JP4595678B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
レーザ式のプリンタ、複写機などの画像形成装置において、画像データをプリント出力するにあたり、画像データに基づいて感光体ドラム上にトナー像を現像し、そのトナー像を紙などの記録媒体上に転写して定着器により加熱及び加圧することで当該記録媒体上に画像を形成している。この定着器の加熱には所定時間を要するため、従来、画像形成可能状態になるまでに要する時間を短縮するための構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−345149号公報 特開2002−278381号公報 特開平7−110637号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の画像形成装置は、画像形成動作中の負荷動作状態に応じて定着器に供給する電力供給を変更するのみであるため、電源投入から画像形成が可能な状態になるまでのウォームアップ時や、ジャムの発生時又は扉の開閉、ステイプルの針、紙残り等の障害発生から回復するまでのリカバリ時に関しては考慮されておらず、画像形成可能状態になるまでに要する時間を短縮することができないという問題がある。
本発明の課題は、画像形成装置のウォームアップ時及びリカバリ時において、画像形成が可能な状態となるまでの時間を短縮することが可能な画像形成装置を提供することである。
記課題を解決するために請求項に記載の発明は、
記録媒体上に形成されたトナー像を定着する定着手段と、駆動電力源からの電力供給を受けて電磁誘導加熱により前記定着手段を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記定着手段の温度を検知する温度検知手段と、原稿読取装置と、を備えた画像形成装置において、
前記温度検知手段により検知される温度が、前記トナー像の定着が不能となる定着アラム発生温度直前の定着アラム兆候温度であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により定着アラム兆候温度と判定された場合に、前記温度検知手段により検知された前記定着手段の温度が、前記トナー像を正常に定着させることが可能な所定の温度に到達するまでの間、前記原稿読み取り装置の動作を停止させ、前記駆動電力源から供給可能な最大電力を前記電磁誘導加熱手段に供給させる電力供給制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、
前記定着手段は、定着ローラであって、
前記電磁誘導加熱手段は、前記定着ローラの中央部を加熱する中央部加熱手段と端部を加熱する端部加熱手段とを有し、
前記電力供給制御手段は、前記端部加熱手段及び中央部加熱手段を交互にON/OFF制御することを特徴としている。
請求項の発明によれば、定着アラム発生直前の定着アラム兆候時から記録媒体上にトナー像を正常に定着させることが可能な画像形成可能状態に回復するまでの間、電力供給制御手段により供給可能な最大電力が電磁誘導加熱手段に供給されることになるため、画像形成可能状態となるまでの時間を短縮することができる。また、電力供給制御手段により原稿読取装置の動作が停止されるため、この原稿読取装置動作分の電力量を電磁誘導加熱手段に供給することが可能であるとともに、画像形成に係る動作は継続されるため、効率的に画像形成を行うことできる。また、電力供給制御手段により、定着アラム発生直前の定着アラム兆候時において正常状態に回復されるため、正常に溶融定着を行うことが不能となる定着アラムの発生を未然に防止することができる。
請求項の発明によれば、定着ローラ全体をムラなく加熱することが可能であるとともに、複数の加熱手段への電力配分を不要とすることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
<第1の実施形態>
まず、図1を参照して画像形成装置10の構成を説明する。
図1は、加熱手段として電磁誘導加熱により加熱を行う電磁誘導加熱手段を用いた定着装置を含む画像形成装置10の温度制御回路の一例を示している。
図1において、画像形成装置10は、操作部11、ネットワーク接続部12、画像形成部13、原稿読取装置14、負荷部15、メイン制御部16、サブ制御部17、定着装置18、後処理装置19等を有して構成されている。
操作部11は、画像形成装置10の各種動作を指示するためのものであり、例えば、操作入力キー、表示画面等を備えている。操作入力キーは、画像形成装置10の設定や運転動作指示を入力するように構成されたものであり、例えば、操作ボタン、リモコン等である。表示画面は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、画像形成装置の設定、運転状態等を表示する。なお、操作部11がタッチパネルである場合、表示画面は、操作入力キーを兼ね備える構成となる。
ネットワーク接続部12は、ネットワークインターフェイスカード(NIC;Network Interface Card)やモデム等の通信用のインターフェースを備え、インターネット上に接続される他の装置と相互にデータの送受信を行う。
画像形成部13は、メイン制御部16から入力される画像データをA/D変換するA/D基盤131と、この変換された画像データを不図示の感光体ドラム等の像担持体に静電潜像として形成するLD(Laser Diode)基盤132等を有している。
原稿読取装置14は、原稿台に載置された原稿の二次元情報を読取、デジタルデータに変換する機能部である。即ち、原稿台に載置された原稿に光を投射し、その反射光をCCDにより読取、線形デジタルデータに変換し、サブ制御部17に出力する。
負荷部15は、画像形成装置10によるコピー等の画像形成処理に係る複数の回路や機構であって、例えば、定着装置18の定着ローラ181や不図示の加圧ロータを回転させるモータや、このモータを制御する制御回路、不図示の給紙部から紙等の記録媒体Aを搬送する搬送機構や、この搬送機構を制御する制御回路等が挙げられる。
メイン制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、ROM等の記憶部に格納されている各種設定値やシステムプログラムを読み出して実行することにより、バスB1を介して画像形成装置10全体を統括的に制御する。具体的には、メイン制御部16は、画像形成装置のマザーボードや画像制御、プリンタコントローラ等のシステムに係る制御を行い、例えば、起動時(ブート時)における各部の起動処理や、ジャム等の障害発生時のリカバリ処理等を行う。
サブ制御部17は、CPU、ROM、RAM等により構成され、ROM等の記憶部に格納されている各種設定値やシステムプログラムを読み出して実行することにより、バスB2を介して原稿読取装置14、負荷部15、後処理装置19の動作を制御する。
定着装置18には、定着ローラ181の表面温度を検知するため、定着ローラ181の中央部からの輻射熱の温度を検知する第1温度センサ20、定着ローラ181の端部からの輻射熱の温度を検知する第2温度センサ21の2つの非接触型のセンサが備えられている。この第1温度センサ20は、定着ローラ181の上部に配置されて定着ローラ181の中央部の温度を検知し、第2温度センサ21は、定着ローラ181の上部に配置されて定着ローラ181の端部の温度を検知する。第1温度センサ20及び第2温度センサ21としては、測温抵抗体(例えばサーミスタ等)が用いることができる。
サブ制御部17は、第1温度センサ20及び第2温度センサ21から入力される定着ローラ181の中央部及び端部の温度Tと、ROM等の記憶部に格納されたシステムプログラムとの協働により、電力供給制御手段、判定手段を実現することが可能となる。なお、ここで、第1温度センサ20及び第2温度センサ21から入力される温度Tは、何れか一方の温度センサから入力される温度としてもよいし、両温度センサから入力される温度の平均値としてもよい。
定着装置18は、記録媒体A上に形成されたトナー像を定着する定着ローラ181と、IH電源ユニット25からの電力供給を受けて電磁誘導加熱により定着ローラ181の加熱を行う第1ヒータ182及び第2ヒータ183と、定着ローラ181に圧接して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラとを備えている。
同図に示すように、第1ヒータ182は、定着ローラ181の中央部を加熱し、第2ヒータ183は、定着ローラ181の端部を加熱するようになっており、サブ制御部17によりIH電源ユニット25から定着装置18に供給される電力量が制御されることで、第1ヒータ182及び第2ヒータ183による加熱温度が制御されるようになっている。なお、この第1ヒータ182及び第2ヒータ183は、IH電源ユニット25により交互にON/OFF制御されることで交互に加熱される。
定着ローラ181は図示しない駆動源により回転駆動され、加圧ローラは定着ローラ181に従動して回転される。定着ローラ181と加圧ローラとは、記録媒体Aを定着ニップで挟持して搬送する間に加熱および加圧して、記録媒体A上のトナー像を溶融定着するようになっている。
後処理装置19は、サブ制御部17により制御され、排出トレイと、画像形成部に供給される複写物を後処理要求に応じてパンチ処理、ステイプル処理および折り畳み処理等所定の処理を行い、排出トレイに排出させる。
DC電源22は、AC電源23より交流電源を受電し、メイン制御部16の電力制御信号に基づいて、画像形成装置10の各部へ電力を供給する。DC電源22のON、OFFは、操作者が電源SW24をON,OFFすることにより行われる。この、DC電源22は、AC電源23から受電される交流電源を直流化するとともに整流・平滑を行うAD−DC整流平滑部221、AD−DC整流平滑部221からの電力をメイン制御部16に供給するシステム制御電源生成ブロック222、AD−DC整流平滑部221からの電力をサブ制御部17に供給するエンジン制御・駆動電源生成ブロック223等を有して構成される。エンジン制御・駆動電源生成ブロック223は、メイン制御部16からの電源制御信号に基づいて、サブ制御部17に電力を供給する。
IH電源ユニット25は、AC電源23から交流電力を受電し、サブ制御部17の制御信号(IH電力指令信号、IH_CONT信号)に基づいて第1ヒータ182、第2ヒータ183へ電力を供給する。また、IH電源ユニット25は、定着装置18の第1ヒータ182及び第2ヒータ183に対して交互にON/OFF制御するようになっている。これにより、定着ローラ181全体をムラなく加熱することが可能であるとともに、第1ヒータ182及び第2ヒータ183への電力配分が不要となる。
リレー回路26は、AC電源23からの交流電力をIH電源ユニット25に供給する。サブ制御部17は、第1温度センサ20、第2温度センサ21により検知される温度が、規定温度を超えた所定の温度となった温度異常時又はIH電源ユニット25からのエラー検知信号受信時に、リレー回路26に通電の遮断を指示するリレーOFF信号を送信することにより、IH電源ユニット25への通電を遮断する。
上記構成において、定着装置18への電力制御について説明する。
以下、図2および図3を参照して、画像形成装置10起動の際のウォームアップ時における電力制御について説明する。
図2はウォームアップ時における電力制御処理を示すフローチャートである。なお、図2の各処理は、サブ制御部17により実行される処理を示している。
まず、電源SW24がONとされ、メイン制御部16により画像形成装置10に係るシステムが起動されて、電源制御信号に基づき、エンジン制御・駆動電源生成ブロック223にから電力が供給されると(ステップS11)、現段階において供給可能な最大電力量(以下、第1電力量という)を供給させる制御信号(IH_CONT信号、IH電力指令信号)が、IH電源ユニット25に送信され(ステップS12)、この制御信号に応じた電力がIH電源ユニット25から定着装置18に供給される。
次いで、メイン制御部16から画像形成装置10の起動が完了したことを指示する制御信号を受信したか否かが判定され、受信していないと判定された場合には(ステップS13;No)、さらに、定着装置18の定着ローラ181の温度Tが、目標とする規定温度TZに到達したか否かが判定され、到達したと判定された場合には(ステップS14;Yes)、ステップS21に移行する。また、到達していないと判定された場合には(ステップS14;No)、ステップS11に再び戻る。なお、ここで規定温度TZは、記録媒体上にトナー像を定着させるのに好適な温度であって、記録媒体Aの特性等に応じて設定されるものとする。
一方、ステップS13において、画像形成装置10の起動が完了したことを指示する制御信号を受信したと判定された場合には(ステップS13;Yes)、負荷部15等の画像形成装置10が有する各部の初期化及び安定した画像を得るためのカラーレジスト補正、トナー濃度補正等のプロセス補正に係る処理が開始される(ステップS15)。なお、この初期化及びプロセス補正は、サブ制御部17によってのみ行われるものに限らず、メイン制御部16によってのみ行われるものであってもよいし、メイン制御部16とサブ制御部17とが協働して行われるものであってもよい。
次いで、この初期化及びプロセス補正に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(以下、第2電力量という)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS16)。
続いて、初期化が完了したか否かが判定され、初期化が未完了と判定された場合には(ステップS17;No)、さらに、定着装置18の定着ローラ181の温度Tが、目標とする規定温度TZに到達したか否かが判定され、到達したと判定された場合には(ステップS18;Yes)、ステップS21に移行する。また、到達していないと判定された場合には(ステップS18;No)、ステップS16に再び戻る。
一方、ステップS17において、初期化が完了したと判定された場合には(ステップS17;Yes)、プロセス補正に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(以下、第3電力量という)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS19)。
次いで、定着装置18の定着ローラ181の温度Tが、目標とする規定温度TZに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS20;No)、ステップS19に再び戻る。また、到達したと判定された場合には(ステップS20;Yes)、ステップS21に移行する。
ステップS21では、定着装置18への電力供給を停止させる制御信号がIH電源ユニット25に送信されて電力供給が停止され(ステップS21)、所定の電力量を供給させる制御信号がIH電源ユニット25に断続的に送信されるスタンバイモード制御へと移行し(ステップS22)、本処理は終了する。
図3は、ウォームアップ時の電力制御シーケンスの一例を示す図である。
同図に示すように、電源SW24のONによりメイン制御部16に電力が供給され、このメイン制御部16によりエンジン制御・駆動電源生成ブロック223への電源制御信号がONとされて、サブ制御部17に電力が供給されると、サブ制御部17からIH電源ユニット25に定着装置18への電力供給を開始させるIH_CONT信号をONとする信号とともに、供給する電力値を指示するIH電力指令値信号が制御信号として送信され、現段階において供給可能な最大電力量である第1電力量(例えば、1350W)が、メイン制御部16の起動中に定着装置18に供給される。
メイン制御部16による起動完了の後、初期化及びプロセス補正が開始されて実行されている間(ONの間)、この初期化及びプロセス補正に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量である第2電力量(例えば、1150W)が定着装置18に供給される。そして、初期化完了後、プロセス補正に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量である第3電力量(例えば、1250W)が定着装置18に供給される。
図3では、第3電力量の供給中に目標とする規定温度TZに到達した例を示しており、規定温度TZに到達したタイミングで、IH_CONT信号をOFFとする制御信号がIH電源ユニット25に送信され、定着装置18への電力供給が停止される。これ以降、所定の電力値(例えば、800W)を定着装置18に供給させる制御信号がIH電源ユニット25に断続的に送信されるスタンバイモードへと移行される。
以上のように、電源投入から画像形成可能状態になるまでのウォームアップ時において、サブ制御部17により供給可能な最大電力が定着装置18に供給されることになるため、画像形成可能状態となるまでの時間を短縮することができる。
なお、本電力制御処理では、規定温度に到達するまで第3電力量が継続して定着装置18に供給されることとしたが、プロセス補正の終了が確認された後、この段階において供給可能な最大電力量を定着装置18に供給させる制御信号がIH電源ユニット25に対して送信される態様としてもよい。
また、スタンバイモードで供給される電力量及び制御信号が送信される断続間隔は、任意に設定することが可能であるものとするが、規定温度を維持するよう設定されることが好ましい。
次に、図4を参照して、ジャム発生からのリカバリ時における電力制御について説明する。
図4は、ジャム発生からのリカバリ時における電力制御処理を示すフローチャートである。なお、図4の各処理は、サブ制御部17により実行される処理を示している。また、本処理の前提として、図2で示したスタンバイモードの状態から開始されるものとする。
まず、原稿読取装置14により原稿が読み取られコピー等の処理(以下、画像形成処理という)が操作部11を介して指示されると、画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を定着装置18に供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信され(ステップS31)、この制御信号に応じた電力がIH電源ユニット25から定着装置18に供給される。
次いで、ジャムが発生したか否かが判定され、発生していないと判定された場合には(ステップS32;No)、ステップS43に移行する。
一方、ステップS32においてジャムが発生したと判定された場合には(ステップS32;Yes)、画像形成処理及び原稿読取装置14の読み取り動作が停止され(ステップS33)、操作者により不図示の用紙トレイ等が開かれてジャム紙が除去された後、再び用紙トレイ等が閉じられ動作可能状態となるまで待機される(ステップS34;No)。
ここで、動作可能状態と判定されると(ステップS34;Yes)、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、1200W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS35)。
次いで、定着装置18の定着ローラの温度Tが、所定の温度TAに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS36;No)、ステップS35に再び戻る。なお、ここで温度TAと規定温度TZとの関係は、TA<TZであるものとする。
一方、ステップS36において、温度TAに到達したと判定された場合には(ステップS36;Yes)、原稿読取装置14の読み取り動作が再開され(ステップS37)、この原稿読取装置14の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、1100W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS38)。
次いで、定着装置18の定着ローラの温度Tが目標とする規定温度TZに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS39;No)、ステップS38に再び戻る。
一方、ステップS40において、規定温度TZに到達したと判定された場合には(ステップS39;Yes)、画像形成処理が再開されるとともに(ステップS40)、この画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS41)。
続いて、画像形成処理が終了したか否かが判定され、終了していないと判定された場合には(ステップS42;No)、ステップS31に再び戻る。また、画像形成処理が終了したと判定された場合には(ステップS42;Yes)、本処理は終了する。
以上のように、ジャムの発生から記録媒体A上にトナー像を正常に定着させることが可能な画像形成可能状態に回復するまでの間、サブ制御部17により供給可能な最大電力が定着装置18に供給されることになるため、画像形成可能状態となるまでの時間を短縮することができる。また、サブ制御部17により画像形成に係る動作及び原稿読取装置14の動作が停止されるため、この画像形成動作及び原稿読取装置動作分の電力量を定着装置18に供給することが可能であるとともに、異常な状態で画像形成が行われてしまうことを未然に防止することができる。
次に、図5を参照して、定着アラム発生からのリカバリ時における電力制御について説明する。ここで定着アラムの発生とは、定着ローラ181の温度が規定温度から逸脱して、正常な溶融定着を行うことが不能となる温度(以下、定着アラム発生温度TBという)となった状態を意味している。なお、定着アラム発生温度TBと規定温度TZとの関係は、TB<TZであるものとする。
図5は、定着アラム発生からのリカバリ時における電力制御処理を示すフローチャートである。なお、図5の各処理は、サブ制御部17により実行される処理を示している。また、本処理の前提として、図2で示したスタンバイモードの状態から開始されるものとする。
まず、原稿読取装置14により原稿が読み取られコピー等の処理(以下、画像形成処理という)が操作部11を介して指示されると、画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信され(ステップS51)、この制御信号に応じた電力がIH電源ユニット25から定着装置18に供給される。
次いで、定着ローラ181の温度Tが定着アラム発生温度TB以下か否かが判定され、定着アラム発生温度TBを上回っていると判定された場合には(ステップS52;No)、ステップS62に移行する。
一方、ステップS52において定着ローラ181の温度Tが定着アラム発生温度TB以下であると判定された場合には(ステップS52;Yes)、操作部11の表示画面に定着アラムが発生したことを報知する画面が表示され(ステップS53)、画像形成処理及び原稿読取装置14の読み取り動作が停止される(ステップS54)。
次いで、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、1200W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS55)。
続いて、定着装置18の定着ローラの温度Tが、所定の温度TCに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS56;No)、ステップS56に再び戻る。なお、ここで定着アラム発生温度TBと温度TCの関係は、TC<TBであるものとする。
一方、ステップS56において、温度TCに到達したと判定された場合には(ステップS56;Yes)、原稿読取装置14の読み取り動作が再開され(ステップS57)、この原稿読取装置14の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、1100W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS58)。
次いで、定着装置18の定着ローラの温度Tが目標とする規定温度TZに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS59;No)、ステップS58に再び戻る。
一方、ステップS59において、規定温度TZに到達したと判定された場合には(ステップS59;Yes)、画像形成処理が再開されるとともに(ステップS60)、この画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS61)。
続いて、画像形成処理が終了したか否かが判定され、終了していないと判定された場合には(ステップS62;No)、ステップS51に再び戻る。また、画像形成処理が終了したと判定された場合には(ステップS62;Yes)、本処理は終了する。
以上のように、定着アラムの発生から記録媒体A上にトナー像を正常に定着させることが可能な画像形成可能状態に回復するまでの間、サブ制御部17により供給可能な最大電力が定着装置18に供給されることになるため、画像形成可能状態となるまでの時間を短縮することができる。また、サブ制御部17により画像形成に係る動作及び原稿読取装置14の動作が停止されるため、この画像形成動作及び原稿読取装置動作分の電力量を定着装置18に供給することが可能であるとともに、異常な状態で画像形成が行われてしまうことを未然に防止することができる。
<第2の実施形態>
次に、画像形成装置10の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態では、定着アラム発生の兆候が確認された場合の電力制御について説明する。なお、説明の簡略化のため、上述した第1の実施形態と同一要素については同符号を付し、その詳細な説明は適宜省略する。
図6を参照して、定着アラム発生の兆候が確認された場合の電力制御について説明する。
図6は、定着アラム発生の兆候が確認された場合の電力制御処理を示すフローチャートである。なお、図6の各処理は、サブ制御部17により実行される処理を示している。また、本処理の前提として、図2で示したスタンバイモードの状態から開始されるものとする。
まず、原稿読取装置14により原稿が読み取られコピー等の処理(以下、画像形成処理という)が操作部11を介して指示されると、画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信され(ステップS71)、この制御信号に応じた電力がIH電源ユニット25から定着装置18に供給される。
次いで、定着ローラ181の温度Tが定着アラム兆候温度TD以下か否かが判定され、定着アラム兆候温度TDを上回っていると判定された場合には(ステップS72;No)、ステップS79に移行する。なおここで、定着アラム兆候温度TDと定着アラム発生温度TBと規定温度TZとの関係は、TB<TD<TZであるとし、TD=TB+ΔT(ΔT>0)であるものとする。また、定着アラム兆候温度TDの値は、記録媒体A上にトナー像を正常に定着させることが可能な温度であることが好ましい。
一方、ステップS72において定着ローラ181の温度Tが定着アラム兆候温度TD以下であると判定された場合には(ステップS72;Yes)、操作部11の表示画面に定着アラム発生の兆候が確認されたことを報知する画面が表示される(ステップS73)。なお、画像形成処理は継続して実行されるものとする。
次いで、原稿読取装置14の読み取り動作が停止され(ステップS74)、画像形成処理に要する電力を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、1000W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS75)。
続いて、定着装置18の定着ローラの温度Tが、所定の温度TEに到達したか否かが判定され、到達していないと判定された場合には(ステップS76;No)、ステップS75に再び戻る。なお、ここで定着アラム兆候温度TDと温度TEとの関係は、TD<TEであるものとし、TE=TZとしてもよいものとする。
一方、ステップS76において、温度TEに到達したと判定された場合には(ステップS76;Yes)、原稿読取装置14の読み取り動作が再開され(ステップS77)、画像形成処理及び原稿読取装置の動作に要する電力量を差し引いた、現段階において供給可能な最大電力量(例えば、900W)を供給させる制御信号が、IH電源ユニット25に送信される(ステップS78)。
続いて、画像形成処理が終了したか否かが判定され、終了していないと判定された場合には(ステップS79;No)、ステップS71に再び戻る。また、画像形成処理が終了したと判定された場合には(ステップS79;Yes)、本処理は終了する。
以上のように、定着アラム発生直前の定着アラム兆候時から記録媒体A上にトナー像を正常に定着させることが可能な画像形成可能状態に回復するまでの間、サブ制御部17により供給可能な最大電力が定着装置18に供給されることになるため、画像形成可能状態となるまでの時間を短縮することができる。また、サブ制御部17により原稿読取装置14の動作が停止されるため、この原稿読取装置動作分の電力量を定着装置18に供給することが可能であるとともに、画像形成に係る動作は継続されるため、効率的に画像形成を行うことできる。また、サブ制御部17により、定着アラム発生直前の定着アラム兆候時において正常状態に回復されるため、正常に溶融定着を行うことが不能となる定着アラムの発生を未然に防止することができる。
上記実施形態における画像形成装置10の細部構成および詳細動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、定着装置18の加熱手段として電磁誘導加熱手段(第1ヒータ182及び第2ヒータ183)を用いることとしたが、これに限らず、ハロゲンヒータを用いることとしてもよいし、セラミックヒータを用いることとしてもよい。
画像形成装置の温度制御回路の一例を示す図である。 ウォームアップ時における電力制御処理を示すフローチャートである。 ウォームアップ時の電力制御シーケンスの一例を示す図である。 ジャム発生からのリカバリ時における電力制御処理を示すフローチャートである。 定着アラム発生からのリカバリ時における電力制御処理を示すフローチャートである。 定着アラム発生の兆候が確認された場合の電力制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 画像形成装置
11 操作部
12 ネットワーク接続部
13 画像形成部
131 A/D基盤
132 LD基盤
14 原稿読取装置
15 負荷部
16 メイン制御部
17 サブ制御部
18 定着装置
181 定着ローラ
182 第1ヒータ
183 第2ヒータ
19 後処理装置
20 第1温度センサ
21 第2温度センサ
22 DC電源
221 AC−DC整流平滑部
222 システム制御電源生成ブロック
223 エンジン制御・駆動電源生成ブロック
23 AC電源
24 電源SW
25 IH電源ユニット
26 リレー回路

Claims (2)

  1. 記録媒体上に形成されたトナー像を定着する定着手段と、駆動電力源からの電力供給を受けて電磁誘導加熱により前記定着手段を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記定着手段の温度を検知する温度検知手段と、原稿読取装置と、を備えた画像形成装置において、
    前記温度検知手段により検知される温度が、前記トナー像の定着が不能となる定着アラム発生温度直前の定着アラム兆候温度であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により定着アラム兆候温度と判定された場合に、前記温度検知手段により検知された前記定着手段の温度が、前記トナー像を正常に定着させることが可能な所定の温度に到達するまでの間、前記原稿読み取り装置の動作を停止させ、前記駆動電力源から供給可能な最大電力を前記電磁誘導加熱手段に供給させる電力供給制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着手段は、定着ローラであって、
    前記電磁誘導加熱手段は、前記定着ローラの中央部を加熱する中央部加熱手段と端部を加熱する端部加熱手段とを有し、
    前記電力供給制御手段は、前記端部加熱手段及び中央部加熱手段を交互にON/OFF制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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