝達部材及び前記第三動力伝達部材の張力が調整可能となっていることを特徴とする請求項記載のロボットアーム
  5. 前記第一連結部及び前記第二連結部は、前記第一動力伝達部材の厚み方向の中心線位置と前記第二動力伝達部材の厚み方向の中心線位置とはほぼ同じ位置となるように連結してなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロボットアーム
  6. 前記第三連結部及び前記第四連結部は、前記第三動力伝達部材の厚み方向の中心線位置と前記第四動力伝達部材の厚み方向の中心線位置とはほぼ同じ位置となるように連結してなることを特徴とする請求項3もしくは4に記載のロボットアーム
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