JP4598541B2 - 収納幅可変式板材収納枠及びその組立方法 - Google Patents

収納幅可変式板材収納枠及びその組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種電気・電子機器等に組み込まれるプリント基板やその他の産業分野で使用される板材(例えば建築材料としてのパネル等)を収納すると共に、前記板材の幅寸法の変化に対応可能な収納幅可変式板材収納枠及びその組立方法に関する。
従来から、様々な分野で使用される板材の幅寸法の変化に対応して、当該板材を収納可能な収納幅可変式板材収納枠が紹介されている。
このような収納幅可変式板材収納枠として、例えば、一定間隔をあけて設けられた天板と底板との間に、2枚の直立する側板を対向させて設け、当該側板の一方を固定側板とし、他方を固定側板に対し平行な状態で移動でき、所望の位置で固定できる可動側板とし、この可動側板を移動させることによって、収納される板材の幅寸法に対応するものがある。この収納幅可変式板材収納枠は、可動側板の四隅部近傍に互いに連動する少なくとも各1個のピニオン歯車を回動自在に設け、これらの全てのピニオン歯車と噛合するラックを刻設したガイドレールを固定側板に対して直角方向になるよう天板及び底板の内面に配設した構成を備えている。(例えば、特許文献1参照)。
この従来の収納幅可変式板材収納枠は、これを組立てる際に、固定側板や支柱を先に底板に固定すると可動側板のピニオン歯車とラックとの位相合わせがしにくいため、まず可動側板を上下の天板と底板で挟みながら上下4カ所のピニオン歯車とラックの位相合わせを行い、ぐらついた不安定な状態のまま可動側板を動かしラックの終端面に押し当てて位相を確認した後、支柱と固定側板を天板と底板に固定して組立てている。このため、組立作業中、各部品が不安定な状態であり、習熟しないと組立てに時間がかかるというのが実情である。
そこで、習熟しなくても組立てが容易に行え、組立ての作業時間を短縮することができる収納幅可変式板材収納枠の組立方法として、可動側板を固定側板の組み込みと同時に上下の位相合わせができるよう固定側板と可動側板とを分離可能に一体に仮固定する固定具を設けた収納幅可変式板材収納枠の組立方法が紹介されている。この収納幅可変式板材収納枠も、上下左右に配設されたピニオン歯車とラックによって、可動側板を移動させて、収納幅を調整している。(例えば、特許文献2参照)。
実公平4−29595号公報 特開2002−179170号公報
しかしながら、特許文献2に記載された収納幅可変式板材収納枠の組立方法は、特許文献1に記載された収納幅可変式板材収納枠よりも組立作業は簡略化されるが、収納幅可変式板材収納枠を組立てる際に、前述したピニオン歯車とラックが、依然として上下左右で位相ずれ(位置ずれ)を起こし易く、未だ改良の余地があった。このピニオン歯車とラックが位相ずれを起こすと、固定側板に対して可動側板を平行な状態で移動させることができないという不具合が生じる。
本発明は、このような従来の収納幅可変式板材収納枠、及びその組立方法を改良することを課題とするものであり、組立作業が容易に行えることは勿論のこと、組立ての際にピニオン歯車とラックの位相合わせを簡単に行うことができ、常に、固定側板に対して可動側板を平行な状態で移動させることが可能な収納幅可変式板材収納枠、及びその組立方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明は、一定間隔をあけて設けられた天板と底板との間に2枚の直立する側板を向かい合わせて設け、該側板の一方を固定側板とし、他方を該固定側板と平行な状態で移動でき所望の位置で固定できる可動側板とした可変式板材収納枠であって、前記可動側板の四隅近傍に配設されると共に、互いに連動するピニオン歯車と、前記固定側板に対して略直角方向になるよう前記天板及び底板の内面に配設されると共に、前記各々のピニオン歯車と噛合するラックが各々形成されてなるガイドレールと、前記可動側板の前記各々のピニオン歯車が配設された近傍に突出形成されたボス部と、前記天板及び底板の前記固定側板配設位置近傍に形成され、前記各々のボス部が挿入可能な溝と、前記各々のガイドレールに沿って前記天板及び底板に形成されると共に、前記各々の溝に連通し、前記可動側板が移動する際に前記ボス部が通過する連通路と、を備えてなる可変式板材収納枠を提供するものである。
この構成を備えた可変式板材収納枠は、前記可動側板に形成されたボス部を天板及び底板に形成された溝に各々挿入することで、可動側板は、天板及び底板に対して正しく位置合わせされることになるため、ピニオン歯車とラックとの位相合わせを簡単に行うことができる。また、この位置合わせ後、ボス部は連通溝を通過し、可動側板を所望位置まで移動することができる。
また、本発明にかかる可変式板材収納枠は、前記溝の前記可動側板が配設される側の近傍に、当該可動側板側から固定側板側に向けて徐々に突出し、前記ボス部を当該溝に誘導する傾斜面を形成することができる。このように構成することで、ボス部をさらに簡単に溝に正確に挿入することができる。
さらにまた、本発明にかかる可変式板材収納枠は、前記天板及び底板に、前記各々のガイドレールと平行に延びる貫通孔を形成し、前記可動側板に、前記貫通孔をそれぞれ貫通して、前記天板または底板の表面と裏面から挟圧し、当該可動側板を前記天板及び底板に対して固定する固定機構を設けた構成とすることもできる。
そしてまた、前記固定機構は、前記貫通孔を貫通すると共に、当該貫通方向に移動可能であり、且つ一端に前記天板または底板によって係止される係止部を備えたテンションロッドと、前記テンションロッドの他端に、当該テンションロッドに対して回動可能に接続され、当該回動によって、当該テンションロッドを前記貫通方向に移動させるカムを有するロックレバーと、前記テンションロッドの係止部が前記天板または底板から遠ざかるように、当該テンションロッドを付勢する付勢部材と、を備えて構成することもできる。
また、前記テンションロッドは、前記天板または底板を挟圧していない状態で、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成可能な高さを備えて、前記可動側板から突出形成することができる。
さらにまた、本発明は、一定間隔をあけて設けられた天板と底板との間に2枚の直立する側板を向かい合わせて設け、該側板の一方を固定側板とし、他方を該固定側板と平行な状態で移動でき所望の位置で固定できる可動側板とし、前記可動側板の四隅近傍に配設されると共に、互いに連動するピニオン歯車と、前記固定側板に対して略直角方向になるよう前記天板及び底板の内面に配設されると共に、前記各々のピニオン歯車と噛合するラックが各々形成されてなるガイドレールと、前記可動側板の前記各々のピニオン歯車が配設された近傍に突出形成されたボス部と、前記天板及び底板の前記固定側板配設位置近傍に形成され、前記各々のボス部が挿入可能な溝と、前記各々のガイドレールに沿って前記天板及び底板に形成されると共に、前記各々の溝に連通し、前記可動側板が移動する際に前記ボス部が通過する連通路と、を備えてなる可変式板材収納枠の組立方法であって、を備えた可変式板材収納枠の組立方法を提供するものである。
この可変式板材収納枠の組立方法によれば、可動側板の底板側となる端部に形成されたボス部を底板に形成された溝に各々挿入し、この状態で、可動側板の底板側を支点として、当該可動側板を前記固定側板から遠ざかる方向に倒した後、固定側板に前記天板を装着し、次いで、可動側板を起こして、当該天板の前記各々の溝に、前記可動側板の天板側となる端部に形成されたボス部を各々挿入するという簡単な動作で、可動側板は、天板及び底板に対して正しく位置合わせされることになるため、ピニオン歯車とラックとの位相合わせを簡単に行うことができる。また、この位置合わせ後、ボス部は連通溝を通過し、可動側板を所望位置まで移動することができる。
また、本発明にかかる組立方法は、少なくとも前記天板に形成された溝の前記可動側板が配設される側の近傍に、当該可動側板側から固定側板側に向けて徐々に突出する傾斜面がさらに形成されてなり、前記可動側板を起こして、前記天板の前記各々の溝に、前記可動側板の天板側となる端部に形成されたボス部を各々挿入する際に、当該ボス部が前記傾斜面に沿って移動して前記各々の溝に挿入される工程を有することができる。このように、前記ボス部が前記傾斜面に沿って移動して前記各々の溝に挿入される工程を備えることで、可動側板の天板側となる端部に形成されたボス部をさらに簡単に溝に挿入することができる。
そしてまた、本発明にかかる組立方法は、前記天板及び底板に、前記各々のガイドレールと平行に延びる貫通孔が形成されてなり、前記可動側板を、当該可動側板に設けられ、前記貫通孔をそれぞれ貫通する固定部材によって、前記天板または底板の表面と裏面から挟圧して、所定位置に固定する工程を備えることができる。この工程を備えることで、前記利点に加え、前記可動側板を所望位置に確実に固定することができる。
さらにまた、本発明にかかる組立方法は、前記固定部材が、前記貫通孔を貫通すると共に、当該貫通方向に移動可能であり、且つ一端に前記天板または底板によって係止される係止部を備えたテンションロッドと、前記テンションロッドの他端に、当該テンションロッドに対して回動可能に接続され、当該回動によって、当該テンションロッドを前記貫通方向に移動させるカムを有するロックレバーと、前記テンションロッドの係止部が前記天板または底板から遠ざかるように、当該テンションロッドを付勢する付勢部材と、を備えてなり、前記可動側板を起こす際に、前記付勢部材の付勢力によって、前記係止部を前記天板に当接させる工程を備えることができる。
また、本発明にかかる組立方法は、前記テンションロッドは、前記天板または底板を挟圧していない状態で、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成可能な高さを備えて、前記可動側板から突出形成されてなり、前記可動側板を起こす際に、前記付勢部材の付勢力によって、前記係止部が前記天板に当接して、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成することができる。
この工程を備えることで、可動側板を起こす際に、前記係止部が前記天板に当接するため、前記利点に加え、ラックとピニオン歯車とが干渉することなく、可動側板を起こすことができる。なお、前記係止部は、前記付勢部材の付勢力によって最大限に延出されている。
本発明にかかる可変式板材収納枠及びその組立方法によれば、可動側板に形成されたボス部を天板及び底板に形成された溝に各々挿入することで、天板及び底板に対して可動側板を正しく位置合わせすることができる。したがって、組立作業が容易に行えることは勿論のこと、常に、固定側板に対して可動側板を平行な状態で移動させることができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる可変式板材収納枠及びその組立方法について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる可変式板材収納枠の斜視図、図2は、図1に示す可変式板材収納枠の構成要素である天板の平面図、図3は、図1に示す可変式板材収納枠の構成要素である可動側板の斜視図、図4は、図3に示す可動側板の正面図、図5は、図3に示す可動側板の一部を拡大して示す斜視図、図6は、図3に示す可動側板の一部を拡大して示す断面図であり、天板をロックしていない状態を示す図、図7は、図3に示す可動側板の一部を拡大して示す断面図であり、天板をロックしている状態を示す図、図8は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す斜視図、図9は、図8に示す組立途中の可変式板材収納枠の一部を拡大して示す斜視図、図10は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図11は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図12は、図11に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図、図13は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図14は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図15は、図14に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図、図16は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図17は、図16に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図、図18は、図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図、図19は、図18に示す可変式板材収納枠の天板付近を拡大して示す断面図、図20は、図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す断面図、図21は、図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す斜視図、図22は、図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す斜視図である。
図1〜図22に示すように、本発明の実施の形態にかかる可変式板材収納枠1は、一定間隔をあけて設けられた天板2及び底板3と、上端が天板2の一縁部2Aに固定されると共に、下端が底板3の一縁部3Aに固定され、天板2及び底板3の間に直立した状態で配設された固定側板5と、天板2及び底板3との間に、固定側板5と向かい合わせて設けられ、固定側板5と平行な状態で移動でき所望の位置で固定できる可動側板6と、可動側板6に設けられ、可動側板6を天板2及び底板3に対して固定する固定機構40と、天板2及び底板3の固定側板5が配設されていない側の角部に各々配設された支柱4A及び4Bを備えて構成されている。
すなわち、本発明の実施の形態にかかる可変式板材収納枠1は、図1に示すように、天板2と底板3、固定側板5、支柱4A及び4Bにて剛性のある箱体が完成される。
天板2は、底板3と同様の材質及び構成を備えており、プラスチック等の合成樹脂(例えばポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド等)からなる成形品である。天板2の下面2D(すなわち、可変式板材収納枠1の内側となる内面:図2参照)には、一縁部2Aから、一縁部2Aに対向する一縁部2Bに向けて延びるガイドレール11A及び11Bが、互いに間隔をおいて平行に配設されている。このガイドレール11A及び11Bには、後に詳述する可動側板6に配設されたピニオン歯車21が噛合するラック17と、ピニオン歯車22が噛合するラック18が各々形成されている。
また、天板2のガイドレール11A及び11Bの外側であって、一縁部2A側には、後に詳述する可動側板6に設けられたテンションロッド28の上部に形成された係止部29が貫通可能な係止部貫通孔12が形成されている。そして、この係止部貫通孔12の一縁部2B側には、係止部貫通孔12に連通してガイドレール11A及び11Bに沿って平行に延び、テンションロッド28を通過させるテンションロッド通過孔13が各々形成されている。
そしてまた、天板2のガイドレール11A及び11Bの内側且つ一縁部2Aの近傍には、後に詳述する可動側板6に設けられたボス部35が挿入可能な溝14(図17参照)がそれぞれ形成されている。この溝14の入口には、ボス部35を溝14に誘導するための傾斜面19が形成されている。この傾斜面19は、可動側板6側から固定側板5側に向けて徐々に突出するよう構成されている。そしてまた、天板2には、溝14に挿入されたボス部35がガイドレール11A及び11Bに沿って移動するための連通路15(図17参照)が形成されている。
底板3は、天板2と同様の材質及び構成を備えており、その上面3U(すなわち、可変式板材収納枠1の内側となる内面:図1、図2及び図9参照)には、ガイドレール11A及び11B、係止部貫通孔12、テンションロッド通過孔13、溝14、連通路15が形成されている。なお、符号3Aは、天板2の一縁部2Aに対応する底板3の一縁部であり、符号3Bは、天板2の一縁部2Bに対応する底板3の一縁部である。
固定側板5は、内面に多数の平行溝7が形成され、外面には長手方向の両端部よりやや内側に互いに向き合った鉤形片8を上下に複数並設した単位板9を複数枚組み合わせた構成としている。すなわち、固定側板5は、単位板9を同一平面内に上下に複数枚重ね合せて外面一対の鉤形片8内にハット形材10の舌片16を差し込んで、複数枚の単位板9を串刺し状にして一体化している。なお、ハット形材10は、固定側板5の立設方向両側に2本配設されている。
可動側板6は、固定側板5と同様に、内面に多数の平行溝7が形成され、外面には長手方向の両端部よりやや内側に互いに向き合った鉤形片8を上下に複数並設した単位板9を複数枚組み合わせ、鉤形片8内にハット形材10の舌片16を差し込んで、複数枚の単位板9を串刺し状にして一体化している。なお、可動側板6も固定側板5と同様に、ハット形材10は、可動側板6の立設方向両側に2本配設されている。
可動側板6に配設された2本のハット形材10の各々の上下端には、互いに連動するピニオン歯車21及び22が配設されている。ハット形材10の上端(可動側板6の上端)に配設された各々のピニオン歯車21は、天板2に形成されたガイドレール11A及び11Bのラック17にそれぞれ噛合し、ハット形材10の上端に配設されたピニオン歯車22は、天板2に形成されたガイドレール11A及び11Bのラック18に各々噛合するよう配設されている。(図19参照)。
一方、ハット形材10の下端(可動側板6の下端)に配設された各々のピニオン歯車21は、底板3に形成されたガイドレール11A及び11Bのラック17にそれぞれ噛合し、ハット形材10の下端に配設されたピニオン歯車22は、底板3に形成されたガイドレール11A及び11Bのラック18に各々噛合するよう配設されている。(図20〜図22参照)。
より具体的には、可動側板6のハット形材10の上下端には、スライダ20が各々固着されており、スライダ20の内部には、軸心が直交するように配置した2個のピニオン歯車21及び22を回動自在に設けている。合計4個のスライダ20のうち、隣り合う2個のスライダ20の内部に設けられたピニオン歯車21は、1本の回転軸23で連結されている。この構成により、可動側板6の4隅部近くにスライダ20とピニオン歯車21及び22が位置することになり、これ等に対応して天板2と底板3の内面にガイドレール11A及び11Bが設けられているので、ガイドレール11A及び11Bとスライダ20の組み合わせ、及びラック17とピニオン歯車21、ラック18とピニオン歯車22との組み合わせの作用により、可動側板6の円滑な平行移動を可能にしている。
各々のスライダ20のピニオン歯車21側の側壁には、ピニオン歯車21の反対側に突出した略円筒形のボス部35が形成されている。このボス部35は、可動側板6を天板2及び底板3に対し立設させる際に、天板2及び底板3に形成されている溝14に挿入可能となっている。また、このボス部35は、溝14に挿入された後、天板2及び底板3に形成されている連通路15内を移動可能となっている。
固定機構40は、各々のテンションロッド貫通孔13を貫通して天板2または底板3の表面と裏面から挟圧し、可動側板6を天板2及び底板3に対して固定するものである。この固定機構40は、特に図6及び図7に示すように、テンションロッド貫通孔13を貫通すると共に、テンションロッド貫通孔13の貫通方向に移動可能であり、且つ一端に天板2または底板3によって係止される係止部29を備えたテンションロッド28と、テンションロッド28の他端に、ピン26を介して回動可能に接続されるロックレバー30と、テンションロッド28の係止部29が天板2または底板3から遠ざかるように、テンションロッド28を付勢するバネ部材31と、を備えて構成されている。
テンションロッド28は、レバー30の簡単な揺動操作により、係止部29を天板2または底板3に引き寄せたり離したりできるよう、外周にカム面27が形成されている。このテンションロッド28は、天板2または底板3を挟圧していない状態(図6参照)で、ピニオン歯車21及び22と、これに噛合するラック17及び18との間に隙間を形成可能な高さを備えて、可動側板6から突出形成するよう構成されている。
次に、本実施の形態にかかる可変式板材収納枠1の組立方法について、図面を参照して説明する。
先ず、図8に示すように、底板3の一縁部3Aに固定側板5を固定する。次に、一縁部3Bの角部に、支柱4A及び4Bを固定する。次いで、図10〜図12に示すように、可動側板6に配設された各々のボス部35を、底板3に形成された溝14に、図12に示す矢印X方向(垂直方向)からそれぞれ挿入し、可動側板6を底板3の固定側板5近傍に立設させる。これによって、可動側板6の底板3側の一方に配設されているピニオン歯車21及び22とラック17及び18の位相と、可動側板6の底板3側の他方に配設されているピニオン歯車21及び22とラック17及び18の位相とを簡単に一致させることができる。
次に、図13に示すように、天板2を固定側板5と、支柱4A及び4Bに固定するため、可動側板6の上部を矢印方向に倒した後、天板2を固定側板5と、支柱4A及び4Bに固定する。次いで、図14及び図15に示すように、可動側板6を矢印方向に引き起こし、元の状態に戻す。この時、天板2側に配設されているテンションロッド28の係止部29は、バネ部材31によって天板2に向けて、その高さが最大となるよう付勢されている。したがって、可動側板6は、天板2の下面2Dに当接しながら矢印方向に引き起こされるため、天板2は、支柱4A及び4B側を支点として、一縁部2A側が若干押し上げられ、ラック17とピニオン歯車21、及びラック18とピニオン歯車22とが干渉し合うことなく、可動側板6が引き起こされる。
なお、図15において、符号LRは、ラック17の天面ラインであり、符号LPは、ピニオン歯車21の天面ラインである。図15に示すように、LRと、LPとの間には隙間Lが形成されており、可動側板6が引き起こされる際に、ラック17とピニオン歯車21とが干渉しないことがわかる。
さらに、可動側板6を矢印方向に引き起こすと、図17に示すように、ボス部35が傾斜面19を登って行き、矢印が示すように、ボス部35は、この傾斜面17に誘導されて溝14内にそのまま挿入される。この動作により、全てのピニオン歯車21及び22と、これらに噛合するラック17及び18とが、同じ位置で噛合し合い、上下左右の位相合わせを行うことができる。
次に、この状態から可動側板6を支柱4A及び4B側に向けて移動させると、各々のテンションロッド28の係止部29が、係止部貫通孔12をそれぞれ貫通する。この時も、係止部29は、バネ部材31によって天板2に向けて、その高さが最大となるよう付勢されているため、係止部29を簡単に係止部貫通孔12に貫通させることができる。
次いで、可動側板6をさらに移動させると、テンションロッド28がテンションロッド貫通孔13を貫通して通過する。その後、図18に示すように、可動側板6を所望位置まで移動させる。この時、図19及び図20に示すように、上下左右に配設されたピニオン歯車21及び22と、これらに噛合するラック17及び18とが、同じ位置で噛合し合っているため、可動側板6は固定側板5に対して平行に移動する。
その後、固定機構40のロックレバー30を矢印の方向に回動させ、テンションロッド28の係止部29を天板2及び底板3に当接させ、天板2及び底板3を表面と裏面から挟圧し、可動側板6を天板2及び底板3に対して固定する。
以上説明したように、本実施の形態にかかる可変式板材収納枠1は、可動側板6に形成されたボス部35を天板2及び底板3に形成された溝14に各々挿入することで、天板2及び底板3に対して可動側板6を正しく位置合わせすることができる。したがって、組立作業が容易に行えることは勿論のこと、常に、固定側板5に対して可動側板6を平行な状態で移動させることができる。
なお、本実施の形態で使用したバネ部材31は、例えば、図23に示すような構成を備えていてもよく、また、図24に示すように、スプリングバネ32を使用する等、他の構成を備えたものを使用してもよい。
本発明の実施の形態にかかる可変式板材収納枠の斜視図である。 図1に示す可変式板材収納枠の構成要素である天板の平面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の構成要素である可動側板の斜視図である。 図3に示す可動側板の正面図である。 図3に示す可動側板の一部を拡大して示す斜視図である。 図3に示す可動側板の一部を拡大して示す断面図であり、天板をロックしていない状態を示す図である。 図3に示す可動側板の一部を拡大して示す断面図であり、天板をロックしている状態を示す図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す斜視図である。 図8に示す組立途中の可変式板材収納枠の一部を拡大して示す斜視図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図11に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図14に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図16に示す可変式板材収納枠の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す可変式板材収納枠の組立工程の一部を示す側面図である。 図18に示す可変式板材収納枠の天板付近を拡大して示す断面図である。 図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す断面図である。 図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す斜視図である。 図18に示す可変式板材収納枠の底板付近を拡大して示す斜視図である。 本発明の他の実施の形態にかかる可変式板材収納枠の一部を拡大して示す図である。 本発明の他の実施の形態にかかる可変式板材収納枠の一部を拡大して示す図である。
符号の説明
1 可変式板材収納枠
2 天板
3 底板
5 固定側板
6 可動側板
11A、11B ガイドレール
14 溝
17、18 ラック
19 傾斜面
21、22 ピニオン歯車
28 テンションロッド
29 係止部
31 バネ部材
35 ボス部
40 固定機構

Claims (10)

  1. 一定間隔をあけて設けられた天板と底板との間に2枚の直立する側板を向かい合わせて設け、該側板の一方を固定側板とし、他方を該固定側板と平行な状態で移動でき所望の位置で固定できる可動側板とした可変式板材収納枠であって、
    前記可動側板の四隅近傍に配設されると共に、互いに連動するピニオン歯車と、
    前記固定側板に対して略直角方向になるよう前記天板及び底板の内面に配設されると共に、前記各々のピニオン歯車と噛合するラックが各々形成されてなるガイドレールと、
    前記可動側板の前記各々のピニオン歯車が配設された近傍に突出形成されたボス部と、
    前記天板及び底板の前記固定側板配設位置近傍に形成され、前記各々のボス部が挿入可能な溝と、
    前記各々のガイドレールに沿って前記天板及び底板に形成されると共に、前記各々の溝に連通し、前記可動側板が移動する際に前記ボス部が通過する連通路と、
    を備えてなる可変式板材収納枠。
  2. 前記溝の前記可動側板が配設される側の近傍に、当該可動側板側から固定側板側に向けて徐々に突出し、前記ボス部を当該溝に誘導する傾斜面を形成してなる請求項1記載の可変式板材収納枠。
  3. 前記天板及び底板に、前記各々のガイドレールと平行に延びる貫通孔を形成し、
    前記可動側板に、前記貫通孔をそれぞれ貫通して前記天板または底板の表面と裏面から挟圧し、当該可動側板を前記天板及び底板に対して固定する固定機構を設けた請求項1または請求項2記載の可変式板材収納枠。
  4. 前記固定機構は、
    前記貫通孔を貫通すると共に、当該貫通方向に移動可能であり、且つ一端に前記天板または底板によって係止される係止部を備えたテンションロッドと、
    前記テンションロッドの他端に、当該テンションロッドに対して回動可能に接続され、当該回動によって、当該テンションロッドを前記貫通方向に移動させるカムを有するロックレバーと、
    前記テンションロッドの係止部が前記天板または底板から遠ざかるように、当該テンションロッドを付勢する付勢部材と、
    を備えてなる請求項3記載の可変式板材収納枠。
  5. 前記テンションロッドは、前記天板または底板を挟圧していない状態で、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成可能な高さを備えて、前記可動側板から突出形成されてなる請求項4記載の可変式板材収納枠。
  6. 一定間隔をあけて設けられた天板と底板との間に2枚の直立する側板を向かい合わせて設け、該側板の一方を固定側板とし、他方を該固定側板と平行な状態で移動でき所望の位置で固定できる可動側板とし、
    前記可動側板の四隅近傍に配設されると共に、互いに連動するピニオン歯車と、
    前記固定側板に対して略直角方向になるよう前記天板及び底板の内面に配設されると共に、前記各々のピニオン歯車と噛合するラックが各々形成されてなるガイドレールと、
    前記可動側板の前記各々のピニオン歯車が配設された近傍に突出形成されたボス部と、
    前記天板及び底板の前記固定側板配設位置近傍に形成され、前記各々のボス部が挿入可能な溝と、
    前記各々のガイドレールに沿って前記天板及び底板に形成されると共に、前記各々の溝に連通し、前記可動側板が移動する際に前記ボス部が通過する連通路と、
    を備えてなる可変式板材収納枠の組立方法であって、
    前記底板に、前記固定側板を立設する工程と、
    前記固定側板が立設された底板の前記各々の溝に、前記可動側板の底板側となる端部に形成されたボス部を各々挿入し、当該可動側板を前記底板に対し立設させると共に、前記固定側板と平行に配置する工程と、
    前記ボス部を溝に挿入した状態で、前記可動側板の底板側を支点として、当該可動側板を前記固定側板から遠ざかる方向に倒す工程と、
    前記可動側板を倒した状態で、前記固定側板に前記天板を装着する工程と、
    前記天板を装着した後、前記可動側板を起こして、当該天板の前記各々の溝に、前記可動側板の天板側となる端部に形成されたボス部を各々挿入し、当該可動側板を当該固定側板と平行に配置する工程と、
    前記各々の溝部に挿入された前記ボス部を前記各々の連通路に通過させて、前記可動側板を前記固定側板に対して移動し、前記可動側板を所望位置で停止させる工程と、
    を備えた可変式板材収納枠の組立方法。
  7. 前記可変式板材収納枠は、少なくとも前記天板に形成された溝の前記可動側板が配設される側の近傍に、当該可動側板側から固定側板側に向けて徐々に突出する傾斜面がさらに形成されてなり、
    前記可動側板を起こして、前記天板の前記各々の溝に、前記可動側板の天板側となる端部に形成されたボス部を各々挿入する際に、当該ボス部を前記傾斜面に沿って移動させて前記各々の溝に挿入させる工程をさらに備えた請求項6載の可変式板材収納枠の組立方法。
  8. 前記可変式板材収納枠は、前記天板及び底板に、前記各々のガイドレールと平行に延びる貫通孔が形成されてなり、
    前記可動側板を、当該可動側板に設けられ、前記貫通孔をそれぞれ貫通する固定部材によって、前記天板または底板の表面と裏面から挟圧して、所定位置に固定する工程をさらに備えた請求項6または請求項7記載の可変式板材収納枠の組立方法。
  9. 前記固定部材は、
    前記貫通孔を貫通すると共に、当該貫通方向に移動可能であり、且つ一端に前記天板または底板によって係止される係止部を備えたテンションロッドと、
    前記テンションロッドの他端に、当該テンションロッドに対して回動可能に接続され、当該回動によって、当該テンションロッドを前記貫通方向に移動させるカムを有するロックレバーと、
    前記テンションロッドの係止部が前記天板または底板から遠ざかるように、当該テンションロッドを付勢する付勢部材と、
    を備えてなり、
    前記可動側板を起こす際に、前記付勢部材の付勢力によって、前記係止部を前記天板に当接させる工程をさらに備えた請求項8記載の可変式板材収納枠の組立方法。
  10. 前記テンションロッドは、前記天板または底板を挟圧していない状態で、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成可能な高さを備えて、前記可動側板から突出形成されてなり、
    前記可動側板を起こす際に、前記付勢部材の付勢力によって、前記係止部を前記天板に当接させ、前記ピニオン歯車と、これに噛合するラックとの間に隙間を形成する工程をさらに備えた請求項9記載の可変式板材収納枠の組立方法。
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