JP4600611B2 - 耐磨耗性撥水性塗料及び耐磨耗性撥水性表面を有する物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜強度が高く、耐磨耗性に優れ、かつ、撥水性表面を有する物品及びその撥水性表面を形成するために用いられる耐磨耗性の撥水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、交通車輌、航空機、道路標識、電線やケーブル、アンテナ、鉄塔等の着雪・着氷防止、携帯用電気製品及びそのケースの防水、流し台等の水周り台所用品の水はね汚れ防止、土木機械用治具、住宅・道路・橋脚、等の雨筋汚れ防止等の目的で各種物品の表面に撥水性を付与する塗料の開発が進められている。
【0003】
例えば、低い表面エネルギーを有するフッ素樹脂やシリコーン樹脂で表面被覆する方法、ポリテトラフルオロエチレンオリゴマー粒子の複合メッキ被膜を金属表面に形成する方法(特開平4-285199号公報,EP503872号)、表面に大きい周期の凹凸構造を含む多段凹凸構造の撥水性表面を有する固体(特開平7-197017号公報)、微細な凹凸構造を有する親水性金属表面に撥水性物質のカップリング剤をコーティングする撥液性付与方法(特開平8-246163号公報,WO96-21523号)、平均粒径4μm以上のテトラフルオロエチレンオリゴマー粉末またはフッ化グラファイトを顔料とともに分散させた撥水性塗料(特開平6-122838号公報)、粉末状添加物を分散させて被覆表面に平均粗さ0.1〜100μmの連続的凹凸形状を付与させてなる被覆物品(特開平7-18209号公報)、ポリテトラフルオロエチレンの低分子オリゴマー粉末を分散させた撥水性塗料(特開平6-122838号公報)、フッ素樹脂粉末とバインダーと表面自由エネルギーがバインダーより小さい添加物を含むフッ素樹脂塗料(特開平9-87574号公報)、粉末状添加物を分散させて被覆表面に平均粗さ0.1〜100μmの連続的凹凸形状を付与させてなる被覆物品(特開平7-18209号公報)、シリコーン樹脂化合物と無機微粒子とからなる撥水性コーティング用組成物(特開平4-45181号公報)等が知られている。
【0004】
しかしながら、フッ素樹脂やシリコーン樹脂による表面被覆だけでは、塗膜の水に対する接触角がせいぜい110゜にしかならず、実用性のある撥水性が得られない。複合メッキによる方法、多段凹凸構造による方法、微細凹凸構造にカップリング剤をコーティングする方法のいずれもが、メッキ処理あるいは表面凹凸処理等の複雑な前処理工程を要し、適用できる対象が限定されるという問題がある。
【0005】
一方、平均粒径4μm以上のテトラフルオロエチレンオリゴマー粉末またはフッ化グラファイトを顔料とともに分散させた撥水性塗料及び粉末状添加物を分散させて被覆表面に平均粗さ0.1〜100μmの連続的凹凸形状を付与させる方法は、雨筋の汚れを防止する程度の用途には使えるが、高度の撥水性が要求される着雪・着氷・着霜防止等の高撥水性が要求される用途には、撥水性が十分でなく、使うことができない。ちなみに、後者についは、請求範囲の記載にもかかわらず、粉末状添加物の平均粒径が0.2〜200μmと大きいため、平均粗さ1μm以下であり、かつ水に対する接触角が150゜以上の塗膜を形成することができなかった。
【0006】
フッ素樹脂粉末とバインダーと表面自由エネルギーがバインダーより小さい添加物を含むフッ素樹脂塗料は、高撥水性と経時劣化のない塗膜が得られるが、材料が極めて高価であり、また、塗膜強度が低いため実用的に制限を受けるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来塗料の欠点を解消し、塗膜強度があり、耐磨耗性のある撥水性表面層を形成することができる実用的な手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
表面が均一にフッ素化された金属酸化物微粒子とシリコーン樹脂と摩擦係数減少剤、シリコーン樹脂と反応して三次元架橋構造を形成することができる架橋剤を必須成分として含有する撥水性塗料を物品に塗布することにより、中心線平均粗さ(以下「Ra」という。)が0.5μm以下であり、耐磨耗性の優れた撥水性表面層が形成され、物品に優れた耐磨耗性と撥水性表面に基づく防汚性を付与することができることを確認して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の耐磨耗性の撥水性塗料及び耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品を提供する。
1.表面が均一にフッ素化された金属酸化物の粒子(A)とシリコーン樹脂(B)と摩擦係数減少剤(C)とシリコーン樹脂と反応して三次元架橋構造を形成する架橋剤(D)を必須成分として含有する耐磨耗性の撥水性塗料。
2.表面が均一にフッ素化された金属酸化物が、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Ge,Zr,Ag,In,Sn,Pb,Sb,Ba,Ta及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物をフッ素化処理して得られたものである前記1に記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
3.シリコーン樹脂中の反応性官能基を有する珪素原子の数がシリコーン樹脂中の総珪素原子数の15%以下である前記1または2に記載の耐磨耗性の耐磨耗性の撥水性塗料。
4.溶媒として、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種の非極性有機溶媒を含む前記1〜3のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
5.架橋剤が下記の式
XSi(Y)Z2 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜10の一部または全ての水素原子がフッ素原子に置換された炭化水素基であり、Yは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜4のアルコキシル基であり、Zは炭素数1〜4のアルコキシル基である。)
で表されるアルキルシランである前記1〜4のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
6.(B)/(A)の質量比が1.5〜3.0であり、かつ、(C)/(B)の質量比が0.01〜0.2である前記1〜5のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
7.シリコーン樹脂中の反応性官能基から計算される架橋剤の理論反応量に対して0.9〜2.5倍量の架橋剤を含有する前記1〜6のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
8.(D)/(B)の質量比が0.03〜0.6である前記7に記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
9.非極性有機溶媒が、塗料全量の65〜95質量%である前記1〜8のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
10.表面が均一にフッ素化された金属酸化物の微粒子(A)とシリコーン樹脂(B)と摩擦係数減少剤(C)及びBと反応して三次元架橋構造を形成することができる架橋剤(D)とを必須成分として含有し、BとDが三次元架橋構造を形成してなることを特徴とする耐磨耗性の撥水性塗膜。
11.10に記載の塗膜が表面の一部または全部に形成されている物品。
12.表面が均一にフッ素化された金属酸化物が、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Ge,Zr,Ag,In,Sn,Pb,Sb,Ba,Ta及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物をフッ素化処理して得られたものである前記11に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
13.シリコーン樹脂中の反応性官能基を有する珪素原子の数がシリコーン樹脂中の総珪素原子数の15%以下である前記11または12に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
14.架橋剤が下記の式
XSi(Y)Z2 (式中、Aは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜10の一部または全ての水素原子がフッ素原子に置換された炭化水素基であり、Bは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜4のアルコキシル基であり、Cは炭素数1〜4のアルコキシル基である。)
で表されるアルキルシランである前記11〜13のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
15.(B)/(A)の質量比が1.5〜3.0であり、かつ、(C)/(B)の質量比が0.01〜0.2である前記11〜14のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
16.シリコーン樹脂中の反応性官能基から計算される架橋剤の理論反応量に対して0.9〜2.5倍量の架橋剤を含有する前記11〜15に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
17.(D)/(B)の質量比が0.03〜0.6である前記16に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
18.物品が、金属構造体、ガラス構造体、繊維構造体、セラミックス構造体、木質材料、プラスチック構造体、壁構造体から選択される前記11〜17のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
19.前記1〜9のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面を物品に塗布することによる物品に耐磨耗性のある撥水性表面を付与する方法。
なお、本発明において、「撥水性表面」とは、物質表面の水滴に対する接触角が140゜以上である表面状態を表すものとする。接触角が140゜以上かつ平滑性のある撥水性表面は、砂塵のような無機系微粒子からなる汚れが付着しても、雨水あるいは水流により容易に洗い落とすことができるという防汚性機能を示す。接触角が140゜未満ではこのような機能が発現しない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料に用いられる微粒子材料としては、表面が均一にフッ素化された(以下「均一にフッ素化」という。)金属酸化物粒子が用いられる。金属酸化物の具体例としては、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Ge,Zr,Ag,In,Sn,Pb,Sb,Ba,Ta及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物が挙げられる。
さらに詳しくは、MgO,Al2O3、SiO2、CaO、TiO2、V2O5、CrO,Cr2O3、MnO,Mn2O3、MnO2、Mn3O4、Fe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、Cu2O、CuO、ZnO、GeO2、ZrO2、Ag2O、InO、In3O4、SnO,SnO2、Pb3O4、PbO3、Sb2O3、SbO2、Sb2O5、BaTiO3、TaO2、Ta2O5、CeO2、CaTiO3及びFeTiO3からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物を挙げることが出来る。これらの中で好ましい例としては、Ti、Al、Si、Ce、Zr、Zn、Sn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物が挙げられる。
【0010】
本発明で使用される表面が均一にフッ素化された金属酸化物の粒子は、比表面積が3〜300m2/gの範囲にあるものが好ましい。平均一次粒径に特に制限はないが、好ましくは平均一次粒径1〜200nmであり、より好ましくは5〜100nmである。また、粒子の結晶型については、特に制限がない。非晶質体、単結晶体、多結晶体などに制限がなく、非晶質、アナターゼ、ブルッカイト、ルチルが知られている酸化チタンや、また、α型、γ型の存在が知られているアルミナについても制限はない。
【0011】
均一にフッ素化された金属酸化物の粒子は、撥水性材料として塗料に配合した場合に、分散性が良好で、硬化後にはその粒子が表面に高濃度に存在し、均一で優れた撥水性の塗膜を形成することができる。ここで、表面が均一にフッ素化された金属酸化物粒子の「均一に」とは、金属酸化物粒子の表面が均一にフッ素化されていることを意味するが、必ずしも金属酸化物粒子全体(バルク)が100%フッ素化されたものである必要はない。即ち、金属酸化物粒子の表面において、表層からの一定の深さ方向におけるF化率が、異なる粒子または同一粒子の表面においてバラツキがないこと、換言すれば、全ての粒子の表面においてフッ素化されていない部分や所望のフッ素化率に達していない部分が存在しないことを意味する。ちなみに、金属酸化物粒子表面のフッ素化率は、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy:X線光電子分光法、10kV、20mA、照射面積100μm2)により粒子表面から約100オングストロームの深さまでに存在するフッ素を含む元素を測定することができ、この分析結果から置換したフッ素の割合が求められる。本発明においてフッ素化率は、金属酸化物の当該金属原子に対する置換されたフッ素原子の数比=F/M(F:フッ素原子数、M:金属元素の原子数を示す。)で表され、F/Mは0.05以上であることが好ましい。
【0012】
一般に金属酸化物微粒子の表面は、水酸基等の表面官能基により覆われており、表面親水化、水分の吸着、高い凝集性・付着性の原因となっている。表面フッ素化は、これらの表面水酸基をフッ素基で置換することにより表面自由エネルギーを低下し、粉体に実用上好ましい表面性状、すなわち粉体の流動性、溶媒等での分散性、低吸湿(水)性あるいは撥水性を付与することにある。従って、実質的に全ての表面水酸基がフッ素基により置換されている場合が最適である。例えば、フッ素化シリカの場合には、フッ素化率F/Siを0.10以上にすれば、Si−OH結合が消失し、かわりにSi−F結合が生成する。このことは、29Si−NMRまたは赤外スペクトル等の適切な分析手段により確認することが可能である。塗料に配合された均一にフッ素化された金属酸化物の粒子のフッ素化率と塗膜性状は相関があり、同一の添加量であれば、フッ化率の高い金属酸化物粒子を用いたものほど、撥水性が高く、平均粗さの低い(平滑な)塗膜が得られる。
【0013】
表面処理されていない金属酸化物粒子では、凝集粒子による平均粗さの大きな撥水性塗膜しか得られない。また、疎水性シリカのような従来の表面疎水化金属酸化物粒子では、高分散により疎水化されていない部分が現れ、撥水性の経時劣化が大きい塗膜しか得られない。
【0014】
本発明の塗料においてバインダーとして用いられるシリコーン樹脂には、特に制限はない。例えば、ストレートシリコーン樹脂及び、アクリルシリコーン樹脂、アルキッドシリコーン樹脂、ポリエステルシリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂を用いることができる。中でもストレートシリコーン樹脂が好ましく用いられる。さらには、シリコーン樹脂中の反応性官能基を有する珪素原子の数がシリコーン樹脂中の総珪素原子数の15%以下であるストレートシリコーン樹脂が、撥水性の経時劣化が少ない塗料が得られるので、特に好ましい。
【0015】
本発明の塗料の第三の成分として、摩擦係数減少剤(摩擦抵抗減少剤、耐摩耗性付与剤またはスリップ性向上剤等の名称でも呼ばれる塗料添加剤)を用いる。
このものは、ポリエーテル変性シリコーン油、高級脂肪酸変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、フッ素変性シリコーン油等の変性シリコーン油を有効成分として含む物質である。具体的には、信越シリコーン社製KP301,KP302,KP305,KP306、東レ・ダウコーニング社製DC11PA、SH28PA、ST103PA、東芝シリコーン社製TSF4460、TSF4452,TSF410,TSF411、などが挙げられる。これらの化合物を添加することにより、塗膜の平滑性・潤滑性が向上するだけでなく、驚くべきことに均一にフッ素化された金属酸化物の粒子と協調して、さらに塗膜の撥水性を高め、撥水性の経時劣化を低減する効果を表す。
【0016】
本発明の塗料の第四の必須成分として、前記シリコーン樹脂と反応して三次元架橋構造を形成しうる架橋剤が用いられる。架橋剤としては、下記の式
XSi(Y)Z2 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜10の一部または全ての水素原子がフッ素原子に置換された炭化水素基であり、Yは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜4のアルコキシル基であり、Zは炭素数1〜4のアルコキシル基である。)で表されるアルキルシランが好ましく用いられる。
【0017】
具体的には、CH3Si(OCH3)3、CH3Si(OC2H5)3、 (CH3)2Si(OCH3)2、(CH3)2Si(OC2H5)2、、CH3(CH2)17Si(OCH3)3、CH3(CH2)17SiCH3(OCH3)2、CH3(CH2)17Si(OC2H5)3、CF3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2 等が挙げられる。
【0018】
本発明の塗料の溶剤としては、飽和炭化水素系及び芳香族炭化水素系の非極性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の有機溶媒が用いられる。例えば、ヘキサン、ヘプタン、メチルヘキサン、オクタン、トリメチルペンタン、ノナン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0019】
本発明の塗料において、表面フッ素化された金属酸化物の粒子に対するシリコーン樹脂の質量比は1.5〜3.0の範囲であり、好ましくは2.0〜2.5の範囲である。かつ、摩擦係数減少剤・有効成分のシリコーン樹脂バインダーに対する質量比が0.01〜0.2の範囲であり、好ましくは0.02〜0.1の範囲である。組成が前記範囲からはずれると、平均粗さが0.5μm以下で平滑性、潤滑性があり、かつ耐摩耗性の優れた撥水性塗膜を得ることができない。例えば、表面がフッ素化された金属酸化物の微粒子に対するシリコーン樹脂の質量比が1.5未満では、塗膜強度が十分でなく、耐摩耗性のある塗膜が得られない。3.0を越えると、撥水性塗膜による防汚機能が十分発揮されなくなる。また、摩擦係数減少剤・有効成分のシリコーン樹脂バインダーに対する質量比が、0.01未満では、添加効果が十分発現せず、0.2を越えると塗膜の割れ、剥がれ、粉吹き等を生じ、実用的な塗膜が得られない。架橋剤は、シリコーン樹脂バインダーの反応性官能基の含有量から計算される架橋剤の理論反応量に対して0.9〜2.5倍量の架橋剤を添加する。0.9倍未満では耐磨耗性効果が明確に発現せず、2.5倍を越えると塗膜の撥水性が低下し、撥水性塗膜による防汚機能が十分発揮されなくなる。架橋剤の分子量により異なるので一概に決められないが、一般にはシリコン樹脂バインダーに対する質量比で0.03〜0.6の範囲で添加する。溶媒の添加量は、全塗料重量の65〜95質量%である。65%未満では、塗膜に肉眼でもわかる割れ、剥がれを生じ、実用的な塗膜が得られない場合がある。95%以上では欠陥のない、連続した塗膜の形成が困難になる。
【0020】
塗料の調製方法は一般的な方法を用いることができる。塗料成分の分散手段に特に制限はなく、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、バスケットミル、ペイントシェイカー等を用いることができる。本発明の塗料組成ではバインダーに対する微粉材料の比が大きいので、平滑性が高くしかも高撥水性の塗膜を形成するためには、金属酸化物粒子の分散を十分に行い、一次粒径に近い状態まで分散することが望ましい。そのため溶媒に金属酸化物粒子を分散した後、他の塗料成分を添加し再分散する方法が好ましく用いられる。分散条件については、金属酸化物粒子の粒径、液粘度、分散手段等により異なるので、一概に決められないが、例えば、均一にフッ素化されたシリカ(一次粒径20nm)を溶媒に対し10質量%添加し、ジルコニアビーズを総液重量の3倍加えてペイントシエイカーで1時間処理すると、粒度分析計(マイクロトラックUPA)を用いた50%粒径の測定により、ほぼ一次粒径に分散されることが判っている。他の分散手段についても同等の分散シェアをかければ、同じ分散状態が得られる。
【0021】
本発明の塗料を塗布するには、通常の塗装法を用いることができるが、刷毛塗り、ローラー塗り、ディッピング、スピンコーター等が好ましい。スプレーコートは、表面凹凸が大きな、高撥水性の塗膜を得やすいが、本発明の耐摩耗性に優れ、表面平滑性の高い撥水性塗膜を得ることが難しい。塗膜の硬化方法については、シリコーン樹脂と架橋剤の架橋反応が十分に進行するような条件とする。通常加熱硬化が用いられる。硬化温度は一概には決められないが、あまり高温で行うと、架橋剤が揮発し、経済的ではない。
【0022】
本発明による耐磨耗性の撥水性塗料を物品に塗布することにより、中心点平均粗さRaが0.5μm以下の平滑性を有し、耐磨耗性があり、かつ水に対する接触角が140°以上の撥水性を有する表面層を形成することができる。前記表面層は、耐磨耗性があるので、表面を摩擦したり、物理的な力を加えられても、表面の撥水性塗膜が破壊されることがなく、容易に撥水性が劣化するということがない。また、本発明の表面層は、水に対する接触角が140°以上の撥水性を有するだけでなく、微粒子を含有するシリコーン樹脂塗膜に特有の微細クラックがなく、平均粗さが0.5μm以下で表面平滑性が高い。そのため、砂塵のような無機系微粒子からなる汚れが付着しても、雨水あるいは水流により容易に洗い落とすことができ、雨水に含まれる各種汚れの付着が低減するといった防汚機能を示す。接触角が140゜未満ではこのような機能が発現しない。
さらに、表面摩擦係数の減少により落雪性、落滴性が向上し、耐着雪性・耐着氷性に優れている。
【0023】
本発明において「表面層」とは、物品の最外層に高撥水性の被覆層が存在することを意味する。基材表面を直接本発明の耐磨耗性の撥水性塗料を塗布してもよいが、他の塗料で下塗りをした上に本発明の耐磨耗性の撥水性塗料を塗布してもよい。下塗りは、本発明の耐磨耗性の撥水性塗料との密着性がよく、該耐磨耗性の撥水性塗料の特性を損なわないものであれば、特に制限はない。
【0024】
本発明になる撥水性表面層を設ける物品の表面凹凸構造は特に制限されるものではなく、物品表面に存在させる均一にフッ素化された金属酸化物の粒子と他の塗料成分とで形成される微細な凹凸構造により高撥水性が創生される。本発明の耐磨耗性の撥水性塗料で被覆される物品の具体例としては、金属構造体、軽金属構造体、ガラス構造体、繊維構造体、セラミックス構造体、木質構造体、プラスチック構造体、壁構造体等が挙げられる。
【0025】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例により何ら限定を受けるものではない。
【0026】
なお、下記の例に於いて表面状態は以下の方法または手段により測定した。
(1)表面フッ素化率は、X線光電子分光法(XPS)により定量した。結果は、金属酸化物(MOx)の当該金属原子に対するフッ素原子の数比F/Mで求めた。
(2)塗膜表面の撥水性は、蒸留水(10μl)に対する接触角を測定した。接触角測定装置は、協和界面科学社製CA−DT型を用いた。
(3)塗膜表面の中心線平均粗さの測定には、ミツトヨ社製サーフテストMST-301型を用いた。
(4)塗膜の微細なクラックの観察には、キーエンス社製高精細デジタルマイクロスコープVH-6300型を用いた(倍率2000倍)。結果を以下の3段階の基準で判定した。すなわち、
○:クラックなし
△:部分的に微細なクラックあり
×:連続した大きなクラックあり
(5)塗膜の動摩擦係数の測定は、新東科学社製表面性測定機HEIDON-14DR型を用い、ASTM平面圧子にて荷重22.2g/cm2、移動速度200mm/min.、移動距離20mmの条件で測定した。
(6)耐磨耗性の測定は、新東科学社製表面性測定機HEIDON-14DR型を用い、ASTM平面圧子に両面テープでアクリル板(50mm×50mm)を固定し、荷重8g/cm2、移動速度200mm/min.、移動距離20mmの条件にて繰り返し(100回まで)往復移動させ、摩擦抵抗と表面状態の変化を測定した。摩擦抵抗に変化を生じた往復回数を記録し、また試験後の表面状態を観察し、以下の2段階の基準で判定した。すなわち、
○:変化なし
×:表面の削れ、傷あり
(7)トノコ付着試験は、以下の方法によった。すなわち、トノコをエタノールに分散して得られた10%分散液を塗膜表面に塗布し(トノコ付着量0.5g/cm2)、80℃1時間乾燥した。トノコが付着した塗膜を水平に置き、上から一粒体スプレーで蒸留水を噴霧した(流量100ml/分)。6分後、塗膜の表面をキーエンス社製高精細デジタルマイクロスコープVH-6300型を用いて観察した。結果は以下の3段階の基準で判定した。すなわち、
:トノコの残留なしまたは残留面積が5%未満
△:トノコの残留あり(残留面積5〜20%)
×:トノコの残留多い(残留面積20%以上)
(8)落雪性試験は、以下の方法によった。すなわち、氷を細かく砕いて作った人工雪を塗膜に載せ(0.5g/cm2)、塗膜を徐々に傾け、人工雪が落下し始める傾き(落下角とする)を測定した。測定は、−5℃に冷蔵室内で、試料、器具等を室温まで冷却した状態で行った。
製造例:フッ素化された金属酸化物の製造
40Lのタンブルドライヤーに酸化チタン粒子(昭和タイタニウム製F6、平均一次粒径:16nm、比表面積:100m2/g)320gを充填し、減圧下、180℃で1時間焼成して前処理し 、室温に冷却して、常圧でフッ素ガスを窒素ガスで希釈したガス(フッ素ガス含量10容量%)を充填して,60rpmで回転させながら、180℃で5時間表面フッ素化処理した。同様のフッ素化処理を合計5回行なった。このフッ素化処理された酸化チタン粒子の比表面積は99m2/gで あり、高比表面積を維持していた。また、酸化チタン粒子表面のフッ素化率をXPSにより測定したところ、フッ素化率F/Ti=0.88であった。同様にシリカ(日本エアロジル製130、比表面積:130m2/g、一次粒径16nm)及び酸化アルミニウム(アルミナ)(日本エアロジル製、比表面積:100m2/g、一次粒径13nm)の表面フッ素化処理を行った。これらの均一にフッ素化された金属酸化物の粒子の物性を表1に示す。
【0027】
【表1】
実施例1
製造例で得た平均一次粒径20nmの均一にフッ素化されたシリカ粒子2.81gをn−オクタン34.36gに添加し、ペイントシェイカーで1時間分散させた。これにストレートシリコーン樹脂(東レダウコーニング社製SR2400,固形分50%)11.25g、摩擦係数減少剤(信越シリコーン社製KP302、固形分10%)0.80g、架橋剤(トリフロロメチルエチルトリメトキシシラン;東レダウコーニング社製AY43−013)0.80gを加え、さらに15分間ペインシェイカーで分散した。上記塗料をガラス基板にバーコーターで塗布し、150℃1時間で硬化させた。硬化後の膜厚は約10μmであった。この塗膜の表面接触角、平均粗さ、動摩擦係数、耐磨耗性試験、トノコ付着試験、落雪性試験を行なった、表2にその結果を示す。
【0028】
【表2】
実施例2〜19
実施例1と同様にして、表2〜表4に示す組成の塗料を調製し、ガラス基板に塗膜を形成した。実施例1と同様に塗膜特性を測定した。表2〜4にその結果を示す。
【0029】
【表3】
【表4】
本発明による耐磨耗性の撥水性塗料を物品に塗布することにより、中心点平均粗さRaが0.5μm以下であり、耐磨耗性があり、かつ水に対する接触角が140°以上の撥水性を有する表面層を形成することができる。前記表面層は、撥水性であるだけでなく、従来のシリコーン樹脂含有撥水性塗膜に特有の微細クラックがなく、表面平滑性が高い。また、本発明の表面層は、平均粗さを0.5μm以下にすることにより、各種汚れの付着が少なく、防汚性が高い。さらに、表面摩擦係数が低いので落雪性があり、耐着雪性・耐着氷性に優れている。耐磨耗性試験、落雪試験、トノコ付着試験の結果から、本発明の塗膜の優れた耐磨耗性、防汚性、落雪性が明らかである。
比較例1〜5
比較例1〜5では、架橋剤を添加しない点を除けば、他の組成はそれぞれ実施例1,4,7,18,19と同様にして、塗料及び塗膜を作成した。実施例1と同様に塗膜特性を測定し、表5にその結果を示す。耐磨耗性は、本発明の塗膜に比べ著しく劣り、20回以下の往復移動で摩擦抵抗の変化が見られ、表面塗膜の削れが著しい。
【0030】
【表5】
比較例6〜13
実施例1と同様にして、表3に示す組成の塗料を調製し、ガラス基板に塗膜を形成した。実施例1と同様に塗膜特性を測定し、表6にその結果を示す。金属酸化物微粒子に対するバインダーの質量比が1.5未満では、耐摩耗性が十分でなく、3を越えると撥水性が低下し、トノコ付着試験で評価した防汚性機能が低下している。また、架橋剤が過剰であると、防汚機能が低下し、架橋剤が過少であると、耐摩耗性が不十分である。
【0031】
【表6】
【発明の効果】
本発明によれば、表面が均一にフッ素化された金属酸化物の粒子、シリコーン樹脂、摩擦係数減少剤及び前記シリコーン樹脂と反応し三次元架橋構造を形成する架橋剤を含有し、中心点平均粗さ(Ra)が0.5μm以下水滴に対する接触角が140°以上の撥水性表面層を物品に設けることにより、物品に、耐磨耗性が向上した、撥水性表面に基づく防汚性機能を付与することが出来る。前記表面層を有する物品は、優れた防汚性と耐久性を示す。
Claims (19)
- 表面が均一にフッ素化された金属酸化物の粒子(A)とシリコーン樹脂(B)と摩擦係数減少剤(C)及び(B)と反応し三次元架橋構造を形成する架橋剤(D)を必須成分として含有する耐磨耗性の撥水性塗料。
- 表面が均一にフッ素化された金属酸化物が、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Ge,Zr,Ag,In,Sn,Pb,Sb,Ba,Ta及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物をフッ素化処理して得られたものである請求項1に記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- シリコーン樹脂中の反応性官能基を有する珪素原子の数がシリコーン樹脂中の総珪素原子数の15%以下である請求項1または2に記載の撥水性塗料。
- 溶媒として、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種の非極性有機溶媒を含む請求項1〜3のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- 架橋剤が下記の式
XSi(Y)Z2 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜10の一部または全ての水素原子がフッ素原子に置換された炭化水素基であり、Yは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜4のアルコキシル基であり、Zは炭素数1〜4のアルコキシル基である。)で表されるアルキルシランである請求項1〜4のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。 - (B)/(A)の質量比が1.5〜3.0であり、かつ、(C)/(B)の質量比が0.01〜0.2である請求項1〜5のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- シリコーン樹脂中の反応性官能基当量から計算される架橋剤の理論反応量に対して0.9〜2.5倍量の架橋剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- (D)/(B)の質量比が0.03〜0.6である請求項7に記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- 非極性有機溶媒が、塗料全量の65〜95質量%である請求項1〜8のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料。
- 表面が均一にフッ素化された金属酸化物の微粒子(A)とシリコーン樹脂(B)と摩擦係数減少剤(C)及び(B)と反応して三次元架橋構造を形成する架橋剤(D)とを必須成分として含有し、(B)と(D)が三次元架橋構造を形成してなることを特徴とする耐磨耗性の撥水性塗膜。
- 請求項10に記載の塗膜が表面の一部または全部に形成されている物品。
- 表面が均一にフッ素化された金属酸化物が、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Ge,Zr,Ag,In,Sn,Pb,Sb,Ba,Ta及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属酸化物をフッ素化処理して得られたものである請求項11に記載の防汚性・撥水表面層を有する物品。
- シリコーン樹脂中の反応性官能基を有する珪素原子の数がシリコーン樹脂中の総珪素原子数の15%以下である請求項11または12に記載の耐磨耗性の撥水性塗料層を有する物品。
- 架橋剤が下記の式
XSi(Y)Z2 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜10の一部または全ての水素原子がフッ素原子に置換された炭化水素基であり、Yは炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜4のアルコキシル基であり、Zは炭素数1〜4のアルコキシル基である。)で表されるアルキルシランである請求項11〜13のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。 - (B)/(A)の質量比が1.5〜3.0であり、かつ、(C)/(B)の質量比が0.01〜0.2である請求項11〜14のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
- シリコーン樹脂中の反応性官能基から計算される架橋剤の理論反応量に対して0.9〜2.5倍量の架橋剤を含有する請求項11〜15に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
- (D)/(B)の質量比が0.03〜0.6である請求項16に記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
- 物品が、金属構造体、ガラス構造体、繊維構造体、セラミックス構造体、木質材料、プラスチック構造体、壁構造体から選択される請求項11〜17のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性表面層を有する物品。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の耐磨耗性の撥水性塗料を物品に塗布することによる物品に耐磨耗性の撥水性表面を付与する方法。
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