JP4599253B2 - 可変容量型圧縮機用制御弁 - Google Patents

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本発明は、カーエアコン等に使用される可変容量型圧縮機用制御弁に係り、特に、エンジンから圧縮機回転軸に伝達される回転駆動力をクラッチで断接することができるようにされたクラッチ付き圧縮機に好適な可変容量型圧縮機用制御弁に関する。
一般に、カーエアコンに用いられる圧縮機は、状況に応じて回転数が変化するエンジンを駆動源としている。そのため、カーエアコン用圧縮機としては、通常、エンジン回転数に制約されることなく冷媒の吐出容量を調整することのできる可変容量型のものが採用される。
このような可変容量型圧縮機に用いられる制御弁は、圧縮機のクランク室内の圧力Pcを調整すべく、圧縮機(の吐出室)から吐出圧力Pdの冷媒が導入されるとともに、その吐出圧力Pdの冷媒(流量)を絞ってクランク室に供給するようにされ、このクランク室への供給量(絞り量)を、圧縮機の吸入圧力Psに応じて制御するようになっており、下記特許文献1等にも見られるように、電磁式アクチュエータ(ソレノイド)を用いたものが種々提案ないし実用に供されている。
また、カーエアコンに用いられる可変容量型圧縮機としては、エンジンから圧縮機回転軸に伝達される回転駆動力をクラッチで断接することができるようにされたクラッチ付き圧縮機と、クラッチを介在させることなくエンジンの回転駆動力を直接圧縮機回転軸に伝達するようにされたクラッチレス圧縮機と、がある。
特開平2002−303262号公報
ところで、前記可変容量型圧縮機用制御弁、特に、コイル、吸引子、プランジャ等からなる電磁式アクチュエータ(ソレノイド)を備えたクラッチレス圧縮機用制御弁の制御圧力特性は、通常、図5において破線で示される如くの特性となる。すなわち、電磁式アクチュエータ(のコイル)に供給される電流値が0(通電断)に近いIa(例えば0.1A)以下になると、吸引子によるプランジャの吸引力が小さくなって、開弁ばねによる開弁力により弁棒(弁体部)が一気に最大リフト位置まで移動せしめられ、弁体部が接離する弁口が全開する(弁開度もしくは弁リフト量が最大となる)。そのため、弁口下流の冷媒出口から圧縮機のクランク室に供給される冷媒流量が一挙に増大し(最大流量となる)、圧縮機のクランク室の圧力(制御圧力)Pcが急激に上昇する。つまり、前記電流値がIaのときには、制御圧力PcがXaであるが、前記電流値がそれより小さくなると、制御圧力Pcが前記圧力値Xaより遙かに高いXdとなり、前記電流値が0近くの領域(Ia以下)は非制御領域となる。
かかる非制御領域が存在しても、クラッチレス圧縮機では特に問題は生じないが、クラッチ付き圧縮機では、前記非制御領域に入ると、クランク室内の圧力Pcが許容圧力値Xcを超えることになり、制御上及び構造上、支障を生じる。そのため、クラッチレス圧縮機用の制御弁は、そのままでは、クラッチ付き圧縮機には用いることができない。
言い換えれば、クラッチ付き圧縮機用制御弁に要求される制御特性は、図5において実線で示される如くに、前記電流値Iaを越える制御領域(Ia−Ib)では、クラッチレス圧縮機用と同じ特性で良いが、前記電流値がIa以下となる非制御領域においては、前記圧力Pcが、前記電流値がIaであるときにおける圧力値Xaより所定圧Qs以上高くならないように(許容圧力値Xcを越えないように)規制する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、クラッチレス圧縮機用制御弁との部品の共用化を図りながら、所要の制御圧力特性が得られるようにされたクラッチ付き圧縮機用制御弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁は、圧縮機回転軸に伝達される回転駆動力をクラッチで断接することができるようにされたクラッチ付き圧縮機に用いられ、該圧縮機のクランク室の圧力(Pc)を制御するようにされたもので、弁体部を有する弁棒と、前記弁体部が接離する弁口が設けられた弁室を有し、前記弁口より上流側に1個もしくは複数個の吐出圧冷媒入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通する冷媒出口が設けられた弁本体と、前記弁棒を弁口開閉方向に駆動するための電磁式アクチュエータと、前記圧縮機の吸入圧力に応動して前記弁棒を弁口開閉方向に駆動する感圧応動部材と、を備える。
そして、前記電磁式アクチュエータのコイルに供給される電流値が所定値(Ia)以下となる非制御領域での前記圧力(Pc)が、クラッチ付き圧縮機での許容圧力値(Xc)を越えないようにすべく、前記冷媒入口から前記弁口に導かれる冷媒流量を規制する絞り機構が設けられるとともに、前記電流値が前記所定値(Ia)を越える制御領域での前記圧力(Pc)特性が、前記絞り機構が設けられていない状態での特性と略同じになるように、前記弁体部の前記弁口からの最大リフト量が設定されていることを特徴としている。
本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁は、より具体的には、弁体部を有する弁棒と、前記弁体部が接離する弁口が設けられた弁室を有し、前記弁口より上流側に圧縮機から吐出圧力の冷媒を導入するための1個もしくは複数個の吐出圧冷媒入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通する冷媒出口が設けられた弁本体と、コイル、該コイルの内周側に配在された円筒状のステータ、該ステータに固定された吸引子、及び前記吸引子の下方に上下方向に摺動自在に配在されたプランジャ、を有する電磁式アクチュエータと、前記ステータの内周側で前記吸引子より上方に形成されて前記圧縮機から吸入圧が導入される感圧室と、該感圧室に配在された感圧応動部材と、該感圧応動部材と前記プランジャとの間に配在された作動棒と、を備え、前記吸引子に前記プランジャが引き寄せられると、それに伴って前記弁体部が閉弁方向に移動し、前記感圧応動部材により前記作動棒が押動されると、それに伴って前記弁体部が開弁方向に移動するようにされる。
そして、前記電磁式アクチュエータのコイルに供給される電流値が所定値(Ia)以下となる非制御領域での前記圧力(Pc)が、前記クラッチ付き圧縮機での許容圧力値(Xc)を越えないようにすべく、前記冷媒入口から前記弁口に導かれる冷媒流量を規制する絞り機構が設けられるとともに、前記電流値が前記所定値(Ia)を越える制御領域での前記圧力(Pc)特性が、前記絞り機構が設けられていない状態での特性と略同じになるように、前記弁体部の前記弁口からの最大リフト量が設定されていることを特徴としている。
前記絞り機構は、好ましくは、前記冷媒入口と前記弁口とを連通するオリフィスで構成される。
この場合、好ましい態様では、前記冷媒入口が左右一対設けられるとともに、該一対の冷媒入口と前記弁口とがそれぞれオリフィスで連通せしめられる。
本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁では、電流値がIa以下の非制御領域での圧力Pcが、クラッチ付き圧縮機での許容圧力値Xcを越えないようにすべく、冷媒入口と弁口との間にオリフィスを形成して弁口に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)を絞るとともに、電流値がIaを越える制御領域での圧力Pc特性が、クラッチレス圧縮機用制御弁の特性と略同じになるように、弁体部の弁口からの最大リフト量が設定されるので、クラッチ付き圧縮機用として要求される制御圧力特性が得られる。
また、クラッチレス圧縮機用の制御弁に若干の改造を加えるだけでよいので、クラッチレス圧縮機用とクラッチ付き圧縮機用の両方の制御弁を生産する場合に、部品の大半を共用でき、製造コストを低く抑えることができる。
以下、本発明の圧縮機用制御弁の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るクラッチ付き圧縮機用制御弁の一実施形態を示す縦断面図である。
図示のクラッチ付き圧縮機用制御弁1は、クラッチレス圧縮機用制御弁に若干の改造を加えたもので、部品の大半は、クラッチレス圧縮機用のものと共通である。以下、その構成を詳細に説明する。
制御弁1は、断面十字ないしT字状の弁体部15aが下端部に設けられた弁棒15と、弁体部15aが接離する弁口(弁座)22が設けられた弁室21を有し、この弁室21の外周部(弁口22より上流側)に圧縮機からの吐出圧力Pdの冷媒を導入するための左右一対のフィルタ49付きの吐出圧冷媒入口25、25が設けられるとともに、弁口22の下方(下流側)に圧縮機のクランク室に連通する冷媒出口26が設けられた弁本体20と、電磁式アクチュエータ30と、を備える。
そして、本実施形態では、後で詳述するが、前記冷媒入口25、25から前記弁口22に導かれる冷媒流量を規制すべく、前記左右一対の冷媒入口25、25と弁口22とがそれぞれ絞り機構としてのオリフィス80、80で連通せしめられている。
電磁式アクチュエータ30は、通電励磁用のコネクタ部31を有するコイル32、該コイル32の内周側に配在された円筒状のステータ33、該ステータ33の下端部内周に圧入固定された断面凹字状の吸引子34、ステータ33の下端部外周(段差部)にその上端部が溶接により接合された鍔状部35a付きパイプ35、吸引子34の下方でパイプ35の内周側に上下方向に摺動自在に配在されたプランジャ37、及び、前記コイル32の外周を覆うように配在された有底穴付き円筒状のハウジング60を備えている。
また、前記ステータ33の上部には、六角穴付きの調節ねじ65が螺合せしめられ、ステータ33の内周側における前記調節ねじ65と吸引子34との間には、圧縮機の吸入圧力Psが導入される感圧室45が形成され、この感圧室45には感圧応動部材としての、ベローズ41、逆凸字状の上ストッパ42、逆凹字状の下ストッパ43、及び圧縮コイルばね44からなるベローズ本体40が配在され、さらに、ベローズ本体40と吸引子34との間には、ベローズ本体40を収縮させる方向(調節ねじ65側に圧縮する方向)に付勢する圧縮コイルばね46が配在されている。また、ベローズ本体40の下ストッパ43(の逆凹部)とプランジャ37(の凹部37c)との間には、前記吸引子34を貫通する段付きの作動棒14が配在され、さらに、吸引子34とプランジャ37(の凹部37b)との間には、プランジャ37を介して弁棒15を下方(開弁方向)に付勢する圧縮コイルばねからなる開弁ばね47が配在されている。
一方、前記弁本体20における弁室21の上方には、プランジャ37の最下降位置を規制するための凸状ストッパ部28が突設され、この凸状ストッパ部28を含む弁室上方の中央部分には、前記弁棒15が摺動自在に挿通せしめられた案内孔19が形成されている。また、前記凸状ストッパ部28外周には、吸入圧導入室23が形成されるとともに、その外周側に複数個の吸入圧入口27が形成され、この入口27から導入室23に導入された吸入圧力Psは、プランジャ37の外周に形成された縦溝37a、37a、…及び中央部に穿設された連通孔37dや吸引子34に形成された連通孔39等を介して前記感圧室45に導入される。
また、前記弁本体20の最下部に設けられた冷媒出口26内には、前記弁棒15を上方に付勢してその上端部をプランジャ37(の連通孔37d部分)に押し付ける円錐状の圧縮コイルばねからなる閉弁ばね48が配在されている。
弁本体20の上端部には、Oリング57を介して前記パイプ35の下端鍔状部35aが乗せられ、この鍔状部35aと前記コイル32との間には鍔状部56a付き短円筒状のパイプホルダ56が介装され、それらの鍔状部35a、56aが弁本体20の上端外周かしめ部29により共締め固定されている。また、パイプホルダ56の上端部には、前記ハウジング60の穴付き底部61が圧入固定され、ハウジング60の上端部62は、前記コネクタ部31の鍔状部31c上にかしめ固定され、ハウジング60とコネクタ部31とコイル32との間にはOリング66が介装されている。なお、コネクタ部31の中央下部には、前記調節ねじ65の六角穴に嵌合せしめられる凸部31bが突設された凹部31aが形成されており、この凹部31a内に前記ステータ33及び調節ねじ65の上部が挿入されている。
このような構成とされた制御弁1においては、コイル32、ステータ33及び吸引子34からなるソレノイド部が通電励磁されると、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、これに伴い、弁棒15が閉弁ばね48の付勢力により上方(閉弁方向)に移動せしめられる。一方、圧縮機から吸入圧入口27に導入された吸入圧力Psは、導入室23からプランジャ37の外周に形成された縦溝37a、37a、…や吸引子34に形成された連通孔39等を介して前記感圧室45に導入され、ベローズ本体40(内部は真空圧)は感圧室45の圧力(吸入圧力Ps)に応じて伸縮変位(吸入圧力Psが高いと収縮、低いと伸張)し、該変位が作動棒14及びプランジャ37を介して弁棒15に伝達され、それによって、弁開度(弁体部15aの弁口22からのリフト量)、言い換えれば、弁口22から流出する冷媒流量が調整される。つまり、冷媒流量は、コイル32、ステータ33及び吸引子34からなるソレノイド部によるプランジャ37の吸引力と、ベローズ本体40の付勢力と、開弁ばね47及び閉弁ばね48による付勢力と、によって決定される。
ここで、本実施形態においては、冷媒入口25、25から弁口22に導かれる冷媒流量を規制すべく、左右一対の冷媒入口25、25と弁口22とがそれぞれ絞り機構としての、孔径がdのオリフィス80、80で連通せしめられている。
このように、冷媒入口25、25と弁口22との間にオリフィス80、80を形成して弁口22に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)を絞ることにより、図4において二点鎖線で示される如くの制御圧力特性が得られる。
すなわち、図3に示される如くの、冷媒入口25、25の開口孔径がDとされて、該入口25、25から弁口22に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)が実質的に絞られないようにされているクラッチレス圧縮機用制御弁1’においては、図4において破線で示される如くに(前述した図5の破線と同じ)、電磁式アクチュエータ30のコイル32に供給される電流値が0(通電断)に近いIa(例えば0.1A)以下になると、クランク室の圧力(制御圧力)Pcが電流値Iaでの圧力値Xaより遙かに高いXdとなるのに対し、冷媒入口25、25と弁口22との間にオリフィス80、80を形成して弁口22に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)を絞ることにより、図4において二点鎖線で示される如くに、前記電流値がIa以下となる非制御領域においては、前記圧力Pcが、前記電流値がIaであるときにおける圧力値Xaより所定圧Qs高い、クラッチ付き圧縮機での許容圧力値Xcより小なる圧力値Xbに抑えられ、この非制御領域においてはクラッチ付き圧縮機用制御弁に要求される特性を満足させることができる。
しかしながら、上記のように冷媒入口25、25と弁口22との間にオリフィス80、80を形成して弁口23に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)を絞ると、電流値Iaを越える制御領域(Ia−Ib)では、圧力Pcが図4、図5において実線で示されるクラッチ付き圧縮機用制御弁に要求される特性(クラッチレス圧縮機用と同じ特性)より低くなってしまう。
そこで、本実施形態のクラッチ付き圧縮機用制御弁1では、前記制御領域での圧力Pc特性が、前記絞り機構(オリフィス80、80)が設けられていない状態、つまり、図3に示されるクラッチレス圧縮機用制御弁1’の特性と略同じになるように、弁体部15aの弁口22からの最大リフト量Laが設定されている。
具体的には、左右一対のオリフィス80、80の孔径dを、それぞれ0.83〜0.85mmとし、最大リフト量Laが、0.15〜0.25mmになるようにした。ちなみに、図3に示されるクラッチレス圧縮機用制御弁1’においては、最大リフト量Lbが、例えば、0.6mmとなっていた。
なお、冷媒入口25及びオリフィス80を前記のように左右一対(2本)とせずに、1本のみにしてもよく、この場合は、実効通路断面積が2本の場合と略同じになるように、オリフィスの孔径dを、1.10〜1.20mmにするとよい。
このような構成とされた本実施形態のクラッチ付き圧縮機用制御弁1では、電流値がIa以下の非制御領域での圧力Pcが、クラッチ付き圧縮機での許容圧力値Xcを越えないようにすべく、冷媒入口25、25と弁口22との間にオリフィス80、80を形成して弁口22に導かれる冷媒流量(吐出圧力Pd)を絞るとともに、電流値がIaを越える制御領域での圧力Pc特性が、前記クラッチレス圧縮機用制御弁1’の特性と略同じになるように、弁体部15aの弁口22からの最大リフト量が設定されるので、図4において実線で示される如くの、クラッチ付き圧縮機用として要求される制御圧力特性が得られる。
また、クラッチレス圧縮機用の制御弁に若干の改造を加えるだけでよいので、クラッチレス圧縮機用とクラッチ付き圧縮機用の両方の制御弁を生産する場合に、部品の大半を共用でき、製造コストを低く抑えることができる。
本発明に係るクラッチ付き圧縮機用制御弁の一実施形態を示す縦断面図。 図1に示されるクラッチ付き圧縮機用制御弁の説明に供される、弁室周辺の拡大縦断面図。 クラッチレス圧縮機用制御弁の説明に供される、弁室周辺の拡大縦断面図。 図1に示されるクラッチ付き圧縮機用制御弁の動作、作用、効果の説明に供される、圧力Pcと電流値との関係を示すグラフ。 従来のクラッチレス圧縮機用制御弁及びクラッチ付き圧縮機用制御弁の動作説明に供される、圧力Pcと電流値との関係を示すグラフ。
符号の説明
1 クラッチ付き圧縮機用制御弁
14 作動棒
15 弁棒
15a 弁体部
16 弁棒
18 大径部材
20 弁本体
21 弁室
22 弁口
25 吐出圧冷媒入口
26 冷媒出口
27 吸入圧入口
30 電磁式アクチュエータ
32 コイル
33 ステータ
34 吸引子
35 パイプ
37 プランジャ
40 ベローズ本体
45 感圧室
48 閉弁ばね
50 連結体
60 ハウジング
80 オリフィス

Claims (4)

  1. 圧縮機回転軸に伝達される回転駆動力をクラッチで断接することができるようにされたクラッチ付き圧縮機に用いられ、該圧縮機のクランク室の圧力(Pc)を制御するようにされたクラッチ付き圧縮機用制御弁であって、
    弁体部を有する弁棒と、前記弁体部が接離する弁口が設けられた弁室を有し、前記弁口より上流側に1個もしくは複数個の吐出圧冷媒入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通する冷媒出口が設けられた弁本体と、前記弁棒を弁口開閉方向に駆動するための電磁式アクチュエータと、前記圧縮機の吸入圧力に応動して前記弁棒を弁口開閉方向に駆動する感圧応動部材と、を備え、
    前記電磁式アクチュエータのコイルに供給される電流値が所定値(Ia)以下となる非制御領域での前記圧力(Pc)が、前記クラッチ付き圧縮機での許容圧力値(Xc)を越えないようにすべく、前記冷媒入口から前記弁口に導かれる冷媒流量を規制する絞り機構が設けられるとともに、前記電流値が前記所定値(Ia)を越える制御領域での前記圧力(Pc)特性が、前記絞り機構が設けられていない状態での特性と略同じになるように、前記弁体部の前記弁口からの最大リフト量が設定されていることを特徴とするクラッチ付き圧縮機用制御弁。
  2. 圧縮機回転軸に伝達される回転駆動力をクラッチで断接することができるようにされたクラッチ付き圧縮機に用いられ、該圧縮機のクランク室の圧力(Pc)を制御するようにされたクラッチ付き圧縮機用制御弁であって、
    弁体部を有する弁棒と、前記弁体部が接離する弁口が設けられた弁室を有し、前記弁口より上流側に圧縮機から吐出圧力の冷媒を導入するための1個もしくは複数個の吐出圧冷媒入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通する冷媒出口が設けられた弁本体と、コイル、該コイルの内周側に配在された円筒状のステータ、該ステータに固定された吸引子、及び前記吸引子の下方に上下方向に摺動自在に配在されたプランジャ、を有する電磁式アクチュエータと、前記ステータの内周側で前記吸引子より上方に形成されて前記圧縮機から吸入圧が導入される感圧室と、該感圧室に配在された感圧応動部材と、該感圧応動部材と前記プランジャとの間に配在された作動棒と、を備え、前記吸引子に前記プランジャが引き寄せられると、それに伴って前記弁体部が閉弁方向に移動し、前記感圧応動部材により前記作動棒が押動されると、それに伴って前記弁体部が開弁方向に移動するようにされており、
    前記電磁式アクチュエータのコイルに供給される電流値が所定値(Ia)以下となる非制御領域での前記圧力(Pc)が、前記クラッチ付き圧縮機での許容圧力値(Xc)を越えないようにすべく、前記冷媒入口から前記弁口に導かれる冷媒流量を規制する絞り機構が設けられるとともに、前記電流値が前記所定値(Ia)を越える制御領域での前記圧力(Pc)特性が、前記絞り機構が設けられていない状態での特性と略同じになるように、前記弁体部の前記弁口からの最大リフト量が設定されていることを特徴とするクラッチ付き圧縮機用制御弁。
  3. 前記絞り機構は、前記冷媒入口と前記弁口とを連通するオリフィスで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ付き圧縮機用制御弁。
  4. 前記冷媒入口が左右一対設けられるとともに、該一対の冷媒入口と前記弁口とがそれぞれオリフィスで連通せしめられていることを特徴とする請求項3に記載のクラッチ付き圧縮機用制御弁。
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