JP4600039B2 - 耐レトルト密着性に優れた絞りしごき缶被覆用フィルム - Google Patents
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Description
上記2.の方法において、環状三量体の含有量の少ないポリエステルを製造する方法も限定されず、固相重合法;重合後、減圧加熱処理により、あるいは水または有機溶剤による抽出により環状三量体を抽出除去する方法;及びこれらの方法を組合わせた方法などが挙げられる。特に、固相重合法により環状三量体含有量の少ないポリエステルを製造した後、得られたポリエステルを水で抽出してさらに環状三量体を低減させる方法は、フィルム形成工程での環状三量体の生成量が押さえられるので最も好ましい。
ポリイソシアネートは上述のポリイソシアネートであるが、トリフェニルメタントリイソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネートを用いることも出来る。
フィルムと金属板との密着強度は以下のように行う。
1.フィルムラミネート金属板の作製
220℃に予熱した金属板に、上記で作製したポリエステル積層フィルムのポリエステルC層が金属板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、10〜40℃の水槽中で急冷し、フィルムがラミネートされた金属板を得た。
2.リメルト処理(再溶融処理)
フィルムラミネート金属板を、270℃で加熱した後空冷し、更に水中急冷して、リメルト金属板を作製した。
3.レトルト処理(沸水処理)
リメルト金属板を、1.8kgの圧力下で125℃×30min間の沸水処理を行った後空冷し、更に水中急冷して、レトルト処理金属板を作製した。
4.密着強度
リメルト金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出した。これをきっかけとして、フィルム/金属板を剥離する。充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mmにて剥離強度を測定した。
本発明のフィルムラミネート金属容器には、必要に応じて印刷等を施してもよく、また製缶工程・印刷工程等の後、再リメルト処理を行ってもかまわない。
ポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して
得たサンプル10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃ /分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とし昇温結晶化時の頂点温度をTC(℃)とした。
ラミネート金属板を絞り加工によってカップに成形した後、180缶/分の速度で再絞り・しごき加工によって300缶連続製缶し、成形缶上部に起る座屈程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈未発生
△:缶開口部円周の約1/3に座屈発生
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生
製缶品を、1.8kgの圧力下で125℃×30min間の沸水処理を行った後空冷し、更に水中急冷し、缶体胴壁部内外面樹脂浮き発生程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:浮き未発生
△:約1/3に浮き発生
×:1/3以上に激しい浮き発生
リメルトアルミ板を1.8kgの圧力下で125℃×30min間の沸水処理を行った後空冷し、更に水中急冷して、レトルト処理アルミ板を得た。レトルト処理板から、希塩酸によってアルミニウム金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出した。これをきっかけとして、フィルム/アルミ金属板を剥離する。
充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mmにて剥離強度を測定した。
真空乾燥機にて終夜乾燥させた被覆用フィルム試料にイオンプラズマエッチング処理を行い、ベースフィルムのA,B層中に含有されている不活性粒子を露出させた。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、粒子の大きさにあわせて適宜倍率を変え写真撮影を行った。少なくとも100点以上の粒子の円相当径を画像処理装置にて求め、粒子の個数で除して個数基準の平均粒子径(μm)を求めた。写真撮影された粒子のコントラストが弱い場合には、OHPフィルムに粒子の輪郭を極細マジックペンでトレースし、該トレース像を画像処理装置にて粒子の円相当径を求めた。
また、ポリエステルに粒子を添加する前の紛体状態の粒子は、SEM試料台に両面テープを張り、その上に紛体を薄くのせ、カーボン蒸着後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、粒子の大きさにあわせて適宜倍率を変え写真撮影を行った。少なくとも100点以上の粒子の円相当径を画像処理装置にて求め、粒子の個数で除して個数基準の平均粒子径(μm)を求めた。
サンプル約5mgを重クロロホルムとトリフルオロ酢酸の混合溶液(9/1;体積比)0.7mlに溶解し、1H−NMR(varian製、UNITY50)を使用して求めた。
〔積層ポリエステルフィルムの作製〕
ポリエステル:PET/PET−Iの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物Aを用いた。
次に水分散型ポリウレタン樹脂組成物の製造方法としては、多価カルボン酸成分としてアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA−プロピレングリコール付加物から生成された共重合ポリエステル50重量部、ジメチロールプロピオン酸7.5重量部、トルエンジイソシアネート42.5重量部の混合物を80℃で反応させて、イソシアネート基5.5%のウレタンプレポリマーを得た。これをアセトン460重量部に溶解した溶液に中和剤としてトリエチルアミン5.5重量部を添加したのち200重量部の水を投入し、鎖延長剤としてピペラジン6.6部を加え反応を終了させたのち、50℃に加熱しながらアセトンを減圧除去し得られた水分散型ポリウレタン樹脂組成物を用いた。
この未延伸シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸し、さらにテンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、コート層厚みが40nmとなるように調整したコート液をコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
予熱したアルミ板の両面に、上記で作製したポリエステルフィルムの水分散型高分子ウレタン樹脂層がアルミ板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、熱処理を行い、直後に10〜40℃の水槽中で急冷し、両面にフィルムがラミネートされたアルミ板を得た。ラミネート時には、初期密着性や張力変動、ニップロールへの巻付け等もなく、本実施例の積層フィルムのラミネート適性は良好であった。
次に該フィルムラミネートアルミ板を、270℃で加熱した後空冷し更に水中急冷して、リメルトアルミ板を作製した。
上記で作製したリメルトアルミ板を、板厚減少率30%となるように、絞りしごき成形を行なって、フィルムラミネート金属容器を成形した。成形時には、フィルムの剥離や破れはなく、金型との離型性等もよく、また熱処理後の急冷時にもフィルムの白化による外観変化はなかった。
さらに外面を印刷した後、ニスを塗布し、加熱硬化後、冷風で急冷した。
このようにして成形した容器に飲料を充填し、タブの付いた蓋を巻き締め接合後、120℃で30分間温水処理をして、2ピース飲料缶を製造した。
できた飲料缶は、レトルト処理時の密着性、製缶性に優れ、また飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。
ポリエステル:PET/PET−Iの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物を用いた。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、コート層厚みが10nmとなるように調整したコート液をコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準ずる。
できた飲料缶は、実施例−1と同様に、レトルト処理時密着性、製缶性に優れ、飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。
ポリエステル:PET/PET−Iの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物を用いた。
この未延伸シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、コート層厚みが40nmとなるように調整したコート液(東洋紡製 バイロナールMD1200)をコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準ずる。
できた飲料缶は、製缶性・耐衝撃性は高いものの、レトルト処理時の密着性において、実施例での品質には及ばなかった。
ポリエステルA層:PET/PBTの重量比率が40/60重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物を用いた。
この未延伸シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、コート層厚みが40nmとなるように調整したコート液(東洋紡製 バイロナールMD1200)をコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準ずる。
できた飲料缶は、製缶性・耐衝撃性は高いものの、レトルト処理時の密着性において、実施例での品質には及ばなかった。
Claims (6)
- エチレンテレフタレート成分およびエチレンイソフタレート成分からなる共重合ポリエステルを主体とする、融点220〜240℃、ガラス転移点60〜80℃のポリエステルフィルムと金属板との熱ラミネート板において、該フィルムの金属板との接着面側に多価カルボン酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸及びアジピン酸であり、多価アルコール成分がエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びビスフェノールA−プロピレングリコール付加物であるポリエステルポリオールとポリイソシアネートと1分子中に少なくとも1個のイオン形成性基と2個以上のイソシアネート反応性基とを有する化合物との反応生成物である水分散型高分子ウレタン樹脂がコートされており(以下コート樹脂層)、且つ該フィルムの融点以上の温度で再溶融し(以下リメルト処理)、更にレトルト処理した後の該フィルムと金属板の密着強度が18N/15mm以上である事を特徴とする絞りしごき缶被覆用フィルム。
- 請求項1記載の絞りしごき缶被覆用フィルムであって、該コート層樹脂の厚みが5nmから50nmの範囲に入る事を特徴とする絞りしごき缶被覆用フィルム。
- 請求項1〜2に記載のポリエステルフィルムが、不活性粒子を0.05〜1.0重量%含有し且つポリエステルとは非相溶のワックスを0.01〜0.15重量%含有する事を特徴とする絞りしごき缶被覆用フィルム。
- 請求項1〜3に記載のポリエステルフィルムが、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有することを特徴とする絞りしごき缶被覆用フィルム。
- 請求項1〜4に記載の絞りしごき缶被覆用フィルムを金属板に被覆したことを特徴とする絞りしごき缶用金属板。
- 請求項5記載の絞りしごき缶用金属板を製缶してなることを特徴とする絞りしごき缶。
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