JP4596707B2 - コンクリート二次製品構築物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、渓間工事、山腹工事などに用いられる、蛇篭に充填されるコンクリート二次製品及び該コンクリート二次製品を蛇篭に充填したコンクリート二次製品構築物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来蛇篭には、栗石などの自然石が使用されていたが、自然石の不足により、軽量骨材を使用したコンクリートブロックを自然石の代わりに利用することが提案されている(特開平11−247150号公報)。
【0003】
一方、産業廃棄物の最終処分場の残余年数は、全国平均8.7年で逼迫している状況にあり、産業廃棄物の中でも建設廃材が大きなウエイトを占めている。
【0004】
従って、建設廃材などの廃棄物を有効利用して減量するのが本発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の項1〜項8に関する。
【0006】
項1. 木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種の廃材、篩い土砂とセメントを主材として成型したコンクリート二次製品を複数個蛇篭に収容してなるコンクリート二次製品構築物。
【0007】
項2. 前記コンクリート二次製品が、木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種の廃材が表面に露出していないコンクリート二次製品である項1に記載のコンクリート二次製品構築物。
【0008】
項3. (1)セメント、(2)木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする廃材及び(3)篩い土砂を水と混練することを特徴とする廃材が表面に露出していないコンクリート二次製品の製造方法。
【0009】
項4. 木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種の廃材、篩い土砂とセメントを構成成分とするコンクリート及び該コンクリートを覆う容器から構成され、比重が1.5以上、且つ強度が8N/mm2以上であるコンクリート二次製品。
【0010】
項5. 項4に記載のコンクリート二次製品を複数個蛇篭に収容してなるコンクリート二次製品構築物。
【0011】
項6. 容器が外側表面に溝又は突起物を有しているものである、項4に記載のコンクリート二次製品。
【0012】
項7. 項4に記載のコンクリート二次製品を用いた縁石。
【0013】
項8. 項4に記載のコンクリート二次製品を用いた車止め。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施態様を図1を参照しながら説明する。
【0015】
建設廃材などの混合廃棄物(通常、木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、繊維くず、ゴムくず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類)は、ヤード選別により約500mm以上の廃棄物を取り除き、1次スクリーン選別(40mm)により40mm以上の廃棄物(40〜500mm)を得る。なお、篩われた40mm以下の廃棄物は、さらに2次スクリーン(13mm)を通すことにより廃材または篩い土砂として利用できる。
【0016】
得られた廃棄物から手選別によりリサイクル可能な成分を取り除き、木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる約40〜500mmの大きさの廃棄物を得る。各成分は各々分離して使用することもできる。可燃性のものは一部焼却してもよい。その得られた廃棄物を約150mm以下に破砕機により破砕する。得られた破砕物を2次スクリーン選別(13mm)し、13mm以下の廃棄物(篩い土砂、骨材として利用)を取り除き、機械選別により軽量物(木、紙くず、廃プラスチック等)、重量物(ガレキ類)、混合物に分離する。軽量物は可燃物として一部焼却することもでき、重量物は再生路盤材として再利用される。混合物は骨材として利用される。
【0017】
本発明で使用される混合物としては、大きすぎると成形に支障が出、小さすぎると破砕工程の手間がかかるので、13〜150mmのものが使用されるが、好ましくは13〜40mmのものが例示される。
【0018】
篩い土砂としては、通常のコンクリート製造に用いられる砂を利用することもできるが、上記のようにスクリーン選別された各種廃棄物を含む土砂を利用することが、廃棄物処理の観点から望ましい。篩い土砂の大きさは、13mm以下程度が例示されるが、10mm以下のものが好ましい。
【0019】
セメントとしては、ポルトランドセメント、混合セメントなどが挙げられる。
【0020】
得られた混合物と篩い土砂を適量のセメント、水と混練し、型枠に入れて、成型し、養生し、脱型することにより、本発明のコンクリート二次製品を得ることができる。また、水と混練した後に、該混練物を型枠に替えて容器に注入して固めることによっても、本発明のコンクリート二次製品を得ることができる。
【0021】
ここで、容器の材質としては、プラスチック、木、金属又はセラミックス等から用途に応じて適宜選択される。プラスチックの種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はエチレンプロピレン共重合体等が例示されるが、特に限定されるものではない。また、容器の形状としては、一例として図2に示しているが、大きさ、形状ともに特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。更に密閉されるものでもよく、一方が開放されているものでもよい。
【0022】
プラスチック容器の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等を金型に注入して冷却する中空成型方法等、公知の方法が用いられる。
【0023】
本発明では、コンクリートをプラスチック容器に収容することでコンクリート二次製品の強度が向上するので、縁石、車止めなどの強度を要求される用途に適用するのに適している。
【0024】
コンクリート二次製品に容器を用いると、脱型工程が不必要となるので作業性が高くなり、更に、該容器に溝又は突起物を付けると、水はけが良くなるうえに、摺動性が向上する。溝及び突起物の深さ及び形状は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。
【0025】
また、容器を用いることにより、輸送時のコンクリートの割れ・欠け・飛散等の危険性を更に低くすることができる。
【0026】
コンクリート二次製品は、必要に応じて容器に収容したものとして蛇篭に収容することができ、従来の栗石などの自然石を収容した蛇篭と同様に使用することができる。
【0027】
本発明の方法により、木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種の廃材をコンクリート二次製品中にほぼ均一に混合することが可能である。
【0028】
なお、1回の混練により得られたコンクリート二次製品であっても、混練を十分に行い、成形を丁寧に行うことで、廃材がコンクリート中にほぼ均一に混合され、表面に廃材が露出するのを阻止できる。コンクリート二次製品中の廃材をより均一に存在させるには、得られたコンクリートを破砕し、該破砕物と水及びセメントをさらに混練すればよい。
【0029】
本発明のコンクリート二次製品の比重は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.6以上、特に好ましくは1.7以上がよい。また、本発明のコンクリート二次製品の強度は、好ましくは8N/mm2以上、より好ましくは8.5N/mm2以上、特に好ましくは9N/mm2以上がよい。
【0030】
本発明のコンクリート二次製品の製造に際し、木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種の廃材、篩い土砂、セメント及び水とともに混練し、製造することができる。
【0031】
本発明の目的は建設廃材などの廃棄物の量を減らすことにあるが、コンクリートの構成要素として廃材の量が増えるほど、コンクリートの強度が減弱する傾向にある。その矛盾を解消するための廃材の配合割合は、コンクリート二次製品の全体容量を100容量部として、20〜70容量部、好ましくは30〜60容量部が例示される。
【0032】
その他の構成要素の配合割合は、得られたコンクリート二次製品の比重が1.5以上、強度が8N/mm2以上になるよう、同時に成型時のコンクリートのコンシステンシーをも考慮して当業者であれば容易に決定することができる。
【0033】
また、混合物に含まれる廃材についても、特に限定されるものではなく、種々の用途に適した比重及び強度に応じて用いられるが、例えば、比重を大きくするためには例えば金属くずを含める等種々の目的に応じて適宜選択される。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、廃棄物である木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類と篩い土砂を有効利用し、廃棄物を減量し、コンクリート二次製品に有効利用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0036】
【実施例1】
図1に示される機械選別後に得られた混合物(約13〜150mm)を粗骨材として利用し、スクリーン選別(13mm)により得られた約13mm以下の大きさの廃棄物混合物である土砂を細骨材として利用した。
【0037】
約13〜40mmの大きさの廃材(10kg)と約13mm以下の大きさの篩い土砂(10kg)、セメント(8kg)及び水(6.5kg)を混練し、150mm×150mm×150mmの型枠に流し込んで成形し、1昼夜養生し、本発明の構築物を得るためのコンクリート二次製品を得た。
【0038】
得られたコンクリート二次製品は、比重が1.77であり、強度は8.31N/mm2であった。また、コンクリート二次製品の表面には廃材が露出していなかった。
【0039】
得られたコンクリート二次製品を蛇篭に収容して目的とするコンクリート二次製品構築物を得た。
【0040】
【実施例2】
プラスチック容器は、公知の方法で作った。ポリエチレン樹脂を金型に注入して冷却する、中空成型方法を用いた。
【0041】
実施例1と同様にして、廃材、篩い土砂、セメント及び水を混練したものを、図2に示す、直径130mm、高さ150mm、開口部の直径70mmのプラスチック容器に流し込み、1昼夜養生し、本発明の構築物を得るためのコンクリート二次製品を得た。
【0042】
得られたコンクリート二次製品は、比重が1.7であり、強度は11.7/mm2であった。
【0043】
得られたコンクリート二次製品を蛇篭に収容して目的とするコンクリート二次製品構築物を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート二次製品製造の好ましい具体例のフロー図を示す。
【図2】本発明に使用されるのプラスチック容器図の1例を示す。
Claims (1)
- (1)木くず、紙くず、廃プラスチック、金属くず、ガラス・陶磁器くず及びガレキ類からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする廃棄物を150mm以下に破砕機により破砕し、得られた破砕物をスクリーン選別して得られた13〜150mmの廃材、
(2)セメント、並びに
(3)篩い土砂を水と混練し、
得られたコンクリートを破砕し、該コンクリートの破砕物と水及びセメントをさらに混練することを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。
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