JPH0862589A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置に係り、とくにペンタッチ入力
ができるタッチパネル付き液晶表示装置に関し、ペンタ
ッチなどによる外部圧力による画像表示面の干渉縞の発
生を防止することを目的とする。 【構成】 液晶表示パネル１の画像表示面とタッチパネ
ル２あるいは保護パネルとの間に形成した空隙に透明な
液体４を充填し気密封止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に係り、
とくにペンタッチ入力もできるタッチパネル付き液晶表
示装置に関する。

【０００２】液晶表示装置は、キータッチ入力の他にペ
ンタッチ入力ができるように液晶表示パネルの画像表示
面にタッチパネルを僅かな隙間を配設している。しか
し、表示画面が大形化するにしたがいタッチパネルの撓
みが大きくなり、タッチパネルが液晶表示パネルに当接
し易くなるため画像表示面に干渉縞がでやすくなる問題
があり、その解消が要望されている。

【０００３】

【従来の技術】図５の模式側断面図に示すように、従来
の液晶表示装置は、液晶表示パネル11の画像表示面とタ
ッチパネル12（例えば、インジウムテインオキサイド膜
からなる透明電極を形成したポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなり、ペンタッチした座標位置を印可し
た直交方向の電圧比で検出する）との間に１〜２ｍｍの
空隙を形成する枠状のスペーサ13を外周に介在し、接着
剤13a で固着し一体構成している。この空隙は、入力ペ
ン（図示略）がタッチパネル12を押したとき、タッチパ
ネル12が局部的に撓んで液晶表示パネル11を局部的に押
し付けない程度の間隔にしている。

【０００４】また、画像表示面の明るさをよくするた
め、液晶表示パネル11の背面の端部にバックライト14と
その導光板15を備えている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記構造によれば、近年、画像表示面が大型化され
てきており、図６に示すように入力ペン16のタッチによ
る外部圧力でタッチパネル12が変位し内側の液晶表示パ
ネルに当たると、液晶表示パネルが歪んで配向が乱れ、
表示面に干渉縞が出易くなるという問題があった。

【０００６】それを改善するため、タッチパネルと液晶
表示パネルとの間隔を大きく開けると、パネルの厚さは
厚く、視差が大きくなって、図６に示すように画像がぼ
けて鮮明度が悪くなるという欠点があった。

【０００７】上記問題点に鑑み、本発明はペンタッチな
どによる外部圧力による画像表示面の干渉縞の発生を防
止できる液晶表示装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示装置においては、図１の模式側断
面図の(a) 図に示すように、液晶表示パネル１の画像表
示面とタッチパネル２との間に形成した空隙に透明な液
体４を充填し気密封止する。

【０００９】

【作用】液晶表示パネル１とタッチパネル２との間の空
隙に液体４を充填し気密封止することにより、タッチパ
ネル２を押すと、パスカルの原理により図２の説明図の
ように液体４は液体の接触する全ての面に均一な圧力を
及ぼしクッションとして作用するため、タッチパネル２
の撓みは少なくなってタッチパネル２が液晶表示パネル
の表示面に当接しにくくなる。そのため、液晶表示パネ
ルの配向の乱れはなく、干渉縞を発生を防止できる。

【００１０】また、図３の説明図のように液晶表示パネ
ル１の温度が背面に備えたバックライト14の熱により温
められて不均一になれば、充填した液体４が対流循環し
温度を自然に均一化することができる。

【００１１】

【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明
の要旨を詳細に説明する。図１(a),(b) の模式側断面図
及びその斜視図に示すように、本発明の液晶表示装置
は、液晶表示パネル１の画像表示面とタッチパネル２と
の間に１〜２ｍｍの僅かな空隙を形成する枠状のスペー
サ３の外周に介在し、それを液晶表示パネル１の画像表
示面とタッチパネル２の背面とにエポキシ樹脂系の接着
剤５で気密に封着し、その空隙に水などの透明な液体４
を充填し構成する。

【００１２】なお、14、15は従来と同じバックライト及
び導光板で、６は後述する銅ニップルである。つぎに、
その組立工程を図４(a) 〜(c) により説明する。

【００１３】先ず、図４の(a) 図のスペーサ接着工程に
おいて、液晶表示パネル１の画像表示面に枠状のスペー
サ３をエポキシ樹脂系の接着剤５で固着する。スペーサ
３の一辺には予め、切欠きが設けてあり銅ニップル６を
接合する。このスペーサは樹脂材、硬質ゴムあるいは金
属などを用い、枠状に形成する他に小片を用いて所定の
空隙（隙間）を保持するように点在させ接着剤で小片間
を埋める形で銅ニップルと共に固着してもよい。

【００１４】つぎに、図４の(b) 図のタッチパネル接着
剤工程において、スペーサ３の上面にタッチパネル２を
重ね接着剤５で固着する。つぎに、図４の(c) 図の排気
・液体充填工程において、真空装置７と液体容器８に接
続された２方向切換えバルブ９に銅ニップル６を接続
し、空隙内を真空にした後、２方向切換えバルブ９を液
体容器８側に切り換え、真空力により液体（図示略）を
吸引注入する。

【００１５】つぎに、液体の注入が終われば、銅ニップ
ル６をかしめた後、はんだ（図示略）で気密に閉塞す
る。これで液体の充填を完了し、図１の(a) 図を得る。
このように、液晶表示装置は液晶表示パネルの画像表示
面とタッチパネルとの間にスペーサを介在し形成した空
隙に透明な液体を充填し構成することより、タッチパネ
ルを入力ペンで押すと、液体はパスカルの原理により、
液体の接触する面に均一な圧力を及ぼし液体がクッショ
ンとして作用するため、タッチパネルは撓み量が少なく
なり液晶表示パネルの表面に当接しにくくなる。そのた
め、液晶表示パネルの配向乱れはなくなり、干渉縞の発
生を防止できる。また、画像表示面を大型化してもタッ
チパネルと液晶表示パネルとの間隙を大きく開ける必要
はなく、小型であれば逆に間隔を狭くして視差を小さく
画像も鮮明に改善することができる。更にまた、液晶表
示パネルの温度が部分的に不均一になれば、充填した液
体が対流により循環し温度を自然に均一化でき、バック
ライトの熱影響による液晶表示パネルの輝度むらを少な
くすることができる。

【００１６】なお、上記説明のタッチパネル付き液晶表
示装置は、タッチパネルをペン入力を行うために付設し
たものであるが、本発明の構成を電子ペンで入力する電
磁誘導方式の液晶表示装置にも適用でき、また画像表示
面を単に保護するために付設した保護パネル（透明ガラ
スや透明アクリルなど）にも適用することができ、上記
実施例と同様に透明な液体を充填することでタッチパネ
ルや保護パネルに外圧が加わったり、歪む（内側に反
る）ような場合、いずれも上記説明の実施例と同様の作
用、効果を奏することは言うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
タッチパネルや保護パネルに対する外部圧力による画像
表示面の干渉縞の発生を防止することができるといった
産業上極めて有用な効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による一実施例の模式側断面図及びそ
の斜視図

【図２】 図１におけるパスカルの原理の説明図

【図３】 図１における自然対流の説明図

【図４】 図１の組立工程斜視図

【図５】 従来技術による模式側断面図

【図６】 図５による干渉縞の説明図

【図７】 図５による画像ぼけの説明図

【符号の説明】

１ 液晶表示パネル ２ タッチパネル ４ 透明な液体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶表示パネルの画像表示面とタッチパ
   ネルとの間に形成した空隙に透明な液体を充填し気密封
   止してなることを特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のタッチパネルは保護パネ
   ルであることを特徴とする液晶表示装置。