以下、本発明のナビゲーション装置を車両搭載型のナビゲーション装置に適用した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
まず、ナビゲーション装置20の構成を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、ナビゲーション装置20は、主に、CPU21、メモリ22、道路情報データベース23、入出力インタフェイス24、入力装置25、ディスプレィ26、音源ユニット28、GPSセンサ31、車速センサ32、ジャイロセンサ33、通信装置35等から構成されている。なお、ナビゲーション装置20は、CPU21、メモリ22、道路情報データベース23、入出力インタフェイス24、入力装置25、ディスプレィ26等によりコンピュータとしての機能を構成している。
CPU21は、ナビゲーション装置20を制御する中央演算処理装置で、システムバスを介してメモリ22、道路情報データベース23、入出力インタフェイス24等と接続されている。このメモリ22には、CPU21を制御するシステムプログラム22aのほか、各種制御プログラム22b〜22g等が格納されており、CPU21はこれらのプログラムをメモリ22から読み出して逐次実行している。なお、このCPU21には、現在の時刻を計時する機能を有する時計21aが内蔵されている。
メモリ22は、システムバスに接続されている記憶装置であり、CPU21が使用する主記憶空間を構成するものである。このメモリ22には、システムプログラム22aをはじめとして、入力装置25からの情報入力を可能にする入力プログラム22b、ナビゲーション装置20の基本機能であるナビゲーション機能を担う複数経路探索プログラム22c、経路探索された複数の経路について経路分岐点および経路合流点を抽出する機能の有する分岐点・合流点抽出プログラム22d、分岐した経路の名称を判定する機能を有する経路名称判定プログラム22e、経路分岐点から経路合流点までに要する所要時間を算出する機能を有する所要時間算出プログラム22f、後述する出力装置に複数の経路情報を出力する制御を行う機能を有する出力プログラム22g等が予め書き込まれている。
道路情報データベース23は、CPU21が使用する補助記憶空間を構成するハードディスク、コンパクトディスクやディジタルバーサティルディスク等で、システムバスを介してCPU21に接続されている。この道路情報データベース23には、道路リンクデータ23aとして検索される主要道路に関する道路情報が主に格納されている。なお「主要道路」とは、高速道路や、国道、主要地方道等の幅員が5mを超える道路のことをいう。また「道路リンク」とは、実際の道路を短い線分の集合としてモデル化する際の一つひとつの線分のことをいう。即ち、実際の道路を折れ線近似したときの個々の直線部分のことで、通常、その直線部分の両端の、実際の道路に対応する経度・緯度(東経北緯)で一義的に定められる。なお、道路リンクデータ23aには、後述するように、それぞれの道路リンクに関する種々の属性情報が付加されている(図5(A) 、図5(B) 参照)。
なお、道路リンクの両端を「ノード」と称し、さらに複数の道路が交差する点(分岐点、交差点等)も「ノード」として設定される。通常、コンピュータ内では、経路探索の利便性を考慮して、各道路リンクには「リンクID」と呼ばれる識別番号が付けられる。そして、当該道路リンクに関するデータ(例えば、道路リンクの長さ、道路リンクの両端ノードの経度・緯度、当該道路リンクを含む道路の幅員、当該道路リンクを含む道路の名称、通行方向や速度規制等、あるいは道路リンクの両端各々のノードで当該道路リンクに接続する他の道路リンクのリンクID等)がひとまとまりとして管理され、CPU21では、これらの各データの集まりを「リンクID」で管理するようになっている。
入出力インタフェイス24は、入力装置25、ディスプレィ26、音源ユニット28、GPSセンサ31、車速センサ32、ジャイロセンサ33、通信装置35等の入出力装置とCPU21等とのデータのやり取りを仲介する装置で、システムバスに接続されている。
入力装置25は、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けられている入力装置で、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。この入力装置25は、利用者が経路探索を希望する目的地等に関する情報を入力プログラム22bを介して入力するものである。一般に、押圧式のスイッチを所定数並べた構成を採るが、入力操作の簡便化を考慮してディスプレィ26の表面に設けられたタッチパネル式のものや、あるいは利用者の声を認識してナビゲーション装置20への入力情報に変換する、マイクロフォンと音声認識装置とで構成されているものもある。
ディスプレィ26は、出発地から目的地までの複数の経路や、後述するように当該複数の経路の経路分岐点から経路合流点に到達するまでの所要時間等を出力プログラム22gを介して出力し得る表示装置で、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けられている。このディスプレィ26も、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されており、例えば、液晶表示器やCRT表示器により構成されている。また表示面に、入力装置25を構成するタッチパネルを備えているものもある。
なお、本実施形態では、入力装置25とディスプレィ26は、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けたが、これに限られることはなく、ナビゲーション装置20とは、別個の筐体に、入力装置25とディスプレィ26とを構成しても良い。また入力装置25とディスプレィ26とが互いに物理的に分離された構成を採っても良い。
音源ユニット28は、所定の音声データに基づくディジタル信号をアナログ信号に変換した後、当該アナログ信号によりアンプを介してスピーカから可聴音を発生させ得るもので、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。これにより、スピーカからは経路案内、交通情報のほか、後述するように探索された複数の経路の経路分岐点から経路合流点に到達するまでの所要時間等が音声により出力され、利用者に各種の情報が通知される。
GPSセンサ31は、経度・緯度により車両の現在位置データを出力するためのもので、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。このGPSセンサ31は、複数のGPS衛星からの信号を受信して利用者の絶対位置を計測するGPS受信機等から構成されている。
車速センサ32およびジャイロセンサ33は、車両の相対位置を計測するためのもので、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。これらセンサは自律航法に使用されるもので、これらにより計測される相対位置は、GPS受信機が衛星からの電波を受信できないトンネル内等において位置を得たり、GPS受信機によって計測された絶対位置の測位誤差を補正する等に利用される。なお、GPSセンサ31、車速センサ32およびジャイロセンサ33は、車両の現在位置情報を取得する機能を有することから、特許請求の範囲に記載の「現在位置情報取得手段」に相当し得るものである。
通信装置35は、情報センタ50との間で無線通信回線によるデータの送受信を行うための無線通信機器で、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。例えば、携帯電話機、PHS等の無線通信システムを利用している。
情報センタ50は、主に、制御装置52、通信装置54等から構成されている。制御装置52は、ナビゲーション装置20のCPU21、メモリ22等と同様に、CPU、メモリ等を備えており、道路交通情報52bをナビゲーション装置20に送信し得る情報提供プログラム52aを格納している。これにより、ナビゲーション装置20の要求に応じて、ナビゲーション装置20に道路交通情報52bを提供できるようにしている。なお、情報センタ50のCPUは、制御部、算術論理演算部等を備えており、メモリとともに例えばパーソナルコンピュータやワークステーションとして構成されるもので、現在の時刻を計時する機能を有する時計ユニットも備えている。
情報センタ50の通信装置54は、ナビゲーション装置20との間で無線回線によるデータの送受信を行うための無線通信機器で、ナビゲーション装置20の通信装置35と同様に、例えば自動車電話機、携帯電話機、PHS等の無線通信システムを利用し、もしくはナビゲーション装置20の通信装置35と通信を行う電話回線交換局と接続するための機器を利用して構成されている。
ここで、メモリ22に格納されている、入力プログラム22b、複数経路探索プログラム22c、分岐点・合流点抽出プログラム22d、経路名称判定プログラム22e、所要時間算出プログラム22fおよび出力データ作成・出力プログラム22gの概要を説明する。
入力プログラム22bは、ナビゲーション装置20の利用者が経路案内を希望する目的地、その出発地等に関する情報等その他、ナビゲーション機能を利用する上で必要な各種情報等を、利用者に対し入力装置25を介して入力させ、他のプログラムや処理等に受け渡す機能を有するものである。この入力プログラム22bは、車両の目的地情報を取得する機能を有することから、特許請求の範囲に記載の「目的地情報取得手段」に相当し、また車両の現在位置情報を取得する機能を有することから、特許請求の範囲に記載の「現在位置情報取得手段」に相当し得るものである。
複数経路探索プログラム22cは、入力装置25により入力された目的地を道路情報データベース23に記憶された道路情報に基づいて検索する機能と、入力装置25により入力された出発地あるはGPSセンサ31等により検出される車両の現在位置から当該希望目的地に至るまでの経路を複数本、道路情報データベース23に記録されている道路リンクデータ23aに基づいて探索する機能とを有するもので、特許請求の範囲に記載の「経路探索手段」に相当するものである。
なお、ここで探索される「経路」とは、出発地(または現在位置)から目的地に到るまでの総経路長が最短である距離的最短経路のほか、情報センタ50から取得した道路交通情報52bに基づいた交通渋滞等を加味して出発地(または現在位置)から目的地に到るまでの総所要時間が最短である時間的最短経路をも含む概念である。
分岐点・合流点抽出プログラム22dは、複数経路探索プログラム22cにより探索された複数の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「経路分岐合流点抽出手段」に相当するものである。
経路名称判定プログラム22eは、複数経路探索プログラム22cにより抽出された経路分岐点から経路合流点までの複数の経路ごとに、例えば、各々の経路を構成する道路リンクを道路名称で分類してそのリンクの距離を積算し、最長の距離となった道路リンクの名称を道路情報データベース23から抽出する機能を有するものである。
所要時間算出プログラム22fは、複数経路探索プログラム22cにより抽出された経路分岐点から経路合流点に当該車両が到達するまでの所要時間を複数の経路ごとに算出する機能を有するもので、特許請求の範囲に記載の「所要時間算出手段」に相当するものである。
出力データ作成・出力プログラム22gは、所要時間算出プログラム22fにより算出された複数の経路ごとに所要時間に関する情報を所定の出力形式に合わせて編集する機能と、当該車両が経路分岐点の付近に到達したと判断した場合、当該編集後の所要時間に関する情報を出力する機能とを有するもので、特許請求の範囲に記載の「所要時間算出手段」に相当するものである。本実施形態では、例えば、当該編集後の所要時間に関する情報や道路情報データベース23から探索された経路案内情報を、ディスプレィ26に文字や線図として表示したり、音源ユニット28によりスピーカを鳴動させたりする機能を有する。
次に、本ナビゲーション装置20のCPU21により実行されるナビゲーションプログラムによる処理の流れを図2〜図8に基づいて説明する。なお、以下説明するナビゲーションプログラムによる各処理は、前述した入力プログラム22b、複数経路探索プログラム22c、分岐点・合流点抽出プログラム22d、経路名称判定プログラム22e、所要時間算出プログラム22fおよび出力データ作成・出力プログラム22gにより実行されるもので、システムプログラム22aのメインルーチンから起動されるものである。
図2に示すように、CPU21により実行されるナビゲーションプログラムによる処理では、所定の初期化処理の後、まずステップS101により現在位置情報を取得する処理が行われる。具体的には、入力プログラム22bにより、前述したGPSセンサ31等から出力される当該車両の現在位置情報(経度・緯度等)を入出力インタフェイス24を介して取得したり、またタッチパネル等の入力装置25を介して利用者により入力される現在位置情報を取得したりする。これにより、入力された現在位置情報は、メモリ22の作業領域等に記憶され、複数経路探索プログラム22c等に受け渡される。
次のステップS103では、目的地情報を取得する処理が行われる。具体的には、入力プログラム22bにより出力プログラム22gを介してディスプレィ26に所定の入力画面を表示させることにより、タッチパネル等の入力装置25を介して経路案内を希望する目的地を選択したり、あるいは目的地名称をテキストボックスに入力する等の入力操作を利用者に促す。これにより、入力された当該目的地に関する目的地情報は、現在位置情報と同様に、メモリ22の作業領域等に記憶され、複数経路探索プログラム22c等に受け渡される。
続くステップS105では、複数経路を探索する処理が行われる。即ち、ステップS101やステップS103により取得され記憶された現在位置情報および目的地情報をメモリ22の作業領域等から読み出すことにより現在位置と目的地とを特定し、道路情報データベース23の道路情報データベース23に基づいて当該現在位置から当該目的地まで経路を複数本、探索する処理が複数経路探索プログラム22cにより行われる。具体的には、図3(A) に示す複数経路探索処理によって行われるので、ここでは図3(A) を参照して説明する。
図3(A) に示すように、複数経路探索プログラム22cによる複数経路探索処理は、所定の初期化処理の後、まずメモリ22の作業領域等に一時的に記憶された現在位置情報および目的地情報をステップS201により読み出す処理が行われる。これにより、現在位置と目的地とが特定される。
次にステップS203により経路探索処理が行われる。即ち、道路情報データベース23に記憶された道路リンクデータ23aのうち、当該道路リンクを含む道路の幅員が5mを超える主要道路であるものの中から、ステップS201により特定された現在位置と目的地とを結ぶ距離的に最短な経路を周知の経路探索アルゴリズム(例えばダイクストラ法)により探索する処理が行われる。このように経路探索に用いられる道路リンクデータ23aは、道路情報データベース23に蓄積されている主要道路に関する道路情報に限られているので、幅員が5mに満たない細街路がこの経路探索処理によって探索されることはない。これにより当該ステップS203により探索される複数の経路はいずれも主要道路となる。
なお、道路リンクデータ23aには、図5(A) に示すように、個々に、リンクIDやその道路リンク長である距離の長短に応じた大小のコストによる重み付けや、図5(B) に示すように当該道路リンクの通行時間帯ごとに設定されている通行所要時間の予想コストデータ、さらには当該リンクを含む道路名称が付与されている。例えばリンクIDが「1」の道路リンクデータ23aにはコスト「46」の重み付けがされ、「国道1号線」の道路名称が付されており、リンクIDが「2」の道路リンクデータ23aにはコスト「165」の重み付けと「国道1号線」の道路名称が付されている。ここにいうコストとは、例えば単位コスト当たり距離10mに相当するものである。また、当該車両がこのリンクID「1」の道路リンクを0時20分に通過した場合には、当該道路リンクの通行所要時間は予想コストとして「17」が設定されている。なお、ここにいう予想コストとは、例えば単位コスト当たり1分間の時間に相当するものである。
また、探索経路に用いるコストとしては、上記の他に各道路リンクの幅員、種別や経路に含まれる交通信号機の数等またはこれらの組み合わせを用いることでも良い。
続くステップS205では、ステップS203による探索結果が要求本数に達したか否かの判断処理が行われる。即ち、本複数経路探索処理では、当該現在位置から目的地に到るまでの経路を複数本、探索することを目的とするため、このステップにより、既に探索された探索経路が、予め設定された本数(例えば2本)に到達しているか否かが判断される。そして、探索経路数が当該要求本数に達していないと判断された場合には(S205でNo)、ステップS207に処理を移行し、探索経路数が当該要求本数に達していると判断された場合には(S205でYes)、ステップS209に処理を移行する。
ステップS207では、ステップS203により既に探索された探索経路を探索の対象外とするべく、当該探索経路に含まれる道路リンクデータ23aのコストを2倍に設定し登録する処理が行われる。即ち、既に探索された経路が、ステップS203により繰り返し探索されることのないように、当該探索経路に含まれる道路リンクデータ23aの重み付けを2倍に増加させ、残りの道路リンクデータ23aよりもコストを大きく見かけ上の距離を長く設定する処理を行う。
ステップS207による処理が終わると、ステップS203に再び処理を移行して、次の最短経路を探索する処理が行われる。そして、予め設定された本数に到達していると判断された場合には(S205でYes)、ステップS209に処理を移行して、探索された探索経路に含まれる道路リンクデータ23aを探索経路ごとに出力する処理が行われる。具体的には、例えばステップS209では、ステップS203により探索された複数の探索経路ごとに、それらに含まれる道路リンクデータ23aを例えばタスク間通信を介して分岐点・合流点抽出プログラム22dに出力する処理が行われる。
ステップS209による出力処理が完了すると、一連の本複数経路探索処理が終了するので、呼出し元のナビゲーションプログラムによる処理(図2)に処理を戻す。ここで再び図2を参照すると、次のステップS107では分岐点・合流点を抽出する処理が行われる。この処理は、前述した分岐点・合流点抽出プログラム22dにより行われるもので、具体的には図3(B) に示す分岐点・合流点抽出処理によって行われるので、ここでは図3(B) を参照して説明する。
図3(B) に示すように、分岐点・合流点抽出プログラム22dによる分岐点・合流点抽出処理は、所定の初期化処理の後、前述の複数経路探索処理により出力された複数の探索経路に含まれる道路リンクデータ23aを、タスク間通信等により受信すると、まずステップS301により現在位置から目的地まで探索経路に経路分岐点があるか否かを判断する処理が行われる。
即ち、図6(A) 〜図6(C) に示すように、当該複数本の探索経路のうち少なくとも2本の探索経路が一部で重複している場合には、その重複した経路から分岐する経路分岐点αが存在するから、このような経路分岐点があるか否かを当該探索経路に含まれる道路リンクデータ23aごとに、このステップにより検出する処理を行う。なお、図6(A) 等に示す符号Sは当該車両の現在位置を示し、符号Gは目的地を示す。また符号βは経路合流点を示す。
ステップS301により検出対象となった道路リンクデータ23aに経路分岐点があると判断されると(S301でYes)、続くステップS303により当該経路分岐点をメモリ22の作業領域等に記憶する処理が行われる。一方、ステップS301により当該道路リンクデータ23aに経路分岐点があると判断されない場合には(S301でNo)、ステップS305に処理を移行して当該道路リンクデータ23aが目的地に接続されているか否かを判断する処理が行われる。そして、ステップS305により道路リンクデータ23aが目的地に接続されていると判断された場合には(S305でYes)、当該探索経路には分岐点がなかったことになるので、次の探索経路についてステップS301から再び同様の処理が行われる。一方、ステップS305により道路リンクデータ23aが目的地に接続されていると判断されない場合には(S305でNo)、ステップS301に処理を戻して検出対象となる次の道路リンクデータ23aに経路分岐点があるか否かを判断する。
ステップS303により経路分岐点を記憶すると、次はステップS307により分岐後の探索経路に経路合流点があるか否かを判断する処理が行われる。
即ち、図6(A) 等に示すように、分岐する経路分岐点αが存在する場合には、当該分岐した経路同士が再び合流する経路合流点βが存在する可能性が高いから、このような経路合流点があるか否かを当該分岐後の探索経路に含まれる道路リンクデータ23aごとに、このステップにより検出する処理を行う。
ステップS307により検出対象となった道路リンクデータ23aに経路合流点があると判断されると(S307でYes)、続くステップS309により当該経路合流点をメモリ22の作業領域等に記憶する処理が行われる。一方、ステップS307により当該道路リンクデータ23aに経路合流点があると判断されない場合には(S307でNo)、ステップS311に処理を移行して当該道路リンクデータ23aが目的地に接続されているか否かを判断する処理が行われる。そして、ステップS311により道路リンクデータ23aが目的地に接続されていると判断された場合には(S311でYes)、当該探索経路には合流点がなかったことになるので、次の探索経路についてステップS301から再び同様の処理が行われる。一方、ステップS311により道路リンクデータ23aが目的地に接続されていると判断されない場合には(S311でNo)、ステップS307に処理を戻して検出対象となる次の道路リンクデータ23aに経路合流点があるか否かを判断する。
このようにして探索経路上の経路分岐点および経路合流点が検出され、メモリ22の作業領域等に記憶されると、一連の本分岐点・合流点抽出処理が終了するので、呼出し元のナビゲーションプログラムによる処理(図2)に処理を戻す。ここで再び図2を参照すると、次のステップS109では経路名称を判定する処理が行われる。この処理は、前述した経路名称判定プログラム22eにより行われるもので、具体的には図4(A) に示す経路名称判定処理によって行われる。次に図4(A) を参照して経路名称判定処理を説明する。
図4(A) に示すように、経路名称判定プログラム22eによる経路名称判定処理は、所定の初期化処理の後、前述の分岐点・合流点抽出処理により記憶された経路分岐点および経路合流点をメモリ22の作業領域等から読み出すと、まずステップS401により探索経路ごとに距離を算出する処理が行われる。
即ち、ステップS401では、経路分岐点から経路合流点までの経路に含まれる道路リンク各々の道路名称を道路情報データベース23内の道路リンクデータ23aから抽出する。次にステップS403で、道路名称が同一である道路リンクの距離を積算する。ステップS405では道路名称ごとに積算された距離を比較し、最長の距離を有する道路リンクの道路名称をその経路の名称として抽出する。上記ステップS401からステップS405までの処理を、分岐点から分岐する経路全てについて実行する(ステップS407)。
このように経路名称判定処理(図4(A) )により、分岐点から分岐する経路ごとに、その経路を構成する道路リンクから、同一の道路名称を有する道路リンクの距離の総和が最長となる道路リンクの名称をその経路の名称として抽出するのは、この抽出された道路名称がその経路を表す名称として適切だからである。即ち、後述するように、この経路の名称を利用者に提示することによって、利用者は複数の経路の各々が主にどの主要道路を走行するものであるかを、この経路の道路名称によってそれら複数の経路の差異を一目で把握することができる。
このような経路名称判定処理は、技術思想として把握すると、「道路情報データベース23から、経路分岐点から経路合流点までの経路ごとに、各々の経路を構成する道路リンクをその道路名称で分類いてその道路リンクの距離を積算し、最長の距離となる道路リンクの名称を、当該経路分岐点から分岐する経路の名称として抽出する経路名称判断手段」であると表現することができる。
ステップS405では、抽出された経路の名称は例えばメモリ22の作業領域に記憶したり、タスク間通信を介して出力データ作成・抽出プログラム22gに出力したりする処理も行われる。
なお、特許請求の範囲に記載の「経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報」とは、本実施形態においては、経路名称判断手段によって抽出された当該経路分岐点から分岐する経路の名称となる。この「経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報」のそのほかの形態として、より簡略に、経路分岐点から分岐する経路の、当該経路分岐点に直接接続している道路リンクの道路名称として抽出するように経路名称判定手段を構成することも好適である。このように構成することで、利用者に分岐点から分岐する各々の経路の名称として、分岐点直後の道路の名称を提示することができる。
このようにして一連の経路名称判定処理が終了すると、呼出し元のナビゲーションプログラムによる処理(図2)に処理を戻す。ここで再び図2を参照すると、次のステップS111では所要時間を算出する処理が行われる。この処理は、前述した所要時間算出プログラム22fにより行われるもので、具体的には図4(B) に示す経路名称判定処理によって行われる。次に図4(B) を参照して所要時間算出処理を説明する。
図4(B) に示すように、所要時間算出プログラム22fによる所要時間算出処理は、経路所要時間をゼロクリアする等の所定の初期化処理の後、前述の分岐点・合流点抽出処理により記憶された経路分岐点および経路合流点をメモリ22の作業領域等から読み出すと、まずステップS501により、経路分岐合流点直後の先頭の道路リンクのリンクIDを当該道路リンクデータ23aに基づいて取得する処理が行われる。即ち、ステップS501では、当該経路分岐合流点から見て車両の進行方向に最初に現れる道路リンクデータ23aに付与されたリンクIDを取得する処理が行われる。
続くステップS503では、現在時刻に経路所要時間を加算した時刻におけるリンク所要時間を取得する処理が行われる。即ち、ステップS503では、当該道路リンクデータ23aに付与されている時間帯ごとの予測コストデータに基づいて、当該道路リンクの道路を当該車両が通過する時刻(現在時刻に経路所要時間を加算した時刻)に対応した予想コストデータを参照し、当該道路リンクの所要時間を取得する。例えば、図5(B) に示すように、当該道路リンクデータ23aのリンクID「1」で、当該車両がこの道路リンクを0時20分に通過する場合には、当該道路リンクの通行所要時間として予想コスト「17」(17分間)を得ることができる。なお、現在時刻は、CPU21に内蔵された時計21aにから取得される。
次のステップS505では、経路所要時間にリンク所要時間を加算する処理が行われる。即ち、ステップS503により取得された当該道路リンクの所要時間を経路所要時間に加算することによって、経路分岐点を通過してから当該道路リンクを通過するまでに要する時間を算出する処理を行う。
ステップS507では、次の道路リンクがないか否かを判断する処理が行われる。即ち、次に続く道路リンクデータ23aがないと判断された場合には(S507でYes)、目的地に到着したことになるので、続くステップS509により当該経路所要時間を当該探索経路の所要時間に関するデータとしてメモリ22の作業領域等に記憶する処理を行う。なおこのような場合は、例えば、図6(A) や図6(B) に示すように、経路合流点βが目的地Gと重なる場合である。
一方、次に続く道路リンクデータ23aがないと判断できない場合には(S507でNo)、次に続く道路リンクデータ23aが存在するので、ステップS511により次の道路リンクのリンクIDを当該次の道路リンクデータ23aに基づいて取得する処理を行う。そして、前述したステップS505により経路所要時間にリンク所要時間を加算する処理を行う。
このようにステップS507により次の道路リンクがないと判断されるまで処理を続けることにより、経路分岐点から目的地に到るまでに要する当該車両の移動時間、つまり経路分岐点から目的地までの所要時間を算出することができる。
なお、ステップS507による判断処理を「当該道路リンクは経路合流点に接続されているか否かを判断する」処理に変更しても良い。これにより、経路分岐点から経路合流点に到るまでに要する当該車両の移動時間、つまり経路分岐点から経路合流点までの経路所要時間を本所要時間算出処理によって算出することができるので、例えば図6(C) に示すように、経路合流点βが目的地Gと重ならない場合について適用することができる。
このようにして一連の本所要時間算出処理が終了すると、呼出し元のナビゲーションプログラムによる処理(図2)に処理を戻す。ここで再び図2を参照すると、次のステップS113では出力データを作成・出力する処理が行われる。この処理は、前述した出力データ作成・出力プログラム22gにより行われるもので、具体的には図4(C) に示す出力データ作成・出力処理によって行われる。次に図4(C) を参照して出力データ作成・出力処理を説明する。
図4(C) に示すように、出力データ作成・出力プログラム22gによる出力データ作成・出力処理は、所定の初期化処理の後、前述の所要時間算出処理により記憶された各探索経路の所要時間に関するデータをメモリ22の作業領域等から読み出すと、読み出した各探索経路ごとの所要時間に関するデータを図5(C) に示すような形式に編集する処理がステップS601により行われる。
例えば、複数経路として2本の探索経路が複数経路探索プログラム22cによる複数経路探索処理により探索されていた場合には、1本目の探索経路について経路名称判定プログラム22eの経路名称判定処理(図4(A) )により出力された道路名称(経路の名称)「首都高速道路内回り」と、所要時間算出プログラム22fの所要時間算出処理(図4(B) )により出力された所要時間「35分」とを連結して探索経路「1」に関するデータとして編集し、同様に、2本目の探索経路について同経路名称判定処理により出力された道路名称「首都高速道路外回り」と、同所要時間算出処理により出力された所要時間「45分」とを連結して探索経路「2」に関するデータとして編集する処理を行う。
そして、ステップS603により当該車両が経路分岐点の付近に到達したか否かを、GPSセンサ31等から出力される現在位置データに基づいて判断する処理を行う。「経路分岐点の付近」とは、例えば、経路分岐点から50m以上300m以下の距離範囲のことをいう。
当該車両が、経路分岐点に到達していると判断できれるまで待ち(S603でNoの場合は再度ステップS603に戻る)、到達したと判断した場合(S603でYes)、ステップS601で編集済みのデータを出力する処理を行う。当該データの出力先としては、例えばディスプレィ26や音源ユニット28等で、ディスプレィ26であれば例えば図7に示すような画面表示を行い、音源ユニット28であれば例えば「首都高速内回りは35分かかります。また首都高速外回りは45分かかります。」等の内容の音声案内を行う。
なお、複数経路として2本ではなく、例えば5本の探索経路が複数経路探索プログラム22cによる複数経路探索処理により探索されていた場合には、ステップS601により、例えば図5(D) に示すように、5本分の探索経路についてデータ編集処理を行う。これにより、図5(C) に示す探索経路が2本の場合に比べて、道路名称「環状7号線」については所要時間「1時間20分」、また道路名称「環状8号線」については所要時間「2時間」、さらに道路名称「明治通り」については所要時間「2時間30分」といった様々な分岐経路の名称をその所要時間に関する情報を得ることができる。
このように本ナビゲーション装置20では、車両の現在位置から目的地までの最短の主要道路を複数本探索し、当該車両がそれらの経路分岐点に接近すると、図7に示すような当該主要道路に関する時間的な経路情報をディスプレィ26等に出力する。これにより、例えば渋谷から首都高速道路を利用して千葉方面に向かう場合、首都高速道路の外回りと内回りではどちらが早いか、という経路情報を知りたいときには、ナビゲーション装置20の利用者は、例えば図7に示す表示例によって首都高速道路の内回りの方が外回りよりも10分程度早く到着できそうであることがわかる。この場合、例えば目的地までの所要時間で比較して、外回りでの所要時間2時間10分、内回りでの所要時間2時間15分と表示されるよりも、合流地点である箱崎まで外回り45分、内回り35分、と表示される方が、利用者にとっては経路の違いによる所要時間の差異をより明確に把握することができる。
以上説明したように本実施形態に係るナビゲーション装置20によると、GPSセンサ31、入力プログラム22b等(S101)により車両の現在位置情報を取得し、入力プログラム22b(S103)により車両の目的地情報を取得し、複数経路探索プログラム22c(S105)により道路情報データベース23に記憶された道路リンクデータ23aのうち、当該道路リンクの属性が主要道路であるものに基づいて現在位置から目的地まで経路を複数本、探索する。そして、分岐点・合流点抽出プログラム22d(S107)により複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出し、図6(A) または図6(B) に示すように所要時間算出プログラム22f(S111)により車両が経路分岐点から目的地に到達するまでの所要時間を2本の経路ごとに算出し、出力データ作成・出力プログラム22g(S603)により車両の現在位置情報に基づいて車両が経路分岐点の付近(経路分岐点から50m〜300m)に到達したと判断した場合(S603でYes)、少なくとも2本の経路ごとに所要時間に関する情報および経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報を出力データ作成・出力プログラム22g(S605)、ディスプレィ26、音源ユニット28により出力する。これにより、探索される複数の経路はいずれも主要道路であるから、経路分岐点の付近に当該車両が到達すると、細街路ではない少なくとも2本の主要道路ごとに所要時間に関する情報を出力手段により出力することができる。したがって、主要道路を利用した複数の経路を提示可能な情報を出力することができる。このため、利用者は、当該経路分岐点に到達する前に、主要道路を利用した複数の経路に関する時間的な情報の提供を受けられるので、次にどの主要道路を進めば効率的であるかを知ることができる。また利用者に、細街路と主要道路との判別を強いることもなくなり、交通安全上の安心感を与えられる。
また、本ナビゲーション装置20によると、GPSセンサ31、入力プログラム22b等(S101)により車両の現在位置情報を取得し、入力プログラム22b(S103)により車両の目的地情報を取得し、複数経路探索プログラム22c(S105)により道路情報データベース23の道路リンクデータ23aに基づいて現在位置から目的地まで経路を複数本、探索する。そして、分岐点・合流点抽出プログラム22d(S107)により複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出し、図6(C) に示すように所要時間算出プログラム22f(S111)により車両が経路分岐点から経路合流点に到達するまでの所要時間を2本の経路ごとに算出し、出力データ作成・出力プログラム22g(S603)により車両の現在位置情報に基づいて車両が経路分岐点の付近(経路分岐点から50m〜300m)に到達したと判断した場合(S603でYes)、少なくとも2本の経路ごとに所要時間に関する情報を出力データ作成・出力プログラム22g(S605)、ディスプレィ26、音源ユニット28により出力する。これにより、少なくとも2本の経路が一部で重複しているその経路分岐点の付近に当該車両が到達すると、当該少なくとも2本の経路ごとに所要時間に関する情報を例えばディスプレィ26や音源ユニット28により出力することができる。したがって、複数の経路についていずれの経路を進行すれば効率的に移動できるかといった時間的な情報をディスプレィ26等に出力することができる。このため、利用者は、当該経路分岐点に到達する前に当該複数の経路に関する時間的な情報の提供を受けられるので、次にどの経路を進めば効率的であるか、つまりいち早く目的地に到着できるかを知ることができる。
さらに、本実施形態に係るナビゲーション装置20によると、道路情報データベース23に記憶される道路リンクデータ23aには、当該道路リンクが主要道路か否かの属性(幅員が5mを超えるものは主要道路)および当該道路リンクの名称が含まれる。そして、複数経路探索プログラム22c(S105)により、道路情報データベース23に記憶された道路リンクデータ23aのうち、当該道路リンクの属性が主要道路であるものの中から、複数の経路を探索し、ディスプレィ26等により、経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報を出力する。これにより、探索される複数の経路はいずれも主要道路であるから、経路分岐点の付近に当該車両が到達すると、細街路ではない少なくとも2本の主要道路ごとに所要時間に関する情報をディスプレィ26等により出力することができる。したがって、主要道路を利用した複数の経路を提示可能な情報を出力することができる。このため、利用者は、当該経路分岐点に到達する前に主要道路を利用した複数の経路に関する時間的な情報の提供を受けられるので、次にどの主要道路を進めば効率的であるかを知ることができる。また利用者に細街路と主要道路との判別を強いることもなくなり交通安全上の安心感を与えられる。
なお、本実施形態に係るナビゲーション装置20では、図2に示すナビゲーションプログラムによる処理の変形例として、ステップS101とステップS103との間に、図8に示す属性判断処理を追加して以下の処理を行っても良い。
即ち、図2に示すステップS101により当該車両の現在位置情報を取得した後、図8に示すステップS701により、GPSセンサ31等から出力される当該車両の現在位置情報に基づいて当該車両が現在位置する道路の道路リンクデータ23aの属性情報を取得し、同図のステップS703により当該道路リンクデータ23aの属性情報が主要道路を示すものであるか否かを判断し、当該車両の現在位置する道路が主要道路であると判断した場合には(S703でYes)、同図のステップS705により当該主要道路に沿って車両進行方向の所定距離前方(例えば、5km、10km、50kmといった当該車両の現在位置から車両進行方向に十分に離れた距離)を目的地として目的地情報を設定する。そして、このように自動的に設定された目的地情報を図2に示すステップS103により取得する。これにより、当該車両が主要道路上を走行している場合には、車両進行方向の所定距離前方を目的地に自動的に設定することができる。したがって、当該車両が主要道路から逸脱しても、目的地の設定操作を利用者に要求することなく、当該主要道路に合流可能な経路情報を出力することができる。このため、利用者は、当該主要道路上のどこかを目的地として設定する操作を行うことなく、当該主要道路に戻るための経路情報の提供を受けることができる。
なお、以上説明した本実施形態に係るナビゲーション装置20によるナビゲーションプログラムは、技術的思想として把握すると、次のように表現することもできる。
(1) 「車両の出発地から目的地までの経路を探索し、当該経路に関する情報を出力するコンピュータを、車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段、前記車両の目的地情報を取得する目的地情報取得手段、道路情報データベースに記憶された実際の道路網に関する道路リンクデータに基づいて前記現在位置から前記目的地まで経路を複数本、探索する経路探索手段、前記複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出する経路分岐合流点抽出手段、前記車両が前記経路分岐点から前記経路合流点に到達するまでの所要時間を前記2本の経路ごとに算出する所要時間算出手段、前記車両の現在位置情報に基づいて前記車両が前記経路分岐点の付近に到達したか否かを判断する車両現在位置判断手段、前記車両が前記経路分岐点の付近に到達したと判断した場合に前記少なくとも2本の経路ごとに前記所要時間に関する情報を出力装置に出力するように制御する出力制御手段、として機能させるためのプログラム、を含むことを特徴とするナビゲーションプログラム。」と表現することができる。
つまり、このナビゲーションプログラムでは、現在位置情報取得手段により車両の現在位置情報を取得し、目的地情報取得手段により車両の目的地情報を取得し、経路探索手段により道路情報データベースの道路リンクデータに基づいて現在位置から目的地まで経路を複数本、探索する。そして、経路分岐合流点抽出手段により複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出し、所要時間算出手段により車両が経路分岐点から経路合流点に到達するまでの所要時間を2本の経路ごとに算出し、車両現在位置判断手段により車両の現在位置情報に基づいて車両が経路分岐点の付近に到達したと判断した場合、少なくとも2本の経路ごとに所要時間に関する情報を出力装置に出力するように出力制御手段により制御する。
これにより、少なくとも2本の経路が一部で重複しているその経路分岐点の付近に当該車両が到達すると、当該少なくとも2本の経路ごとに所要時間に関する情報を出力手段により出力することができる。したがって、複数の経路についていずれの経路を進行すれば効率的に移動できるかといった時間的な情報を出力装置に出力するように出力制御手段により制御することができる。このため、利用者は、当該経路分岐点に到達する前に当該複数の経路に関する時間的な情報の提供を受けられるので、次にどの経路を進めば効率的であるか、つまりいち早く目的地に到着できるかを知ることができる。
(2) また、「車両の出発地から目的地までの経路を探索し、当該経路に関する情報を出力するコンピュータを、車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段、前記車両の目的地情報を取得する目的地情報取得手段、実際の道路網に関する道路リンクデータを記憶するとともに各道路リンクごとに当該道路リンクが主要道路か否かの属性および当該道路リンクの名称を記憶する道路情報データベース、前記道路情報データベースに記憶された道路リンクデータのうち当該道路リンクの属性が前記主要道路であるものに基づいて前記現在位置から前記目的地まで経路を複数本、探索する経路探索手段、前記複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出する経路分岐合流点抽出手段、前記車両が前記経路分岐点から前記目的地に到達するまでの所要時間を前記2本の経路ごとに算出する所要時間算出手段、前記車両の現在位置情報に基づいて前記車両が前記経路分岐点の付近に到達したか否かを判断する車両現在位置判断手段、前記車両が前記経路分岐点の付近に到達したと判断した場合に前記少なくとも2本の経路ごとに前記所要時間に関する情報および前記経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報を出力装置に出力するように制御する出力制御手段、として機能させるためのプログラム、を含むことを特徴とするナビゲーションプログラム。」と表現することができる。
つまり、現在位置情報取得手段により車両の現在位置情報を取得し、目的地情報取得手段により車両の目的地情報を取得し、経路探索手段により道路情報データベースに記憶された道路リンクデータのうち、当該道路リンクの属性が主要道路であるものに基づいて現在位置から目的地まで経路を複数本、探索する。そして、経路分岐合流点抽出手段により複数本の経路のうち少なくとも2本の経路が一部で重複しており当該重複した経路から分岐する経路分岐点および当該分岐した少なくとも2本の経路同士が再び合流する経路合流点を抽出し、所要時間算出手段により車両が経路分岐点から目的地に到達するまでの所要時間を2本の経路ごとに算出し、車両現在位置判断手段により車両が経路分岐点の付近に到達したと判断した場合、少なくとも2本の経路ごとに、所要時間に関する情報および経路分岐点から分岐する経路の道路リンクの名称に関する情報を出力装置に出力するように出力制御手段により制御する。
これにより、探索される複数の経路はいずれも主要道路であるから、経路分岐点の付近に当該車両が到達すると、細街路ではない少なくとも2本の主要道路ごとに所要時間に関する情報を出力装置に出力するように出力制御手段により制御することができる。したがって、主要道路を利用した複数の経路を提示可能な情報を出力装置に出力することができる。このため、利用者は、当該経路分岐点に到達する前に、主要道路を利用した複数の経路に関する時間的な情報の提供を受けられるので、次にどの主要道路を進めば効率的であるかを知ることができる。また利用者に、細街路と主要道路との判別を強いることもなくなり、交通安全上の安心感を与えられる。
また、以上説明した実施形態では、本願発明のナビゲーション装置を車両搭載型のナビゲーション装置20に適用した例を挙げて説明したが、本発明はこれに限られることはなく、例えば、車両搭載型のナビゲーション装置にナビゲーション情報(または経路案内情報)を提供する情報センタ(例えば図1に示す情報センタ50)に適用することもできる。この場合には、当該情報センタは、「現在位置情報取得手段」や「目的地情報取得手段」として車両搭載型のナビゲーション装置から無線送信されてくる現在位置情報および目的地情報を受信可能な無線受信装置を備え、また「出力手段」として車両搭載型のナビゲーション装置に対して所要時間に関する情報を無線送信可能な無線送信装置を備え、これ以外の「道路情報データベース」、「経路探索手段」、「経路分岐合流点抽出手段」、「所要時間算出手段」、「車両現在位置判断手段」および「属性判断手段」については前述のナビゲーション装置20と同様のコンピュータを備える構成を採る。これにより、情報センタとしても車両搭載型のナビゲーション装置に対して所要時間に関する情報を提供することができ、ナビゲーション装置20による作用および効果と同様の作用を得られ、それによる効果を奏することができる。さらに前述の(1) および(2) によるナビゲーションプログラムを当該情報センタのコンピュータに実行させることにより、前記(1) および(2) と同様の作用を得られ、それによる効果を奏することもできる。