JP4886316B2 - 石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置 - Google Patents

石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、丸棒・丸板、角棒・角板等の石英ガラス製品を製造する際の中間素材となる石英ガラスインゴットを寸法精度良く、且つ効率的に製造する石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置に係り、特に、半導体製造用装置、光ファイバ用治工具等に用いられる石英ガラス棒、石英ガラス板等を製造する際の中間素材となる石英ガラスインゴットの製造方法および製造装置に関する。
石英ガラスは、半導体デバイス等を製造する装置を構成する部品材料等として使用されるとともに、他の先端産業でも幅広く使用されている。これは、石英ガラスが高純度であること、光透過性が優れていること、耐熱性が優れていること等の特性を有するからである。
例えば、半導体の製造過程においては、石英ガラス製の炉芯管内でウエーハを保持するボートとして棒状石英ガラスが使用され、ウエーハを洗浄するための洗浄槽では板状石英ガラスが使用されている。現在、情報通信産業の成長、電子デバイスが組み込まれる情報機器の急速な発展に伴い、石英ガラスの需要も急速に伸びつつある。
従来、このような棒状または板状の石英ガラスは、長手方向に外径変動を有する円柱状の石英ガラス素材を切削することにより製作されてきた。しかし、切削加工による方法は、作業能率が悪く、しかも、石英ガラスの屑粉が大量に発生し、歩留も悪いため、製造コストが増大する。また、切削加工による方法は、石英ガラス素材よりも大きなものを製造することができないため、製品サイズについての制約もある。
これらの問題を解決する手段として、出願人は、特許文献1の請求項3において「石英ガラス素材の少なくとも一部分を加熱し、石英ガラス素材をダイスに対して相対的に回転させながら前記ダイスの孔に装入することにより、所定の外径を有する石英ガラス棒を製造する装置であって、前記孔における石英ガラス棒の外径を決定する部位の石英ガラス素材の装入方向から見たときの断面形状が多角形であることを特徴とする石英ガラス棒の製造装置」を提案している。
出願人はまた、特許文献1の請求項4において「石英ガラス素材の少なくとも一部分を加熱し、石英ガラス素材をダイスに対して相対的に回転させながら前記ダイスの孔に装入することにより、所定の外径を有する石英ガラス棒を製造する装置であって、前記孔における石英ガラス棒の外径を決定する部位の石英ガラス素材の装入方向から見たときの断面形状が円であり、石英ガラス素材を装入する方向に沿って、円の円周部に溝が形成されていることを特徴とする石英ガラス棒の製造装置」を提案している。
特許文献1に記載の発明では、このような構成の製造装置を用いることによって、ダイス内への石英ガラス素材の装入量を一定にすると共に石英ガラス素材とダイスとの摺擦を抑制してダイス内に圧入することにより、外径変動が少なく且つ傷等がない表面性状が良好な石英ガラス棒(インゴット)を得ることができる。
特開2003−261343
特許文献1に記載の製造装置の場合、ダイス内で圧入が施される前の石英ガラス素材は、石英ガラス素材自身のOH基濃度、Cl濃度などにより、石英ガラス素材1本内で軟化点が大きく変化する場合がある。このような軟化点のばらつきが発生した場合には、常時石英ガラス素材の粘度を一定に維持して、石英ガラス素材全域をダイス内に圧入することは困難となり、製造される石英ガラス棒(インゴット)に外径変動が発生するおそれがある。このような外径変動が発生すると、製造された石英ガラス棒の最小外径に合わせて外周を研削しなければならず、歩留の低下を招いてしまう。
本発明の目的は、外径変動の極めて少ない石英ガラスインゴットを製造するための製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決するべく鋭意研究を重ね、石英ガラス素材がダイス内で成形される以前の段階で石英ガラス素材の粘度を把握できる指標を見出した。そして、その値を検出することにより石英ガラス素材の加熱状態を調整すれば、石英ガラス素材全域を同一粘度でダイス内に圧入できることを知見したのである。
本発明は、下記の(1)に示す石英ガラスインゴットの製造方法および(2)に示す石英ガラスインゴットの製造装置を要旨とする。
(1)石英ガラス素材を加熱し、その先端および後端を異なる回転速度で回転させた状態で、ダイスに圧入することにより石英ガラスインゴットを製造する方法であって、石英ガラス素材の先端および後端が異なる回転速度で回転することにより生じるトルクを検出し、検出されたトルクが一定になるように石英ガラス素材の加熱温度を制御することを特徴とする石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造方法。
上記(1)の石英ガラスインゴットの製造方法においては、石英ガラス素材として中空石英ガラス素材を用いることもできる。また、中空石英ガラス素材を用いる場合には、その管内を減圧することが望ましい。特に、石英ガラス素材の先端および後端の回転速度差が5rpm以上であることが望ましい。
(2)石英ガラス素材を加熱するヒータと、ヒータによる加熱領域へ送り出す側と引き抜き側で異なる回転数を石英ガラス素材に与えつつ異なる速度で移動可能な一対のチャックと、石英ガラスインゴットの外径を形成させるためのダイスと、石英ガラス素材に生じるトルクを検出するトルク検出手段と、検出されたトルクが一定となるようにヒータの加熱温度を制御する加熱制御手段とを備えることを特徴とする石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造装置。
上記(2)の石英ガラスインゴットの製造装置においては、トルク検出手段は、チャックの回転モータの消費電力を検出し、検出された消費電力値からトルクを算出する機構を有することが望ましい。また、ダイスに圧入される前の中空石英ガラス素材の管内を減圧する素材減圧手段を備えることが望ましい。
本発明の製造方法および製造装置は、加熱軟化された石英ガラス素材を回転速度差を持たせて捻ることによるトルクを検出し、この検出値をフィードバックしてトルクが一定になるように加熱状態を制御するので、石英ガラス素材を同一粘度でダイス内へ圧入することができる。このため、外径変動が極めて少ない石英ガラスインゴットの製造が可能となる。
図1は、本発明に係る石英ガラスインゴットの製造装置を例示した模式図である。
図1に示すように、例えば、本発明の石英ガラスインゴットの製造装置1-1は、石英ガラス素材2としての石英ガラス棒を加熱するヒータ3と、ヒータ3による加熱領域へ送り出す側と引き抜き側で異なる回転数を石英ガラス素材2に与えつつ異なる速度で移動可能な一対のチャック4-1、4-2と、石英ガラスインゴット6の外径を形成させるためのダイス5と、石英ガラス素材2に生じるトルクを検出するためのチャック回転モータ7-1、7-2の電気信号を検出するトルク検出手段8-1、8-2と、検出されたトルクが一定となるようにヒータ3の加熱温度を制御する加熱制御手段9とを備える。
この製造装置1-1においては、予め、石英ガラス素材の片端にダミー材10-1を接続したものを用意し、接続されたダミー材10-1を入側チャック4-1で把持する。一方、出側チャック4-2にはダミー材10-2が把持される。この状態で石英ガラス素材2は、入側チャック4-1により回転が与えられつつ、図1の右方向に移動して、ヒータ3により加熱軟化され、一方、ダミー材10-2は出側チャック4-2により回転が与えられつつ、図1の左方向に移動して、ヒータ3により加熱軟化される。
そして、石英ガラス素材2の右端部およびダミー材10-2の左端部が十分に加熱軟化された状態で、双方の端部を接近させ溶着させる。その後、石英ガラス素材2は、入側のダミー材10-1および出側のダミー材10-2を介して、入側チャック4-1および出側チャック4-2により回転が与えられつつ、ヒータ3により所定の温度に加熱され、ダイス5に圧入される。
ダイス5は、製造する石英ガラスインゴットの周方向の断面形状が円形の場合は、加熱炉に固定して保持されていても良いし、加熱炉から独立して回転可能な状態で保持されていても良い。一方、石英ガラスインゴットの周方向の断面形状が非円形の場合は、加熱炉から独立して回転可能な状態で保持されている必要がある。
以上、図1においては石英ガラス素材2として石英ガラス棒を用いる場合について例示してあるが、石英ガラス素材2として中空石英ガラス(石英ガラス管)を用いることもできる。
図2は、石英ガラス素材として石英ガラス管を用いる場合の製造方法を説明する模式図である。
図2に示すように、例えば、本発明の石英ガラスインゴットの製造装置1-2は、基本的に図1に示す装置1-1と同様の装置構成を有し、石英ガラス素材2としての石英ガラス管を加熱するヒータ3と、ヒータ3による加熱領域へ送り出す側と引き抜き側で異なる回転数を石英ガラス素材2に与えつつ異なる速度で移動可能な一対のチャック4-1、4-2と、石英ガラスインゴット6の外径を形成させるためのダイス5と、石英ガラス素材2に生じるトルクを検出するためのチャック回転モータ7-1、7-2の電気信号を検出するトルク検出手段8-1、8-2と、検出されたトルクが一定となるようにヒータ3の加熱温度を制御する加熱制御手段9とを備える。
この製造装置1-2においても、図1に示す例と同様に、予め、石英ガラス素材の片端にダミー材10-1を接続したものを用意し、接続されたダミー材10-1を入側チャック4-1で把持し、一方、出側チャック4-2でダミー材10-2を把持する。この状態で石英ガラス素材2は、入側チャック4-1により回転が与えられつつ、図2の右方向に移動して、ヒータ3により加熱軟化され、一方、ダミー材10-2は出側チャック4-2により回転が与えられつつ、図2の左方向に移動して、ヒータ3により加熱軟化される。
そして、石英ガラス素材2の右端部およびダミー材10-2の左端部が十分に加熱軟化された状態で、双方の端部を接近させ溶着させる。その後、石英ガラス素材2は、入側のダミー材10-1および出側のダミー材10-2を介して、入側チャック4-1および出側チャック4-2により回転が与えられつつ、ヒータ3により所定の温度に加熱され、ダイス5に圧入される。
本発明の石英ガラスインゴットの製造方法においては、石英ガラス素材2の先端および後端が異なる回転速度で回転することにより生じるトルクを検出し、検出されたトルクが一定になるように石英ガラス素材2の加熱温度を制御することを最大の特徴とする。以下、その理由を詳しく説明する。
すなわち、加熱炉内には温度分布があり、炉の長手方向中央付近で最高温度になるような構造になっているのが一般的である。そして、ダイスは加熱炉の出側付近に配置されているので、石英ガラス素材は最高温度の領域を通過した後にダイスに圧入されることになる。
このとき、石英ガラス素材の先端及び後端を異なる回転速度で回転させて石英ガラス素材を捻ると、石英ガラス素材は、必然的に最も粘度が低下する最高温度の位置(加熱炉の長手方向中央付近)、即ち、石英ガラス素材がダイスに圧入される位置より上流側の位置で粘性が最も下がり、捻られることとなる。よって、入側チャック4-1および/または出側チャック4-2の回転モータ7-1および/または7-2に供給される電力値(電流および電圧)を検出し、それを変換して得られるトルクは、石英ガラス素材がダイスに圧入される前の段階における粘度を把握するために用いることができる。
すなわち、トルク検出手段8-1、8-2により、入側チャック4-1および出側チャック4-2の回転モータ7-1、7-2の一方または双方の電力値から石英ガラス素材2のトルクを検出し、これを加熱制御手段9に送信し、石英ガラス素材2のトルクに対応する加熱温度を制御することで、ダイスに圧入される石英ガラス素材の粘度を一定に保つことができるので、高い寸法精度を有する石英ガラスインゴットを得ることができるのである。
石英ガラス素材2を送り出す側のダミー材10-1としては、石英ガラス素材2として石英ガラス棒を用いる場合にはダミーロッドを、石英ガラス管を用いる場合にはダミーシリンダーを用いるのがよい。また、石英ガラス素材2として石英ガラス管を用いる場合には、捻りが生じる前に石英ガラス管の開口部を中実化する必要がある。さもなければ、石英ガラス管の開口部が残存した状態で捻られ、更にはダイス5内へと圧入されていくため、最終的に製造された石英ガラスインゴット6の内部に気泡が残存してしまうからである。
このため、圧入前の石英ガラス管内を減圧するのが望ましい。中空石英ガラス素材2の減圧は、例えば、図2に示すように、ダミー材10-1の端部に外気の侵入を遮断するためのホルダー11を設置し、中空石英ガラス素材2内を真空ポンプ12により排気して行うことができる。
上記の中空石英ガラス素材2内の減圧は、少しでも行えば効果があるので、その内部圧力は100000Pa以下であればよい。但し、その効果が顕著になるのは、石英ガラス素材の内部圧力が70000Pa以下の場合である。一方、石英ガラス素材2の内部圧力を30000Pa未満にまで過剰に減圧すると、石英ガラス素材2が閉口するおそれがある。従って、石英ガラス素材2の内部圧力は、30000〜70000Paとするのがより望ましい。
入側チャック4-1および出側チャック4-2の回転速度差は、わずかでもあればよいが、正確に粘性状態を検知するには5rpm以上とするのが好ましい。また回転速度差の設定にあたっては、入側チャック4-1の方が速くても、出側チャック4-2の方が速くてもいずれの場合でも良い。また、入側チャック4-1および出側チャック4-2の走行速度比は、石英ガラス素材2の断面積およびダイス5によって形成される所定の断面形状を有する石英ガラスインゴット6の断面積の比の逆数に設定すればよい。
トルクは、入側チャック4-1の回転モータ7-1の電力値および出側チャック4-2の回転モータ7-2の電力値の一方または双方に基づいて検出すればよい。
石英ガラス素材2を構成する石英ガラス材は、VAD法などで製造される合成石英ガラスに限定されることなく、水晶粉などを原料にした天然石英ガラスなど他の石英ガラスについても適用可能である。また、それらの形状についても円形状に限定されることなく非円形状でも適用可能である。
石英ガラス素材2の加熱温度は、石英ガラス素材のOH基濃度、Cl濃度によって軟化点が大きく変化するので、それに合わせて適正な条件を設定すればよい。加熱炉の設定温度の例としては2000〜2700℃程度である。加熱雰囲気には限定がないが、酸化消耗防止のために不活性雰囲気が望ましい。これらの温度領域に適用できるダイス5の材料としては、酸化アルミナ系の酸化物、タングステン、モリブデン等の金属、黒鉛等が挙げられるが、高温領域での強度および純度の点から黒鉛が最適である。
高純度のSiCl4を酸水素火炎中で加水分解反応させて、シリカ微粒子を堆積成長させた多孔質体を焼結、透明化して、合成石英ガラス母材を製作した。以下の本発明例1および比較例1(石英ガラス素材として石英ガラス棒を用いた例)では、上記で製作した合成石英ガラス母材をそのまま使用した。また、本発明例2および比較例2(石英ガラス素材として石英ガラス管を用いた例)では、上記で製作した合成石英ガラス母材を出発素材として製作されたものを使用した。
まず、石英ガラス素材として石英ガラス棒を用いる場合について、本発明の効果を確認するべく、以下の実験を行った。
(本発明例1)
図1に示す装置を用いて、上記の石英ガラス棒(外径144〜158mm、長さ1400mm)から外径165mmの円柱状石英ガラスインゴットを製作した。このとき、対辺間が165mmである六角形の断面形状を有するダイスを固定した状態で用いた。
入側チャックおよび出側チャックの回転速度は、それぞれ5rpmおよび20rpmとした。圧入後の石英ガラスインゴットの引き抜き速度を14.17mm/minに設定し、石英ガラス素材のダイス内への圧入を開始した。石英ガラス素材の送り込み速度は、ダイス内への圧入開始から終了までの間、石英ガラス素材のダイスへの装入量を一定にするため、15.46〜18.61mm/minの範囲で調整した。
ダイス内への圧入開始から終了までの間、トルク検出手段により、入側および出側チャックの回転数差により生じる石英ガラス棒のトルクを検出し、これを加熱制御手段に送信し、石英ガラス素材のトルクに対応する加熱温度を2360〜2460℃の範囲で制御した。トルクの検出状態および加熱温度の制御状態を図3に示す。
(比較例1)
トルクを検出しない点を除き、図1に示す装置と同様の装置を用いて、上記の石英ガラス棒(外径144〜158mm、長さ1400mm)から外径165mmの円柱状石英ガラスインゴットを製作した。このとき、対辺間が165mmである六角形の断面形状を有するダイスを固定した状態で用いた。
加熱温度は2400℃に設定し、入側チャックおよび出側チャックの回転速度は、それぞれ5rpmおよび20rpmとした。圧入後の石英ガラスインゴットの引き抜き速度を14.17mm/minに設定し、石英ガラス素材のダイス内への圧入を開始した。石英ガラス素材の送り込み速度は、ダイス内への圧入開始から終了までの間、石英ガラス素材のダイスへの装入量を一定にするため、15.46〜18.61mm/minの範囲で調整した。なお、加熱温度は、2370〜2430℃の範囲で調整した。
(本発明例2)
図2に示す装置を用いて、上記の方法により作製した二種類の石英ガラス管(外径145mm、内径66mmおよび長さ1000mmの石英ガラス管ならびに外径155mm、内径66mmおよび長さ1000mmの石英ガラス管)を溶着により連結したものを石英ガラス素材とし、この石英ガラス素材から外径160mmの円柱状石英ガラスインゴットを製作した。このとき、対辺間が160mmである六角形の断面形状を有するダイスを固定した状態で用いた。
入側チャックおよび出側チャックの回転速度は、それぞれ13rpmおよび20rpmとした。圧入後の石英ガラスインゴットの引き抜き速度を15.07mm/min、石英ガラス管内の圧力を80000Paに設定し、石英ガラス素材のダイス内への圧入を開始した。石英ガラス素材の送り込み速度は、ダイス内への圧入開始から終了までの間、石英ガラス素材のダイスへの装入量を一定にするため、19.62〜23.15mm/minの範囲で調整した。
ダイス内への圧入開始から終了までの間、トルク検出手段により、入側および出側チャックの回転数差により生じる石英ガラス棒のトルクを検出し、これを加熱制御手段に送信し、石英ガラス素材のトルクに対応する加熱温度を2310〜2390℃の範囲で制御した。トルクの検出状態および加熱温度の制御状態を図4に示す。
(比較例2)
トルクを検出しない点を除き、図2に示す装置と同様の装置を用いて、上記の方法により作製した二種類の石英ガラス管(外径145mm、内径66mmおよび長さ1000mmの石英ガラス管ならびに外径155mm、内径66mmおよび長さ1000mmの石英ガラス管)を溶着により連結したものを石英ガラス素材とし、この石英ガラス素材から外径160mmの円柱状石英ガラスインゴットを製作した。このとき、対辺間が160mmである六角形の断面形状を有するダイスを固定した状態で用いた。
加熱温度は2350℃に設定し、入側チャックおよび出側チャックの回転速度は、それぞれ13rpmおよび3rpmとした。圧入後の石英ガラスインゴットの引き抜き速度を15.07mm/min、石英ガラス管内の圧力を80000Paに設定し、石英ガラス素材のダイス内への圧入を開始した。石英ガラス素材の送り込み速度は、ダイス内への圧入開始から終了までの間、石英ガラス素材のダイスへの装入量を一定にするため、19.62〜23.15mm/minの範囲で調整した。なお、加熱温度は、2310〜2390℃の範囲で調整した。
上記の本発明例1および2ならびに比較例1および2の方法により作製された石英ガラスインゴットについて平均外径および外径変動を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0004886316
なお、表1中の「平均外径」は、作製された石英ガラスインゴットについて、長さ方向でほぼ等間隔に10箇所の測定位置を選び、その測定位置で円周方向に等間隔で4箇所測定した平均値を外径とし、その10箇所の平均値を意味する。また、「外径変動」は、10箇所の外径の最大値(DOMAX)および最小値(DOMIN)ならびに石英ガラスインゴットの全長(L)を下記式に代入して求められる石英ガラスインゴット1mあたりの変動値である。
外径変動(mm/m)=〔DOMAX(mm)−DOMIN(mm)〕/L(m)
表1に示すように、トルクを検出し加熱温度を制御した本発明例はいずれも、ダイス内への圧入前の石英ガラス素材の粘度のばらつきを抑制することができるので、製造される石英ガラスインゴットの寸法精度が比較例に比べ大幅に向上した。また、石英ガラス素材として石英ガラス棒、石英ガラス管のいずれを使用した場合でも、優位差なく外径変動が極めて少ない石英ガラスインゴットが製造できた。
本発明の製造方法および製造装置は、加熱軟化された石英ガラス素材を回転速度差を持たせて捻ることにより生じるトルクを検出し、この検出値をフィードバックしてトルクが一定になるように加熱状態を制御するので、石英ガラス素材を同一粘度でダイス内へ圧入することができる。このため、外径変動が極めて少ない石英ガラスインゴットの製造が可能となる。
本発明に係る石英ガラスインゴットの製造装置を例示した模式図 石英ガラス素材として石英ガラス管を用いる場合の製造方法を説明する模式図 本発明例1におけるトルクの検出状態および加熱温度の制御状態 本発明例2におけるトルクの検出状態および加熱温度の制御状態
符号の説明
1-1、1-2.石英ガラスインゴットの製造装置
2.石英ガラス素材
3.ヒータ
4-1、4-2.チャック
5.ダイス
6.石英ガラスインゴット
7-1、7-2.回転モータ
8-1、8-2.トルク検出手段
9.加熱制御手段
10-1、10-2.ダミー材
11.ホルダー
12.真空ポンプ

Claims (7)

  1. 石英ガラス素材を加熱し、その先端および後端を異なる回転速度で回転させた状態で、ダイスに圧入することにより石英ガラスインゴットを製造する方法であって、石英ガラス素材の先端および後端が異なる回転速度で回転することにより生じるトルクを検出し、検出されたトルクが一定になるように石英ガラス素材の加熱温度を制御することを特徴とする石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造方法。
  2. 石英ガラス素材として中空石英ガラス素材を用いることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造方法。
  3. 中空石英ガラス素材の管内を減圧することを特徴とする請求項2に記載の石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造方法。
  4. 石英ガラス素材の先端および後端の回転速度差が5rpm以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造方法。
  5. 石英ガラス素材を加熱するヒータと、ヒータによる加熱領域へ送り出す側と引き抜き側で異なる回転数を石英ガラス素材に与えつつ異なる速度で移動可能な一対のチャックと、石英ガラスインゴットの外径を形成させるためのダイスと、石英ガラス素材に生じるトルクを検出するトルク検出手段と、検出されたトルクが一定となるようにヒータの加熱温度を制御する加熱制御手段とを備えることを特徴とする石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造装置。
  6. トルク検出手段は、チャックの回転モータの消費電力を検出し、検出された消費電力値からトルクを算出する機構を有することを特徴とする請求項5に記載の石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造装置。
  7. ダイスに圧入される前の中空石英ガラス素材の管内を減圧する素材減圧手段を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の石英ガラスインゴット(ただし、石英ガラス管を除く。)の製造装置。
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