JP4600812B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

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Description

この発明は、地盤改良工法、詳しくはセメントまたはセメント系固化材が添加混合された改良土からの六価クロムの溶出量を低減する地盤改良工法に関する。
土壌汚染問題が取り沙汰される中、土壌にセメントまたはセメント系固化材を添加混合して改良された改良土は、土壌などの条件によって、セメント成分中の六価クロムが溶出するおそれがある。これは、セメントの主原料であるセメントクリンカの組成に起因している。
すなわち、セメントクリンカは、石灰石、粘土、珪石、鉄原料などのセメント原料をロータリーキルンに投入し、その後、炉内を1400℃前後まで高めることで焼成される。この焼成時に、セメント原料中のクロムから、人体に有害な六価クロムが生成される場合がある。六価クロムを含むセメントにより土壌の改良を行うと、改良土から土壌環境基準を超えて六価クロムが溶出することがある。
そこで、2000年3月に旧建設省、旧運輸省、農林水産省などより、「セメントおよびセメント系固化材の地盤改良への使用および改良土の再利用に関する当面の措置について」の通達が出された。以降は、セメントメーカーから販売されている特殊土用(六価クロム対策用)セメント系固化材を使用することにより、改良土からの六価クロムの溶出量は低減されている。しかしながら、問題の解決が十分になされたわけではない。
これを解消するものとして、例えば特許文献1および特許文献2が知られている。
特許文献1は、六価クロム、砒素、セレン、カドミウム、総水銀および鉛の少なくとも1種の重金属によって汚染された土壌(重金属汚染土壌)を不溶化し、重金属の溶出を抑制したものである。具体的には、高炉スラグ微粉末、石膏およびカルシウムを含むアルカリ材料からなる重金属溶出抑制剤の提供である。しかも、重金属溶出抑制剤を使用した改良土からの重金属の溶出を抑制する方法の提供である。
さらに、特許文献2は、水硬性材料、高炉スラグおよび石膏を含む地盤改良材において、高炉スラグの作用により六価クロムの溶出を低減させるものである。具体的には、水硬性材料100重量部に対して、高炉スラグ5重量部以上、および石膏を無水石膏換算で2重量部以上含む地盤改良材により、改良土からの六価クロムの溶出を抑制する地盤改良材の提供である。
特開2002−320954号公報 特開2001−348571号公報
特許文献1においては、汚染土壌を対象とし、セメントおよびセメント系固化材による改良土を対象としていない。そのため、溶出抑制剤として、高炉スラグ微粉末、石膏およびカルシウムの何れか1つでも欠けると効果が得られない。また、溶出抑制だけを目標としており、改良土の強度については考慮していない。
また、特許文献2においては、高炉スラグの作用により溶出量を抑制しているものの、高炉スラグを多量に添加しなければ、効果が発揮できない。すなわち、特許文献2の明細書には、高炉スラグを5重量部以上含むことで溶出を抑制することができると記載されている。しかしながら、実施例に開示された最も少ない高炉スラグの添加量は、セメント100重量部に対して高炉スラグ42.9重量部であり、それ以下の添加量の場合の効果は不明である。ただし、高炉スラグの添加量が減少するに従い、溶出の抑制効果が低下することは容易に予想できる。
そこで、この発明は、改良土からの六価クロムの溶出量の低減と、改良土の高強度化とを同時に満足させることができる地盤改良工法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、地中で、セメントを含む水硬性材料を複数回に分けて土壌に添加混合する地盤改良工法において、前記複数回の水硬性材料の土壌への添加混合のうち、2回目の添加混合は、1回目の添加混合により水硬性材料が添加混合された土壌部分が凝結の準備期に達した時点以降とし、前記複数回の水硬性材料の土壌への添加混合のうち、少なくとも1回の添加混合では、六価クロムの溶出低減剤を含む水硬性材料を土壌に添加混合する地盤改良工法である。
請求項1に記載の発明によれば、セメントを含む水硬性材料により土壌を改良する工法において、土壌に複数回に分けて水硬性材料を添加して混合する。その際、少なくとも1回の水硬性材料の添加混合時には、水硬性材料として、六価クロムの溶出低減剤を含む水硬性材料を使用する。その結果、改良土からの六価クロムの溶出が抑制され、改良土の強度も高まる。
この発明の要旨は、六価クロムの溶出低減剤を含む水硬性材料を少なくとも1回は使用し、水硬性材料を複数回に分けて土壌に添加混合することで、改良土からの六価クロムの溶出を抑制するとともに、高い強度を発現させる点である。改良土の強度が高まることで、一定の強度を得るために必要な水硬性材料の添加量を減らすことができる。また、例えば特許文献2の場合のように多量に必要とされる高炉スラグなどの溶出低減剤の添加量を低減させることができる。
さらに、セメントまたはセメント系固化材を用いた地盤の改良後、現場の改良土から溶出した六価クロムの量が土壌環境基準値(0.05mg/L)を超えたような場合でも、この発明を利用して六価クロムの溶出を改善することができる。すなわち、六価クロムの溶出低減剤を含む水硬性材料を少なくとも1回は使用し、水硬性材料を複数回に分けて改良土に添加混合する。これにより、改良土からの六価クロムの溶出が抑制され、高い強度を発現させることも可能である。すなわち、この発明において、水硬性材料が添加される土壌とは、予めセメントを含む水硬性材料を使用して地盤改良された改良土を含む。
土壌に複数回添加して攪拌混合されるのは、水硬性材料だけでもよいし、溶出低減剤を含む水硬性材料でもよい。ただし、少なくとも1回は溶出低減剤を含む水硬性材料でなければならない。例えば、土壌に対する添加混合が2回行われる場合、1回目に水硬性材料だけを添加混合して2回目に溶出低減剤を含む水硬性材料を添加混合する。または、1回目に溶出低減剤を含む水硬性材料を添加混合して2回目に水硬性材料だけを添加混合する。もちろん、2回とも溶出低減剤を含む水硬性材料を添加混合してもよい。
以下、説明の都合上、単に「水硬性材料」と記載した場合は、水硬性材料だけと溶出低減剤を含む水硬性材料との両方を総称するものとする。
土壌中に、水硬性材料を添加混合する回数は限定されない。2回でもよいし、3回以上でもよい。
溶出低減剤は、改良土からの六価クロムの溶出を抑制することができれば限定されない。例えば、高炉スラグ粉末、粉末硫黄、石炭微粉末、硫酸第一鉄などを採用することができる。その他、六価クロムを三価クロムに還元可能な鉄粉などを採用することができる。
この発明による六価クロムの溶出低減の作用機構は、セメントによるカルシウムシリケート水和物やカルシウムアルミネート水和物を生成し、固化強度を発現するとともに、六価クロムを固定して溶出を低減するものである。また、高炉スラグ粉末や粉末硫黄および硫酸第一鉄は還元成分をそれぞれ含んでおり、六価クロムを還元させる作用により、六価クロムの溶出をそれぞれ低減するものである。
最初の地盤改良(1回目の水硬性材料の土壌への添加混合)において、試料土中に水硬性材料を添加混合すると、直後からCS(3CaO・SiO), CA(3CaO・Al)、石膏などの加水分解によりエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)が生成されるとともに、CSの表面およびCAの表面からCa++がそれぞれ放出される。これにより、1回目の水硬性材料が添加された部分は、急激にアルカリ性に変化する。アルカリ度がpH10以上まで高まると、反応が一時停止し、凝結の準備期に入る(ここまでを誘導期という)。次に、加速度期に入り、水和反応は活発に進行する。このとき、pHは12を超える値にまで高まる。その後、水和反応は徐々に減衰していく。その際、最初に土壌に添加された水硬性材料(地盤改良材)が溶出低減剤を含む場合には、溶出低減剤の作用によって、六価クロムが水和物に固定されたり、還元作用効果が発揮され始める。
1回目の水硬性材料を添加混合した土壌部分が凝結の準備期に達した時点以降に、この水硬性材料が添加混合された部分に対して、2回目の水硬性材料を添加混合する。このとき、1回目の水硬性材料の添加混合による水和反応が刺激剤の役目を果たし、2回目の水硬性材料を添加混合した部分の水和反応が促進される。その結果、改良土の強度が高まる。
また、2回目に添加された水硬性材料が溶出低減剤を含む水硬性材料である場合には、前述したように溶出低減剤によって六価クロムが水和物に固定されたり、3価クロムなどに還元される。このとき、1回目の水硬性材料が、2回目と同じ溶出低減剤を含む水硬性材料であれば、前述した溶出低減剤による六価クロムの水和物への固定能力または還元能力はさらに高まる。土壌に対する水硬性材料の添加混合が3回以上行われるときには、2回目に比べて前記効果は若干劣るものの、3回目以降も同じような作用効果を得ることができる。
また、地盤改良中および地盤改良後も、水硬性材料に含まれるカルシウムと、土中のシリカおよびアルミニウム分とのポゾラン反応により、カルシウムシリケート、カルシウムアルミネートなどの水和物が長期的に生成し、地盤改良した部分の強度が増進される。
この発明の地盤改良工法は、セメントまたはセメント系固化材により地盤を改良し、材齢7日経過後の検査によって、改良土から溶出される六価クロムの量が土壌環境基準を超えた際にも適用することができる。すなわち、高濃度の六価クロムを含む改良土に対して、溶出低減剤を含む水硬性材料を少なくとも1回は使用し、水硬性材料を1回以上改良土に添加混合する。これにより、上述した反応により、改良土からの六価クロムの溶出が抑制され、高い強度を発現させることができる。このような事例が発生する原因としては、例えば試料土の性状と、現場の土壌の性状とが異なっている場合などが考えられる。
土壌(改良土を含む)に対する水硬性材料の総添加量は、土壌の性状により大きく異なる。ただし、その総添加量は、現場における必要強度を踏まえた予備試験(強度試験)を行うことで、容易に決定することができる。これにより、必要な強度発現を得ることができる。
また、水硬性材料の総添加量に対する各回における水硬性材料の添加量の割合は限定されない。その添加割合は、例えば土壌に添加される水硬性材料が、溶出低減剤を含むかそうでないかによって異なる。また、水硬性材料の添加回数が2回であるか、3回以上であるかによっても異なる。
請求項2に記載の発明は、前記溶出低減剤は、高炉スラグ粉末、粉末硫黄、石炭微粉末、硫酸第一鉄のうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載の地盤改良工法である。
溶出低減剤としては、例えば高炉スラグ粉末、粉末硫黄、石炭微粉末、硫酸第一鉄のうちの単味でもよいし、そのうちの2種類(高炉スラグ粉末と粉末硫黄、高炉スラグ粉末と石炭微粉末、高炉スラグ粉末と硫酸第一鉄粉末など)でもよい。また、3種類(高炉スラグ粉末と粉末硫黄と石炭微粉末、高炉スラグ粉末と粉末硫黄と硫酸第一鉄粉末など)でもよいし、4種類全てでもよい。
このうち、入手が容易でかつ安価という理由により、高炉スラグ粉末が最適である。
水硬性材料100重量部に対する高炉スラグ粉末の添加量は5〜50重量部が好ましい。また、水硬性材料に対する粉末硫黄の添加量は、2〜10重量部が好ましい。さらに、水硬性材料に対する石炭微粉末の添加量は、2〜20重量部が好ましい。さらにまた、水硬性材料に対する硫酸第一鉄の添加量は、1 〜10重量部が好ましい。
高炉スラグ粉末の比表面積は、2500〜10000cm/gである。2500cm/g未満では六価クロムの溶出低減効果が十分ではない。また、10000cm/gを超えると水硬性材料と混ざりにくい。高炉スラグ粉末の好ましい比表面積は、3500〜8000cm/gである。この範囲であれば改良土の強度が高くなるというさらに好適な効果が得られる。
粉末硫黄の平均粒度は、500メッシュ以下である。500メッシュを超えると、六価クロムの溶出低減効果が十分でない。
石炭微粉末の平均粒径は、1〜500μmである。1μm未満では水硬性材料と混ざりにくい。また、500μmを超えると六価クロムの溶出低減効果が十分ではない。石炭微粉末の好ましい比表面積は、10〜100μmである。この範囲であれば改良土の強度が高くなるというさらに好適な効果が得られる。
硫酸第一鉄の平均粒度は、1〜500μmである。1μm未満では酸化され易いため、六価クロムの溶出低減効果が十分でない。また、500μmを超えても、六価クロムの溶出低減効果は十分でない。硫酸第一鉄の好ましい平均粒度は、10〜100μmである。この範囲であれば改良土の強度が高くなるというさらに好適な効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、前記水硬性材料は、ポルトランドセメント、混合セメント、土質改良用固化材、特殊セメントのうち、少なくとも1つを含む請求項1または請求項2に記載の地盤改良工法である。
水硬性材料は、ポルトランドセメント、混合セメント、土質改良用固化材、特殊セメントのうちの単味でもよいし、これらの水硬性材料群のうちの2種類(ポルトランドセメントと混合セメント、ポルトランドセメントと土質改良用固化材など)でもよいし、3種類(ポルトランドセメントと混合セメントと土質改良用固化材、ポルトランドセメントと混合セメントと特殊セメントなど)でもよいし、4種類全てでもよい。
ポルトランドセメントとしては、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどを採用することができる。
混合セメントとしては、例えば高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどを採用することができる。
土質改良用固化材としては、例えば一般軟弱土用セメント系固化材、有機質土用セメント系固化材、セメント・石灰複合系固化材などを採用することができる。
特殊セメントとしては、例えばアルミナセメント、マグネシアセメント、石膏セメントなどを採用することができる。
これらのうち、安価な汎用品として流通しているという理由により、一般軟弱土用セメント系固化材などが最適である。
請求項4に記載の発明によれば、前記溶出低減剤を含む水硬性材料は、石膏、生石灰、消石灰のうち、少なくとも1つを含有している請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の地盤改良工法である。
溶出低減剤を含む水硬性材料に添加されるのは、石膏、生石灰、消石灰のうち、1種類でもよいし、2種類(石膏と生石灰、石膏と消石灰、生石灰と消石灰)でもよいし、3種類全てでもよい。
石膏は天然産品、副産品のいずれも使用することができ、無水石膏に半水石膏、二水石膏、粘土鉱物などの不純物が混入したものでも使用することができる。
請求項1の発明によれば、水硬性材料または溶出低減剤を含む水硬性材料を複数回に分けて土壌に添加混合するように構成したので、改良土からの六価クロムの溶出を抑制させて所定の強度を発現させることができる。
請求項2の発明によれば、溶出低減剤として、高炉スラグ粉末、粉末硫黄、石炭微粉末、硫酸第一鉄のうち、少なくとも1つを含むものを採用したので、改良土からの六価クロムの溶出を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、水硬性材料として、ポルトランドセメント、混合セメント、土質改良用固化材、特殊セメントのうち、少なくとも1つを含むものを採用したので、水硬性材料の使用量の低減を図ることができ、同一の使用量ではより高い改良土の強度を得ることができる。
請求項4の発明によれば、溶出低減剤を含む水硬性材料に、石膏、生石灰、消石灰の少なくとも1つを含有させたので、改良土の強度をさらに増加させることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
対象土としては、火山灰質粘性土(立川市で採取した湿潤密度1.34g/cm、含水比122.7%)を採用した。
使用材料には、普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製:記号N)、セメント系固化材ユースタビラー10(宇部三菱セメント株式会社製:記号US10)、高炉セメントB種(宇部三菱セメント株式会社製:記号BB)、高炉スラグ(宇部三菱セメント株式会社製、比表面積3900cm/g:記号SG)、粉末硫黄(細井化学株式会社製、200メッシュ:記号S)、石炭微粉末(褐炭を比表面積3000cm/gとなるように粉砕したもの:記号C)、硫酸第一鉄(堺化学工業株式会社製、平均粒度100μm:記号FS)、無水石膏(旭硝子株式会社製、比表面積4410cm/g:記号An)、生石灰(菱光石灰工業株式会社製、平均粒度1mm以下:記号CaO)を採用した。
〔試験例1〜22、比較例1〜4〕
セメント系固化材(水硬性材料だけまたは溶出低減剤を含む水硬性材料)は、水固化材比が60%のセメント系固化材液(セメントミルク)として、固化処理土(湿潤土)に添加した。セメント系固化材の添加量は、湿潤土1mに対して300kg/mとした。セメント系固化材液の添加回数と、各回のセメント系固化材の添加量と、セメント系固化材の配合量とを、それぞれ表1に示す。
2回目のセメント系固化材液の添加時期は、1回目の攪拌混合が終了してから30分後とした。それから、湿潤土とセメント系固化材液とを攪拌混合した。ここでは、容量10リットルのホバート型ミキサ(株式会社小平製作所製)を使用した。混合時間は、1回目のセメント系固化材液の添加混合の場合が、低速回転(140rpm)で2分間攪拌し、その後、容器と攪拌翼とに付いた土などを掻き落としてから、高速回転(290rpm)で3分間攪拌した(合計5分間)。2回目のセメント系固化材液の混合時間は、低速回転(140rpm)で1分間攪拌し、その後、容器と攪拌翼とに付いた土などを掻き落としてから、高速回転(290rpm)で1.5分間攪拌した。しかも、これらの作業を2回繰り返した(合計5分間)。
その後、JGS 0821−2000「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」に則って、供試体を作製した。それから、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験方法」にしたがい、材齢7日において一軸圧縮強さを測定した。また、一軸圧縮試験が終了した試料に対して、環境庁告示第46号に則り、六価クロムの溶出試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004600812
表1から明らかなように、セメント系固化材液を2回に分けて固化処理土に添加混合したことで、改良された固化処理土(改良土)の強度は増加し、六価クロム溶出量は環境基準値の0.05mg/L以下まで低減した。また、試験例2〜4から、1回目と2回目とのセメント系固化材液の添加量を変更しても、大差のないことが確認された。
溶出低減剤の添加が少量でも、具体的には3重量%の高炉スラグ、1重量%の粉末硫黄、1重量%の石炭微粉末、0.5重量%の硫酸第一鉄でも、固化処理土からの六価クロムの溶出が抑制されることがわかった。ただし、高炉スラグの場合には50重量%、粉末硫黄の場合には10重量%、石炭微粉末の場合には20重量%、硫酸第一鉄の場合には10重量%をそれぞれ超えると、改良後の固化処理土の強度が低下した。その結果、溶出低減剤の添加量は、高炉スラグの場合で50重量%以下、粉末硫黄の場合で10重量%以下、石炭微粉末の場合で20重量%以下、硫酸第一鉄の場合で10重量%以下とした方が好ましいことがわかった。
また、水硬性材料として、普通ポルトランドセメントではなく、ユースタビラー10(土質改良用固化材)を使用した場合と、高炉セメントB種(混合セメント)を使用した場合とでも、同じような効果が得られることがわかった。その結果を表2に示す。
Figure 0004600812
さらに、溶出低減剤を含む水硬性材料に加えて、石膏や石灰などを添加すると強度発現性が改善され、六価クロムの溶出抑制効果も得られることがわかった。
Figure 0004600812
〔試験例23〜34、比較例5,6〕
まず、湿潤土1mに対して普通ポルトランドセメントの添加量を200kg/m、水固化材比60%として、1次処理土を作製した。1次処理土に対して、表4に示す固化材配合で、水固化材比60%のセメント系固化材液を添加し、5分間攪拌混合して、2次処理土を作製した。
その後、JGS 0821−2000「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」に則って、供試体を作製した。そして、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験方法」に則り、供試体の作製から7日後、2次処理土の一軸圧縮強さを測定した。次に、一軸圧縮試験が終了した試料に対して、環境庁告示第46号に則り、六価クロムの溶出試験を行った。これらの試験の結果を表4に示す。なお、1回目のセメント系固化材液の主材は、普通ポルトランドセメントである。また、1次処理土の六価クロム溶出量は、環境基準値0.05mg/Lを超えた0.45mg/Lであった。その他の試験条件は、実施例1に準ずる。
Figure 0004600812
表4から明らかなように、1次処理土に普通ポルトランドセメントを添加した場合、六価クロムの溶出量はほとんど変わらなかった(比較例6)。また、溶出低減剤を含む普通ポルトランドセメントを添加すると、何れの配合においても六価クロム溶出量は低減され、土壌環境基準を満足することが判った(試験例23〜34)。つまり、1回目と2回目の添加間隔が7日間であっても、六価クロムの溶出低減効果は得られた。また、溶出低減剤の添加は若干量でも効果が得られた。

Claims (4)

  1. 地中で、セメントを含む水硬性材料を複数回に分けて土壌に添加混合する地盤改良工法において、
    前記複数回の水硬性材料の土壌への添加混合のうち、2回目の添加混合は、1回目の添加混合により水硬性材料が添加混合された土壌部分が凝結の準備期に達した時点以降とし、
    前記複数回の水硬性材料の土壌への添加混合のうち、少なくとも1回の添加混合では、六価クロムの溶出低減剤を含む水硬性材料を土壌に添加混合する地盤改良工法。
  2. 前記溶出低減剤は、高炉スラグ粉末、粉末硫黄、石炭微粉末、硫酸第一鉄のうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載の地盤改良工法。
  3. 前記水硬性材料は、ポルトランドセメント、混合セメント、土質改良用固化材、特殊セメントのうち、少なくとも1つを含む請求項1または請求項2に記載の地盤改良工法。
  4. 前記溶出低減剤を含む水硬性材料は、石膏、生石灰、消石灰のうち、少なくとも1つを含有している請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の地盤改良工法。
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