JP4598264B2 - 硬貨識別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機等において、投入された硬貨が正貨であるか偽貨であるかを識別するための硬貨識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の硬貨識別装置の内部概略図である。図9において、12は硬貨投入口、13は硬貨通路、14,15はセンサ、16は振分けゲート、17は受入通路、18は返却通路である。
【0003】
硬貨投入口12から投入された硬貨Cは、硬貨通路13を通過する際に、センサ14及びセンサ15により、その硬貨Cが正規なものであるか否かを判別するためのデータが採取される。センサ14及びセンサ15は、それぞれ硬貨通路13の側面部に2個のコイルセンサを対向して配置し、両者を直列接続して構成している。
【0004】
硬貨Cの判別は次のようにして行う。すなわち、硬貨Cが硬貨投入口12に投入され、それがセンサ14に達して、センサ14からの検知信号が所定の値になったら識別動作を開始する。センサ14,センサ15は、それぞれ、所定周波数の磁界を発生するコイルと、硬貨Cが通過した際に生じる磁界の変化を検出する磁気センサとからなる。
【0005】
硬貨Cがない状態での上記磁気センサの出力は、例えば、図10(イ)に示すような波形となる。そのような状態のとき、センサ14,センサ15の前を硬貨Cが通過すると、それらのセンサ出力は、図10(ロ)に示すように振幅が変化する。それを波形処理回路により半波整流してピークホールドし〔図10(ハ)〕、さらに、それを平滑化して図10(ニ)に示すような出力を得る。
【0006】
そして、センサ14,センサ15の前を硬貨Cが通過すると、その材質,直径,厚さ等に応じて、図10(ニ)に示す出力波形が所定の割合で変化するため、変化した値を予めメモリに登録した識別基準値と比較して正否を判定する。その判定は、次のようにして行われている。
【0007】
図11は、従来の硬貨識別装置における正貨判定方法を説明する図である。図11において、曲線S14は、センサ14の出力を示し、曲線S15は、センサ15の出力を示している。そして、センサ14の出力S14の最下点の電圧V14と、センサ15の出力S15の最下点の電圧V15と、センサ14の出力S14とセンサ15の出力S15とが交叉している部分の電圧V0 とが、それぞれ所定の範囲A1,A2,A0 内にあるか否かで正否を判定する。
【0008】
そのようにして判定された結果、硬貨Cが正規のものであったら、振分けゲート16を開いて硬貨Cを受入通路17に導入する。また、正規のものではなかったら、振分けゲート16は閉じたままにして硬貨Cを返却通路18へ送る。従来の硬貨識別装置では、このようにして硬貨の識別を行っていた。
【0009】
なお、このような硬貨識別装置に関連する従来の文献としては、例えば、特許第2680680号明細書(G07D 3/00)がある。
【0010】
ところで最近、自動販売機を狙った、白銅系材料の外国硬貨に工具を使って細工して500円硬貨に似せた変造貨を使った犯罪が急増している。特に、韓国の500ウォン硬貨等の外国硬貨の片面あるいは両面を削って、500円硬貨に重さ,厚み等を近似させた変造貨が使われるようになっている。さらに、100ウォン硬貨の縁を削って、径を100円硬貨に近似させた変造貨も使われるようになっている。それに対して、上記したような硬貨識別装置では、材質,直径,厚さ等を平均的に捕らえて硬貨の識別を行っているため、そのような変造貨が投入された場合、完全には排除できない。
【0011】
そこで、小径のコイルセンサ2個を硬貨通路の両側に対向させて配置し、両センサを同相又は逆相に接続して、硬貨の表裏面の絵柄に対応した出力を取得し、それに基づいて正貨,偽貨の識別を行うようにした硬貨識別装置も開発されている。
【0012】
そのような、硬貨識別装置を用いれば、変造硬貨の細工痕がある程度判別できて、識別の精度を向上させることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような硬貨識別装置では、硬貨通路の両側に対向させて配置した2個のコイルセンサの出力の合成信号として処理していたため、硬貨の表裏面の凹凸模様を個別に判定できず、識別の精度を十分に向上させることができないという問題点があった。
【0014】
本発明は、そのような問題点を解決し、硬貨の表裏面の凹凸模様をさらに精度よく識別できるようにして、変造貨を完全排除できるようにすることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の硬貨識別装置は、硬貨通路の側面部に配置したセンサに高周波電流を流し、硬貨がセンサの前を通過した時の振幅変化に基づいて硬貨の識別を行う硬貨識別装置であって、前記センサは、前記硬貨通路を挟んで2個のコイルセンサを対向させたコイルセンサ対であり、当該コイルセンサ対は、前記硬貨通路の硬貨検出位置における通路面付近に配置された第1センサ対と、当該硬貨検出位置における前記第1センサ対よりも通路面から離れた位置に配置された第2センサ対の2組のセンサ対を備え、前記第2センサ対は、前記硬貨検出位置を通過する硬貨の中央よりもやや通路面に近い高さに配置されており、前記硬貨検出位置を硬貨が通過するときの前記第1センサ対における2個のコイルセンサの出力の和である第1出力波形、および、前記第2センサ対における2個のコイルセンサの出力の和である第2出力波形を算出し、前記第1出力波形および前記第2出力波形に、通過した硬貨が正貨である場合の前記第1出力波形と前記第2出力波形を想定した内容の調整を行い、当該調整は、正貨についての前記第1出力波形と前記第2出力波形における各波形の前端側の区間の和、および、各波形の後端側の区間の和が、いずれも平坦な波形となるように、前記第1出力波形と前記第2出力波形の少なくとも一方を調整するものであり、当該調整後の前記第1出力波形と前記第2出力波形の和を合成波形として算出し、
【0016】
当該合成波形の前端側および後端側における平坦な各区間を基準値と比較した結果、ならびに当該合成波形の中間部分における凸部の高さを基準値と比較した結果に基づいて硬貨を識別することを特徴とする。
【0017】
本発明の硬貨識別装置は、このような構成により、硬貨の表裏面の状態を精度よく識別して、変造貨を確実に排除することができる。
【0018】
特に、硬貨の絵柄部に凹凸があまりない100ウォン変造貨を精度良く識別できる。また、片面又は両面を平坦に切削した500ウォン変造貨を精度良く識別できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の硬貨識別装置の制御ブロック図であり、図2は、センサ配置図である。第1のセンサ1及び第2のセンサ2は、図9に示したような従来の硬貨識別装置におけるセンサ14,15と同様なセンサで、硬貨通路13の側壁に設けられ、硬貨投入口12から投入された硬貨がその前を通過する際に、硬貨の材質や厚さ等に応じてその出力を変化させる。
【0020】
そのようなセンサでは、硬貨の厚さと材質等を平均的に捕らえて判別を行っているため、前述したような変造貨を完全には排除できない。そこで、本発明の硬貨識別装置では、硬貨の表面及び裏面に形成された模様や、工具を使って細工された痕跡を判別するための第3のセンサ3−1及び3−2と第4のセンサ4とを付加して、正貨と変造貨とを正確に識別できるようにした。
【0021】
第3のセンサ3−1及び3−2と第4のセンサ4は、硬貨の表裏面に形成された特徴的な凹凸の径より小径とし、硬貨Cの表面の凹凸模様に対応して出力波形が変動するようにしている。それぞれのセンサの出力は、それぞれ、波形処理回路5〜8により、図10に示したような処理を行った後、すなわち、半波整流してピークホールドし、さらに、それを平滑化した後、マイコン9のA/D入力端子に入力する。
【0022】
マイコン9は、波形処理回路5〜8からの入力を受けて、投入された硬貨の材質,厚さ,径、及び、硬貨表面の凹凸模様を判別する。その結果、正貨であると判別された場合は、硬貨振分け機構10を作動させて、硬貨を受入通路に導く。それと同時に、適正信号出力部11に対して、投入硬貨の金種を示す適正信号を自動販売機の主制御部(図示せず)に出力するように指令する。
【0023】
図3は、硬貨通路の断面図である。硬貨通路13は、硬貨通過方向から見て横方向に傾斜させており、硬貨Cが常に下側の側壁に沿って移動し、通過位置が一定になるようにしている。そして、第3のセンサは、2個のコイルセンサ3−1,3−2を、硬貨通路13の側面部に、硬貨通路13を挟んで対向させて配置する。
【0024】
コイルセンサ3−1,3−2としては、例えば、φ5.5mmの小径ポットコアを用い、それぞれのコイルセンサ3−1,3−2は、図4にコイルセンサ3−1のみを例にして示すように、個別に波形処理回路に接続される。波形処理回路7−1では、発振・受信回路7Aにより、図10(イ)に示したような波形の高周波をコイルセンサ3−1に与える。そのような状態のとき、センサの前を硬貨が通過すると、センサ出力の振幅が変化する。それを増幅回路7Bで増幅した後、ピークホールド&整流回路7Cに与えて、半波整流してピークホールドしたものを平滑化し、電圧レベルシフト回路7Dでレベル調整してからCPU9のA/Dポートに入力する。コイルセンサ3−2の出力も同様にしてCPU9の別のA/Dポートに入力する。
【0025】
CPU9では、そのようにして入力されたコイルセンサ3−1,3−2の出力の、凹凸変化点毎にそれぞれの信号の和と差を算出し、それらを基準値と比較することにより正貨,偽貨の識別を行う。そのように信号の和と差を使って硬貨識別を行うことにより凹凸模様の識別精度を向上させる。すなわち、両出力の和だけに基づいて判定すると、常に硬貨の表裏の凹凸模様が合成された形で判定することになり、その分、模様の凹凸分解能が悪くなるが、両出力の和に加えて差も判定対象とすることにより、模様の凹凸分解能が向上する。
【0026】
図5は、コイルセンサ3−1,3−2の出力に基づいて行う硬貨識別の説明図である。図5において、V1は、コイルセンサ3−1の出力を示し、V2は、コイルセンサ3−2の出力を示している。また、VAは、コイルセンサ3−1の出力V1とコイルセンサ3−2の出力V2の和をとった波形を示しており、VDは、コイルセンサ3−1の出力V1とコイルセンサ3−2の出力V2の差をとった波形を示している。そして、上記凹凸変化点とは、図5中A〜Fで示すように、出力信号の波形が下降から上昇あるいは上昇から下降に変化しようとする点をいう。
【0027】
本発明の硬貨識別装置では、各凹凸変化点A〜Fにおける、前記両出力V1,V2の和VAA,VAB,VAC,VAD,VAE,VAFと、両出力V1,V2の差VDA,VDB,VDC,VDD,VDE,VDFを、それぞれ基準値と比較することにより正貨と偽貨の識別を行う。ただ、両出力V1,V2の差は、硬貨のバタツキの影響を大きく受けるという問題がある。
【0028】
その点について説明する。図3に示したように、硬貨通路13の幅は、硬貨Cが転動し易いように、硬貨Cの厚みに対して余裕を持たせている。そのため、硬貨通路13を傾斜させても、硬貨通路13を転動中に硬貨Cが左右にバタツクことがあり、硬貨Cがコイルセンサ3−1,3−2の間を通過する際に、コイルセンサ3−1から離れた位置を通過することも起こりうる。そのような場合、コイルセンサ3−1から離れてその出力レベルが上昇するのに対して、コイルセンサ3−2の出力レベルが低下するため、両コイルセンサ3−1,3−2の出力V1,V2の和は、あまり影響を受けない。それに対して、両出力V1,V2の差は、本来のレベルより小さくなってしまい、正確な判定ができなくなる。
【0029】
そこで、両出力V1,V2の差をとる際に補正を加える必要がある。次に、その補正について図6を使って説明する。予め、正貨のゲージコインを投入し、それが硬貨通路13のコイルセンサ3−1に最も近接した状態で通過したときのコイルセンサ3−1の出力波形を基準出力VSとして取得する。その後、識別対象の硬貨が投入され、図6にV1,V2で示す両コイルセンサ3−1,3−2の出力が得られたとき、各凹凸変化点A〜Fにおける、前記両出力V1,V2の和と差を算出するにあたって、和は両出力V1,V2の値をそのまま使って算出する。
【0030】
一方、両出力V1,V2の差の算出は、次に説明するような方法で補正しながら行う。すなわち、各凹凸変化点A〜Fにおいて、コイルセンサ3−1の出力と上記基準出力VSとの差ΔVA,ΔVB,ΔVC,ΔVD,ΔVE,ΔVFを求め、それらの値に、ある補正係数を掛けて算出した値だけコイルセンサ3−1の出力を減じてコイルセンサ3−1の補正出力を算出する。そして、既に算出している両出力V1,V2の和からコイルセンサ3−1の補正出力を差し引いて、前記コイルセンサ3−2の補正出力を算出する。そして、以上のようにして算出した和と差をそれぞれの基準値と比較して硬貨を識別する。
【0031】
その結果、硬貨のバタツキの影響を受けることなく、硬貨の表裏面の凹凸模様を高い分解能で識別することが可能になる。
【0032】
ところで、100円正貨に対する100ウォン硬貨を細工して作った100ウォン変造貨の、絵柄以外の最大の特徴点は、縁の形状にある。すなわち、100円正貨は、縁が肉厚になっているのに対して、変造貨は、径の大きさを100円正貨に近似させるために縁の肉厚部がほとんど削り取られている。
【0033】
そこで、この硬貨識別装置では、第4のセンサ4を使って、縁部の形状を精度よく検知することにより、100円正貨と100ウォン変造貨とを精度よく識別できるようにした。
【0034】
第4のセンサは、図2,図3に示したように、2個対向させたセンサ対4−1,4−2とセンサ対4−3,4−4の2対を、硬貨通路面に対して縦に並べて配置する。センサ対4−1,4−2は、硬貨通路13を通過する100円硬貨のセンタより、コアのセンタがやや下になるように設ける。また、センサ対4−3,4−4は、そのほぼ真下で、硬貨が飛び跳ねたり、硬貨通路面に汚れ等があったりしても硬貨の縁部形状が検知できるように、硬貨通路面からわずかに浮かした位置に設ける。
【0035】
それら4個のコイルセンサは、直列同相接続する。そして、直列同相接続した4個のコイルセンサ4−1,4−2,4−3,4−4は、図7に示すように、波形処理回路8に接続される。波形処理回路8は、図4の波形処理回路7−1と同様な処理を行なう。
【0036】
図8は、100円の正貨を投入したときのセンサ出力を示す図である。図8(イ)は、センサ対4−1,4−2の出力を示し、図8(ロ)は、センサ対4−3,4−4の出力を示す。
【0037】
図8(イ)に示されるように、センサ対4−1,4−2の出力は、ほぼ、100円硬貨の中央部分の断面形状に対応している。すなわち、硬貨通路を転動してきた硬貨がセンサ対4−1,4−2の縁にかかると急激に立下り、縁を越えた部分で立ち上がる。その後、硬貨中央部分の絵柄の厚みに対応して上に凸となり、最後に、後端の縁に対応して上に凸となってから立ち上がる。
【0038】
一方、センサ対4−3,4−4の出力は、100円硬貨の縁の形状に対応している。すなわち、図8(ロ)に示されるように、硬貨通路を転動してきた硬貨がセンサ対4−3,4−4の縁にかかると緩やかに立ち下がっていき、中間部分で縁段差の影響を受けて多少上に凸となり、その後、緩やかに立ち上がっていく。
【0039】
そして、センサ対4−1,4−2とセンサ対4−3,4−4の2対は、硬貨通路面に対して縦に並べて配置しているため、ほぼ同期して出力される。その際、センサ対4−1,4−2の出力におけるAの部分の立ち上がり角度及びCの部分の立下り角度と、センサ対4−3,4−4の出力におけるaの部分の立ち下がり角度及びcの部分の立ち上がり角度とがほぼ一致するように調整しておく。そのことにより、各センサの出力が直列同相接続により足し合わされたとき、図8(ハ)に示すように、T1及びT2の期間で波形が平坦になる。
【0040】
また、中間部分では、図8(イ)におけるBの部分の凸と図8(ロ)におけるbの部分の凸とが足し合わされて、合成波形の中間部分も図8(ハ)に示すように、上に凸となる。
【0041】
それに対して、100ウォン変造貨を投入したときの出力は、100ウォン変造貨には、絵柄部に凹凸があまりないため、センサ対4−1,4−2の出力は、下に凸の波形となる。また、縁の段差がほとんどないため、センサ対4−3,4−4の出力は平坦になる。その結果、各センサの出力が直列同相接続により足し合わされたとき、硬貨縁部で立ち下がった後、及び後端で立ち上がる前に、100円正貨のとき現れたような平坦部が現れない。さらに、中間部分は、下に凸となる。
【0042】
また、500ウォン硬貨の片面又は両面を平坦に切削した500ウォン変造貨を投入した場合は、縁の段差が大きいため、図8(イ)のA部の立ち上がり角度が図8(ロ)のa部の立ち下り角度より大きくなって、図8(ハ)の期間T1 の部分は上に凸となる。期間T2の部分も同様である。また、中間部分は絵柄が削り取られて平坦になっているため、センサ出力も平坦になる。
【0043】
そこで、前記期間T1,T2を基準値と比較し、また、中間部の凸部の高さΔVを基準値と比較することにより、100ウォン変造貨と500ウォン変造貨を精度よく識別することが可能になる。
【0044】
このように、この硬貨識別装置では、第1,第2のセンサに加えて第3及び第4のセンサを設け、それらの出力に基づいて硬貨の表裏面の凹凸模様や縁形状を精度良く識別することにより、投入された硬貨が正貨であるか偽貨であるかを高精度で識別することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。すなわち、硬貨の表裏面の状態を精度よく識別して、変造貨を確実に排除できるようになる。
【0046】
特に、本発明では、2対のコイルセンサの出力を直列同相接続に足し合わせて合成波形を算出し、このときに、正貨であれば期間T1、T2で波形が平坦になるように調整している。よって、合成波形の期間T1,T2を基準値と比較し、また、合成波形の中間部の凸部の高さΔVを基準値と比較することにより、100ウォン変造貨と500ウォン変造貨を精度よく識別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬貨識別装置の制御ブロック図である。
【図2】センサ配置図である。
【図3】硬貨通路の断面図である。
【図4】波形処理回路のブロック図である。
【図5】第3のセンサの出力に基づいて行う硬貨識別の説明図である。
【図6】センサ出力補正の説明図である。
【図7】第4のセンサの接続回路図である。
【図8】第4のセンサの出力に基づいて行う硬貨識別の説明図である。
【図9】従来の硬貨識別装置の内部概略図である。
【図10】センサの出力の波形処理を示す図である。
【図11】従来の硬貨識別装置における正貨判定方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…第1のセンサ
2…第2のセンサ
3…第3のセンサ
4…第4のセンサ
5〜8…波形処理回路
12…硬貨投入口
13…硬貨通路
14,15…センサ
16…振分けゲート
17…受入通路
18…返却通路
Claims (1)
- 硬貨通路の側面部に配置したセンサに高周波電流を流し、硬貨がセンサの前を通過した時の振幅変化に基づいて硬貨の識別を行う硬貨識別装置であって、
前記センサは、前記硬貨通路を挟んで2個のコイルセンサを対向させたコイルセンサ対であり、
当該コイルセンサ対は、前記硬貨通路の硬貨検出位置における通路面付近に配置された第1センサ対と、当該硬貨検出位置における前記第1センサ対よりも通路面から離れた位置に配置された第2センサ対の2組のセンサ対を備え、
前記第2センサ対は、前記硬貨検出位置を通過する硬貨の中央よりもやや通路面に近い高さに配置されており、
前記硬貨検出位置を硬貨が通過するときの前記第1センサ対における2個のコイルセンサの出力の和である第1出力波形、および、前記第2センサ対における2個のコイルセンサの出力の和である第2出力波形を算出し、
前記第1出力波形および前記第2出力波形に、通過した硬貨が正貨である場合の前記第1出力波形と前記第2出力波形を想定した内容の調整を行い、
当該調整は、正貨についての前記第1出力波形と前記第2出力波形における各波形の前端側の区間の和、および、各波形の後端側の区間の和が、いずれも平坦な波形となるように、前記第1出力波形と前記第2出力波形の少なくとも一方を調整するものであり、
当該調整後の前記第1出力波形と前記第2出力波形の和を合成波形として算出し、
当該合成波形の前端側および後端側における平坦な各区間を基準値と比較した結果、ならびに当該合成波形の中間部分における凸部の高さを基準値と比較した結果に基づいて硬貨を識別することを特徴とする硬貨識別装置。
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