JP4598786B2 - 石英ガラス管の製造方法 - Google Patents

石英ガラス管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4598786B2
JP4598786B2 JP2007036611A JP2007036611A JP4598786B2 JP 4598786 B2 JP4598786 B2 JP 4598786B2 JP 2007036611 A JP2007036611 A JP 2007036611A JP 2007036611 A JP2007036611 A JP 2007036611A JP 4598786 B2 JP4598786 B2 JP 4598786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quartz glass
glass tube
plug
press
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007036611A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007161582A (ja
Inventor
真 三谷
友希 片畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ohara Inc
Original Assignee
Ohara Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ohara Inc filed Critical Ohara Inc
Priority to JP2007036611A priority Critical patent/JP4598786B2/ja
Publication of JP2007161582A publication Critical patent/JP2007161582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4598786B2 publication Critical patent/JP4598786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

本発明は、石英ガラス管を所定の外径および内径に加工する石英ガラス管の製造方法に係り、特に、光通信の光ファイバ用の母材や半導体製造装置などに用いる石英ガラス管の製造方法に関する。
石英ガラスは、電子デバイスを製造する装置などに用いられる部品材料として使われ、その活用範囲も多岐にわたる。現在、IT産業の成長と共に、電子デバイスが組み込まれる情報機器は、急速な発展を続けており、それに伴い、石英ガラスの需要も飛躍的に伸びている。
特に光ファイバ用の母材や半導体製造装置には、性能に悪影響を与える不純物の極めて少ない石英ガラスが必要とされることから、これらに用いられる石英ガラス管には、VAD法(Vapor Phase Axial Deposition Method;気相軸付け法)により製造された石英ガラス棒やOVD法(Outside Vapor Phase Deposition Method;外付け法)により製造された石英ガラス管を加工した石英ガラス管が用いられる。
従来、所定の内径および外径(以下、内外径という)を有する石英ガラス管を得るため、石英ガラス棒や石英ガラス管(以下、このような加工前の石英ガラス棒および石英ガラス管をまとめて「石英ガラス素材」という)を機械的に研削加工することによって、またはこの後さらに、熱間延伸することによって、所定の内外径を有する石英ガラス管に加工していた。しかし、これらの方法では、研削加工を伴うため、作業能率が低く、さらに石英ガラスの屑粉が多く発生するために、歩留まりを一定以上に高くすることができない。
そこで、歩留まりよく所定の内外径を有する石英ガラス管を得るため、いわゆる熱間プラグ圧入法と呼ばれる石英ガラス管の製造方法が開発されている。その一つとして、特許文献1には、円柱状の石英ガラス棒の先端を加熱しつつ回転させ、軟化した石英ガラス素材にプラグの先鋭端を当接させることにより、所定の内外径を有する石英ガラス管を製造する方法が開示されている。
特開平3−247525号公報
特許文献1に記載の方法では、製造される石英ガラス管の内外径は、それぞれプラグの外径およびプラグの周囲に配置された円環状のダイスの内径によって決定されるはずである。
しかし、上記公報の記載にしたがって、石英ガラス棒から所定の内外径を有する石英ガラス管を製造しようとした場合、製造された石英ガラス管の内径および外径の変動が大きく、その上、内表面および外表面に疵が発生し、表面の性状が悪くなるという問題が生じた。
そのため、この方法を施した石英ガラス管には、さらにその内外表面に機械加工を施さざるを得ず、工程数の増加および歩留まりの低下を招いていた。
また、上記に加え、熱間プラグ圧入法により石英ガラス管の内外径を整える場合にも問題があった。加工前の石英ガラス管の内径、外径をそれぞれID1、OD1、加工後の石英ガラス管の内径、外径をそれぞれID2、OD2としたとき、
1)ID1>ID2 かつ OD1≦OD2
2)ID1≦ID2 かつ OD1≦OD2
3)ID1>ID2 かつ OD1>OD2
4)ID1≦ID2 かつ OD1>OD2
の計4通りの加工パターンが考えられる。
図1は、この方法により石英ガラス管の内外径を整える場合の加工パターンを示した図である。上記1)〜4)が、それぞれ図1における(1)〜(4)に当たる。
このとき、図1の(2)および(4)に示すようにプラグにより内径を拡大する場合には、プラグによる圧入効果により、石英ガラス管の成形が適切に行えるように思われたが、実際のところ、加工後の内径はプラグの外径よりも平均2〜3mm大きくなり、また、内径変動が生じた。
また、図1の(1)および(3)に示すように内径を縮小する場合には、当然プラグによる圧入効果は期待できず、内径はプラグの外径に沿うようには成形されず、図1の(2)および(4)の加工パターンよりも大きな内径変動が生じ、さらに内面の表面性状も悪化した。
本発明の課題は、熱間プラグ圧入法により石英ガラス管を製造する方法において、製造される石英ガラス管の内外径の変動を抑制し、さらに疵などのない表面性状の良好な所定の内外径を有する石英ガラス管の製造装置および製造方法を提供することにある。
本発明者は、まず、熱間プラグ圧入法を施した際に生じる石英ガラス管の外径の変動および外表面の疵の発生に関し、検討を行った。そこで、石英ガラス素材を石英ガラス管に成形する際の材料の挙動について詳細に調べたところ、プラグによる成形が比較的温度の高い位置で行われるため、石英ガラス素材がプラグおよびダイスにより成形されてプラグより出た後においても変形が起こり、その結果、外径に変動が生じることを知得した。また、変動によって外径が大きくなると、その部分が本来接触すべきではないダイスの部分に接触するため、多数の疵が発生することが判明した。
本発明者らは、更に、石英ガラス素材としての石英ガラス管(加工前の石英ガラス管)に対し、熱間プラグ圧入法を施した際に生じる加工後の石英ガラス管の内径の変動および内表面の疵の発生に関しても検討を行った。石英ガラス管の内表面は、加熱・軟化した状態でプラグに接触するため、プラグとの接触状態が内径の変動および内表面の疵の発生に影響する。そのため、圧入前の石英ガラス管内を減圧し、石英ガラス管の内表面とプラグとの接触状態を変えることにより、内径の変動および内表面の疵の発生を防止することを試みた。
次に、石英ガラス管の内表面の疵の発生に関し、検討を行った。通常、プラグの材質は黒鉛を用いる。この場合、黒鉛、すなわち炭素と石英中の珪素が反応して、プラグ先端にβ−SiCが形成され、このβ−SiCによって内表面に疵が発生することが明らかになった。これは、石英ガラスの成形が行われている部分に起因するものであり、これはプラグ、特に石英ガラスの変形が進むプラグの先端部の形状によって制御可能ではないかと考えられる。
そこで、プラグの形状を改良し、材料挙動を適切に制御し、石英ガラス管の外径の変動および外表面と内表面の疵の発生を防止することを試みた。
本発明は、以上のような知見に基づくものであり、下記(1)〜(3)の石英ガラス管の製造方法を要旨とする。
(1)石英ガラス管の一部分を加熱し、プラグを石英ガラス管に対して相対的に回転させながら圧入することにより、所定の内径および外径を有する石英ガラス管を製造する石英ガラス管の製造方法において、圧入前の石英ガラス管内を減圧することを特徴とする石英ガラス管の製造方法。
(2)圧入後の石英ガラス管内を減圧することを特徴とする上記(1)に記載の石英ガラス管の製造方法。
(3)プラグの石英ガラス管に圧入する部位の形状が半球状であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の石英ガラス管の製造方法。
本発明では、熱間プラグ圧入法において、石英ガラス管の圧入前の石英ガラス管内を減圧するため、石英ガラス管の内表面とプラグとを密着させる効果と、軟化した圧入前の石英ガラス管を収縮させる効果を有するので、内径の変動および内表面の疵の発生を防止しつつ、所定の内外径を有する石英ガラス管を得ることができる。
また、本発明では、熱間プラグ圧入法において、圧入されるプラグの形状を所定の形状とすることにより、プラグによる成形が完了した時点の温度が比較的低くなり、そのため石英ガラス管がプラグより出た後においての変形が小さく、その結果、外径の変動が防止されるうえ、ダイスの余分な部分への接触も抑えられるため、疵の発生も抑えることができる。
本発明に係る石英ガラス管の製造方法は、石英ガラス管の一部分を加熱し、プラグを石英ガラス管に対して相対的に回転させながら圧入すること、いわゆる熱間プラグ圧入法を前提とする。
図2は、本発明の石英ガラス管の製造方法に用いることができる製造装置の一例を模式的に示した図である。この装置において、石英ガラス素材の加工されていない管端に、例えば石英ガラス管であるダミー材32を溶着等の方法で接着し、そのダミー材32を回転およびプラグ方向への送出しができるチャック27に接続し、ダミー材32の端に密閉ホルダ33を取り付け、石英ガラス素材の中空部21を密閉する。密閉ホルダ33には、排気用の穴35が設けられており、この穴に接続された図示しない真空排気ポンプを通して、圧入前の石英ガラス管の中空部21を減圧することができる。
チャック27の送り出し速度とチャック28の引き抜き速度の比は、圧入前の石英ガラス管の断面積と圧入後の石英ガラス管の断面積の比の逆数に設定する。また、チャック27の回転速度とチャック28の回転速度は、石英ガラス管のねじれを防ぐため、異ならせることが好ましい。チャック27とチャック28の間にはヒータ29が設置され、石英ガラス素材はヒータ29により軟化点以上に加熱されてダイス26に向かう。ダイスの後方にはプラグ23が、支持具25により配置されている。ダイスの内径は、必要とする石英ガラス管の外径に対応する寸法に設定される。加熱された石英ガラス管22の外径は、ダイスの内径で制限され、同時にプラグ23が圧入することによって、必要とする内径を有する石英ガラス管が成形される。
石英ガラス素材としては、VAD法などにより製造された合成石英ガラスに限定されることなく、天然石英ガラスなどの他の石英ガラスについても適用可能である。
プラグが圧入される部位の石英ガラス素材の加熱温度は、石英ガラス素材のOH基濃度、Cl濃度などにより軟化温度が大きく変化するので、それに合わせて適正な条件を決めればよい。例えば、プラグの圧入が可能で、石英ガラス管の内径がプラグ直径にできるだけ近づくような温度を選択する。成形中の石英ガラス管の温度は測定が困難であるが、加熱炉の設定温度の例としては2000〜2700℃程度である。
また、ダイス26に圧入する部位の石英ガラスの加熱温度は、ヒータ29によって加熱された石英ガラス素材の最高温度よりも少し低いことが好ましい。すなわち、ヒータ29によって、石英ガラス素材はチャック27側から徐々に温度が高くなり、ダイス26によって成形される直前で最も高い温度となり、それよりやや温度が下がった時点でダイス26およびプラグ23に接して成形されることが好ましい。このように、石英ガラス素材の温度を一旦高くし、それよりやや低い温度で成形することにより、外径/内径の精度をよりよくすることが可能である。
加熱炉の設定温度が上述のように2000〜2700℃程度となると、プラグやダイスなどの工具に適用できる材料は限定され、具体的には、Al23、MgO、ZrO2系の酸化物や、黒鉛、W、Moなどを用いることができ、その中では黒鉛が最も良い。黒鉛、W、Moなどを用いるときは、酸化防止のため、図2に示すように、開口孔24を密閉ホルダ30で密閉し、ヘリウムやアルゴンなど不活性雰囲気にしてプラグ圧入を行うのが好ましい。なお、プラグやダイスは直接石英ガラス素材と接触するため、石英ガラス管の不純物汚染が懸念されるが、その場合には不純物の少ない黒鉛等の材料を用いればよい。
本発明では、圧入前の石英ガラス管内を減圧する。圧入前の石英ガラス管内の減圧には、石英ガラス管の内表面とプラグとを密着させる効果と、軟化した圧入前の石英ガラス管を収縮させる効果があるので、内径の変動および内表面の疵の発生を防止しつつ、所定の内外径を有する石英ガラス管を得ることができる。
より具体的には、内径を拡大する場合(図1の(2)および(4))には、減圧により石英ガラス管の内表面とプラグとの間の間隙をなくすことができるため、また、内径を縮小する場合(図1の(1)および(3))には、内径を拡大する場合と同じく石英ガラス管の内表面とプラグとの間の間隙をなくすことができる上、軟化した石英ガラス管を収縮させることができるため、内径の変動および内表面の疵の発生を防止しつつ、所定の内外径を有する石英ガラス管を得ることができる。
また、圧入後の石英ガラス管内も減圧してもよい。これにより、より石英ガラス管の内表面とプラグとをより密着させることができる。圧入後の石英ガラス管内の減圧も、圧入前の石英ガラス管内の減圧と同様に、密閉ホルダ30によって石英ガラス管22の中空部24を密閉し、密閉ホルダ30を貫通する支持具25に設けられた排気用の穴34から図示しない真空排気ポンプを通して減圧すればよい。
図3は、本発明に係る石英ガラス管の製造方法に用いることができるプラグの形状の一例を模式的に示した図である。図3(1)〜(3)に示すのは、石英ガラス管に圧入する部位の形状が半球状のものであり、図3(4)に示すのは、石英ガラス管に圧入する部位の形状が先鋭端、すなわち尖った先端を有する円錐形状のものである。
なお、プラグが石英ガラス管に圧入する部位の形状が半球状のものは、プラグによる成形が完了した時点の温度が比較的低くなり、そのため石英ガラス素材がプラグより出た後においての変形が小さく、その結果、外径の変動が防止されるうえ、ダイスの余分な部分への接触も抑えられるため、疵の発生も抑えることができる。
ここで、プラグの石英ガラス素材に圧入する部位とは、プラグを圧入する際に石英ガラス素材と接触し、かつ内径を変化させるために寄与する部位をいう。また、形状が半球状とは、その形状を構成する面が球体の一部を構成する面であることをいう。
図3に示すようなプラグでは、Aで示される部位(以下、部位Aという)が、プラグの石英ガラス管に圧入する部位に相当する。一方、Bで示される部位(以下、部位Bという)は、プラグを圧入する際に、石英ガラス管と接触しない(図3の(2))、または、石英ガラス素材と接触しても、石英ガラス管が送り出される方向とプラグの側面が平行であるため、石英ガラス管の内径を変化させることはない(図3の(3))ので、プラグの石英ガラス素材に圧入する部位には相当しない。
プラグの石英ガラス素材に圧入する部位の形状は、真円球または楕円球のいずれを基にした半球状であってもよい。また、半球状とは、真円球または楕円球を半分に切断したときに得られる半球状(1/2球状)に限らず、例えば、真円球または楕円球を半分以下で切断した1/3球状、1/4球状などでもよい。また、形状は完全な真円球または楕円球形状からずれていてもよく、例えば放物面や双曲面であっても、本発明の半球状に含まれる。
このとき、図3の(1)〜(3)に示すように、プラグの石英ガラス素材に圧入する部位の圧入方向(石英ガラス素材の送出し方向)の長さをa、圧入方向と垂直をなす方向の半径の長さをbとしたとき、a/bは、3以下であることが好ましい。a/bが大きいと圧入の際にかかる負荷が過大となり、特にプラグの外径が大きい場合はプラグが破損する場合があるからである。a/bは2以下がより好ましく、さらに好ましくは1.25以下、例えば0.68〜0.8である。また、プラグの外径が大きい場合等、成形の条件によっては、0.68よりもさらに小さいものが良い場合がある。
本発明に係る石英ガラス管の製造方法においては、図3の(3)に示すような、プラグが円柱状の部位Bを有する、すなわち、プラグが先端部(部位Aに該当する)と胴体部(部位Bに該当する)とからなり、先端部の形状が半球状であり、胴体部の形状が円柱状であることが好ましい。このような胴体部を有することで、内径の寸法安定性が向上するからである。また、軟化した石英ガラスが固化するまで内径を保持することができ、寸法精度も向上する。
ここで、先端部と胴体部は滑らかにつながっていることが好ましい。すなわち、図3(3)に示すように、プラグが半球状の先端部と円柱状の胴体部とからなり、石英ガラス管の圧入方向に垂直な断面におけるプラグの直径は、先端部の先端から後端に向かって大きくなり、先端部が胴体部に接する部分で最大となるとともに、先端部および胴体部が接する部分において同一であるのがよい。
ただし、胴体部は円柱状以外でも、六角柱などの多角柱形状にすることも可能である。熱間プラグ圧入法では、プラグを石英ガラス素材に対して相対的に回転させながら圧入するため、多角柱の最大径の部分で、石英ガラス管の内径が規定されるからである。
胴体部の全長は長いほど、内径の寸法安定性の向上に寄与する。胴体部の全長は50mm以上であることが好ましい。しかし、全長が長すぎると、石英ガラス管を引き抜く力が増加し、石英ガラス管の内表面の表面性状もかえって悪化するため、胴体部の全長は、石英ガラス管の外径などに合わせて適宜決定すればよい。
プラグの位置は、ダイスの内径の最も小さい部分に位置すればよいが、その位置は製造条件によって前後する。
圧入前および圧入後のガラス管内の圧力は、10000Pa以下とするのがよい。これより圧力が高くなると、内径の変動および内表面の表面性状に対し十分な効果が得られなくなることに加え、成形されたガラス管の肉厚も変動する。また、圧入後の石英ガラス管内も減圧する場合に用いるプラグには、石英ガラス管の内表面とプラグとの間に形成される間隙をなくすため、側面に排気ができる孔を設けてもよい。
図4は、孔を設けたプラグの数例を模式的に示した図である。なお、同図における矢印は、排気方向を示す。プラグに設けた孔は、間隙の排気ができればどのように設けてもよい。例えば、図4の(1)や(2)に示すように、孔43の部分に環状のくぼみ42を設けることもできる。また、図4の(1)や(3)に示すように、プラグに接続した支持具41を介して間隙の排気を行うようにしてもよい。このようにすれば、密閉ホルダによる気密性が多少劣る場合でも、プラグと石英ガラス管の内径の差を十分に小さくすることができる。
本発明に係る石英ガラス管の製造方法においては、石英ガラス棒から石英ガラス管を製造する場合と異なり、石英ガラス管がプラグ先端に接触することはないので、図4の(4)に示すようにプラグ先端にプラグ側面に接続する孔43を設ければよい。
以上のように、プラグには適宜孔を設けることができるが、少なくとも胴体部に孔を設けることが好ましい。石英ガラス管と胴体部との間の密着性が加工後の石英ガラス管の内表面の特性に大きく影響を与えるからである。
高純度のSiCl4を酸水素炎中で加水分解反応させて、石英の微粒子を堆積成長させた多孔質体を焼結、透明化して、合成石英ガラスインゴットとし、この合成石英ガラスインゴットを出発素材として、石英ガラス素材としての石英ガラス管を作製した。続いて、図2に示した装置を用い、石英ガラス管に熱間プラグ圧入法を施して石英ガラス管を作製した。このとき、あらかじめ目的とする内径に開口された石英ガラス管のダミー材を用意し、これを石英ガラス管の先端に溶着して熱間プラグ圧入法を施した。
次に、プラグ圧入の際の減圧による効果を確かめるために、圧入前の石英ガラス管内を減圧して、石英ガラス管を作製し、減圧しない場合の石英ガラス管との相違を比較した。
表1は、石英ガラス管に熱間プラグ圧入法を施したときの製造条件を示した表であり、同表中の製造条件No.1〜4は圧入前の石英ガラス管内を減圧したものを、製造条件No.5〜8は減圧しないものを示したものである。なお、各製造条件における加熱温度は2400℃とし、減圧したものに対しては、圧入前の石英ガラス管内は約1000Paまで減圧した。また、プラグには、図3の(3)に示すような球状プラグを用いた。このとき、球状プラグのa/bは0.68とした。
Figure 0004598786
熱間プラグ圧入法により得られた石英ガラス管に対し、長さ方向でほぼ等間隔に10箇所の測定位置を選び、その測定位置で円周方向に等間隔で4箇所測定した平均値を外径とし、その10箇所の平均値を平均外径とした。また、外径を測定した同じ位置で、円周方向に等間隔で8箇所超音波肉厚計で測定した平均値を肉厚とし、この肉厚と外径の差から内径を求め、その10箇所の平均値を平均内径とした。
外径変動と内径変動は、10箇所の外径および内径それぞれの最大値と最小値の差を求め、下記(1)式および(2)式にしたがって1mあたりの変動を計算した。シリンダ内径面の粗さ(Ra)は触針粗さ計を用い、シリンダ両端部近傍における内径面で測定した。
Figure 0004598786
表2は、表1の製造条件で石英ガラス管を製造したときの平均外径、外径変動、平均内径、内径変動および内表面の面粗さを示したものである。同表からも明らかなように、圧入前の石英ガラス管内を減圧しないもの(製造条件No.5〜8)は、圧入前の石英ガラス管内を減圧したもの(製造条件No.1〜4)に比べ、外径変動および内径変動が大きくなり、内径も大きくなった。特に、圧入前の石英ガラス管内を減圧した場合、内径変動へ与える効果は著しい。
Figure 0004598786
この結果より、圧入前の石英ガラス管内を減圧することで、製造される石英ガラス管の内外径の変動が抑制され、表面性状の良好な石英ガラス管が得られることがわかる。
本発明では、熱間プラグ圧入法において、石英ガラス管の圧入前の石英ガラス管内を減圧するため、石英ガラス管の内表面とプラグとを密着させる効果と、軟化した圧入前の石英ガラス管を収縮させる効果を有するので、内径の変動および内表面の疵の発生を防止しつつ、所定の内外径を有する石英ガラス管を得ることができる。
また、本発明では、熱間プラグ圧入法において、圧入されるプラグの形状を所定の形状とすることにより、プラグによる成形が完了した時点の温度が比較的低くなり、そのため石英ガラス管がプラグより出た後においての変形が小さく、その結果、外径の変動が防止されるうえ、ダイスの余分な部分への接触も抑えられるため、疵の発生も抑えることができる。
熱間プラグ圧入法により石英ガラス管の内外径を整える場合の加工パターンを示した図である。 圧入前の石英ガラス管内を減圧することができる熱間プラグ圧入法を施すための石英ガラス管の製造装置の一例を模式的に示した図である。 本発明および従来発明におけるプラグの形状の一例を模式的に示した図である。 孔を設けたプラグの数例を模式的に示した図である。
符号の説明
21 中空部
22 プラグ圧入により形成された石英ガラス管
23 プラグ
24 開口孔
25 支持具
26 ダイス
27、28 チャック
29 ヒータ
30、33 密閉ホルダ
31、32 ダミー材
34、35 真空排気ポンプ

Claims (3)

  1. 石英ガラス管の一部分を加熱し、プラグを石英ガラス管に対して相対的に回転させながら圧入することにより、所定の内径および外径を有する石英ガラス管を製造する石英ガラス管の製造方法において、圧入前の石英ガラス管内を減圧することを特徴とする石英ガラス管の製造方法。
  2. 圧入後の石英ガラス管内を減圧することを特徴とする請求項1に記載の石英ガラス管の製造方法。
  3. プラグの石英ガラス管に圧入する部位の形状が半球状であることを特徴とする請求項1または2に記載の石英ガラス管の製造方法。
JP2007036611A 2007-02-16 2007-02-16 石英ガラス管の製造方法 Expired - Fee Related JP4598786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007036611A JP4598786B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 石英ガラス管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007036611A JP4598786B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 石英ガラス管の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001391625A Division JP3952770B2 (ja) 2001-12-25 2001-12-25 石英ガラス管の製造装置および製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007161582A JP2007161582A (ja) 2007-06-28
JP4598786B2 true JP4598786B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=38244890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007036611A Expired - Fee Related JP4598786B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 石英ガラス管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4598786B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002137926A (ja) * 2000-09-08 2002-05-14 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス管を製造する方法およびその方法を実施するためのドリル本体
JP2002531366A (ja) * 1998-12-10 2002-09-24 ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト ガラス質物質製の、特に石英ガラス製のチューブの製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2955447B2 (ja) * 1993-07-19 1999-10-04 信越石英株式会社 シリカガラス多層構造チュ−ブおよびその製造法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002531366A (ja) * 1998-12-10 2002-09-24 ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト ガラス質物質製の、特に石英ガラス製のチューブの製造方法
JP2002137926A (ja) * 2000-09-08 2002-05-14 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス管を製造する方法およびその方法を実施するためのドリル本体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007161582A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5352231B2 (ja) 石英ガラスの中空シリンダーを延伸することにより石英ガラスチューブを製造する方法
JP4531004B2 (ja) 加熱装置
KR20160030533A (ko) 대형 석영 유리관의 제조 방법
JP4892202B2 (ja) 石英ガラス管の製造方法および製造装置
JP4598786B2 (ja) 石英ガラス管の製造方法
JP3952770B2 (ja) 石英ガラス管の製造装置および製造方法
JP5113415B2 (ja) 石英ガラス管の製造方法
JP2002012433A (ja) 石英ガラスシリンダおよび石英ガラス管とその製造方法
JP5644693B2 (ja) 光ファイバ製造方法
JP3873783B2 (ja) 石英ガラス管および石英ガラス棒の製造装置ならびに石英ガラス管および石英ガラス棒の製造方法
EP1529759A1 (en) Method of producing higher-purity glass element, high-purity glass element, and production method and device for glass tube
JP4455490B2 (ja) 石英ガラス管の製造方法および製造装置
JP4251274B2 (ja) 二層構造を有する石英ガラスの管および棒の製造方法
JP5644694B2 (ja) 光ファイバ製造方法
JP4886316B2 (ja) 石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置
EP3957612B1 (en) Method for drawing optical fiber glass preform
JP4078917B2 (ja) 石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置
EP3354627A1 (en) Method of producing porous quartz glass preform
JP4036212B2 (ja) 角管の製造方法
JP2007008763A (ja) 石英ガラス管の製造方法および製造装置
JP4685082B2 (ja) 石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置
EP4306490A2 (en) Optical fiber glass preform and method for manufacturing optical fiber glass preform
JP4345973B2 (ja) 石英ガラス管、その製造方法および製造装置、並びにプラグ
JP2009084088A (ja) 石英ガラス管及びその製造方法
JP2005097064A (ja) ガラス管の製造方法およびこれに用いられるガラス管の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080616

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4598786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees