JPH0214017Y2 - - Google Patents

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JPH0214017Y2
JPH0214017Y2 JP1986098182U JP9818286U JPH0214017Y2 JP H0214017 Y2 JPH0214017 Y2 JP H0214017Y2 JP 1986098182 U JP1986098182 U JP 1986098182U JP 9818286 U JP9818286 U JP 9818286U JP H0214017 Y2 JPH0214017 Y2 JP H0214017Y2
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optical
objective lens
optical axis
erecting prism
focusing mirror
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、接眼レンズ系で観察される対物像と
レチクルとの相対移動をなくしたものであり、こ
の相対移動の解消のために望遠鏡系の正立プリズ
ムをジンバル懸架装置により特定の位置に回動中
心を設けたものである。
従来の技術 望遠鏡、双眼鏡等の光学的な観測を目的とした
光学装置を手で保持して操作する場合には、しば
しばての震えが光学装置に伝わり、またこれらの
光学装置を航空機や車両等に持ち込んで使用する
場合には、航空機、車両等の振動や動揺が光学装
置に伝わり光軸の射出角度が変動し、観察される
光学像を劣化させる事が多い。
前記光学装置に伝わる振動はその振幅がたとえ
小さくとも望遠鏡や双眼鏡等においては視界が狭
いことや、接眼レンズによつて光軸の射出角度が
拡大されることから、最終的に視覚に訴える像は
著しく劣化して観察さるので、倍率が高くなるに
したがつて、振動等によつて生ずる光軸の射出角
度の変動、即ち観察される像の劣化は無視できず
使用に耐えなくなつてくる。
これまでにも、前記光学装置に伝わる振動や動
揺によつて光軸の射出角度が変動し、かんさつさ
れる像が劣化することを防止するための像安定化
のための光学装置は種々提案されている。
例えば、米国特許第3473861号、第3608995号、
第3608997号、特公昭52−23262号、本出願人によ
る特願昭52−88145号等、像安定化のための光学
装置が提案されているが、これ等は全て観察され
る像の安定化を第1の目的として考えられたもの
である。
一方、望遠鏡の対物レンズの焦点位置に焦点鏡
を設けることは、望遠鏡を照準望遠鏡として利用
できるほかに、焦点鏡の目盛りを利用することに
より、被観察物の大きさが概略判つている場合に
は、概略距離が判り、距離が推定できる場合には
被観察ぶつの大きさが判るというように、この利
用価値は非常に大きい。しかしながら前述の如き
これまでに提案されている像安定化のための光学
装置においては、観察される像が振動等によつて
劣化することを極力防止することを目的としうる
ため、これ等の光学装置の望遠鏡を構成する対物
レンズの焦点位置に焦点鏡を置くと、前記光学装
置に振動や動揺が伝わつた場合、観察される光学
像が安定し、像が劣化して観察されることが防止
されるが、原理的に被観察物の対物レンズによる
像に対して焦点鏡の目盛りが相対的に移動するた
め、被観察物の像に焦点鏡の目盛を重ね、被観察
物の大きさを焦点鏡の目盛で読み取ることは非常
に困難である。
本考案は以上の難点に鑑み、望遠鏡や双眼鏡の
ような光学装置に振動や動揺が加わつた場合で
も、像の安定化の程度をやや犠性にするとはい
え、被観察物の像と焦点鏡の目盛との相対移動を
なくした像安定光学装置を提供することを目的と
する。
一般に像安定化のための光学装置とは、望遠鏡
系において、最初に設定した対物レンズ系の入射
光軸と接眼レンズ系の射出光軸を基準にとつた
時、これに振動等が加わつて望遠鏡系が振れた場
合、最初に設定された対物レンズ系の入射光軸に
平行な入射光が対物レンズ系に入射し、接眼レン
ズ系より射出される時、この射出光線が前記基準
にとつた接眼レンズ系の射出光軸となす角(光学
装置の光軸の射出角度)が充分小さくなるように
したものである。しかし、ここで述べる本考案に
おける像安定化のための光学装置は、通常の望遠
鏡系で、倍率をMとした時、望遠鏡に加わわる振
動による振れ角をθとした場合接眼レンズ系より
の射出光軸が(M−1)θだけ振れるのに対し
て、この量をθに止めることにより振動等の影響
による観察される像の劣化を極力改善すると同時
に、被観察物の像と焦点鏡の目盛との相対移動を
なくしたことを特徴としたものである。
即ち、本考案は、像安定化のための光学素子と
して入射光軸と射出光軸を同一直線上にとること
のできる正立プリズムを対物レンズ系と接眼レン
ズ系の間に配置した一対の望遠鏡系において、前
記一対の望遠鏡系の対物レンズ系と接眼レンズ系
を前記一対の望遠鏡系の筐体に固着し、前記正立
プリズムを回転慣性体を備え、互いに直交する2
つの回動軸を有するジンバル懸架装置を介して前
記筐体に揺動自在に装着し前記ジンバル懸架装置
の2つの回動軸を、前記一対の望遠鏡の各々の光
軸に平行で且つ前記両光軸の中間位置に設けた仮
想軸上であつて対物レンズから前記正立プリズム
の入射面までの光学距離と、前記正立プリズムの
入射面と射出面までの機械距離と、前記正立プリ
ズムの射出面から対物レンズの焦点面(焦点鏡面
と一致する)までの光学距離との和の中点を通
り、前記望遠鏡系の主なる光軸に直行する面内に
設け、さらに前記対物レンズ系の焦点面には、前
記望遠鏡系の筐体に固着された焦点鏡を配置した
ことを特徴とした像安定光学装置に関するもので
あり、また前記光学装置を構成する望遠鏡系をそ
れぞれ望遠鏡系の主なる光軸(後の説明で定義す
るが像安定化のために筐体に対して揺動自在に取
りつけられた前記正立プリズムを筐体に対して固
定して望遠鏡系の入射光軸を等価的に一直線上に
配置した場合の光軸)が平行であるような一対の
望遠鏡系で構成し、前記一対の望遠鏡系のうちの
片側の対物レンズの焦点面に、前記望遠鏡系の筐
体に固着さた焦点鏡を配置したことを特徴とする
双眼鏡型の像安定光学装置に関するものである。
以下図面を用いて本考案を双眼鏡型で構成した
場合の一実施例で詳細に説明する。
第1図は本考案による像安定化のための光学装
置の基本的な構成を説明するための斜視図で、図
中1a,1bはそれぞれ対物レンズ系を2a,2
bは、それぞれ接眼レンズ系を、3a,3bはそ
れぞれ入射光軸と射出光軸を同一直線上にとるこ
とのできる正立プリズムを示しており、対物レン
ズ1a、接眼レンズ2a、正立プリズム3aは第
1の望遠鏡系10aを構成し、対物レンズ1b、
接眼レンズ2b、正立プリズム3bは同様に第2
の望遠鏡系10bを構成し、この第1、第2の望
遠鏡系10a,10b一対が双眼鏡系を構成して
いる。
また、対物レンズ1aの焦点面には目盛12を
有する焦点鏡11が配置され、対物レンズ1bの
焦点面には目盛のない焦点鏡と同じ程度の厚さの
ガラス板13が配置されている。このように双眼
鏡型の光学装置においては焦点鏡は左右のうちの
いずれか片側の望遠鏡系にのみ装着し、両側には
入れないのが普通であるが、原理的にはこの焦点
鏡は左右どちら側にいれても良いので、以下の説
明を容易にするため、前記焦点鏡と同じ程度の厚
さのガラス板13の焦点鏡であるとして説明をす
すめ、必要に応じては、目盛の有無でその区別を
示すことにする。なお実際の場合には前記目盛の
ない焦点鏡と同じ程度の厚さのガラス板13は省
略することもできることは云うまでもない。
前述の入射光軸と射出光軸を同一直線上にとる
ことのできる正立プリズムとしてはシユミツト
(Sehmidt)の正立プリズム、アツペ(Adbe)の
正立プリズム、バウエルン フエント(banern
fend)の正立プリズム等があるが第2図にシユミ
ツトの正立プリズムの例を示す。シユミツトの正
立プリズムは図に示すようにプリズム23とプリ
ズム24から構成されており、プリズム24の一
部25がダハ反射面となつている。このような正
立プリズムでは図に示すように入射光軸21と射
出光軸22を同一直線上にとることのできる入射
光軸の一が存在する。このような入射光軸21と
射出光軸22を同一直線上にとることのできる正
立プリズムにおいては第2図に示す如く光軸21
より図面上で上側にhだけ離れて光軸21に平行
な光線21′は前記正立プリズムを通つた後は光
線22′として図面上で射出光軸22より下側に
hだけはなれて光軸22に平行になると云う性質
をもつている。
本考案による像安定化のための光学装置の説明
では第2図にしめすシユミツトの正立プリズムを
用いた場合について述べる。
さて、第1図において、双眼鏡系を構成する本
光学装置の一対の対物レンズ系1a,1bおよび
接眼レンズ系2a,2bは本光学装置の筐体に固
着さており、前記正立プリズム3a,3bは互い
に直行する回動軸6−6′,7−7′を有するジン
バル懸架装置を介して前記筐体に揺動自在に装着
されている。第1図において、前記正立プリズム
3a,3bの装着されているジンバル懸架装置が
筐体に対してロツクされている状態、すなわちジ
ンバル懸架装置が筐体に固定された状態、したが
つてジンバル懸架装置に装着されている前記正立
プリズム3a,3bが筐体に固定された状態で
は、本光学装置は通常の双眼鏡系の構成となるが
この時の各望遠鏡光学系10a,10bの光軸4
a,4bを本光学装置の主なる光軸と定義し、こ
の言葉を用いることにする。
このように本光学装置の主なる光軸を定義する
と、第1図においては望遠鏡系10a,10bの
主なる光軸4a,4bがそれぞれ平行であるよう
に一対の望遠鏡系が構成されていることは云うま
でもない。また本光学装置に用いられるジンバル
懸架装置の互いに直行する2つの回動軸6−6′,
7−7′のうちの1つの回動軸6−6′は、前記一
対の望遠鏡光学系10a,10bの各々の主なる
光軸4a,4bと点A,Bにおいて直行し、他の
1つの回動軸7−7′は前記一対の望遠鏡光学系
10a,10bの各々の主なる光軸4a,4bを
含む平面に垂直で、該光軸4a,4bの中間に光
軸4a,4bに対して平行に引かれた仮想軸5を
通るように設定されている。更にジンバル懸架装
置の回動軸の1つ6−6′は一対の望遠鏡系10
a,10bの主なる光軸4a,4bと点A,Bに
おいて直行した時、対物レンズ系1a,1bと前
記正立プリズム3a,3bの入射面8a,8bま
での光学距離Lと前記正立プリズム3a,3bの
入射面8a,8bと射出面9a,9b間の機械距
離Mと前記正立プリズム3a,3bの射出面9
a,9bから焦点鏡11,13までの光学距離N
の和S(S=L+M+N)の中点に位置するよう
に設定されている。実際には対物レンズ系は肉厚
を有する複数枚のレンズによつて構成されている
ので、前記ジンバル懸架装置の回動軸6−6′の
位置は厳密には、対物レンズ系の後側主点(節
点)と前記正立プリズムの入射面までの光学距離
と、前記正立プリズムの入射面から射出面間の機
械的距離と、前記正立プリズムの射出面から対物
レンズの焦点面に置かれた焦点鏡までの光学距離
の和の中点にあることになる。
ここで対物レンズ系の後側主点とは、第1図に
おいて左側より対物レンズ系に平行光線を入れた
時に生ずる対物レンズ系の焦点位置に対応する主
点を云う。なお対物レンズ系が空気中に置かれて
いる場合には主点と節点位置が一致することは云
うまでもない。
なお第1図においては図面が煩雑になるのを避
け、理解を容易にするために筐体、ジンバル懸架
装置、及びジンバル懸架装置に慣性を与える慣性
回転体等を図示していないが、これは後述する実
施例において明らかにする。
第1図において前記正立プリズム3a,3b
を、前述の如き条件に基づき互いに直行する2つ
の回動軸6−6′,7−7′の位置を設定されたジ
ンバル懸架装置に装着し、筐体に対して揺動自在
の状態に置き、ジンバル懸架装置に電動機等をも
ちいた回転慣性体を取りつけることにより、前記
正立プリズム3a,3bを筐体の振動等に対しつ
ねに初期の姿勢を保つようにすると、本光学装置
は以下に述べる理由によつて、振動等に対して、
その光軸の射出角度の変動を小さく押さえ安定に
保ことができ、観察される像の劣化するのを改善
することができると同時に、被観察物の像と焦点
鏡の目盛との相対移動を無くすことができる。
第3図は第1図に示した本考案による光学装置
の垂直方向、即ち第1図で軸7−7′方向の振動
成分に対して光軸の振動を小さく押さえ、また観
察像と焦点鏡目盛との相対移動を防ぐための原理
を説明するもので、第1図のX−X′断面を表し
たものである。まず対物レンズ系31と、入射光
軸と射出光軸を同一直線上に採ることのできる前
記正立プリズム34と接眼レンズ系33をその光
軸が同一光軸32上にあつて前記正立プリズム3
4が、対物レンズ系31と接眼レンズ系33の間
にあるように設置し、また対物レンズ31の焦点
位置に焦点鏡37が置かれている。このとき光軸
32に平行に対物レンズ系31に入射する光線は
光軸32に平行に接眼レンズ系33より射出し、
眼38に入る。ここで前記正立プリズム34が装
着されているジンバル懸架装置のの垂直方向の振
動成分を保証するための回動軸、すなわち第1図
における回動軸6−6′の位置をK点として、こ
の点を回動中心として光軸32が光軸32′へ相
対的に角度θだけ傾いたとすると、対物レンズ系
31は対物レンズ系31′へ、接眼レンズ系33
は接眼レンズ系33′へ、焦点鏡37は37′へ、
したがつて対物レンズ系31の中心のg点はg′点
へ接眼レンズ系33の中心h点はh′点へ焦点鏡の
中心j点はj′点へ移動するが、前記正立プリズム
34は慣性による元の姿勢を保つように揺動自在
に筐体に装着されているので動かない。一方肉眼
38も望遠鏡系とは独立であるので動かないとす
る。
したがつて、もとの光軸32に平行で、傾いた
対物レンズ系31′の中心g′点を通り32に平行
な光線35は、対物レンズ系31′を通つた後も
光軸32に平行で、前記正立プリズム34の入射
面のn点に、32上の点mより,だけ離れた
点に入射する。この光線は前記正立プリズムの性
質により前記正立プリズム34の射出面から、光
軸32上のo点より下側に,=,だけ離
れた位置p点より光軸32に平行に射出されるの
で、光軸32に平行で傾いた対物レンズ31′に
入射する光線32′は、光軸36上の点に結像さ
れる。
したがつて、光軸32がθだけ傾いたあとの対
物レンズの結像面上に置かれた焦点鏡37′上の
中心のj′点のもとの焦点鏡37上の中心j点から
の移動量,′を,と等しくすると、すなわ
ち,′=,,,=,′であるから,
j′=,′であれば光学装置がθだけ傾いても像
は焦点鏡上では移動しないので、光学装置に振動
が加わつた場合でも対物レンズ31による像と焦
点鏡37上の目盛は相対的に移動しない。このた
めには光軸32が傾いた時、対物レンズ31と焦
点鏡37は同じ量だけ傾くので第3図において
g,k=,すなわち対物レンズとその焦点面
上に置かれた焦点鏡の中点に前記正立プリズムを
装着したジンバル懸架装置の回動軸を設ければ良
いことになる。
このとき接眼レンズ33は対物レンズ31、焦
点鏡37と同じ角度θだけ傾き33′の位置に移
動しその中心hはh′に移動する。したがつて接眼
レンズ33′より射出される光軸39は、元の光
軸に比べてθだけ振れることになる。通常このよ
うな振動に対する補償装置を持たない場合には、
接眼レンズより射出される光軸は、望遠鏡系の倍
率をMとすれば(M−1)θだけ振れることにな
るので、肉眼で観察した場合の被観察物の像の劣
化の程度はθ/{(M−1)θ}=1/(M−1)
となり、望遠鏡系の倍率を10倍とすれば像の劣化
の程度は1/9となり実用的効果は非常に大きい。
この場合、先に述べたように被観察物の像と望遠
鏡系に組み込まれている焦点鏡の目盛との相対移
動は起こらない。以上のことは第1図における望
遠鏡系10a,10bについて全く同じように成
り立つことは、この一対の望遠鏡系10a,10
bに共通のジンバル懸架装置の一つの回動軸が6
−6′で示されるように共通であることより明ら
かである。
第4図は、第1図に示した光学装置の水平方向
すなわち図で6−6′で示される方向の振動成分
に対して光軸の射出角度の変動を小さく押さえる
と同時に観察像と焦点鏡目盛との相対移動を防止
するための原理を説明するためのもので、第1図
のY−Y′断面を表したものである。第4図中一
対の望遠鏡系10a,10bを構成する対物レン
ズ系前記正立プリズム、接眼レンズ系は第1図と
同じ記号を用いて表してある。第4図はこの光学
装置の水平方向の振動成分を補償するための回動
軸すなわち第1図における軸7−7′が、望遠鏡
系10a,10bの各々の主なる光軸4a,4b
を含む平面内にあつて主なる光軸4a,4bに対
して、その中間に引かれた仮想軸5との交点oを
回動中心として、対物レンズ系1a,1b、接眼
レンズ系2a,2b、焦点鏡11,13が前記正
立プリズム3a,3bに対して相対的な動きをす
る様子を示している。点oは前記仮想軸5上にあ
つて前述の説明の如く、対物レンズ系1a,1b
と前記正立プリズム3a,3bの入射面までの光
学距離と前記正立プリズム3a,3bの入射面と
射出面間の機械距離と、前記正立プリズム3a,
3bの射出面から焦点鏡11,13までの光学距
離の和の中点に設定してある。
第4図において本光学装置が水平方向にθだけ
傾いた場合を考えると、前記正立プリズム3a,
3bは慣性により元の姿勢を保つ様にジンバル懸
架装置を介して揺動自在に筐体に接着されている
ので動かないが、対物レンズ系1a,1bと接眼
レンズ系2a,2b、焦点鏡11,13はそれぞ
れ1a′,1b′,2a′,2b′,11′,13′の位置
に移動し、この時の対物レンズ系1a′,1b′及び
接眼レンズ系の2a′,2b′の光軸4a′,4b′は、
元の主なる光軸4aと4bに対してθだけ傾くこ
とになる。
このため対物レンズ系1a,1bの中心16
a,16bはそれぞれ16a′,16b′に移動し、
接眼レンズ系2a,2bの中心17a,17bは
それぞれ17a′,17b′に移動する。これに伴つ
てジンバル懸架装置の回動軸6−6′と望遠鏡系
10a,10bの主なる光軸4a,4bとの交点
A,BはそれぞれA′点、B′点に移動し、A′点は
主なる光軸4aより図面上うで下側にε,B点は
主なる光軸4bより図面上で上側にεだけずれ
る。このずれ量εは、o点よりA点、B点までの
距離をそれぞれRとすれば ε=R(1−cosθ) で表わすことができる。
望遠鏡系10aの主なる光軸4aに平行で対物
レンズ系1a′の中心16a′を通る光線18aは、
対物レンズ系1a′を通つた後も主なる光軸4aに
平行となり、前記接眼レンズ系3aの入射面に主
なる光軸4aより,だけ離れた点で入射し、
前記正立プリズム3aの射出面より主なる光軸4
aより,(但し,=,)だけ離れた
点より光線18a′として、主なる光軸4aに平行
に射出し、焦点鏡11′上に結像する。
この場合焦点鏡11の中心11aは、11a′に
移動するので、焦点鏡11′上での像の移動量X
は X=2ε/cosθ となり、θが小さければX≒2εとなる。
一方、望遠鏡系10bの主なる光軸4bに平行
で、対物レンズ系1b′の中心16b′を通る光線1
8bは、対物レンズ系1b′を通つた後も主なる光
軸4bに平行となるので、前記正立プリズム3b
の入射面に主なる光軸4bより′,′だけ離れた
点で入射し、前記正立プリズム3bの射出面に主
なる光軸4bより′,′(但し′,′=′,
′)だ
け離れた点より光線18b′として、主なる光軸4
bに平行に射出し、焦点鏡13′上に結像する。
この場合焦点鏡13に中心13aは13a′に移
動するので焦点鏡13′上での像の移動量X′は X′=2ε/cosθ となり、θが小さければX′≒2εとなり、この移
動方向は望遠鏡系10aと10bとでは逆になる
が、焦点鏡上の目盛は第1図の説明で述べた如く
実際には片側にしか入れないので、焦点鏡の目盛
と像のずれが倍になつて観察されることはない。
一般的に望遠鏡や双眼鏡等の光学装置を手で保
持した場合や、車両に持ち込んで使用する場合、
光学装置に加わる振動は上下方向の成分が非常に
大きな割合を占めており、左右方向の振動成分は
上下方向の振動成分に比して少ないことを考える
と焦点鏡上での像の移動量は 2ε=R(1−cosθ) であるので、Rを小さくとつておけば充分小さく
なり、焦点鏡上での像の移動量は実質上問題とな
らない。
一方接眼レンズ系2a′,2b′より射出される光
軸14,15の変動は、接眼レンズが対物レン
ズ、焦点鏡と同じ角度θだけ傾くので基本的には
θだけ振れることになるが、接眼レンズの焦点距
離をf′,eとする望遠鏡系10a,10bにおい
てθに w=2ε/f′,e の僅かな量がそれぞれ加減されるだけである。
いずれにしても、第3図の説明で述べた如く、
この様な補償装置を持たない場合には、接眼レン
ズより射出される光軸は望遠鏡系の倍率をMとし
た場合、肉眼で観察した場合の被観察物の像の劣
化の程度は、1/(M−1)になるため、wの量
はほとんど影響しないことになる。
なお本実施例の説明では双眼鏡型で本考案の詳
細な説明を行つて来たが、対物レンズと接眼レン
ズが一組から成る望遠鏡系の場合には、上記実施
例の片側だけを使用することもでき、ほかに本出
願人による発明、特公昭52−11381号及び特公昭
52−22544号などに見られる如くジンバル懸架装
置に装着される回転慣性体としてローターの中心
部を光が通過し得るようにした電動機を用いると
第4図におけるRは零となり、上下、左右方向の
振動に対して第3図の原理がそのまま適用される
ことになることは明白である。
このような場合も含めると、ジンバル懸架装置
の互いに直行する回動軸の位置は、一般的には対
物レンズから前記正立プリズムの入射面までの光
学距離と、前記正立プリズムの入射面と射出面ま
での機械距離と前記正立プリズムの射出面から対
物レンズの焦点面(焦点鏡面)までの光学距離の
和の中点を含み、望遠鏡系のおもなる光軸に直行
する面内に設ければ良いということになる。
第5図から第8図は本考案による像安定光学装
置の具体的な一実施例を示すもので、第6図は第
5図の−断面、第7図は第5図の−断面
を、第8図は第5図の−断面を示すものであ
る。光学装置の筐体は前記一対の正立プリズムを
装着したジンバル懸架装置を取りつける筐体10
1、前記一対の対物レンズ系を取りつける筐体1
02、前記一対の接眼レンズ系を取りつける筐体
103及びカバー104より構成されている。
前記一対の正立プリズム105a,105bは
ジンバル懸架装置の内輪部材106に固定されて
取りつけられており、前記内輪部材106は回動
軸を構成する一対のベアリング107及び軸10
8を介してジンバル懸架装置の外輪部材109に
取りつけられており、前記外輪部材109は第7
図に示すように回動軸を構成する一対のベアリン
グ110及び軸111を介して筐体101に取り
つけられている。
前記ジンバル懸架装置の内輪部材106と外輪
部材109を連結する回動軸と、外輪部材109
と筐体101を連結する回動軸とは互いに直行す
るように構成されているので、前記正立プリズム
105a,105bは筐体101に対して揺動自
在に動き得る。
さらに前記内輪部材106には回転軸がジンバ
ル懸架装置の2つの回動軸の交点を通り2つの回
動軸に直角になるように電動機112が取りつけ
られており、この電動機112の軸112aの両
端には慣性を与えるための回転慣性体113,1
14が取りつけられている。
なお前記回動軸を構成する軸108,111は
内部を電流が流れ得る構造を有しており、一端に
おいて接点115a,115bと弱い力で接して
おり他端にはリード線(図示せず)が接続されて
スイツチ129を介して外部電源とコネクター1
30により結線されており前記ジンバル懸架装置
の運動を妨げないように電動機に電流を供給し得
るような構造となつている。
本光学装置の望遠鏡系を構成する一対の対物レ
ンズ系116a,116bは前記筐体102に固
着されており、この筐体108は位置決めピン1
17によつて前記筐体101に精度良く固定され
ている。一方、本光学装置の望遠鏡系を構成する
一対の接眼レンズ系118a,118b、焦点鏡
131,132(但し実際には何れか片側は目盛
の入つていない単なるガラス板)は前記筐体10
3に固着されており、この筐体103は位置決め
ピン119によつて前記筐体102に精度良く固
定されている。ここで焦点鏡131,132はど
ちらか一方にのみ目盛が刻まれているものとす
る。
さらに前記回転慣性体114には環状のアルミ
板120が固定されており前記筐体102に設け
られたマグネツト部材121との間で渦電流抗力
による歳差運動をおこさせることにより筐体のゆ
つくりした運動(パンニング操作時)には前記ジ
ンバル懸架装置が追従して目標を捕捉できる構造
となつている。
すなわち、仮に光学装置(筐体102)が上方
に向けられるように大きな運動をした場合、環状
のアルミ板120は電動機の回転慣性体114の
高速回転により一定値を慣性保持しようとしてい
るため、マグネツト部材121は上方部分のアル
ミ環状部に対して磁束を貫通させるようになり、
下方部分に対してはマグネツト部材121が環状
のアルミ板120から遠ざかつて行き磁束の影響
を及ぼさない。周知のように運動導体中を磁束が
貫通すると導体中に渦電流が生ずるが、この渦電
流の発生に伴い、渦電流を無くそうとする方向へ
の渦電流抗力が運動導体に及ぼされる。
したがつてこの渦電流抗力は筐体102が上方
へ向けられるとアルミ板120の上方部分をより
上方へ移動させようとし、その結果ジンバル懸架
された電動機の回転慣勢体114の回転軸112
aに対しては渦電流抗力による歳差力が及ぼさ
れ、回転軸112aは筐体102の動きに追従し
て動くようにする。
また、本光学装置は平常はジンバル懸架装置を
固定しておくために前記電動機112の外周に設
けた円環状部材122を前記筐体102に取りつ
けられた爪123、リング125、バネ124
(第8図参照)によつてロツクし得るケージング
機構を有しており、これらの爪は自在ケーブル1
26を介してボタン127を押すことにより外部
からアンロツク(アンケージング)できる様にな
つている。
なお第7図中128で示す部材はオイルを内蔵
した衝撃吸収用のダンパーであり急激なシヨツク
を吸収するためのものである。
以上、実施例によつて詳細に説明したように、
本考案による像安定光学装置は、一対の望遠鏡系
から成る焦点鏡を有する双眼鏡型の光学装置にお
いて、簡単な構造によつて高性能の像安定化を実
現する装置であり、これによつてこの種焦点鏡を
有する双眼鏡型の像安定光学装置を初めて実用化
可能とするものである。またすでに述べたように
本実施例の片側のみを利用して単眼の焦点鏡を有
する像安定光学装置も容易に実用化できることは
云うまでもなく、実用上望遠鏡、双眼鏡の利用範
囲を広げるので、この利用価値は非常に大である
ことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による像安定光学装置の光学系
の基本構成を示す斜視図、第2図は本考案装置に
利用し得るシユミツトの正立プリズムの例を示す
側面図、第3図は正立プリズムを利用することに
よつて像が安定する原理を説明する側面図、第4
図は本装置において像が安定する原理を説明する
平面図、第5図は本考案の一実施例を示す水平断
面図、第6図は第5図の−線断面図、第7図
は第5図の−線断面図、第8図は第5図の
−線断面図である。 1a,1b,116a,116b……対物レン
ズ、2a,2b,118a,118b……接眼レ
ンズ、3a,3b,105a,105b……正立
プリズム、106……ジンバル懸架装置の内輪部
材、109……ジンバル懸架装置の外輪部材、1
12……電動機、113,114……回転慣性
体、123,124,125……ジンバルロツク
装置。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 対物レンズ系と、入射光軸と射出光軸とを同一
    直線上にとることの出来る正立プリズムと、接眼
    レンズ系とからなる一対の望遠鏡のうち、任意の
    一つの望遠鏡の対物レンズ系の焦点面に焦点鏡
    (レチクル)を配し、前記一対の対物レンズ系、
    前記一対の接眼レンズ系及び前記焦点鏡(レチク
    ル)を前記望遠鏡の箱筐体に固着し、前記正立プ
    リズムを回転慣性体をその中央に持つ互いに直交
    する2つの回転軸を有するジンバル懸架装置を介
    して前記箱筐体に揺動自在に装着し、前記ジンバ
    ル懸架装置の2つの回転軸を前記望遠鏡の主なる
    光軸に直交する面内で、かつ、前記対物レンズ系
    の主点から前記正立プリズムの入射面までの光学
    距離と前記正立プリズムの入射面から射出面まで
    の機械距離と前記正立プリズムの射出面から前記
    焦点鏡(レチクル)までの光学距離の和の中点に
    設けたことを特徴とする像安定光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB878463A (en) * 1957-05-27 1961-09-27 Magyar Optikai Muevek Improvements in and relating to optical instruments
JPS507547A (ja) * 1973-05-18 1975-01-25

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