JP4599697B2 - 手振れ防止機構 - Google Patents

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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B17/00Details of cameras or camera bodies; Accessories therefor

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手振れ防止機構に関し、詳しくは、双眼鏡など光学機器の手振れ補正に好適な手振れ防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学機器の手振れを防止する種々の手振れ防止機構が提案されているが、補正光学系を駆動するものでは、可変頂角プリズムタイプとレンズ平行移動タイプに分けられる。後者のレンズ平行移動タイプの多くは、揺動コイルによるスラスト駆動、又はモーターによるレバー駆動である。
【0003】
スラスト駆動は、ガイド軸の摩擦負荷がどうしても大きくなり、手振れ防止のサーボ制御にとって負荷となっていた。一方、レバー駆動は、摩擦負荷が小さくなるように構成できるが、軸穴嵌合ガタが移動方向反転時に応答遅れを生み、同じくサーボ制御にとって負荷になっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
駆動源がどういった種類であれ、被駆動体の質量が小さいほど応答性がよく、又共振周波数が高いためサーボ制御しやすい。しかしながら、従来の手振れ防止機構は、補正レンズを平行移動自在に保持するための保持機構が、大きくなりがちであった。
【0005】
特に双眼鏡に手振れ防止機構を付加した場合、2眼同時に補正光学系を駆動する必要があり、装置がどうしても大きくなってしまっていた。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、体積・質量を最小限にとどめた手振れ防止機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の手振れ防止機構を提供する。
【0008】
手振れ防止機構は、手振れを補正するための一対の手振れ補正部材をその光軸に直角な大略直交する2方向に相互の位置関係を維持しながら移動自在に支持するタイプのものである。手振れ防止機構は、保持部材と、第1の平行リンク機構と、移動部材と、第2の平行リンク機構と、ベース部材とを備える。上記保持部材は、上記手振れ補正部材を保持する。上記第1のリンク機構は、上記光軸に直角な面に沿って配置され、固定リンクに対向する移動リンクが上記保持部材に固定される。上記移動部材は、上記第1の平行リンク機構の上記固定リンクに固定される。上記第2の平行リンク機構は、上記第1の平行リンク機構と平行に、かつ、上記光軸の方向から見たときに上記第1の平行リンク機構と重なる部分があるように配置される。上記第2の平行リンク機構は、上記第2の平行リンク機構の固定リンクに対向する移動リンクが、上記光軸の方向から見て上記第1の平行リンク機構の上記固定リンクと略直角に配置され、上記移動部材に固定される。上記ベース部材は、上記第2の平行リンク機構の上記固定リンクに固定される。
【0009】
平行リンク機構は、4つのリンクが4つの対偶により略平行四辺形形状に結合された平面4節機構であり、静止系に固定されるリンク(ここでは、「固定リンク」と呼ぶ)に対する他のリンク(ここでは、「移動リンク」と呼ぶ)のうち、固定リンクに対向する移動リンクが、一つの平面内で固定リンクの延在方向に大略平行に移動する。
【0010】
上記構成において、保持部材は、第1の平行リンク機構を介して大略第1の方向(第1の平行リンク機構の固定リンクの延在方向)に平行移動自在に、移動部材によって支持される。移動部材は、第2の平行リンク機構を介して大略第2の方向(第2の平行リンク機構の固定リンクの延在方向)に平行移動自在に、ベース部材によって支持される。第1の方向と第2の方向は大略直交するので、保持部材は、ベース部材に対して略直交する2方向に揺動可能に支持される。
【0011】
上記構成によれば、保持部材、第1の平行リンク機構、移動部材、第2の平行リンク機構およびベース部材を、ひとまとまりに構成してユニット化することができる。また、保持部材、第1の平行リンク機構、移動部材、第2の平行リンク機構およびベース部材を、手振れ補正部材の移動する移動面に対して垂直方向に積み重ね、手振れ補正部材の移動範囲外にはみ出す部分ができるだけ少なくなるようにして、手振れ防止機構を小型化することができる。また、積み重ねの間に挟まれる部材については、移動方向に剛性を持てば十分であるので、薄くすることができる。
【0012】
したがって、体積・質量を最小限にとどめることができる。
【0013】
好ましくは、上記第1および第2の平行リンク機構のうち少なくとも一方は、その少なくとも一つの対偶が薄板バネ材からなり、該対偶に隣接する上記移動リンクが回動する回動面に対して直角方向に上記薄板バネ材の面が延在する。
【0014】
上記構成によれば、対偶を構成する薄板バネ材の面が曲がり、薄板バネ材に隣接する移動リンクの角度が変わり、移動リンクが回動する。対偶に薄板バネ材を用いることにより、平行リンク機構、ひいては手振れ防止機構を小型化することが容易である。また、薄板バネ材のバネ力を利用して、ガタや摩擦損失がないようにすることができる。また、軽い負荷で駆動できるようにして、駆動時の応答性を向上することも可能である。
【0015】
好ましくは、上記第1および第2の平行リンク機構のうち少なくとも一方は、その対向する一対の上記リンクと、該一対の上記リンクを他の一対の上記リンクに連結する上記各対偶とが、同じ上記薄板バネ材からなる。
【0016】
上記構成によれば、平行リンク機構の対向する一対のリンクと、その両端から連続する対偶とを、同じ薄板バネ材を用いて構成すれば、移動リンクの回動方向によって抵抗力が異なることがないバランスのとれた平行リンク機構を、容易に構成することができる。
【0017】
好ましくは、上記対偶と、上記対偶に隣接する上記リンクの少なくとも一部とは、一つの上記薄板バネ材からなる。上記対偶に隣接する上記リンクの少なくとも一部は、上記対偶と略直角に折り曲げられた折り曲げ部を有する。
【0018】
上記構成において、対偶に隣接するリンクの少なくとも一部は、折り曲げ部により、対偶よりも剛性が高くなる。上記構成によれば、平行リンク機構の少なくとも一部を、一つの薄板バネ材から簡単に構成することができる。
【0019】
好ましくは、上記第1の平行リンク機構および上記第2の平行リンク機構は、それぞれ一つの上記薄板バネ材からなり、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向と平行な別々の面に沿ってそれぞれ分けて配置される。
【0020】
上記構成によれば、第1および第2の平行リンク機構はそれぞれ一つの薄板バネ材からなるので、手振れ補正部材が移動する2方向と垂直な方向に容易に重ねることができ、手振れ補正部材が移動する2方向に第1および第2の平行リンク機構が広がらないようにして、手振れ防止機構の小型化を図ることができる。
【0021】
好ましくは、上記保持部材は、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に平行に延在する当接面を有する。上記ベース部材は、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に平行に延在し、上記保持部材の上記当接面に対向する基準面を有する。上記保持部材の上記当接面を上記ベース部材の上記基準面に押圧するばね部材をさらに備える。
【0022】
上記構成において、保持部材の当接面がベース部材の基準面に当接しながら移動するようにすれば、手振れ補正部材の移動方向をベース部材に対して精度よく維持することができる。保持部材の当接面がベース部材の基準面と離れている場合であっても、それらの間の間隔を適宜な方法で一定に保つことにより、手振れ補正部材の移動方向をベース部材に対して精度よく維持することができる。
【0023】
後者の場合、好ましくは、球形状のスペーサ部材が、上記保持部材の上記当接面と上記ベース部材の上記基準面との間に配置され、挟持される。
【0024】
上記構成によれば、スペーサ部材により、保持部材の当接面とベース部材の基準面とは、直交する2方向に相対移動自在に、一定距離に保持される。したがって、手振れ補正部材の移動方向をベース部材に対して精度よく維持することができる。さらに、スペーサ部材により、保持部材の当接面とベース部材の基準面との間の摩擦抵抗が軽減される。したがって、手振れ補正部材を少ない駆動力で円滑に移動させることができ、手振れ補正を高速に行うことが可能となる。
【0025】
好ましくは、上記保持部材を、上記ベース部材に対して解除可能に機械的に固定するロック機構をさらに備える。
【0026】
ロック機構により保持部材を固定すれば、手振れ補正部材は移動しないので、手振れ補正を行わない状態とすることができる。ロック機構により、手振れ補正の有無を選択できる。
【0027】
より好ましくは、上記ロック機構は、上記ベース部材に立設され、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に垂直方向に延在するガイド軸と、該ガイド軸に沿って摺動自在に外嵌し、該摺動方向に細くなる楔状の面を有するロックピンと、該ロックピンを押圧するスプリングと、該スプリングの上記押圧を解除する解除部材とを有する。上記保持部材は、上記スプリングにより付勢された上記ロックピンの上記楔状の面に当接する当接面を有する。
【0028】
上記構成によれば、ロックピンがスプリングにより押圧されると、ロックピンの楔状の面は保持部材の当接面に当接し、これにより、保持部材は、ベース部材に対して所定位置に保持され、ロックされる。解除部材によりロックピンの押圧が解除されると、保持部材は、ロックが解除される。
【0029】
好ましくは、上記保持部材は、上記ガイド軸が挿通され、上記ガイド軸との間に所定の隙間が形成されるガイド軸穴を有し、上記ロック機構によるロックが解除されたときに、上記ベース部材に対する移動量が規制される。
【0030】
上記構成によれば、ロック機構を構成するガイド軸により、非ロック時における保持部材の移動量を規制し、一方向の補正の累積により保持部材が所定範囲を越えて移動することを防止することができる。
【0031】
好ましくは、上記補正部材は、複数の手振れ補正部材を一つの上記保持部材で保持する。
【0032】
上記構成によれば、複数の手振れ補正部材を同じ方向に同じ量だけ同期して移動することが必要な場合に、構成を簡単にすることができる。例えば双眼鏡の一対の補正レンズや、多板式CCD撮像素子に好適な構成である。
【0033】
好ましくは、上記手振れ補正部材は、光学系の一部を構成する補正レンズ、又は被写体像の結像面に配置された撮像素子である。
【0034】
手振れ補正部材が光学系の一部を構成する補正レンズの場合、手振れ等により受光面に対する結像位置が変動しても、それを打ち消すように補正レンズを移動し、受光面に対する結像位置ができるだけ変動しないようにすることにより、手振れを補正することができる。手振れ補正部材が被写体像の結像面に配置された撮像素子の場合、手振れによる結像面に対する被写体像の結像位置が変動しても、それを打ち消すように、撮像素子を移動することにより、手振れを補正することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る双眼鏡について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
この双眼鏡は、手振れ等があっても目標物を静止した状態で見えるようにする手振れ防止機構を備えている。
【0037】
図1は、双眼鏡10の外観図である。(a)は上面図、(b)は背面図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
【0038】
双眼鏡10は、上面に配置された手振れ防止釦14により手振れ防止機構のオン/オフを操作することができるようになっている。一対の対物レンズ30の間隔は固定されているが、一対の接眼レンズ20の間隔は、ボディ11に対して左右の接眼部22の角度を変えることにより調整できるようになっている。双眼鏡10は、上面に配置された焦点調整ノブ12によりピント調整操作を行うことができ、接眼部22の一方の外筒21を回転することにより左右の視度差を調整することができるようになっている。ボディ11の接眼レンズ側には電池室蓋16が設けられ、電池を接眼レンズ側から装填できるようになっている。
【0039】
図2は、双眼鏡10の内部のブロック配置を示す。
【0040】
双眼鏡10は、各1対の対物レンズ30、補正レンズ51、ポロプリズム24、接眼レンズ20からなる左右1対の光学系を有する。
【0041】
1対の対物レンズ30は、クロスハッチングを付した一つの対物レンズ鏡胴32に固着される。対物レンズ鏡胴32は、焦点調整のため光軸方向にスラスト移動可能に、ボディ11に保持される。
【0042】
一対の補正レンズ51は、ハッチングを付した一つの手振れ補正ユニット50により2軸駆動可能に保持される。手振れ補正ユニット50は、後述する土台がボディ11に固着される。
【0043】
一対のポロプリズム24および接眼レンズ20は、それぞれ、左右別々のプリズムホルダ28a,28bに固着される。各プリズムホルダ28a,28bは、光軸方向にスラスト移動可能にボディ11に保持され、ボディ11および後述する電池室18に対し、それぞれ対物レンズ30の光軸30a,30bを中心に回転可能に保持される。
【0044】
電池室18は、手振れ補正ユニット50を貫通し、ボディ11に固着される。電池室18には、制御回路に電力を供給するための円筒型の2本の電池2が、光軸30a,30bに対し平行に装填されるようになっている。電池2の並びは、左右の光軸30a,30bを結ぶ線に垂直である。制御回路は、ボディ11とプリズムホルダ28a,28bと電池室18に跨がって、双眼鏡10の上面又は下面に沿って配置される。
【0045】
双眼鏡10は、一般的な双眼鏡と同様に、ピントと眼福を調整することができる。
【0046】
すなわち、双眼鏡10の上面のピント調整操作部12を操作すると、1対の対物レンズ鏡胴32がその光軸方向に移動し、ピントが移動する。接眼部の視差調整操作部21を操作すると、一方の接眼レンズ20の視度を調節でき、これにより左右の視度差を合わせることができる。左右それぞれの接眼レンズ20をもってその間隔を調整するように左右に動かすと、接眼レンズ20とプリズム24が保持されているプリズムホルダ28a,28bがボディ11に対し対物レンズ光軸30a,30b中心に回転する。この結果、対物レンズ光軸30a,30bと接眼レンズ光軸20a,20bは、プリズム24によって位置がずれ、眼幅を変えることができる。
【0047】
次に、手振れ補正ユニット50の構成について、図9〜図12を参照しながら、説明する。
【0048】
手振れ補正ユニット50は、左右1対の補正レンズ51を2つの直交する平行リンク機構で揺動可能に支持し、ユニット化したものであり、平行リンク機構をロックするロック機構を含む。
【0049】
平行リンク機構は、4つのリンクが4つの対偶により略平行四辺形形状に結合された平面4節機構であり、静止系に固定されるリンク(ここでは、「固定リンク」と呼ぶ)に対する他のリンク(ここでは、「移動リンク」と呼ぶ)のうち、固定リンクに対向する移動リンクが、一つの平面内で固定リンクの延在方向に大略平行に移動する。
【0050】
図14は、平行リンクの概念図である。被駆動部材である補正レンズ8は、第1の平行リンク機構6の固定リンク6dに対向する移動リンク6bに固定されている。第1の平行リンク機構6は、4つの対偶により4つのリンク6a,6b,6c,6dが平行四辺形に結合されたものである。対偶6s,6tを介して固定リンク6dと隣接する移動リンク6a,6cが、矢印6m,6nで示すように回動すると、補正レンズ8は、大略、固定リンク6dと平行な第1の方向xに平行移動する。
【0051】
第1の平行リンク6の固定リンク6dは、第2の平行リンク4の固定リンク(対偶4s,4t間に仮想的に存在する)に対向する移動リンク4bに固定されている。対偶4s,4tを介して固定リンクと隣接する移動リンク4a,4cが、矢印4m、4nで示すように回動すると、補正レンズ8および第1の平行リンク4は、大略、第2の平行リンク4の固定リンクと平行な第2の方向yに平行移動する。これにより、補正レンズ8は、略直交する第1および第2の方向x、yに移動自在に支持される。
【0052】
図15は、平行リンク機構の概念図である。平行リンク機構は、一つの薄板バネ材から構成され、変形部5xを介してリンク部5a,5b,5s,5tが接続されるようになっている。変形部5xは、リンク部5a,5b,5s,5tより剛性が低く、弾性変形しやすい部分である。例えば、変形部5xは、紙面に垂直な面のみで構成し、リンク部5a,5b,5s,5tは、紙面に平行な面と紙面に垂直に折り曲げられた面とから、断面がL字状で剛性を有するようにする。
【0053】
平行リンク機構は、図15(b)に示したように、変形部5xで曲がり、固定リンク5tに対向する移動リンク5sが、固定リンク5tの延在方向と略平行に移動する。
【0054】
図9(a)は接眼レンズ側から見た手振れ補正ユニット50の外観図、(b)は一部断面側面図である。図10(a)はリンク板の要部拡大斜視図、(b)は補正レンズ中心を通る断面図、(c)はロック機構の断面図である。図11は、対物レンズ側から見た手振れ補正ユニット50の外観図である。図12は、土台を除いた手振れ補正ユニット50を対物レンズ側から見た外観図である。
【0055】
手振れ補正ユニット50は、左右2つの補正レンズ51を保持する補正レンズ保持枠52と、該補正レンズ保持枠52を上下方向のみ揺動可能に支持する平行リンク機構である縦リンク板54と、該縦リンク板54を保持する保持台56と、該保持台56を左右方向のみ揺動可能に支持する平行リンク機構である横リンク板58と、該横リンク板58を保持する土台60と、該補正レンズ保持枠52と土台60とに掛けられる押圧スプリング53とを含む。
【0056】
補正レンズ保持枠52は、図9(a)において実線で示されたように、左右の補正レンズ51を保持する玉枠部52a,52bを上下2本の梁52s,52tで結んだ一体形状の部品であり、中央には前述の電池室18が入ってくる穴52cが形成されている。穴52cには、押圧スプリング53を係止するための4つのフック52xが形成され、図10(c)および図12に示したように、補正レンズ保持枠52の基準突起52zが土台60の基準面60sに押付けられるようになっている。また、玉枠部52a,52bには、上下の梁52s,52tと補正レンズ51との間にできる内隅の三角部に、図10(c)に示すように、ロック機構用のテーパーを持った穴52yが設けられている。上下の梁52s,52tには、重心を通るように突起52kが設けられ、その中央にはV溝52vが形成され、後述する駆動ユニットの形状記憶合金紐を受けるようになっている。
【0057】
縦リンク板54は、図10(b)に示すように、補正レンズ保持枠52と保持台56の接眼レンズ側の同一面上に支持される。縦リンク板54は、薄板ばね材でできており、一つの部品で上下に揺動する平行リンク機構を構成する。すなわち、縦リンク板54は、図9(a)に示すように、左右に延びる2本のリンク腕54s,54tが上下に渡り、2本のリンク腕54s,54tの両端は、左右でそれぞれ固定部54a,54bに連結されている。縦リンク板54の一方の固定部54aは静止系側の保持台56に固定され、他方の固定部54bは補正レンズ保持枠52に固定される。図10(a)に示すように、縦リンク板54は、リンク腕54s、54tに沿ってほぼ垂直に対物レンズ側に曲げられ、固定部54a,54bとリンク腕部54s,54tは、L字型断面を持つようになっている。固定部54a,54bとリンク腕部54s,54tとの境界部には、図9および図10(a)に示すように、垂直面でのみ構成され幅の狭い変形部54xが形成されている。変形部54xは、固定部54a,54bやリンク腕部54s,54tに比べ、剛性が低く、弾性変形して曲がりやすいので、これにより、固定部54a,54bとリンク腕部54s,54tとの間の角度が所定範囲内で自在に変化し、保持台56に対して補正レンズ保持枠52が上下方向に平行移動するようになっている。
【0058】
保持台56は、図9(b)に示すように、補正レンズ保持枠52と土台60の間に配置される本体部56cを有する。図示していないが、本体部56cは、光路を遮断しないように左右に穴が開いており、中央には、電池室18が入る穴が開いている。図9に示すように、本体部56cの左右には、補正レンズ保持枠52を囲み、補正レンズ保持枠52と同じ高さまで延びる補強リブ56a,56bが立設されている。各補強リブ56a,56bには、左右に突出する突起56kが設けられ、その先端にはV溝56vが形成され、後述する駆動ユニットの形状記憶合金紐を受けるようになっている。
【0059】
横リンク板58は、図10(b)に示すように、保持台56と土台60の間に配置され、一つの部品で左右に揺動する平行リンク機構を構成する。横リンク板58は、縦リンク板54と同様に、薄板ばね材でできている。横リンク板58は、図12に示すように、上下に延びる2本のリンク腕58a,58bの両端に、左右に渡る固定部58s、58tが、変形部58xを介して結合されている。横リンク板58は、縦リンク板54と同様に、リンク腕58a,58bに沿ってほぼ垂直に対物レンズ側に曲げられ、固定部58s、58tとリンク腕部58a,58bはL字型断面を持ち、変形部58xは幅の狭い垂直面のみで構成され、この部分が弾性変形するようになっている。一方の固定部58sは保持台56に固着され、他方の固定部58tは静止系側の土台60に固着され、保持台58が土台60に対して左右に平行移動するようになっている。
【0060】
土台60は、板形状をし、図11に示すように、左右の光路が通る穴60a,60bと、前述の電池室18が入ってくる穴60cとを持つ。穴60cには、押圧スプリング53を係止するためのフック60xが設けられている。図10(c)に示したように、接眼レンズ側の面には、前述の基準面60sと、補正レンズ保持枠52の縦横の移動量を検知する位置センサ(フォトリフレクタ)80の保持部60tとが設けられている。また、補正レンズ保持枠52が移動しないようにロックするためのガイド軸70を摺動自在に支持する支持部60kが設けられている。図示していないが、上下の側面には、縦用の駆動ユニットを取り付ける穴が設けられ、左右の側面には、横用の駆動ユニットを取り付ける取付穴が設けられている。
【0061】
押圧スプリング53は、補正レンズ保持枠52と土台60との間に4本掛けられ、自身のスプリング力で補正レンズ保持枠52の基準突起52zが土台60の基準面60sに押し当てられるようにする。これにより、補正レンズ保持枠52は、平面内で移動する。
【0062】
ロック機構は、図10(c)に示すように、土台60から光軸方向に延びるガイド軸70と、ガイド軸70にスラスト移動可能に嵌合し、先端のテーパー部で補正レンズ保持枠52を誘い込み、補正レンズ保持枠52を移動不自在に保持するロックピン72と、ロックピン72を土台60方向に押付けるロックスプリング74と、ロックピン72を補正レンズ保持枠52から遠ざけるロック解除レバー76とを含む。
【0063】
補正レンズ保持枠52は、非補正状態でロックピン72によってロックされ、補正状態では、ロックが解除されるが、ガイド軸70によって移動量が規制される。前記手振れ防止釦14とロックピン72の間には、不図示の伝達機構が存在し、手振れ防止釦14の押圧移動をロック解除レバー76のロックピン解除方向への移動に変換し、ロックを解除することができるようになっている。
【0064】
次に、駆動ユニットの構成について、図を参照しながら説明する。
【0065】
駆動ユニットは、形状記憶合金の形状記憶合金紐の両端が支持体に固定され、ユニット化されたものである。
【0066】
図3および図4に示すように、支持体は、樹脂150が2つのハンダ用端子110,120と一体成型されたものである。支持体は、2つのハンダ用端子と絶縁体とを接着接合して形成してもよい。ハンダ用端子110,120は、互いに離れた状態で一体化され、互いに絶縁されるようになっている。ハンダ用端子110,120には、後述する方法で、形状記憶合金の形状記憶合金紐102が固定される。
【0067】
形状記憶合金紐102は、駆動ユニット100が非取り付け状態のときには弛んでおり、取り付け状態において、中間部分が被駆動体に押し当てられて「く」の字に折り返される。この「く」の字を実現させるため、支持体は、大略、「コ」の字又は弓形に形成され、開口側の両端部に形状記憶合金紐102が取り付けられ、支持体で囲まれた領域側で折り返される。
【0068】
図3に示すように、ハンダ用端子110,120の繋ぎの部分には、取付穴116,126、位置決め穴128、結線端子112,122が形成され、駆動ユニット100を取り付けるための取付面として用いられる。また、貫通穴108が設けられ、駆動ユニット100の取り付けの際に、形状記憶合金紐102と突起52k,56kのV溝52v、56vとの掛かりを、貫通穴108から容易に確認することができるようになっている。
【0069】
駆動ユニット100の開口側の両端部は、取付面とほぼ平行な同一平面を受け面として持ち、その部分に鍵穴114,124とガイド115,125が形成されている。鍵穴114,124は、鍵穴状にハンダ用端子110,120を貫通した部分であり、丸穴部分114a,124aと、丸穴部分114a,124aから取付面側に延在する直線部分114c,124cとからなる。ガイド115,125は、鍵穴114,124の丸穴部分114a,124aから取付面とは反対側に延在する浅い溝である。
【0070】
鍵穴124の丸穴部分114a,124aには、ボール130が形状記憶合金紐102とともに圧入され、ボール130の嵌合によって、形状記憶合金紐102が取り付けられる。ボール130の代わりに、楔を用いてもよい。
【0071】
駆動ユニット100は、次のように組み立てることができる。
【0072】
まず、支持体の開口側の両端部の受け面上に、ガイド115,125を通るようにして低張力で形状記憶合金紐102を張る。
【0073】
次に、図4(a)に示すように、形状記憶合金紐102の中央を、長さ調整用テンショナー180で所定深さまで下ろした状態にする。
【0074】
そして、図4(b)に示すように、鍵穴114,124の丸穴部分114a,124aに、形状記憶合金紐102の「く」の字の内側から、同時にボール130を所定深さに打ち込み、形状記憶合金紐102を固定する。
【0075】
取り付けられた形状記憶合金紐102は、鍵穴124の丸穴部分114a,124aを板厚方向に横断し、直線部分114c,124cを通って、再度、支持体の内側に入った状態で、使用される。
【0076】
手振れ補正ユニット50では、補正レンズ51を移動させる向きにつき一つの駆動ユニットが必要であり、図5〜図8に示すように、合計4個の駆動ユニット100a〜100dが、手振れ補正ユニット50の組み立て後に取り付けられる。
【0077】
図5は、ボディ11を取り外した状態で対物レンズ側から手振れ補正ユニット50を見た正面図、図6は、対物レンズ鏡胴32を取り外した状態で対物レンズ側から手振れ補正ユニット50を見た正面図、図7は、図5の線VII−VIIに沿って切断した断面図、図8は、図6の線VIII−VIIIに沿って見た側面図、
【0078】
図6に示すように、横駆動用の駆動ユニット100c,100dは、手振れ補正ユニット50の外周のR部に沿うような形で取り付けられる。縦駆動用の駆動ユニット100a,100bは、図5に示すように、並んでいる2本の対物レンズ鏡胴32の谷間に入るような形で取り付けられる。このとき、横駆動用の駆動ユニット100c,100dは、「く」の字の向き(形状記憶合金の形状記憶合金紐102の「く」の字部分を含む面)が、補正レンズ51の移動平面と平行な面内にあり、縦駆動用の駆動ユニット100a,100bは、「く」の字の向きが移動平面と垂直になっている。
【0079】
つまり、土台60の基準平面上を任意方向に移動する補正レンズ保持枠52には、駆動方向が上下の駆動ユニット100a,100bが、又左右方向のみ移動する保持台56には、駆動方向が左右の駆動ユニット100c,100dが、それぞれ向い合って土台60に保持される。補正レンズ保持枠52を上下に駆動する駆動ユニット対100a,100bは、形状記憶合金の形状記憶合金紐の伸延方向と、補正レンズ保持枠52の移動する基準平面とが垂直な関係にある。また、保持台56を左右に駆動する駆動ユニット対100c,100dは、上下に駆動する駆動ユニット対100a,100bとは異なり、形状記憶合金の形状記憶合金紐の伸延方向と基準平面は平行である。
【0080】
また、前述したように、駆動ユニット100の取付面の貫通穴108から、手振れ補正ユニット50の突起52k,56kのV溝52v、56vへの形状記憶合金紐102の掛かりが容易に確認できるようになっているが、横駆動用の駆動ユニット100c,100dについては、図6に示したように、保持台56の突起56が取付面の貫通穴に貫通し、保持台56の光軸方向の移動が制限されるようになっている。
【0081】
図13は、双眼鏡10の手振れ補正を行う制御系の構成を示すブロック図である。
【0082】
制御を統括する制御回路90には、位置センサ80と、加速度センサ82と、駆動ユニット100a〜100dと、ロック解除検知スイッチ14とが接続され、電池2から電源が供給されるようになっている。
【0083】
位置センサ80は、前述したように、手振れ補正ユニット50内の補正レンズ保持枠52の位置を検出する。加速度センサ82は、例えばジャイロセンサであり、ボディ11内の適宜位置に配置され、双眼鏡10の手振れ等による双眼鏡10の振れデータを検出する。メインスイッチ15は、手振れ防止釦14の操作による手振れ補正ユニット50のロック状態の解除と連動してオンになる。すなわち、手振れ防止釦14を操作すると、不図示の伝達機構によって手振れ補正ユニット50のロックピン70を引き上げ、手振れ補正ユニット50のロック状態を解除し、補正レンズ51が移動可能な状態にすることができる。メインスイッチ15は、この伝達機構の途中に設けられ、ロック解除ストロークの最後の部分でオンになる。制御回路90は、手振れ補正のために駆動ユニット100a〜100dを駆動するためのサーボ回路を含む。制御回路90は、加速度センサ82の出力と、位置センサ80の出力から、駆動ユニット100a〜100dを適宜駆動し、双眼鏡10による観察像がぶれない位置に補正レンズ50を移動させる。
【0084】
次に、具体的な動作について説明する。
【0085】
双眼鏡上面の手振れ防止釦14の操作により、手振れ補正ユニット50のロック状態が解除され、メインスイッチ15が入ると、制御回路90は動作を開始し、駆動ユニット100a〜100dの形状記憶合金紐に印加する電圧を決定し、その電圧を印加する。
【0086】
電圧を印加された形状記憶合金紐は、自身の抵抗値によりジュール熱が発生する。この熱によって自身の記憶された長さへと縮んで行く。「く」の字であるため、移動量は効率良く所定倍に変倍される。形状記憶合金紐の縮みにより、「く」の字の開きが大きくなり、補正レンズ保持枠52又は保持台56は、電圧が印加された駆動ユニットから遠ざかる方向へ移動する。補正レンズの移動ストロークδの形状記憶合金紐の収縮長さλに対する変倍率M=δ/λは
M=cosθ/k−(1−sin2θ/k21/2 (1)
である。
ここで、θは「く」の字状に開いた角度の半分、kは形状記憶合金紐の収縮率である。
【0087】
形状記憶合金紐に電圧が印加された駆動ユニットに対向する駆動ユニットの形状記憶合金紐は、移動する補正レンズ保持枠52又は保持台56によってその中央部分を押され、弾性域を越え延びてゆく。駆動力は、「く」の字方向の加熱による形状記憶合金紐張力の合力である。一方、抵抗力は、対向する形状記憶合金紐の変形抵抗と、土台60上を補正レンズ保持枠52が移動する際の摩擦抵抗と、押圧バネ53の復元力の移動方向成分と、平行リンク機構54,58を構成する板ばねのバネ力との和である。
【0088】
横振動の場合、縦駆動用の駆動ユニット100a,100bの形状記憶合金紐を横方向に引っ張る抵抗力が、横振動の抵抗力に加算される。この抵抗力は、直線的な形状記憶合金紐を微少量横方向に曲げる程度のものであって、影響は軽微である。
【0089】
縦の振動成分がある場合、制御回路90によって縦駆動用の駆動ユニット100a,100bの一方が選択・通電される。通電された形状記憶合金紐は、縮んで補正レンズ保持枠52をその重心方向に押す。縦駆動用の駆動ユニットの形状記憶合金紐によって押された補正レンズ保持枠52は、縦リンク板54によって回転することなくほぼ上下に移動する。このとき、縦リンク板54は、補正レンズ保持枠52側の固定部54bは平行移動をし、上下2本のリンク腕54s,54tは角度が変わり、保持台56側の固定部54baは移動しない。リンク腕54s,54tの両端の変位部分54xは、それぞれ逆方向に曲がり、撓む。L字断面を持つリンク腕54s,54tと固定部54a,54bは、剛性がケタ違いに高いため、ほとんど変形しない。
【0090】
横の振動成分がある場合、制御回路90によって横駆動用の駆動ユニット100c,100dの一方が選択・通電される。通電された横駆動用の駆動ユニットの形状記憶合金紐は、縮んで保持台56をその重心方向に押す。横駆動用の駆動ユニットの形状記憶合金紐によって押された保持台56と、これに保持された縦リンク板54と、補正レンズ保持枠52は、横リンク板58によって回転することなくほぼ左右に移動する。このとき、横リンク板58は、保持台56側の固定部56aは平行移動をし、左右2本のリンク腕56s,56tの角度が変わり、土台60側の固定部56bは移動しない。リンク腕56s,56t両端の変位部分56xは、それぞれ逆方向に曲がり撓む。L字断面を持つリンク腕56s,56tと固定部56a,56bは、剛性がケタ違いに高いため、ほとんど変形しない。
【0091】
したがって、縦や横の振動があろうとも、対物レンズ30のにらみ位置は、双眼鏡10の振動にも拘わらず、左右とも同じ場所を保持続ける。
【0092】
手振れ操作釦14から手を放すと、まず、メインスイッチ15がオフになり、制御回路90への電源供給が遮断され、動作を停止する。さらにロックピン72が土台60側に近づいてくると、補正レンズ保持枠52の移動可能範囲が狭まり、続いて自身のテーパーで保持枠52を初期位置に誘い込み、ついには補正レンズ保持枠52を動作不能状態化(ロック)する。
【0093】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0094】
例えば、補正レンズ保持枠52の基準突起52zと土台60の基準面60sとが直接当接する構成に代え、図16の要部拡大図に示したように、補正レンズ保持枠52の基準突起52zと土台60の基準面60sとの間に鋼球200を配置するようにしてもよい。この場合、好ましくは土台60には凹部60tを形成し、鋼球200が抜け出ないようにし、凹部60tの底面を基準面60sとする。これにより、土台60の基準面60sに対する補正レンズ保持枠52の平行精度を保ちながら、基準突起52zと基準面60sとの間との摩擦を軽減することができる。したがって、補正レンズ保持枠52を土台60に対して小さい力で円滑に平行移動させることができ、手振れ補正の高速化、省電力化等の効果がある。
【0095】
例えば、手振れ防止機構50および駆動ユニット100a〜100dは、被写体像の移動に応じて撮像素子を移動させることにより手振れを防止する撮像装置において、撮像素子を支持するために用いることができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、直交する2対のリンクレバーが同じ薄板バネ材でできた平行リンク機構54,58を2つ用いて、補正レンズ51を揺動可能に支持した。補正レンズ保持枠52は一方の平行リンク機構54に支えられ、該リンクを保持する保持台56は他方の平行リンク機構58に支えられ、該平行リンク機構58は土台60に支えられ、それらは、ロック機構とともにユニット化した。
【0097】
直交する2対のリンクレバーが同じ薄板バネ材でできた2つの平行リンク機構で補正レンズを揺動可能に支持にしたことで、被駆動体の質量をほとんど増やすことなく揺動可能に支持でき、サーボ応答性が上がった。
【0098】
また、薄板バネ材のバネ性により平行リンク機構にはガタや摩擦損失がなく、変形時にも軽い負荷しか発生しないため、応答性が上がった。
【0099】
ロック機構とともにユニット化することによって、支持体(平行リンク機構)の強度不足にもかかわらず、取扱いが易しくなり、機器への組み込みを簡便にすることができた。
【0100】
補正レンズの周囲を取り囲むように平行リンク機構を配置したことにより、装置がコンパクトになった。
【0101】
双眼鏡の場合、2つの補正レンズが確実に平行移動しなければならないが、反転ガタなく平行移動が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る双眼鏡の外観図である。
【図2】 図1の双眼鏡のブロック配置図である。
【図3】 駆動ユニットの平面図である。
【図4】 図3の駆動ユニットの組み立て方法の説明図である。
【図5】 駆動ユニットの配置の説明図である。
【図6】 駆動ユニットの配置の説明図である。
【図7】 図5の線VII−VIIに沿って切断した断面図である。
【図8】 図6の線VIII−VIIIに沿ってみた側面図である。
【図9】 補正ユニットの外観図および断面図である。
【図10】 図9の補正ユニットの要部斜視図および断面図である。
【図11】 対物レンズ側から見た図9の補正ユニットの外観図である。
【図12】 対物レンズ側から土台を除いて見た図9の補正ユニットの外観図である。
【図13】 制御系のブロック図である。
【図14】 平行リンク機構の概念図である。
【図15】 平行リンク機構の変形の概念図である。
【図16】 変形例の要部拡大図である。
【符号の説明】
50 手振れ補正ユニット(手振れ防止機構)
51 補正レンズ(手振れ補正部材)
52 補正レンズ保持枠(保持部材)
52z 基準突起(当接面)
53 押圧スプリング(ばね部材)
54 縦リンク板(平行リンク機構)
54a 固定部(固定リンク)
54b 固定部(移動リンク)
54s,54t リンク腕
54x 変形部(対偶)
56 保持台
58 横リンク板(平行リンク機構)
58a リンク腕
58b リンク腕
58s 固定部(移動リンク)
58t 固定部(固定リンク)
58x 変形部(対偶)
60 土台(ベース部材)
60s 基準面
70 ガイド軸(ロック機構)
72 ロックピン(ロック機構)
74 ロックスプリング(ロック機構)
76 ロック解除レバー(ロック機構、解除部材)
200 鋼球(スペーサ部材)

Claims (12)

  1. 手振れを補正するための1対の手振れ補正部材をその光軸に直角な大略直交する2方向に移動自在に支持する手振れ防止機構であって、
    上記1対の手振れ補正部材を保持し、上記1対の補正部材の相互の位置関係を維持する保持部材と、
    上記光軸に直角な面に沿って配置され、固定リンクに対向する移動リンクが上記保持部材に固定された第1の平行リンク機構と、
    該第1の平行リンク機構の上記固定リンクに固定された移動部材と、
    上記第1の平行リンク機構と平行に、かつ、上記光軸の方向から見たときに上記第1の平行リンク機構と重なる部分があるように配置された第2の平行リンク機構であって、該第2の平行リンク機構の固定リンクに対向する移動リンクが、上記光軸の方向から見て上記第1の平行リンク機構の上記固定リンクと略直角に配置され、上記移動部材に固定された、第2の平行リンク機構と、
    該第2の平行リンク機構の上記固定リンクに固定されたベース部材とを備えたことを特徴とする、手振れ防止機構。
  2. 上記第1および第2の平行リンク機構のうち少なくとも一方は、その少なくとも一つの対偶が薄板バネ材からなり、該対偶に隣接する上記移動リンクが回動する回動面に対して直角方向に上記薄板バネ材の面が延在することを特徴とする、請求項1記載の手振れ防止機構。
  3. 上記第1および第2の平行リンク機構のうち少なくとも一方は、その対向する一対の上記リンクと、該一対の上記リンクを他の一対の上記リンクに連結する上記各対偶とが、同じ上記薄板バネ材からなることを特徴とする、請求項2記載の手振れ防止機構。
  4. 上記対偶と、上記対偶に隣接する上記リンクの少なくとも一部とは、一つの上記薄板バネ材からなり、
    上記対偶に隣接する上記リンクの少なくとも一部は、上記対偶と略直角に折り曲げられた折り曲げ部を有することを特徴とする、請求項2記載の手振れ防止機構。
  5. 上記第1の平行リンク機構および上記第2の平行リンク機構は、それぞれ一つの上記薄板バネ材からなり、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向と平行な別々の面に沿ってそれぞれ分けて配置されることを特徴とする、請求項3記載の手振れ防止機構。
  6. 上記保持部材は、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に平行に延在する当接面を有し、
    上記ベース部材は、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に平行に延在し、上記保持部材の上記当接面に対向する基準面を有し、
    上記保持部材の上記当接面を上記ベース部材の上記基準面に押圧するばね部材をさらに備えたことを特徴とする、請求項1記載の手振れ防止機構。
  7. 球形状のスペーサ部材が、上記保持部材の上記当接面と上記ベース部材の上記基準面との間に配置され、挟持されたことを特徴とする、請求項6記載の手振れ防止機構。
  8. 上記保持部材を、上記ベース部材に対して解除可能に機械的に固定するロック機構をさらに備えたことを特徴とする、請求項1記載の手振れ防止機構。
  9. 上記ロック機構は、
    上記ベース部材に立設され、上記手振れ補正部材が移動する上記2方向に垂直方向に延在するガイド軸と、
    該ガイド軸に沿って摺動自在に外嵌し、該摺動方向に細くなる楔状の面を有するロックピンと、
    該ロックピンを押圧するスプリングと、
    該スプリングの上記押圧を解除する解除部材とを有し、
    上記保持部材は、上記スプリングにより付勢された上記ロックピンの上記楔状の面に当接する当接面を有することを特徴とする、請求項8記載の手振れ防止機構。
  10. 上記保持部材は、上記ガイド軸が挿通され、上記ガイド軸との間に所定の隙間が形成されるガイド軸穴を有し、上記ロック機構によるロックが解除されたときに、上記ベース部材に対する移動量が規制されることを特徴とする、請求項9記載の手振れ防止機構。
  11. 上記手振れ補正部材は、光学系の一部を構成する補正レンズ、又は被写体像の結像面に配置された撮像素子であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一つに記載の手振れ防止機構。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の手振れ防止機構を備えることを特徴とする双眼鏡。
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