JP4595432B2 - 露光ヘッドおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンタや複写機などにおける感光体に、多重露光方式で潜像を形成する露光ヘッド等に関する。
画像形成装置の分野においては、感光体を露光するための光源として有機ELを採用する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図16は、光源として有機ELを採用した有機ELアレイプリントヘッドの構成を例示した図である。図16に示すように、チップオンボード(以下、COB)基板100上には、有機ELアレイ200を有する有機ELアレイ基板300と各有機ELの発光を制御する複数のドライバIC400が配置されている。COB基板100とドライバIC400との間、及びドライバIC400と有機ELアレイ基板300との間はボンディングワイヤ500によって電気的に接続されている。このように、感光体を露光するための光源として有機ELを用いることで一枚の有機ELアレイ基板300を一括で作製することが可能となり、LEDチップ多数個を一直線上に配列させる従来の実装方式に比べて低コスト化・高密度化を図ることができる。
特開平9−226171号公報
しかしながら、上記の如く、COB基板上に平面的に有機ELアレイ基板と複数のドライバICを配置した場合には、実装面積が大きくなってしまい、COB基板を大型化せざるを得ないという問題が生ずる。また、有機ELアレイ基板と各ドライバICとを電気的に接続するためにはワイヤ・ボンディング工程が不可欠であり、また、有機EL基板における各有機EL発光部とワイヤ・ボンディングされる各端子との間の配線が複雑かつ煩雑になってしまうという問題がある。かかる問題は、特に、副走査方向に対して複数列の有機EL発光部を配置して多重露光を行う場合に顕著である。
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、実装面積を抑えることができる露光ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の露光ヘッドは、複数の有機EL素子が配され、有機EL素子からの光が他方面に放出されるアレイ基板と、有機EL素子を駆動する回路チップであって、有機EL素子の駆動回路がアレイ基板と対向するようにして配される回路チップと、アレイ基板と回路チップを接続するバンプと、を含み、複数の有機EL素子のそれぞれは、発光部と、発光部から第1方向に延在するカソード電極と、発光部から第1方向と逆方向である第2方向に延在する電極部を有するアノード電極と、を有し、バンプは、少なくとも各有機EL素子の発光部から第1方向に所定の距離離間して配置され、各有機EL素子のカソード電極と接続される第1バンプ電極群と、各有機EL素子の発光部から第2方向に所定の距離離間して配置され、各有機EL素子のアノード電極と接続される第2バンプ電極群と、を有し、第1バンプ電極群および第2バンプ電極群は、それぞれ千鳥状に配置され、アレイ基板における複数の有機EL素子が配された素子形成面と有機EL素子の駆動回路が配された回路チップが、第1バンプ電極群および第2バンプ電極群を介して接合され、アレイ基板と回路チップとの接合部内側に、隙間を有し、隙間に、乾燥部材が介挿されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ワイヤ・ボンディングを用いることなく各有機EL素子と回路チップとの間を電気的に接続することができ、実装面積を抑えることが可能となる。特に、各電極パッドを千鳥状に配置することにより、例えば二次元アレイ状に等間隔配置する場合等に比べて実装面積を削減することができるので、露光ヘッド全体の幅(長手方向と直交する方向の長さ)を小さくすることが可能となる。かかる構成の採用により、アレイ基板と回路チップとをバンプ接続する際における押圧力によって駆動回路及び/又は有機EL素子にストレスがかかって破損等の不具合を生じるのを回避することが可能となる。
上記発明において、アレイ基板は、複数の有機EL素子と、複数の有機EL素子の周辺領域に第1バンプ電極群および第2バンプ電極群と接続するアレイ基板側電極パッドを配するように構成してもよい。
また、回路チップは、駆動回路と、駆動回路の周辺領域に第1バンプ電極群および第2バンプ電極群と接続する回路チップ側電極パッドを配置するように構成してもよい。
本発明は上記露光ヘッドを用いることを特徴とする画像形成装置でもある。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、有機ELアレイ露光ヘッド1の全体構成を説明する概略図である。図1(A)は平面図(上面図)、図1(B)は図1(A)に示すB−B線における断面図である。本実施形態の有機ELアレイ露光ヘッド1は、その全長が主走査方向の印刷幅よりもやや長くなるように形成されている。また、当該ヘッド1の断面サイズは極めて小さいため、図1では構成を分かりやすくために、実際のものよりもいくぶん縮尺を変更している。各部の詳細については、順を追って拡大図を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の有機ELアレイ露光ヘッド1は、電子写真方式のプリンタ(或いは複写機等)において、感光体に多重露光方式で潜像を形成するために用いられるものであり、主たる構成要素として、コネクタ2、フレーム3、集光レンズアレイ4、ドライバIC7及び有機ELアレイ8を含んで構成されている。符号24は封止剤を示す。
コネクタ2は、プリンタ側のプリンタコントローラ(図示せず)と相互に接続されるべきものであり、印刷データを受信するための配線である制御用信号ラインと、電力供給を担う配線である電源ラインとを含んでいる。
有機ELアレイ(アレイ基板)8は、ガラス基材の一方面上に複数の有機EL発光部(有機EL素子)がアレイ状に形成されてなるものである。この有機ELアレイ8は、各有機EL素子からの出射光がガラス基材を介して当該ガラス基材の他方面側に放出されるように構成されている。
ドライバIC(回路チップ)7は、各有機EL発光部(以下、発光部と略称)を制御するためのものであり、有機ELアレイ8のガラス基材の他方面上に所定個数が実装されている。より詳細には、ドライバIC7は、回路形成面が有機ELアレイ8の一方面と対向するようにして当該有機ELアレイ8の長手方向(延在方向)に沿って直列配置されている。
集光レンズアレイ4は、多数の集光レンズを含んでおり、各レンズが有機ELアレイ8の各発光部のほぼ直上に配置されるように構成されている。
図2は、本実施形態の有機ELアレイ露光ヘッドの制御回路の構成を説明するブロック図である。図2に示すように、有機ELアレイ露光ヘッド1では、所定個数のドライバIC7が主走査方向に沿って有機ELアレイ8の他方面上に実装されている。そして、各ドライバIC7は、主走査方向の画素数、および副走査方向に千鳥状に配置された有機ELアレイのうち、各々に割り付けられた1ブロック分を制御/駆動する構成となっている。本実施形態のドライバIC7は、制御回路と駆動回路とを含む。
データ制御用ライン(信号ライン)57は、主走査方向に所定個数のドライバIC7をデイジーチェーン接続し、プリンタコントローラから送られてくる印刷データを1ライン毎に割り付けられたドライバIC7に送り込むための信号ラインである。
電源用ライン58は、各ドライバIC7に電力を供給するためのものである。データ制御用ライン57と電源用ライン58とは、図2に示すように、いずれもドライバIC7に対しデイジーチェーン接続されるが、ドライバIC7の内部にもこのデータ制御用ライン57と電源用ライン58が図示のように配線されており、ガラス基材上の片面配線が交差することなく容易にパターニングできるようになっている。データ制御用ライン57と電源用ライン58とは、ガラス基材上にITO等の導電膜を成膜し、パターニングすることによって形成される。なお、配線抵抗を下げるためにアルミまたは金メッキ等を施してもよい。
図3は、有機ELアレイ露光ヘッド1の上記図1に示したA部を拡大し、部品構成を概略的に説明する平面図である。図3(A)に示すように、集光レンズアレイ4は、有機ELアレイ8の直上に配置されるものであり、個々の有機EL素子から出射する光を集光する集光レンズ群14aと、有機EL素子の周辺の発光素子からの漏れ光を遮蔽する遮光材9からなる。集光レンズアレイ4には、有機ELアレイ8との組立時の位置決め用に、位置決めパッド10が設けられている。図3(B)に示すように、有機ELアレイ8は、有機ELアレイ露光ヘッド1の主走査方向の画素数、および副走査方向に千鳥状に配置された複数ラインの有機EL素子がアレイ状にガラス基材60上に形成されてなる。図3(C)に示すように、各ドライバIC7は、有機ELアレイ8の延在方向に沿って並べて実装される。
ここで、図3(B)及び図3(C)に示すように、本実施形態では、有機ELアレイ8の一方面上であって有機EL素子の配置領域の外側に、ドライバIC7の相互の境界位置ごとに対応付けて配線群70が設けられている。図示のように本例では、各境界位置において、各ドライバIC7の長手方向の両端にそれぞれ一組ずつ配線群70が形成されている。詳細は後述するが、隣接するドライバIC7の一方が配線群70の一端側とバンプ接続され、他方が配線群70の他端側とバンプ接続されている。すなわち本例では、隣接する2つのドライバIC7について、その長手方向の両端に一組ずつ配線群70が設けられており、これらの配線群70の一方がドライバIC7に内蔵される内部配線群とともに上記のデータ制御ライン57(すなわち信号経路)を構成し、他方がドライバIC7に内蔵される内部配線群とともに上記の電源ライン58(すなわち信号経路)を構成する。
図4は、有機ELアレイ露光ヘッド1の上記図3に示したB部の拡大図であり、集光レンズアレイ4の構造の詳細を示すものである。集光レンズアレイ4には、有機ELアレイ8との接合時位置決め用に位置決めパッド(集光レンズアセンブリ側ターゲット)10a、10bが設けられている。
また、集光レンズアレイ4の一方面には遮光材9が設けられている。また、集光レンズアレイ4は、主走査方向の画素数分に対応し、かつ副走査方向に千鳥状に配置された複数ライン分の集光レンズ13を備えており、各集光レンズ13はそれぞれ光導穴27に埋め込まれている。
また、各ドライバIC7の境界領域にも上記集光レンズ13と同様の集光レンズが設けられる。具体的には、集光レンズ群14aは、図中において一点鎖線で示した境界の左側に配置されるドライバIC7(図示せず)により駆動されるべき有機EL素子の直上に位置するものである。同様に、集光レンズ群14bは、図中において一点鎖線で示した境界の右側に配置されるドライバIC7(図示せず)により駆動されるべき有機EL素子の直上に位置するものである。なお、集光レンズアレイ4の詳細構造については更に後述する。
図5は、有機ELアレイ露光ヘッド1の上記図3に示したC部の拡大図であり、有機ELアレイ8の構造の詳細を示すものである。
位置決めパッド11aは、図中左側に実装されるドライバIC7に対応して用意されたものであり、位置決めパッド11bは、図中右側に実装されるドライバIC7に対応して用意されたものである。
符号15は、ガラス基材60側の電源用パッドである。電源用パッド15aは左側に実装されるドライバIC7との接続を担い、電源用パッド15bは右側に実装されるドライバIC7との接続を担う。図示のように本例では、これらの電源用パッドが10組あり、電源電位側(VDD)と接地側(GND)に配分され、主走査方向の所定個数のドライバIC7の電源ライン用パッド19に接続される。なお、ドライバIC7の左右の電源ライン用パッド間はIC内部でつながっている(図示せず)。
符号16は、ドライバIC7のつなぎ目部のガラス基材60側のアノード配線パッドを示す。アノード配線パッド16aは左側のブロックを制御するドライバIC7で駆動される有機EL素子を制御するものであり、アノード配線パッド16bは右側のブロックを制御するドライバIC7で駆動される有機EL素子を制御するものである。
符号17は、アノード側電極を示す。アノード側電極17aは左側に実装されるドライバIC7のために用意されたものであり、アノード側電極17bは右側に実装されるドライバIC7のために用意されたものであり、
符号18は、データ制御ライン用パッドを示す。データ制御ライン用パッド18aは左側に実装されるドライバIC用に用意されたものであり、データ制御ライン用パッド18bは右側に実装されるドライバIC用に用意されたものである。
なお、上記図2に示したデータ制御ライン57は、主走査方向の所定個数のドライバIC7のデータ制御ライン用パッド21に接続される(図6参照)。そして、ドライバIC7の左右のデータ制御ライン用パッドの間はドライバIC7の内部でつながっていて、ドライバIC7の回路部22の内部の制御回路56と接続されている(図11参照)。
符号32は、アノード電極(ITO)パッドを示す。アノード電極パッド32aは左側に実装されるドライバIC7のために用意されたものであり、アノード電極パッド32bは右側に実装されるドライバIC7のために用意されたものである。本例では、各アノード電極パッドは各アノード電極の上下に配置されている。これは、ガラス基材上の配線密度を下げ、配線を容易にするためになされたものである。
符号40は、カソード側配線パッドを示す。カソード側配線パッド40aは左側に実装されるドライバIC用に用意されたものであり、カソード側配線パッド40bは右側に実装されるドライバIC用に用意されたものである。なお、カソード側配線パッドは、データ制御ライン用パッド18のラインの、データ制御ライン用パッド18を除く複数パッドからなる。
なお、上述したアノード配線パッド16a、アノード配線パッド16b、アノード配線パッド32a及びアノード配線パッド32bが「アレイ基板側電極パッド」に対応している。これらは、後述するバンプと当接すべく有機ELアレイ8(アレイ基板)のそれぞれに設けられるものであり、図示のように、有機ELアレイ8の長手方向に沿って千鳥状に配置されている。また図示のように、有機ELアレイ8は、各有機EL素子が当該有機ELアレイ8の長手方向に沿った略中央領域に形成され、当該領域の周辺に上記の各アノード配線パッド(アレイ基板側電極パッド)が形成されている。
図6は、有機ELアレイ露光ヘッド3の上記図3に示したD部の拡大図であり、となり合ったドライバIC7の詳細を示す。
符号7aは左側に位置するドライバICであり、符号7bは右側に位置するドライバICである。
符号12は、ドライバIC側の位置決めパッドを示す。位置決めパッド12aは、図5に示した有機ELアレイとの位置決めに位置決めパッド11aと共に使用され、位置決めパッド12bは、図5に示した有機ELアレイとの位置決めに位置決めパッド11bと共に使用される。
符号19は、ドライバIC側の電源ライン用パッドであり、上記図5のガラス基材側の電源ライン用パッド15とバンプ接合される。電源ライン用パッド19aは左側に位置するドライバIC7のドライバIC側のパッドであり、電源ライン用パッド19bは右側に位置するドライバIC7のドライバIC側のパッドである。
符号20は、ドライバIC7のつなぎ目部のアノード配線パッドであり、上記図5に示したドライバIC7のつなぎ目部のガラス基材側のアノード配線パッド16とバンプ接合される。アノード配線パッド20aは左側に位置するドライバIC7のものであり、アノード配線パッド20bは右側に位置するドライバIC7のものである。
符号21は、ドライバIC側のデータ制御ライン用パッドであり、上記図5のデータ制御線パッド18とパンプ接合される。データ制御ライン用パッド21aは左側に位置するドライバICのものであり、データ制御ライン用パッド21bは右側に位置するドライバICのものである。
符号22は、ドライバIC7の回路部を示す。回路部22aは左側に位置するドライバICのものであり、回路部22bは右側に位置するドライバICのものである。
符号36は、ドライバIC側のアノード配線パッドであり、上記図5に示したアノード電極パッド32とバンプ接合される。アノード配線パッド36aは左側に位置するドライバIC側のものであり、アノード配線パッド36bは右側に位置するドライバIC側のものである。
符号38は、ドライバIC側のカソード配線パッドであり、上記図5に示したカソード側配線パッド40とバンプ接合される。カソード配線パッド38aは左側に位置するドライバIC側のものであり、カソード配線パッド38bは右側に位置するドライバIC側のものである。
なお、上述したアノード配線パッド20a、アノード配線パッド20b、アノード配線パッド36a及びアノード配線パッド36bが「回路チップ側電極パッド」に対応している。これらは、後述するバンプと当接すべく各ドライバIC7(回路チップ)のそれぞれに設けられるものであり、図示のように、有機ELアレイ8(アレイ基板)の長手方向に沿って千鳥状に配置されている。また図示のように、各ドライバIC7は、回路部22a、22b(駆動回路)が上記有機ELアレイ8(アレイ基板)の長手方向に沿った略中央領域に形成され、当該領域の周辺に各アノード配線パッド(回路チップ側配線パッド)が形成されている。
図7は、有機ELアレイ露光ヘッド1のより詳細な断面図であり、上記図1に示したB−B線方向の断面を示す。図示のように、有機ELアレイ露光ヘッド1は、露光ヘッドモジュール5とヘッド支持フレーム(フレーム)3を備える。ここで、露光ヘッドモジュール5とは、集光レンズアレイ4、有機ELアレイ8及びICドライバ7からなる複合体であり、封止剤24によりフレーム3に固定される。また、フレーム3はドライバIC7の放熱器としても利用される。符号4は集光レンズアレイ、符号8は有機ELアレイ、符号23は封止剤をそれぞれ示す。
図8は、有機ELアレイ露光ヘッド1の上記図7に示すF部の拡大断面図であり、露光ヘッドモジュール5を示す図である。有機ELアレイ8に形成された発光部25から放出される光は、光路26を通り光導穴27に到達する。その光のうち、発光部25の直上にある光導穴27を通過する光は集光レンズ13を通り、略平行光束となって感光体(図示しない)に結線する。しかし、発光部25の直上にない光導穴27に到達する光は、遮光部9に遮られ、そこに配された集光レンズ13には到達しない構造となっている。なお、符号4は集光レンズアレイ、符号7はドライバIC、符号8は有機ELアレイ、符号23は封止剤、符号28は接着剤、符号29はバンプ接合部をそれぞれ示す。
図9は、露光ヘッドモジュールの上記図8に示すG部の拡大図であり、有機ELアレイ8の発光部25周辺とドライバIC7の層構成を説明するものである。ドライバIC7の基板上に駆動回路55と制御回路56が配置されており、その表面は絶縁層30により覆われている。ドライバIC7と有機ELアレイ8の間にある隙間には吸湿剤31が配置されている。カソード電極(AL)35は、有機EL素子を構成するものであり、その上には発光層34と正孔輸送層33、アノード電極(ITO)17が積層されている。絶縁層44は、発光部25の周囲に配置される。ガラス基材60は、上記の有機EL発光素子を支持するものであり、当該素子を外界から保護する封止材としての機能も兼ねる。なお本例では、相対する側については、ドライバIC7の一方面側が封止材としての機能を兼ねる。
図10は、露光ヘッドモジュール5の構成を説明するための図であり、図11は、露光ヘッドモジュール5の各構成要素を説明するための図である。なお、図10及び図11では、説明の理解を容易にするために、一部の発光部等(図に示す発光層34、集光レンズ13等)を図示し、大部の発光部等を省略している。
露光ヘッドモジュール5は、ドライバIC7、吸湿剤31、有機ELアレイ8、集光レンズアレイ4から構成されている。図12は、集光レンズアレイ4の構造を説明するための図であり、図12(A)は各光導穴27の関係を示した図、図12(B)は図12(A)のH−H線視断面図である。
集光レンズアレイ4の表面には、有機ELアレイ8に形成される各発光部25の配置パターンと同じパターンの貫通孔が複数形成されている。図12に示すように、アレイアセンブリ4と接着される側、すなわち光の入射側の貫通孔(発光部側の光導穴27a)の径は、光の出射側の貫通孔(レンズ圧入側の光導穴27b)の径よりも大きくなるように設定されている。
また、光の出射側の貫通孔(レンズ圧入側の光導穴27b)には集光レンズ13が圧入されている。一方、集光レンズアレイ4を構成する遮光材9は、集光レンズ13の熱膨張とほぼ同じ特性を有するガラス布基材エポキシ樹脂黒色積層板(FRP)等から構成され、レンズ圧入側の光導穴27bの径は、集光レンズ13を保持できる程度に集光レンズ13の径よりもわずかに小さくなるように設定されている。なお、光導穴27は、その直下にある発光部25からの光のみを集光レンズを介して出射させ、隣接する発光部からの光を遮光して通過させないように設計されている。かかる構成を有する集光レンズアレイ4によれば、集光レンズ13の径を大きくすることができるので、発光部で発光された光をより集光することができ、結果として出射する光量を大きくすることができる。また、集光レンズ13の径を大きくすると、当該レンズの球面収差を抑えることができるので、この点でも有利である。さらに、集光レンズ13としてドラム形状のレンズを用いた場合には、より球面収差を抑えることができる。
図13は、図11に示す有機ELアレイ8の生成工程を説明するための図である。なお、図13も図11と同様、発明の理解を容易にするために、一部の発光部等(図に示す発光層34等)を図示し、大部の発光部等を省略している。
有機ELアレイ8は、同図に示すI→J→K→Lの工程を経て生成される。詳述すると、まず、I工程では、ガラス基材60の上に透明電極(ITO)膜であるガラス基材側配線電極パッド43、アノード電極透明電極17、カソード側配線電極パッド40がスパッタリング等によりパターン生成される。
J工程では、ITOがパターンニングされたガラス基材60の上に絶縁層(ポリイミド等)44が印刷形成され、さらに、K工程では、高分子材料又は低分子材料からなる有機EL発光層が形成される。この有機EL発光層は、発光層34、正孔輸送層33、電子輸送層(図示略)等から構成され、それぞれに適した材料を用いて各層が形成される。最後に、L工程では、アルミニウム(Al)等の材料を用いたカソード電極35、アノード電極アルミパッド32、電極パッド59が蒸着等によって形成される。
このようにして形成された有機ELアレイ8は、熱硬化型樹脂などの接着剤により集光レンズアレイ4に固定される(図11参照)。かかる固定の際には、集光レンズアレイ4に設けた位置決めパッド10と有機ELアレイ8に設けた位置決めパッド11とが利用され(図4、図5参照)、これにより、高い固定位置精度が確保される。
次に、有機ELアレイ8とドライバIC7をバンプ42、37、39によって接合固定する(図11参照)。かかる固定を行う際には、集光レンズアレイ4に設けた位置決めパッド10とドライバIC7に設けた位置決めパッド12とが利用され(図5、図6参照)、これにより、高い固定位置精度が確保される。なお、バンプ接合時には、ドライバIC7と有機ELアレイ8との間に吸湿剤31を介挿する(図11参照)。この吸湿剤31は、正孔輸送層33、発光層34を湿度による劣化から保護するためのものであり、デシカイトなどが用いられる。
ここで、ドライバIC7(図11参照)について詳説すると、まず、駆動回路55と制御回路56は、図6に示すドライバICの回路部22を構成している。これら駆動回路55及び制御回路56は、バンプ接合時の圧力による素子破壊を回避するためにバンプ用バッドが置かれる場所から離れたところに配置される。
配線電極パッド41は、図6に示す電源ライン用パッド19及びデータ制御ライン用パッド21を構成している。この配線電極パッド41上には配線電極バンプ42が形成される。配線電極バンプ42は、有機ELアレイ8の電極アルミパッド59と接続固定するための電気的導通材(金など)によって形成されている。
アノード配線パッド36は、図6に示すドライバICのつなぎ目部のアノード配線パッド20及びアノード配線パッド36を構成している。このアノード配線パッド36上にはアノード配線バンプ37が形成されている。アノード配線パッド36は、有機ELアレイ8の電極アルミパッド32と接合固定するための電気的導通材(金など)によって形成されている。
カソード配線パッド38は、図6に示すカソード配線パッド38を構成している。このカソード配線パッド38上にはカソード配線バンプ39が形成されている。カソード配線パッド38は、有機ELアレイ8の電極アルミパッド35と接合固定するための電気的導通材(金など)によって形成されている。
かかる構成を有する有機ELアレイ8とドライバIC7とをバンプ42、37、39によって接合した後、速やかに、封止剤23で有機ELアレイ8とドライバIC7の接合部周囲を固める。このようにして露光ヘッドモジュール5を形成することにより、発光層34から出射された光は、直下の光導穴27を通じて集光レンズ13により略平行光線となり、図示しない感光体表面に結像する。
<発光の制御態様>
図14は、本実施形態に係る発光素子制御回路の構成を示す図である。なお、以下では、1つのドライバIC7が制御する発光部25の制御態様を例に説明するが、かかる態様はあくまで例示であり、発光部25をどのように制御するかは適宜変更可能である。
有機ELアレイ8に形成された発光部25は、図14の符号48で示すように主走査方向Yに複数配列され、かつ副走査方向Xに8列に千鳥状に配列されている。データ出力タイミング制御手段45は、プリンタコントローラ(図示略)によって実現され、形成すべき画像データに基づいて色分解、階調処理、画像データのビットマップへの展開、色ずれ調整などの処理を行う一方、ライン毎の画像データを各記憶手段47に出力する。このデータ出力タイミング制御手段45は、プリンタコントローラによって実現してもよいが、ドライバIC7の回路部22によって実現しても良い。
記憶手段47は、シフトレジスタ47a〜47hによって構成されている。これらシフトレジスタは、第1グループに属するシフトレジスタ47a、47c、47e、47gと、第2グループに属するシフトレジスタ47b、47d、47f、47hとに区分されている。第1グループに属するシフトレジスタ47a、47c、47e、47gは、画像データの保持、発光部への出力、次段のシフトレジスタへの転送を行う。
第2グループに属するシフトレジスタ47b、47d、47f、47hも第1グループに属するシフトレジスタと同様、画像データの保持、発光部への出力、次段のシフトレジスタへの転送を行う。発光部のラインもシフトレジスタと同様、第1グループに属する発光部のライン48a、48c、48e、48gと、第2グループに属する発光部のライン48b、48d、48f、48hとに区分されている。なお、記憶手段47には、Iライ
ン分の画像データを主走査方向Yに転送するためのシフトレジスタ群が設けられているが、図14では図面が煩雑になるのを防ぐため省略している。また、記憶手段47も上記データ出力タイミング制御手段45と同様、ドライバIC7の回路部22によって実現しても良い。
発光素子制御回路の動作について説明すると、まず、データ出力タイミング制御手段46からは、制御線50から第1グループのシフトレジスタに画像データが出力されると共に制御線49から第2グループのシフトレジスタに画像データが出力される。
各シフトレジスタに格納された画像データは、データ出力タイミング制御手段46から各シフトレジスタに供給されるタイミング信号46a〜46hに応じて対応する発光部へ出力される。
具体的には、まず、データ出力タイミング制御手段46からタイミング信号46aがシフトレジスタ47aに供給されると、該シフトレジスタ47aから第1グループの発光部の先頭ライン48aに画像データが出力され、感光体(図示略)上のスポット位置で第1の画素ラインの露光が行われる。同様に、データ出力タイミング制御手段46からタイミング信号46bがシフトレジスタ47bに供給されると、該シフトレジスタ47bから第1グループの発光部の先頭ライン48bに画像データが出力され、感光体(図示略)上のスポット位置で第2の画素ラインの露光が行われる。
次に、像担持体が副走査方向に画素ピッチ分だけ移動すると、シフトレジスタ47aに格納された画像データはシフトレジスタ47cへ転送される。同様に、シフトレジスタ47bに格納された画像データはシフトレジスタ47dへ転送される。そして、データ出力タイミング制御手段46からタイミング信号46cとタイミング信号46dがシフトレジスタ47cとシフトレジスタ47dに供給されると、シフトレジスタ47cとシフトレジスタ47dから発光部ライン48cと48dにそれぞれ画像データが出力される。この際、スポット位置の第1の画素ラインと第2の画素ラインで同一画素の露光を行う。以下、同様にして、像担持体の移動と画像データの各シフトレジスタへの転送、発光部への画像データの出力を行い、同一画素に対して多重露光を行う。
このように、発光部を千鳥状に配列して、発光部が像担持体上に形成するスポット位置の副走査方向の間隔を、副走査方向の画素密度の整数倍としたときにおいても、1画素を多重露光することができる。即ち、発光部を千鳥状に配列した場合においても、各画素列の記憶手段と発光部列とは一対一で対応可能となる。このため、シフトレジスタに記憶された画像データを次段のシフトレジスタに転送するタイミングと、シフトレジスタに記憶された画素列の画像データに基づいて、発光部ラインを発光させるタイミングとを合わせることにより、回路構成を簡素化し、動作の高速化を図ることができる。
また、発光部を千鳥状に配列した場合には、発光部ライン48を48a→48b→48c→48d→48e→48f→48g→48hの順番で1ドットラインピッチ間隔で各ラインを順次発光させることも可能である。なお、以上説明した露光ヘッドを4個用いることにより、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色で画像形成を行う、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に適用しても良いのはもちろんである。
図15は、発光部をアクティブマトリクスで駆動させる駆動回路の構成を示す図である。電力供給線51は、ドライビング用トランジスタTr2のソースSbに接続されている。一方、発光部を構成する有機EL素子のアノード端子Aはドライビング用トランジスタTr2のドレインDbに接続され、カソード端子KはグランドGNDに接続されている。また、走査線53は、スイッチング用トランジスタTr1のゲートGaに接続され、容量線52は、スイッチング用トランジスタTr1のソースSaに接続されている。さらに、スイッチング用トランジスタTr1のドレインDaは、ドライビング用トランジスタTr2のゲートGbとストレージキャパシタCaの一方の電極に接続されている。このストレージキャパシタCaの他方の電極にはドライビング用トランジスタTr2のソースSbが接続されている。
かかる駆動回路の動作について説明すると、まず、電力供給線51の電圧がストレージキャパシタCaを介してスイッチング用トランジスタTr1のドレインDaに印加された状態において走査線53を通電させると、スイッチング用トランジスタTr1はオフからオンに切り換わる。かかるスイッチング動作により、ドライビング用トランジスタTr2のゲート電圧が下がり、ドライビング用トランジスタTr2はオフからオンに切り換わる。この結果、有機EL素子が動作して所定の光量で発光するとともに、電力供給線51と容量線52の電位差によりストレージキャパシタCaが充電される。
その後、スイッチング用トランジスタTr1がオンからオフに切り換えられたとしても、ドライビング用トランジスタTr2はストレージキャパシタCaに充電された電荷によりオン状態を維持するため、有機EL素子は発光状態を維持する。この結果、画像データをシフトレジスタに転送するためにスイッチング用トランジスタTr1をオンからオフに切り換えたときであっても、有機EL素子は継続して発光動作を維持し、高輝度な画素の露光が可能となる。
このように、本実施形態の露光ヘッドによれば、ワイヤ・ボンディングを用いることなく各有機EL素子とICドライバ(回路チップ)との間を電気的に接続することができ、実装面積を抑えることが可能となる。特に、各アノード配線パッド(アレイ基板側電極パッド、回路チップ側電極パッド)を千鳥状に配置することにより、例えば二次元アレイ状に等間隔配置する場合等に比べて実装面積を削減することができるので、露光ヘッド全体の幅(長手方向と直交する方向の長さ)を小さくすることが可能となる。
また、各ドライバICが有機EL素子の直上に対向するようにして有機ELアレイ(アレイ基板)と各ドライバIC(回路チップ)のそれぞれとを配置する構成の採用により、バンプ接続時の押圧力によってドライバIC内の駆動回路及び/又は有機EL素子にストレスがかかって破損等の不具合を生じるのを回避することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
有機ELアレイ露光ヘッドの全体構成を説明する概略図である。 有機ELアレイ露光ヘッドの制御回路の構成を説明するブロック図である。 有機ELアレイ露光ヘッドの上記図1に示したA部を拡大し、部品構成を概略的に説明する平面図である。 有機ELアレイ露光ヘッドの上記図3に示したB部の拡大図であり、集光レンズアレイの構造の詳細を示すものである。 有機ELアレイ露光ヘッドの上記図3に示したC部の拡大図であり、有機ELアレイの構造の詳細を示すものである。 有機ELアレイ露光ヘッドの上記図3に示したD部の拡大図であり、となり合ったドライバICの詳細を示す。 有機ELアレイ露光ヘッドのより詳細な断面図であり、上記図1に示したB−B線方向の断面を示す。 有機ELアレイ露光ヘッドの上記図7に示すF部の拡大断面図であり、露光ヘッドモジュールを示す図である。 露光ヘッドモジュールの上記図8に示すG部の拡大図であり、有機ELアレイの発光部周辺とドライバICの層構成を説明するものである。 露光ヘッドモジュールの構成を説明するための図である。 露光ヘッドモジュールの各構成要素を説明するための図である。 集光レンズアレイの構造を説明するための図である。 図11に示す有機ELアレイの生成工程を説明するための図である。 本実施形態に係る発光素子制御回路の構成を示す図である。 発光部をアクティブマトリクスで駆動させる駆動回路の構成を示す図である。 光源として有機ELを採用した有機ELアレイプリントヘッドの構成を例示した図である。
符号の説明
1…有機ELアレイ露光ヘッド、 2…コネクタ、 3…フレーム、 4…集光レンズアレイ、 7…ドライバIC7、 8…有機ELアレイ、 16a、16b、32a、32b…アノード配線パッド(アレイ基板側電極パッド)、 20a、20b、36a、36b…アノード配線パッド(回路チップ側電極パッド)

Claims (4)

  1. 複数の有機EL素子が配され、前記有機EL素子からの光が他方面に放出されるアレイ基板と、
    前記有機EL素子を駆動する回路チップであって、前記有機EL素子の駆動回路が前記アレイ基板と対向するようにして配される回路チップと、
    前記アレイ基板と前記回路チップを接続するバンプと、を含み、
    前記複数の前記有機EL素子のそれぞれは、
    発光部と、
    前記発光部から第1方向に延在するカソード電極と、
    前記発光部から前記第1方向と逆方向である第2方向に延在する電極部を有するアノード電極と、
    を有し、
    前記バンプは、少なくとも
    各有機EL素子の前記発光部から前記第1方向に所定の距離離間して配置され、各有機EL素子の前記カソード電極と接続される第1バンプ電極群と、
    各有機EL素子の前記発光部から前記第2方向に所定の距離離間して配置され、各有機EL素子の前記アノード電極と接続される第2バンプ電極群と、
    を有し、
    前記第1バンプ電極群および前記第2バンプ電極群は、それぞれ千鳥状に配置され、
    記アレイ基板における前記複数の前記有機EL素子が配された素子形成面と前記有機EL素子の駆動回路が配された前記回路チップが、前記第1バンプ電極群および前記第2バンプ電極群を介して接合され、
    記アレイ基板と前記回路チップとの接合部内側に、隙間をし、
    前記隙間に、乾燥部材が介挿されていることを特徴とする露光ヘッド。
  2. 前記アレイ基板は、前記複数の有機EL素子と、前記複数の有機EL素子の周辺領域に前記第1バンプ電極群および前記第2バンプ電極群と接続するアレイ基板側電極パッドを配する請求項1に記載の露光ヘッド。
  3. 前記回路チップは、前記駆動回路と、前記駆動回路の周辺領域に前記第1バンプ電極群および前記第2バンプ電極群と接続する前記回路チップ側電極パッドを配置する請求項1または2に記載の露光ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の露光ヘッドを用いることを特徴とする画像形成装置。
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