JP4597885B2 - 縦列型駐車設備の中間扉装置 - Google Patents

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本発明はタワーパーキングと称されている縦列型駐車設備、特にトラバーサを備えた縦列型駐車設備の中間扉装置に関する。
この種の縦列型駐車設備は、入出庫口を有する前側駐車シャフトと、この前側駐車シャフトの後側に隣接した後側駐車シャフトと、これら前後の駐車シャフトの下方に形成されたピットと、このピット内に配置されたトラバーサとを備え、トラバーサは前側駐車シャフトと後側駐車シャフトとの間にて車両パレットを介して車両を移動させ、後側駐車シャフトに対する車両の入出庫を前側駐車シャフトを通じて可能にする(特許文献1)。
このため、前後の駐車シャフトの下部は車両の通過を許容する中間入出口を通じて相互に連通し、この中間入出口は左右一対の中間扉により開閉される。
上述したトラバーサ式の駐車設備にあっては、閉位置にある中間扉と前側駐車シャフトの車両パレットとの間にピットに臨む隙間が存在してしまうことから、特許文献1の駐車設備は前記隙間への落下を防ぐための可動式のカバー、即ち、可動床を備えており、この可動床は各中間扉の下端に取り付けられている。
特許第3637833号公報
上述した特許文献1の可動床は車両自体の落ち込みをも阻止するものであるために、ピット及びトラバーサ側の双方に設けたレールに支持されるようになっており、その支持構造は大掛かりであるととともに複雑なものとなり、既存の駐車設備に特許文献1の可動床を適用するのは容易ではない。
本発明は上述の事情に基づいてされたもので、その目的とするところは、上述した隙間を簡単な構成にして塞ぐことができるばかりでなく強度的な耐性をも十分に備え、更には既存の縦列型駐車設備にも容易に適用することができる縦列型駐車設備の中間扉装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は上述した縦列型駐車設備において、水平方向に互いに接離し、中間入出口を閉開可能な左右一対の中間扉と、前側駐車シャフト内に面した各中間扉の下部からそれぞれ張り出して設けられ、中間扉が閉じられたときには前側駐車シャフトの車両パレットと中間扉との間に存在する隙間を閉塞するスカートと、中間扉の閉開に対し機械的に連動して中間扉の閉開方向に進退し、中間扉が閉位置にあるときにスカートを支持する延出ベースとを備えた中間扉装置を提供する(請求項1)。
そして、請求項1の中間扉装置の場合、延出ベースは、各中間扉にそれぞれ備えられ、ピットの側壁側に基端が支持され、且つ、先端が中間扉の閉開方向に伸縮可能な支持部材と、中間扉のスカート及び対応する側の支持部材の一方に設けられ、これらスカート及び支持部材を機械的に係合することにより中間扉の閉開に連動した支持部材の伸縮を可能にし、且つ、スカートを支持部材に支持させる係合部材とを含み、また、係合部材及びスカートの一方は緩衝部材を有し、この緩衝部材を介して係合部材及びスカートの他方に係合する。
請求項1の中間扉装置によれば、左右の中間扉にそれぞれ設けたスカートは中間扉が閉じられるとき中間扉とともに移動して中間扉と車両パレットとの間の隙間を塞ぎ、この際、スカートは中間扉の閉作動に機械的に連動して延出する延出ベースにより支持され、そして、緩衝部材は係合部材とスカートとの係合を円滑にする
好ましくは、支持部材は伸縮可能なスライドレールからなり、係合部材はスカートに対して中間扉の閉開方向に遊びを存して係合されている(請求項)。この場合、スライドレール及び係合部材は中間扉の閉開作動に遊びの分だけ遅れて互いに係合し、この後、スライドレールは中間扉の閉開方向に円滑に伸縮する。
係合部材及びスカートの一方は、中間扉の閉開方向に転がるようにして係合部材及びスカートの他方に転接するローラを有することができ(請求項)、このようなローラは中間扉の開閉を円滑にする。
請求項1における縦列型駐車設備の中間扉装置は、中間扉が閉位置にあるとき、中間扉のスカートにより中間扉と車両パレットとの間の隙間を塞ぐことができ、隙間からピット内への物品等の落下を確実に防止することができる。
また、隙間がスカートにより塞がれているとき、スカートは係合部材を介して延出ベースに支持されているから、万一、ユーザがスカートに乗って、スカートに上方から荷重を加えても、この荷重負荷に十分に耐え得る機械的強度を発揮し、スカートの破損や、この破損に起因するユーザの落下事故を確実に防止することができる。
更に、延出ベースは中間扉の閉開に機械的に連動して進退するものであるから、延出ベースのために専用の駆動源が不要となり、構成が簡単で、しかも、既存の駐車設備にも容易に適用可能な中間扉装置の提供が可能となる。
また、延出ベースは、伸縮可能な支持部材と、係合部材から構成されているので、中間扉装置の構造が簡単となり、安価な中間扉装置の提供が可能となり、そして、緩衝部材は中間扉の閉開時、支持部材と係合部材の係合に伴う異音の発生を防止する
請求項の支持部材はスライドレールから構成されているから、延出ベースの進退が円滑になり、支持部材が中間扉の閉開動作に大きな抵抗となることもない。
請求項のローラは中間扉の閉開時、支持部材と係合部材との引っ掛かりを防止し、支持部材の円滑な伸縮を保証する。
図1,2は縦列型駐車設備を概略的に示す。
駐車設備は、プラットホーム2上に構築された駐車シャフト4,6を備え、これら駐車シャフト4,6は前後に併設されている。前述した特許文献1からも明らかなように駐車シャフト4,6は、鉛直に延びるゲージスペースと、このゲージスペース内に配置された無端状チェーン(図示しない)と、この無端チェーンの走行によりゲージスペース内を上下方向に循環する多数のケージ(図示しない)を備え、個々のケージは車両パレット8を介して車両Vの受け取りが可能となっている。
駐車設備に対する車両Vの入出を可能にするために、前側駐車シャフト4の下部には入出庫口10が設けられており、この入出庫口10は扉(図示しない)により開閉可能となっている。
また、プラットホーム2には前側及び後側駐車シャフト4,6の下方にピット12が形成されている。このピット12は駐車シャフト4,6に跨っており、その内部にトラバーサ14を備えている。トラバーサ14は前後の駐車シャフト4,6間を往復動し、これら駐車シャフト4,6間にて車両パレット8を介して車両の移動を行うために使用される。このため、前後の駐車シャフト4,6の下部は中間入出口16を通じて互いに連通しており、中間入出口16は車両の通過を許容する大きさを有する。
しかしながら、前述したトラバーサ14が使用されないとき、中間入出口16は一対の中間扉18により閉じられた状態にある。図3から明らかなように、一対の中間扉18はピット12の長手軸線を中心として左右に配置され、水平方向に往復移動して中間入出口16を開閉可能となっている。
より詳しくは、中間入出口16の上方には扉ガイド梁20が配置され、この扉ガイド梁20はピット12を横断する方向に延び、一対の中間扉18を水平方向に往復動自在に吊持している。扉ガイド梁20には一対の中間扉18のための駆動装置が内蔵されており、この駆動装置は例えば、扉ガイド梁20内の左右に配置された無端状チェーン22を備え、これら無端状チェーン22は一対のスプロケット24間に架け回され、対応する中間扉18に連結されている。一対の無端状チェーン22は駆動モータ(図示しない)からの動力を受けて互いに逆向きに走行され、これにより、一対の中間扉18が互いに連動して接離することにより、中間入出口16の開閉がなされる。なお、図3では、左側の中間扉18は閉位置にある状態で示され、右側の中間扉18は開位置にある状態で示されている。
更に、前側駐車シャフト4側に面した各中間扉18の下部にはスカート26が取り付けられている。これら左右のスカート26は中間扉18の幅方向に延びる一方、図4から明らかなように前側駐車シャフト4内に向けて張り出し、下面が開口した箱形の中空フラップとなっている。また、スカート26の上面は前側駐車シャフト4に向けて下方に傾斜した傾斜面となっている。
一対の中間扉18が閉じられたとき、左右のスカート26は中間扉18の開閉方向に互いに隣接し、図2及び図4から明らかなように前側駐車シャフト4の車両パレット8と中間扉18との間に存在する隙間を塞ぐ。
なお、図3及び図4に示されているように、各中間扉18は前側駐車シャフト4側の面にミラー28を有しており、これらミラー28は一対の中間扉18が閉じられた状態で、ユーザが前側駐車シャフト4の車両パレット8上に車両を乗り入れる際、車両と中間扉18の間の間隔を把握するために利用される。
更に、図3から明らかなように左右のスカート26は延出ベース30によりそれぞれ支持されており、これら延出ベース30は対応する側のスカート26が中間扉18とともに閉位置に移動しても、スカート26を支持する(図3でみて左側の延出ベース30を参照)。
左右の延出ベース30は同一の構造を有することから、ここでは、一方の側の延出ベース30について図5を参照しながら説明する。
延出ベース30は支持部材としての伸縮式の一対のスライドレール32を含み、これらスライドレール32は中間扉18の開閉方向と交差する方向に離間し、且つ、開閉方向に互いに平行にして配置されている。各スライドレール32の基端はベースブラケット34を介してピット12の内側壁、つまり、内側壁に設けた支持部36に取り付けられており、そして、一対のスライドレール32の先端部にスカート受け38が取り付けられている。
図5(a),(b)は一対のスライドレール32が伸長した状態を示しており、スカート受け38は一対のスライドレール32の先端部から上方に突出し、そして、これら先端部間に挟持された状態で、一対のスライドレール32に取り付けられている。なお、図5から明らかなように、この実施例の場合、スライドレール32は3段式の伸縮レールである。
前述したスカート受け38は、スライドレール32の横断面でみて断面略U字形の板材からなり、前記スライドレール32に沿って延びる前後壁40,42と、これら前後壁40,42の上縁を繋ぐ上壁44とを有し、上壁44はスカート26の上面と同様に傾斜し、そして、前後壁40,42が対応する側のスライドレール32に連結されている。
なお、図5に示されているように、一方のスライドレール32の先端側にはストライカ46が取り付けられ、そして、そのスライドレール32の基端側又はベースブラケット34にはリミットスイッチ48が取り付けられている。一対のスライドレール32が図示の伸長状態からベースブラケット34に向けて収縮すると、これに応じてストライカ46もまたリミットスイッチ48に向けて移動し、リミットスイッチ48をオン作動させることができる。
図6に示されているように、前述したスカート受け38は中間扉18のスカート26内に下方から侵入し、そして、スカート26内の一対のインナサイド壁50間に遊びを存して位置付けられている。これらインナサイド壁50はスカート26の天井面に一体的に取り付けられ、中間扉18の幅方向(開閉方向)に互いに離間している。
スカート受け38の上壁44には2つのローラブラケット52が取り付けられており、これらローラブラケット52は中間扉18の開閉方向に離間して配置されている。なお、図6には、一方のローラブラケット52のみが示されている。
各ローラブラケット52にローラ54が回転自在に支持され、このローラ54はスカート受け38の上壁44から突出し、スカート26の天井面に軽く転接している。つまり、ローラ54はスカート26の天井面に対し、中間扉18の開閉方向に転がるように接している。
更に、中間扉18の開閉方向でみて、スカート受け38の両端縁には弾性を有した緩衝部材56がそれぞれ取り付けられており、これら緩衝部材56は図7から明らかなようにスカート26の天井面との間に所望のギャップを存し、スカート受け38の両端縁のほぼ全長に亘って延びている。
一対の中間扉18が開位置にあるとき、延出ベース30の一対のスライドレール32は収縮した状態にあり(図3の右側の延出ベース30参照)、このとき、前述したリミットスイッチ48は前述したようにオン作動され、中間扉18が開位置にあることを表す開信号を出力する。リミットスイッチ48からのオン信号は前述したトラバーサ14の作動制御に利用することができる。
一対の中間扉18が開位置から閉位置に移動されるときには、スカート26もまたその中間扉18と一緒に移動することから、スカート26はスカート受け38のローラ54により円滑に案内され、そして、その一方の側のインナサイド壁50がスカート受け38に緩衝部材56を介して係合つまり当接し、スカート受け38を中間扉18の閉方向に押し出す。
それ故、スカート受け38がその先端側に取り付けられている一対のスライドレール32は中間扉18の開作動に連動し、その収縮状態から伸長する(図3中左側の延出ベース30参照)。
逆に、中間扉18が閉位置から開位置に向けて移動されても、スカート26はスカート受け38のローラ54に円滑に案内されながら、その他方の側のインナサイド壁50がスカート受け38に緩衝部材56を介して当接(係合)し、延出ベース30の一対のスライドレール32は伸長状態から収縮する。
即ち、延出ベース30の一対のスライドレール32はその中間扉18の閉開に連動して伸縮し、中間扉18が閉位置にあっても、スカート26をスカート受け38を介して支持することができる。
それ故、一対の中間扉18が閉位置にあって、これら中間扉18のスカート26が前側駐車シャフト4の車両パレット8と中間扉18との間の隙間を閉塞しているとき、万一、車両のユーザの足がスカート26に乗っかってスカート26に荷重が加わるとしても、スカート26の損傷を確実に防止でき、そして、この破損に起因した落下事故を回避することができる。
なお、スカート26はその上面にスカート26上へのアクセスが禁止されていることを示す注意書きを有していてもよく、このような注意書きはユーザの注意を喚起する上で役立つ。
延出ベース30、即ち、一対のスライドレール32の伸縮は中間扉18の閉開に機械的に連動して行われるから、スライドレール32の伸縮のための駆動源を別に設ける必要はなく、上述した一実施例の中間扉装置を既存の縦列型駐車設備にも容易に適用することができる。
中間扉18のスカート26は2つのローラ54を介してスカート受け38に支持されているから、中間扉18の閉開時、スカート26がスカート受け38に対して片当たりすることもないので、スライドレール32の円滑な伸縮が保証される。また、スカート26はスカート受け38に緩衝部材56を介して当接することから、中間扉18の開閉時、スカート26とスカート受け38との当接に起因した異音の発生をも防止することができる。
本発明は上述した一実施例の中間扉装置に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、一実施例では、延出ベース30のスライドレール32にスカート受け38を取り付けているが、スカート26にスカート受け38に相当する係合部材を設け、スライドレール32に一対のインナサイド壁50に相当する受け部材を設けるようにしてもよい。この場合、緩衝部材56はスカート26側の係合部材に取り付けてもよいし、ローラ54もまたスカート26又は係合部材に取り付けてもよい。
更に、スライドレールに関しても図示の構成のものに限らず、種々の形態のスライドレールを使用可能であることは言うまでもない。
縦列型駐車設備を示した概略縦断面図である。 図1の駐車設備の概略横断面図である。 図1の中間扉の周辺を拡大して示した正面図である。 図3中、IV-IV線に沿う断面図である。 図3中の伸長状態にあるスライドレールを拡大して示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。 中間扉のスカートに対するスカート受けの組み付けを示した図である。 図6中、VII-VII線に沿う矢視図である。
符号の説明
4,6 駐車シャフト
8 車両パレット
12 ピット
14 トラバーサ
16 中間入出口
18 中間扉
26 スカート
30 延出ベース
32 スライドレール(支持部材)
38 スカート受け(係合部材)
54 ローラ
56 緩衝部材

Claims (3)

  1. 複数の駐車シャフトを前後に併設し、これら駐車シャフトの下方にトラバーサを備えたピットを設ける一方、前後の駐車シャフトの下部を中間入出口により相互に連通させ、前記トラバーサの前後方向の往復動により、前側駐車シャフトと後側駐車シャフトとの間にて車両パレットを介して車両を移動させ、前記後側駐車シャフトに対する車両の入出庫を可能にした縦列型駐車設備において、
    水平方向に互いに接離し、前記中間入出口を閉開可能な左右一対の中間扉と、
    前記前側駐車シャフト内に面した前記各中間扉の下部からそれぞれ張り出して設けられ、前記中間扉が閉じられたときには前側駐車シャフト内の最下位の車両パレットと前記中間扉との間に存在する隙間を閉塞するスカートと、
    前記中間扉の閉開に対し機械的に連動して前記中間扉の閉開方向に進退し、前記中間扉が閉位置にあるときにスカートを支持する延出ベースと
    を具備し
    前記延出ベースは、
    前記各中間扉にそれぞれ備えられ、前記ピットの側壁側に基端が支持され、且つ、先端が前記中間扉の閉開方向に伸縮可能な支持部材と、
    前記中間扉の前記スカート及び対応する側の前記支持部材の一方に設けられ、これらスカート及び前記支持部材を機械的に係合することにより前記中間扉の閉開に連動した前記支持部材の伸縮を可能にし、且つ、前記スカートを前記支持部材に支持させる係合部材と
    を含み、
    前記係合部材及び前記スカートの一方は緩衝部材を有し、この緩衝部材を介して前記係合部材及び前記スカートの他方に係合することを特徴とする縦列型駐車設備の中間扉装置。
  2. 前記支持部材は伸縮可能なスライドレールからなり、
    前記係合部材は、前記スカートに対して前記中間扉の閉開方向に遊びを存して係合されていることを特徴とする請求項に記載の縦列型駐車設備の中間扉装置。
  3. 前記係合部材及び前記スカートの一方は、前記中間扉の閉開方向に転がるようにして前記係合部材及び前記スカートの他方に転接するローラを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の縦列型駐車設備の中間扉装置。
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