JP4599058B2 - カール低減剤、インクジェット用インク、インクジェット記録方法及びカール低減方法 - Google Patents

カール低減剤、インクジェット用インク、インクジェット記録方法及びカール低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、カール低減剤を含有するインクジェット用インク、かかるインクを吐出させて画像の記録を行うインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、インク滴を飛翔させ、直接紙等の吸収性のあるメディアに付着させて記録を行う記録方式であり、小型で低価格なため、家庭やオフィスで使用するパーソナルコンピュータの出力機として広く普及している。更に、インクジェット記録方式は、解像度や品位の高い画像を高速で記録する記録方法に好適に適用できるものである。
ここで使用されるインクは、一般的に、水を主成分とし、色材及び微細なノズルの固着を低減する目的でグリセリン等の極性溶媒を含有している。このようなインクは、臭いがなく、引火点が高いなどの利点もあるが、インクが水分を主体とするため、多量のインクを被記録媒体に付与してインク中の色材を被記録媒体に定着させる場合、多量の水を被記録媒体に吸収させることになり、プリント速度はインクの被記録媒体への浸透速度に依存する場合がある。
一方、被記録媒体として普通紙を用いた場合、多量の水を吸収した後、時間の経過に伴って紙自身が形状変化を起こす場合がある。この変化には2種類あり、ひとつは紙が波打つこと(コックリング)であり、もうひとつはカールである。カールは、紙の縁が紙の中心に向かって移動することである。カールの方向は、プリント面もしくは非プリント面に向かうこともある。非プリント面に向かう場合を逆カールという。カールは記録直後に起こることもあるが、放置時間と共に現れ、最終的には筒状になることもあり、ユーザーは記録物の保管に著しく不便をきたす。
このような問題を解決するために、特許文献1には、インクに糖を4〜20質量%加えることによりカール現象を低減する技術が開示されている。
また、特許文献2には、分子内に複数の水酸基をもつ化合物がカール低減剤として挙げられている。かかる分子内に複数の水酸基を持つ化合物とは、炭素数が3〜11のジオール類、そのエチレオキサイド誘導体またはポリオキシアルキレン誘導体、グリセリンのエチレンオキサイド誘導体またはそのアルキレン誘導体、ピラノシド及びその誘導体、脂肪族ポリアミンのポリオキシアルキレン誘導体である。
また、特許文献3には、カール低減剤として、アセトアミド、プロピオンアミド、イソブチルアミド、ヘキサンアミドのカルボン酸アミドのほか、炭素数が6までのアルキル尿素、具体的にはブチルウレア、1,3−ジメチルウレア、エチルウレア、プロピルウレア、1,3−ジエチルウレアのほか、テトラヒドロピリミドン化合物、イミダゾリジノン化合物等の含窒素環状化合物が挙げられており、これらの化合物を少なくともインク中に10質量%以上含むことが述べられている。
特開平06−240189号公報 特開平06−157955号公報 特開平09−176538号公報
本願発明者の検討によると、特許文献1に記載されているインクは、例えば、インクをサーマルインクジェット方式によって吐出させ記録する場合においては、ヒーター上に「こげ」を作り易いため、吐出性が劣化することがあった。また、特許文献2に記載されているインク組成物は、カール防止効果が不十分であった。更に、特許文献3に記載されているインク組成物は、容易に加水分解してアルキルアミンとなってしまうため、好ましくない。
このように、現在においても、水系のインクジェット用インクを用いて普通紙に記録密度の高い(単位面積あたりのインク付与量の大きい)画像の記録を行った後の時間経過に伴って生じる被記録媒体のカール現象をより高いレベルで解決することが望まれている。
本発明の目的は、画像の品位を低下させることなく、普通紙の全面にインクを付与するような場合に特に生じ易い、記録後の時間の経過に伴って生じる紙の形状変化、即ちカール現象を低減することのできるカール低減剤を含有するインクジェット用インク、かかるインクを吐出させて画像の記録を行うインクジェット記録方法を提供することにある。
被記録媒体のカール低減剤としては、下記一般式(a)、(b)及び(c)からなる群より選択される式で示される構造を有し、かつ分子量が1000未満のアミド化合物を含有する低減剤ある。
Figure 0004599058
[一般式(a)中、R0は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH2)n1COOH(n1は2または3である。)、−(CH2)n2SO3Na(n2は2または3である。)または−(CH2)n3SO3H(n3は2または3である。)を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基を表す。但し、R1とR2は同時に水素原子とはならない。]
Figure 0004599058
[一般式(b)中、R0は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH2)m1COOH(m1は2または3である。)、−(CH2)m2SO3Na(m2は2または3である。)または−(CH2)m3SO3H(m3は2または3である。)を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子または水酸基で置換された炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。但し、R1とR2は同時に水素原子とはならない。]
Figure 0004599058
[一般式(c)中、R0はフェニレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基またはシクロへキシレン基を表し、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基または−(CH2CH2O)nH(nは1〜5の整数を表す。)を表す、但し、R1とR2は同時に水素原子とはならず、R3とR4も同時に水素原子とはならない。]
本発明のインクジェット用インクは、色材及び水性媒体を含有するインクジェット用インクにおいて、該インクが更に下記一般式(b’)で示される構造を有し、かつ分子量が1000未満のアミド化合物を含有することを特徴とするインクジェット用インクである。
Figure 0004599058
[一般式(b’)中、nは1であり、R 0 は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH 2 )m 1 COOH(m 1 は2または3である。)、−(CH 2 )m 2 SO 3 Na(m 2 は2または3である。)または−(CH 2 )m 3 SO 3 H(m 3 は2または3である。)を表し、R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して水素原子または水酸基で置換された炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。但し、R 1 とR 2 は同時に水素原子とはならない。]
かかるインクをインクジェット方法で吐出することにより被記録媒体に該インクを付与して被記録媒体のカールを低減することができる
本発明のカール低減剤を含むインクを用いることにより、水系のインクジェット用インクを用いて普通紙に画像の記録を行った場合においても、画像の品位を低下させることなく、カール現象を十分に抑制し、被記録媒体を扱い易くすることができる。
まず、カール低減効果を有するアミド化合物及びこの化合物を含有するインクジェット用インクのカール低減効果について述べる。
本発明者らは、被記録媒体のカール現象は、紙を構成するセルロース分子中の水酸基に水が水素結合することによって生じる繊維の膨潤、及び水が蒸発することに伴うセルロースの収縮が原因と推察した。そこで、水分子の代わりにセルロースと水素結合し、かつ分子内に2個以上、好ましくは3個以上の水素結合可能な基を有する化合物を用いることで、被記録媒体のカール現象を良好に抑制することができると予測し本発明に至った。
上記一般式(a)〜(c)で示されるアミド化合物は、アミド結合に直結しているアルカノール基の水酸基のプロトンもしくはエチレンオキサイド基の末端水酸基のプロトンやカルボキシル基、スルフォン基の末端のプロトンとセルロース繊維の水酸基の酸素が水素結合し、繊維を架橋するような形をとるために優れたカール低減効果を発揮できるものと考えられる。更に、アミド結合内の窒素原子の求核性により、これらのセルロース間に生成した水素結合力が強力になるために、これらの相乗効果によって、極めて優れたカール低減効果が得られるものと考えられる。
加えて、アミド化合物が、分子内に2個以上のアミド結合を形成している窒素を有している場合は、各窒素に対し1個以上のアルカノール基またはエチレンオキサイド基を有することにより、より一層のカール抑制を発揮することができる。
一方、分子内にアミド結合を形成しているカルボニル基を構成している窒素を1つしか含まない場合は、1つ以上のアルカノール基、エチレンオキサイド基が窒素に直結していることに加え、アミド結合を形成しているカルボニル基を構成している炭素にもアルカノール基またはエチレンオキサイド基が直結していないと十分なカール低減効果が得られない。更に優れたカール低減効果を得るためには、アミド結合を形成している窒素に直結した2つのアルカノール基、エチレンオキサイド基に加え、アミド結合の炭素に直結したアルカノール基、エチレンオキサイド基を有する、即ち、3つの水素結合によりセルロースを架橋することが可能なアミド化合物であることが好ましい。
上記のメカニズムは、上述したアミド化合物以外にも適用できると考えられる。例えば、ウレタン結合や尿素結合においてもそれらの結合に直接炭素数4以下のアルキルアルコールが2〜4個付加された化合物は、窒素の求核的作用を利用したカール低減剤になり得ると推察される。尿素結合を有す物質としては、特許第03412857号に開示されているような1,3−ビス(βヒドロキシエチル)尿素、1−αヒドロキシプロピル−3−(βヒドロキシエチル)尿素、1,1−ビス(βヒドロキシエチル)−3−(βヒドロキシエチル)尿素、1,1−ビス(γヒドロキシプロピル)−3−(βヒドロキシエチル)尿素などを挙げることができる。ウレタン結合を有する物質としては、特開平7−268261に開示されているヘキサメチレンジアミンにイソシアナート誘導体を付加した化合物などが挙げられる。本発明に用いられるアミド化合物及びこれらの公知の化合物類は、窒素が含有される原子団(尿素結合、ウレタン結合、アミド結合)を複数有するため、それらの原子団同士及び水酸基(セルロース)との間の強い凝集力の作用によって優れたカール低減効果を発揮できるものと推定される。
一方、アミド結合を有していても、尿素はセルロースの架橋を行うには分子サイズが小さすぎて、2つ以上のセルロース繊維間の架橋が困難であると推測され、実際、カール抑制効果を示さない。また、アミド結合に直結するアルカノール基がメタノールでは、化合物の反応性が高すぎてインクの保存安定性に支障をきたし易いために好ましくない。
アミド結合内の窒素原子の求核性がある程度高い方が好ましいため、好ましいアルカノール基の炭素数は2〜4が好ましい。4より大きいと窒素の求核的作用におけるセルロース繊維との水素結合力が弱くなるほか、水への溶解度が低下する傾向があるため好ましくない。最も好ましいのは炭素数2のエタノールである。
また、アミド結合の窒素に直接結合する官能基がエチレンオキサイドの場合については、エチレンオキサイドユニットが1〜5個のエチレンオキサイドの重合体で形成されていることが好ましい。5個よりも大きいエチレンオキサイドユニットでは窒素の求核性が十分に得られないため、カール低減効果に劣るほか、化合物の粘度が高くなるためインクの粘度上昇を招き、インク吐出性(特に所定期間停止後に再吐出する際の吐出性、所謂発一性)が悪化するため好ましくない。
また、本発明のカール低減剤に用いられるアミド化合物の分子量は1000未満である。1000以上の高分子量になると、インクの粘度が高くなり、インクの追随性がなくなるほか、特にノズルのメニスカスで水や低沸点の溶媒蒸発が生じ、ノズル固着を招くために好ましくない。
従って、カール低減剤としては、上記一般式(a)〜(c)から選択される、分子内にアミド結合を有し、かつアミド結合にアルカノール基もしくはエチレンオキサイド基が直結する構造を有するアミド化合物であって、なおかつ分子量が1000以下であるアミド化合物を含有するものが挙げられる
一般式(a)中、R0は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH2)n1COOH(n1は2または3である。)、−(CH2)n2SO3Na(n2は2または3である。)または−(CH2)n3SO3H(n3は2または3である。)であり、好ましい例としては、−CH2CH2OH、−CH2CH(CH3)OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH(CH3)OH、−CH2CH(CH3)CHOH、−CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH(CH3)COOH、−CH2CH2SO3Na、−CH2CH2CH2SO3Na、−CH2CH(CH3)SO3Na、−CH2CH(CH3)SO3H、−CH2CH2SO3H及び−CH2CH2CH2SO3Hなどが挙げられる。
また、一般式(a)中、R1及びR2は水素原子及びアルカノール基であり、好ましいアルカノール基としては、それぞれ、−CH2CH2OH、−CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−(CH2)CH(CH3)OH、−CH2CH2CH(CH3)OH、−CH2CH(CH3)CH2OH、−CH(OH)CH2CH3、−CH(OH)CH2CH2CH3、−CH2C(CH3)(OH)CH3、−CH(OH)CH3、−CH(CH3)CH2OH、−C(CH32OH、−CH2CH(OH)CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH2OH、−CH(CH3)CH(OH)CH3、−C(CH32CH2OH、−CH(OH)CH(CH3)CH3及び−C(OH)(CH3)CH2CH3などが挙げられる。
一般式(b)のR0は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH2)m1COOH(m1は2または3である。)、−(CH2)m2SO3Na(m2は2または3である。)または−(CH2)m3SO3H(m3は2または3である。)であり、好ましい例としては、−CH2CH2OH、−CH2CH(CH3)OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH(CH3)OH、−CH2CH(CH3)CHOH、−CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH(CH3)COOH、−CH2CH2SO3Na、−CH2CH2CH2SO3Na、−CH2CH(CH3)SO3Na、−CH2CH(CH3)SO3H、−CH2CH2SO3H及び−CH2CH2CH2SO3Hなどが挙げられる。
また、一般式(b)中、R1及びR2は水素原子及びアルカノール基であり、好ましいアルカノール基としては、それぞれ、−CH2CH2OH、−CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−(CH2)CH(CH3)OH、−CH2CH2CH(CH3)OH、−CH2CH(CH3)CH2OH、−CH(OH)CH2CH3、−CH(OH)CH2CH2CH3、−CH2C(CH3)(OH)CH3、−CH(OH)CH3、−CH(CH3)CH2OH、−C(CH32OH、−CH2CH(OH)CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH2OH、−CH(CH3)CH(OH)CH3、−C(CH32CH2OH、−CH(OH)CH(CH3)CH3及び−C(OH)(CH3)CH2CH3などが挙げられる。
更に、一般式(c)のR0はフェニレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基またはシクロへキシレン基を表し、これらの中では、フェニレン基、プロピレン基、ブチレン基及びシクロへキシレン基であることが好ましい。R0がフェニレン基、シクロヘキシレン基の場合の置換位置は、オルト、メタ、パラ位のいずれのものであっても良い。
また、一般式(c)のアミド結合に直結する4つの官能基R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基または−(CH2CH2O)nH(nは1〜5の整数を表す。)を表す、但し、R1とR2は同時に水素原子とはならず、R3とR4も同時に水素原子とはならない。好ましいアルカノール基としては、それぞれ、−CH2CH2OH、−CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−(CH2)CH(CH3)OH、−CH2CH2CH(CH3)OH、−CH2CH(CH3)CH2OH、−CH(OH)CH2CH3、−CH(OH)CH2CH2CH3、−CH2C(CH3)(OH)CH3、−CH(OH)CH3、−CH(CH3)CH2OH、−C(CH32OH、−CH2CH(OH)CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH2OH、−CH(CH3)CH(OH)CH3、−C(CH32CH2OH、−CH(OH)CH(CH3)CH3及び−C(OH)(CH3)CH2CH3などが挙げられる。また、好ましい(CH2CH2O)nH(nは1〜5の整数を表す。)としては、−CH2CH2OH、−(CH2CH2O)2H、−(CH2CH2O)3H、−(CH2CH2O)4H、−(CH2CH2O)5Hが挙げられる。R1〜R4は水素原子、炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基であることが好ましい。また、R1〜R4が−(CH2CH2O)nH(nは1〜5の整数を表す。)の場合は、R1とR3が−(CH2CH2O)nH(nは2〜5の整数を表す。)であり、R2とR4が水素原子または−(CH2CH2O)nH(nは1〜5の整数を表す。)であることが好ましい。
以下に特に好ましいアミド化合物の例を挙げる。
Figure 0004599058
カール低減剤は、少なくとも上記アミド化合物を含有するものであるが、かかるアミド化合物以外にも、必要に応じて各種溶媒を含有することができる。例えば、上記アミド化合物単独で、あるいは後述するインクに用いられる少なくとも色材以外の成分、例えば水、各種溶媒及び添加剤などとともにカール低減剤を調製することができる。本発明においては、上記アミド化合物の含有量がカール低減剤全質量に対し、5〜100質量%であることが好ましい。カール低減剤を溶液として使用する、特に、後述のように、インクの下打ちなどに用いる場合は、アミド化合物の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。
以下、本発明のインクジェット用インクの好ましい実施形態について説明する。
本発明のインクは、少なくとも色材及び水性媒体を含有し、更に、上述のアミド化合物の中から選択した先に挙げた一般式(b’)で表されるアミド化合物の少なくとも1種を含有する。本発明においては、上記アミド化合物の含有量がインク全質量に対し、3〜30質量%であることが好ましく、特には3〜10質量%であることが好ましい。3質量%に満たないと本発明の効果が十分に得られにくくなり、10質量%を超えると粘度が高くなり過ぎ、吐出性に悪影響を及ぼし易くなる。

インク中での上述のアミド化合物の好ましい使用範囲は、共存する材料の種類や添加量により変わり得る。グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの炭素数が少なくOH基を有するものが多量に入ることにより、理由は定かではないがカール抑制効果が阻害される傾向がある。
従って、炭素数が6以下であり、OH基が3個以下である化合物の含有量はインク全質量に対し、10質量%以下であることが好ましい。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン供与性極性溶媒、グリコールエーテルなどは、先に挙げた極性溶媒よりはカールの程度が良いが、時間の経過と共にカールが生じる傾向がある。また、これらの溶媒はヘッド構成材料を溶解する傾向があるため、含有量はインク全質量に対し、10質量%以下であることが好ましく、特には5質量%以下であることが好ましい。
一方、炭素数5〜6のジオール類、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、炭素数4以上のエチレングリコールは、本発明のアミド化合物ほどではないが、カール防止効果を有する。従って、炭素数5〜6のジオール類や炭素数4以上のエチレングリコール類を本発明のインク中においてカール防止剤と併用するとカール防止性、ノズルの回復性、染料の溶解性等インクジェットインクとしての機能が増幅される。
本発明においては、水分の蒸発によるノズルの固着防止のための固着低減溶剤と上記アミド化合物の合計量が、インク全質量に対し、10〜50質量%であることが好ましく、特には10〜30質量%であることが好ましい。
本発明のインクに用いられる色材は特に限定されるものではなく、染料、顔料どちらでも良い。例えば、色材としてはブラック、シアン、イエロー、マゼンタの他、従来公知のオレンジ、グリーン、ブルー、ダークイエロー、グレイ、バイオレット等の染料、顔料も問題なく使用できる。
好ましい染料は、酸性、塩基性、直接、食用、分散、反応性などで、その含有量は、インク全質量に対し0.01〜10質量%であることが好ましい。また、顔料を樹脂や界面活性剤等の分散剤によって分散した分散体や、顔料の表面を表面改質してイオン性を付与し、自己分散させたものを用いてもよい。インクジェットヘッドの微細なノズル孔より吐出させるために、粒径は小さい方が良いが、あまり小さくすると、光の透過性が上がり着色力が低下するため、50〜500nmの粒径であることが好ましい。
また用途によりシリカ、アルミナ、チタニア等の無機顔料を選択することも可能である。
また、インク中の水性媒体としては、水などが挙げられ、その含有量は、インク全質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、特には30〜80質量%であることが好ましい。
本発明においては、色材及び水性媒体以外にも従来よりインクジェット用インクに用いられてきた公知の各種溶剤及び界面活性剤などを用いることができる。
更には、本発明の顕著な効果が得られる範囲で、従来よりインクジェット用インクに用いられてきた公知のカール低減剤を用いることもできる。
また、添加剤としては、無機アルカリやアルカノールアミン、有機酸、無機酸等のpH調整剤、酢酸リチウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、トリスヒドロキシアミノメタンなどのpH安定剤(バッファー)、インクのメディアへの吸収速度をコントロールするための界面活性剤、インクの長期保存によりカビ等の生成を防ぐための防カビ剤、インク中に溶出し、ヒーターに堆積したり吐出口周辺部に析出し印字性能に悪影響を与える金属イオンを捕獲しるためのエチレンジアミンテトラ酢酸塩等のキレート剤、金属イオンと錯体を形成するクエン酸等を併用しても良い。
更に、カラーインクとブラックインクの境界にじみ(ブリード)を低減させるために、本発明にかかるカラーインクに多価金属塩を添加し、本発明にかかるブラックインクを記録する際に、被記録材上にカラーインクを付与した後、同じ場所にブラックインクを付与する(下打ち)、または、被記録材上にBkインクを付与した後、同じ場所にカラーインクを付与する(上打ち)、あるいは下打ちと上打ちの併用を行い、ブラックインクの色材を凝集させて、ブラックインクの定着を早めてもよい。多価金属イオンとしては、Zn2+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+、Al3+などであるがこれに限定するものではない。これらのイオンと結合するアニオンとしてはNO3-、F-、Cl-、Br-、I-、CH3COO-、SO4 2-が好ましい。
カラーインクとブラックインクの境界にじみ(ブリード)を低減させる別の手法として、本発明にかかるカラーインクに有機酸を添加しブラックインクとカラーインクのpH差を設けて、ブラックインクを印字する際に下打ち、上打ち、または下打ちと上打ちの併用を行い、ブラックインクの色材を凝集させて、黒インクの定着を早めてもよい。有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルコン酸、アジピン酸等のニ塩基酸や蟻酸、酢酸、プロピオン酸などが好ましい。
また、色材をゲル化させるゲル化剤を含む透明な第2のインクを作成し、それらを用いて本願発明にかかるインクの下打ちまたは上打ちを行い、色材をゲル化させても良い。ゲル化剤としては上記に示した多価金属塩、上記に示した有機酸、またはポリアリルアミンやポリエチレンイミン、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン成分を用いると良いが、色材を凝集させるものであればこれに限るものではない。
下打ちや上打ちのような重ねうちの手法をとると、インクの打ち込み量が増える傾向にあるために印字物がカールし易くなるが、本発明のインク中に含まれるカール低減剤入りインクは無論のこと、先に打ち込む色材を含まない溶液を本発明のカール低減剤とすることにより、非常に良好に印刷物のカールを回避することが可能となる。
また、このようなゲル化液を含むインクはインクジェットヘッドを用いて印字しても良いし、あるいはバーコーターやスプレーコーターを用いて被記録媒体の全面に塗布して用いることも可能である。
なお、本発明のカール低減剤を下打ち(前塗布)液として用いる場合は、たとえ色材を凝集させるような機能がなくとも被記録媒体のカールを低減させる効果が得られるのはいうまでもない。
本願発明にかかるインクをインクジェット記録に用いる際には、インクを被記録媒体へ浸透定着させるため、あるいは記録スピードを高めるために界面活性剤をインクに添加し浸透スピードを高めても良い。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性いずれのものでも使用可能であるが、インクの保存安定性を考慮するとノニオン性のものが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドのプルロニックタイプ、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサンエチレンオキサイド付加物及びそれらの誘導体、ベタイン型フッカアルキルなどが好ましいが、長期保存性、界面活性効果を考慮するとポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
なお、特許第03412857号にも記載されているように、アミド結合に水素を付加した構造は、活性水素の影響により加水分解し、モノエタノールアミンなどのアルコールアミン等を発生しインクのpHを上昇させ易い。本発明者らがモノエタノールアミンの解離定数(K)を用いて、溶液中のモノエタノールアミン量とpHの関係を算出したところ、モノエタノールアミンが1.0×10-4mol/リットルの場合にpHが9.62、モノエタノールアミンが1.0×10-5mol/リットルの場合にpHが8.90であった。このため本発明においても、原料由来のアルコールアミン濃度を抑制するとともに、アミン活性を抑制すべくpHを調整することが好ましい。
本発明は、被記録媒体としてシート状の普通紙を用いた際に特に効果的である。この普通紙としては、一般に市販されているコピー用紙、コピー用再生紙、インクジェット用普通紙、カラーインクジェット用普通紙、インクジェット・電子写真共用紙、和紙等が挙げられる。その中には、紙表面に特別の白色顔料がコートされていないか、コートされていても塗工量が少なく下地の紙(基紙)のパルプ繊維が部分的にでも露出しているものも含む。
本発明のインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式にとりわけ好適に用いられるが、他のインクジェット記録方法や一般の筆記用具としても使用できることはいうまでもない。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げられる。
図1は、本発明に係る吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッド及びこのヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンターの一例の要部を示す概略斜視図である。図1においては、インクジェットプリンターは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられる記録媒体としての用紙1028を図1に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030と、搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する走査レール1014上を方向Sに略平行に往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
搬送装置1030は、互いに略平行に対向配置される一対のローラユニット1022a及び1022bと、一対のローラユニット1024a及び1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させる駆動部1020とを備えている。これにより、駆動部1020が作動状態とされるとき、用紙1028が図1に示す矢印P方向にそれぞれのローラユニット1022a及び1022bと、ローラユニット1024a及び1024bにより狭持されて間欠送りで搬送されることとなる。
移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a及び1026bに巻きかけられるベルト1016と、ローラユニット1022a及び1022bに略平行に配置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向及び逆方向に駆動させるモーター1018とを含んで構成されている。
モーター1018が作動状態とされて、ベルト1016が図1の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは図1の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。また、モーター1018が作動状態とされてベルト1016が図1の矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは図1の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
記録部1010は、インクジェットカートリッジ1012(以下、単にカートリッジと記述する場合がある。)各カートリッジ1012Y、1012M、1012C及び1012Bが各色、例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックごとにそれぞれ、キャリッジ部材1010aに対して着脱自在に備えられる。
図2は、カール低減剤を下打ち(前塗布)液として用いる場合の記録装置の主要部を示す模式的断面図である。
図2の91は被記録媒体である普通紙であり、記録装置の用紙搬送経路を示す矢印の方向に搬送されている状態である。92は記録装置に備えられ、被記録媒体91の搬送方向と垂直に走査し、記録画像を形成するための記録ヘッドであり、記録インク93が紙の表面に吐出されている状態を示している。記録インク93が吐出される方向と被記録媒体91を挟んで対向する側には、記録インク吐出時に被記録媒体91を安定保持するためのプラテン94が配設されている。
カール低減剤の付与は、図2中Aが示す位置における工程で行われる。
被記録媒体搬送経路に設けられた塗布ローラー95は、被記録媒体91にカール低減剤を転写付与するものであり、被記録媒体91を挟む形で設けられた用紙搬送ローラー96と対の構成を成している。なお、用紙搬送ローラー96は、塗布ローラー95の加圧のための専用の構成でも問題ない。また、本図では、被記録媒体91を画像形成時に安定に保持するために必要なその他のローラー(ピンチローラー、拍車)といった構成は省略している。
被記録媒体91が矢印の方向に搬送されると、用紙搬送ローラー96の駆動力により、被記録媒体91が搬送されると同時に、不図示のカール低減剤供給手段から塗布ローラー95表面にほぼ均一に供給されたカール低減剤97が被記録媒体91の表面に転写される。塗布ローラー95と用紙搬送ローラー96の加圧により、転写されるカール低減剤97は被記録媒体91の表面に均一に付与される。
なお、上記不図示のカール低減剤供給手段は特定の手段に限定されず、貯蔵タンクから塗布ローラー95へ供給する、カール低減剤を含浸させた吸収体からの塗布ローラー95へ供給するなど、様々な実施形態が適宜選択可能である。
更には、塗布ローラー95を用いた被記録媒体91へのカール低減剤の転写手段も、これに限定されるものではなく、貯蔵タンクに貯蔵されたカール低減剤をゴム状のヘラで被記録媒体91に転写する、カール低減剤を含浸させた吸収体から被記録媒体91に転写するなど、様々な実施形態が適宜選択可能である。
そして、カール低減剤97が被記録媒体91に付与された後、図中Bの位置で記録インク93が記録ヘッド92から付与され、画像が形成される。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。本発明の実施例、参考例、比較例で使用した材料を下記表1に示す。「部」は全て質量部を意味する。水は限外濾過、イオン交換樹脂等の処理を行った純水を使用した。
参考例1〉
表1に示した参考例1で使用する化合物を混合し、更にポアサイズが0.2ミクロンのメンブレンフィルターを用いて加圧濾過し、参考例1のインクを得た。
参考例2〜10、実施例1、比較例1及び2〉
参考例1と同様にして、表1に示した化合物を処方し、参考例2〜10、実施例1、比較例1及び2のインクを得た。
参考11
(イエローインクの調製)
スチレン−アクリル酸共重合体(Joncryl 678、ジョンソンポリマー社製)とこれを中和するのに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合した。更に、約60℃に保温した状態でこれらを撹拌混合し、10%のスチレン−アクリル酸共重合体水溶液を得た。
次に、下記成分を混合して30分間撹拌後、下記の条件で分散処理を行った。
・10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
・ピグメントイエロー74 10部
・イオン交換水 60部
・分散機:サンドグラインダー(アイメックス社製)
・粉砕メディア:1mm径ジルコニウムビーズ
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に遠心分離処理(12,000rpm.20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
上記の顔料分散液を使用した以外は参考例1と同様にして、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを調製し、参考11−Yのインクとした。
・上記顔料分散液 30部
・グリセリン 3部
・ジエチレングリコール 10部
・例示化合物6 8部
・アセチレノール 0.5部
・イオン交換水 48.5部
(マゼンタインクの調製)
ピグメントイエロー74をピグメントレッド122に代えたこと以外は上記参考11のイエローインクと同様にして、マゼンタンク(参考例11−Mを調製した。
(シアンインクの調製)
ピグメントイエロー74をピグメントブルー15:3に代えたこと以外は上記参考11のイエローインクと同様にして、シアンインク(参考例11−Cを調製した。
(ブラックインクの調製)
ピグメントイエロー74をカーボンブラック(カラーブラック#960、三菱化成製)に代えたこと以外は上記参考11のイエローインクの調製と同様にして、ブラックインク(参考例11−Bkを調製した。

以上により、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクの4色からなるインクセットを得た。
Figure 0004599058
(評価)
上記参考例、実施例及び比較例のインクを下記の2種のインクジェットプリンターの所定のインクタンクに充填し、A4の普通紙に周囲3cmを残した他は全面に印刷を行った。印字デューティは100%である。結果を表2に示す。
プリンター1:インクジェットプリンターBJC465Jカラーヘッド(360dpi×360dpi、吐出量25pl)キヤノン株式会社製
プリンター2:インクジェットプリンターBJF870(1200dpix1200dpi、吐出量4.5pl)キヤノン株式会社製
(評価1)
上記条件で記録した被記録媒体のカール量を以下のようにして評価した。印字物を23℃±2℃、湿度60%±5%の環境下に放置し、紙の四隅のカールの程度(紙を置いた台から紙の隅までの垂直距離)を物差しで測定後、それらの平均値を算出し、カールの評価値とした。放置時間を印字1日後7日とした。評価に使用した普通紙はA4サイズのNSK用紙(キヤノン製)及びXEROX4024(XEROX Corporation製)である。印字面を上とし、紙が凹方向にカールしたときを+(プラス)カール、凸方向にカールしたときを−(マイナス)カールと通常呼ぶが、本実施例、本参考例及び比較例においてはいずれも+(プラス)カールであった。
評価基準は、以下のようにした。
A・・・カールの評価値が20mm未満
B・・・カールの評価値が20mm以上〜35mm未満
C・・・カールの評価値が35mm以上
(評価2)
上記サンプルのべた記録画像の均一感を目視によって観察し、画像均一性を下記の基準で評価した。なお、紙はA4サイズのNSK用紙(キヤノン製)を用いた。
A・・・記録画像にかすれやスジがなく均一
B・・・記録画像にかすれやスジがみられ、やや不均一である
C・・・記録画像にかすれやスジが目立ち、不均一
(評価3)
英数字とベタ部を含む画像を50枚連続で出力し、得られた一連の画像の品質を官能評価し、吐出安定性を下記の基準で評価した。なお、紙はA4サイズのNSK用紙(キヤノン製)を用いた。
A・・・印刷の最終段階で得られた画像が初期画像と比較して、濃度、鮮明性において有意差なし。
B・・・印刷の最終段階で得られた画像が初期画像と比較して、濃度、鮮明さに若干の低下がある。
C・・・印刷の最終段階で得られた画像が初期画像と比較して、濃度の低下、或いはドットの乱れがある。
(評価4)
インク安定性にかかわる評価として、ノズル詰まりなどの問題が生じないかを上記のインクをヘッドにセッティングし、1ヶ月間放置した後に英数字とベタ部を含む画像を出力し、画像に乱れ、かすれなどが生じていないかを観察することにより、固着回復性を下記の基準で評価した。
A・・・かすれなし
B・・・ややかすれがある
C・・・かすれまたは不吐出がある
Figure 0004599058
インクジェットプリンターの一例の要部を示す概略斜視図である。 カール低減剤を下打ち(前塗布)液として用いる場合の記録装置の主要部を示す模式的断面図である。
符号の説明
91 被記録媒体
92 記録ヘッド
93 記録インク
94 プラテン
95 塗布ローラー
96 搬送ローラー
97 カール低減剤
1006 移動駆動部
1008 ケーシング
1010 記録部
1010a キャリッジ部材
1012 カートリッジ
1012Y、M、C、B 各色カートリッジ
1014 走査レール
1016 ベルト
1018 モーター
1020 駆動部
1022a、1022b ローラユニット
1024a、1024b ローラユニット
1026 回復ユニット
1026a、1026b プーリ
1028 用紙
1030 搬送装置

Claims (2)

  1. 色材及び水性媒体を含有するインクジェット用インクにおいて、該インクが更に下記一般式(b’)で示される構造を有し、かつ分子量が1000未満のアミド化合物を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
    Figure 0004599058
    [一般式(b’)中、nは1であり、0は炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルカノール基、−(CH2)m1COOH(m1は2または3である。)、−(CH2)m2SO3Na(m2は2または3である。)または−(CH2)m3SO3H(m3は2または3である。)を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子または水酸基で置換された炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。但し、R1とR2は同時に水素原子とはならない。]
  2. 請求項1に記載のインクをインクジェット方法で吐出する工程を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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