JP4591057B2 - 絞りしごき缶被覆用フィルム、絞りしごき缶用金属板及び絞りしごき缶 - Google Patents

絞りしごき缶被覆用フィルム、絞りしごき缶用金属板及び絞りしごき缶 Download PDF

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Description

本発明は絞りしごき缶被覆用フィルム、特に、絞りしごき缶の表面被覆に好適に用いられる絞りしごき缶被覆用フィルムに関する。さらに、絞り・しごき加工などの製缶加工性及び耐レトルト処理性に優れ、かつ、耐衝撃性にも優れた絞りしごき缶用金属板及び該絞りしごき缶用金属板を製缶して得られた絞りしごき缶に関する。
従来、金属缶内壁面及び外壁面の腐食防止方法として、熱可塑性樹脂フィルムを金属缶内壁面及び外壁面にラミネートする方法がある。例えば、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に架橋高分子粒子を含有する共重合ポリエステルからなる層を積層した、金属ラミネート用ポリエステルフィルムが知られている。
かかるポリエステルフィルムは耐スクラッチ性に優れていて、例えば、金属板を円筒成形し、この円筒の上下開口部分に蓋体を巻締め加工するという製缶工程において、フィルムがラミネートされた金属板(以下、「フィルムラミネート金属板」という)を移送するときや、巻締め加工などによりフィルムラミネート金属板を加工するときに、スクラッチ傷が発生したりして、商品価値を低下せしめるということがない。
また、このフィルムは巻締め加工時の耐性に優れ、かつ製缶後に食品を充填後、レトルト処理などの加熱温水処理を行ったときのオリゴマー溶出量が少ないので、金属容器の内壁面にラミネートするポリエステルフィルムとして優れている。(例えば、特許文献1参照)
特開平7―227946号公報
ところで、食品用缶には、金属板を円筒成形してなる金属円筒の上下開口部に蓋体を取り付けてなる、いわゆる3ピース缶の他に、金属板を深絞り成形して容器部を形成し、この容器部の上面開口部に蓋体を巻締め加工してなる、いわゆる2ピース缶がある。
3ピース缶の場合には、フィルムラミネート金属板は円筒状に成形されるだけであるが、2ピース缶の場合には、フィルムラミネート金属板は、絞りしごき成形されることになる。従って2ピース缶に適用できるためには、金属板の成形に追随して成形されるという良好な成形性を有し、金属板に対する密着性が優れている必要がある。成形性が不十分であったり、金属板に対するフィルムの密着性が不十分な場合には、フィルムが金属板から剥がれるという、いわゆるデラミネート現象が起こったり、2ピース缶の容器部の作製時にフィルムが破れてしまったり等するからである。
さらに、絞り加工では、ポンチの下降上昇を繰返しながらフィルムラミネート金属板を容器状に加工していくので、容器内壁面側にラミネートされるフィルムの場合にはポンチとの離型性、同様に容器外壁面の場合にはダイスとの離型性が要求されることになる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、いわゆる3ピース缶用のラミネートフィルムとしてだけでなく2、ピース缶用のラミネートフィルムとして適用できる、製缶における成形加工性に優れ、かつ、低温保管時や移送時の耐衝撃性に優れた絞りしごき缶被覆用フィルム、絞り・しごき加工などの製缶加工性にも優れた絞りしごき缶用金属板及び該絞りしごき缶用金属板を製缶して得た耐レトルト処理性、耐衝撃性に優れた絞りしごき缶を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、ポリエステルフィルムの片面に水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層を形成してなる絞りしごき缶被覆用フィルムであって、該樹脂塗布層と金属板との密着強度が18N/15mm以上であることを特徴とする。
ここで、密着強度とは、絞りしごき缶被覆用フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層面と金属板とを熱ラミネートした後冷却し、得られたラミネート金属板をフィルムの融点以上の温度で再溶融(以下、リメルトということがある)した後冷却してリメルト金属板を得、ついでレトルト処理して得たレトルト処理金属板の、ポリエステルフィルムと金属板との間の剥離強度(N/15mm)をいう。
この場合において、水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層厚みが5〜25nmであることが好適である。
また、水分散型共重合ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃以上であることが好適である。
また、ポリエステルフィルムがA層及びB層からなり、B層表面に水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層を形成したものであることが好適である。
また、B層を形成するポリエステルを構成する全酸成分の2〜15mol%がダイマー酸であることが好適である。
また、絞りしごき缶用金属板が、上記絞りしごき缶被覆用フィルムを金属板に被覆して得たものであることを特徴とする。
また、絞りしごき缶が、上記絞りしごき缶用金属板を製缶して得たものであることを特徴とする。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、3ピース缶用のラミネートフィルムとしてだけでなく2ピース缶用のラミネートフィルムとして使用した場合でも、金属との密着性や成形加工性及び意匠性に優れ、低温で衝撃を受けた際の耐衝撃性にも優れ、また、絞りしごき缶用金属板は、絞り・しごき加工などの製缶加工性及び耐レトルト処理性、耐衝撃性にも優れ、さらに、絞りしごき缶は、耐レトルト処理性、耐衝撃性にも優れる。
以下、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルム、絞りしごき缶用金属板及び絞りしごき缶を具体的に説明する。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するポリエステルは特に限定はされないが、テレフタル酸・グリコール系ポリエステルからなるのがよく、テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などをあげることができる。また、グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコールなどをあげることができる。本発明のフィルムを形成するポリエステルとしては、結晶性のポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート又は結晶性のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートを20〜80/80〜20重量%の割合で構成させることが好ましい。ポリブチレンテレフタレート乃至はポリエチレンイソフタレートの比率が20重量%未満であると製缶工程において製缶時の延展性不良が発生する傾向があり、80重量%を超えると融解ピークが200℃未満となり製缶性が損なわれる傾向があり、かつ、製膜・原料コストの面からも経済的ではないからである。
また、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するポリエステルの融解ピークは200℃〜250℃の範囲内に存在することが好ましい。融解に伴う吸熱ピークの頂点温度が200℃未満であると製缶性が損なわれ、250℃を超える場合はポリエステルフィルムを2層構成にしたときに溶融押出し時のバランスが崩れ製膜性が低下するため、共に好ましくない。また、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度は複数個存在してもよく、達成の手段としては、溶融押出し時のエステル交換反応を抑制することなどをあげることができる。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するフィルムを形成するポリエステルの極限粘度は、0.6〜1.2の範囲であることが好ましい。ポリエステルの極限粘度が0.6未満の場合には、得られるフィルムの力学特性が低下するおそれがあり、1.2を越えても力学特性の効果は変わらず、また原料のポリエステルの生産性も低下するので経済的ではない。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するポリエステルフィルムには滑剤として、不活性無機粒子や架橋高分子粒子等の粒子系滑剤又はワックスを用いることが好ましい。
上記不活性粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化リチウム、硫酸バリウム、カーボンブラック等を用いることが好ましい。
また、上記架橋高分子粒子としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体;メラミン系樹脂;ベンゾグアナミン系樹脂;フェノール系樹脂;シリコン含有系樹脂等が例示できる。
前記粒子系滑剤の平均粒径としては、1〜3μmであるのが好ましい。1μm未満ではポンチ離型性の改良効果が発現できないからである。逆に3μmを越えるとポンチ離型性の向上効果が飽和する一方、摩耗による滑剤の脱落が起こりやすくなったり、金属板とのラミネート時にフィルム破断が起こる場合があるからである。
また、前記のワックスとしてはポリオレフィン系ワックス、ポリエステル系ワックス等の合成ワックス、カルナバワックス等の天然ワックス等が例示できる。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するポリエステルフィルムには、滑剤の量としては0.01〜2重量%の範囲で添加するのが好ましい。これは絞り加工の際に、ポンチとの離型性を確保するために、0.01重量%以上の滑剤量が好ましいからである。一方、2重量%を超える量を含有しても、離型性の効果が変わらず、コスト的に不利になるだけである。
上記ポリエステルフィルムには、上記滑剤の他、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤、非相溶の熱可塑性樹脂などの添加剤を含有さ競ることができる。ポリエステル中に、酸化防止剤を0.01〜1重量%含有することは好ましい実施態様である。
また、エチレンテレフタレート環状三量体をはじめとする環状三量体の含有量は上記ポリエステルフィルム中好ましくは0.7重量%以下である。これは、フィルムにおけるオリゴマーの析出を抑制するためである。後記するように、2ピース缶を製造する場合、本発明を構成するポリエステルフィルムは、フィルムを無配向にするリメルト処理を経た後、絞り加工されることとなる。無配向ポリエステルフィルムでは、配向ポリエステルフィルムよりもオリゴマーが析出しやすい。従って、環状三量体が0.7重量%超含まれていると、例えば、このポリエステルフィルムを金属板にラミネートして得た2ピース缶に飲料を充填し、レトルト処理などの加熱処理を行ったときに、ポリエステルフィルムからオリゴマーが多量に溶出し、さらに、このオリゴマーが食品に移行して、食品の味やフレーバーに対して悪影響を及ぼすことになるからである。
ポリエステルフィルム中のエチレンテレフタレート環状三量体をはじめとする環状三量体の含有量を0.7重量%以下にする方法は特に限定せず、(1)ポリエステルフィルム形成後に、このポリエステルフィルムから水又は有機溶剤で環状三量体を抽出除去する方法、(2)環状三量体の少ないポリエステルを用いて、ポリエステルフィルムを構成する方法などをあげることができる。これらのうち、(2)の方法の方が経済的で好ましい。
上記(2)の方法において、環状三量体の含有量の少ないポリエステルを製造する方法も限定されず、固相重合法;重合後、減圧加熱処理により、あるいは水又は有機溶剤による抽出により環状三量体を抽出除去する方法;及びこれらの方法を組合わせた方法などをあげることができる。特に、固相重合法により環状三量体含有量の少ないポリエステルを製造した後、得られたポリエステルを水で抽出してさらに、環状三量体を低減させる方法は、フィルム形成工程での環状三量体の生成量が押さえられるので最も好ましい。
本発明に用いるポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエステル交換法などの従来より公知の方法により合成される。これらの方法はそれぞれ、回分式及び連続式のいずれの方法で行ってもよい。あるいは、分子量を高めるために固相重合法を用いてもよい。固相重合法は、前述のように環状三量体の含有量を低減する点からも好ましい。このようにして合成されるポリエステルだけからポリエステルフィルムを形成するのが好ましいが、通常のポリエステルと混合してポリエステルフィルムを形成してもよい。また、ポリエステルフィルムが2層以上の積層ポリエステルフィルムである場合は、かかるポリエステルを金属缶に積層したときに一番外側の層(飲食品等の内容物に接する層)を形成するポリエステルフィルム層だけに用いてもよいし、複数の層のいずれにも用いてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは上記で説明したポリエステルからなる単層のフィルムでもよいが、上記のポリエステルからなる樹脂層(A層)の片面に他の樹脂層(B層)を積層したA層/B層の2層構成の積層フィルムであってもよい。その場合、B層側を金属板とラミネートされる側として用いることが好ましい。B層を形成するポリエステルとしては、ダイマー酸を2〜15mol%含むことが好ましい。ここで、ダイマー酸とはオレイン酸等の高級不飽和脂肪酸の二量化反応によって得られ、通常不飽和結合を分子中に有するが、水素添加をして不飽和度を下げたものも使用できる。水素添加をした方が耐熱性や柔軟性が向上するのでより好ましい。また、二量化反応の過程で、直鎖分岐状構造、脂環構造、芳香核構造が生成されるがこれらの構造や量も特に限定されない。
ダイマー酸以外の成分として以下のジカルボン酸成分・グリコール成分を用いることができる。例えば、ジカルボン酸成分として、オルソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,シュウ酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸,マレイン酸,フマル酸、その他オキシカルボン酸,脂環族ジカルボン酸を用いることができる。また、グリコール成分としてはプロパンジオール,ペンタンジオール,ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタンール等の脂環族グリコール、ビスフェンールA,ビスフェノールS等の芳香族グリコールが使用でき、特に好ましくは酸成分としてはイソフタル酸成分、グリコール成分としてはエチレングリコールを用いることが好ましい。
また、ダイマー酸成分としてはポリエステルのジカルボン酸成分中2〜15mol%の範囲で含むことが好ましく、さらに好ましくは4〜10mol%、特に好ましくは4〜6mol%の範囲である。ダイマー酸はフィルムの耐衝撃性を向上させるのに有効である。ダイマー酸の含有量が2mol%未満では、低温(5℃)での耐衝撃性が得られず、フィルムが破れたり、傷が入ったりするからである。一方、ダイマー酸の含有量が15mol%を超えると、製膜性、耐熱性、強度が低下し好ましくないからである。
ポリエステルB層の融解ピークは200〜245℃の範囲にあることが好ましい。特に好ましくは、210〜235℃の範囲である。融解ピークが200℃未満の場合製缶性を損ない、245℃を超えた場合原料のポリエステルの生産性も落ちるので経済的ではない。
なお、ポリエステルB層を構成するポリエステルの合成方法として従来の方法を使用できること、上記要件を満たす範囲内でポリエステル組成物に必要に応じて他の添加剤が含有され得ること、ポリエステル組成物の極限粘度等について、ポリエステルA層の場合と同様である。
次に、水分散型共重合ポリエステル樹脂について説明する。本発明の水分散型共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が40℃以上、好ましくは40〜60℃であり、かつ、いわゆるコーティングにより5〜25nmの厚みに制御されてなることが好ましい。塗布層厚みが5nm以下では塗布層がいわゆる膜割れを起こし、適正な樹脂膜を形成できず、25nmを超えてると該リメルト板のレトルト処理時に、剥がれ・浮きなどが起こり品質上好ましくないからである。このコーティング処理は、製膜中(インライン)の延伸膜でも製膜後(オフライン)のフィルムに処理してもどちらでもよい。水分散型共重合ポリエステル樹脂とはそれ自身は水には不溶であるが、水系溶媒に分散又は溶解することができる共重合ポリエステル樹脂である。具体的には分子内に親水性基を有するモノマー成分を共重合した共重合ポリエステル樹脂をあげることができる。このような共重合ポリエステル樹脂を用いることにより金属板との優れた密着強度を実現することができる。
また、有機溶剤を使用しないことにより、人体や環境への悪影響を低減することができる。本発明の水分散型共重合ポリエステル樹脂としては、親水性基を有するモノマー成分を共重合したポリエステル樹脂をあげることができる。親水性基とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基又は、それらの誘導体や金属塩基、エーテル基等であり、これらの基を分子内に含むモノマーを共重合し、水に分散可能な状態で存在するものである。親水性基を含むモノマーとしては、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のスルホン酸含有モノマーの金属塩等をあげることができる。
また、共重合ポリエステルに、親水性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合させる方法がある。上記親水性基を有するビニル系モノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド基等を含むもの、親水性基に変化させることができる基としては酸無水物基、グリシジル基、クロル基などを含むものをあげることができる。なかでもカルボキシル基を有するものが好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びそれらの塩等のモノマーである。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、特に、レトルト処理した後の該フィルムと金属板のとの間の密着強度が18N/15mm以上、好ましくは18〜25N/15mmであることが好適である。レトルト処理後の密着強度が、18N/15mm未満であると、浮き・剥がれが発生しやすくなる。また、25N/15mm以上であっても、製缶性に変化はないからである。
本発明において、ポリエステルフィルムと金属板との間の密着強度は、絞りしごき缶被覆用フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層面と金属板とを熱ラミネートした後冷却し、得られたフィルムラミネート金属板をフィルムの融点以上の温度で再溶融した後冷却してリメルト金属板を得、ついでレトルト処理して得たレトルト処理金属板の、剥離強度(N/15mm)である。
フィルムと金属板との密着強度の測定は以下のようにして行う。
(1)フィルムラミネート金属板の作製
220℃に予熱した金属板に、絞りしごき缶被覆用フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層面と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、10〜40℃の水槽中で急冷し、フィルムがラミネートされたフィルムラミネート金属板を得た。
(2)リメルト処理(再溶融処理)
上記フィルムラミネート金属板を、270℃で加熱した後空冷し、さらに、水中急冷して、リメルト金属板を作製した。
(3)レトルト処理(加圧沸水処理)
上記リメルト金属板を、1.8kgの圧力下で125℃×30min間の沸水処理を行った後空冷し、さらに、水中急冷して、レトルト処理金属板を作製した。
(4)密着強度
上記レトルト処理金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみの部分を作成した。このフィルムのみの部分をきっかけとして、フィルムと金属板とを剥離する。十分に剥離した後、フィルムが伸びないようにフィルムに補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。このカッティングサンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mmにて剥離強度を測定し、ポリエステルフィルムと金属板との間の密着強度とした。
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、ポリエステルフィルムの片面に水分散型共重合ポリエステル樹脂層が形成されたものである。ポリエステルフィルムがA層/B層の2層構成のポリエステルフィルムである場合は、A又はB層の金属板と接する面に水分散型共重合ポリエステル樹脂が塗布されていればよい。また、A層/B層の積層方法も特に制限はなく、多層押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法等で製造してもよい。
本発明に用いるポリエステルフィルムが積層ポリエステル系フィルムである場合は、A層とB層を形成するポリエステルの層比率は30〜70/70〜30重量%であることが好ましく、特に好ましくは50〜60/50〜40重量%の比率である。B層の比率として30重量%未満では、低温(5℃程度)での耐衝撃性が十分でなく、70重量%を超えると、製膜性、耐熱性が低下するからである。
また、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムを形成するポリエステルフィルムはニ軸延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。ここで、ニ軸延伸法としては、遂次ニ軸延伸、同時ニ軸延伸、それらを組合わせたいずれの方法であってもよい。そして遂次ニ軸延伸の場合は、一般的には縦方向に延伸した後、横方向に延伸する方法が採用されているが、逆の順序で延伸する方法で実施してもかまわない。またニ軸延伸後、熱処理によりポリエステルの配向を固定することが好ましいが、二軸延伸後、熱処理工程を供する前に長手方向及び/又は巾方向に再延伸を行ってもよい。さらに、延伸工程又はその前後において、フィルムの片面又は両面にコロナ放電処理を施すことも何ら制限を受けない。
本発明に用いるフィルムラミネート金属板は、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂層側が金属板側となるようにしてラミネートする。離型性を有するポリエステルフィルム層が絞りしごき缶用金属板の表層を構成することにより、絞り成形時にポンチとの離型性を発揮できるからである。
絞りしごき缶被覆用フィルムの金属板へのラミネート方法は特に限定しない。例えば、ドライラミネート法、サーマルラミネート法などを採用することができる。具体的には例えば220℃に予熱した金属板に、上記で作製した絞りしごき缶被覆用フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂層側が金属板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、10〜40℃の水槽中で急冷固化させることによりラミネートさせる。
また、絞りしごき缶被覆用フィルムの金属板へのラミネートは、金属板の片面だけに行っても、両面に行ってもよい。金属板への両面ラミネートの場合は同時にラミネートしても遂次でラミネートしてもよい。
本発明絞りしごき缶用金属板を2ピース缶に適用する場合、絞りしごき缶被覆用フィルムを金属板とラミネートした後、ポリエステルフィルムの配向を除去するために、フィルムを構成するポリエステルの融点以上で再溶融した後、急冷するというリメルト処理を行うことが好ましい。リメルト処理後のX線観察による配向度は10%以下で、実質的に無配向といえるものである。つまり、ポリエステルが配向状態にある二軸延伸フィルムでは、塑性変形したり、延びにくいため、容器部を形成するための絞り成形工程を行いにくくなり、ひどい場合には、絞りしごき成形時に金属板から剥がれるというデラミネート現象が起こったり、破れたり、削れたりする。一方、実質的にポリエステルが無配向であれば、ラミネートしている金属板の変形に追随できるので、デラミネートや破れ等を生じることなく、2ピース缶のように、金属の塑性変形を伴う成形を行うことができる。
また、本発明の絞りしごき缶は、本発明の二軸延伸タイプ又は無配向タイプの絞りしごき缶用金属板を、絞りしごき成形してなる金属容器であり、その缶の形状は特に限定しない。具体的には、天地蓋を巻き締めて内容物を充填する、いわゆる3ピース缶は勿論、金属板を絞り成形して容器部を形成する2ピース缶などをあげることができる。
本発明の絞りしごき缶を製造するに当たり、本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、金属缶の内壁面側になるように成形してもよいし、外壁面側になるように成形してもよい。但し、2ピース缶の場合には、その絞り加工適正の点から、離型性に優れているポリエステルA層がポンチと接するように、容器内壁面側に用いることが好適である。
なお、絞りしごき成形を行う場合、必要に応じて、ポンチが接触するフィルム表面に、潤滑剤を塗布してもよい。
本発明の絞りしごき缶には、必要に応じて印刷等を施してもよく、また製缶工程・印刷工程等の後、再リメルト処理を行ってもかまわない。
本発明においては金属板として、ティンフリースティール等の表面処理鋼板あるいはアルミニウム板又はアルミニウム合金板あるいは表面処理を施したアルミニウム板又はアルミニウム合金板が使用できる。
本発明においてはポリエステルフィルム上の水分散型共重合ポリエステル樹脂層の厚み(固形分)は5〜25nmの厚みに制御されてなることが好ましい。樹脂層厚みが5nm以下では樹脂層がいわゆる膜割れを起こし、適正な樹脂膜を形成できず、25nmを超えてると該リメルト板のレトルト処理時に、剥がれ・浮きなどが起こり品質上好ましくないからである。
以下、実施例をもとに本発明を説明する。
また、以下に本発明における各種評価方法を示す。
(1)ポリエステルの熱特性
ポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)、昇温結晶化時の頂点温度をTc(℃)、ガラス状に固化した状態から相転移する温度をガラス転移点Tg(℃)とした。
(2)製缶性
リメルトアルミニウム板をn=10で製缶し、成形缶上部に起こる座屈程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈発生なし
△:缶開口部円周の約1/3に座屈発生あり
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生あり
(3)耐衝撃性
リメルトアルミニウム板を製缶して得た缶を280℃で40秒加熱後水中急冷した缶の胴壁中央部より7cm角のサンプルを切り出す。このサンプルの缶外面に相当する面に先端径10mmの重り(600g)を高さ10cmから落して衝撃を付与する。ついで7%の希塩酸を満たしたガラス容器上にサンプルを置き(サンプルの凸部が浸漬する状態で置き)、3日後に凸部の腐食状態を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:凸部の腐食発生なし
×:凸部の腐食発生あり
(4)密着強度
リメルトアルミニウム板を1.8kgの圧力下で125℃×30min間の沸水処理を行った後空冷し、さらに、水中急冷して、レトルト処理アルミニウム板を得た。レトルト処理アルミニウム板から、希塩酸によってアルミニウム金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出した。これをきっかけとして、フィルム/アルミニウム金属板を剥離する。十分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mm/minにてフィルムとアルミニウム金属板との間の剥離強度(N/15mm)を測定し、ポリエステルフィルムと金属板との間のレトルト後密着強度とした。
(5)平均粒径
25mLのガラス瓶にサンプル0.1g、界面活性剤(エマルゲン109P・花王社製)0.3g及び水20gを秤り取り、栓をして5分間振とうし、サンプルの水分散液を調整した。コールターカウンター マルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、測定範囲1.760〜61.20μmの条件で、サンプルの体積中位径を測定し、平均粒径とした。
(6)環状3量体の量
フィルム約100mgを精秤し、HFIP/クロロホルム=2/3(v/v)混合液3mLで溶解した。クロロホルム20mLを加え、メタノール10mLで再沈した。濾過後濃縮乾固し、DMF10mLで再溶解し、遠心濾過した溶液をHPLCに供した。
(7)レトルト後密着性
リメルトアルミニウム板を、板厚減少率30%となるように絞りしごき成形を行って、フィルムラミネート金属容器を成形し、外面を印刷した後、ニスを塗布、加熱硬化し、冷風で急冷した。このフィルムラミネート金属容器に飲料を充填し、タブの付いた蓋を巻き締め接合後、120℃で30分間温水処理をし、得られた2ピース飲料缶の、レトルト処理後のフィルムと金属板との密着性を判定した。
○:フィルムの剥離がない
×:フィルムの剥離があり実用性に欠ける
(実施例−1)
〔積層ポリエステルフィルムの作製〕
ポリエステルA層:PET/PET−Iの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物Aを用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PET(Dia10%PET)が100重量%のポリエステル組成物Bを用いた。
組成物A及び組成物Bを別々の押出機で溶融し、この溶融体をダイ内で合流させた後、押出し急冷して未延伸積層シートを得た。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸し、さらに、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ20μm(ポリエステルA層の厚み10μm、ポリエステルB層の厚み10μm)の二軸延伸積層フィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、塗布層厚み(固形分)が20nmとなるように調整した塗布液(水分散型共重合ポリエステル樹脂:東洋紡績社製バイロナールMD1200)をポリエステルB層側にコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
〔フィルムラミネート金属板の作製〕
予熱したアルミニウム板の両面に、上記で作製したポリエステル積層フィルムの水分散型共重合ポリエステル樹脂層がアルミニウム板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、熱処理を行い、直後に10〜40℃の水槽中で急冷し、両面にフィルムがラミネートされたアルミニウム板を得た。ラミネート時には、初期密着性や張力変動、ニップロールへの巻付け等もなく、本実施例の積層フィルムのラミネート適性は良好であった。次に、該フィルムラミネートアルミニウム板を、270℃で加熱した後空冷しさらに、水中急冷して、リメルトアルミニウム板を作製した。
〔フィルムラミネート金属容器の作製〕
上記で作製したリメルトアルミニウム板を、板厚減少率30%となるように、絞りしごき成形を行って、フィルムラミネート金属容器を成形した。成形時には、フィルムの剥離や破れはなく、金型との離型性等もよく、また熱処理後の急冷時にもフィルムの白化による外観変化はなかった。さらに、外面を印刷した後、ニスを塗布し、加熱硬化後、冷風で急冷した。このようにして成形した容器に飲料を充填し、タブの付いた蓋を巻き締め接合後、120℃で30分間温水処理をして、2ピース飲料缶を製造した。
得られた飲料缶は、レトルト処理時の密着性、製缶性に優れ、また飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。さらに、流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してもフィルムの破れ等はなかった。
(実施例−2)
ポリエステルA層:PET/PBTの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物Aを用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PETを40重量%とPET/PBTの重量比率が30/30重量%のポリエスエルを混合した、ポリエステル組成物Bを用いた。
組成物A及び組成物Bを別々の押出機で溶融させ、この溶融体をダイ内で合流させた後、押出し急冷して未延伸積層シートを得た。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ20μm(ポリエステルA層の厚み10μm、ポリエステルB層の厚み10μm)の二軸延伸積層コーティングフィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、塗布層厚みが20nmとなるように調整した塗布液(水分散型共重合ポリエステル樹脂:東洋紡績社製バイロナールMD1200)をポリエステルB層側にコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準じた。
得られた飲料缶は、実施例−1と同様に、レトルト処理時密着性、製缶性に優れ、飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。さらに、流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してもフィルムの破れ等はなかった。
(比較例−1)
ポリエステルA層:PET/PET−Iの重量比率が50/50重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物Aを用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PET100重量%のポリエステル組成物Bを用いた。
組成物A及び組成物Bを別々の押出機で溶融させ、この溶融体をダイ内で合流させた後、押出し急冷して未延伸積層シートを得た。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ20μm(ポリエステルA層の厚み10μm、ポリエステルB層の厚み10μm)の二軸延伸積層コーティングフィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、塗布層厚み(固形分)が50nmとなるように調整した塗布液(水分散型共重合ポリエステル樹脂:東洋紡績社製バイロナールMD1200)をポリエステルB層側にコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準じた。得られた飲料缶は、製缶性・耐衝撃性は高いものの、レトルト処理時の密着性において、実施例での品質には及ばなかった。
(比較例−2)
ポリエステルA層:PET/PBTの重量比率が40/60重量%のベース樹脂に、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%を含有させ、極限粘度0.7、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物Aを用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PETを80重量%であるポリエステル組成物Bを用いた。
組成物A及び組成物Bを別々の押出機で溶融させ、この溶融体をダイ内で合流させた後、押出し急冷して未延伸積層シートを得た。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸した後、テンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ20μm(ポリエステルA層の厚み10μm、ポリエステルB層の厚み10μm)の二軸延伸積層コーティングフィルムを得た。該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、塗布層厚み(固形分)が50nmとなるように調整した塗布液(水分散型共重合ポリエステル樹脂:東洋紡績社製バイロナールMD1200)をポリエステルB層側にコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。これ以降の製缶工程、評価については実施例−1に準じた。
得られた飲料缶は、製缶性・耐衝撃性は高いものの、レトルト処理時の密着性において、実施例での品質には及ばなかった。
Figure 0004591057
本発明の絞りしごき缶被覆用フィルムは、金属との密着性、製缶における成形加工性及び耐レトルト処理性に優れ、かつ、低温保管時や移送時の耐衝撃性に優れるため、2ピース缶用のラミネートフィルムとして利用することができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの片面に水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層を形成してなる絞りしごき缶被覆用フィルムであって、水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層厚みが5〜25nmであり、該樹脂塗布層と金属板とのレトルト後密着強度が18N/15mm以上であることを特徴とする絞りしごき缶被覆用フィルム。
  2. 水分散型共重合ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃以上であることを特徴とする請求項1記載の絞りしごき缶被覆用フィルム。
  3. ポリエステルフィルムがA層及びB層からなり、B層表面に水分散型共重合ポリエステル樹脂塗布層を形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の絞りしごき缶被覆用フィルム。
  4. B層を形成するポリエステルを構成する全酸成分の2〜15mol%がダイマー酸であることを特徴とする請求項記載の絞りしごき缶被覆用フィルム。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の絞りしごき缶被覆用フィルムを金属板に被覆してなることを特徴とする絞りしごき缶用金属板。
  6. 請求項記載の絞りしごき缶用金属板を製缶してなることを特徴とする絞りしごき缶。
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