JP4596687B2 - パネル型周辺装置及びその製造方法並びにその製造用のパネル治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルや液晶ディスプレイ等のパネル型周辺装置に関する。本発明はさらに、そのようなパネル型周辺装置の製造方法並びにその製造方法で使用できるパネル治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、電子手帳等の、ディスプレイを備えたデジタルデータ処理装置において、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマパネル)、CRT(ブラウン管)等のディスプレイ画面上に設置され、パネル表面の所望位置をオペレータがペンや手指で押圧することにより、ディスプレイ上の二次元座標データを入力指示するパネル型入力装置が、タッチパネルの呼称で広く利用されている。
【0003】
一般にタッチパネルは、透明な絶縁基板と絶縁基板表面に設けられる透明な導電膜とを各々に有した一対の板状の検出素子(すなわち導電パネル部材)を備えて構成される。それら検出素子は、隙間を介して導電膜同士を対向させた状態で、両絶縁基板の外周縁に沿って帯状に延設される接着剤層を介して、互いに重ね合わせて固定される。両検出素子の間の隙間は、この接着剤層と、一方の検出素子の導電膜の表面に分散配置された多数のドットスペーサとにより確保される。
ドットスペーサは、検出素子の少なくとも自重による変形を抑制して両検出素子間の隙間を保持する一方で、いずれかの検出素子が押圧力下で変形したときには両導電膜の短絡を許容する。なお通常、オペレータが押圧操作する上側の検出素子の絶縁基板は、可撓性が要求されるので樹脂フィルムから形成され、他方、ディスプレイ画面に隣接配置される下側の検出素子の絶縁基板は、ガラス板、プラスチック板、樹脂フィルム等から形成される。
【0004】
この種のタッチパネルにおいて、ディスプレイ画面の視認性を改善するために、一対の検出素子の間に形成される隙間に、各検出素子の屈折率と同等の屈折率を有する透明な絶縁液体材料を封入して、光の透過率を向上させたものが知られている。このような液体封入型のタッチパネルは、一般的なLCDにおける液晶セルに類似した構成を有するものであり、したがって、両検出素子間の隙間への液体注入作業は、従来のLCD製造工程における液晶注入作業と同様の方法で実施できる。
【0005】
従来のLCD製造工程における液晶注入作業は、以下の各ステップを有する。
まず、絶縁基板及び絶縁基板の一表面に形成した導電膜を各々に有する一対の電極板(すなわち導電パネル部材)を、各々の導電膜同士が隙間を介して対向するように互いに固定してなるパネル組立体を作製する。このパネル組立体は、液晶を注入する前段階の半完成品であり、例えば空セルと称する。一対の電極板は、それらの絶縁基板の外周縁に沿って相互対向面間に帯状に延設される接着剤層によって互いに固着され、接着剤層に隣接して(例えば接着剤の欠落部分として)、両電極板間の隙間を外部環境に連通させる少なくとも1つの通路が形成される。接着剤層は、この通路以外で両電極板間の隙間を外部環境に対し気密封止するように作用する。
【0006】
次に、液晶材料を収容した容器を用意し、この容器と上記したパネル組立体とを、共通の外部環境下(例えば密閉室内)に置く。そして、パネル組立体に設けた通路を外部環境に露出させた状態で、密閉室を真空排気して外部環境を減圧し、それにより、パネル組立体の両電極板間の隙間を真空排気するとともに、液晶材料を真空脱気する。続いて、減圧した外部環境下で、パネル組立体の通路及びその周辺部分を容器内の液晶材料に浸漬し、排気操作を停止する。このとき、毛細管現象により、パネル組立体の通路を介して両電極基板間の隙間に液晶材料が僅かに浸入する。その後、密閉室に不活性ガスを導入して圧力を上昇させることにより、液晶材料を隙間の全体に充填する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のLCD製造工程における液晶注入作業と同様の方法を、前述した液体封入型タッチパネルにおける液体注入作業に適用すると、例えば樹脂フィルム製絶縁基板を有する上側検出素子とガラス製絶縁基板を有する下側検出素子とを組み合わせたタッチパネルでは、外部環境の圧力を上昇させてパネル組立体の隙間に絶縁液体材料を充填する間に、上側検出素子が圧力上昇によって下側検出素子に接近する方向へ撓む傾向がある。液体充填ステップにおいてパネル組立体の一方の検出素子にこのような変形が生じると、両検出素子間の隙間が狭くなり、結果として絶縁液体材料を隙間の全体に迅速に充填することが困難になるとともに、充填完了後の完成品としてのタッチパネルがその上側検出素子の中央領域で外周縁領域よりも若干凹んだものになることが懸念される。上側検出素子のこのような凹みは、タッチパネルの特に外周縁近傍領域で透視画像を歪ませる要因となるだけでなく、押圧点で導通接触した両検出素子のその後の分離を不確実にする要因となり得る。
【0008】
なお、こうした諸課題は、タッチパネルの一対の検出素子の双方が樹脂フィルム製絶縁基板を有する場合に、一層顕著に生じることが予測される。また、液体封入型タッチパネルに限らず、樹脂フィルム基板を用いた液晶ディスプレイ等の、パネル組立体の少なくとも一方の導電パネル部材が外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有して構成される種々の液体封入型のパネル型周辺装置において、液体材料注入作業に際し可撓性導電パネル部材の中央領域の凹みが同様に生じ得ると考えられる。
【0009】
さらに、上記した液体注入作業では、液体材料をパネル組立体の両導電パネル部材間の隙間に注入する際に、パネル組立体と液体材料との双方を減圧環境下に置くので、液体材料として、蒸気圧が十分に低いもの(例えばシリコンオイル)を使用することが前提となる。したがって、液体材料の選択幅が狭く、例えばパネル組立体の各種構成部品の材料に対して化学的に安定な液体材料を選択する、といった構造の最適化が制限される危惧がある。
【0010】
ところで、従来の液体封入型のパネル型周辺装置では、パネル組立体の一対の導電パネル部材の間に接着剤層に隣接して形成される液体材料注入用の通路は、一般に、両導電パネル部材間の隙間に開口する内側口と外部環境に開口する外側口との間で一様な流路断面形状を有して直線状に延設されている。このような形状を有する通路は、接着剤層を例えば両面粘着テープから構成する場合に、両面粘着テープの欠落部分によって極めて容易に形成できる利点がある。しかし、通路内では両導電パネル部材が互いに固定されないので、タッチパネルのように一方の導電パネル部材(検出素子)が樹脂フィルム製絶縁基板を有する場合、通路の近傍で、その導電パネル部材を固定的に保持することが困難になる傾向がある。
【0011】
特にタッチパネルにおいては、押圧位置に係わらず正確かつ安定的なデータ入力を実現するために、押圧操作される上側の検出素子はその全体に渡って一様に張力が負荷された状態で固定されていることが要求される。したがって、液体材料注入用の通路は可及的に小さくすることが好ましいが、通路を縮小すると液体材料の充填作業に要する時間が増加する懸念がある。そこで、小さな通路を複数箇所に分散して設けることも考えられるが、この場合には、液体材料充填後の通路封止作業が煩雑になる危惧がある。
【0012】
したがって本発明の目的は、一対の導電パネル部材の間の隙間に液体材料を封入してなるパネル型周辺装置の製造方法において、少なくとも一方の導電パネル部材が外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有する場合にも、液体材料注入作業に際して、そのような可撓性導電パネル部材の中央領域に凹みを生じることなく、導電パネル部材間の隙間の全体に迅速に液体材料を充填することができる製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、上記したような製造方法を実施するために好適に使用できるパネル治具を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、上記したような製造方法によって製造されたパネル型周辺装置であって、優れた機能性を有するパネル型周辺装置、特に透視画像の歪みが少なく、正確かつ安定的に入力操作できるタッチパネルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、絶縁基板及び該絶縁基板の第1面に設けられる導電膜を各々に有する一対の導電パネル部材を具備するパネル型周辺装置の製造方法において、前記一対の導電パネル部材を、各々の前記導電膜同士が隙間を介して対向するように互いに固定してなるパネル組立体であって、該隙間を外部環境に連通させる通路を有するとともに該通路以外で該隙間が該外部環境に対し気密封止されるパネル組立体を用意し、前記パネル組立体の少なくとも一方の前記導電パネル部材よりも高い剛性を有するとともに、該導電パネル部材の前記絶縁基板の前記第1面の裏側の第2面よりも大きな支持面を有する支持部材を用意し、液体材料を収容した容器を用意し、前記パネル組立体、前記支持部材及び前記容器を、共通の環境下に置き、前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材を、その前記絶縁基板の前記第2面が前記支持面に対向するように前記支持部材に重ねて固定的に配置し、前記パネル組立体の前記通路を前記共通の環境に露出させた状態で、該環境を減圧し、それにより該パネル組立体の前記隙間を排気し、減圧した前記共通の環境下で、前記パネル組立体の前記通路を、前記容器内の前記液体材料に浸漬し、その状態で、前記減圧した共通の環境の圧力を上昇させて、該環境の圧力を前記支持部材に重ねて配置した前記少なくとも一方の導電パネル部材に直接に負荷させることなく、前記容器内の前記液体材料を、前記パネル組立体の前記通路を通して前記隙間に充填し、前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材を前記支持部材に重ねて固定的に配置するときに、該導電パネル部材の前記絶縁基板の前記第2面と該支持部材の前記支持面との間に第2の隙間を設け、前記共通の環境を減圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を連通させ、該共通の環境を加圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を気密封止すること、を特徴とするパネル型周辺装置製造方法を提供する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパネル型周辺装置製造方法において、前記支持部材に重ねて固定的に配置される前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材が、前記共通の環境の圧力変動に伴って変形し得る可撓性を有するパネル型周辺装置製造方法を提供する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のパネル型周辺装置製造方法によって製造されたパネル型周辺装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のパネル型周辺装置製造方法で用意される前記支持部材を具備するパネル治具を提供する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパネル治具において、前記支持部材と協働して前記パネル組立体を固定的に挟持する第2の支持部材をさらに具備するパネル治具を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のパネル型周辺装置製造方法で用意される前記支持部材を具備するパネル治具であって、前記第2の隙間を前記共通の環境に連通させる気体通路と、該環境の圧力変動に伴って該気体通路を開閉する弁部材とをさらに具備するパネル治具を提供する。
【0021】
請求項7に記載の発明は、透明な絶縁基板及び該絶縁基板の第1面に設けられる透明な導電膜を各々に有する一対の板状の検出素子を具備するタッチパネルの製造方法において、前記一対の検出素子を、各々の前記導電膜同士が隙間を介して対向するように互いに固定してなるパネル組立体であって、該隙間を外部環境に連通させる通路を有するとともに該通路以外で該隙間が該外部環境に対し気密封止され、少なくとも一方の該検出素子が該外部環境の圧力変動に伴って変形し得る可撓性を有するパネル組立体を用意し、前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子よりも高い剛性を有するとともに、該検出素子の前記絶縁基板の前記第1面の裏側の第2面よりも大きな支持面を有する支持部材を用意し、透明な絶縁液体材料を収容した容器を用意し、前記パネル組立体、前記支持部材及び前記容器を、共通の環境下に置き、前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子を、その前記絶縁基板の前記第2面が前記支持面に対向するように前記支持部材に重ねて固定的に配置し、前記パネル組立体の前記通路を前記共通の環境に露出させた状態で、該環境を減圧し、それにより該パネル組立体の前記隙間を排気し、減圧した前記共通の環境下で、前記パネル組立体の前記通路を、前記容器内の前記絶縁液体材料に浸漬し、その状態で、前記減圧した共通の環境の圧力を上昇させて、該環境の圧力を前記支持部材に重ねて配置した前記少なくとも一方の検出素子に直接に負荷させることなく、前記容器内の前記絶縁液体材料を、前記パネル組立体の前記通路を通して前記隙間に充填し、前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子を前記支持部材に重ねて固定的に配置するときに、該検出素子の前記絶縁基板の前記第2面と該支持部材の前記支持面との間に第2の隙間を設け、前記共通の環境を減圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を連通させ、該共通の環境を加圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を気密封止すること、を特徴とするタッチパネル製造方法を提供する。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のタッチパネル製造方法によって製造されたタッチパネルを提供する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の一実施形態によるパネル型周辺装置製造方法によって製造されるパネル型周辺装置10の概略構成を厚み方向に拡大、強調して示す。図2〜図4は、このパネル型周辺装置製造方法で使用されるパネル治具12を、パネル型周辺装置10の半完成品とともに示す。
【0038】
パネル型周辺装置10は、絶縁基板14及び絶縁基板14の第1面14aに設けられる導電膜16を有した第1導電パネル部材18と、同様に絶縁基板20及び絶縁基板20の第1面20aに設けられる導電膜22を有した第2導電パネル部材24とを備える。第1導電パネル部材18と第2導電パネル部材24とは、互いに略同一の矩形輪郭を有する平板であり、同様に互いに略同一の矩形輪郭を有する導電膜16、22をそれぞれに備える。それら導電パネル部材18、24は、隙間26を介して導電膜16、22同士を対向させた状態で、両絶縁基板14、20の外周縁に沿って両第1面14a、20a上に帯状に延設される接着剤層28を介して、互いに重ね合わせて固定される。
【0039】
接着剤層28は、例えば所定厚みを有して矩形枠状に成形された両面粘着テープからなり、この接着剤層28と、第2導電パネル部材24の導電膜22の表面に分散配置された多数のドットスペーサ30との協働により、両導電パネル部材18、24の間の隙間26が確保される。さらに、接着剤層28に隣接して(例えば両面粘着テープの欠落部分として)、両導電パネル部材18、24間の隙間26をパネル型周辺装置12の外部環境に連通させる1つの通路32が形成される。接着剤層28は、導電パネル部材固定作用に加えて、この通路32以外で両導電パネル部材18、24間の隙間26を外部環境に対し気密封止する作用を有する。両導電パネル部材18、24間の隙間26には、所定の機能を有する液体材料34が封入される。したがって通路32は、後述する液体注入工程により液体材料34を隙間26に注入した後に、封止材(例えば接着剤)36によって封止される。
【0040】
図示の好適な実施形態では、第1導電パネル部材18は、透明樹脂フィルム製の絶縁基板14に透明な導電膜16を被着して形成され、それ自体、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有するものとなっている。また、第2導電パネル部材24は、透明ガラス製の絶縁基板20に透明な導電膜22を被着して形成され、それ自体、外部環境の圧力変動に抗して自己形状を保持し得る剛性を有するものとなっている。このようなパネル型周辺装置12は、デジタルデータ処理装置における入力装置であるタッチパネルとして機能し得るものである。
【0041】
タッチパネルとして構成されるパネル型周辺装置12では、第1導電パネル部材18が、オペレータによって押圧操作される上側検出素子として機能し、第2導電パネル部材24が、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマパネル)、CRT(ブラウン管)等のディスプレイ画面38上に設置される下側検出素子として機能する。また多数のドットスペーサ30は、第1導電パネル部材(上側検出素子)18の少なくとも自重による変形を抑制して隙間26を保持する一方で、第1導電パネル部材(上側検出素子)18が押圧力下で変形したときには押圧位置における両導電膜16、22の短絡を許容する。また液体材料34は、各導電パネル部材(検出素子)18、24の屈折率と同等の屈折率を有する透明な絶縁液体材料からなり、光の透過率を向上させる機能を有する。
【0042】
なお、第1及び第2導電パネル部材18、24は、それぞれの導電膜16、22に電気的に接続して絶縁基板14、20の第1面14a、20aにパターン形成される第1及び第2の導線部(図示せず)をさらに備える。これら第1及び第2の導線部は、導電膜16、22のそれぞれの対向縁に沿って互いに90度異なる位置に配置される第1及び第2の電極対(図示せず)と、それら電極対に接続される第1及び第2の配線ストリップ(図示せず)とから構成される。このような構成は、抵抗膜型タッチパネルにおいて公知のものである。
【0043】
上記したパネル型周辺装置10の製造工程(特に液体注入工程)で使用されるパネル治具12は、両導電パネル部材18、24間の隙間26に液体材料34を注入する前段階のパネル型周辺装置10の半完成品であるパネル組立体40を固定的に支持するための構成を有する。パネル治具12は、パネル組立体40の第1導電パネル部材18よりも高い剛性、好ましくは外部環境の圧力変動に抗して自己形状を保持し得る剛性を有する平板状の第1支持部材42と、第1支持部材42と協働してパネル組立体40を固定的に挟持する第2支持部材44とを備える。第1支持部材42は、第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第1面14aの裏側の第2面14bよりも十分に大きな平坦な支持面42aを有する。同様に第2支持部材44は、第2導電パネル部材24の絶縁基板20の第1面20aの裏側の第2面20bよりも幾分大きな平坦な支持面44aを有する。
【0044】
第1支持部材42と第2支持部材44とは、両者間にパネル組立体40を挟持した状態で、パネル組立体40の周囲に分散配置される複数のボルト46によって相互に固定される。両支持部材42、44には、互いに対応する位置に、複数の雌ねじ48、50がそれぞれ貫通形成され、各雌ねじ48、50にボルト46が螺着される。第1支持部材42の支持面42aには、矩形に整列する複数の雌ねじ48の内側に、矩形枠状のスペーサ52が固定的に設置される。スペーサ52は、好ましくはゴムパッキンからなり、パネル組立体40の第1導電パネル部材18の絶縁基板14の外周縁に沿ってその第2面14bに密接可能な寸法及び形状を有する。スペーサ52の一辺52aは、第1支持部材42の支持面42aの一縁(図で下縁)に沿って配置される。
【0045】
パネル組立体40は、第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第2面14bを第1支持部材42の支持面42aに対向させてスペーサ52の全長に渡って気密接触させるとともに、第2導電パネル部材24の絶縁基板20の第2面20bを第2支持部材44の支持面44aに当接させて、パネル治具12の両支持部材42、44の間に固定的に挟持される。このときパネル組立体40は、両導電パネル部材18、24間の隙間26に連通する通路32が、スペーサ52の一辺52aからパネル治具12の外部に露出するように位置決めされる。このようにしてパネル治具12をパネル組立体40に取り付けると、第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第2面14bと第1支持部材42の支持面42aとの間に第2の隙間54が形成される。
【0046】
パネル治具12はさらに、パネル組立体40を固定的に挟持している間に第2の隙間54を外部環境に連通させる複数の気体通路56と、外部環境の圧力変動に伴ってそれら気体通路56を開閉する弁部材58とを備える。複数の気体通路56は、スペーサ52の内側の所定位置で第1支持部材42に貫通形成される。弁部材58は、例えばゴムシートからなり、それら気体通路56を遮蔽する位置で第1支持部材42の支持面42aの裏側の裏面42bに取り付けられる。ゴムシートからなる弁部材58は、その外周縁の所望位置で局部的に第1支持部材42の裏面42bに固定される。弁部材58は、両支持部材42、44によってパネル組立体40を固定的に挟持している間に、第2の隙間54の内圧と外部環境の圧力との差に応じて、複数の気体通路56を開放する開放位置とそれら気体通路56を気密封止する閉鎖位置との間で変位する。
【0047】
上記構成を有するパネル治具12を用いたパネル型周辺装置10の製造工程(特に液体注入工程)を、図5及び図6を参照して以下に説明する。
まず、前述したようにしてパネル治具12の第1及び第2支持部材42、44により固定的に挟持したパネル組立体40を、液体材料34を収容した上部開放型の容器60と共に、共通の環境下すなわち密閉室62内に置く。パネル組立体40は、その通路32を下に向けた状態で、パネル治具12と共に、密閉室62に設置された固定台64によって静止支持される。容器60は、液体材料34をパネル治具12及びパネル組立体40の下方に位置決めした状態で、密閉室62に設置された移動台66によって昇降可能に支持される。さらに密閉室62には、密閉室62内を真空排気するためのポンプ装置68と、密閉室62内に不活性ガスを導入するボンベ70とが互いに独立して接続され、それにより、図5に示す液体注入装置が構成される。
【0048】
次に、パネル組立体40の通路32を上記共通の環境すなわち密閉室62内に露出させた状態でポンプ装置68を作動して、密閉室62を真空排気して減圧し、それにより、パネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26を真空排気するとともに、液体材料34を真空脱気する。このとき、図6(a)に示すように、パネル治具12の第1支持部材42の裏面42bに取り付けられた弁部材58が、第1支持部材42とパネル組立体40の第1導電パネル部材18との間に形成される第2の隙間54の内圧により外方へ押されて、複数の気体通路56を開放する開放位置に弾性的に変位し、その結果、第2の隙間54も同時に真空排気される。
【0049】
続いて、密閉室62を減圧したままの状態で移動台66を上昇させて、パネル治具12の下端部分すなわちパネル組立体40の通路32及びその周辺部分を、容器60内の液体材料34に所望深さまで浸漬し、その状態で、ポンプ装置68による排気操作を停止する。このとき、毛細管現象により、パネル組立体40の通路32を介して両導電パネル部材18、24間の隙間26に液体材料34が僅かに浸入する(図6(b))。またこの間、第1支持部材42と第1導電パネル部材18との間の第2の隙間54の内圧は、密閉室62の圧力に対して平衡しているので、第1支持部材42に取り付けた弁部材58は、それ自体の弾性復元力により、第1支持部材42の裏面42bに接触して複数の気体通路56を実質的に閉鎖する位置に置かれる。
【0050】
次いで、パネル組立体40の通路32を液体材料34に浸漬したままの状態で、ボンベ70を開放して密閉室62に不活性ガスを導入し、密閉室62内の圧力を上昇させる。それにより、パネル組立体40の隙間26の全体に液体材料34を充填する。このとき、図6(c)に示すように、パネル治具12の第1支持部材42に取り付けた弁部材58は、密閉室62内の圧力上昇により第1支持部材42の裏面42bに押し付けられて密着し、複数の気体通路56を気密封止する閉鎖位置に保持される。その結果、第2の隙間54は真空状態を維持する。したがって、密閉室62内の圧力が上昇しても、密閉室62内の圧力をパネル組立体40の第1導電パネル部材18に直接に負荷させることが回避され、それにより、第1導電パネル部材18を第2導電パネル部材24に接近する方向へ変形させることなく、容器60内の液体材料34を、パネル組立体40の通路32を通して隙間26の全体に確実に充填することができる。なおこの間、図示のように、第1導電パネル部材18は液体材料34の注入圧力によって外方へ僅かに膨らむことが予測されるが、液体充填完了後に容器60内の液体材料34からパネル組立体40を引き離すと、第1導電パネル部材18はそれ自体の張力により、余剰の液体材料34を隙間26から押し出して実質的に平坦な形態に自動的に復帰する。
【0051】
最後に、パネル治具12及びパネル組立体40を密閉室62から取り出して、、パネル組立体40の通路32を封止材36で封止する。これにより、図1に示すパネル型周辺装置10が完成する。なお、パネル組立体40からパネル治具12を取り外す際には、弁部材58を強制的に閉鎖位置から開放位置へ変位させて第2の隙間54の真空状態を解除すれば、取り外し作業が容易になる。
【0052】
このように、上記実施形態に係るパネル型周辺装置製造方法によれば、作製されるパネル型周辺装置10がタッチパネルとして機能し得るものであって、そのパネル組立体40の第1導電パネル部材18が、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有する構成であっても、外部環境すなわち密閉室62の圧力を上昇させてパネル組立体40の隙間26に液体材料34を充填するステップにおいて、第1導電パネル部材18が圧力上昇に起因して第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことは、パネル治具12の作用により効果的に防止される。したがって、液体充填ステップにおいてパネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26を狭めることなく、液体材料34を隙間26の全体に迅速に充填することが可能になる。その結果、液体材料充填後の完成品としてのパネル型周辺装置10は、タッチパネルの上側検出素子として機能する第1導電パネル部材18がその全面に渡って優れた平坦性を有するものとなり、透視画像の歪みが少なく、正確かつ安定的に入力操作できるタッチパネルを構成できる。
【0053】
また、上記実施形態に係るパネル治具12は、その第1支持部材42とパネル組立体40の第1導電パネル部材18との間に第2の隙間54を形成するように構成されるので、上記した液体充填ステップにおいて、第1導電パネル部材18が第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことを防止できるだけでなく、第1導電パネル部材18の樹脂フィルム製絶縁基板14の第2面14bが第1支持部材42から損傷を受けることを確実に防止できる利点がある。
【0054】
しかし、液体充填ステップにおいて第1導電パネル部材18が第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことを防止するという観点では、上記した第2の隙間54は必ずしも必要ではない。図7は、そのような第2の隙間54を形成しない本発明の他の実施形態によるパネル治具72を示す。パネル治具72は、第1支持部材74の構成以外は、前述したパネル治具12と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
【0055】
パネル治具72は、前述したパネル組立体40の第1導電パネル部材18よりも高い剛性、好ましくは外部環境の圧力変動に抗して自己形状を保持し得る剛性を有する平板状の第1支持部材74と、第1支持部材74と協働してパネル組立体40を固定的に挟持する第2支持部材44とを備える。第1支持部材74は、第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第2面14bよりも十分に大きな平坦な支持面74aを有する。
【0056】
第1支持部材74と第2支持部材44とは、両者間にパネル組立体40を挟持した状態で、パネル組立体40の周囲に分散配置される複数のボルト46によって相互に固定される。両支持部材74、44には、互いに対応する位置に、複数の雌ねじ76、50がそれぞれ貫通形成され、各雌ねじ76、50にボルト46が螺着される。第1支持部材74の支持面74aには、矩形に整列する複数の雌ねじ76の内側に、矩形平板状のスペーサ78が固定的に設置される。スペーサ78は、好ましくはゴムシートからなり、パネル組立体40の第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第2面14bに密接可能な寸法及び形状を有する。スペーサ78の一縁78aは、第1支持部材42の支持面42aの一縁(図で下縁)に沿って配置される。
【0057】
パネル組立体40は、第1導電パネル部材18の絶縁基板14の第2面14bを第1支持部材74の支持面74aに対向させてスペーサ78の全面に渡って気密接触させるとともに、第2導電パネル部材24の絶縁基板20の第2面20bを第2支持部材44の支持面44aに当接させて、パネル治具72の両支持部材74、44の間に固定的に挟持される。このときパネル組立体40は、両導電パネル部材18、24間の隙間26に連通する通路32が、スペーサ78の一縁78aからパネル治具72の外部に露出するように位置決めされる。このようにしてパネル治具72をパネル組立体40に取り付けると、第1導電パネル部材18がパネル治具72の第1支持部材74によって、外部環境の圧力変動の影響を直接には受けない状態で平坦な形態に保持される。
【0058】
上記実施形態に係るパネル治具72によっても、前述したパネル型周辺装置製造方法の液体充填ステップにおいて、第1導電パネル部材18が圧力上昇により第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことは確実に防止されることが理解されよう。また、第1導電パネル部材18の樹脂フィルム製絶縁基板14の第2面14bは、スペーサ78をゴムシートから形成することにより損傷を回避できる。
【0059】
本発明に係るパネル治具は、上記各実施形態以外の様々な構成を採用できる。例えば、第1支持部材と協働する第2支持部材は、パネル組立体を固定的に挟持できることを前提にすれば、上記した平板形状に限らず、棒状、枠状等の様々な形状を有することができる。また、第2支持部材とパネル組立体の第2導電パネル部材との間に、ゴムシート等のスペーサを介在させることもできる。特に、対象となるパネル型周辺装置が、そのパネル組立体の第1及び第2導電パネル部材の双方が、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有するものからなる場合には、第2支持部材を前述した各実施形態における第1支持部材と同様の構成とすることが好ましい。
【0060】
上記各実施形態によるパネル型周辺装置10の製造方法では、液体材料34をパネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26に注入する際に、液体材料34とパネル組立体40との双方を密閉室62内の減圧環境下に置くので、液体材料34として、シリコンオイル等の蒸気圧が十分に低いものを使用することが前提となる。これに対し、蒸気圧の制約を受けずに様々な液体材料を選択してパネル型周辺装置10を製造できる本発明のさらに他の実施形態による製造方法を、図8〜図11を参照して以下に説明する。
【0061】
この製造方法では、パネル型周辺装置10の液体注入工程において、図5に示す液体注入装置とは異なる構成を有する液体注入装置80が使用される。液体注入装置80は、パネル型周辺装置10の半完成品である前述したパネル組立体40(図2)を、所定姿勢で固定的に支持するための構成を有する。なお、この製造方法で作製されるパネル型周辺装置10は、液体材料の物性以外は図1に示すものと実質的に同一の構成を有し、特に、少なくとも一方の導電パネル部材18、24が、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有することを前提とするものである。
【0062】
図8に示すように、液体注入装置80は、パネル組立体40の一部分を気密封止状態で嵌入できる貫通穴82を有する隔壁84を備えた箱状治具86を含んで構成される。箱状治具86は、隔壁84から離隔した位置で隔壁84に略平行に配置される略矩形の底壁88と、隔壁84及び底壁88を囲繞してそれらに直交する方向へ延設され、隔壁84及び底壁88に一体的に連結される角筒状の側壁90とをさらに備える。隔壁84の一方の側(図で上側)には、隔壁84と側壁90の一部分とによって上部開放型の液体材料貯留槽92が形成され、隔壁84の他方の側(図で下側)には、隔壁84と側壁90の残りの部分と底壁88とによって密閉型の圧力調整室94が形成される。
【0063】
隔壁84は、側壁90の内面に沿って枠状に延設されて側壁90に一体的に連結される枠壁部分96と、枠壁部分96の内周縁に着脱自在に取り付けられ、貫通穴82を形成する封止部材98とから構成される。図示実施形態では、封止部材98は、枠壁部分96の段付きの対向内縁部分96a(図9参照)に適合する段付きの外縁部分100a、102aをそれぞれに有する第1及び第2封止板100、102(図10参照)から構成される。第1封止板100は、外縁部分100aに直交する一側縁に沿って、平坦な封止面104と、封止面104の略中央に凹設され、パネル組立体40の1つの隅領域を受容できる凹所106とを有する。また第2封止板102は、外縁部分102aに直交する一側縁に沿って、平坦な封止面108を有する。第1及び第2封止板100、102は、それぞれの封止面104、108同士を互いに密接させて組み合わされ、その状態で凹所106と封止面108との間に貫通穴82が形成される。
【0064】
図示実施形態では、パネル組立体40は、両導電パネル部材18、24間の隙間26に連通する通路32を、その1つの隅領域に配置して構成されている。そしてパネル組立体40は、通路32を有する隅領域を、互いに組み合わせた第1及び第2封止板100、102の貫通穴82に気密封止状態で嵌入して、箱状治具86に取り付けられる。このときパネル組立体40は、その通路32が液体材料貯留槽92に開口するとともに、両導電パネル部材18、24の大部分が圧力調整室94内に配置されるように方向付けされ、その姿勢で、後述する液体注入作業が実施される。なお、パネル組立体40と隔壁84の貫通穴82との気密封止性を向上させるために、第1及び第2封止板100、102のそれぞれの封止面104、108及び凹所106に、ゴムパッキン110、112を設置することが好ましい。
【0065】
箱状治具86の圧力調整室94には、パネル組立体40を液体注入時の姿勢に固定的に支持する支持機構として、底壁88に直交するとともに互いに平行に離間して配置される一対の支持壁114、116が設けられる。それら支持壁114、116は、底壁88から互いに異なる高さまで延設され、隔壁84から互いに異なる距離に位置するそれぞれの上端に、傾斜支持面114a、116aが形成される。両支持壁114、116は、それぞれの傾斜支持面114a、116aをパネル組立体40の外周縁に当接することにより、パネル組立体40を、その通路32を有する隅領域が隔壁84の貫通穴82に気密封止状態で嵌入された液体注入時の姿勢に、固定的に支持する。
【0066】
なお上記した支持機構としては、これら支持壁114、116に代えて、両支持壁114、116の傾斜支持面114a、116aの位置に架設されるワイヤ等の、他のあらゆる手段を採用することができる。また、上記した第1及び第2封止板100、102に選択的に設けられるゴムパッキン110、112の圧着作用のみによって、パネル組立体40を液体注入時の姿勢に固定的に支持できる場合は、支持壁114、116を省略することもできる。
【0067】
液体注入装置80はさらに、箱状治具86の圧力調整室94に減圧弁118を介して接続されるボンベ120と、減圧弁118から独立して圧力調整室94に接続され、圧力調整室94の内圧を液体注入装置80の周囲大気圧に選択的に解放できる絞り弁122とを備える。したがって液体注入装置80では、絞り弁122を閉じた状態で、減圧弁118を適宜操作することにより、ボンベ120から圧力調整室94に不活性ガスを導入して、圧力調整室94の内圧を所望レベルに上昇させることができる。また、圧力調整室94の内圧が所望レベルに上昇した時点で、絞り弁122を開くことにより、圧力調整室94の内圧を周囲大気圧に下降させることができる。
【0068】
上記構成を有する液体注入装置80を用いたパネル型周辺装置10の製造工程(特に液体注入工程)を、図11を参照して説明する。
まず、前述したようにして、パネル組立体40を液体注入時の姿勢で箱状治具86に取り付けるとともに、圧力調整室94(すなわち隔壁84の他方の側における環境)を液体注入装置80の周囲大気圧に維持する。次いで、液体材料貯留槽92(すなわち隔壁84の一方の側)に所望種類の液体材料124を、液体材料貯留槽92内に開口するパネル組立体40の通路32の高さを十分に越える液面高さまで供給する(図11(a))。
【0069】
続いて、絞り弁122を閉じた状態で、減圧弁118を操作して、ボンベ120(図8)から圧力調整室94に不活性ガスを導入し、圧力調整室94の内圧を所望レベルに上昇させる。それにより、パネル組立体40の第1導電パネル部材18を第2導電パネル部材24に接近する方向へ変形させて、両導電パネル部材18、24間の隙間26を少なくとも部分的に排気する(図11(b))。このとき、柔軟な第1導電パネル部材18は、好ましくは所要の張力下で第2導電パネル部材24に保持されているので、内部応力を生じつつ弾性変形する。
【0070】
次に、減圧弁118を閉じるとともに、絞り弁122を開いて、圧力調整室94の内圧を周囲大気圧に下降させる。それにより、パネル組立体40の第1導電パネル部材18が、第2導電パネル部材24から離れた初期位置へ弾性的に復元する。それに伴い、パネル組立体40の通路32を通して、排気量に対応する量の液体材料124が、両導電パネル部材18、24間の隙間26に充填される(図11(c))。その後、適宜間隔を空けて、圧力調整室94の内圧の上昇及び下降を所要回数だけ繰り返す(図11(d)〜(e))。それにより、パネル組立体40の隙間26が完全に排気されるとともに、十分な量の液体材料124が隙間26に充填される。
【0071】
その後、液体材料貯留槽92から、例えば図示しないドレーンを介して液体材料124を排出し、パネル組立体40の通路32を封止材36で封止する(図11(f))。これにより、図1に示すパネル型周辺装置10が完成する。ここで例えば、通路32を封止する前に、減圧弁118及び絞り弁122の両者を閉じて圧力調整室94の内圧を適当なレベルに維持することにより、パネル組立体40の隙間26に充填された液体材料124を最適量に保持しつつ、すなわち空気を不用意に隙間26に導入することなく、通路32を封止することができる。
【0072】
上記した液体注入工程では、図11(a)のステップと図11(b)のステップとを入れ替えて実施することもできる。すなわち、パネル組立体40を液体注入時の姿勢で箱状治具86に取り付けた後に、まず絞り弁122を閉じた状態で減圧弁118を操作して、圧力調整室94の内圧を所望レベルに上昇させ、それにより、パネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26を少なくとも部分的に排気する。そしてその状態を維持しながら、液体材料貯留槽92に液体材料124を十分な液面高さまで供給する。その後、図11(c)のステップで、減圧弁118を閉じるとともに絞り弁122を開くことにより、排気量に対応する量の液体材料124を、両導電パネル部材18、24間の隙間26に充填できる。
【0073】
このように、液体注入装置80を用いた上記実施形態に係るパネル型周辺装置製造方法によれば、作製されるパネル型周辺装置10の第1導電パネル部材18が、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有する構成であっても、パネル組立体40の隙間26に液体材料124を充填するステップにおいて、外部環境すなわち箱状治具86の圧力調整室94の圧力を上昇させないので、液体充填中に第1導電パネル部材18が第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことは確実に回避される。したがって、液体充填ステップにおいてパネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26を狭めることなく、液体材料124を隙間26の全体に確実に充填することができる。その結果、液体材料充填後の完成品としてのパネル型周辺装置10は、タッチパネルの上側検出素子として機能する第1導電パネル部材18がその全面に渡って優れた平坦性を有するものとなり、透視画像の歪みが少なく、正確かつ安定的に入力操作できるタッチパネルを構成できる。
【0074】
特にこの実施形態では、液体注入工程において、液体材料124を減圧環境下に置くことがないので、液体材料124として、蒸気圧の制約を受けずに、両導電パネル部材18、24の屈折率と同等の屈折率を有する様々な液体材料を選択できる。したがって、液体材料124の選択幅が広がり、例えばパネル組立体40の各種構成部品の材料に対して化学的に安定な液体材料124を選択する、といった構造の最適化を促進することができる。なお、この液体注入工程では、液体材料34の真空脱気を行わないので、気泡の発生を防止するために、液体材料34に界面活性剤を混入することが有利である。
【0075】
さらに、上記実施形態では、パネル型周辺装置10がその1つの隅領域に、両導電パネル部材18、24間の隙間26に連通する通路32を有するものとして、パネル組立体40のその隅領域を、隔壁84の貫通穴82に気密封止状態で嵌入するようにしたので、貫通穴82の寸法を可及的に縮小してその気密性を向上させることができる。しかし、図2に示すような1辺の所望位置に通路32を有するパネル組立体40に対しても、上記した液体注入工程を実施できることは理解されよう。
【0076】
上記した液体注入工程で使用される液体注入装置80は、上記以外の様々な構成を有することができる。例えば、箱状治具86の液体材料貯留槽92を、圧力調整室94と同様に、密閉可能でかつその内圧を選択的に昇降可能な構成とすることができる。この構成によれば、パネル組立体40の隙間26に液体材料124を充填するステップで、圧力調整室94の内圧を周囲大気圧に下降させると同時に、液体材料貯留槽92の内圧を所望レベルに上昇させて、隙間26への液体材料124の充填速度を向上させることができる。また、この構成によれば、液体材料貯留槽92と圧力調整室94との相対配置を、図示の上下重畳配置から、横方向並列配置に変更することもできる。
【0077】
また、図12及び図13に示すように、箱状治具86の隔壁84が、複数のパネル組立体40の各々の一部分を気密封止状態で嵌入できる複数の貫通穴86を有する構成とすることもできる。この場合、図示のように、一側縁に沿って前述した第1封止板100と同様の封止面104及び凹所106を有するとともに、その反対側の側縁に沿って前述した第2封止板102と同様の封止面108を有する複数の短尺の第3封止板126を用意し、互いに規則的に並べて組み合わせることにより、封止部材98を構成することができる。このとき、隣り合う第3封止板126のそれぞれの封止面104、108同士を互いに密接させて組み合わせることにより、凹所106と封止面108との間に貫通穴82が形成される。
【0078】
このような構成を有する箱状治具86を使用すれば、貫通穴86の個数に対応する枚数のパネル組立体40を、前述したようにして箱状治具86に取り付けて液体注入工程を実施することにより、それらパネル組立体40の各々の隙間26に同時に液体材料124を充填することができる。なお、この構成において、貫通穴86の形成を要しない部位には、図13に示すように適宜、第2封止板102を組み合わせることができる。また、箱状治具86の所望の壁部分(図13の例では1つの側壁部分90a)を着脱可能な構成とすることにより、複数のパネル組立体40の取り付けを一層容易にすることができる。
【0079】
ところで、液体材料34として、シリコンオイル等の蒸気圧が十分に低いものを使用する場合には、図8に示す液体注入装置80に類似した構成を有する液体注入装置を使用して、上記製造方法とは異なる手順によりパネル型周辺装置10を製造することができる。そのような本発明のさらに他の実施形態による製造方法を、図14〜図16を参照して以下に説明する。
【0080】
この製造方法で使用される液体注入装置130は、液体注入装置80と同様に、パネル型周辺装置10の半完成品である前述したパネル組立体40(図2)を、所定姿勢で固定的に支持するための構成を有する。図14に示すように、液体注入装置130は、パネル組立体40の一部分を嵌入できる貫通穴132を有する壁134を備えた箱状治具136を含んで構成される。箱状治具136は、壁134から離隔して壁134に略平行に配置される略矩形の底壁138と、底壁138とは反対側で壁134から離隔して壁134に略平行に配置される略矩形の頂壁140と、壁134、底壁138及び頂壁140を囲繞してそれらに直交する方向へ延設され、壁134、底壁138及び頂壁140に一体的に連結される角筒状の側壁142とをさらに備える。壁134の一方の側(図で上側)と他方の側(図で下側)とは、壁134と一対の対向側壁部分142aとの間に設けられる一対の開口部144(図16)を介して、流体流通可能に連通する。
【0081】
壁134には、開口部144を画定するその外縁に沿って、頂壁140に向かって延びる一対の縁壁146が一体的に形成される。各縁壁146は、壁134との間に開口部144を画定しない他の一対の側壁部分142bに一体的に連結される。それにより、壁134の一方の側には、壁134を底とする上部開放型の液体材料貯留槽148が形成される。また、壁134及び液体材料貯留槽148の周囲には、密閉型の圧力調整室150が間断なく形成される。
【0082】
壁134は、側壁部分142b及び縁壁146の内面に沿って枠状に延設される枠壁部分152と、枠壁部分152の内周縁に着脱自在に取り付けられ、貫通穴132を形成する封止部材98とから構成される。封止部材98は、図8に示す液体注入装置80の箱状治具86に装備した封止部材98と実質的同一の構成を有することができ、したがってその説明を省略する。
【0083】
パネル組立体40は、通路32を有する隅領域を、封止部材98に形成される貫通穴132に好ましくは液密状態で嵌入して、箱状治具136に取り付けられる。このときパネル組立体40は、その通路32が液体材料貯留槽148に開口するように方向付けされ、その姿勢で、後述する液体注入作業が実施される。なお、この実施形態では、パネル組立体40と壁134の貫通穴132との気密封止性は要求されないので、図10に示すゴムパッキン110、112を省略できる。
【0084】
箱状治具136の圧力調整室150には、パネル組立体40を液体注入時の姿勢に固定的に支持する支持機構として、底壁138に直交するとともに互いに平行に離間して配置される一対の支持壁114、116が設けられる。それら支持壁114、116は、図8に示す液体注入装置80の箱状治具86に装備した支持壁114、116と実質的同一の構成を有することができ、したがってその説明を省略する。
【0085】
液体注入装置130はさらに、箱状治具136の圧力調整室150にリリーフ弁154を介して接続され、圧力調整室150内を真空排気するためのポンプ装置156と、リリーフ弁154から独立して圧力調整室150に接続され、圧力調整室150の内圧を液体注入装置130の周囲大気圧に選択的に解放できる絞り弁158とを備える。さらに箱状治具136には、液体材料貯留槽148の上方位置で頂壁140に、液体材料供給口160が形成される。
【0086】
上記構成を有する液体注入装置130を用いたパネル型周辺装置10の製造工程(特に液体注入工程)を、図16を参照して説明する。
まず、前述したようにして、パネル組立体40を液体注入時の姿勢で箱状治具136に取り付ける。この状態で、絞り弁158を閉じるとともに、リリーフ弁154を開放して、ポンプ装置156の作動により圧力調整室150(すなわち壁134の両側における環境)を真空排気する(図16(a))。このとき、パネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26も真空排気されるが、パネル組立体40の外部環境すなわち圧力調整室150の全体が隙間26と同一のレベルに排気されているので、柔軟な第1導電パネル部材18が堅固な第2導電パネル部材24に接近する方向へ変形することは回避される。
【0087】
次に、リリーフ弁154を閉じて、圧力調整室150を真空状態に維持しつつ、液体材料供給口160を介して液体材料貯留槽148(すなわち壁134の一方の側)に液体材料162を、液体材料貯留槽148内に開口するパネル組立体40の通路32の高さを十分に越える液面高さまで供給する(図16(b))。そして、この状態を所望時間に渡って維持すると、重力作用により、パネル組立体40の隙間26に通路32を通して液体材料162が充填される(図16(c)、(d))。
【0088】
続いて、リリーフ弁154を閉じた状態で、絞り弁158を開いて、圧力調整室150の内圧を液体注入装置130の周囲大気圧に解放する。そして、液体材料貯留槽148から、例えば図示しないドレーンを介して残余の液体材料162を排出し(図16(e))、パネル組立体40の通路32を封止材36で封止する(図16(f))。このようにして、図1に示すパネル型周辺装置10が完成する。
【0089】
このように、液体注入装置130を用いた上記実施形態に係るパネル型周辺装置製造方法によれば、作製されるパネル型周辺装置10の第1導電パネル部材18が、外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有する構成であっても、パネル組立体40の隙間26に液体材料162を充填するステップにおいて、外部環境すなわち箱状治具136の圧力調整室150の圧力を上昇させないので、液体充填中に第1導電パネル部材18が第2導電パネル部材24に接近する方向へ撓むことは確実に回避される。したがって、液体充填ステップにおいてパネル組立体40の両導電パネル部材18、24間の隙間26を狭めることなく、液体材料162を隙間26の全体に確実に充填することができる。その結果、液体材料充填後の完成品としてのパネル型周辺装置10は、タッチパネルの上側検出素子として機能する第1導電パネル部材18がその全面に渡って優れた平坦性を有するものとなり、透視画像の歪みが少なく、正確かつ安定的に入力操作できるタッチパネルを構成できる。
【0090】
上記した液体注入装置130では、例えば、箱状治具136の壁134を、その一方の側(すなわち液体材料貯留槽148)と他方の側(すなわち圧力調整室150)との間を気密封止する隔壁として構成することもできる。この場合、液体材料貯留槽148には、圧力調整室150から独立して、真空減圧用のポンプ装置と内圧解放用の絞り弁とが接続される。この構成によれば、パネル組立体40の隙間26に液体材料162を充填した後に、圧力調整室150の内圧を所望レベルに上昇させて、パネル組立体40に充填された液体材料124を最適量に調整することができる。
【0091】
また、液体注入装置130においても、図12及び図13に関連して説明したように、箱状治具136の壁134が、複数のパネル組立体40の各々を嵌入できる複数の貫通穴を有する構成とすることもできる。この構成によれば、貫通穴の個数に対応する枚数のパネル組立体40の隙間26に同時に液体材料162を充填することができる。
【0092】
上述した本発明の種々の実施形態に係るパネル型周辺装置製造方法並びにパネル治具及び液体注入装置は、液体封入型タッチパネルに限らず、樹脂フィルム基板を用いた液晶ディスプレイ等の、パネル組立体の少なくとも一方の導電パネル部材が外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有して構成される種々の液体封入型のパネル型周辺装置において、液体材料の注入工程に際し極めて有利に適用できることが、当業者に理解されよう。この場合、作製されたパネル型周辺装置は、導電パネル部材の湾曲を排除した高水準の機能性を有するものとなる。
【0093】
ところで、前述した実施形態におけるパネル型周辺装置10では、第1及び第2導電パネル部材18、24の間に接着剤層28に隣接して形成される液体材料注入用の通路32は、両導電パネル部材18、24間の隙間26に開口する内側口と外部環境に開口する外側口との間で一様な流路断面形状を有して直線状に延設されている。このような形状を有する通路32は、接着剤層28を構成する両面粘着テープの欠落部分によって容易に形成できる。しかし、通路32内では両導電パネル部材18、24が互いに固定されないので、柔軟な樹脂フィルム製絶縁基板14を有する第1導電パネル部材18を、通路32の近傍で十分な張力下で固定的に保持することが困難になる危惧がある。
【0094】
図17及び図18は、このような課題を解決する本発明のさらに他の実施形態によるパネル型周辺装置170及びその半完成品としてのパネル組立体172の主要部を、それぞれ拡大して示す。パネル型周辺装置170及びパネル組立体172は、接着剤層174及びそれに隣接する通路176の構成以外は、前述したパネル型周辺装置10及びパネル組立体40と実質的同一の構成を有し得るものであり、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
【0095】
パネル型周辺装置170では、第1導電パネル部材18と第2導電パネル部材24とが、双方の外周縁に沿って帯状に延設される接着剤層174を介して、互いに重ね合わせて固定される。接着剤層174は、例えば所定厚みを有して矩形枠状に成形された両面粘着テープからなる。さらに、接着剤層174に隣接して(例えば両面粘着テープの欠落部分として)、両導電パネル部材18、24間の隙間26をパネル型周辺装置170の外部環境に連通させる1つの通路176が形成される。接着剤層174は、導電パネル部材固定作用に加えて、この通路176以外で両導電パネル部材18、24間の隙間26を外部環境に対し気密封止する作用を有する。両導電パネル部材18、24間の隙間26には、所定の機能を有する液体材料34が封入される。したがって通路176は、液体材料34を隙間26に注入した後に、封止材(例えば接着剤)178によって封止される。
【0096】
接着剤層174は、通路176を挟んで枠状に連続する主部分180と、主部分180から独立して通路176内に配置される三角形の副部分182とを備える。副部分182は、主部分180の帯幅αよりも小さい帯幅βを有し、それにより通路176を、隙間26側で二股に分岐させる。その結果、二股の通路176は、外部環境に開口する1つの外側口184と、外側口184よりも小さい面積で個々に隙間26に開口する2つの内側口186とを有して形成される。図示実施形態では、通路176は、外側口184から接着剤層174の主部分180の帯幅αの中途まで一様な流路断面形状を有して直線状に延設される幹路部分176aと、幹路部分176aから対称に傾斜して各々が一様な流路断面形状で内側口186まで直線状に延設される一対の分岐路部分176bとを備え、それにより各内側口186に、外側口184の略半分の開口面積が付与されている。
【0097】
このように、パネル型周辺装置170では、接着剤層174の主部分180から独立した小形の副部分182を通路176内に設置して、通路176を、外部環境に開口する1つの外側口184と、外側口184よりも小さい面積で個々に隙間26に開口する2つの内側口186とを有する二股状に形成したから、通路176内で互いに固定されない両導電パネル部材18、24の非接着部分が、隙間26側で2つの小部分に分散されることになる。その結果、柔軟な樹脂フィルム製絶縁基板14を有する第1導電パネル部材18を、通路176の近傍(特に隙間26側)で十分な張力下で固定的に保持することが可能になる。したがって、パネル型周辺装置170をタッチパネルとして構成した場合には、押圧操作される上側検出素子として機能する第1導電パネル部材18がその全体に渡って一様に張力が負荷された状態で固定されるので、第1導電パネル部材18の押圧位置に係わらず正確かつ安定的なデータ入力を実現することができる。しかも、液体材料充填後の通路封止作業は、1つの外側口184に封止材178を塗着するだけであるから、従来のパネル型周辺装置における通路封止作業に比べて煩雑になることはない。
【0098】
特に、パネル型周辺装置170では、通路176の液体注入方向に見て上流側の外側口184の開口面積と、下流側の2つの内側口186の合計開口面積とが実質的に変わらないので、液体材料34の充填作業に要する時間は実質的に増加しない。このような観点では、外側口184の開口面積と実質的同一の合計開口面積を内側口が有することを前提に、接着剤層174の小形の副部分を通路176の下流側に3個以上設置して、3個以上の分岐路部分(すなわち内側口)を形成することもできる。
【0099】
なお、液体材料の充填作業に要する時間の増加を許容範囲に抑えることができる場合は、図19に変形例として示すように、枠状の主部分のみからなる接着剤層188を使用して、外側口190から内側口192まで流路断面形状が徐々に縮小される通路194を有する構成とすることもできる。さらに、液体材料充填後の通路封止作業が煩雑にならない範囲で、パネル型周辺装置170に複数個の通路176、194を設置することもできる。
【0100】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一対の導電パネル部材の間の隙間に液体材料を封入してなるパネル型周辺装置の製造方法において、少なくとも一方の導電パネル部材が外部環境の圧力変動に伴って比較的容易に変形し得る可撓性を有する場合にも、液体材料注入作業に際して、そのような可撓性導電パネル部材の中央領域に凹みを生じることなく、導電パネル部材間の隙間の全体に迅速に液体材料を充填することが可能になる。
【0101】
また、そのような製造方法において、本発明のパネル治具を用いて製造されたパネル型周辺装置は、優れた機能性を有するものとなり、特に、透視画像の歪みが少なく、正確かつ安定的に入力操作できるタッチパネルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるパネル型周辺装置を、厚み方向へ拡大、強調して示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるパネル型周辺装置製造方法で使用されるパネル治具を、対象となるパネル型周辺装置のパネル組立体と共に示す分解斜視図である。
【図3】図2のパネル治具をパネル組立体と共に示す分解断面図である。
【図4】図2のパネル治具をパネル組立体に取り付けた状態で示す組立断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるパネル型周辺装置製造方法を実施するための液体注入装置の全体構成を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態によるパネル型周辺装置製造方法の主要ステップを示す断面図で、(a)減圧ステップ、(b)浸漬ステップ及び(c)充填ステップを示す。
【図7】本発明の他の実施形態によるパネル治具をパネル組立体に取り付けた状態で示す組立断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるパネル型周辺装置製造方法を実施するための液体注入装置の全体構成を示す概略図である。
【図9】図8の液体注入装置における箱状治具の主要部を示す切欠斜視図である。
【図10】図8の液体注入装置における封止部材をパネル組立体と共に示す分解斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態によるパネル型周辺装置製造方法の主要ステップを示す図で、(a)浸漬ステップ、(b)排気ステップ、(c)充填ステップ、(d)排気ステップ、(e)充填ステップ及び(f)封止ステップを示す。
【図12】変形例による封止部材をパネル組立体と共に示す分解斜視図である。
【図13】変形例による箱状治具をパネル組立体と共に示す概略断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態によるパネル型周辺装置製造方法を実施するための液体注入装置の全体構成を示す概略図である。
【図15】図14の液体注入装置における箱状治具の主要部を示す切欠斜視図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態によるパネル型周辺装置製造方法の主要ステップを示す図で、(a)排気ステップ、(b)浸漬ステップ、(c)充填ステップ、(d)充填ステップ、(e)解放ステップ及び(f)封止ステップを示す。
【図17】本発明の他の実施形態によるパネル型周辺装置の主要部を示す拡大平面図である。
【図18】図17のパネル型周辺装置を構成するパネル組立体の主要部を示す拡大平面図である。
【図19】図18のパネル組立体の変形例を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
10、170…パネル型周辺装置
12、72…パネル治具
14、20…絶縁基板
16、22…導電膜
18…第1導電パネル部材
24…第2導電パネル部材
26…隙間
28、174、188…接着剤層
32、176、194…通路
34、124、162…液体材料
36、178…封止材
40、172…パネル組立体
42、74…第1支持部材
44…第2支持部材
52、78…スペーサ
54…第2の隙間
56…気体通路
58…弁部材
60…容器
62…密閉室
68、156…ポンプ装置
80、130…液体注入装置
82、132…貫通穴
84…隔壁
86、136…箱状治具
92、148…液体材料貯留槽
94、150…圧力調整室
98…封止部材
114、116…支持壁
118…減圧弁
122、158…絞り弁
134…壁
184、190…外側口
186、192…内側口
Claims (8)
- 絶縁基板及び該絶縁基板の第1面に設けられる導電膜を各々に有する一対の導電パネル部材を具備するパネル型周辺装置の製造方法において、
前記一対の導電パネル部材を、各々の前記導電膜同士が隙間を介して対向するように互いに固定してなるパネル組立体であって、該隙間を外部環境に連通させる通路を有するとともに該通路以外で該隙間が該外部環境に対し気密封止されるパネル組立体を用意し、
前記パネル組立体の少なくとも一方の前記導電パネル部材よりも高い剛性を有するとともに、該導電パネル部材の前記絶縁基板の前記第1面の裏側の第2面よりも大きな支持面を有する支持部材を用意し、
液体材料を収容した容器を用意し、
前記パネル組立体、前記支持部材及び前記容器を、共通の環境下に置き、
前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材を、その前記絶縁基板の前記第2面が前記支持面に対向するように前記支持部材に重ねて固定的に配置し、
前記パネル組立体の前記通路を前記共通の環境に露出させた状態で、該環境を減圧し、それにより該パネル組立体の前記隙間を排気し、
減圧した前記共通の環境下で、前記パネル組立体の前記通路を、前記容器内の前記液体材料に浸漬し、
その状態で、前記減圧した共通の環境の圧力を上昇させて、該環境の圧力を前記支持部材に重ねて配置した前記少なくとも一方の導電パネル部材に直接に負荷させることなく、前記容器内の前記液体材料を、前記パネル組立体の前記通路を通して前記隙間に充填し、
前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材を前記支持部材に重ねて固定的に配置するときに、該導電パネル部材の前記絶縁基板の前記第2面と該支持部材の前記支持面との間に第2の隙間を設け、前記共通の環境を減圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を連通させ、該共通の環境を加圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を気密封止すること、
を特徴とするパネル型周辺装置製造方法。 - 前記支持部材に重ねて固定的に配置される前記パネル組立体の前記少なくとも一方の導電パネル部材が、前記共通の環境の圧力変動に伴って変形し得る可撓性を有する請求項1に記載のパネル型周辺装置製造方法。
- 請求項1又は2に記載のパネル型周辺装置製造方法によって製造されたパネル型周辺装置。
- 請求項1又は2に記載のパネル型周辺装置製造方法で用意される前記支持部材を具備するパネル治具。
- 前記支持部材と協働して前記パネル組立体を固定的に挟持する第2の支持部材をさらに具備する請求項4に記載のパネル治具。
- 請求項1に記載のパネル型周辺装置製造方法で用意される前記支持部材を具備するパネル治具であって、前記第2の隙間を前記共通の環境に連通させる気体通路と、該環境の圧力変動に伴って該気体通路を開閉する弁部材とをさらに具備するパネル治具。
- 透明な絶縁基板及び該絶縁基板の第1面に設けられる透明な導電膜を各々に有する一対の板状の検出素子を具備するタッチパネルの製造方法において、
前記一対の検出素子を、各々の前記導電膜同士が隙間を介して対向するように互いに固定してなるパネル組立体であって、該隙間を外部環境に連通させる通路を有するとともに該通路以外で該隙間が該外部環境に対し気密封止され、少なくとも一方の該検出素子が該外部環境の圧力変動に伴って変形し得る可撓性を有するパネル組立体を用意し、
前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子よりも高い剛性を有するとともに、該検出素子の前記絶縁基板の前記第1面の裏側の第2面よりも大きな支持面を有する支持部材を用意し、
透明な絶縁液体材料を収容した容器を用意し、
前記パネル組立体、前記支持部材及び前記容器を、共通の環境下に置き、
前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子を、その前記絶縁基板の前記第2面が前記支持面に対向するように前記支持部材に重ねて固定的に配置し、
前記パネル組立体の前記通路を前記共通の環境に露出させた状態で、該環境を減圧し、それにより該パネル組立体の前記隙間を排気し、
減圧した前記共通の環境下で、前記パネル組立体の前記通路を、前記容器内の前記絶縁液体材料に浸漬し、
その状態で、前記減圧した共通の環境の圧力を上昇させて、該環境の圧力を前記支持部材に重ねて配置した前記少なくとも一方の検出素子に直接に負荷させることなく、前記容器内の前記絶縁液体材料を、前記パネル組立体の前記通路を通して前記隙間に充填し、
前記パネル組立体の前記少なくとも一方の検出素子を前記支持部材に重ねて固定的に配置するときに、該検出素子の前記絶縁基板の前記第2面と該支持部材の前記支持面との間に第2の隙間を設け、前記共通の環境を減圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を連通させ、該共通の環境を加圧する間は、該第2の隙間と該環境との間を気密封止すること、
を特徴とするタッチパネル製造方法。 - 請求項7に記載のタッチパネル製造方法によって製造されたタッチパネル。
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